(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記連結ポールピースアセンブリの第1の面及び前記第2のポールピースアセンブリの第2の面は、1つの取付対象を保持及び解除できるように形成されることを特徴とする請求項4に記載の磁性体保持装置。
前記第1のポールピースアセンブリは、前記第2のポールピースアセンブリの第2の面と前記連結ポールピースアセンブリの第1の面との延長面に沿う方向に移動可能であることを特徴とする請求項5に記載の磁性体保持装置。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の利点及び特徴、それらを達成する方法は、添付の図面とともに詳細な実施形態を参照すれば明らかになる。しかし、本発明は、以下に開示される実施形態に限定されるものではない。互いに異なる様々な形で実現される。本実施形態は、本発明の開示が完全なものとし、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が理解できるように知らせるためのものであり、本発明は、請求項の範疇により定義される。
【0022】
本発明を説明するための図面に開示された形状、大きさ、割合、角度、個数などは例示的なものである。本発明は、図示された事項に限定されるものではない。また、関連する公知技術は、必要でない場合は説明を省略する。明細書上で言及された「備える」、「有する」、「なされる」などが使用される場合、「〜のみ」が使用されない限り、他の部分が追加され得る。また、構成要素を単数として表現した場合に、特に明示的な記載がない限り、複数を備える場合を含む。構成要素を解析する場合、明示的な記載がなくても誤差範囲を含むものとする。位置関係に対する説明の場合、例えば、「〜上に」、「〜上部に」、「〜下部に」、「〜側に」などで2つの部分の位置関係が説明される場合、「すぐ」または「直接」が使用されない限り、2つの部分間に1つ以上の他の部分が位置することもできる。
【0023】
素子(elements)または層が他の素子または層「上(on)」として呼ばれることは、他の素子の真上にまたは中間に他の層または他の素子を介在した場合を全て含む。明細書の全体にわたって同一参照符号は、同一構成要素を表す。例えば第1、第2などが多様な構成要素を述べるために使用され、これらの構成要素は、これらの用語により制限されない。これらの用語は1つの構成要素を他の構成要素と区別するために使用する。
【0024】
図面に示された各構成の大きさ及び厚さは、説明の便宜のために図示されたものであり、本発明が、図示された構成の大きさ及び厚さには限定されない。本発明の種々の実施形態の各々の特徴が部分的にまたは全体的に互いに結合または組み合わせ可能であり、当業者が十分理解できるように技術的に記載しているので、各実施形態が互いに対して独立に実施可能であり、相互関係により複数が共に実施可能でありうる。
【0025】
以下、添付の図面を参照して、本発明の磁性体保持装置について説明する。
【実施例1】
【0026】
まず、本発明の磁性体保持装置の基本的構成及び原理について説明する。
図1〜
図6は、本発明の一実施形態に係る磁性体保持装置の概略的な断面図であり、特に、
図5及び
図6は、
図1〜
図4の磁性体保持装置の変形実施形態に係る磁性体保持装置の概略的な断面図である。
【0027】
図1〜
図4に示すように、磁性体保持装置1000は、第1のポールピースアセンブリ1100と、第2のポールピースアセンブリ1200と、コイル1300と、ベース1400と、制御装置(図示せず)とを備えて構成される。第1のポールピースアセンブリ1100は、少なくとも1つの第1のポールピース1110と、少なくとも2つの第2のポールピース1120と、少なくとも2つの第1の永久磁石1130とを備える。第1のポールピース1110は、磁性体であり、第1の面1111及び第2の面1112を備える。また、第2のポールピース1120は、磁性体であり、第1の面1121及び第2の面1122を備える。第1の永久磁石1130は、N極とS極のうち、いずれか1つの極が第1のポールピース1110に接触され、他の1つの極が第2のポールピース1120の各々に接触されるように配置される。例えば、第1の永久磁石1130は、
図1〜
図4に示すように、各々のN極が第1のポールピース1110に接触され、各々のS極が第2のポールピース1120の各々に接触されるように配置されることができ、これと反対に配置されてもよい。
【0028】
第2のポールピースアセンブリ1200は、少なくとも1つの第3のポールピース1210と、少なくとも2つの第4のポールピース1220と、少なくとも2つの第2の永久磁石1230とを備える。第3のポールピース1210は、磁性体であり、第1の面1211及び第2の面1212を備える。また、第4のポールピース1220は、磁性体であり、第1の面1221及び第2の面1222を備える。第2の永久磁石1230は、N極とS極のうち、第1のポールピース1110に接触された第1の永久磁石1130の極と相違した極が第3のポールピース1210に接触され、同一の極が第4のポールピース1120の各々に接触されるように配置される。
【0029】
第1のポールピースアセンブリ1100と第2のポールピースアセンブリ1200とは、第3のポールピース1210の第1の面1211が第1のポールピース1110の第2の面1112と接触及び離隔が可能なように(すなわち、対面するように)配置され、第4のポールピース1220の各々の第1の面1221が第2のポールピース1120の各々の第2の面1122と接触及び離隔が可能なように(すなわち、対面するように)配置される。コイル1300は、第1のポールピース1110及び第3のポールピース1210のうち、少なくとも1つに巻かれるように配置される。コイル1310、1320は、
図1〜
図4に示すように、各々第1のポールピース1110及び第3のポールピース1210に巻かれるように配置される。図示しないが、第1のポールピース1110及び第3のポールピース1210のうち、いずれか1つのみに巻かれるように配置されてもよい。
【0030】
コイル1310、1320は、磁性体に巻かれるように配置されて、電流の印加によって囲っている磁性体を磁化させることにより、磁性体内の磁気の流れに影響を及ぼす。コイル1310、1320は、第1のポールピース1110の第1の面1111及び第3のポールピース1210の第2の面1212の磁気の流れに影響を及ぼすことができるように配置される。コイル1310は、
図1〜
図4に示すように、第1の永久磁石1130より第1のポールピース1110の第1の面1111から最も近く配置されるか、最も遠く配置されることができる。また、コイル1320は、
図1〜
図4に示すように、第2の永久磁石1230より第3のポールピース1210の第2の面1212から最も近く配置されるか、最も遠く配置されることができる。また、コイル1310、1320は、
図1〜
図4に示すように、各々1つずつ備えられることができるが、2つ以上が備えられることもできる。
【0031】
また、コイル1310、1320は、第2の永久磁石1230及び第2のポールピースアセンブリ1200の第2の面1212、1222間に配置されることが磁気の流れの制御において有利である。また、コイル1310、1320は、第1の永久磁石1130及び第1のポールピースアセンブリ1100の第1の面1111、1121間に配置されることもできる。このようなコイル1310、1320の配置は、それ以外の他の実施形態においても多数が採択できる。コイル1310、1320は、制御装置に連結され、制御装置は、コイル1310、1320に印加される電流の方向または強さを制御する。ここでの電流は、直流の電流を指し示し、以下においても同様である。
【0032】
ベース1400は、接触面1401を備え、磁性体である。ベース1400は、第1のポールピースアセンブリ1100の第1の面1111、1121と接触及び離隔が可能なように(すなわち、対面するように)配置される。一方、ベース1400は、接触面1401が第1のポールピースアセンブリ1100の第1の面1111、1121と接触されるように配置されて、第1のポールピースアセンブリ1100とともに移動したり、固定されることができる。
【0033】
一方、第1のポールピースアセンブリ1100、第2のポールピースアセンブリ1200、及びベース1400のうち、1つ以上は、第1のポールピースアセンブリ1100の第2の面1112、1122及び第2のポールピースアセンブリ1200の第1の面1211、1221が離隔し、第1のポールピースアセンブリ1100の第1の面1111、1121及びベース1400の接触面1401が接触される第1の配置(
図3及び
図4に示すような配置)と、第1のポールピースアセンブリ1100の第2の面1112、1122及び第2のポールピースアセンブリ1200の第1の面1211、1221が接触され、第1のポールピースアセンブリ1100の第1の面1111、1121及びベース1400の接触面1401が離隔する第2の配置(
図1及び
図2に示すような配置)との間を切り換えるように、移動可能に構成される。具体的に、第1のポールピースアセンブリ1100のみが移動され得るし、第2のポールピースアセンブリ1200のみが移動され得るし、同時に2つのポールピースアセンブリ1100、1200が移動され得る。以下の実施形態では、説明の便宜上、第1のポールピースアセンブリ1100のみが移動するものとするが、これに限られるものではない。
【0034】
図1〜
図4に示すように、レールボルト1001、1002は、第1のポールピースアセンブリ1100とベース1400とに固定され、第2のポールピースアセンブリ1200を貫通することにより、第2のポールピースアセンブリ1200が磁気力によりスライドされるように案内する。すなわち、第1のポールピース1110は、ベース1400及び第3のポールピース1210に固定されたレールボルト1001がその内部を貫通することにより、レールボルト1001の軸方向にスライドされることができる。また、第2のポールピース1120は、ベース1400及び第4のポールピース1220に固定されたレールボルト1002がその内部を貫通することにより、レールボルト1002の軸方向にスライドされることができる。一方、レールボルト1001、1002は、非磁性体であり、これにより、レールボルト1001、1002を介して磁気の流れが生成されないことがある。レールボルト1001、1002は、第1のポールピースアセンブリ1100及びベース1400とねじ結合方式で固定されることができる。一方、レールボルト1001、1002は、第1のポールピースアセンブリ1100、第2のポールピースアセンブリ1200、及びベース1400のうち、少なくとも1つに固定されて、残りの構成のスライドを案内することもできる。
【0035】
制御装置は、コイル1310、1320に印加される電流(の方向または強さ)を調節することにより、コイル1310、1320を通過する磁気の流れの方向及び強さを制御する。
図1に示すように、制御装置がコイル1310、1320に電流を印加せずに、第1のポールピースアセンブリ1100と第2のポールピースアセンブリ1200とが互いに接触された第2の配置で配置された場合、磁気の流れは点線のように、第1のポールピースアセンブリ1100の第2の面1112、1122及び第2のポールピースアセンブリ1200の第1の面1211、1221を通過する内部循環構造で形成される。このような場合、第1のポールピースアセンブリ1100の第1の面1111、1121及び第2のポールピースアセンブリ1200の第2の面1212、1222を通過する磁気の流れはほとんどなくなるが、第1の永久磁石1130と第2の永久磁石1230との間の磁気力(磁気エネルギー)の差が少ないほど、第1のポールピースアセンブリ1100の第1の面1111、1121及び第2のポールピースアセンブリ1200の第2の面1212、1222を通過する磁気の流れは少なくなる。したがって、
図1のような配置では、第1のポールピースアセンブリ1100の第1の面1111、1121とベース1400との間の引力は最小化され、第2のポールピースアセンブリ1200の第2の面1212、1222に磁性体である取付対象が保持されない。保持されない取付対象は点線で図示する。以下においてもこれと同様に適用する。
【0036】
ところが、
図2に示すように、制御装置がコイル1310、1320に電流を印加すれば、第1のポールピースアセンブリ1100の第2の面1112、1122及び第2のポールピースアセンブリ1200の第1の面1211、1221を通過する第1の永久磁石1130と第2の永久磁石1230との間の磁気の流れが弱くなり、結局には切れるようになる。
【0037】
このとき、レールボルト1001、1002に沿って第1のポールピースアセンブリ1100が磁気力によりスライドされることにより、第1のポールピースアセンブリ1100の第1の面1111、1121及びベース1400の接触面1401が接触され、第2のポールピースアセンブリ1200の第2の面1212、1222に磁性体である取付対象1を接触させると、ベース1400及び取付対象1を通過する磁気の流れが
図3の点線のように形成されることにより、強化された磁気力によりベース1400が第1のポールピースアセンブリ1100の第1の面(1111。1121)に取り付けられ、取付対象1が第2のポールピースアセンブリ1200の第2の面1212、1222に保持されるようになる。
【0038】
その後、
図3に示すように、コイル1310、1320への電流の印加を除去しても、一度形成されたベース1400及び取付対象1への磁気の流れは破壊されずに維持され、第1のポールピースアセンブリ1100の第2の面1112、1122及び第2のポールピースアセンブリ1200の第1の面1211、1221を通過する磁気の流れが形成されないことにより、第1のポールピースアセンブリ1100と第2のポールピースアセンブリ1200とは離隔することができる。
【0039】
その後、
図4に示すように、コイル1310、1320に
図2と反対方向の電流を印加することにより、再度ベース1400及び取付対象1を第1のポールピースアセンブリ1100及び第2のポールピースアセンブリ1200から解除することができる。コイル1310、1320に
図4のような方向に電流が印加されれば、第1のポールピースアセンブリ1100の第1の面1111、1121及び第2のポールピースアセンブリ1200の第2の面1212、1222を通過する磁気の流れが弱くなり、結局には、切れるようになる。
【0040】
これにより、第1のポールピースアセンブリ1100がレールボルト1001、1002に沿って磁気力によりスライドされることにより、第1のポールピースアセンブリ1100と第2のポールピースアセンブリ1200とは、
図1のような第2の配置に切り換えられ、
図1の磁気の流れが復元され得る。
【0041】
また、第1の配置のベース1400が第1のポールピースアセンブリ1100の第1の面1111、1121から離隔する距離も適宜決定されなければならない。距離があまり大きければ、コイル1310、1320に電流を印加してもベース1400が第1のポールピースアセンブリ1100の第1の面1111、1121に取り付けられないことがあり、距離があまり小さければ、コイル1310、1320に電流を印加しなくてもベース1400が第1のポールピースアセンブリ1100の第1の面1111、1121に取り付けられ得るためである。したがって、このような点を考慮して、コイル1310、1320に所定程度の電流を印加したときにのみベース1400が第1のポールピースアセンブリ1100の第1の面1111、1121に取り付けられることができるように第1の配置でのベース1400と第1のポールピースアセンブリ1100の第1の面1111、1121との間の隔離距離を調整しなければならない。このような調整は、コイル1310、1320に導くことができる磁気力の強さなどを考慮して経験的或いは実験的に行なうことができる。
【0042】
総合すれば、制御装置は、コイル1310、1320に印加される電流を調節することで、コイル1310、1320を通過する磁気の流れの方向と強さを制御することにより、第1のポールピースアセンブリ1100、第2のポールピースアセンブリ1200、及びベース1400が第1の配置と第2の配置との間に切り換え可能なようにして、第1のポールピースアセンブリ1100の第1の面1111、1121及び第2のポールピースアセンブリ1200の第2の面1212、1222を貫通する磁気の流れの方向と強さを制御する。これにより、第2のポールピースアセンブリ1200の第2の面1212、1222に磁性体である取付対象1が保持及び解除され得る。
【0043】
図1をさらに参照すれば、前述した構造の磁性体保持装置1000は、取付対象の解除時に、永久磁石1130、1230からの磁気の流れを内部のみで循環させることにより、外部への残留磁気をほとんど0に近く、または完全に除去することができる(このような効果は、第1の永久磁石1130と第2の永久磁石1230とが同じ磁気力(磁気エネルギー)を有した場合に極大化されることができる)。また、永久磁石の密集配置が可能な構造を提示しており、保持の際、強い保持力を期待することができる。
【0044】
一方、
図5及び
図6に示すように、第1のポールピース1110´は、少なくとも2つでありうるし、また、第3のポールピース1210´は、少なくとも2つでありうる。このとき、第1の永久磁石1130´は、各々の第1のポールピース1110´a、1110´bと各々の第2のポールピース1120´との間に少なくとも1つずつ配置されることができ、第2の永久磁石1230´は、各々の第3のポールピース1210´a、1210´bと各々の第4のポールピース1220´との間に少なくとも1つずつ配置されることができる。これにより、各々の第1のポールピース1110´a、1110´b及び各々の第3のポールピース1210´a、1210´bで磁気の流れは互いに重ならないで生成される。すなわち、第1の永久磁石1130´または第2の永久磁石1230´から生成された各々の磁気の流れは、ポールピース1110´a、1110´b、1210´a、1210´bのうち、いずれか1つでも重ならないように生成される。また、レールボルト1001´は、第1のポールピース1110´を各々貫通し、第3のポールピース1210´の各々に固定されることにより、第1のポールピースアセンブリ1100´の移動を案内することができる。一方、各々の第1のポールピース1110´a、1110´b及び各々の第3のポールピース1210´a、1210´bは、
図5及び
図6に示すように、互いに離隔するように配置されることができ、接触されるように配置されてもよい。
【0045】
また、本発明の磁性体保持装置1000は、残留磁気をより減少させることができる手段をさらに含むことができる。以下において詳細に説明する。残留磁気は、
図1のように、第1のポールピースアセンブリ1100と第2のポールピースアセンブリ1200とが第2の配置で配置されたとき、閉鎖的な磁気の流れ(点線で示される)の一部が抜け出て取付対象1に影響を及ぼすことにより発生する。したがって、
図1のような閉鎖的な磁気の流れをより強化させ、その外部に抜け出る磁気の流れに抵抗を与える方式で残留磁気を除去することができる。
【0046】
図1〜
図4に示すように、第4のポールピース1220の第1の面1221の面積が第2のポールピース1120の第2の面1122の面積より小さく、第4のポールピース1220の第2の面1222の面積が第4のポールピース1220の第1の面1221の面積より小さいことがある。言い替えれば、第4のポールピース1220の第1の面1221側の厚さより、第2のポールピース1120の第2の面1122側の厚さがさらに厚く、第4のポールピース1220の第2の面1222側の厚さがさらに薄いことがある。これにより、第2の永久磁石1230からの磁気の流れは、第2のポールピースアセンブリ1200の第2の面1212、1222側より第1の面1211、1221側に一層円滑に形成されることができる。すなわち、第2のポールピースアセンブリ1200の第2の面1212、1222方向への磁気の流れ形成を難しくして残留磁気を除去することができる。このような事項は、その他の実施形態でも別の説明がなくても適用が可能である。一方、第3のポールピース1210及び第4のポールピース1220の内側面は直線で形成し、第2の永久磁石1230と取付対象1との間の磁気の流れを円滑にすることが取付強度を高めることができるという点で好ましい。
【0047】
以下では、
図1〜
図4の構造を応用した種々の実施形態について説明する。
【実施例2】
【0048】
図7は、本発明の他の実施形態に係る磁性体保持装置の概略的な断面図である。
図7に示すように、本実施形態の磁性体保持装置2000は、第1のポールピースアセンブリ2100と、第2のポールピースアセンブリ2200と、コイル2300と、制御装置(図示せず)とを備えて構成される。
第1のポールピースアセンブリ2100、第2のポールピースアセンブリ2200、及びコイル2300は、
図1〜
図4の第1のポールピースアセンブリ1100、第2のポールピースアセンブリ1200、及びコイル1300と各々同じ構成であって、重複するので説明は省略する。ただし、
図1〜
図4の磁性体保持装置1000からベース1400を削除し、第1のポールピースアセンブリ2100の第1の面2111、2121にも磁性体である取付対象2が保持及び解除され得ることが本実施形態の磁性体保持装置2000の特徴である。
【0049】
一方、第1のポールピースアセンブリ2100及び第2のポールピースアセンブリ2200は、互いに離隔する第1の配置及び接触される第2の配置間を切り換えるように、移動可能なように構成される。第1のポールピースアセンブリ2100及び第2のポールピースアセンブリ2200の移動には、ボルト及びカウンターボア(Counter−bore)を用いる方式のように、公知の様々な方式が採用され得る。これにより、第1のポールピースアセンブリ2100及び第2のポールピースアセンブリ2200が第1の配置で配置される場合には、取付対象1、2が解除され、第1のポールピースアセンブリ2100及び第2のポールピースアセンブリ2200が第2の配置で配置される場合には、両方向に取付対象1、2が保持される。
【実施例3】
【0050】
図8〜
図10は、本発明の他の実施形態に係る磁性体保持装置の概略的な断面図である。
図8〜
図10に示すように、磁性体保持装置3000は、第1のポールピースアセンブリ3100と、第2のポールピースアセンブリ3200と、コイル3300と、連結ポールピースアセンブリ3400と、制御装置(図示せず)とを備えて構成される。
【0051】
第1のポールピースアセンブリ3100、第2のポールピースアセンブリ3200、及びコイル3300は、
図1〜
図4の第1のポールピースアセンブリ1100、第2のポールピースアセンブリ1200、コイル1300と各々同じ構成であって、重複するので説明は省略する。連結ポールピースアセンブリ3400は、少なくとも1つの第1の連結ポールピース3410と、少なくとも2つの第2の連結ポールピース3420とを備える。第1の連結ポールピース3410は磁性体であり、第1の面3411及び第2の面3412を備える。また、第2の連結ポールピース3420は磁性体であり、第1の面3421及び第2の面3422を備える。連結ポールピースアセンブリ3400は、第1の連結ポールピース3410の第2の面3412が第1のポールピース3110の第1の面3111と接触及び離隔が可能なように(すなわち、対面するように)配置され、また、第2の連結ポールピース3420の各々の第2の面3422が第2のポールピース3120の各々の第1の面3121と接触及び離隔が可能なように(すなわち、対面するように)配置される。
【0052】
第1のポールピースアセンブリ3100、第2のポールピースアセンブリ3200、及び連結ポールピースアセンブリ3400のうち、1つ以上は、第1のポールピースアセンブリ3100が第2のポールピースアセンブリ3200と離隔した第1の配置(
図10に示されたような配置)で配置される場合、第1のポールピースアセンブリ3100の第1の面3111、3121と連結ポールピースアセンブリ3400の第2の面3412、3422とが接触され、第1のポールピースアセンブリ3100が第2のポールピースアセンブリ3200と接触された第2の配置(
図8及び
図9に示されたような配置)で配置される場合、第1のポールピースアセンブリ3100の第1の面3111、3121と連結ポールピースアセンブリ3400の第2の面3412、3422とが離隔するように、移動可能なように構成される。
【0053】
図8〜
図10に示すように、レールボルト3001、3002は、第1のポールピースアセンブリ3100と連結ポールピースアセンブリ3400とに固定され、第2のポールピースアセンブリ3200を貫通することにより、第2のポールピースアセンブリ3200が磁気力によりスライドされるように案内する。すなわち、第1のポールピース3110は、連結ポールピースアセンブリ3400及び第3のポールピース3210に固定されたレールボルト3001がその内部を貫通することにより、レールボルト3001の軸方向にスライドされることができる。また、第2のポールピース3120は、連結ポールピースアセンブリ3400及び第4のポールピース3220に固定されたレールボルト3002がその内部を貫通することにより、レールボルト3002の軸方向にスライドされることができる。一方、レールボルト3001、3002は、第1のポールピースアセンブリ3100、第2のポールピースアセンブリ3200、及び連結ポールピースアセンブリ3400のうち、少なくとも1つに固定され、残りの構成要素のスライドを案内することもできる。
【0054】
図8に示すように、コイル3310、3320に電流が印加されずに、第1のポールピースアセンブリ3100と第2のポールピースアセンブリ3200とが第2の配置で配置された場合、磁気の流れは、第1のポールピースアセンブリ3100と第2のポールピースアセンブリ3200との内部を循環し、第1のポールピースアセンブリ3100の第1の面3111、3121及び第2のポールピースアセンブリ3200の第2の面3212、3222を通過しないので、取付対象が上下のいずれの方向にも保持されることができない。
【0055】
その後、コイル3310、3320に電流を
図9のように印加すれば、第1のポールピースアセンブリ3100と第2のポールピースアセンブリ3200との間の磁気の流れは切れるようになり、第2のポールピースアセンブリ3200の第2の面3212、3222を通過する磁気の流れの強さは強くなるので、第2のポールピースアセンブリ3200側には取付対象2が保持され得る。しかし、この場合であっても、第1のポールピースアセンブリ3100は、連結ポールピースアセンブリ3400と離隔しているので、連結ポールピースアセンブリ3400の第1の面3411、3421を通過する磁気の流れの強さはほとんどゼロに近く、連結ポールピースアセンブリ3400の第1の面3411、3421には取付対象が保持され難い。
【0056】
その後、コイル3310、3320に
図9のような方向に印加される電流が所定数値以上に大きくなると、レールボルト3001、3002に沿って第1のポールピースアセンブリ3100が磁気力によりスライドされることにより、第1のポールピースアセンブリ3100と連結ポールピースアセンブリ3400とは磁気力により接触され、これにより、第1のポールピースアセンブリ3100と第2のポールピースアセンブリ3200とは第1の配置で配置されるようになる。第1のポールピースアセンブリ3100が
図10のような第1の配置で配置されれば、第1の永久磁石3130からの磁気の流れが取付対象1を貫通して流れるので、上側にも取付対象1が保持され得るようになる。その後、
図10のようにコイル3310、3320への電流を遮断しても、既に形成された点線のような磁気の流れは維持され、取付対象1、2が第2のポールピースアセンブリ3200の第2の面3212、3222及び連結ポールピースアセンブリ3400の第1の面3411、3421に各々保持された状態で維持される。
【0057】
もし、再度取付対象1、2を第1のポールピースアセンブリ3100及び第2のポールピースアセンブリ3200から解除しようとすれば、コイル3310、3320に
図9と反対方向の電流を印加してレールボルト3001、3002に沿って第1のポールピースアセンブリ3100が磁気力によりスライドされることにより、第1のポールピースアセンブリ3100と第2のポールピースアセンブリ3200との配置は
図8のような第2の配置に切り換えられ、
図8のような磁気の流れを復元させればよい。
【0058】
本実施形態の磁性体保持装置3000は、両方向に取付対象1、2を保持させることができるという利点があり、
図8のような解除時に、連結ポールピースアセンブリ3400と第1のポールピースアセンブリ2100とは離隔し、磁気の流れが第1のポールピースアセンブリ3100と第2のポールピースアセンブリ3200との内部のみで循環されるので、残留磁気をほとんど発生させないという利点がある。総合すれば、制御装置は、コイル3310、3320に印加される電流を調節することで、コイル3310、3320を通過する磁気の流れの方向と強さを制御することにより、第1のポールピースアセンブリ3100、第2のポールピースアセンブリ3200、及び連結ポールピースアセンブリ3400がレールボルト3001、3002に沿って第1の配置と第2の配置との間に切り換え可能とし、第1のポールピースアセンブリ3100の第1の面3111、3121及び第2のポールピースアセンブリ3200の第2の面3211、3221を貫通する磁気の流れの方向と強さを制御する。これにより、第2のポールピースアセンブリ3200の第2の面3212、3222及び連結ポールピースアセンブリ3400の第1の面3411、3421に磁性体である取付対象1、2が保持及び解除され得る。
【0059】
一方、図示してはいないが、、
図5の第1のポールピース1110´または第3のポールピース1210´のように、第1の連結ポールピース1410´は少なくとも2つでありうる。これにより、各々の第1の連結ポールピース1410´で磁気の流れは互いに重ならないで生成されることができる。すなわち、第1の永久磁石1130´または第2の永久磁石1230´から生成された各々の磁気の流れは、各々の第1の連結ポールピース1410´のうち、いずれか1つでも重ならないように生成されることができる。一方、各々の第1の連結ポールピース1410´は互いに離隔するように配置されることができ、接触されるように配置されてもよい。
【実施例4】
【0060】
図11〜
図14は、本発明の他の実施形態に係る磁性体保持装置の概略的な斜視図及び断面図であり、
図15及び
図16は、
図11〜
図14の磁性体保持装置の変形実施形態に係る磁性体保持装置の概略的な断面図である。特に、
図11は、
図12〜
図14、
図15及び
図16の磁性体保持装置を概念的に示した斜視図である。
図12(a)、
図13(a)、
図14(a)、
図15(a)及び
図16(a)は、
図11のA−A線断面図である。
図12(b)、
図13(b)、
図14(b)、
図15(b)及び
図16(b)は、
図11のB−B線断面図である。
図12(c)、
図13(c)、
図14(c)、
図15(c)及び
図16(c)は、
図11のC−C線断面図である。
【0061】
図11〜
図14に示すように、磁性体保持装置4000は、第1のポールピースアセンブリ4100と、第2のポールピースアセンブリ4200と、コイル4300と、連結ポールピースアセンブリ4400と、制御装置(図示せず)とを備えて構成される。第1のポールピースアセンブリ4100、第2のポールピースアセンブリ4200、コイル4310、4320、及び連結ポールピースアセンブリ4400は、
図8〜
図10の第1のポールピースアセンブリ3100、第2のポールピースアセンブリ3200、コイル3310、3320、及び連結ポールピースアセンブリ3400と各々同じ構成であって、重複するので説明は省略する。ただし、
図8〜
図10の第1のポールピースアセンブリ3100、第2のポールピースアセンブリ3200、及び連結ポールピースアセンブリ3300の配置を変形させたことが本実施形態の特徴である。
【0062】
第1のポールピースアセンブリ4100、第2のポールピースアセンブリ4200、及び連結ポールピースアセンブリ4400は、1つの取付対象1を保持及び解除できるように形成され配置される。連結ポールピースアセンブリ4400の第1の面4411、4421と第2のポールピースアセンブリ4200の第2の面4212、4222とが本実施例のように対面するように形成されることができるが、取付対象1の形状によって変わることができる。また、第1のポールピースアセンブリ4100は、第2のポールピースアセンブリ4200の第2の面4212、4222と連結ポールピースアセンブリ4400の第1の面4411、4421との延長面に沿う方向に移動可能である。すなわち、第1のポールピースアセンブリ4100は、横方向に移動可能である。
【0063】
一方、第2のポールピースアセンブリ4200の第2の面4212、4222は、第2のポールピースアセンブリ4200の第1の面4211、4221と互いに垂直であるように形成され、連結ポールピースアセンブリ4400の第1の面4411、4421は、連結ポールピースアセンブリ4400の第2の面4412、4422と互いに垂直であるように形成されることができる。このとき、
図11〜
図14に示すように、連結ポールピースアセンブリ4400の第2の面4412、4422と第2のポールピースアセンブリ4200の第1の面4211、4221とは、第1のポールピースアセンブリ4100を隔てて対面する。
【0064】
図12に示すように、制御装置がコイル4310、4320に電流を印加せずに、第1のポールピースアセンブリ4100と第2のポールピースアセンブリ4200とが互いに接触された第2の配置で配置された場合、磁気の流れは、
図12(b)及び
図12(c)に示す点線のように、第1のポールピースアセンブリ1100の第2の面1112、1122及び第2のポールピースアセンブリ1200の第1の面1211、1221を通過する内部循環構造で形成される。したがって、
図12のような配置では、連結ポールピースアセンブリ4400の第1の面4411、4421及び第2のポールピースアセンブリ4200の第2の面4212、4222に取付対象が保持されない。
【0065】
ところが、
図13に示すように、制御装置がコイル4310、4320に電流を印加すれば、第1のポールピースアセンブリ4100の第2の面4112、4122及び第2のポールピースアセンブリ4200の第1の面4211、4221を通過する磁気の流れが切れるようになり、第2のポールピースアセンブリ4200の第2の面4212、4222を通過する磁気の流れの強さが強くなるので、第2のポールピースアセンブリ4200側には取付対象1が保持され得る。しかし、この場合であっても、第1のポールピースアセンブリ4100は、連結ポールピースアセンブリ4400と離隔しているので、連結ポールピースアセンブリ4400の第1の面4411、4421を通過する磁気の流れの強さはほとんどゼロに近く、連結ポールピースアセンブリ4400の第1の面4411、4421には取付対象1が保持され難い。
【0066】
その後、コイル4310、4320に
図13のような方向に印加される電流が所定数値以上に大きくなると、第1のポールピースアセンブリ4100は、磁気力によりレールボルト4001、4002に沿って移動されて、連結ポールピースアセンブリ4400に取り付けられ、これにより、第1のポールピースアセンブリ4100、第2のポールピースアセンブリ4200、及び連結ポールピースアセンブリ4400は、第1の配置で配置されるようになる。第1のポールピースアセンブリ4100が
図14のような第1の配置で配置されれば、第1の永久磁石4130からの磁気の流れが取付対象1を貫通して流れるので、連結ポールピースアセンブリ4400の第1の面4411、4421にも取付対象1が保持され得るようになる。その後、
図14のように、コイル4310、4320への電流を遮断しても、既に形成された点線のような磁気の流れは維持されて、取付対象1が第2のポールピースアセンブリ4200の第2の面4212、4222及び連結ポールピースアセンブリ4400の第1の面4411、4421に各々保持された状態で維持される。
【0067】
本実施形態の磁性体保持装置4000は、両方向に取付対象1を保持させることができるという利点があり、
図12のような解除時に、連結ポールピースアセンブリ4400と第1のポールピースアセンブリ4100とは離隔し、磁気の流れが第1のポールピースアセンブリ4100と第2のポールピースアセンブリ4200との内部のみで循環されるので、残留磁気をほとんど発生させないという利点がある。
【0068】
一方、本発明の磁性体保持装置4000は、永久磁石4130、4230が重なって配置されることにより、最も強い保持力を得ることができるように変形されて実施され得る。
図15に示すように、第1の永久磁石4130´は、第1のポールピース4110´及び第2のポールピース4120´間に少なくとも2つずつ配置され、第2の永久磁石4230´は、第3のポールピース4210´及び第4のポールピース4220´間に少なくとも2つずつ配置されることができる。このとき、第2のポールピース4120´のうち、いずれか1つに接触される第1の永久磁石4130´は、各々の同一の極が同一のポールピース(第1のポールピース4110´または第2のポールピース4120´)に接触されるように配置される。また、第2のポールピース4120´のうち、いずれか1つに接触される第1の永久磁石4130´は、互いに接触されるように配置されることにより、1つの永久磁石のように1つの強い磁気の流れを発生させることができる。
【0069】
また、第4のポールピース4220´のうち、いずれか1つに接触される第2の永久磁石4230´は、各々の同一の極が同一のポールピース(第3のポールピース4210´または第4のポールピース4220´)に接触されるように配置される。また、第4のポールピース4220´のうち、いずれか1つに接触される複数の第2の永久磁石4230´は、互いに接触されるように配置されることができる。
【0070】
一方、両端が各々同一のポールピースと接触されるように配置される永久磁石4130´、4230´は、
図15に示すように四角形の形態をなすように配置されるか、
図16に示すように一列に配置されることができる。このような永久磁石4130´、4230´、4130´´、4230´´の個数及び配置形態は、
図15及び
図16に示されたものに制限されず、設計条件に応じて様々な個数で様々な形態で配置されることができる。このように、変形されて実施される磁性体保持装置4000´、4000´´によれば、永久磁石4130´、4230´、4130´´、4230´´が単位体積にさらに多く配置されることにより、保持力を増加させることができる。
【0071】
本発明の磁性体保持装置1000〜4000によれば、取付対象の解除時に残留磁気を最小化することができる。これと共に、別の電磁石を設置せずにポールピースにコイルを配置することにより、簡単な構造で強い保持力を得ることができ、保持または解除時の切り換え時にのみ小さい電流のみを使用して永久磁石の磁気力を制御することができ、小さい大きさの空間のみでも強い保持力を得ることができる。
【0072】
以上、添付された図面を参照して本発明の実施形態をさらに詳細に説明したが、本発明は必ずこのような実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想を逸脱しない範囲で様々に変形できる。したがって、本発明に開示された実施形態は、説明するためのものである。以上において記述した実施形態は、あらゆる面において例示的なものである。