(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6337196
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年6月6日
(54)【発明の名称】遠赤外結像レンズセット、対物レンズ、及び火源検出器
(51)【国際特許分類】
G02B 13/14 20060101AFI20180528BHJP
G01J 1/02 20060101ALI20180528BHJP
【FI】
G02B13/14
G01J1/02 H
G01J1/02 J
【請求項の数】10
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2017-501174(P2017-501174)
(86)(22)【出願日】2014年8月7日
(65)【公表番号】特表2017-526953(P2017-526953A)
(43)【公表日】2017年9月14日
(86)【国際出願番号】CN2014083851
(87)【国際公開番号】WO2016019537
(87)【国際公開日】20160211
【審査請求日】2017年1月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】515016891
【氏名又は名称】ハンズ レーザー テクノロジー インダストリー グループ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100171675
【弁理士】
【氏名又は名称】丹澤 一成
(72)【発明者】
【氏名】リー ジャイン
(72)【発明者】
【氏名】チョウ チャオミン
(72)【発明者】
【氏名】サン ボー
(72)【発明者】
【氏名】フアン ハイ
(72)【発明者】
【氏名】チェン ユチン
(72)【発明者】
【氏名】ガオ ユンフェン
【審査官】
吉川 陽吾
(56)【参考文献】
【文献】
特開2014−109638(JP,A)
【文献】
特開平02−257113(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0228157(US,A1)
【文献】
米国特許第05668671(US,A)
【文献】
特開2001−033689(JP,A)
【文献】
特開2012−173561(JP,A)
【文献】
米国特許第06507432(US,B1)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0212807(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 9/00−17/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠赤外結像レンズ組立体であって、
主軸線に沿って連続的に配置された第1のレンズ、第2のレンズ、及び第3のレンズから構成され、
前記第1のレンズは第1の曲面及び第2の曲面を含み、前記第1の曲面の曲率半径が57×(1±5%)ミリメートルであり、前記第2の曲面の曲率半径が85×(1±5%)ミリメートルであり、
前記第2のレンズは第3の曲面及び第4の曲面を含み、前記第3の曲面の曲率半径が210×(1±5%)ミリメートルであり、前記第4の曲面の曲率半径が37×(1±5%)ミリメートルであり、
前記第3のレンズは第5の曲面及び第6の曲面を含み、前記第5の曲面の曲率半径が100×(1±5%)ミリメートルであり、前記第6の曲面の曲率半径が400×(1±5%)mmであり、
前記第1の曲面、前記第2の曲面、前記第3の曲面、前記第4の曲面、前記第5の曲面及び前記第6の曲面は、連続的に配置され、全ては物体側に凸である、
ことを特徴とする遠赤外結像レンズ組立体。
【請求項2】
前記第2の曲面と前記第3の曲面との間の距離は15ミリメートルであり、前記第4の曲面と前記第5の曲面との間の距離は30ミリメートルである、請求項1に記載の遠赤外レンズ組立体。
【請求項3】
前記第1のレンズの中央厚さは5×(1±5%)ミリメートルである、請求項1に記載の遠赤外レンズ組立体。
【請求項4】
前記第2のレンズの中央厚さは2×(1±5%)ミリメートルである、請求項1に記載の遠赤外レンズ組立体。
【請求項5】
前記第3のレンズの中央厚さは3×(1±5%)ミリメートルである、請求項1に記載の遠赤外レンズ組立体。
【請求項6】
前記第1のレンズはGeで作製される、請求項1に記載の遠赤外レンズ組立体。
【請求項7】
前記第2のレンズはZnSeで作製される、請求項1に記載の遠赤外レンズ組立体。
【請求項8】
前記第3のレンズはGeで作製される、請求項1に記載の遠赤外レンズ組立体。
【請求項9】
鏡筒と、請求項1から8のいずれかに記載のレンズ組立体とを備え、前記鏡筒は前記レンズ組立体を収容するように構成される、遠赤外結像対物レンズ。
【請求項10】
請求項9に記載の遠赤外結像対物レンズと、感熱性レシーバとを備え、前記感熱性レシーバは、前記対物レンズの焦点に位置する、火炎災害の火源検出器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は光学分野に関し、より具体的には、遠赤外結像レンズ組立体、遠赤外結像対物レンズ、及び火炎災害の火源検出器に関する。
【背景技術】
【0002】
火炎災害が生じる場合、種々の火災につながる材料に起因して火源場所を特定するのは難しく、特に様々な材料が大量の煙を放つ可能性があり、消防士が接近することが難しく、煙は視界を不良にするので火源を見つけるのが難しく、その結果、消火活動を開始するのが困難である。濃い煙を通して火源を見つける方法が非常に重要になる。
【0003】
火源の光線は波長が長い遠赤外光線であり、遠赤外光線は透過力が強力かつ遠方に達するので、火源は遠赤外光線を検出することによって見つけることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、遠赤外光線を集めることができるレンズ組立体を提供することが必要である。
【0005】
さらに、遠赤外結像対物レンズ、及び火炎災害の火源検出器が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
遠赤外結像レンズ組立体は、主軸線に沿って連続的に配置された第1のレンズ、第2のレンズ及び第3のレンズを備え、第1のレンズは第1の曲面及び第2の曲面を含み、第1の曲面の曲率半径が57×(1±5%)ミリメートルであり、第2の曲面の曲率半径が85×(1±5%)ミリメートルであり、第2のレンズは第3の曲面及び第4の曲面を含み、第3の曲面の曲率半径が210×(1±5%)ミリメートルであり、第4の曲面の曲率半径が37×(1±5%)ミリメートルであり、第3のレンズは第5の曲面及び第6の曲面を含み、第5の曲面の曲率半径が100×(1±5%)ミリメートルであり、第6の曲面の曲率半径が400×(1±5%)mmであり、第1の曲面、第2の曲面、第3の曲面、第4の曲面、第5の曲面及び第6の曲面は、連続的に配置され、全ては物体側に凸である。
【0007】
実施形態によれば、第2の曲面と第3の曲面との間の距離は15ミリメートルであり、第4の曲面と第5の曲面との間の距離は30ミリメートルである。
【0008】
実施形態によれば、第1のレンズの中央厚さは5×(1±5%)ミリメートルである。
【0009】
実施形態によれば、第2のレンズの中央厚さは2×(1±5%)ミリメートルである。
【0010】
実施形態によれば、第3のレンズの中央厚さは3×(1±5%)ミリメートルである。
【0011】
実施形態によれば、第1のレンズはGeで作製される。
【0012】
実施形態によれば、第2のレンズはZnSeで作製される。
【0013】
実施形態によれば、第3のレンズはGeで作製される。
【0014】
遠赤外対物レンズは、鏡筒及び上記レンズ組立体を備え、鏡筒は、レンズ組立体を収容するように構成される。
【0015】
火炎災害の火源検出器は、上記遠赤外結像対物レンズ及び感熱性レシーバを備え、感熱性レシーバは、対物レンズの焦点に位置する。
【0016】
上述した火炎災害の火源検出器、並びに対物レンズ及びそのレンズ組立体では、遠位の目的物は、夜間及び濃い霧のような環境において遠赤外光を検出することによって検出することができ、特に、濃い煙環境において火源位置を見つけることができ、これは、消火活動、監視、及び高電圧送電線探測のような場合に広範囲に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】実施形態によるレンズ組立体の側面図である。
【
図2】
図1のレンズ組立体による対物レンズの伝達関数を示すグラフィック図である。
【
図3】
図1のレンズ組立体による対物レンズの狭いビームを示すグラフィック図である。
【
図4】
図1のレンズ組立体による対物レンズの広いビームを示すグラフィック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、実施形態による遠赤外結像レンズ組立体の側面図であり、配置を示している。遠赤外結像レンズ組立体10は、主軸線に沿って連続的に配置された、第1のレンズ100、第2のレンズ200、及び第3のレンズ300を含む。第1のレンズ100は正メニスカスレンズであり、第2のレンズ200は負メニスカスレンズ200であり、第3のレンズ300は正メニスカスレンズである。レンズの主軸線は、レンズの中心を通って延び、レンズに垂直な軸線である。第1のレンズ100、第2のレンズ200、及び第3のレンズ300の各主軸線は、互いに同軸である。
【0019】
図示した実施形態のレンズ組立体は、主として、遠赤外光を検出するために、詳細には波長が10640ナノメーターの遠赤外光を検出するために使用される。例えば、光線は、火炎災害の火源から放出される。
図1の左側は物体側であり、右側は像側である。遠赤外光源の光線は、物体側から到来して、レンズ組立体の像側の焦点面に明瞭に結像する。
【0020】
詳細には、第1のレンズ100は、第1の曲面102及び第2の曲面104を含み、第1の曲面102は物体側に凸であり、第2の曲面104は、第1の曲面102に対して内向きに凹である(すなわち、第2の曲面104は物体側に凸である)。第1の曲面102の曲率半径は57×(1±5%)ミリメートルであり、第2の曲面104の曲率半径は85×(1±5%)ミリメートルである。第1のレンズ100の中央厚さ(すなわち、主軸線に沿った第1のレンズ100の厚さ)は、5×(1±5%)ミリメートルである。第1のレンズ100は、Ge材料によって製造することができる。
【0021】
第2のレンズ200は第3の曲面202及び第4の曲面204を含む。第3の曲面202は物体側に凸であり、第4の曲面204は、第3の曲面202に対して内向きに凹である(すなわち、第4の曲面204は物体側に凸である)。第3の曲面202の曲率半径は210×(1±5%)ミリメートルであり、第4の曲面204の曲率半径は37×(1±5%)ミリメートルである。第2のレンズ200の中央厚さ(すなわち、主軸線に沿った第2のレンズ200の厚さ)は、2×(1±5%)ミリメートルである。第2のレンズ200は、ZnSe材料によって製造することができる。
【0022】
第3のレンズ300は第5の曲面302及び第6の曲面304を含む。第5の曲面302は物体側に凸であり、第6の曲面304は、第5の曲面302に対して内向きに凹である(すなわち、第6の曲面304は物体側に凸である)。第5の曲面302の曲率半径は100×(1±5%)ミリメートルであり、第6の曲面304の曲率半径は400×(1±5%)ミリメートルである。第3のレンズ300の中央厚さ(すなわち、主軸線に沿った第3のレンズ300の厚さ)は、3×(1±5%)ミリメートルである。第3のレンズ300は、Ge材料によって製造することができる。
【0023】
さらに、第2の曲面104及び第3の曲面202の間の距離は、15ミリメートルである。第4の曲面204と第5の曲面302との間の距離は、30ミリメートルである。
【0024】
好ましい実施形態では、レンズの寸法及び位置関係は以下のように示される。上記寸法は、±5%の許容差範囲内で変動することができる。
【0025】
レンズ100は、曲面102の曲率半径が57ミリメートルであり、曲面104の曲率半径が85ミリメートルであり、中央厚さが5ミリメートルであり、材料はGeである。
【0026】
レンズ200は、曲面202の曲率半径が210ミリメートルであり、曲面204の曲率半径が37ミリメートルであり、中央厚さが2ミリメートルであり、材料はZnSeである。
【0027】
レンズ300は、曲面302の曲率半径が100ミリメートルであり、曲面304の曲率半径が400ミリメートルであり、中央厚さが3ミリメートルであり、材料はGeである。
【0028】
レンズ100の曲面104とレンズ200の曲面202との間の距離は、15ミリメートルである。レンズ200の曲面204とレンズ300の曲面302との間の距離は、30ミリメートルである。
【0029】
レンズ組立体の光通過波長はλ=10640nmであり、全焦点距離はf’=75mmであり、D/f=1:1.6であり、2η(視野)=25.4mmである。
【0030】
図2は、レンズ組立体による対物レンズの伝達関数を示すグラフィック図であり、解像度が1ミリメートル当たり20線対に達する場合、M.T.F値は0.5に達するので、結像品質は非常に理想的である。
【0031】
図3は、レンズ組立体による対物レンズの狭いビームを示すグラフィック図であり、非点収差だけでなく歪みも理想的なレベルに達している。
【0032】
図4は、レンズ組立体による対物レンズの全結像面上における広いビームを示すグラフィック図であり、全てのサイズの非点収差は、7マイクロメートルから14マイクロメートルの範囲にあり、これは感熱性素子の要件を完全に満たすことができる。
【0033】
上述したレンズ組立体は、鏡筒に組み込まれて遠赤外結像対物レンズを形作ることができる。対物レンズの全長は95ミリメートルである。
【0034】
上述した遠赤外結像対物レンズは、火炎災害における火源検出に適用することができる。遠赤外結像対物レンズの焦点面には、感熱性レシーバが設けられる。感熱性レシーバは、対物レンズによって合焦された遠赤外光源を受け取り、次に、火炎災害の火源の検出が行われる。
【0035】
上述した火炎災害の火源検出器、並びに対物レンズ及びそのレンズ組立体において、遠位の目的物は、夜間及び濃い霧のような環境において遠赤外光を検出することによって検出することができ、特に、濃い煙の環境において火源位置を見つけることができ、これは、消火活動、監視、及び高電圧送電線探測のような場合に広範囲に適用することができる。
【0036】
上記は、詳しく説明された本発明のいくつかの実施形態であり、本発明の範囲に対する限定とみなすべきではない。本発明が関連する当業者には、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、変更及び改善が明らかであることに注目されたい。従って、本発明の範囲は、添付した特許請求の範囲によって定まる。
【符号の説明】
【0037】
100 第1のレンズ
102 第1の曲面
104 第2の曲面
200 第2のレンズ
202 第3の曲面
204 第4の曲面
300 第3のレンズ
302 第5の曲面
304 第6の曲面