【文献】
NeuroToxicology,2012年,Vol. 33,p. 1048-1057
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
少なくとも第2の経路指定層を備える、前記基板の前記下面上に配置された第2の層であって、前記第2の経路指定層が、前記複数のビアのうちの少なくとも1つと電気通信する、第2の層と、
前記第2の層上に配置された第2の絶縁層と、を更に備える、請求項1に記載の電気生理培養プレート。
前記電気生理培養プレートの長さ、幅、及び厚さのうちの少なくとも1つが、American National Standards Institute(米国国家規格協会)規格及びSociety for Lab Automation and Screening規格のうちの少なくとも1つに準拠する、請求項1に記載の電気生理培養プレート。
前記受け入れ空洞が、前記内部底面から延びる少なくとも1つの位置決めピンを備え、前記電気生理培養プレートが、対応する少なくとも1つの位置決めピンを受け入れるように構成された少なくとも1つの位置決め孔を更に備える、請求項17に記載のシステム。
前記電気生理培養プレート上に配置された前記接触パッドと前記高密度コネクタアレイとの間の電気接触を維持するために所定の力を加えるためのレバーを更に備える、請求項17に記載のシステム。
前記透明MEAプレートまたは前記生物培養プレートのうちの少なくとも1つが、各培養ウェルの底面を画定し、前記底面が、少なくとも部分的に透明である、請求項1に記載の電気生理培養プレート。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、以下の発明を実施するための詳細な説明、実施例、図面、及び特許請求の範囲、ならびにそれらの前の及び以下の記載を参照にして、より容易に理解され得る。しかしながら、本デバイス、システム、及び/または方法が開示され記載される前に、本発明は、そのように別段の規定のない限り、開示された特定のデバイス、システム、及び/または方法に限定されるものではなく、勿論、変動し得ることが理解されるべきである。また、本明細書に使用される用語は、特定の態様だけを記載する目的のためのものであり、限定することを意図されないことも理解される。
【0014】
本発明の以下の記載が、その最良の、現在既知の態様における本発明の可能な教示として提供される。この目的のために、当業者は、多くの変更が、本明細書に記載された発明の様々な態様になされ得る一方で、本明細書に記載された有益な結果を依然として得ることを認識し、理解するであろう。また、本明細書に記載された所望の利益のうちのいくつかが、他の特徴を利用せずに本明細書に記載された特徴のうちのいくつかを選ぶことによって、取得され得ることも明らかになるであろう。したがって、当業者は、本発明に対する多くの修正や適合が、可能であって、更に特定の状況において望ましい場合があり、本明細書に記載された一部分であることを認識するであろう。それ故、以下の記載は、本明細書に記載された原理の例示的なものとして提供され、それらに限定されるものではない。
【0015】
参照が、発明の1つ以上の実装の様々な態様を記載するために図面に対してなされることになる。図面は、1つ以上の実装の図形的及び概略的な表現であって、本開示を限定するものではないことが理解されるべきである。その上、様々な図面が、1つ以上の実装に機能すると考えられる、ある縮尺で提供されるが、図面は、必ずしも全ての企図された実装のために一定の縮尺で描かれない。それ故、図面は、例示的な縮尺を表わすけれども、推測が、任意の要求された縮尺に関して図面から導き出されるべきではない。
【0016】
以下の記載では、非常に多くの具体的詳細が、本明細書に記載された十分な理解を提供するために述べられる。しかしながら、本開示は、これらの具体的詳細を用いずに実施され得ることは当業者にとって明白であろう。他の場合では、電気生理培養システム及び微小電気機械システム(MEMS)の周知の態様が、開示した実装の態様を不必要に不明瞭にすることを回避するために、特に詳細に記載されていない。
【0017】
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される際、単数形「a」、「an」、及び「the」は、別段文脈が明確に規定しない限り、複数の指示物を含む。範囲は、「約」ある特定の値から、及び/または「約」別の特定の値までのように、本明細書において表現され得る。そのような範囲が表現されるとき、別の態様は、ある特定の値から及び/または他の特定の値までを含む。同様に、先行詞「約」の使用によって、値が近似値として表現される場合、特定の値が別の態様を形成することが理解されることになる。範囲のそれぞれの終点が、他の終点と関連しても、また、他の終点と独立しても、意味を表わすことが更に理解されることになる。
【0018】
「任意の」もしくは「任意に」は、その後に記載される事象または状況が、起こってもよいし、あるいは起こらなくてもよいこと、ならびにその記載が、その事象または状況が起こる場合と、それが起こらない場合を含むことを意味する。
【0019】
本明細書の記載及び特許請求の範囲の全体にわたって、文言「備える(comprise)」とその文言の変形、例えば「備えている(comprising)」や「備える(comprises)」などは、「限定されるものではないが、〜を含む」を意味し、例えば、他の付加物、構成要素、整数、またはステップを除外することを意図されない。「例示的な」は、「〜のある実施例」を意味し、好適なまたは理想的な態様の指示を伝えることを意図されない。「例えば〜など」は、制限的な意味に使用されるものではなく、説明的な目的のためのものである。
【0020】
開示された方法及びシステムを実行するために使用され得る構成要素が開示される。これらの及び他の構成要素が本明細書に開示され、これらの構成要素の組み合わせ、サブセット、相互作用、グループ等が開示されるとき、一方で、これらのそれぞれの様々な個々の及び集合的な組み合わせならびに置換の特定の参照が、明示的に開示されなくてもよく、それぞれが、全ての方法及びシステムについて、具体的に企図され、本明細書に記載されることが理解される。これは、限定されるものではないが、開示された方法におけるステップを含む、本出願の全ての態様に適用する。それ故、事前に定義され得る種々の追加のステップがある場合、これらの追加のステップのそれぞれが、開示された方法の態様の任意の特定の態様または組み合わせと共に事前に定義され得ることが理解される。
【0021】
本明細書に記載された実装は、ハイスループット電気生理機能のためのデバイス、システム、及び方法に関する。より具体的には、本開示は、集積された一体型微小電極アレイプレートを有する培養プレートを備える電気生理培養システムに関する。例えば、本明細書に記載された1つ以上の実装は、複数のMEAと、複数の培養ウェルを有する生物培養プレートと、を有する一体型MEAプレートを備える電気生理培養プレートを提供し、各MEAが複数の培養ウェルのうちの1つの培養ウェルに動作可能に結合されるように、MEAプレートが、培養ウェルプレートの下層にあると共に培養ウェルプレートに結合される。他の態様では、本開示は、電気生理培養プレートを受け入れるように構成された電子ユニットに関し、更に他の態様では、電気生理培養システムの配置及び有利な動作様式を容易にするために、電気生理培養プレートと電子ユニットの両方上に提供された機械的特徴と、に関する。
【0022】
次に、参照が、本発明の1つ以上の実装の様々な態様を記載するために図面に対してなされることになる。図面は、1つ以上の実装の図形的及び概略的な表現であって、本開示を限定するものではないことが理解されるべきである。その上、様々な図面が、1つ以上の実装に機能すると考えられる、ある縮尺で提供されるが、図面は、必ずしも全ての企図された実装のために一定の縮尺で描かれない。それ故、図面は、例示的な縮尺を表わすけれども、推測が、任意の要求された縮尺に関して図面から導き出されるべきではない。
【0023】
ハイスループットスクリーニング(HTS)ツールは、Society for Lab Automation and Screening(SLAS)及びAmerican National Standards Institute(ANSI:米国国家規格協会)によって確立された厳格な指針に従うマルチウェル生物培養プレートを使用する。これらの規格は、全てのHTS支援機器、例えば及び非限定的に、プレートリーダー、ロボット処理機、液体処理デバイス、及び同様のものなどによって、順守される。これらの規格への準拠は、ハイスループットMEAプラットフォームが、十分な可能性を実現することを可能にし得、なぜなら、それは、培地交換及び化合物供給の自動化を含む既存のハイスループットインフラストラクチャーを活用するからである。しかしながら、規格への順守は、単一の、大面積のプレートにわたる微小規模構造の画定を必要とし、それは、今度は、費用を劇的に増大させ得る。
【0024】
本明細書に開示された実装は、ANSI/SLASマイクロタイタープレート形態の外形寸法によって制限される垂直に集積された占有面積に基づく、電気生理培養プレートアセンブリと電子ユニットのドッキング設計を備える。ハイスループット電気生理培養プレートは、MEAプレートと集積された多壁生物培養プレートを備え得る。一態様では、これらの問題に対処するための費用対効果の高い拡張可能な技術が開示される。更なる態様では、単一の一体型基板上の1個、6個、12個、24個、48個、96個の、及び他の標準的なウェル構成MEAが、それらの製造と共に、開示される。いくつかの態様では、安価で標準的な技術、例えば、射出成形、ダイ切断、及びレーザ切断などにおける改革が活用され、これらの電気生理培養ウェルプレートのモジュール式アセンブリを可能にする。
【0025】
以下の記載では、非常に多くの具体的詳細が、本明細書の記載に完全な理解を提供するために述べられる。しかしながら、本開示が、これらの具体的詳細を用いずに実施され得ることは当業者にとって明白であろう。他の場合では、電気生理培養システム及び微小電気機械システムの周知の態様は、開示された実装の態様を不必要に不明瞭にすることを回避するために、特に詳細に記載されていない。
【0026】
次に
図1を参照して、ハイスループット電気生理培養システム100の1つの例示的な態様の実装が例示される。電気生理培養プレート102は、生物培養プレート106と集積された一体型MEAプレート104と、電気生理培養プレートを介して細胞培養を刺激し、反応を起こしてデータを記録するように構成されたソフトウェアと共に電子機器108と、を備え得る。電気生理培養プレートは、電気活性細胞を培養するように構成された複数の培養ウェルを備え得る。培養された細胞と細胞外でインターフェースを取るように構成された密に間隔を置かれた微小電極112の格子が、各培養ウェル114と動作可能に関連付けられる。各電極は、隣接するニューロンからの電気活動を記録して、それらの細胞を電気的に刺激するように構成され得る。この技法は、個々の神経挙動と回路網全体の活動の両方を、任意に、同時に、検査するための細胞外の、無標識方法を提供することができる。MEA培養ウェルプレートを電子ユニットに結合するように動作する機械的特徴がまた、提供され得る。更なる態様では、これらの機械的特徴が、電気生理培養プレートへの上側アクセスを妨げないように、構成され得る。別の態様では、電子ユニットが、微小電極と参照電極の両方によって捕獲された低振幅細胞外信号を増幅してフィルタリングするために使用され得、また、他の態様では、ユーザに指示された刺激を細胞にもたらし得る。更なる態様では、電子ユニットは、細胞から受信されたアナログ電極信号をコンピュータソフトウェアによって使用され操作され得るデータに変換し得、更に、測定される非常に低い振幅信号(すなわち、細胞外の記録)に入れられるノイズの量を最小限にする。
【0027】
ハイスループット電気生理機能のために、大面積の、ANSI/SLASに準拠した微小電極アレイ(MEA)プレートが重要であり得、なぜなら、業界規格の準拠は、他のハイスループット器具類、例えば及び非限定的に、プレートリーダー、ロボット処理機、及び同様のものなどとの互換性をもたらし得るからである。しかしながら、大規模領域プレートにわたって数百から数千もの微小規模センサを分配することは、現代の微細加工及び工程/デバイス設計内における課題を提示し得る。本開示は、ANSI/SLASに準拠した、ハイスループットMEAを実現するのに重要な以下の特徴を有するMEAベースの電気生理培養プレートを形成するためのデバイス、システム、及び方法を記載する。
【0028】
図2に示される一態様では、本開示は、培養ウェルプレート106と完全に垂直に集積され得るMEAプレート104を備えるハイスループットMEA培養ウェルプレート102を提供し得る。更なる態様では、一体型MEAプレート104と培養ウェルプレート106が、中間接着剤116によって接合され得る。別の態様では、一体型MEAプレートが、一体型であり得、追加または代替の態様では、例えば及び非限定的に、ポリマー、ガラス、ガラス強化エポキシ樹脂、及び同様のものを含むことができる。
【0029】
図3〜8に示される本発明の一態様が、培養ウェルの内容物と電子ユニットとの間の電気通信を最終的に提供する、電極、電極経路指定、及びビアを有する複数の層を有する一体型MEAプレートを備える。1つの例示的な実施例では、一体型MEAプレートが、4つの層を備え得、ここで、第1の層300が、その上にパターニングされた複数のMEAアレイ302及び第1の微小電極経路指定304を備え、各MEAアレイ302が、複数の参照電極802及び複数の微小電極804を備え、第2の層400が、複数の参照電極802と電気接触する参照電極経路指定402を備え、第3の層500が、参照電極経路指定402と電気接触する接地面502を備え、第4の層600が、第1の微小電極経路指定304と電気接触する第2の微小電極経路指定602を備え、対応する接触パッド604が、一体型MEAプレートの下部主表面上に形成される。
図7は、互いの上に重ね合わされた第1の層300、第2の層400、第3の層500、及び第4の層600を例示する。
図8は、48個のウェルを有する培養ウェルプレートの一実装における一体型MEAプレートの下層にある部分を描写する。
【0030】
一態様では、本開示は、MEA培養プレートのANSIまたはSLAS規定寸法の占有面積内に底側接触パッド504を提供し得る。業界規格ロボット処理機及び器具類とインターフェースを取るために、MEA培養プレートは、接触パッドの部分がANSIまたはSLAS規定の占有面積を超えて延びないように構成され得る。その上、接触パッドは、実験上の準備及び実行のために上側を効果的に保護するように、MEA培養プレートの底部上に位置され得る。
【0031】
別の態様では、本開示は、デバイスの周囲上に高密度電気接触パッドを提供することができる。多重化回路をプレートに組み込むことができない特定の実施形態では、高密度、底側接触504パッドが、デバイスの周囲上に位置付けられ得る。内部空間に接触パッドを配置することの回避は、ウェル及び/または同じパッド構成を有する多重ウェル構成の使用の下での光透過性を容易にする。
【0032】
一態様では、不透明の一体型MEAプレートを形成する1つの方法が、伝統的なPCB基板、例えば及び非限定的に、FR−4、ポリイミド、及び液晶ポリマー(LCP)、ならびに同様のものなどの上に、約50μmの金属トレースと、約40μmのレーザでパターニングされたビア(もしくは開口)と、をパターニングすることを含む。他のポリマー基板、例えば及び非限定的に、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、他の種々のポリイミド、例えば、透明ポリイミド、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)など、ならびに同様のものなどが、ポリイミド、例えば、カプトン(Kapton)に任意に代用され得る。代替または追加の態様では、高性能PCB技術が、かなり小さな特徴、例えば、約50μmよりも小さな金属トレース及び約40μmのレーザでパター二ングされたビアを可能にし得る。
【0033】
一態様では、ハイスループットANSI/SLAS形態にある追加の集積された参照電極と768個の刺激/記録用の微小電極を適応させるために、4つの経路指定層が、微小電極へのアクセスのために全信号を底側から上側に経路指定するために要求され得る。電子アクセスのための接触パッドは、デバイスの外周に沿って画定され得る。そのようなパッドの4つの列の画定は、(1個、6個、12個、24個、48個、96個、192個 384個の、及びより多くのウェル個数の培養ウェル設計のために)ANSI/SLAS規格マイクロタイター培養ウェル位置に影響を及ぼすことなく、種々の構成においてデバイス上の全ての768個の電極に接続する機能を確保する。パッドは、約1000μm×約800μmとすることができ、約1200μmのピッチを有することができる。しかしながら、パッド間の最短距離は、約320μmとすることができる。この設計における全部の金属トラックの経路指定が、(
図8に例示される)微小電極領域において約3ミルの間隔を有する約3ミル(もしくは約75μm)の金属トラック幅と、他の場所で約5ミルの間隔を有する約5ミル(もしくは約125μm)の金属トラック幅と、を用いて行われ得、それによって、費用対効果の高い生産を確保する。
【0034】
本開示の一態様では、MEAプレートを形成するために使用される5つの基本PCB工程が、写真製版、ミリング、エッチング、めっき、及び積層の組み合わせを含み得る。本開示を鑑みて、当業者は、PCB工程が、典型的には、大面積基板(例えば、19インチ×14インチ以上であり得るパネル)上で、クリーンルームの外側で実行されることを理解するであろう。したがって、PCB工程は、微細加工/微小電子工程よりも費用対効果の高い傾向があるけれども、それらは、微細加工工程と比較するとより大きな特徴サイズを生産する。上記5つの基本工程の繰り返しを用いて、複雑なデバイスが、可撓性基板と可撓剛性基板の両方上に生成され得る。
【0035】
図9に示される本開示の一態様では、写真製版が、可撓性基板または可撓剛性基板上に経路指定トレース及び接触パッドを画定するために使用され得る。典型的なPCB基板、例えば及び非限定的に、FR−4、カプトン(Kapton)、LCP、及び同様のものなどが、それらの上に接着されたか電気めっきされた(典型的には、オンス単位における銅の重量で指定される)様々な厚さの銅層を有し得る。その後、乾燥フィルムマスクが、銅めっきされたPCB上に被膜され得、画像化が、経路指定特徴を画定するためにUVランプを使用して行われ得る。次いで、乾燥フィルムレジストが現像され得、基板は、望ましくない領域から銅を除去するためにエッチングされ得る。当業者は、銅層がPCB基板の両側に接着され得、両側が、本明細書に記述された他の標準的な工程を使用して電気的に接続され得るように、両側処理が実行され得ることを理解するであろう。
【0036】
本発明の別の態様では、ミリング、ドリリング、及び同様のものが、大きなビアの場合には標準的な機械的ドリルビットまたは小さなサイズのビアの場合にはレーザ加工を使用して、ビアあるいは貫通孔を生成するために使用され得る。当業者は、レーザ加工されたビアが、高度に制御可能なドリル深さという追加された利点を有することを理解するであろう。
【0037】
本発明の別の態様では、銅または他の金属の無電解めっきと電気めっきの両方が、標準的なPCB処理において実行され得る。無電解めっきは、後続の電気めっきのための種層または接着層を提供するために使用され得る。例えば及び非限定的に、ニッケルは、ナノメートル規模の厚さを有する種層を生成するために使用され得る。別の態様では、PCBの経路指定層間の電気接触が、電気めっきされた銅ビアを通して提供され得る。
【0038】
本開示を鑑みて、当業者は、一連の5つの基本PCB手順を利用することによって、4つの経路指定層が、製作され得、積層工程を通して中間絶縁層を使用して一体型デバイスに共に組み合わされ得ることを理解するであろう。
【0039】
別の態様では、上部の金属層が積層され得る前に、軟金層が銅上に電着され得る。特定の態様では、金層電気めっきが、最終的な微小電極の画定において重要であり得る。更なる態様では、軟金層が、後段で実行されるレーザ微細機械加工に耐えるのに十分な厚さ、例えば、約20〜約30マイクロインチまたは約0.5〜約0.762μm)を実現するように画定され得る。一実施例において、十分な厚さは、約20から約30マイクロインチとすることができる。本開示を鑑みて、当業者は、薄膜金属上の電気めっきされた金属のそのような厚さが、レーザ微細機械加工を利用する電気めっきされた層の上部上に堆積されたポリマー材料の除去に耐えるのに十分であり得ることを理解するであろう。更なる態様では、金めっきの後に、カプトン(Kapton)の層が、完成した4層剛性FR−4の上部上に積層され得、微小電極の全てが画定され経路指定される。一実施例において、カプトン層は、12.5μmのアクリル接着剤を用いて12.5μmの厚さとすることができる。
【0040】
その後、
図10に描写される別の態様では、カプトン(Kapton)は、微小電極を画定するためにCO
2またはUVレーザのいずれかを利用して選択的にレーザ微細機械加工され得る。当業者は、約248nmで動作するエキシマレーザシステムが、ポリマーを微細機械加工するのにうまく適合され得ることを理解するであろう。アブレーションの間におけるレーザと材料の相互作用は、複雑であり得、例えば及び非限定的に、波長、パルス持続時間、強度などのレーザ特徴と、例えば及び非限定的に、吸収スペクトル、蒸発の容易さ、及び同様のものなどの材料特徴の両方に依存し得る。更なる態様では、除去される材料の量が、微細機械加工される材料の特性によって定められる閾値に関連し得る。更に別の態様では、レーザ微細機械加工工程が、部品上に残留炭素を堆積することがあり、したがって、プラズマ及び溶剤洗浄工程が、この残留物を除去するために使用され得、一体型の48ウェル不透明MEA基板を完成する。
図13は、不透明パネル上に製作された組み立てられた48ウェルMEAの光学顕微鏡写真を例示する。
【0041】
図11A及び11Bに示されるように、本開示の別の態様は、電極特徴が、軟金電気めっき及びレーザ微細機械加工工程によって画定され得ることである。これらの工程の両方は、ナノスケール上、例えば、100ナノメートル上にテクスチャ加工され得る金層を画定することができる。本開示を鑑みて、当業者は、テクスチャ加工が、表面領域の増大をもたらし、それ故、薄膜工程に基づくMEAプレートと比較すると優れたインピーダンス性能をもたらすことを理解するであろう。
【0042】
伝統的な微細加工は、典型的には、基板、例えばシリコンやガラスなどの上で実行され得る。生体外及び生体内用途のためのMEAプレートが、1960年代後半からこれらの基板上で実証されている。ここ最近、そのようなMEAプレートが、種々のポリマー、例えば及び非限定的に、パリレン、カプトン(Kapton)、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、SU−8、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリウレタン(PU)、及び同様のものなどの上で開発されている。当業者は、微細加工が、例えば及び非限定的に、拡張可能性、ナノスケールの特徴サイズ、頑強な製造可能性、(シリコン基板上のみの)CMOS集積化、高度な処理ツールセット、大量生産のための歩留り最適化、及び同様のことなどの利点をもたらすことを理解するであろう。しかしながら、前述したように、MEAプレートは、マイクロ及びナノスケールの特徴の比較的大きな領域に適合した画定を要求し得るので、ウェーハに基づく微細加工工程の伝統的な利点のうちのいくつかが、失われ得る。更に、シリコンは、透明性の要求に起因して使用することができない。当業者は、ディスプレイ、可撓性電子機器、及び太陽電池業界によって人気となり、費用対効果の高い、ガラスパネル微細加工が、特に、MEAプレートの製造にうまく適合することを理解するであろう。
【0043】
図12に示される発明の別の態様では、本発明は、ガラスパネル上のMEAプレート製作のための工程の流れを提供する。本開示を鑑みて、当業者は、処理ステップにおいてわずかな修正を加えて、これらのガラスパネルが、ポリマーパネルに置換され得ることを理解するであろう。ポリマー、例えば及び非限定的に、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、環状オレフィン・コポリマー(COC)、及び同様のものなどが、そのような工程のための理想的な候補であり得るが、それらが透明HTMEAに適用され得る前に、そのようなポリマーの処理温度、機械的特性(例えば、粗さ)、及び光学的特性(例えば、透明性)に対して慎重に考慮する必要がある。
【0044】
本開示の一態様では、ビアが、ガラスパネル内に生成され得る。ある例示的な実施例では、ガラスの厚さを約1mmとすることができる。例えば及び非限定的に、粉末ブラスト法、高精度CNCミリング、及びレーザ微細機械加工などの確立された技術が、基板の周囲上にビアを生成するために使用され得る。
【0045】
更なる態様では、ガラス基板内の微小流体ビア及びチャネルが、粉末ブラスト法によって形成され得る。当業者は、粉末ブラスト法が、本出願において、柔軟で、費用対効果が高く、かつ正確であり得ることを理解するであろう。粉末ブラスト法は、フォトリソグラフィを利用してビアの位置を規定し、その後、露出したガラスパネル領域が、ガラスをそれらの位置においてエッチングする粉末にさらされ得る。フォトレジストに覆われた領域は、これらの領域においてエッチングがあり得ることのないように、粉末を偏向する。約25μmの特徴サイズの正確性が、粉末ブラスト法を用いて、ビアに与える粗さを最小限に(2.5μmより小さく)して実現され得る。
【0046】
別の態様では、高精度CNCミリングが、ガラスパネル上にビアを微細加工するために利用され得る。CNCミリングは、広い領域にわたってガラスを正確に機械加工することができる。1つの例示的な実施例では、CNCミリングが、例えば及び非限定的に、数百ミリメートルなどの比較的広い領域にわたって約5μmの配置の正確性を実現することができる。
【0047】
別の態様では、ガラス基板上のビアが、レーザ微細機械加工を使用して生成され得る。当業者は、MEAプレートを製作するために使用される材料が、この機能に最も適したレーザの種類に影響を及ぼすことになることを理解するであろう。1つの例示的な実施例として、CO
2レーザが、例えば及び非限定的に、溶融石英及び同様のものなどの特定の種類のガラスを微細機械加工するのに適する。
【0048】
別の態様では、前に形成されたビアが、ビアを通る導電経路を確立するために、電気めっき、スクリーン印刷、または同様のものにさらされ得る。本開示を鑑みて、当業者は、スクリーン印刷が、それが広域処理に適合した技法であり得、優れた正確性を持って精密な特徴を生産する能力を有するので、ビアを形成するのに特にうまく適合され得ることを理解するであろう。スクリーン印刷は、非常に複雑なメッシュを利用する工程を含み、そのメッシュを通して、導電性接着剤が、メッシュ上に画定された所定のパターンに堆積され得る。一態様では、メッシュの複雑さのレベルは、画定されることになるビアまたはトレースのサイズに依存し得る。その後、導電性エポキシ樹脂の堆積が、スクリーンと密接な接触を取るスキージーを利用して行われ得、それの動きは正確に制御され得る。パラメータ、例えば力や速度などが、充填される導電性ビアのパターンを作り出すために最適化され得る。更に、真空が、最も高いビアの完全な充填を確保するために要求されることがある。1つの例示的な態様では、最も高いビアは、約1mmの高さとすることができる。
【0049】
別の態様では、スクリーン印刷された基板が、更なる処理のための最小限の表面粗さを有する基板を実現するために研磨され得る。
【0050】
更なる態様では、スクリーン印刷されたガラスパネルが、金属トラック、絶縁、及び微小電極を構造化することを含み得る追加の処理を受けることができる。当業者は、大量微細製造、例えば及び非限定的に、リフトオフ及び堆積/エッチングなどにおいて十分に確立された標準的な微細加工技術が、スクリーン印刷されたガラスパネル上で金属トラックを規定するために利用され得ることを理解することができる。
【0051】
他の態様では、絶縁領域が、ガラスパネルの現在の形態上に選択的に画定され得る。1つの例示的な実施例では、SU−8絶縁が、フォトリソグラフィ工程を使用して画定され得る。別の例示的な実施例では、二酸化ケイ素または窒化ケイ素絶縁が、PECVD工程を利用して画定され得、フォトリソグラフィ工程及びエッチング工程がその後に続く。ここで、エッチング工程(すなわち、ウェットもしくは乾燥エッチングまたは両方の組み合わせ)が、フォトレジストがデバイスの残りをエッチングから保護する間に、記録部位/微小電極を画定し得る。更に別の実施例では、パリレンがまた、二酸化ケイ素及び窒化ケイ素について記載された工程を利用して画定され得る。しかしながら、パリレンの堆積は、室温蒸着であり得る。
【0052】
別の態様では、微小電極が、組み立てられるデバイスレベルにおいて広域精細電気めっき工程を利用して、ガラスパネルを個々の単位にダイシングすることによって取得された個々のデバイス上に形成され得る。1つの更なる態様では、微小電極が、ナノ多孔質白金から形成され得る。
【0053】
本開示の一態様では、MEAプレートに接合されるように構成されたマルチウェル生物培養プレートが、提供され得る。別の態様では、生物培養プレートが、蓋を更に備え得る。生物培養プレート及び蓋は、例えば及び非限定的に、従来の射出成形技法によって、形成され得る。更なる態様では、生物培養プレート及び蓋が、例えば及び非限定的に、ポリスチレン、ポリカーボネート、及び同様のものなどの材料を含み得る。
【0054】
別の態様では、生物培養プレートが、ANSI/SLASに準拠するように構成される。
【0055】
別の態様では、蓋が、ダブルバッフル式の縁を備え、蒸発によって失われる流体の量を削減する及び/または無菌状態を維持する。
【0056】
別の態様では、少なくとも1つの電子ポケットが、生物培養プレート上に形成され得、ICとセンサの配置のための間隔を与える。本開示を鑑みて、当業者は、MEAプレートを生成するために使用される可撓性PCB技術またはガラスパネル微細加工技術が、センサ及びICを追加するのにうまく適合され得ることを理解するであろう。1つの例示的な実施例では、48ウェル電気生理培養プレートが、MEAプレート上に配置されたEEPROMメモリチップであって、生物培養プレート上に形成されたポケット内に配置されたEEPROMメモリチップを備える。本開示の更なる態様は、チップが、電気生理培養プレートについての情報、例えば、限定されるものではないが、プレートの種類、電極マッピング、特定の電極特性、及び同様のものなどを記憶するために、電子データ取得システムによって使用され得ることである。追加または代替の態様では、チップが、実行される実験についてのユーザ情報、例えば及び非限定的に、実験が開始されたときに、培養された細胞または化合物の種類、適用される濃度、及び同様のものなどを記憶するために使用され得る。他の態様では、電子ポケットがまた、他の種類のICチップ、例えば及び非限定的に、温度センサ、CO
2センサ、湿度センサ、pHセンサ、O
2センサ、及び同様のものなどに使用され得る。
【0057】
他の態様では、本開示は、細胞毒性のリスクを排除するために簡単な処置を使用して殺菌され得る電気生理培養プレートであって、細胞培養応用のために(標準的な生体分子処置とは別の)表面の準備を必要としない、電気生理培養プレートを提供することができる。
【0058】
他の態様では、本開示は、隣接ウェル間の連通または汚染を防ぐために動作可能な培養ウェルプレート構成を提供する。
図21に示される更なる態様では、蓋2100が、培養ウェルのそれぞれの上に重なるように構成された複数のウェルキャップ2102を備える。別の態様では、複数の培養ウェルのそれぞれが、培養プレートの周壁に対して同じ高さを有する。
【0059】
図20A及び20Bに示される他の態様では、本開示は、特に微小電極領域上に堆積される細胞/生体分子処置の量を集中させるように構成された培養ウェルを有する培養ウェルプレートを提供する。更に他の態様では、本開示は、上部直径及び下部直径を備える培養ウェルを有する培養ウェルプレートを提供し、上部直径が、下部直径よりも大きい。更なる態様では、各培養ウェルが、ウェルの下部部分上で円錐形または円錐台形構造を囲み得る。
【0060】
図17A〜19に示される別の態様では、生物培養プレート及びMEAプレートが、プレートの方向性を規定するように、もしくはハイスループット培養ウェルプレートをダイカット接着剤及び電極基板に、またはその両方に整合させるように構成された、少なくとも1つの整合特徴1701を含む。別の態様では、一旦組み立てられると、位置決めピン特徴1702が、電気生理培養プレートアセンブリを電子ユニット内に位置するドッキング機構及び高密度コネクタに整合させることができる。
【0061】
一態様では、電気生理培養プレートの最終アセンブリが、拡張可能な様式で行われ得る。ここで、アセンブリのステップの全てが、多数のデバイスのアセンブリに同時に適応し得る。
図2に示されるように、共に接合する少なくとも3つの構成要素、すなわち、48ウェルMEAプレート、ダイカットまたはレーザーカット接着剤、及び生物培養プレートがある。1つの例示的な実施例では、アセンブリ工程が、1つのデバイスを一度に組み立てるように構成された3.5インチ×5インチの固定具上で行われ得る。更なる態様では、固定具が、複数のデバイスに適応するように構成され得る。更なる実施例では、固定具が、少なくとも12インチ×18インチのパネルを備え得る。別の態様では、接着剤が、真空補助型圧着工程の複数のステップにおいてMEAプレート及び生物培養プレートと約100μmの正確性を持って実体顕微鏡下で精密に整合され得る。代替の態様では、圧縮が、積層プレス機または標準圧縮プレス機を利用して、ほぼ最終的な電気生理培養プレートに対して適用され得る。
【0062】
図22〜23に示される他の態様では、本開示は、細胞を刺激して、任意に、その直後に、それからデータを記録するように構成され得る微小電極に結合された電子ユニット2200を提供することができる。当業者は理解することになるように、刺激及び刺激直後の記録は、複雑であり得、刺激と記録が行われる全く異なる規模に起因して現在の商業用MEAシステムでは容易に利用可能ではない。神経組織の特定の場合では、数百ミリボルトが、細胞外の電極を通る刺激に起因する応答を実現するために必要とされる一方で、同じ電極が、組織または細胞培養が信号を生成するときに数十マイクロボルトで信号を示すことになる。それ故、4桁の差異が、刺激及び記録信号の間に存在し、回復技法が使用されない限り、電極上のこの差異の影響が、信号回復を効果のないものにさせる。この障害は、アーチファクトと一般的に呼ばれ、信号増幅要素の飽和及びこれらの強い信号からの回復の間の信号処理連鎖におけるそれの影響を含む。
【0063】
本開示の一態様は、電極を有効範囲に迅速に戻すために放電増幅器の形態でフィードバックを組み込み得る閉ループアーチファクト抑制を利用する電子ユニットを提供し、伝統的な開ループシステムがもたらさない効果を補う。一態様では、アーチファクト抑制が、刺激アーチファクトを著しく削減するか排除するように構成されたASICによって実装され得る。ここで、ASICは、電極インターフェース、電極を刺激するための経路、内蔵式の利得及び帯域幅制御を備える前置増幅器、ならびに多重化及び出力バッファリングを含むことができる。この特注設計は、全768チャネル上で刺激、アーチファクト除去、及び記録を実施することを可能にし、それは、商業用既製部品を使用して可能ではなかったであろう。そのような電子ユニットは、2006年8月29日に出願された米国特許出願第11/511,794号に記載され、その米国特許出願の内容は、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0064】
別の態様では、本開示は、電気生理培養ウェルプレートに集積された少なくとも1つの整合特徴を提供することができる。更なる態様では、高密度電気接触が、微小電極に機能性を与えるように構成された電子システムに整合するように構成され得る。
【0065】
別の態様では、本開示は、非限定的な電気機械的インターフェースを提供することができる。より具体的には、自動液体取扱い機ならびに蒸発制御が利用される実験に適応させるために、本開示は、電子ユニットへの装置の取り付け前もしくは後に、培養プレート蓋の追加または取り外しを可能にし得る。
【0066】
他の態様では、本開示は、電気生理培養プレートと、関連付けられた電子ユニットであって、電気生理培養プレートと、電子ユニットと関連付けられた高密度コネクタとの間の自己整合を可能にするための少なくとも一対の係合する機械的特徴を有する、関連付けられた電子ユニットと、を提供する。更に他の態様では、本開示はまた、電子ユニット内の電気生理培養プレートの整合及び取り付けを容易にするように構成された少なくとも一対の係合する機械的特徴を有する電気生理培養ウェルプレートを提供する。
【0067】
一態様では、SLAS占有面積内の垂直システム統合は、外周領域の少なくとも一部分の周りに電気生理培養プレートの底側上に位置する接触パッド通して電気生理培養プレートとインターフェースを取るように構成された電子データ取得システム内で高密度コネクタを使用して実現され得る。一態様では、高密度コネクタのそのようなシステムが、MEAプレート上にコネクタを必要とせず、それによって、接続インターフェースに充てられるスペースの量を削減する。そのようなインターフェースは、上記した、標準的な可撓性PCB工程またはガラスパネル微細加工工程を通して製作され得る接触パッドのパターンを通して実装され得る。一態様では、ピンが、プレートの外周の周りに位置し得、更なる態様では、それらのピンが、培養ウェルへの妨害を減らすために、長い側面に沿って単独で位置し得る。本開示を鑑みて、当業者は、そのような配置が透明基板に特に重要であり得、ここで、ウェル境界内の内部または裏側トレース及びパッドが、光画像化を妨害するであろうことを理解するであろう。更に、ピンの外周位置及び対応する接触パッドが、例えば及び非限定的に、ハードウェア、ドッキング、または接続性の変更などの変更を必要とせずに、可撓性ウェル(例えば、1個、6個、12個、24個、48個、96個、384個のウェル、及びより多くのウェル個数の電気生理培養プレート)ならびに電極構成を可能にし得る。他の態様では、外周領域における接触パッドの位置がまた、加熱器の実装の場合には、裏側を開け得る。一態様では、加熱器が、電極基板PCB内に実装され得るか、あるいはそれは、電気生理培養プレートの下に位置して直接接触によって培養ウェルに熱を伝達するように構成された外部加熱器2203であり得る。
【0068】
別の態様では、外周接触パッドが、培養ウェルに対する上側アクセスを妨げることなく、ポゴピンに確実に係合させるのに十分な圧力をもたらし得るドッキング機構2201を可能にし得る。プラスチック製ハイスループット電気生理培養プレート設計は、プレートを適所にドッキングするために使用される補強された底部縁突出部を含む。MEAシステムは、このプレート突出部を把持して、これらの縁に直接力を加える機構2202を使用する。これは、プレートが係合され得るときに、ドッキング機構が、上側ウェルへのアクセス及び蓋の配置/取り外しを妨害することを防ぐ。縁突出部は、側面タブを含み、自動化された細胞培養及び液体分注機器との互換性をもたらす。この構成を用いて、ドッキング機構は、ドッキング力の全てをプレートの縁上に直接かけて、高密度コネクタインターフェースの上に直接均一な圧力をかける。
【0069】
PCB製作は、典型的には、クリーンルーム環境において実行されず、外部汚染を受けやすい可能性がある。更に、PCB工程における材料純度は、伝統的なクリーンルーム工程よりも厳格性が低い可能性がある。カプトン(Kapton)層を通る潜在的な浸出に伴う銅やニッケルからの毒性は、更なる懸念事項であり得る。カプトン(Kapton)のレーザ微細機械加工は、電極の表面の上に浸出物を潜在的に放出し得る工程である。それ故、本開示の一態様では、殺菌工程が、複数の細胞株(例えば、ラット皮質、ラット海馬、マウス皮質、幹細胞、後根神経節(DRG)等)、及び複数の材料表面(例えば、カプトン(Kapton)及びSU−8)にわたる細胞毒性に関する問題を軽減するために提供される。
【0070】
一態様では、電気生理培養プレートの殺菌が、脱イオン(DI)水、エタノール、及び熱の使用を含み、極めて細胞に適合性のある表面を生産する。一態様では、技法は、組み立てられたHTMEAをDI水で(3回)洗浄することを含み得、殺菌した70%のエタノールにおける無菌リンスがその後に続く。次に、デバイスは、受動的設定において5分間70%のエタノールに曝露され得、このステップの直後に100%のエタノールにおいてリンスされ得る。次いで、電気生理培養プレートは、無菌オーブン内で4〜5時間50℃で焼成され得、オーブン焼成の直後にプラスチックトレイの中に加熱封止され得る。
【0071】
本開示の別の態様では、製作した電気生理培養プレートの電気インピーダンス分光法が、個々の電極の電気特性を評価するために使用され得、処理ステップについてのフィードバック、例えば、電気めっきの結果、またはレーザ微細機械加工工程での結果を示す微小電極のサイズにおける変動などを提供し得る。したがって、生物学的試験の前に各電極の実現可能性を確立することが重要であり得る。一態様では、電極の実現可能性を確立することが、広範囲の周波数、例えば、1mHz〜100kHzにわたる微小電極インピーダンスの大きさ及び位相の高速自動測定を可能にし得る、特注の、制御されたスイッチングボードで補強された、Stanford Research SR785(Stanford Research Systems、Sunnyvale、CA)2チャネル動的信号分析器を用いて達成され得る。1つの例示的な実施例において、インピーダンス測定が、微小電極、参照接地電極、及び細胞導電培地(Hank’s Balanced Salt Solution)、Invitrogen Corporation、Carlsbad、CA)間で行われ得る。ここで、製作されてパッケージ化された48ウェル電気生理培養プレートは、この機構とインターフェースを取られ得、各電極は、スキャンした。
図14は、ウェル全体にわたって分配される768個の中からの代表的な組の微小電極のインピーダンス分光法測定を示す。電極は、1kHzにおいて約70〜約100kΩの平均インピーダンスとうまく適合され得る。
【0072】
他の態様では、微小電極の周辺ノイズの測定が、細胞培養開発と、適用/アッセイであって、その細胞培養がその適用/アッセイで使用され得る、適用/アッセイと、に有用であり得る。本開示を鑑みて、当業者は、起電性細胞培養から細胞外電気生理活動を記録するために、電極の基線ノイズが比較的低くなくてはならないことを理解するであろう。1つの例示的な実施例では、ノイズ測定は、Axion Maestro System及びAxISソフトウェアを使用して実行した。ここで、電気生理培養プレートは、Maestro Systemとインターフェースを取って、測定は、微小電極、各ウェルに集積された接地または参照電極、及び細胞導電培地の間で最小限の周囲ノイズ下で(例えば、フード内で周辺光または送風機がない下で)行った。ナノテクスチャ加工した金電極での基線システムノイズは、塩水内で測定して、4〜5μV RMS(200Hz〜5KHz)であることが分かり、10〜15μVを上回る信号が一貫して検出されることを可能にする。電気生理培養プレートにおけるチャネルの全てから記録されたデータのスナップ写真が、
図15に示され、
図15は、48ウェルMEAにおける単一ウェルのRMSノイズを例示する。ここで、RMSノイズは、約4〜約5マイクロボルトの範囲内にあり、約10〜約15マイクロボルトより小さい値を有する神経信号が、一貫して検出され得ることを確保する。
【0073】
本開示の別の態様では、細胞株が、電気生理培養プレート上の成長、生存、及びアッセイ開発のために最適化され得る。ここで、細胞培養プロトコル開発のためのステップが、電気生理培養プレート上で細胞をめっきする前に、培地の準備、MEA表面の準備、及びMEA表面上への生体分子層のコーティングを含み得る。この態様を例示するために、電気生理培養プレート上へのラット及びマウス細胞株の開発を以下に記載する。更なる態様では、本明細書に記載されるような細胞培養プロトコルを形成することが、アッセイの生成に向けた最初のステップであり得る。
【0074】
一態様では、細胞培養プロトコルが、ラット皮質ニューロンのために提供される。ここで、E18ラット皮質ニューロンが、商業用実体から(皮質対として)組織形態において取得され得る。まず、組織が、HBSSにおいてリンスされ得、希釈したトリプシンにおいて事前に温められ得、次いで、渦状態において細胞懸濁液に分けられ得る。次いで、細胞懸濁液が、遠心分離され得、個々の細胞が、血球計において計数され得、懸濁液における細胞の総数の正確な数を得る。
【0075】
別の態様では、細胞成長のための培地(十分に確立された濃度におけるGlutamax及びウマ血清を用いるDMEMと、電気生理培養プレートの表面が、別個に準備され得る。電気生理培養プレートは、前に記載したように既に殺菌され、それ故、それは、パッケージから取り出した後すぐに、実験における使用の準備ができ得る。電気生理培養プレートは、エタノールで縁を拭いた後に、層状フードの内側に取り出され得る。ポリエチレンイミン(PEI)が、MEAの上面上に被膜され得、1時間保温され得る。その後、PEI層がリンスされ得、MEAが、生物学的安全キャビネット内で空気乾燥され得る。(所定の濃度に別個に準備した)ラミニンが、電気生理培養プレートの表面上に被膜され得、培養され得る。当業者は本開示を鑑みて理解することになるように、このステップに欠かせない培養は、一般に、MEA表面に対するより良い細胞接着を結果としてもたらす。これらの生体分子処置の両方が、全領域においてまたはドット方式によって行われ得る。一態様では、全領域技法が、ウェル全体をカバーし得る一方、代替の態様では、ドット方式が、概略図に示されるようにPEIとラミニンの両方を電極領域上だけに正確に配置して、関心領域だけにおける細胞接着を確保する。当業者は、両方の技法についての利点と欠点を理解するであろう。すなわち、全領域方式は、実施するのが容易であり得るが、細胞及び被膜に関して追加の資源を生じさせ、一方で、ドット方式は、関心領域に細胞を正確に配置するが、ハイスループット形態において手動で実施することが困難であり得る。しかしながら、ドット方式は、ハイスループット形態で被膜/細胞を正確かつ効率的に堆積し得る自動化されたロボット液体処理機にうまく適合され得る。
【0076】
次いで、細胞は、MEAウェルの上にめっきされ得る。一態様では、めっき密度が、用途に依存し、1ウェルにつき2.5×10
5以上の細胞からの範囲にあり得る。準備した培地は、細胞がめっきされ得る直後に、ウェルに追加され得る。細胞は、培養器内で培養され得、培地は2日または3日毎に変化する。電気的活動は、典型的には、生体外で7日(DIV:days in−vitro)後にラット皮質培養において検出可能であり得る。
【0077】
別の態様では、以下の修正を加えた上記したラット皮質プロトコルに類似するマウス皮質プロトコルが提供される。ここで、齧歯類の脳及び脊髄から分離された冷凍保存された初代神経細胞、より具体的には、QBMからのE14/15胚性C57マウス皮質細胞株が、これらの実験のために利用され得る。これらの細胞は、冷凍バイアル内に保存され得、簡単なステップ、例えば、バイアルを室温まで達するようにすること、混合を監視しながら培地を追加することなどを利用して、これらの細胞は、めっきの準備ができ得る。ここで、マウス皮質細胞培養に使用される培地は、Neurobasal中へのウシ胎児血清、L−グルタミン、ペニシリン/ストレプトマイシン、及びB−27サプリメントの組み合わせとすることができる。
プロトコルの残りは、ラット皮質細胞について記載したものに実質的に類似する。本開示を鑑みて、当業者は、細胞密度及び生体分子処置が、マウス細胞に最適化され得ることを理解するであろう。自発的活動は、典型的には、マウス細胞の場合では、生体外で10日後に観測可能であり得る。
【0078】
別の態様では、48ウェルMEA(ならびにMEAの微細加工及びアセンブリに含まれる材料の全て)の細胞互換性は、CellTiter−Glo Luminescent Cell Viability Assayを利用して測定され得る。このアッセイは、存在するAdinosine Tri−Phosphate(ATP:アデノシン三リン酸)の定量化に基づいて、培養における生細胞数を決定するための同質的方法であり得る。ATPは、代謝活性細胞の十分に確立された指標として見なされる。CellTiter−Glo(登録商標)Assay(アッセイ)が、ハイスループット形態での使用のために設計され得、それを自動化されたハイスループットスクリーニング(HTS)、細胞増殖、及び細胞毒性アッセイに理想的なものにさせる。同質的アッセイ手順は、単一試薬(CellTiter−Glo(登録商標)Reagent(試薬))を血清添加培地において培養された細胞に直接的に追加することを含み得る。細胞洗浄、培地の除去、及び複数のピペット操作ステップが、必要とされる。アッセイシステムは、試薬を追加して混合してから10分で、384ウェル形態においてわずか15個の細胞/ウェルを検出することができる。
【0079】
この態様では、同質的「追加、混合、測定」形態が、細胞分解と、存在するATPの量に比例する発光信号の生成を結果としてもたらし得る。ATPの量は、培養において存在する細胞の数に正比例し得る。CellTiter−Glo(登録商標)アッセイは、「グロータイプ(glow−type)」の発光信号を生成し、その信号は、使用される細胞型及び培地に依存する、一般に5時間を超える半減期を有する。長期の半減期は、試薬注入器を使用する必要性を排除し、複数のプレートの連続またはバッチモード処理についての柔軟性をもたらし得る。固有の同質的形態は、複数のステップを必要とする他のATP測定方法によってもたらされ得るエラーを回避し得る。
【0080】
1つの例示的な実施例では、48ウェル電気生理培養プレートの製作に含まれる材料の細胞毒性評価、上記載したようなラット皮質神経培養を、レーザ微細機械加工、銅、またはFR−4からの浸出物に対する潜在的な曝露を模倣するために様々な電極サイズを有するプレート、微小電極の不整合に類似した問題を模倣するために正しく整合されていない微小電極を有するプレート、ならびに通常の良好に整合した微小電極を有するプレートの、複数の48ウェル電気生理培養プレート上で開始した。48ウェル電気生理培養プレートのそれぞれは、同じ手法で組み立てて、殺菌した。上記に列挙した様々な要因に起因する潜在的な細胞毒性の影響は、上記したようなATPアッセイを用いて評価した。
図16は、対照標準とHTMEAウェルとの間に差がなく、異なる条件の全てが優れた細胞互換性を証明することを事実上描写する。異なる条件での種々の48個のウェル間の差はわずかであった。以下に記述された追加的な様々な用途は、世界中の様々な場所における多数の細胞株との優れた細胞互換性を確立する。
【0081】
他の態様では、本開示の電気生理培養プレートが、種々のハイスループットスクリーニング用途、例えば及び非限定的に、疾病モデリング、表現型スクリーニング、毒性試験、及び同様のものなどのために利用され得る。ハイスループット電気生理培養プレートがますます重要になっている3つの例示的な領域は、表現型スクリーニング、幹細胞の特徴付け、及び毒性/安全性試験である。
【0082】
1999〜2008年の間、ターゲットに基づくスクリーニングへの業界の強力な集中にもかかわらず、ファーストインクラスの(画期的に新しい)薬剤の大部分が、表現型スクリーニングによって発見された。この成功は、発見が、活動の予測されたターゲットまたは機構ではなくて、所望された効果によって推進され得るという事実に部分的に起因する。薬剤安全性用途では、ネイティブ(native)細胞型の表現型生体外スクリーニングが、短期間の細胞毒性を結果としてもたらさない急性効果に敏感である、ターゲットにとらわれない(target−agnostic)アプローチを提供することができる。ニューロン及び他の興奮性細胞では、最も特異的な表現型は、活動電位、ならびに隣接細胞に対するこの電気的励起の伝達であり得る。
【0083】
しかしながら、この電気信号伝達の性質は、確立されたスクリーニング技術への技術的な課題を提起する。例えば、膜電圧における変化が、ハイコンテンツイメージャのフレームレートを超える速度で起こる。更に、他の機器、例えばハイスループットパッチクランプなどは、元のままの回路網内の複数位置から測定を収集することができず、それ故、システムレベルの表現型に対処しない。生体外培養に分離されたニューロンは、生体内組織の複雑な組織がないが、それらは、生体内基本特性を強く表現する、相関した活動及び化学的感度を表わす機能的回路網を発現する。その上、動物疾病モデルから分離されるニューロン、心筋細胞、及び他の細胞型が、回路網レベルの生体外疾病表現型を表わし得る。
【0084】
近頃、表現型スクリーニングの能力が、成人の体細胞型から誘発される多能性幹(iPS)細胞の出現によって拡大されている。実際、人間のニューロンは、現在、ハイスループットスクリーニングプラットフォームのための十分な量において分化され得る。人間について最も魅力的な可能性の中で、興奮性細胞が、特定の疾病表現型への影響のために化合物をスクリーニングする機能となり得る。iPSC由来ニューロンが、多くの患者から成功裏に特徴付けられており、疾病モデルの急速に成長するバンク(bank)をもたらしている。ロースロープットのアプローチを使用して、電気生理的表現型が、ALS、Rett症候群、脆弱X症候群、及びTimothy症候群を含む、これらのサブセットについて確認されている。他の場合では、患者由来ニューロンにおける形態または代謝異常が、電気生理的表現型が生体外で観測され得ることを強く示唆する。
【0085】
したがって、本発明の一態様は、以下の特徴、すなわち、(1)興味のある表現型信号、すなわち電圧の直接記録、(2)活動/電場電位を正確に捕獲するのに十分な信号分解能及びサンプルレート、(3)シナプス接続性及び活動電位伝播を分析評価するために同時に記録されるウェル毎の非常に多くの電極、(4)自然細胞機能の乱れを回避する無標識、非侵襲性動作、ならびに(5)細胞相互接続性の保存を備える、興奮性回路網の表現型スクリーニングのための理想的な生体外プラットフォームを提供する。いくつかの現在のスクリーニング技術は、これらの基準のサブセットを満たすが、ハイスループット電気生理培養プレートだけが、全ての基準を満たす拡張可能な解決策を提示する。
【0086】
幹細胞技術は、近年急速に発展している。分化された興奮性細胞は、治療用途と研究用途の両方にとって興味深いものであり得る。特定の興奮性細胞型の方へ幹細胞分化を導くことは、複雑な工程であり得、それにおいて最終細胞型が、所望されないまたは未知の特徴を呈することがある。結果として、そのような分化された細胞は、厳密に認定される必要がある。多数のスクリーニング技術が、これらの細胞の遺伝的及び形態的特徴を検査するために存在する。しかしながら、ハイスループット電気生理培養プレートだけが、興奮性細胞の回路網の機能的/電気生理的挙動の迅速な特徴付けを可能にし得る。そのような興奮性の分化された細胞が一旦特徴付けられ得るか認定され得ると、それらは、研究ツール(例えば、上段において列挙した表現型疾病モデル)として使用され得る。
【0087】
米国科学アカデミー(National Academy of Science)は、毒性をもたらすそれらの可能性のために化学物質をスクリーニングする効率的な生体外方法についての必要性を強調した「Toxicity testing in the 21st century」について報告している。この報告は、ハイスループット/ハイコンテンツ生体外スクリーニング(HTS/HCS)アッセイが、毒性情報が欠け得る数千の化学物質について危険有害性の特定を容易にするであろうことを提案した。そのようなスクリーニングアプローチは、細胞またはサブ細胞レベルで測定される変化を、毒性経路を通した悪影響に結び付ける必要があることになり、それ故、生体内の毒性結果を予測することに対する信頼性があり得る。
【0088】
多くのHTS/HCS終点は、生物化学的及び/または細胞形態的マーカー、例えば酵素活性、受容体結合親和性、細胞形態、または生理的終点など、例えば細胞内カルシウム、ナトリウム、膜電位、及びイオンチャネル機能の規則などにおける変化を評価する。神経系機能を妨害する電位について化合物をスクリーニングする問題を考慮すると、生理的な評価は、極めて重要であり得、なぜなら、イオンチャネル、受容体、及び神経細胞の興奮性の他の重要な決定因子の妨害は、多くの既知の神経毒物の毒性経路における重要な事象であり得るからである。神経細胞の興奮性の妨害は、神経系生理機能の実質的及び急速な妨害を生み出し、他の生物化学的または形態的変化の無い場合に、先立つか起こることが多い。実施例は、殺虫剤、種々の痙攣剤、及び金属、ならびに広範囲の自然毒を含む。しかしながら、生物化学的及び形態的変化に基づく現在の生体外アッセイは、この種の毒性を検出するために最適化されていない。これらのアッセイは、そのような神経毒物の毒性経路における重要な事象の測定を組み込んでおらず(例えば、細胞内イオン濃度における変化が、二次的な事象であり得)、あるいは最も急速な神経生理的事象、例えば、電圧ゲート型(voltage−gated)ナトリウムチャネルの妨害ならびにピレスロイド系殺虫剤による活動電位生成を捕らえ得る速度でデータを収集するのに適していない。対照的に、現在利用可能な電気生理学的アプローチは、毒性スクリーニングのためにうまく設計されておらず、なぜなら、これらのアッセイは、典型的には、一度にただ1つの潜在的なターゲット(例えば、特定のイオンチャネル)を考慮して、神経組織ではなくて非神経発現系を利用することが多いからである。なおその上に、生物化学的なアプローチも、HTS生理的な(例えば、パッチクランプ)アプローチも、神経回路網機能への化学的影響を考慮しない。これらの伝統的なアッセイの多くは、薬学的に導かれた化合物開発を目標としたスクリーンとして設計されており、異なる神経毒物の広範囲のスペクトルを検出する能力に欠ける。それ故、機能における変化に基づいて神経毒性または神経活性化学物質を検出する効率的なスクリーニングアッセイは、特に、種々の異なる毒性経路の妨害によって媒介された変化に対して敏感であり得るものに欠け得る。
【0089】
これらの限定に対処する1つの生理的なアプローチは、生体外微小電極アレイ(MEA)記録であり得る。電気生理培養プレートを使用して、神経回路網における自発的及び誘発された活動が、初代培養、組織片、及び元のままの網膜を含む、種々の異なる細胞製剤から記録され得る。電気生理培養プレート上で成長された培養における神経細胞の活動が、種々の薬剤及び化学物質に敏感であり得、医薬化合物の広範なスペクトルに反応する。そのように、電気生理培養プレート上の神経回路網は、神経系機能について多くの異なる薬理学的分類の薬剤及び化学物質の影響を評価する潜在的な方法であり得る。今日まで、電気生理培養プレートを使用する化学的影響の評価は、個々の化学物質または化学分類の毒性を理解するために主として化学物質毎に基づいている。電気生理培養プレートの使用は、生体外神経毒性スクリーニング方法及び5つの研究室にわたるMEA測定の一貫した再現性及び信頼性を実証した最近の研究として提案されている。伝統的なMEAアプローチの1つの限定は、この方法論のスループットが、低く、かつ、MEAプレート及びハードウェアによって限定され得ることであり得る。開示した本開示は、そのような限定を克服し、ハイスループットで包括的な安全性試験を可能にする。
【0090】
したがって、
図1〜23、及び対応する文章は、ハイスループット電気生理機能のための多数の異なるデバイス、システム、方法、及び機構を提供する。前述に加えて、本明細書に記載した実装はまた、特定の結果を達成するための方法における動作及びステップに関して記載され得る。例えば、細胞培養からのデータをめっきして、刺激して、記録することを含む方法が、
図1〜23の構成要素及び図面を参照にして共に上記される。
【0091】
それ故、本発明は、それの趣旨または本質的な特徴から逸脱することなく、他の特定の形態で具体化され得る。記載した態様は、あらゆる点で例示的なものとしてだけ考慮され、限定するものとして考慮されない。したがって、発明の範囲は、前述の記載によってではなくて、添付の特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲の等価の意味及び範囲内に入る全ての変更が、それらの範囲内に包含されることになる。