(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0017】
添付図面において併せて読む本発明の例示的な実施例の様々な目的、利点及び新規な特徴は、より容易に、以下の詳細な説明から理解されるであろう。
【
図1】
図1は、本発明の例示的な実施例による点滴セットのベースに接続された針ハブの斜視図である。
【
図5】
図5は、
図1のベースに取り付けられた本発明の一実施例の流体コネクタの斜視図である。
【
図9】
図9は、
図5の流体コネクタとリザーバコネクタの斜視図である。
【
図12】
図12は、本発明の例示的な実施例による、分割された隔壁の対向する斜視図と断面図である。
【
図13】
図13は、凸状上面を有する隔壁の側面図と、本発明の例示的な実施例の隔壁を受け入れたベースの断面図である
【
図14】
図14は、凹状上面を有する隔壁の側面図と、本発明の例示的な実施例の隔壁を受け入れたベースの断面図である。
【
図15】
図15は、本発明の例示的な実施例による六角形の形状を有する直線のスリットを持つ隔壁の上面図である。
【
図16】
図16は、本発明の例示的な実施例による正方形の形状を有する直線のスリットを持つ隔壁の上面図である。
【
図17】
図17は、本発明の例示的な実施例による多角形状を有する直線のスリットを持つ隔壁の上面図である。
【
図18】
図18は、本発明の例示的な実施例による六角形の形状を有する直線のスリットを持つ隔壁の上面図であり、概略的に中心のスリットに作用する保持力を示す図である。
【
図19】
図19は、関連技術の、円形の形状を有する直線のスリットを持つ隔壁の上面図であり、概略的に中心のスリットに作用する保持力を示す図である。
【
図20】
図20は、本発明の例示的な実施例による隔壁のそれぞれ、斜視図及び断面図である。
【
図21】
図21は、本発明の例示的な実施例による隔壁のそれぞれ、斜視図及び断面図である。
【
図22】
図22は、本発明の例示的な実施例によるそれぞれの隔壁の断面図である。
【
図23】
図23は、本発明の例示的な実施例によるそれぞれの隔壁の断面図である。
【
図24】
図24は、本発明の例示的な実施例による隔壁のそれぞれ、斜視図及び断面図である。
【
図25】
図25は、本発明の例示的な実施例による隔壁のそれぞれ、斜視図及び断面図である。
【
図26】
図26は、本発明の例示的な実施例による隔壁のそれぞれ、斜視図及び断面図である。
【
図27】
図27は、本発明の例示的な実施例による隔壁のそれぞれ、斜視図及び断面図である。
【
図28】
図28は、本発明の例示的な実施例による隔壁のそれぞれ、斜視断面図である。
【
図29】
図29は、本発明の例示的な実施例による隔壁のそれぞれ、斜視断面図である。
【
図30】
図30は、本発明の例示的な実施例による
図5のベースと共に使用するくさびの断面図である。
【
図31】
図31は、本発明の例示的な実施例による針シールド装置の斜視図である。
【
図37】
図37は、本発明の例示的な実施例による導入針ハブ(an introducer needle hub)を有する点滴デバイスの斜視断面図である。
【
図38】
図38は、本発明の実施例による完全に連結された流体コネクタとベースの斜視図である。
【
図42】
図42は、本発明の例示的な実施例による流体コネクタの構成要素は、流体コネクタラッチ、及び活性レバーを説明する図。
【
図43】
図43は、本発明の例示的な実施例による流体コネクタの構成要素は、流体コネクタラッチ、及び活性レバーを説明する図。
【
図44】
図44は、本発明の例示的な実施例による流体コネクタの構成要素は、流体コネクタラッチ、及び活性レバーを説明する図。
【
図45】
図45は、本発明の他の実施例に係る点滴装置に接続された貼付剤パッチの粘着性の裏打ちをはがすための剥離ライナースリットのデザインを説明する図。
【
図46】
図46は、本発明の他の実施例に係る点滴装置に接続された貼付剤パッチの粘着性の裏打ちをはがすための剥離ライナースリットのデザインを説明する図。
【
図47】
図47は、本発明の他の実施例に係る点滴装置に接続された貼付剤パッチの粘着性の裏打ちをはがすための剥離ライナースリットのデザインを説明する図。
【
図48】
図48は、本発明の他の実施例に係る点滴装置に接続された貼付剤パッチの粘着性の裏打ちをはがすための剥離ライナースリットのデザインを説明する図。
【
図49】
図49は、本発明の他の実施例に係る点滴装置に接続された貼付剤パッチの粘着性の裏打ちをはがすための剥離ライナースリットのデザインを説明する図。
【
図50】
図50は、本発明の他の実施例に係る点滴装置に接続された貼付剤パッチの粘着性の裏打ちをはがすための剥離ライナースリットのデザインを説明する図。
【
図51】
図51は、本発明の他の実施例に係る点滴装置に接続された貼付剤パッチの粘着性の裏打ちをはがすための剥離ライナースリットのデザインを説明する図。
【
図52】
図52は、本発明の他の実施例に係る点滴装置に接続された貼付剤パッチの粘着性の裏打ちをはがすための剥離ライナースリットのデザインを説明する図。
【
図53】
図53は、本発明の他の実施例に係る点滴装置に接続された貼付剤パッチの粘着性の裏打ちをはがすための剥離ライナースリットのデザインを説明する図。
【
図54】
図54は、本発明の他の実施例に係る点滴装置に接続された貼付剤パッチの粘着性の裏打ちをはがすための剥離ライナースリットのデザインを説明する図。
【
図55】
図55は、本発明の他の実施例に係る点滴装置に接続された貼付剤パッチの粘着性の裏打ちをはがすための剥離ライナースリットのデザインを説明する図。
【
図56】
図56は、本発明の例示的な実施例によるベースの斜視図である。
【
図57】
図57は、本発明の例示的な実施例による、流体コネクタの分解斜視図である。
【
図66】
図66は、本発明の別の例示的な実施例に従ったフィンガグリップ解放機構を有する流体コネクタの斜視図である。
【
図74】
図74は、本発明の例示的な実施例によるくさびの断面図である。
【
図75】
図75は、本発明の別の例示的な実施例による流体コネクタのそれぞれ斜視上面図及び斜視底面図である。
【
図76】
図76は、本発明の別の例示的な実施例による流体コネクタのそれぞれ斜視上面図及び斜視底面図である。
【
図77】
図77は、本発明の別の例示的な実施例によるベースの斜視図である。
【
図78】
図78は、本発明の例示的な実施例によるベースの部分断面図である。
【
図79】
図79は、本発明の例示的な実施例によるベースの部分断面図である。
【
図80】
図80は、本発明の例示的な実施例によるベースの部分断面図である。
【
図81】
図81は、本発明の例示的な実施例によるベースの部分断面図である。
【
図82】
図82は、本発明の別の例示的な実施例によるベースの断面図である。
【
図83】
図83は、本発明の別の例示的な実施例による流体コネクタの流体経路部分の底面斜視図である。
【
図84】
図84は、本発明の他の実施例に係るベースの部分断面図である。
【
図85】
図85は、本発明の実施例による点滴セットアセンブリ(an infusion set assembly)の斜視図である。
【
図86】
図86は、本発明の実施例による針ガードの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、添付の図面に示される本発明、同様の参照番号を通して同じ要素を指す記載の実施例を詳細に説明する。本明細書に例示した実施例は、図面を参照しながら説明するが、本発明を限定するものではない。当業者によって理解されるように、例えば、上下、底部、頂部、近位及び遠位などの用語は相対的なものであり、例示を助けるために使用されるが、それに限定されるものではない。
【0019】
図1は、ベース102に係合する導入針ハブ100を含む点滴セットの例示的な実施例を示す。ベース102は、ベース102とユーザとの間に配置される柔軟性のあるディスク104と係合する。ユーザとベース102の剛性部分の接触を最小限に抑えながら、それは身体活動の際に、ユーザとともに変位するため、柔軟性のあるディスク104は、装置の改善された快適性と機動性を提供する。柔軟性のあるディスク104は、ユーザの皮膚にベース102を固定するために使用される接着裏地を有する、接着パッチ又はパッド106に取り付けられている。
図1は、導入針ハブ100とベース102が、軟質(フレキシブル)カテーテル108及び導入針110をユーザへ容易に挿入できる準備ができた状態を示している。
【0020】
図2は、
図1に示した、ベース102と導入針ハブ100の構成を示す断面図である。誘導針110は、導入針ハブ100内に針取付構造体112に固定されており、従って誘導針110のハブ100に対する軸方向の相対変位を固定している。ユーザが直接導入針110を保持又は操作することを必要とせずに、導入針ハブ100が導入針110及びカテーテル108をユーザに挿入するために使用される。誘導針110は、好ましくは、鋭く斜めに切った遠位端を有する中空ステンレス鋼針である。
【0021】
図2から4は、ベース102の特徴を更に説明する。ベース102は、内部空洞116を囲む円柱状のポスト113を含む。キノコ形状のベースラッチ114は、ポスト113の近位端に配置されている。内部空洞116は、一般に、ベース102を通って流体通路を提供するベース102の中心を通って延びている。例えば、
図2で示されるように、ベース102の内部空洞116は、保持くさび118及びカテーテル108を受け入れている。くさび118は、広い端から狭い端120まで狭くなる中空の中心部に漏斗状に形成されている。くさび118の狭い端120は、カテーテル108の末端を受けるために使用される先細端を有する。カテーテル108は、くさび118の狭い端部120の上に押し込まれ、そして、くさび/カテーテル組立体は、ベース102の内部空洞116内に挿入される。
【0022】
カテーテル108の柔軟な特性により、カテーテルがベース102内の一カ所に集まる傾向あり、そのため、ベース102は、カテーテルをくさび118に取り付ける間に、ベース102内に蓄積する可能性がある過剰のカテーテル108材を対処するために、追加の空洞領域122を提供する。同様に、予めスリットの入れられた弾力のある隔壁124は、ベース102の内部空洞116内に保持される。例示的な実施例によれば、隔壁124は、ベース102とくさび118の双方と隔壁124との間の摩擦力を提供する圧入によって、ベース102内の所定の位置に保持される。あるいは、隔壁124は、接着剤によって、又はベース102から隔壁の頂部上にプラスチック材料をかしめることにより、又は上記の方法の組み合わせにより、ベース102内に固定してもよい。
【0023】
図3及び
図4はまた、ベース102の製造で使用される第1及び第2の成型されたショット(shots)を示す。第2成型ショット(ディスク104)が第1のショットと同じ材料であってもよいし、シリコーン又は熱可塑性エラストマーを含むことができる別の、より柔軟な材料であってもよく、したがって、柔軟性のあるディスク104であってよい。
図3に示すように、ベース102の中の切り抜き又は穴103は、柔軟性のあるディスク104の材料で満たされ、そのため、ベース102と柔軟性のあるディスク104との間の結合が容易になる。
【0024】
図5及び
図6は、流体コネクタ又はベース102に接続された流体コネクタ126を示し、
図7は、導入針ハブ100とベース102の分解図を示す。流体コネクタ126は、起動レバー128、流体コネクタラッチ130、及び硬質ストップ132を含む(
図11に最も示される)。ユーザは、流体コネクタをベース102上に軸方向に下押して、そして、それを所定の位置にスナップすることで、流体コネクタ126をベース102に連結する。このプロセスでは、ラッチ130及び起動レバー128は、弾性的に外れて、ラッチがキノコ形状のベースラッチ114を通過する。その後、ラッチがキノコ形状のベースラッチ114の下側に弾性的に結合して、ベース102に対して流体コネクタ126の軸方向のずれを防止して、ラッチ130及び起動レバー128は、実質的に変形していない又はより少ない変形した位置に戻る。言い換えれば、接続中は、流体コネクタラッチ130は、キノコ形状のベースラッチ114に滑り込んでおり、そして、ポスト113とベースラッチ114との係合を通じ、ベース102をスナップして結合する位置に弾性的に戻る。
【0025】
ユーザは、剛体のストップ132と係合するまで起動レバー128を押して、それによってキノコ型ベースラッチ114からラッチ130を外すことで、流体コネクタ126を取り外す。ユーザはそれから軸方向にベース102からの流体コネクタ126を持ち上げる。
【0026】
本実施の形態では、起動レバー128と流体コネクタラッチ130は、流体コネクタ126とは別個の弾性プラスチック材料から成型されている。起動レバー128と流体コネクタラッチ130は、リビングヒンジで旋回(pivot on a living hinge)する。これは、製造を簡素化し、金型の複雑さを低減することができる。剛体のストップ132は、流体コネクタラッチ130の両方が完全にキノコ形状のベース114から離脱するまで十分に動くことを保障する。剛体のストップ132はまた、流体コネクタ126の取り扱い中における、起動レバー128のための安定した支えを提供する。更に、剛体のストップ132は、ベース102に接続されているときに、流体コネクタ126が揺れ動くことを防ぐことができる。更に、一実施例によれば、流体コネクタ126は、ベース102の周りに360度自由に回転することができるので、ユーザは点滴ポンプに流体コネクタ126を接続する延長チューブ134を配置することができる。
【0027】
図8及び
図9は、点滴セットの例示的な実施例の構成要素のそれぞれ分解図及び斜視図を示す。点滴セットは、上述のように流体コネクタ126とベース102を含み、また、流体コネクタ126と点滴ポンプに繁がるリザーバコネクタ136を接続する延長チューブ134、同様に、ベース102に接着パッチ106を接着するためのベース接着剤105、及び/又は、柔軟性のあるディスク104、及び、接着パッチ106の末端の接着面を選択的に保護するための粘着基材107、を含む。
【0028】
図10は、流体コネクタ126とベース102によって提供される接続された流体経路を示す断面図である。この実施例では、延長チューブ134は、流体コネクタ126に管ポート138で接続されている。一実施例によれば、管ポート138は、延長チューブ134のための圧入接続を提供し、延長チューブ134と流体コネクタ126を通る、点滴ポンプからの流体の流れを促進する。別の実施例では、接着剤又は溶剤結合等他の結合機構が、管ポート138に延長チューブ134を固定するために使用される。流体通路は、管ポート138から成型されたカニューレ140に続いている。
【0029】
成型カニューレ140は、管ポート138の長手方向と略直交する方向に延びている。
この実施例では、成型カニューレ140は、端部は先細りか丸くなっている、プラスチックの硬い、略管状の部材である。成型カニューレ140の端部は、隔壁124に予め形成されたスリットを貫通するために使用され、このように延長チューブ134とカテーテル108との間の密封流体接続を提供する。流体は、成型カニューレ140を通って、隔壁124を通り、次に、くさび118を通って、カテーテル108に流れる。隔壁124は、カテーテル108を通る以外には、液体がベース102から出たり、漏出するのを防ぐ、自己シール機能を提供する。1つの実施例によると、成型カニューレ140は、流体コネクタ126の一体部品として形成されている。
【0030】
図11は、流体コネクタ126の分解斜視図、断面図である。この例示的な実施例では、流体コネクタ126は、2つの特徴的な構成要素を使用している。第1の構成要素153は、流体コネクタラッチ130と、それに対応する起動レバー128を含み、第2の構成要素155は、流体コネクタ側板142を含んでいる。(各構成要素の上半分は明確にするために省略されている。)起動レバー128には指の滑り止め(finger bumps)144があり、ユーザが起動レバー128の位置決めをしたり、使用したりするのを支援する。あるいは、指の滑り止め(finger bumps)144は、ベース102から流体コネクタ126を解放するには、ユーザが何処を押すべきかの触覚フィードバックを提供できる、稜線や穴(a ridge or divots)に置き換えてもよい。同じ目的のために、一実施例によれば、起動レバー128は、視覚的なインジケータを提供するために、流体コネクタ126とは異なる色を有することができる。流体コネクタ126の流体コネクタ側板142は、使用中に衣類や他の物体に流体コネクタ126が引っかかったりすることを最小限に抑えるのに役立つよう、滑らかな丸みを帯びた外面を有する。流体コネクタ126のベースに円形の固定リング146がある。固定リング146は、流体コネクタ126がベース102と係合する際に、ベース102の周囲に基礎を作り安定性を増す。
【0031】
図11は、流体コネクタ側板142と流体コネクタラッチ130が組み立てられる方法を示す。第1の構成要素153の雄型Tスロット148は、第2の構成要素155の雌型Tスロット150と係合する。第1及び第2の構成要素153及び155の、戻り止め152及び154は、2つの構成要素間の機械的ロックを提供する。代替的には、流体コネクタラッチ130と流体コネクタ側板142は、単一の一体成型プラスチック部品として形成できる。
【0032】
図12は、流体コネクタ126から、鈍い成型カニューレ140を受け入れ、隔壁124の貫通を容易にするために(図説のために部分的に示す)、予め穿孔した中心156を有する自己シール弾性隔壁124を示す。一実施例によれば、成型カニューレ140が存在してもしなくても、密封を常時確実にするために隔壁124は、半径方向内向きに圧縮されている。隔壁124には、軟質弾性材料が含まれるが、シリコーン、イソプレンゴム又はブロモブチルゴム、これらに限定されない。隔壁124は、以下の材料の組み合わせから作製することができる。隔壁124は、点滴中に、そして流体コネクタ126がベース102から切断されたときに、完全なシール性を確保する。隔壁124のスリット形状は、単一の直線スリットストレートスリット又は直線のスリットが交差する複数のスリットであってもよい。コネクタハブ126がベース102から切断されている間、そして点滴の間の、完全なシールを確実にするために、スリットは湾曲されてもよい。
【0033】
図13は、ベース102に使用するための隔壁158の別の例示的な実施例を示している。この実施例では、隔壁158は、より容易に拭き取られことができる凸頂面を有し、それが、ベース102に固定された後にも、隔壁上の接着剤又はごみが隔壁158の上部中央部に残ることのないように維持するのを助けることもできる。本明細書に記載される全ての隔壁は、摩擦嵌め、かしめ加工(swaging)、接着剤、又はそれらの組み合わせによってベースに固定することができる。隔壁158の凸状上面は、流体コネクタがベース102から切断されたときに、特に外部の力が隔壁158に適用される場合に、予め穿孔されたスリットの密閉を維持し、追加の密封圧力を提供する。
【0034】
図14は、ベース102に使用するための隔壁160の別の例示的な実施例を示す。この実施例では、隔壁160は、流体コネクタ126がベース102と係合すると、成型カニューレ140をセンタリングするのを助けることができる、凹状の上面を有する。
【0035】
図15は、六角形の形状を有する直線のスリットを持つ隔壁162の上面図である。ベース102が対応する六角形の形状をしていると仮定すると、真っ直ぐな側面は、隔壁162の圧縮が、隔壁162のスリットに垂直な方向に作用する力の少なくとも一つの成分を有することを可能にする。スリットに平行な側面のために、それらの両側から圧縮力の全ては、スリットに垂直に向けられている。更に、隔壁162がスリットに平行にのみ両側に圧縮されている場合、すべての圧縮力は、スリットに垂直に向けられる。これは、隔壁162が常に密閉されていることを保証する。
【0036】
同様に、
図16は、正方形状をした、直線のスリットを持つ隔壁164の上面図で、
図17は、多角形状をした、直線のスリットを持つ隔壁166の上面図である。
【0037】
図18は、隔壁162の中央のスリット168に作用する保持力の方向を模式的に示す。対照的に、
図19は、円形断面を有する従来のスリットを持つ隔壁170の上面図である。模式的に保持力が中央のスリット172に働いているのを示し、スリット172を開くのと閉じるとの両方に作用する力が生じている。
【0038】
それぞれ
図20及び
図21は、本発明の別の例示的な実施例に従った隔壁161の斜視図及び断面図である。隔壁は、略回転体形状の厚い内壁163(約0.07インチ(1.7ミリメートル))、ベース102との接触表面積を減少させ、従って摩擦を減少させるため、外側面167を持った外側バンド部165は厚い内壁163と比較して厚みが減少(約0.03インチ(0.76ミリメートル))している。一実施例によれば、隔壁161は、約0.126インチ(3.2ミリメートル)の直径を有する。
【0039】
側壁163の半径方向内面169は、内側に傾斜しており、約45度の開先角度(an included angle)を持っている。面169を接続するのは中央水平部分であって、面169と接触する箇所より中央部分が少し厚くなっているウェブ171であって、垂直方向中央に配置されている。角度αは、ウェブ171のテーパを示し、約14度である。一実施例によれば、隔壁161は、中央にスリットを有している。ウェブ171は、スリットが含まれている凸上面と底面が含まれている。これらの凸面は、流体コネクタ126がベース102から切断されたときに外部の力が隔壁161に適用される場合は特に、スリットの密封を保持し、追加の密封圧力を提供する。
【0040】
隔壁161は、組み立て時に隔壁161の中のスリットを通る(例えばカニューレ140のような)カニューレの中央の位置決めを補助し、カニューレに対する隔壁161の密閉能力を向上する、上下両面にある(傾斜した内側面169によって形成された)対称の凹面を含む。
【0041】
図22及び23は、ほとんどの点で隔壁161に類似している、隔壁220及び222の断面図である。隔壁220には、外面228と内壁226とを接続する面224は、隔壁161の凹面形状とは対照的に約45度で傾斜している。隔壁222は、内向きの面230が傾斜よりむしろ略垂直であることを除いて、隔壁220と実質的に同様である。
【0042】
図24及び25は、それぞれ、本発明の別の例示的な実施例に従った隔壁232の斜視図及び断面図である。
図20から23の隔壁に比べて、隔壁232は、厚い中央ウェブ234(約0.03インチ(0.76ミリメートル))を持つ。ウェブ234の傾きの角度αは約13度である。しかしながら、隔壁232の底部は、隔壁161の底部と実質的に同様である。なお、用語「底部」及び「上面」は、図面を参照して使用され、当業者によって理解されるが、それに制限されない。隔壁232の上部にある傾斜角度βは約41度である。開先角度γは約46°である。また、
図20から23の隔壁に比べて、外側面236は厚く、それによってベース102との接触表面積を増大させている。
【0043】
図26及び
図27のそれぞれは、本発明の別の例示的な実施例に従った隔壁238の斜視図及び断面図である。隔壁238の上部は、
図24及び
図25の隔壁232の頂部と実質的に同様である。しかしながら、隔壁238の底部は、実質的にその頂部の鏡像である。換言すれば、隔壁238は、垂直と水平の両方向に、実質的に対称である。
【0044】
図28に示すように、隔壁240は、実質的にまっすぐな外側又は外面244と外周部241を持っている。周辺部分241は、隔壁240の最も厚い部分である。周辺部分241は、ウェブ部分又は中央ウェブ242を取り囲む。ウェブ部分242は、周辺部分241と中央部分243とを連結する連結部245に囲まれた中央部分243を有している。中央部分243は、周辺部分の厚さよりも実質的に薄い、最大中心厚さを有する。更に、中央部分243の最大厚さは、連結部245の最小厚さよりも大きい。
【0045】
図24から27の隔壁と同様に、
図28の隔壁240は、
図20から23の隔壁をより厚い中央ウェブ242を持つ。しかしながら、これらの隔壁とは対照的に、ウェブ部分242は隔壁240の垂直方向の中心に位置していない。その代わりに、ウェブ部分242は、隔壁242の上部にずっと近い。一実施例によれば、これは貫通が鈍いカニューレでの密閉を促進する。ウェブ242の位置に加えて、
図24から27の隔壁と比較して、外面244は、実質的に真っ直ぐで垂直である。しかしながら、一実施例によれば、外側面244は、その端部にわずかなテーパを有することができる。
【0046】
隔壁240はまた、その上部に少なくとも1つのこぶ246とその底部に少なくとも1つのこぶ246を持っています。隔壁240の上下に配置されたこぶ246は、容器やビンの中で、隔壁240を分けて維持するのを助けることで、製造を支援することができる。更に、隔壁240の上部のナブ246の数を、隔壁240の底部にあるナブ246の数とは異ならせることができれば、非対称の隔壁が正しくベースの中に配向されたかどうかを決定する製造過程中の目視検査(自動化された視覚的検査を含む)を可能にする。
【0047】
更に、一実施例によれば、ベース内の隔壁240の取付け時に、隔壁240は半径約0.012インチから0.018インチ(約0.305ミリメートルから0.457ミリメートルから)に圧縮されるように設計されている。隔壁240とベースの間のこの干渉は、流体コネクタが取付けられたとき及びそれが取り外されたときの両方において、隔壁シールの完全性を向上させる。更に、一実施例によれば、隔壁240とベースとの間のこの干渉は、カニューレが除去されるとき、ウェブ部分242が少ししわになり、隔壁240の再封止を改善する。更に、その隔壁240の設計は、カニューレに潤滑剤を使用せずに、信頼性のある流体経路接続を提供すると考えられる。また、一実施例によれば、隔壁240の設計は、わずか約0.05インチ(1.35ミリメートル)の高さを可能にし、それにより点滴セットの全高を減少させる能力を提供する。
【0048】
図29の隔壁248の上部は、
図28の隔壁240の上部と実質的に同様であり、そして、隔壁248の底部は、
図20及び21の隔壁161の底部と実質的に同様である。これは中央ウェブ250が少し厚めとなる。
【0049】
図12から29の隔壁は、事前に切れ目(スリット)を入れることができます。或いは、
図12から29の隔壁は、切れ目(スリット)を入れることなく形成することができる。更に、
図12から29の隔壁は、シリコーン、SBRゴム、ブロモブチルゴム、及び種々のポリイソプレン製剤を用いることができる。
【0050】
図30は金属くさび118のみを示している。より詳細に上述したように、カテーテル108は、くさび118の小径の上にフィットし、両方の部品をこのベース102の内部空洞116に挿入する。一実施例によれば、カテーテル108は、これら三つの構成部品間に圧入して所定の位置に保持される。ベース102へ組み立てる間にいくつかのカテーテル材料が一団となる。したがって、組み立てられたくさび118の所望の軸方向位置と干渉しないように、ベース102内の収容空間122は、この余分な材料を収容する。一つに記載の実施例では、組み立て時に隔壁はくさび118に接触する。他の実施例によれば、インストール時に 隔壁はくさび118に接触しない。
【0051】
図31は、ベース102と接続し、皮膚上に配置するための準備ができた、パッシブ針シールド装置174を示している。
図32は、完全にベース102に係合し、導入針110で隔壁124とカテーテル108を貫通する、、針シールド装置174の断面図である。針シールド装置174は、内部シールド176と導入針110を囲む、針ハブ又は外部シールド175を含む。
【0052】
図33から36は、ユーザがカテーテル108を挿入した後に発生する一連のステップを示す。換言すれば、これらの図は、ベース102から針シールド装置174を除去する操作を示す。簡単に説明すると、ユーザは、導入針110を取り除くためには、ベース102から離れる方向に単に外側シールド175を引っ張る。一実施例によれば、外側シールド175及び内側シールド176はともに、ある程度の柔軟性を有する硬質プラスチック材料で作られている。
【0053】
より詳細には、
図33は、内部シールド176に対する、針シールド装置174の初期状態と、外側シールド175の初期状態とを示す四分の一断面図であり、そこにおいて、ベースラッチ114の下にあるベース102とラッチビーム180との接続を保つため、外側シールドハブラッチ178はベース102と接触し、そして同じく内部シールド174の片持ちのラッチビーム180とも接触する。一実施例によれば、ハブラッチ178は、ラッチビーム180を半径方向内側に付勢する。
【0054】
図34は、ユーザが、軸方向に外側シールド175を変位している間、しかし変位が完了する前の、内側シールド176に関連した針シールド装置174の姿勢を示している。この状態では、外部シールド175は、ラッチビーム180がベース102から外れるのを防止し続ける。具体的には、ハブラッチ178がベース102に対してラッチビーム180を所定の位置に保持している。したがって、一実施例によれば、外側シールド175は、内側シールド176に対して軸方向に対して相対的に変位しながら、内側シールド176はベース102上にロックされる。
【0055】
図35は、内部シールド176に関して外部シールド175の完全にずれた位置を示している。この状態では、ハブラッチ178は、もはやベース102から外れるラッチビーム180を阻止しない。ハブラッチ178は、代わりに内部シールド176上の(
図32に最も良く示される)くぼみ181内に配置され、内部シールド176上に形成されたシールドラッチ182に係合されている。シールドラッチ182は、ハブラッチ178の上面に係合し、それによって内側シールド176に対する外側シールド175のさらなる近位ずれを防止する。加えて、ハブラッチ178はもはやラッチビーム180を押さないので、ラッチビーム180はベース102から離脱することができる。
【0056】
更に、ハブビーム又は外側シールドラッチ183は、内部シールドラッチ184の上に乗りあげ、そして、外部シールド175が内部シールド176に対して遠位へ移動するのを防止するために、ハブビーム183の下部には内部シールドラッチ184の上部が係合している。一実施例によれば、ハブビーム183は片持ち支持されている。
【0057】
一旦ユーザが針シールド装置174を遠位方向に変位し続けると、ラッチビーム180は、ベース102から半径方向に自由に変位し離脱する。シールドラッチ182とハブラッチ178の係合と、ハブビーム183と内部シールドラッチ184の係合は、導入針110をシールドするので、不慮の針刺しの可能性を低減する。
【0058】
一実施例によれば、内部シールドラッチ184は固定的に内部シールド176上に配置されている。別の実施例によれば、内部シールドラッチ184は、内側シールドラッチビーム416上に片持ち支持されて配置されているので、内側シールドラッチビーム416とハブビーム183はともに片持ち支持されている。更に別の実施例によれば、内側シールドラッチ184が内側シールドラッチビーム416上に片持ち支持され、そしてハブビームが外側シールド175上に固定配置されている。
【0059】
別の代替実施例では、針シールド装置174は、流体コネクタ126とベース102に結合させることができる。このような実施例は、点滴セットが身体の外側にあっても、流体コネクタ126を全時間つけたままで、導入針110を挿入したり、抜いたり、することをユーザに教えることを許可できる。
【0060】
図36は、針シールド装置174を完全に展開したものを示している。ユーザが外側シールド175を引っ張り続けると、ラッチビーム180は、ベース102から除去される。
【0061】
本発明は、図の別の実施例によれば、
図37は、ユーザの皮膚に挿入するための準備ができている導入針ハブ186を有する点滴装置を示す図である。
図37は、導入針ハブ186は、流体コネクタ188と、ベース190の断面図である。
図1の導入針ハブ100と実質的に同じ方法で、導入針ハブ186が、導入針192を確保し、導入しているが、導入針ハブ186は、流体コネクタ又は流体コネクタハブ188と係合し、ベース190を貫通する前に流体コネクタ188を介して導入針192を導入するように構成されている。導入針ハブ186は、離れてベース190から延びる流体コネクタ188の一部を受け取る、流体コネクタスロット194を含む。流体コネクタ188の上面が、導入針192を受け入れるための開口196を含む点で、流体コネクタ188は、先に開示された
図7の流体コネクタ126とは異なります。更に、密封流体経路を維持するために、第2隔壁(第1隔壁は、ベース内に配置されている)は、開口部に直接隣接して空洞198内に固定されている。
図37に示される配置は、点滴セットがすでに流体コネクタがベースに接続された状態で、ユーザの皮膚に挿入することができる。
【0062】
図38は、流体コネクタ188と、ベース190が完全に係合したものを示している。流体コネクタ188は、起動レバー202、流体コネクタラッチ204、そして、硬質ストップ206を含み、各々、プラスチックから作成され、前述した実施例の対応する部分と同様に機能する。しかしながら、前述の
図7の流体コネクタ126とは対照的に、この特定の実施例では、起動レバー202と流体コネクタラッチ204は、流体コネクタ188の一部として成型され、リビングヒンジの周りでピボットする。このシングルピースの流体コネクタ構成は、製造を簡略化するために利用することができる。硬質ストップ206は、前述した実施例に開示されているように、流体コネクタラッチ204が十分に完全に離脱するまで動くこと、流体コネクタ188を操作中は起動レバー202の安定した支えとなることの両方を保証する。
【0063】
図39から41は、流体コネクタラッチ204がどのようにベースラッチ208と、かみ合っているかを示す。この例示的な実施例では、流体コネクタ188は、ベース190に対して回転しないようにラッチされる。回転防止は、流体コネクタラッチ204が、ベース190の柱に設けられた対応するベースラッチスロット210に落とし込むことで、容易になされる。明確にするために、ベース190の一部のみが
図39から41に示されている。流体コネクタ188を流体ベース190へ結合するとき、しかしながら完全な係合の前に、ユーザは、延長チューブ212と流体コネクタ188を回転して、流体コネクタ188が点滴ポンプに都合よく取り付けることができる。流体コネクタラッチ204が、すぐにベースラッチスロット210内に落下しない場合は、流体コネクタ188をわずかな回転させると、流体コネクタ188が流体コネクタラッチ204内の所定位置に落とし込むことができ、それにより、流体コネクタ188が外れたりそれ以上回転したりすることがないようロックされる。
【0064】
流体コネクタ188と延長チューブ212を回転させる必要があれば又は望ましいとなった場合、ユーザは単に起動レバー202を一緒に握るだけで(
図41に示すように)、流体コネクタラッチ204をベースラッチスロット210から解除する。
そして、ユーザは、より望ましい回転又は円周位置に流体コネクタ188の位置を変更し、そして、流体コネクタラッチ204を対応するベースラッチスロット210にロックするために、起動レバー202を放す。
図41は、そこで流体コネクタラッチ204と起動レバー202が回動する、リビングヒンジ209を示している。
【0065】
図39から41に示された実施例とは対照的に、
図42から44は、流体コネクタカバー214、流体コネクタラッチ216、及び起動レバー218を構成する2回成型プラスチック構成要素(two molded plastic components)を含む、流体コネクタ213の別の実施例を示す。本実施例では、流体コネクタカバー214、流体コネクタラッチ216、及び起動レバー218を構成する2回成型プラスチック構成要素を含むが、
図39から41に示す実施例に示す各構成要素とほぼ同じ機能である。2回成型プラスチック構成要素は、1回成型部品とは対照的に、審美性又は製造の簡略化のために利用することができる。
【0066】
図45から55は、貼付剤パッチの粘着性の裏打ちをはがすための剥離ライナースリットのデザインの複数の実施例を開示している。実施例の各々は、剥離ライナーの中央部を貫通する針及び/又はカテーテルと剥離ライナーとの潜在的な接触を回避する。
【0067】
図45は、2個のプルタブ284を持った単一の部品から形成された、第一の剥離ライナーの実施例282を示している。対照的に、
図46は、1個のプルタブ288と拡張スリットを有する、単一片から形成される第二の剥離ライナーの実施例286を示している。同様に、
図47は、単一片から形成され、単一のプルタブ292及びオフセンタースリットを有する、第三の剥離ライナー290の実施例を示す。
図48は、単一片から形成され、拡張されたスリットを有する単一のプルタブ296を有する、第四の剥離ライナーの一実施例294を示している。
図49は、単一片から形成され、2本のプルタブ300は、中央スリットから略90度に延びる、第5の剥離ライナーの実施例298を示している。
図50は、単一片から形成され、2つのプルタブ304が中央スリットと略平行に延びる、第6の剥離ライナーの実施例302を示す。
図51は、単一片から形成され、単一のプルタブ308と複数のスリットを有する第七の剥離ライナーの実施例306を示している。
図52は、単一片から形成され、複数のスリットと、剥離ライナーと複数のスリットの両側から延びる2つのプルタブ310を有する、第八の剥離ライナー309の実施例を示す。
図53は、単一片から形成され、延びるタブを有しない、単一のスリットを有する、第9の剥離ライナー第9の実施例312を示す。
図54は、2つの片から形成され、2つのプルタブ316を有する、第十の剥離ライナーの実施例314を示している。
図55は、2つの片から形成され、2つのプルタブ320は2片に分離するスリットに略平行である、第十一の剥離ライナーの実施例318を示している。
【0068】
一実施例によれば、柔軟性のあるディスクベース(例えば、ベース102)水分及び空気透過性を増加させ、患者の快適性を高めるために、穿孔することができる。別の実施例では、皮膚用接着剤をベース上に直接コーティングすることで、個別の貼付剤の必要性を排除することができる。更に別の実施例において、接着パッチは、接着剤付き材料の不織布又は織布のいずれかから作製することができる。
【0069】
図56は、ベース326の例示的な実施例の特徴を示している。ベース326は、内部空洞330を囲むラッチベース328を含む。図示のように、ベースラッチ328は、八角形状の平坦な外周側面又はカット面(facets)を有する。ベース326はまた、ベースラッチ328のカット面に対応する、複数の平坦な側面又はカット面を含むベース部332を含む。ベース部332の平坦な側面は、ベースラッチ328の対応する平坦な側面と略同一平面上にある。あるいは、ベースラッチ328とベース部332は、各々が側面の任意の数の、各々が個別に回転又は周方向位置に対応を有するように形成することができる。例えば、ベースラッチ328とベース部332は、3つのカット面を持つことができます。別の実施例によれば、ベースラッチ328は、8個以上のカット面を有することができる。別の実施例によれば、ベースラッチ328とベース部332は、8個以上のカット面を有することができる。
【0070】
ベースラッチ328とベース部332の間には、ベースラッチ328とベース部332に比べると細い直径の係止部333が配置されている。一実施例によれば、係止部333は、略円柱である。
【0071】
一実施例によれば、ベース326は、ベース326とユーザとの間に位置する柔軟性のあるディスク334と係合する。柔軟性のあるディスク334は身体活動中のユーザとともに移動し、ユーザとベース326の剛性部分の接触を最小限に抑えます。柔軟性のあるディスク334は、ユーザの皮膚にベース326を固定するために使用することができる接着基材を有する接着パッチ336に取り付けることができる。
【0072】
図57から63は、流体コネクタ338の別の例示的実施例を示す。前述の流体コネクタと比較して、本実施の形態では、流体コネクタ338の全体の高さ及び断面を低減し、このようにしてユーザに干渉及び潜在的な刺激を低減する。流体コネクタ338には、流体経路部分339と、
係止部343の、2つのコンポーネントが含まれています。
係止部343には、起動レバー340、流体コネクタラッチ342、及び硬質ストップ344が含まれている。
【0073】
一実施例によれば、起動レバー340、流体コネクタラッチ342、及び硬質ストップ344は、一体構造として形成されている。また、起動レバー340は、各流体コネクタラッチ342とでアームを形成する。これらのアームは、流体経路部分に対して変位可能である。流体コネクタラッチ342は、少なくとも流体コネクタラッチ342の一部が流体経路部分339内に配置される、係合位置に変位可能である。更に、アームは弾性的に係止位置に向かって付勢されている。
【0074】
流体経路部分339は、チューブを流体コネクタ338に接続するためのチューブコネクタ部分348を含む。流体経路部分339は、一実施例に係るスナップフィット係合を介して
係止部343に固定することができ、該流体経路部分339及び係止部は、同じ材料で作ることができる。
【0075】
ユーザが、遠方に(下方に)押して、徐々に流体コネクタラッチ342を外側に拡げて、そして、流体コネクタラッチ342の内側への弾性力で、所定位置にパチリと係合させて、流体コネクタ338をベース326に取り付ける。ユーザはまた、詳細は後述するが、硬質ストップ344に当たるまで起動レバー340を押して、そして、流体経路部分339内の内部カット面がベースラッチ328とベース部332と係合するまで遠位へ押して、流体コネクタ338をベース326に取り付ける。そして、ユーザが、流体コネクタラッチ342を解放すると、流体コネクタラッチは
係止部333とベースラッチ328の下面とスナップ係合して、流体コネクタの近位の変位に抵抗するようになる。一旦、ユーザが、起動レバー340から自分の指を離すと、流体コネクタ338は確実にベース326に係合する。流体コネクタ338が何かに巻き込まれた場合にも、ユーザの傷害又は不快感を防ぐために、一定の力が加わった場合には流体コネクタラッチ342の柔軟性により起動レバー340を使わなくても、流体コネクタ338はベースから抜けることが、当業者には理解される。
【0076】
ベース326から流体コネクタ338を解放するには、ユーザは、起動レバー340を硬質ストップ344に接触するまで挟み、流体コネクタラッチ342を旋回して変位させることによりベースラッチ328から半径方向外側に十分に離れ、それにより係止部333から流体コネクタラッチ342を離脱させる。そして、ユーザは、ベース326から流体コネクタ328を近位に持ち上げる。
【0077】
一実施例によれば、起動レバー340は指の滑り止め(finger bumps)341を備え、ユーザが起動レバー340の位置を特定し使用するのを助ける。或いは、指の滑り止め341は、 ベース326から流体コネクタ338を解放するには、ユーザが何処を押すべきかの触覚フィードバックを提供できる、稜線や穴(a ridge or divots)に置き換えてもよい。別の実施例によれば、同じ目的のために、起動レバー340は、視覚的なインジケータを提供するために、流体コネクタ338とは異なる色を有することができる。
【0078】
流体コネクタラッチ342は、係止部333と対応して係合し、近位の変位に対して流体コネクタ338を固定し、そして角度を付けた平面345の各対が2つの離れた位置で係合部333する、角度を付けた平面345を含む。角度を付けた平面345は同様に係合部333の縦軸に略平行である。流体コネクタラッチは同様に、端部傾斜面335(distal beveled surfaces)(
図62に最も良く示される)を含み、最初の接続時にベースラッチ328の上面と係合する。より詳細に説明すると、流体コネクタ326の内部カット面とベースラッチ328及びベース部332との係合は、流体コネクタ326がベース部332と係合している時には、回転運動を防止する。この例示的な実施例において、起動レバー340と流体コネクタラッチ342(共に一つとして)は、流体経路部分339とは別個のプラスチック部品として成型される。起動レバー340と流体コネクタラッチ342は、リビングヒンジで旋回する。硬質ストップ344は、流体コネクタラッチ342の両方が、ベース326から完全に十分に離脱することを保証し、そして、流体コネクタ338の取り扱い中に起動レバー340に安定した支えを提供する。更に、硬質ストップ344は、それがベース326に取り付けられたときに流体コネクタの揺動を防ぐことができます。
【0079】
図59に示すように、ベース326の内部空洞330は、金属くさび350及びカテーテル352を受ける。くさび350は、広い端から狭い方の端までの中空の中心部を持つ漏斗状に形成されている。くさび350の狭い方の端は、カテーテル352の末端部を受容するために使用されるテーパ状縁部を有している。カテーテル352は、密封された流体接続を形成するために、くさび350の狭い方の端を押し上げている。予め切れ目の入れられたプレスリット隔壁161はまた、流体コネクタ338のカニューレ353を受容するように、ベース326の内部空洞330内に保持される。例示的な実施例によれば、隔壁161は、隔壁161とベース326との間の摩擦力によって、ベース326内の所定の位置に保持される。隔壁161(
図20及び21により詳細に示すように)は、組み立ての間に隔壁161のスリットを通ってカニューレ353を中心に位置させる補助となり、そして、隔壁161のシール性を向上する、上下両面の対称な凹面を備えている。
【0080】
図60から62は、流体コネクタ338の様々な図を示す。
図60は、斜視図、断面図であり、
図61は底面図であり、そして、
図62は前面の断面図である。
図60から62に示すように、流体経路部分339は、後壁355と、複数の内部壁又は面又はカット面354とを備えている。流体経路部分339の側壁は、流体コネクタハブラッチ342が動いて通る、各スロット357(
図57に最も示される)を含む。
図62に最も良く示されるように、流体経路部分339の内部の上部は略ドーム形であって、内部のカット面354及び後壁355は、スロット357によって中断されても、底面356まで拡がっている。
【0081】
図56、59から62を参照すると、ユーザが流体コネクタ338をベース326に向かって遠位に移動すると、下方向に傾斜した、ベースラッチ328の上のキノコ形状は、カニューレ353が隔壁161の中に配置されているので、流体コネクタ338を中心位置に設置するのに助けとなる。底面356が、ベースラッチ328上のカット面を通過すると、内部のカット面354及び後壁355は、ベースラッチ328のカット面と係合し、それにより、ベース326に対して流体コネクタ338が回転や円周方向に動くのを固定できる。一実施例によれば、隔壁161を貫通するカニューレ353に先行して、内部のカット面354及び後壁355は、ベースラッチ338のカット面と係合する。
【0082】
ユーザが流体コネクタ338を遠位に移動させるにつれ、内部のカット面354と後壁355は、ベース326との係合の安定性を増すために、ベース部332のカット面と係合する。一実施例では、流体経路部分339の底面356と、硬質ストップ344の底面は、ベース326と流体コネクタ338との接続を更に高めるために、ベース326に接触する。
【0083】
図64及び65は、それぞれ、上述した、ベース326、くさび350、隔壁351及びカニューレ352の分解図、組み立てられた断面図を示している。
【0084】
図66は、流体コネクタ360の全体の高さ及び断面を減少させるために構成された別の例示的な実施例を示す。ドーム状の形状を有するとは対照的に、流体ハブ360は、前の実施例と異なり、略平坦な上面を含む形状である。流体コネクタ360の当該形状は、実質的に、デバイスの全体の高さを低減する。
図57から65に開示された実施の形態と同様、流体コネクタ360は、起動レバー362と硬質ストップ364レバーを含む。流体コネクタ360の断面が低いことで、硬質ストップ364は、チューブ366を連結するためのチューブポート364として機能する。指の滑り止め368の付いた起動レバー362は、ユーザの、起動レバー362の位置決めを補助し、使用を容易にする。あるいは、指の滑り止め368は前述した他の例示的な実施例に置き換えることができる。流体コネクタ360は、また、曲がったカニューレ372(
図92でより明確に見える)を受け入れる溝370を含む。屈曲したカニューレ372は、流体コネクタ360の外周に対応し、管ポート364の内部に収容され、配管366とベース374との間の流体経路を提供する、屈曲した形状を有している。
【0085】
ベース374は、
図56から65に開示されたものと実質的に同じである。
図67、68、及び71に示すように、ベース374は、内部空洞378を囲むベースラッチ376を含む。図示のように、ベースラッチ376は、八角形状に形成され、8つの周囲側面又はカット面を有する。ベース374はまた、各カット面が流体コネクタ360に対して異なった回転或いは環状位置に対応し、ベースラッチ380の側壁に対応する複数の側壁を含む、ベース部380を含む。あるいは、ベースラッチ376及びベース部380は、各々が異なる数の側面を有するように形成できる。一実施例によれば、ベース374は、ベース374とユーザとの間に位置する、柔軟性のあるディスク382と係合する。柔軟性のあるディスク382は、ユーザの皮膚にベース374を固定するために使用することができる接着基材を有する、接着パッチ384に取り付けることができる。
【0086】
図67から72は、流体コネクタ360と、ベース374の追加の図を示す。流体コネクタ360は、起動レバー362から延びる流体コネクタラッチ386を含む。ユーザは、所定の位置にスナップするか、又は起動レバー362を硬質ストップ364に当たるまで押すかして、流体コネクタ360を遠位に動かして係止部381(
図68を参照)との係合を経て、流体コネクタラッチ376がベース374にスナップして係合する位置まで動かして、流体コネクタ360をベース374に取り付ける。一旦係合されると、ユーザは、起動レバー362から自分の指を外し、そして流体コネクタ360を確実にベース374に係止する。
【0087】
流体コネクタラッチ386は、係止部381と係合する、傾斜した平面388を含む。流体コネクタ360の内部カット面387は、ベース部380とベースラッチ376のカット面と係合し、それにより、流体コネクタラッチ386がベース374と係合すると流体コネクタ360が回転運動することをロックする。起動レバー362と流体コネクタラッチ386は、リビングヒンジで回動する。硬質ストップ364に起動レバー362を接触させることによって、硬質ストップ364は両流体コネクタラッチ386がベース374から完全に離脱することを保証し、そして起動レバー362が流体コネクタ360を操作している間に安定した支えを提供する。更に、硬質ストップ364は、ベース374に取り付けられた時に、流体コネクタ360がロックされることを防ぐことを補助する。
【0088】
図71に示すように、ベース374の内部空洞378は、金属くさび388、隔壁161、及びカテーテル392を受ける。くさび388は、広い端から狭い方の端まで狭くなる、中空の中心部を持つ漏斗状に形成されている。本明細書に記載の他のくさびとは対照的に、くさび388は、このように隔壁空洞378でより多くの圧縮された組み立てを可能にする、より短い断面の漏斗部を有している。くさび388の狭い方の端は、カテーテル392の末端部を受容するために使用されるテーパ状縁部を有している。隔壁161は、予めスリットが入れられており、ベース374の内部空洞378内に保持され、屈曲したカニューレ372を受ける。隔壁161は、接着剤等の当技術分野で公知の又は本明細書に開示される圧入、又は他の例示的な手段によってベース374内の所定位置に保持することができる。隔壁161は、組み立ての間に隔壁161のスリットを通ってカニューレ372を中心に位置させるのに補助となり、そして、隔壁161のシール性を向上する、上下両面の対称な凹面を備えている。隔壁161の中央水平部分やウェブ部分には、スリットが含まれている上部と下部の凸状の表面を含む。これらの凸面は、流体コネクタ386は、特にベース374から切断されたときに外部の力が隔壁161に適用される場合は、密封されたスリットを保持し、追加の密封圧力を提供する。
【0089】
図73は、ベース374の断面図を示す。
【0090】
図74は低背のマルガリータガラス状の形態をしたくさび388の断面図である。
【0091】
図75及び76は、流体経路部分の下縁395が、外側壁と実質的に同一平面というよりむしろ、外側壁に対して半径方向に延びる、流体コネクタ394の実施例を示す。この構成は、流体コネクタ394は、ベースに接続されているより大きな安定性を提供する。
【0092】
図77は、本発明の実施の形態に係るベース396の斜視図である。ベース396は、内部に複数の支持リブ397を備える。一実施例によれば、支持リブ397は傾斜している。別の実施例によれば、支持リブ397は凹状である。支持リブは、ベース396に挿入されるくさびのための追加サポートを提供する。一実施例によれば、各支持リブの形状は、支持リブの実質的にすべてに沿ってくさびをサポートするためにくさびの形状と相補的である。それらは離散した点でのくさび接触するように代替的に、支持リブを成型することができる。
【0093】
図78から81は代替的なベースの断面図である。特に、これらの実施例は、くさびを受けて支持するためのそれらの内部構造に応じて相違する。
図78においては、ベース398の内部は、面取り399され、そして凸状テーパ部401に移行400する。これらの機能は、くさびのインストール時に作成される破片を補足し、収集するための「井戸」を作成することができます。このような井戸は、くさびと柔軟なカニューレの適切な着座を保証するために役立つ。同様に、
図79のベース402はまた井戸を有しているが、円筒部403から凸状テーパ部405への移行部404は凹状であり、また、段部はない。
【0094】
図80のベース406は、移行部407が凸状であることを除くと、
図79のベース402と同様である。ベース408には、凸テーパ部410に移行する、平らな段部409がある。代替実施例では、部分410は実質的に円錐形である。
【0095】
また、
図65の実施例と比較して、
図78から81の実施例では、中央、遠位、柱状突起(又は中央の柱)を囲む環状空間は、ベースの近位に更に伸びている。更に、遠位の柱状突起は、ベースの第一の遠位面を越えて延びている。以下でより詳細に議論されるように、これらの差異は、導入針を保護するための別の針ガードが適用できる。
【0096】
図82は、ベース420の別の例示的な実施例の断面図である。ベース420の特徴は、以前に説明した他の代表的なベースのそれぞれと交換することができる。ベース420は、図示しない隔壁を保持し、かつ、以前に詳細に説明するように流体コネクタ(図示せず)と、カテーテル(図示せず)との間の流体流路を容易にすることができる内部空洞422を含む。ベース420は、ベース420の頂部に位置する保持リング424を含む。保持リング424は、熱かしめ、超音波溶接、接着剤、又は当該分野で公知の任意の他の締結手段によってベース420に固定することができる。ベース420の開口部の直径を減少させることによって、(例えば流体コネクタが除去されるときに、)保持リング424は、隔壁がベース420の内部空洞422から脱落することを防止する。保持リングは、ベース開口部の周囲を完全に拡張することができる。別の方法として保持リング424は、部分的又は不連続環であってもよい。代替的には、保持リングが少なくとも部分的にベース420の開口部に重なるように、効果的にベース420の内部空洞422内に隔壁を保持し、保持リングは、ベース420の上面に締め付けることができる。別の代替として、隔壁は、一体化保持リングを形成するために、ベース420の材料をかしめることにより、内部空洞内に保持することができる。
【0097】
図83は、本発明の実施例による、流体コネクタの流路部分430の斜視底面図である。
図60の流体経路部分339と比較して、流体経路部分430は、段付き後部内壁432と段付き内側壁434を持っている。この構成は、ベースのベース部とベースラッチの接触のためのカット面に、追加のカット面436及び438を提供することにより、ベースとの接続の安定性を高めることができる。
【0098】
図84は、本発明の一実施例によるベース440の断面図である。
図78から81のベースのように、その遠位側に、ベース240は、ソフトカテーテル444が突き出る中央の柱442を備え、中央の柱442はベース440の第一の遠位面446の下に遠方に延びている。更に、中央の柱442を囲む環状スペース448は、
図65のベースよりも、更にベースに近位に伸びている。しかしながら、ベース440は、中央の柱442の遠位端及びソフトカテーテル444を取り囲むその遠位面の環状の凹部452に、リップ450を有している。リップ450及び環状スペース448は、その後、より詳細に検討される、導入針を保護するために、針ガードを収容することができる。環状空間452は、ソフトカテーテル444のための柔軟性を提供し、ベース440に柔らかいカテーテル444をインストールする時に、引き裂きの事例を減らすことができる。
【0099】
図85は、本発明の実施例による点滴セット組立体500の斜視図である。組立体は、それに接続された中空の導入針504の挿入ハブ502と、挿入ハブ502に接続されている点滴セットのベース506を含む。ベース506は、患者の皮膚及び中空カニューレベース510にベース506を固定する、接着パッド508を含む。一実施例によれば、ベースカニューレは軟質プラスチックカテーテル510である。この実施例では、導入針504は、ソフトカテーテル510を通過し、ソフトカテーテル510の近位端を越えて延びている。なお、本発明は、ソフトカテーテルに限定されないことは、当業者によって理解されるであろう。例えば、ベースカニューレ510は、別個の導入針を必要としない場合には、剛性金属カニューレであってもよい。組立体500は、また、
図85に明確化のために点線で示されている針ガード520を含む。
【0100】
図86から91に示すように、一実施例によれば、針ガード520は、ベース506に接続するための上部又は近位部分522と、ユーザ又は患者との相互作用のための下部又は遠位部分524を含む一体型、ワンピース型のプラスチック構造である。換言すれば、一実施例によれば、針ガード520は、単一構造として一体的に形成されている。
【0101】
他のユーザが点滴セット挿入組立体500(例えば、医療専門家)は使用することもできる。簡潔にするため、以下、ユーザは「患者」と呼ぶ。最もよく
図86から88に示されるように、遠位部分524は、患者が下側部分524を圧迫のを導くために彫刻されている、タッチポイント526を含む。例えば、タッチポイント526は、患者の指で快適な相互作用のために、凹状に広く、湾曲している。更に、一実施例によれば、針ガード520の遠位部分524は、その遠位部分の構造的剛性を高めるために内部に複数の支持リブ528を含む。
【0102】
以下でより詳細に説明するように、近位部分522は、ベース506との選択的な接続のための、一対の対向する内側の片持ちの把持部分530を有する。更に、近位及び遠位部分522と524の両方に、その中で効果的に針ガード520を左右に分割する、切り欠き(それぞれ532と534)がある。一実施例によれば、近位の軸方向の切り欠き532及び遠位の軸方向切り欠き534は、軸方向に整列し、それにより切開部の対を形成する。切り欠きの間で針ガード520の左右を連結する間には、ペアの支点ウェブ536が配置される。
【0103】
それが作られるプラスチック材料の柔軟性により許されるように、支点ウェブ536はまた、針ガード520の左右側が相対回転する支点を提供する。
図89では、例えば、示されるように患者は半径方向内側に遠位部524タッチポイント526を押すと、近位部522は、それに対応して支点ウェブ536回りに、半径方向外側(
図89の矢印A)に変位する。逆に、付勢力が除去される(すなわち、患者が半径方向内側の押圧力を解除する)と、遠位部分524は、支点ウェブ536を中心に半径方向外方に変位し、その初期の、付勢されていない位置に戻る、そして、近位部分522は、それに対応して半径方向に支点ウェブ536を中心に変位し、その初期の、付勢されていない位置(点線で示されている矢印B)に変位する。
【0104】
上述のように、針ガード520は、好ましくは、ポリプロピレン、などの硬質で柔軟なプラスチックで作られる。一実施例によれば、針ガード520は、約0.65インチ(16.5ミリメートル)の高さ、近位部分での幅は約0.18インチ(4.5ミリメートル)であり、針ガード520の遠位端での幅は約0.34インチ(8.6ミリメートル)と0.45インチ(11.4ミリメートル)である。
【0105】
図92は、ベース506に連結された針ガード520の断面図であり、
図93は
図92の一部の拡大図である。挿入ハブ502と導入針504は、
図93及び94から明確化のために省略されている。ベース506の遠位側は、ソフトカテーテル510が遠位に突出する、中央柱540を持つ。しかしながら、当業者は、本発明の実施例は、柱がベースに対して中央に配置されることに限定されないことが理解される。一実施例によれば、金属くさび542により中央の柱540に保持されている、ソフトカテーテルの基端側は、ポート546の近位端を封止する隔壁544によって覆われている。中央柱540は、中間部分がアンダーカットされており、それによって、リップ548を形成している。一実施例によれば、ベース506は、中央柱540を取り囲む環状空間を有している。使用中には、針ガード520の把持部530は、ベース506上の針ガード520を保持するために、中央柱540のリップ548と係合する。実施例によれば、
図93に示すように、ベース506と接続する場合、針ガード520の基端部は中心柱540を囲む環状空間の近位の天井と接触する。
【0106】
好ましくは、リップ548の外径は、把持部530の内径よりわずかに大きく、ベース506に装着された場合、支点ウェブ536を中心に把持部分が半径方向外側に動くか変位して、これにより、(針ガード520が作られるプラスチック材料の弾性により)ベース506上に針ガード520を保持するために半径方向内向きの把持力を与える。更に、最もよく
図93に示されるように、把持部530の遠位部は、ベースに対して針ガード520の望ましくない軸方向の相対変位を防止するために、リップ548の近位部分に係合する。しかしながら、係合の表面積が非常に小さいので、ベース506から針ガードを解除するために必要な、支点ウェブ536回りの把持部の外側への回転量も同様に少ない。
【0107】
針ガード520は、導入針504とベースカニューレ510を保護するために、出荷前にベース506に取り付けられている。したがって、従来の皮膚に点滴装置を挿入するために、患者はまず針ガード520を削除する必要がある。前述したように、これにより、ユーザはタッチポイント526を一緒に押して、それにより、ウェブ支点536を中心に半径方向外向きに把持部530を回転させると、ベース506の中央柱540から把持部530が離れる。離脱に続いて、それにより患者は完全に針ガード520を取り除き、それによって導入針504が露出して、そして、挿入のために点滴装置の準備を進め、針ガード520が削除される。
【0108】
このように、ベース506から針ガード520を分離するために、軸方向の力はほとんど、あるいは全く必要としない。更に、材料、支点ウェブ536の寸法を選択することによって、針ガード520は、中央柱540から把持部530を解放するのに、患者は横方向にわずかな量を必要とするだけである。また、本発明の実施例は、針ガード520は、導入針504に鈍化又は損傷を引き起こすことなく、除去することを可能にする。更に、ベースから針ガード520を解放するのに軸方向の力をほとんど又は全く必要としないので、誤って導入針遮蔽機構を活性化することなく除去することができる。更にまた、本発明の実施例は、誤って除去される針ガード520を防止するために十分な保持力を維持しつつ、クリープ/エージングの影響と部分的な高い応力レベルを減らすために、より高い製造ばらつき公差を可能にする。本発明の実施例は、大規模な耐性及び低い除去力要件に一致する保持力を生成するための把持部530の制御された偏向を提供する。また、他の市販の針ガードと比較して、本発明の実施例の一つの利点は、針ガードを取り外す際に、患者がより多くの手段を有することである。例えば、本発明の実施例は、「ぎくしゃくした」運動を排除することによって、潜在的な針刺しのリスクや、針及び/又はカニューレへの損傷リスクを低減する。
【0109】
図94は、ベース506を流体コネクタ550(流体コネクタチューブは明確化のために省略)と接続したままで、患者が肌からベース506の撤去した後にベース506に針ガード520を再接続する方法を示す。
【0110】
図95から97は、本発明の別の実施例による点滴ベース600を示す。
図95から97に示すように、点滴ベース600は、ベース部602とディスク部604を有する。ベース部602の水平方向遠位部分は、水平方向遠位部分のリセットと比較して減少した厚さを有する、外側部分608を有している。続いてより詳細に説明するように、追加の形態において、外側部分608は、貫通孔606を複数有している。
【0111】
一実施例によれば、円板部604は、柔軟性のある円板部604であり、穴606及び外側部分608の厚さが薄く、ベース部602と柔軟なディスク部604との間の結合を促進する。具体的には、ベース部602は最初のショットで成型され、柔軟性のあるディスク部604は、柔軟性のあるディスク部604の材料が外側部分608と貫通孔606の周囲を流れる間に、2番目のショットで成型される。外側部分608の形状は、柔軟性のあるディスク部604の材料との二重の重なり接合部を提供し、貫通孔606は追加の結合表面ならびに追加の機械的インターロックを提供する。対照的に、
図4の実施例は、接合するための単一の重複する接合箇所がある。
【0112】
加えて
図95に最良に示されるように、ベース部602は、ベースラッチ616の上にカット面614を持つ。これらのカット面614は、ベースラッチ616の平坦な垂直側面618が前述の実施例、例えば
図56で示されるベースラッチ328の上面が丸い実施例、よりも厚くできる。この増大した厚さが増加した表面積を提供し、したがって、平坦な垂直側面618は、ベース600と流体コネクタとの間の強力な係合、そして、流体コネクタとベース600との間に回転トルクに対する強い抵抗を提供する。
【0113】
図98は、本発明の一実施例による金属くさび640の断面図である。くさび640が、ベースに柔軟なカテーテルを固定するために使用される。くさび640は、ノーズ部分644に隣接する最初のフレア部分642を持つ。平坦部644は、最初のフレア部分642に近位方向に隣接しており、二次フレア部分646は、平坦部分644の近位側に隣接している。先に論じたくさびの一部と比較して、くさび640は、最初のフレア部642に急峻な角度を有している。一般的に、組み立て中に、導入針がくさびに接触(したがって、導入針の鈍化)が、最終組み立てにおいて導入針がくさびを通る時に、くさびに対する針の位置変化によって、ある割合で生じる。しかしながら、最初のフレア部分642の急な角度は、すぐにノーズ部644の外になるので、導入針への衝撃を最小限に抑え、くさび640を通過するのを案内するので、組み立て中にもシャープさを維持することがでる。
【0114】
開示された実施の形態及び他の代替実施例での各々において、点滴セットの構成要素は、射出成型ポリプロピレン、ポリエチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレンポリマー、ポリエチレンテレフタレート又は類似の材料などのポリエステルから、及び/又はポリラクチド、澱粉充填ポリプロピレン、又はポリヒドロキシアルカノエートなどのバイオベース樹脂から、形成することができる。カテーテルは、別個の構成部品であるか、又はベース部品の部品として、単一部品として又は二樹脂を用いた共射出成型部品のいずれかとして、射出成型されることができる。柔らかいシュート成分は、エチレンビニルアセテート、熱可塑性ウレタン、スチレン系熱可塑性エラストマー、セルロース系エラストマー、コポリエステルエラストマー、又は同様の材料とすることができる。
【0115】
本発明の少数の例示的な実施例が上記で詳細に説明したが、当業者は多くの変更が本発明の新規な教示及び利点から逸脱することなく、例示的な実施例において可能であることを理解するであろう。従って、全てのそのような修正は、添付の特許請求の範囲及びその均等物に定義される本発明の範囲内に含まれることが意図される。