(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6337179
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年6月6日
(54)【発明の名称】位置合わせ誤差を求めるための装置と方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/68 20060101AFI20180528BHJP
H01L 21/66 20060101ALI20180528BHJP
【FI】
H01L21/68 F
H01L21/66 P
【請求項の数】7
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-93923(P2017-93923)
(22)【出願日】2017年5月10日
(62)【分割の表示】特願2015-515396(P2015-515396)の分割
【原出願日】2012年6月6日
(65)【公開番号】特開2017-183735(P2017-183735A)
(43)【公開日】2017年10月5日
【審査請求日】2017年5月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】508333169
【氏名又は名称】エーファウ・グループ・エー・タルナー・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】トーマス ヴァーゲンライトナー
【審査官】
中田 剛史
(56)【参考文献】
【文献】
特開平06−181169(JP,A)
【文献】
特開平09−283404(JP,A)
【文献】
特開昭61−044429(JP,A)
【文献】
特開昭56−146242(JP,A)
【文献】
特開2002−228415(JP,A)
【文献】
特開2010−239041(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/68
H01L 21/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板(5)上に設けられているか又は存在している構造体(6)の位置合わせ精度及び/又は歪みを検査するために、前記設けられているか又は存在している構造体(6)の位置合わせ誤差を求めるための方法であって、
前記基板(5)を基板ホルダ(2)に固定するステップと、
前記基板ホルダ(2)の並進運動及び/又は回転運動を行い、それによって、少なくとも1つの光学系(3)に対する相対的な前記基板(5)の位置決めを第1のX−Y座標系において行う、ステップと、
前記少なくとも1つの光学系(3)が、前記構造体(6)上のマーキング(11,11’)のX−Yポジションを検出するステップであって、前記第1のX−Y座標系に依存しない第2のX−Y座標系には、前記構造体(6)に関する理想的なX’−Y’構造体ポジション(9)が設定されている、ステップと、
前記構造体(6)上の前記マーキング(11,11’)の検出された前記X−Yポジションからの、前記理想的なX’−Y’構造体ポジション(9)の各距離を求めるステップと、
前記基板(5)を処理するステップと、
前記処理後に、前記少なくとも1つの光学系(3)が、前記構造体(6)上の前記マーキング(11,11’)のX−Yポジションを検出するステップであって、前記第1のX−Y座標系に依存しない前記第2のX−Y座標系には、前記構造体(6)に関する理想的なX’−Y’構造体ポジション(9)が設定されている、ステップと、
前記構造体(6)上の前記マーキング(11,11’)の検出された前記X−Yポジションからの、前記理想的なX’−Y’構造体ポジション(9)の各距離を求めるステップであって、求められた前記距離を、前記位置合わせ誤差を求めるために使用する、ステップと、
を、記載の順序で備えていることを特徴とする、位置合わせ誤差を求めるための方法。
【請求項2】
前記構造体(6)の検出の都度少なくとも1個の構造体(6)を同時に検出する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの光学系(3)を、前記第1のX−Y座標系の原点を設定するために、前記第1のX−Y座標系に対応付けられている光学系収容部を用いて少なくともX方向及びY方向に移動させ、続いて前記第1のX−Y座標系において前記検出のために固定する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記基板ホルダ(2)を収容し、且つ、前記第1のX−Y座標系の少なくともX方向及びY方向において移動可能である収容装置の形態の位置合わせ手段によって、前記基板ホルダ(2)上に固定された前記基板(5)を前記第2のX−Y座標系に対して位置合わせする、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記基板ホルダ(2)上に固定された前記基板(5)を、前記基板(5)上のマーキング(7)を前記少なくとも1つの光学系(3)によって検出することによって位置合わせする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
複数の前記X−Yポジション及び/又は前記理想的なX’−Y’構造体ポジション(9)を、一つのポジションマップに記憶する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
複数の前記X−Yポジション及び/又は前記理想的なX’−Y’構造体ポジション(9)を、前記第2のX−Y座標系に対応付けられているか、又は、該第2のX−Y座標系に相関付けられている一つのポジションマップに記憶する、請求項6に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1に記載されている、基板上に設けられているか又は存在する構造体の位置合わせ誤差及び/又は歪みを求めるための装置、並びに、請求項7に記載されている相応の方法に関する。
【0002】
本明細書の下記の記載において、構造体とは、種々の化学的及び/又は物理的なプロセスによってウェハ上に直接的に作成されるか、又は、外部で製造されて、その後に何らかの位置合わせプロセス及び/又は配置プロセスによってウェハに結合される、あらゆる種類の構成要素であると解される。
【0003】
ウェハ上に直接的に作成される構造体の例として、蒸着された導体路、リソグラフィ法によりウェハ上に作成されたIC、例えばCMOS又はTTLロジック、センサ、エッチング構造体、MEMS等が挙げられる。
【0004】
他方では、実装プロセスによってウェハに構成素子を実装することもでき、従ってウェハを拡張することができる。その種の実装プロセスの最も一般的な例として、ピック・アンド・プレイス装置を用いたチップ・トゥ・ウェハ(C2W:Chip-to-Wafer)プロセスによるチップの実装が挙げられる。それらの構成素子によってウェハの基本構造が3次元に拡張される。それらの構成素子も構造体の概念に含まれている。
【0005】
上記の構造体はいずれも理想通りのものではない可能性がある。例えば、導体路はマスクにおける欠陥に起因して僅かに歪んでいる可能性がある。更には、導体路自体は確かに適切にウェハに作成されたが、後続のボンディングプロセスによって、ウェハの表面、従って導体路も歪むほどの高い圧力がウェハに加えられる可能性もある。また、他の技術的な物理的影響及び/又は化学的影響によって、例えば熱応力、熱衝撃、固有応力等によって表面に歪みが生じる可能性もある。このことはウェハに直接的に設けられる全ての構造体に当てはまる。
【0006】
実装プロセスによってウェハ表面に設けられる構造体においては、構造体の位置決め及び/又は位置合わせに関して既に欠陥が生じている可能性がある。ここで、歪みとは、主としてねじれやずれによって惹起される、表面に設けられた構造体自体の歪みであると解される。
【0007】
今後も進歩し続ける小型化技術との関連において3D技術がますます重要になる中で、特にC2W法におけるボンディングプロセスの際の位置合わせも一層重要になる。特に、ウェハ上のいずれの個所においても2μm以下の位置合わせ精度の達成を目標としている用途においては重要性が増している。1μm以下の精度、特に0.5μm又は0.25μm以下の精度を達成するために、位置合わせ技術の精度の重要性、またその精度に課される要求はなお一層大きくなる。
【0008】
構造体はますます小さくなっているが、しかしながらそれと同時にウェハは大きくなり続けているという事実に基づき、位置合わせマークの近傍では相互に非常に良好に位置合わせされた構造体を設けることができるが、その一方でウェハの他のポジションにおける構造体は正確に配置されたものではない、又は少なくとも最適には配置されていない。
【0009】
このことから、位置合わせ精度を検査するために計測ツールが付加的に使用される。EP2299472には、そのような計測ツールを用いることによって、ウェハの表面全体を測定し、各ウェハの表面における構造体のポジションに関する情報を取得する方法が開示されている。
【0010】
そこで言及されている構造体も、やはり高い圧力、熱応力、固有応力、熱衝撃等によって変形する恐れがある。
【0011】
本発明の課題は、位置合わせ精度及び/又は歪みの検査がより効率的且つより正確に実現されるように、冒頭で述べたような装置又は冒頭で述べたような方法を更に発展させることである。
【0012】
この課題は、請求項1の特徴部分に記載されている構成及び請求項7の特徴部分に記載されている構成によって解決される。本発明の有利な実施の形態は、従属請求項に記載されている。本発明の範囲には、明細書、特許請求の範囲及び/又は図面に記載されている多数の特徴の内の少なくとも二つの特徴からなるあらゆる組み合わせも含まれる。本明細書において挙げられている値の範囲において、記載の範囲内の値も限界値とみなされ、また任意の組み合わせも使用することができる。
【0013】
本発明によれば、二つの座標系、即ち第1の座標系とも称されるX−Y座標系と、第2の座標系とも称されるX’−Y’座標系とが存在する。
【0014】
第1の座標系によって、収容ユニットの並進運動及び/又は回転運動、従って、ウェハが載せられる基板ホルダの並進運動及び/又は回転運動が実現され、また少なくとも一つの、有利には固定されて設けられている複数の光学系に相対的な位置決めが実現される。有利には、光学系も並進運動及び回転運動することができるが、もっとも第1の座標系に相対的な光学軸又は光学系の較正のためにのみそのような運動が行われることが好ましい。それとは逆に、位置合わせ誤差を求めている間に、基板ホルダを備えている収容ユニットを固定し、光学系を可動にすることもできる。この場合、最初に、基板ホルダ又は基板の一つのポジションが第1の座標系の原点として規定されることになる。
【0015】
第1の座標系の原点は、有利には、検出手段の光学軸、特に複数ある光学系の内の一つの光学軸にある。
【0016】
第2の座標系はコンピュータにおいて規定された座標系であり、この座標系に関して構造体ポジションフィールドが規定される。
【0017】
本発明が基礎とする着想は、基板上に存在する構造体についての実際の(第1の座標系において検出された)X−Yポジション、特にX−Y平面におけるそれらX−Yポジションの実際の配向を、コンピュータにおいて生成された構造体ポジションフィールドの、第2の座標系に記憶されている理想的なX’−Y’構造体ポジションと比較するということである。構造体ポジションフィールドは有利には、位置合わせユニット及び試料ホルダと固定の関係にある第2の座標系に関して規定される。
【0018】
本発明によれば、基板(ウェハ)が位置合わせマーク(基板上のマーキング)を用いて、第2の座標系に対して位置決めされ、有利には基板の並進運動及び/又は回転運動によって位置決めされる。理想的な場合には、構造体ポジションフィールドが、ウェハ上に存在する構造体のX−Yポジションと合致する。選択的に、ソフトウェアを用いた第2の座標系との相関付けを行い、それによって二つの座標系の変換を実現することもできる。
【0019】
基板の位置合わせマーク(マーキング)を用いて基板を第2の座標系に位置合わせすることによって、検出手段による運動/対応付け/検出の際のエラー及び基板ホルダ又は基板に相対的な検出手段の移動は完全に無くならないとしても最小にすることができ、また、遙かに効率的で迅速な検出を実現することができる。
【0020】
基板として特にウェハが考えられる。また本発明による構造体は特に、とりわけ積層化されて(いわゆる3DICチップとして)ウェハ上に設けられるチップであるか、又は、ここでは詳述しない種々のプロセスによってウェハ上に直接作成される構造体である。本発明は、第2の座標系に対応付けられているX−Y構造体ポジションの独立性に基づき、特にチップの複数の層(又は、ここでは詳述しない種々のプロセスによってウェハ上に直接設けられる構造体の複数の層)を設けることに適している。何故ならば、本発明の措置によって、誤差の伝播又は誤差の増加が回避されるからである。
【0021】
外部の(機械/装置に対応付けられている)座標系(第2の座標系)において検出が行われることから、本発明による方法は、ウェハボンディングの際にもたらされる応力(ストレス)によって惹起される、基板上のX−Y構造体の歪みを求めることにも適している。特に、結合すべき基板のみが構造化されている場合にも本方法を適用することができる。このことは例えば、裏面照射型イメージセンサを作成する場合である。
【0022】
二つの座標系は特にデカルト座標系であり、各座標系は、座標系の原点において交差するXベクトル(X方向)とYベクトル(Y方向)によって決定されている。
【0023】
本発明による装置は検出手段、特に一つの光学系、好適には複数の光学系、有利には少なくとも一つの顕微鏡及び/又はレーザ及び/又はカメラを有している。検出手段は、較正を可能にするために、確かに三つの自由度で回転運動し、且つ三つの自由度で並進運動することができるが、もっとも有利には本発明による方法ステップの実行中は、検出手段は固定されているか、又は、検出手段を固定することができる。本発明によれば、ウェハと光学系との間の相対運動は、第1の座標系に関して収容ユニットを能動的に移動させることによって行われる。
【0024】
本発明によれば、第2の座標系のX方向及び/又はY方向における、第1のマーキング及び/又は第2のマーキングのX−Yポジションから所定のX−Y構造体ポジションまでの距離を求めることができ、これを特に、各構造体に対応付けられているX−Y構造体ポジションを、特に構造体の画像検出によって、有利にはディジタル方式の画像検出によって、第2のマーキングのX−Yポジションと重ね合わせることによって、有利にはディジタル方式で重ね合わせることによって求めることができる。
【0025】
第1のマーキング、特にいわゆる位置合わせマークは、とりわけ、基板ホルダ上に固定された基板の粗い位置合わせ及び/又は精密な位置合わせのために、及び/又は、第1の座標系における基板のポジションを、X方向及びY方向において相関付けるため、有利には更に回転方向においても相関付けるために使用される。一つの有利な実施の形態によれば、第2の座標系の原点を決定するために、より精細に解像された第2のマーキングのみが使用され、それによって原点をより正確に求めることができる。
【0026】
本発明の一つの有利な実施の形態によれば、検出手段が少なくとも一つの光学系を有しており、特に第1の座標系の少なくともX方向及びY方向において、有利には制御装置による制御下で、特に第1の座標系の原点を設定するために移動可能であり、且つ、第1の座標系において固定可能である光学系を有している。検出手段は、特に、単一の顕微鏡を有することができるか、又は相互に独立して制御可能な複数の顕微鏡を有することができる。
【0027】
特に有利には、別の有利な実施の形態に応じて、特にX方向及びY方向に対して垂直なZ方向における焦点合わせ及び/又は移動によって、光学系が検出領域を有しており、この検出領域を用いて、その都度少なくとも1個の構造体を同時に検出することができ、有利には17個以下の構造体を同時に検出することができ、更に有利には5個以下の構造体を同時に検出することができ、理想的にはちょうど1個の構造体を同時に検出することができる。
【0028】
本発明の発展形態においては、位置合わせ手段、特に基板ホルダを収容し、且つ、第1の座標系の少なくともX方向及びY方向において移動可能である収容装置の形態の位置合わせ手段が、基板ホルダ上に固定された基板を第2の座標系に対して位置合わせするために設けられており、特に、基板上の第1のマーキングを検出手段によって検出することによって位置合わせするために設けられている。
【0029】
複数のX−Yポジション及び/又はX−Y構造体ポジションが、特に第2の座標系に対応付けられているか、又は、この第2の座標系に相関付けられている一つのポジションマップに特に一緒に記憶されるならば、構造体の非常に迅速で効率的な評価が実現されるので、いかなる時点においても、特に複数の構造体が相互に重なっている場合には、構造体の位置合わせにおける誤りを確認することができ、従って相応の対抗措置を講じることができ、例えば、位置合わせを再度実施することができるか、又は欠陥品としてマークすることができる。
【0030】
更に本発明の重要な態様では、本発明による装置(又は測定器)が有利な実施の形態においては、位置合わせ装置とは別個の独立したモジュールとして設けられている。
【0031】
装置に関して開示した特徴は、独立した又は組み合わされた発明としての方法に関する特徴としても開示されているとみなされ、またその逆についても同様である。
【0032】
本発明による方法又は本発明による装置がBSI CIS(裏面照射型密着イメージセンサ:back side illuminated contact image sensor)に適用される場合、リソグラフィのための照明フィールドにおける歪みを、特に26×32mmの最大限の大きさで求めることが重要である。偏差のオーダは特に250nm以下、有利には100nm以下、更に有利には70nm以下、特に有利には50nm以下である。
【0033】
本発明の代替形態又は発展形態に応じて、その都度決定された検出領域(視野:field of view)を基準にした歪みの検出精度は、補間によって、又は他の適切な変換方式によって、隣接する検出範囲を考慮することができる。
【0034】
本発明の更なる利点、特徴及び詳細は、下記の有利な実施例の説明並びに図面に基づき明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1a】本発明による装置の概略的な断面図を示す。
【
図1b】
図1aに示した装置の概略的な平面図を示す。
【
図2a】ウェハが未だ粗く位置調整されていない状態で載せられている、本発明による装置の概略的な断面図を示す。
【
図2b】
図2aに示した装置の概略的な平面図を示す。
【
図3a】ウェハが既に粗く位置調整された状態で載せられている、本発明による装置の概略的な断面図を示す。
【
図3b】
図3aに示した装置の概略的な平面図を示す。
【
図4a】第1の位置合わせマークの上方において光学系が位置決めされている、本発明による装置の概略的な断面図を示す。
【
図4b】
図4aに示した装置の概略的な平面図を示す。
【
図5a】第2の位置合わせマークの上方において光学系が位置決めされている、本発明による装置の概略的な断面図を示す。
【
図5b】
図5aに示した装置の概略的な平面図を示す。
【
図7】本発明によるX−Y構造体ポジションの概略図を示す。
【
図8】完璧に位置合わせされ構造体が接触している基板の拡大図を示す。
【
図9】まだ完璧に位置合わせされていない構造体が接触している基板の拡大図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図中、同一の構成要素/機構、並びに同様に機能する構成要素/機構には同一の参照番号を付している。
【0037】
本発明の実施の形態を表す
図1a及び
図1bには収容装置1が示されており、この収容装置1をX方向及びY方向(第1の座標系)に移動させることができ、特に並進運動させることができ、有利には、付加的に(X方向及びY方向に垂直な)Z方向においても移動させることができ、特に並進運動させることができる。更に有利には、収容装置1は回転することができ、特に基板ホルダ2の収容領域の重心又は中心点にある回転軸Rを中心にして回転することができる。基板ホルダ2を収容装置1上に固定することができる。
【0038】
本発明の実施の形態が示されている
図2a及び
図2bにおいては、基板ホルダ2上に基板5が置かれている。この方式の固定は、有利には真空によって行われ、特に、装置の図示していない制御部、特にソフトウェアにより支援される制御部の制御下で行われる。代替的に、固定を静電的若しくは機械的によって行うことができるか、又は、それらの固定方式を組み合わせて行うことができる。この処理ステップにおいて、基板5はまだ粗い調整もされておらず、このことは
図2bに示されているように基板5の位置が正確でないことからも容易に分かる。
【0039】
装置は更に光学系3(検出手段)を有しており、この光学系3は図示していない光学系収容部に固定されている。
【0040】
光学系3は、基板5の表面5o上に設けられている第1のマーキング7の検出、及び、基板5上に設けられている構造体6上の第2のマーキング11,11’の検出に使用される。ここでは光学系3が、電磁スペクトルの可視波長領域、赤外線波長領域、紫外線波長領域又は他の任意のあらゆる波長領域を検出するように設計されている。本発明にとって重要なことは、光学系3が第1のマーキング7及び第2のマーキング11,11’のパターン認識を特にディジタル化可能な形態で行うことができるという点である。本発明によれば、検出の速度及び/又は効率を上昇させるために、複数の光学系3を設けることも考えられる。その場合、第1の座標系の原点は、有利には任意の一つの光学系の光学軸上に位置している。
【0041】
第1のステップにおいては、基板5が収容装置1の基板収容部2上に配置され(
図2a,2b)、粗く位置合わせされる(
図3a,3b)。基板5の粗い位置合わせは特に、基板5の周縁部5uの輪郭8、特にノッチ又はフラット(平坦部)を用いて行われる。この粗い位置合わせは、1000μm以下、有利には500μm以下、更に有利には100μm以下、特に有利には50μm以下、とりわけ有利には15μm以下の精度を有している。その際に、基板5は回転軸Rを中心にして回転方向に1°以下、有利には0.5°以下、更に有利には0.1°以下、特に有利には0.01°以下の回転精度で位置合わせされる。ここで粗い位置合わせとは、光学系3が、検出領域(視野:field of view)内の、表面5o上に分散されている第1の位置合わせマーク7に焦点合わせされている、基板5の位置決めであると解される。有利な実施の形態によれば、より精細に解像された第2のマーキング11,11’のみが第2のX−Y座標系の原点及び配向を決定するために使用され、これによって第2のX−Y座標系をより正確に求めることができる。第2のX−Y座標系は特に、X−Y構造体又はマーキングを、対応する所定の(記憶されている)X−Y構造体ポジションと比較し、また必要に応じて位置決めすることによって決定される。
【0042】
ウェハの表面、従ってマーキング11,11’及び/又は位置合わせマーク7,7’に既に歪みがあった場合、本発明によれば、考えられる全てのマーキング11,11’及び/又は位置合わせマーク7,7’を検出し、アルゴリズムを用いて第2の座標系の原点を推定することができる。それらのアルゴリズムは、当業者には公知であるアルゴリズムである。
【0043】
粗い位置合わせは、特に光学系3に関する、ウェッジエラーの補償調整も含むことができる。このことは、本発明によれば一方では、光学系3の光学軸の直交性の位置合わせによって行われ、他方ではフォーカスマップの取得によって行われる。フォーカスマップは、複数の個所において光学系3のフォーカスセッティングが求められ、続いて他の全てのX−Yポジションに関して、予測されるフォーカスセッティングが補間によって計算されることによって取得される。これによって、本発明による方法の効率が更に上昇する。
【0044】
基板5上の第1のマーキング7のX−Yポジションに基づき、第1の座標系のポジションは既知であり、基板5の基板ホルダ2上への固定及び収容装置1の固定によって第1の座標系が確定される。ここで本発明にとって決定的に重要であることは、収容装置1を非常に正確な位置決め精度を有するように設計する必要がないことである。本発明によれば、位置決め精度は1μmを上回れば十分であり、特に5μmを上回れば十分であり、有利には10μmを上回れば十分である。
【0045】
本発明の一つの有利な実施の形態においては、収容装置1のポジションを正確に検出することができ、特に、精密な測定系によって、有利には1000nm以下、有利には100nm以下、更に有利には10nm以下、特に有利には1nm以下の精度で検出することができる。これとは異なり、収容装置1の移動及び検出の代わりに光学系3を移動させることができ、その場合には、有利には装置に相対的な光学系3又は光学系収容部の相応の検出が行われる。
【0046】
第2の座標系に関して、表面5o上に分散されている構造体6についての理想的なX−Y構造体ポジションが設定され、特に、ポジション十字9の形態で、基板5の外面形状に対応する外縁10を含む構造体ポジションマップ12として制御部に記憶される(
図7を参照されたい)。有利には、X方向に延びる線9xとY方向に延びる線9yとが理想的なポジション(構造体6の中心、
図8を参照されたい)において交差することによりポジション十字9が得られる。
【0047】
X−Y構造体ポジションを特に、制御部のソフトウェアによって決定することができ、また必要に応じて変更することができるので、ユーザは表面5o上の構造体6の位置決めを制御することができる。
【0048】
本発明による装置は、基板5上の構造体6の位置合わせ誤差及び/又は歪みを求めるために使用される。上記の理想的なポジションからの偏差が本発明による装置によって求められ、偏差が過度に大きい場合には相応の措置を講じることができる(計測ツール)。
【0049】
位置合わせ誤差をより最適に求めるために、第1の座標系及び第2の座標系が相互に可能な限り良好に位置合わせされ、有利には正確に位置合わせされ(精密調整)、特に、二つのX−Y座標系のX軸及びY軸をそれぞれ位置合わせして平行にすることによって位置合わせが行われる。
【0050】
本発明の代替的な実施の形態によれば、精密調整の代わりに、特にソフトウェアにより支援された座標変換マトリクスを準備することも考えられる。二つの座標系相互の位置を決定することができるので、勿論二つの座標系の間には一義的で算術的な関係が存在している。一方の座標系の、他方の座標系に関する並進方向のポジション及び/又は回転方向のポジションを変換マトリクスの形態で検出し、各座標系から見た各ポジションの制御を自動的に行うことができる。当業者にはこの座標変換は公知である。
【0051】
基板5の粗い位置合わせによって、光学系3は第1のマーキング7を迅速に発見することができる。本発明によれば、第1のマーキング7の数は少なくとも2個、有利には少なくとも3個、更に有利には少なくとも4個、特に有利には少なくとも6個、極めて有利には少なくとも10個である。位置合わせのために設けられるマーキングの数が多くなるほど、座標系相互の位置合わせがより正確になる。
【0052】
並進運動の自由度の精度、特に精密な調整の際の並進運動の自由度の精度は、本発明によれば、1000nm以下、有利には100nm以下、更に有利には10nm以下、特に有利には1nm以下である。回転運動の自由度の精度は、0.01°以下、有利には0.001°以下、更に有利には0.0001°以下である。選択的に、本発明によれば収容装置1の位置を測定することができるので、その場合、本発明によればその種の並進運動の精度は考慮しなくて良い。
【0053】
X−Y構造体ポジションは構造体6に関して設定されているので、X−Y構造体ポジションにピンポイントで接近することによって、表面5o上の各構造体6を光学系3の検出領域13内に移動させることができる。検出領域13においては、X−Y構造体ポジションの、構造体6上の第2のマーキング11,11’のX−Yポジションからの偏差を決定することができ、特にX方向における偏差(dx)とY方向における偏差(dy)を別個に決定することができる。
【0054】
図8には、光学系3の対物レンズによって記録された構造体6が相応に拡大されて図示されている。記録された構造体6、特にチップの表面6o及び縁部6rが見て取れる。第2のマーキング11,11’として、構造体6自体の特徴部、例えば構造体6の表面構造又は縁部6rの構造もその対象となる。有利には、各構造体6に少なくとも二つ、有利には四つの第2のマーキング11,11’が、特に構造体6のそれぞれ対向するコーナーに設けられている。構造体6に対してポジション十字9を表すことは、所属の構造体6の記憶されているX−Y構造体ポジションに基づき、特にソフトウェアによる制御下で行われる。従って、ポジション十字9は構造体に物理的に設けられているのではなく、また第2のマーキング11,11’でもない。
【0055】
従って、構造体6の記録された画像は擬似的にポジション十字9に重畳され、特にライブ画像において重畳されるので、ポジション十字9は、第2のマーキング11,11’のポジションを記録するため、また第2のマーキング11,11’を求めるために構造体6のディジタル画像を記憶する際に必ずしも必要とされるものではない。同様に、ポジション十字9をディジタル画像に重畳させ、一緒に記憶することもできる。
【0056】
図8に示されている構造体6においては、ポジション十字9が正確に構造体6の中心に位置しており、且つ、ポジション十字9から、対向する二つのコーナーに配置されている各第2のマーキング11,11’までの距離が等しくなっているので、この構造体6は理想的に位置決めされている、及び/又は、歪んでいない。
【0057】
図9に示されている構造体6においては、ポジション十字9から各第2のマーキング11,11’までの距離も、回転方向における位置合わせも理想的なポジションから偏差していることが見て取れる。特にソフトウェアで決定することができる限界値を基準にして、構造体6が更なる加工に適しているか、又は欠陥品として処理しなければならないかを直接的に判定することができる。
【0058】
その種の限界値を特に、各偏差ベクトル、即ちベクトルV
1及びV
2に関して、若しくはそれらのベクトルの和に関して、又は回転位置に関して規定することができる。
【0059】
本発明によれば、収容装置1を固定して、光学系3を移動させることもできる。このことは本明細書に記載した本発明の全ての着想についても同様に当てはまる。何故ならば、本方法は収容装置1と光学系3との間の相対運動にのみ依存するからである。収容装置1の代わりに光学系3を移動させることは、比較的僅かな質量を有する比較的小さい光学系だけを移動させれば良いという利点を有している。更には、大面積の収容装置1をそれよりも大きい面積にわたり移動させる必要がないことから、本発明による装置の小型の実施の形態が得られる。もっとも、光学系の質量が小さいことに起因して光学系が振動に対して非常に敏感であり、それによって、本発明に従い位置合わせ誤差及び/又は歪み誤差を決定する際に悪影響が及ぼされることは、この実施の形態の欠点である。
【0060】
従って、本発明を用いることによって、プロセスの経過の如何なる時点においても、特に、基板の処理後に、X−Yポジションが所定のX−Y構造体ポジションから、及び/又は、処理ステップの前に求められたX−Yポジションから大きく変化したか否かを検査することができる。
【0061】
従って、本発明による方法は、図示されている実施の形態において、特に下記の順序で実施される以下のステップを備えている。但し、個々のステップを上記において挙げた代替的なステップに置換することも可能である。
1.構造体6を備えた基板5を装置に載せる。
2.基板5を粗く位置決めする。
3.基板5を収容装置1に相対的に固定する。
4.第1の位置合わせマーク7及び/又はマーキング11,11’に基づき、収容装置1の並進運動及び/又は回転運動によって、基板5を精密に位置合わせする。
5.収容装置1の移動によって、全てのX−Y構造体ポジションをスキャン/巡回する。
6.光学系3を用いて、各X−Y構造体ポジションにおいて一つの画像、特にディジタル画像を記録する。
7.X−Y構造体ポジションからの、各構造体6のX−Yポジション、特に各構造体6の第2のマーキング11,11’の偏差を決定する。
8.特にX−Yポジション及び各構造体6のX−Y構造体ポジションを含む移動データを、特にポジションマップの形態で、出力及び/又は記憶する。
【符号の説明】
【0062】
1 収容装置
2 基板ホルダ
3 光学系
5 基板
5u 周縁部
5o 表面
6 構造体
6o 表面
6r 縁部
7 第1のマーキング
8 輪郭
9 ポジション十字
9x 線
9y 線
10 外縁
11,11’ 第2のマーキング
12 構造体ポジションマップ
13 検出領域
V
1,V
2 偏差ベクトル
R 回転軸
X X方向
Y Y方向
Z Z方向