(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記メール送信部は、前記メールの再送信を実行するか否かを問い合わせる表示に対して実行指示を受け付けたことに応じて、前記メールを再送信するメール送信処理を実行する、請求項1に記載のプログラム。
前記表示制御部は、前記第2のコマンドに対するエラーを前記メールサーバから受信した場合、前記受信者に関するエラーが発生したことを通知する表示を行わせる、請求項1から3のいずれか一項に記載のプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0010】
図1は、通信端末100の通信環境の一例を概略的に示す。本実施形態に係る通信端末100は、SMS(Short Message Service)の利用が制限された、携帯電話等の通信端末である。通信端末100は、通信キャリア30の通信サービスを享受する。通信端末100は、通信キャリア30によって提供されるいわゆるキャリアメールを利用可能であってよい。
【0011】
通信端末100は、通信キャリア30のメールサーバ300を介してメールを送信する。通信端末100は、ネットワーク10を介してメールサーバ300と通信する。ネットワーク10は、例えば、電話網及びインターネットを含む。通信端末100は、任意のメールアドレスを宛先としてメールを送信可能であってよい。
【0012】
メールサーバ300は、通信キャリア30の通信サービスを享受する通信端末210に対応するメールアドレス宛てのメールを通信端末100から受信した場合、当該メールアドレスを用いて通信端末210にメールを送信する。通信端末210は、スマートフォン等の携帯電話及びタブレット端末等であってよい。通信キャリア30の通信サービスを享受する通信端末を、通信キャリア30の通信端末と記載する場合がある。
【0013】
メールサーバ300は、通信キャリア30とは異なる通信キャリア40の通信端末220に対応するメールアドレス宛てのメールを通信端末100から受信した場合、当該メールアドレスを用いて通信端末220宛にメールを送信する。メールサーバ300が送信したメールは、通信キャリア40のメールサーバ400を介して通信端末220に送信される。
【0014】
メールサーバ300は、通信プロバイダの通信サービスを享受する通信装置230に対応するメールアドレス宛てのメールを通信端末100から受信した場合、当該メールアドレスを用いて通信装置230宛にメールを送信する。通信装置230は、PC(Personal Computer)等であってよい。メールサーバ300が送信したメールは、通信装置230に通信サービスを提供する通信プロバイダのメールサーバ500を介して通信装置230に送信される。
【0015】
通信端末100は、通信キャリア30の通信端末に対しては、電話番号を宛先としてメールを送信可能であってよい。メールサーバ300は、通信キャリア30の通信端末の電話番号とメールアドレスとを対応付けて格納し、通信キャリア30の通信端末同士の間における、電話番号のみを指定したメールの送信を可能にする。例えば、メールサーバ300は、通信端末210の電話番号宛のメールを通信端末100から受信した場合、当該電話番号に対応するメールアドレスを特定して、特定したメールアドレスを用いて通信端末210にメールを送信する。
【0016】
図2は、通信端末100のアドレス帳104の一例を概略的に示す。アドレス帳104は、連絡先の名前、電話番号及びメールアドレスを含む。アドレス帳104は、これら以外に、連絡先の住所等の情報を含んでもよい。
【0017】
通信端末100は、通信端末100の使用者によって、メールの宛先としてメールアドレスが指定された場合、当該メールアドレスを宛先としてメールをメールサーバ300に送信する。通信端末100は、通信端末100の使用者によって、メールの宛先として電話番号が指定された場合、当該電話番号を宛先としてメールをメールサーバ300に送信する。
【0018】
通信端末100は、通信端末100の使用者によって複数の連絡先のうちの一の連絡先がメールの宛先として指定されたとき、指定された連絡先のメールアドレスが登録されている場合には、当該メールアドレスを宛先としてメールをメールサーバ300に送信してよい。通信端末100は、指定された連絡先のメールアドレスが登録されていない場合、当該連絡先の電話番号を宛先としてメールをメールサーバ300に送信してよい。
【0019】
例えば、通信端末100は、名前AAAAの連絡先がメールの宛先として指定された場合、aa@xxxxxx.jpを宛先としてメールをメールサーバ300に送信する。また、例えば、通信端末100は、名前CCCCの連絡先がメールの宛先として指定された場合、08055556666を宛先としてメールをメールサーバ300に送信する。
【0020】
メールアドレスを宛先とした場合、メールサーバ300によって、当該メールアドレスを用いてメールが送信される。電話番号を宛先とした場合、当該電話番号が通信キャリア30の通信端末の電話番号であれば、メールサーバ300によってメールアドレスが特定されて、当該メールアドレスを用いてメールが送信される。宛先の電話番号が通信キャリア30の通信端末の電話番号でなければ、メールサーバ300から通信端末100に対してエラーが通知される。
【0021】
図3は、通信端末100によってメールサーバ300に対して実行される複数のコマンドによるメール送信処理の一例を概略的に示す。ここでは、通信端末100が、通信端末100の使用者からメールを送信する指示を受け付けて、メールサーバ300との通信接続を確立した状態を開始状態として説明する。
図3は、エラーが発生せずにメールの送信が成功する場合の流れを示す。なお、
図3に示すコマンドは例示であり、通信端末100によって実行されるコマンドは、一部又は全部が
図3に示すコマンドとは異なってもよい。
【0022】
ステップ(ステップをSと省略して記載する場合がある。)302では、通信端末100がメールサーバ300に対してHELOコマンドを実行する。S304では、メールサーバ300が通信端末100に対して肯定応答を行う。
【0023】
S306では、通信端末100がメールサーバ300に対してMAILコマンドを実行する。S308では、メールサーバ300が通信端末100に対して肯定応答を行う。
【0024】
S310では、通信端末100がメールサーバ300に対してRCPTコマンドを実行する。S312では、メールサーバ300が通信端末100に対して肯定応答を行う。
【0025】
S314では、通信端末100がメールサーバ300に対してDATAコマンドを実行する。S316では、メールサーバ300が通信端末100に対して肯定応答を行う。
【0026】
S318では、通信端末100がメールサーバ300に対してメール本体のデータを送信する。通信端末100は、複数回に分けてメール本体のデータをメールサーバ300に送信してよい。
【0027】
S320では、通信端末100が、メール本体のデータ送信が終了したことをメールサーバ300に通知する。S322では、メールサーバ300が通信端末100に対して肯定応答を行う。
【0028】
S324では、通信端末100がメールサーバ300に対してQUITコマンドを実行する。S326では、メールサーバ300が通信端末100に対して肯定応答を行う。そして、処理が終了する。
【0029】
S310において、通信端末100がRCPTコマンドにおいて電話番号を指定したとき、当該電話番号が通信キャリア30の通信端末の電話番号であり、かつ、当該電話番号に対応するメールアドレスが登録されている場合には、RCPTコマンドが成功して、メールサーバ300から通信端末100に対して肯定応答が行われる。一方、当該電話番号が通信キャリア30の通信端末の電話番号でない場合、及び、当該電話番号に対応するメールアドレスが登録されていない場合には、RCPTコマンドが失敗して、メールサーバ300から通信端末100に対してエラーが通知される。この場合、通信端末100が仮にメールを再送信しても、メールの再送信は失敗することになる。
【0030】
本実施形態に係る通信端末100は、RCPTコマンドに対するエラーが通知された場合には、メールの再送信を実行するか否かを問い合わせる表示は行わずに、メールの再送信を実行するか否かを問い合わせない表示を行う。例えば、通信端末100は、メールの再送信を実行するか否かを問い合わせる内容は含まずに、メールの受信者に関するエラーが発生したことを通知する表示を行う。これにより、メールの再送信が必ず失敗する状況において、使用者に対してメールの再送信を実行するか否かを問い合わせてしまうことを防止することができる。
【0031】
図4は、通信端末100の機能構成の一例を概略的に示す。通信端末100は、入力受付部112、メール送信部114、応答受信部116、及び表示制御部118を備える。
【0032】
入力受付部112は、使用者からの入力を受け付ける。入力受付部112は、通信端末100が備える任意の入力デバイスを用いた入力を受け付ける。入力デバイスは、例えば、タッチパネル及び入力キー等である。入力受付部112は、例えば、メールを作成するための入力を受け付ける。入力受付部112は、例えば、メールの送信指示を受け付ける。
【0033】
メール送信部114は、入力受付部112がメールの送信指示を受け付けたことに応じて、メール送信処理を実行する。メール送信部114は、メールサーバ300に対して複数のコマンドを実行することによってメール送信処理を実行してよい。
【0034】
メール送信部114は、メールの宛先としてメールアドレスが指定された場合、当該メールアドレスを宛先としてメールをメールサーバ300に送信する。メール送信部114は、メールの宛先として電話番号が指定された場合、当該電話番号を宛先としてメールをメールサーバ300に送信する。
【0035】
メール送信部114は、アドレス帳104に登録された複数の連絡先のうちの一の連絡先がメールの宛先として指定されたとき、指定された連絡先のメールアドレスが登録されている場合には、当該メールアドレスを宛先としてメールをメールサーバ300に送信してよい。メール送信部114は、指定された連絡先のメールアドレスが登録されていない場合、当該連絡先の電話番号を宛先としてメールをメールサーバ300に送信してよい。
【0036】
メール送信部114は、メールアドレスを宛先とする場合、メールアドレスを含むRCPTコマンドをメールサーバ300に対して実行してよい。メール送信部114は、電話番号を宛先とする場合、電話番号を含むRCPTコマンドをメールサーバ300に対して実行してよい。
【0037】
応答受信部116は、メール送信部114によるコマンドの実行に対する応答をメールサーバ300から受信する。応答受信部116は、コマンドが成功した場合、肯定応答をメールサーバ300から受信する。応答受信部116は、コマンドが失敗した場合、エラーをメールサーバ300から受信する。
【0038】
表示制御部118は、メール送信部114が実行する複数のコマンドのうち、第1のコマンドに対するエラーを応答受信部116がメールサーバ300から受信した場合、メールの再送信を実行するか否かを問い合わせる表示をディスプレイ102に行わせる。第1のコマンドは、メールの受信者を指定するコマンド以外のコマンドであってよい。第1のコマンドは、RCPTコマンド以外のコマンドであってよい。メール送信部114は、メールの再送信を実行するか否かを問い合わせる表示に対して、入力受付部112が実行指示を受け付けた場合、メールを再送信するメール送信処理を実行してよい。
【0039】
表示制御部118は、メール送信部114が実行する複数のコマンドのうち、第2のコマンドに対するエラーを応答受信部116がメールサーバ300から受信した場合、メールの再送信を実行するか否かを問い合わせない表示をディスプレイ102に行わせる。表示制御部118は、例えば、電話番号を含む第2のコマンドに対して、第2のコマンドに含まれる電話番号が登録されていないことを示すエラー及び第2のコマンドに含まれる電話番号に対応するメールアドレスが登録されていないことを示すエラーの少なくともいずれかを応答受信部116がメールサーバ300から受信した場合、メールの再送信を実行するか否かを問い合わせない表示をディスプレイ102に行わせる。
【0040】
表示制御部118は、例えば、メールの再送信を実行するか否かを問い合わせず、受信者に関するエラーが発生したことを通知する表示をディスプレイ102に行わせてよい。第2のコマンドは、メールの受信者を指定するコマンドであってよい。第2のコマンドは、例えば、RCPTコマンドである。
【0041】
図5は、通信端末100の表示画面の遷移の一例を概略的に示す。
図5は、メールの再送信を実行するか否かを問い合わせる表示を行う場合の表示画面の遷移の一例を示す。
【0042】
確認画面120は、作成したメールを確認するための画面の一例である。確認画面120においてメールの送信指示を受け付けた場合、メール送信部114はメールの送信を開始する。送信中画面122は、メール送信部114によってメールが送信されている間の画面の一例である。
【0043】
送信失敗画面124は、メール送信部114が実行する複数のコマンドのうち、第1のコマンドに対するエラーをメールサーバ300から受信した場合に表示される画面の一例である。送信失敗画面124は、メールを送信できなかったことと、メールの再送信を実行するか否かを問い合わせることとを表すテキストを含む。当該問い合わせに対して実行指示を受け付けた場合、メール送信部114は、メールを再送信するメール送信処理を実行する。当該問い合わせに対して否定指示を受け付けた場合、キャンセル画面126が表示させる。
【0044】
キャンセル画面126において、肯定指示を受け付けた場合、メールの送信処理は中止されて、例えば、メールを作成するための文字入力の画面の前の画面に戻る。キャンセル画面126において、否定指示を受け付けた場合、送信失敗画面124が再度表示される。
【0045】
図6は、通信端末100の表示画面の遷移の一例を概略的に示す。
図6は、メールの再送信を実行するか否かを問い合わせない表示を行う場合の表示画面の遷移の一例を示す。
【0046】
確認画面120は、作成したメールを確認するための画面の一例である。確認画面120において、メールの送信指示を受け付けた場合、メール送信部114はメールの送信を開始する。送信中画面122は、メール送信部114によってメールが送信されている間の画面の一例である。
【0047】
宛先エラー画面128は、メール送信部114が実行する複数のコマンドのうち、第2のコマンドに対するエラーをメールサーバ300から受信した場合に表示される画面の一例である。宛先エラー画面128は、メールの再送信を実行するか否かを問い合わせる内容を含まず、受信者に関するエラーが発生したことを通知する内容を含む。宛先エラー画面128の表示後は、メールを作成するための文字入力の画面の前の画面に戻る。
【0048】
図7は、通信端末100として機能するコンピュータ900のハードウエア構成の一例を示す。本実施形態に係るコンピュータ900は、SoC910、メインメモリ922、フラッシュメモリ924、アンテナ932、アンテナ934、ディスプレイ940、マイク942、スピーカ944、USBポート952、及びカードスロット954を備える。
【0049】
SoC910は、メインメモリ922及びフラッシュメモリ924に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。アンテナ932は、いわゆるセルラーアンテナである。アンテナ934は、いわゆるWiFi(登録商標)アンテナである。SoC910は、アンテナ932及びアンテナ934を用いて、各種通信機能を実現してよい。SoC910は、例えば、アンテナ932又はアンテナ934を用いてSoC910が使用するプログラムを受信して、フラッシュメモリ924に格納してよい。
【0050】
SoC910は、ディスプレイ940を用いて各種表示機能を実現してよい。SoC910は、マイク942を用いて各種音声入力機能を実現してよい。SoC910は、スピーカ944を用いて各種音声出力機能を実現してよい。
【0051】
USBポート952は、USB接続を実現する。カードスロット954は、SDカード等の各種カードとの接続を実現する。SoC910は、USBポート952に接続された機器又はメモリと、カードスロット954に接続されたカードとから、SoC910が使用するプログラムを受信して、フラッシュメモリ924に格納してよい。
【0052】
コンピュータ900にインストールされ、コンピュータ900を通信端末100として機能させるプログラムは、SoC910等に働きかけて、コンピュータ900を、通信端末100の各部としてそれぞれ機能させてよい。これらのプログラムに記述された情報処理は、コンピュータ900に読込まれることにより、ソフトウエアと上述した各種のハードウエア資源とが協働した具体的手段である入力受付部112、メール送信部114、応答受信部116、及び表示制御部118として機能する。そして、これらの具体的手段によって、本実施形態におけるコンピュータ900の使用目的に応じた情報の演算又は加工を実現することにより、使用目的に応じた特有の通信端末100が構築される。
【0053】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0054】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。