(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、前記エジェクタから離れた位置に設置されて前記連続繊維を供給するスレッドフィーダから前記連続繊維を繰り出すことを停止させるロック機構を解除する糸解除スイッチを有する
ことを特徴とする請求項3に記載されたエジェクタ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のエジェクタの場合、糸を送り出すために使用される高圧水の供給配管と揺動手段のピストンを往復動させる圧縮空気の供給配管とが接続されており、さらに連続繊維が噴射ノズルに通されているため、作業する際に取り回しが困難である。また、圧縮空気によってピストンを往復動させる場合、冬期に連続使用すると揺動手段であるシリンダの排気口が結露して凍結に至るなど作動不良を起こす可能性がある。シリンダが凍結すると、施工範囲に糸を万遍無く供給することができなくなる。一度、凍結すると解凍して再始動させるまで作業が中断されてしまう。
【0006】
そこで、本発明は、連続繊維補強土工法に使用されるエジェクタとしてハンドリング重量が軽くかつ冬期に連続使用しても安定した揺動動作が得られるエジェクタを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る一実施形態のエジェクタは、砂質土と連続繊維とが混ざり合った補強土を施工面に築造する連続繊維補強土工法に用いられるエジェクタであって、ノズルと高圧水路と第1のモータと
第2のモータとを備える。ノズルは、高圧水を噴射し、連続繊維を高圧水の水流に乗せて繰り出す。高圧水路は、ノズルへ高圧水を案内する。第1のモータは、ノズルの向きを所定の角度範囲で揺動させる。
第2のモータは、第1のモータがノズルを揺動させる方向と交差する方向にノズルを揺動させる。
【0008】
このとき高圧水路は、ノズルを揺動させる中心線に沿って配置されることが好ましい
。
【0009】
第1のモータを揺動させる角度範囲を設定する制御部と、前記角度範囲の中心位置を設定する設定スイッチとをさらに備えていることも好ましい。このとき連続繊維を繰り出すことを停止させるロック機構を解除する糸解除スイッチを制御部が有していてもよい。ロック機構は、エジェクタから離れた位置に設置されて連続繊維を供給するスレッドフィーダに設けられている。糸解除スイッチは、無線通信によって遠隔操作可能であることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る一実施形態のエジェクタによれば、連続繊維を繰り出すノズルを第1のモータで揺動させるので、圧搾空気を利用して揺動させる場合に比べて、ハンドリング重量が軽く、かつ、冬期に連続使用しても安定した揺動動作が得られる。
【0011】
また、高圧水路がノズルを揺動させる中心線に沿って配置されることとした発明のエジェクタによれば、ノズルまわりの構造がコンパクトに納まる。また、第1のモータがノズルを揺動させる方向と交差する方向にノズルを揺動させる第2のモータをさらに備えることとした発明によれば、作業員に対して近づいたり遠のいたりする方向である縦方向にも自動的に揺動して繊維を吐出するため、施工に不慣れな作業員の施工能力によらない良好な施工品質が確保できるとともに作業員の労力軽減が可能となる。
【0012】
また、第1のモータを揺動させる角度範囲を設定する制御盤と、角度範囲の中心位置を設定するスイッチをさらに備えることとした発明のエジェクタによれば、作業者の姿勢に対して施工面が変化している場合にも、無理な姿勢を取ることなく施工面に合わせて揺動させる角度範囲を設定できる。
【0013】
さらに、エジェクタから離れた位置に設置されたスレッドフィーダから連続繊維を繰り出すことを停止させるロック機構を解除する糸解除スイッチを制御部が有していることとした発明のエジェクタによれば、エジェクタを操作する作業員が作業場所や姿勢を変えるために連続繊維を繰り出しながら移動する無駄が省けるだけでなく、連続繊維を引っ張っても過剰なテンションが連続繊維に係ることを防止できる。また、糸解除スイッチを無線通信で遠隔操作可能にした発明のエジェクタによれば、エジェクタを操作する作業員以外の作業員がロック機構の作動及び解除ができる。スレッドフィーダからエジェクタまでの間において連続繊維にトラブルが生じても、他の作業員が対応することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に係る第1の実施形態のエジェクタ1について、
図1から
図5を参照して説明する。エジェクタ1は、砂質土Mと連続繊維Tとが混ざり合った補強土Gを施工面Nに築造する連続繊維補強土工法に用いられるエジェクタ1である。
図1は、第1の実施形態のエジェクタ1を作業員P1が操作する状態を示す斜視図である。本実施形態において、施工面Nは、傾斜のある法面であり、補強土Gは、法面の下部である法尻から上部である法肩に向かって築造される。
【0016】
本明細書における説明の便宜上、重力が作用する方向を基準に「上」、「下」を定義し、法面を正面にして下から見上げるように見て「右」、「左」を定義する。また、法面に近い側を「奥」、遠い側を「手前」と呼ぶことがある。
【0017】
連続繊維補強土工法において用いられる各種装置を
図5に示す。連続繊維補強土工法では、エジェクタ1を含み連続繊維Tを供給する繊維配設装置10と、砂質土Mを供給する砂質土供給装置20とで構成される。繊維配設装置10は、スレッドフィーダ11と繊維計量器12と電源ボックス13と高圧ポンプ14とガイドポール15とエジェクタ1とコントロールボックス16とを含み、砂質土供給装置20は、ホッパー21と第1のベルトコンベア22と土砂計量器23と第2のベルトコンベア24と吹付機25とマテリアルホース26と吹付ノズル27とを含む。施工面Nの施工部Xに対し、連続繊維Tを供給するエジェクタ1を操作する作業員P1と、砂質土Mを供給する吹付ノズル27を操作する作業員P2は、別の者が担当し、二人一組で作業する。
【0018】
砂質土Mの原料は、トラクターショベル(ホイールローダー)200などによって、ホッパー21へ投入され、第1のベルトコンベア22で土砂計量器23へ供給される。土砂計量器23は、通過する砂質土Mの原料の量を計量する。計量された砂質土Mは、第2のベルトコンベア24で吹付機25に投入され、吹付機25の加圧された空気とともにマテリアルホース26で施工面Nまで搬送され、吹付ノズル27で施工部Xに吹き付けられる。
【0019】
また、連続繊維Tは、例えばポリエステルフィラメントの連続したポリエステル繊維であって、ボビン11Aに巻かれた状態で、スレッドフィーダ11に複数ずつセットされている。本実施形態では、
図5に示すように、4基のスレッドフィーダ11を有している。各スレッドフィーダ11から繰り出される連続繊維Tの供給量は、各スレッドフィーダ11に接続された繊維計量器12によって計測される。繊維計量器12は、繊維の供給量を計測することで、砂質土Mとの混合量を管理する。スレッドフィーダ11は、連続繊維Tが繰り出されることを停止させるロック機構17を有している。ロック機構17を解除した状態で連続繊維Tが引っ張られると連続繊維Tが繰り出され、ロック機構17が作動している間は、連続繊維Tの供給が止まる。
【0020】
電源ボックス13は、スレッドフィーダ11、繊維計量器12、エジェクタ1、及びコントロールボックス16に電力を供給する。高圧ポンプ14は、貯水槽141に入っている水を加圧して高圧水Wとし、エジェクタ1へ供給する。ガイドポール15は、スレッドフィーダ11とエジェクタ1との間で連続繊維Tが送られる方向を変える場合やスレッドフィーダ11からエジェクタ1までの距離が離れている場合等に設置される。したがって、スレッドフィーダ11とエジェクタ1の距離が直線で連続繊維Tが撓まない程度の距離であれば設置されないことも有る。
【0021】
エジェクタ1について、
図1から
図4を用いてさらに詳述する。
エジェクタ1は、
図1に示すように、ショルダーベルト2で作業員P1の肩に掛けた状態で操作される。連続繊維Tは、繊維ガイド3を介してノズル4に通されている。繊維ガイド3は、エジェクタ1の本体ボックス1Aに固定されている。本実施形態の場合、ノズル4は、作業員P1から離れる方向に等間隔に4つ設けられている。したがって、繊維ガイド3によって案内される連続繊維Tの本数も4本であり、これらを供給するスレッドフィーダ11も
図5のように4基である。
【0022】
エジェクタ1は、
図2に示すように、ノズル4と高圧水路5と第1のモータ6とを備える。ノズル4は、高圧ポンプ14によって供給された高圧水Wを噴射し、連続繊維Tを高圧水Wの水流に乗せて繰り出す。連続繊維Tは、ノズル4の中心に通されている。高圧水路5は、高圧水Wを各ノズル4へ案内する。本実施形態では、
図2に示すように、高圧水路5は、ノズル4の噴射方向に直交する方向に4つのノズル4を連結している。高圧水路5は、
図2に示すように、ノズル4を揺動させる中心線Aに沿って配置されている。言い換えると、第1のモータ6の出力軸61とほぼ同軸に高圧水路5が配置されている。
【0023】
以上のようにノズル4及び高圧水路5が設けられていることによって、ノズル4及び高圧水路5が揺動されることによる回転モーメントの反力を小さくすることができる。したがって、作業員P1がエジェクタ1を保持しやすい。
【0024】
高圧水路5は、中心線A(出力軸61)から半径方向に延びた給水経路50と回動自在に連結されている。給水経路50は、本体ボックス1Aから延びたブラケット1Bに固定され、高圧水路5を回動自在に連結された状態で高圧水Wを高圧水路5へ供給するスイベルジョイント51と、手動レバー521の付いたバルブ52と、本体ボックス1A側に曲がったエルボ53と、高圧ポンプ14から延びた高圧ホース142に接続されるカプラー54を有している。手動レバー521を操作することで、高圧水Wを供給または停止させることができる。
【0025】
第1のモータ6は、ノズル4の向きを所定の角度範囲θで揺動させる。第1の実施形態では、第1のモータ6は、いわゆるステッピングモータやサーボモータのように、回転角度、回転速度及び回転方向を自由に制御できるモータを採用している。第1のモータ6は水密性を有した本体ボックス1Aに組み込まれており、出力軸61が本体ボックス1Aから突出している。出力軸61は、ノズル4を揺動させる中心線Aと同軸に、すなわち高圧水路5とも同軸に配置されている。出力軸61と第1のモータ6との間に変速機を介在させてもよい。また、ステッピングモータやサーボモータを採用する代わりに、一方向にのみ回転するモータとその回転運動を揺動運動に変換するカムまたはリンクを設けてノズル4を揺動させるようにしてもよい。
【0026】
第1のモータ6は、本体ボックス1Aに設けられたコネクタ1C及びケーブル161を介してコントロールボックス16に接続される。コントロールボックス16から第1のモータ6に電力が供給されるとともに制御信号が送られる。コントロールボックス16は、
図1に示すように、作業員P1の腰にベルト162で装着される。コントロールボックス16がエジェクタ1と別体に設けられることで、エジェクタ1の重量が従来の物に比べてさらに軽減される。
【0027】
コントロールボックス16は、
図5に示すように電源ボックス13にケーブル163で接続されている。つまり、エジェクタ1から長く延びているものは、高圧ホース142と連続繊維Tであるので、エジェクタ1を操作する作業員P1の腕にかかる負担が軽減される。
【0028】
コントロールボックス16には、制御部164、設定スイッチ165、及び糸解除スイッチ166が設けられている。制御部164は、第1のモータ6を揺動させる角度範囲θ及び揺動速度を設定することができる。コントロールボックス16の上面視を
図3に示す。設定スイッチ165及び糸解除スイッチ166は、コントロールボックス16の上面に配置されている。
【0029】
図3において、設定スイッチ165は、エジェクタ1の電源スイッチを兼ねたトグルスイッチ16Aであり、
図3中において「OFF」と表示された上側に倒した状態で電源OFF、中立の状態で電源ON、そして、「SET」と表示された下側に倒した状態で設定スイッチ165として機能し、揺動する角度範囲θの開始位置θ1(揺動する角度範囲θの中心位置)の向きを設定できる状態になる。トグルスイッチ16Aは、「SET」位置に指で付勢している間はその位置に保持され放すと元に戻る片側跳ね返り式トグルスイッチであってもよい。
【0030】
本実施形態において揺動する角度範囲θの開始位置θ1を設定する場合、「SET」の位置に操作された状態では、
図4に示すノズル4が揺動する角度範囲θの開始位置θ1に移動して止まる。開始位置θ1を変更する場合は、例えば、手動でノズル4の向きを所望の開始位置θ2まで回し、設定スイッチ165から指を放すと、揺動する角度範囲θの開始位置θ1がその位置(開始位置θ2)に変更される。角度範囲θが予め設定された角度に固定されている場合、上述のようにして角度範囲θの開始位置θ1を動かすことで、第1のモータ6が揺動する角度範囲θの中心位置を変えることができる。
【0031】
なお、揺動する角度範囲θが決められている場合、「SET」の位置にトグルスイッチ16Aのレバーを倒すことで、角度範囲θの中心位置にノズル4の向きが移動するようにしてもよい。
図4における開始位置θ1を施工面Nに対して奥側にもしくは手前側に微調整するためのインチングボタンやレバーを設けてもよい。また、角度範囲θを調整できる操作スイッチやボタンを設けてもよい。
【0032】
また、糸解除スイッチ166は、ノズル4の揺動すなわち第1のモータ6の揺動の有無と揺動速度を変える切り替えスイッチを兼ねた多極のセレクタスイッチ16Bである。
図3においてセレクタスイッチ16Bを「OFF」の位置に合わせると第1のモータ6の揺動が止まった状態になる。セレクタスイッチ16Bを1つ右に回した「FREE」の位置に合わせると、糸解除スイッチ166として機能して、スレッドフィーダ11のロック機構17が解除された状態になる。セレクタスイッチ16Bを、「LO」の位置に合わせると第1のモータ6が低速で揺動する状態になり、「MID」の位置に合わせると第1のモータ6が中速で揺動する状態になり、「HI」の位置に合わせると第1のモータ6が高速で揺動する状態になる。なお、多極のセレクタスイッチの代わりに、無段階に揺動速度を変えられるように可変抵抗を内蔵したボリュームスイッチを採用してもよい。
【0033】
エジェクタ1を操作する作業員P1が施工場所を移動する場合、セレクタスイッチ16Bを糸解除スイッチ166として機能する「FREE」の位置に合わせる。エジェクタ1から離れた位置に設置されているスレッドフィーダ11から連続繊維Tを繰り出すことを停止させるロック機構17が解除された状態になる。したがって、施工面Nに配設された連続繊維Tまたはスレッドフィーダ11から延びている連続繊維Tを無理に引っ張ってしまうことを防止できる。
【0034】
また、本実施形態では、さらに
図5に示すように、糸解除スイッチ166に相当する機能を無線通信によって遠隔操作可能にするワイヤレスボタン167を備えている。ワイヤレスボタン167は、押圧操作されると無線信号を出力する。電源ボックス13に内蔵された受信機131がこの無線信号を受信すると、受信するごとにロック機構17を解除状態とロック状態に交互に切り換える。ロック機構17を解除する無線信号を出力するボタンとロック機構17を作動させる無線信号を出力するボタンをそれぞれ分けて設けてもよい。
【0035】
ワイヤレスボタン167及びその受信機131を備えていることで、エジェクタ1を操作する作業員P1以外の作業員、例えば、
図5において離れたところにいる別の作業員P3がワイヤレスボタン167を操作することができる。つまり、スレッドフィーダ11や連続繊維Tを送給する途中に不具合があった場合にエジェクタ1を操作する作業員P1を施工場所に待機させたままで、スレッドフィーダ11のロック機構を解除又は作動させて、繊維トラブルを解消させることができる。
【0036】
以上のように構成されたエジェクタ1は、
図1に示すように、作業員P1によって肩にショルダーベルト2で掛けられた状態で使用される。まず、バルブ52の手動レバー521を操作して開状態にすることで、高圧水Wをノズル4から噴射させ、続いてセレクタスイッチ16Bを「LO」、「MID」、「HI」のいずれかに合わせることでノズル4が揺動され、連続繊維Tが高圧水Wの水流に乗って施工面Nの施工部Xに配設される。
【0037】
作業員P1は、高圧水路5が施工面Nに平行になるようにエジェクタ1を構えることで、ノズル4が揺動されて繰り出される連続繊維Tが施工面Nに対して補強土Gを築造する幅で配設される。このとき、
図5に示すように、施工部Xに対してエジェクタ1を操作する作業員P1と反対側の位置から砂質土Mが吹付ノズル27を操作する作業員P2によって吹き付けられる。これにより、連続繊維Tと砂質土Mが程よく混ざり合った補強土Gが築造される。
図5では、施工面Nに対して右側から左側へ、下から上へと順番に補強土Gが築造されている。
【0038】
エジェクタ1を操作する作業員P1は、施工部Xの範囲に万遍無く連続繊維Tを配設するために、エジェクタ1を振り回さなくてもよい。また、エジェクタ1には、高圧水Wを供給する高圧ホース142と第1のモータ6を駆動させるための電力及び信号を供給するケーブル161とが接続されており、このうちのケーブル161は作業員P1の腰に装着されたコントロールボックス16に接続されている。
【0039】
したがって、施工場所の移動などの際にエジェクタ1を軽く取回すことができる。さらに、ノズル4を揺動させる機構に電動式の第1のモータ6を採用していることで、ノズル4の揺動速度、揺動させる角度範囲θ、及び揺動させる角度範囲θの位置を自由に設定しやすい。
【0040】
また、コントロールボックス16にバッテリーを内蔵するまたは別体のバッテリーを作業員P1の腰に巻いたベルト162に装着し、コントロールボックスに通信装置を内蔵することで、電力供給及び電源ボックスとの通信のためのケーブル163を廃止することもできる。その場合は、ケーブル163が無くなることで、さらにエジェクタ1の取り回しが良くなる。
【0041】
本発明に係る第2の実施形態のエジェクタ1について、
図6及び
図7を参照して説明する。第1の実施形態のエジェクタ1と同じ機能を有する構成は、同じ符号を付し、その詳細な説明については第1の実施形態の記載を参酌することとする。
【0042】
図6は、第2の実施形態のエジェクタ1を作業員P1が操作する状態を示す斜視図である。
図6では、エジェクタ1が全体的に見えるように、施工面Nを背にして作業員P1を見ている。
図7は、
図6に示した第2の実施形態のエジェクタ1の駆動部分が見えるように本体ボックス1A及びサブボックス1Dを切り欠いた断面図である。第2の実施形態のエジェクタ1は、第2のモータ7を備えている点が第1の実施形態のエジェクタ1と異なっている。
【0043】
第2のモータ7は、第1のモータ6がノズル4を揺動させる方向と交差する方向にノズル4を揺動させる。第2の実施形態では、
図7に示すように、第1のモータ6による揺動の中心線Aと交差する方向に第2のモータ7による揺動の中心線Bが配置されている。したがって、第2の実施形態のエジェクタ1は、第1のモータ6による揺動方向に加えて第2のモータ7による揺動方向にも連続繊維Tが広がるように配設される。
【0044】
第2のモータ7は、第1のモータ6を挟んで高圧水路5と反対側に配置されたサブボックス1Dに組み込まれている。サブボックス1Dは、本体ボックス1Aをトラニオン構造で連結しており、繊維ガイド3とノズル4と高圧水路5と第1のモータ6とを第2のモータ7で本体ボックス1Aごと揺動させる。したがって、第2のモータ7の揺動の中心線Bは、本体ボックス1Aとサブボックス1Dを連結するトラニオンシャフト1Eと同軸に配置されている。
【0045】
図6において作業員P1が左手で支える側、
図7中において上側に図示されているトラニオンシャフト1Eは、第2のモータ7の駆動軸71にプーリ72,73とベルト74を介して連結されている。第2のモータ7は、第1のモータ6と同様にステッピングモータやサーボモータのような回転速度、回転角度、回転方向を自由に制御できるモータを採用している。第2のモータ7として一方向にのみ回転するモータとその回転運動を揺動運動に変換するカムまたはリンクを設けて本体ボックス1Aを揺動させてもよい。また、
図7において、第2のモータ7をトラニオンシャフト1Eに同軸に配置し、直接本体ボックス1Aを第2のモータ7で揺動させてもよい。部品点数が減るため、エジェクタ1の嵩が小さくなる。
【0046】
第2のモータ7は、サブボックス1Dの側壁に設けられたコネクタ1Fを介してケーブル161でコントロールボックス16に接続される。コントロールボックス16は第1の実施形態と同様に作業員P1の腰にベルトで装着される。コントロールボックス16は、第1のモータ6及び第2のモータ7をそれぞれ制御する制御部164を有している。
【0047】
第1のモータ6によってノズル4を揺動させる角度範囲θの開始位置θ1を設定する設定スイッチ165、及び第1のモータ6の揺動速度を設定するセレクタスイッチ16Bに相当するものを第2のモータ7に対して設けてもよい。
【0048】
給水経路50は、
図6及び
図7に示すように、高圧水路5に対して回動自在に連結されたスイベルジョイント51と、手動レバー521のついたバルブと、本体ボックス1A側へ折れ曲がったエルボ53と、本体ボックス1A及びサブボックス1Dに沿って延びたフレキシブルホース55と、本体ボックス1Aに対してサブボックス1Dの反対側に延びたサポートパイプ56と、フレキシブルホース55をサポートパイプ56に接続するエルボ57及びT継手58とを含む。第1のモータ6がノズル4を揺動させる動きは、スイベルジョイント51で吸収し、第2のモータ7が本体ボックス1Aを揺動させる動きは、フレキシブルホース55で吸収する。
【0049】
また、第2の実施形態のエジェクタ1は、作業員P1の操作性を考慮して、トラニオンシャフト1Eの同軸上となるサブボックス1Dの側部にハンドル1Gを有している。
図6に示すように、作業員P1は、左手でハンドル1Gを把持し、右手でサポートパイプ56を把持することにより、肩に掛けたショルダーベルト2で腰の高さにエジェクタ1を安定させることができる。
【0050】
以上のように構成された第2の実施形態のエジェクタ1によれば、第1のモータ6によって施工面Nに対して奥側−手前−奥側とノズル4の向きを揺動させるとともに、第2のモータ7によって施工面Nに沿う方向にノズル4の向きを揺動させるので、作業員P1はエジェクタ1を腰の高さに構えているだけでより広い範囲に亘って連続繊維Tを配設させることができる。不慣れな作業員であっても比較的簡単に作業ができるとともに、施工面Nが急な斜面であったり足場が悪かったりしても連続繊維Tを広範囲に配設できる。
【0051】
以上、本発明に係るエジェクタ1ついて第1及び第2の実施形態を用いて説明した。これらの実施形態は、本発明を実施するにあたって理解しやすくするための一例に過ぎない。したがって、本発明を実施するにあたってその趣旨を逸脱しない範囲で、各構成を同等の機能を有するものに置き換えて実施することも可能であり、それらもまた本発明に含まれる。また、各実施形態で説明した構成のいくつかを互いに組み合わせて、あるいは置き換えて実施されることも本発明に含まれる。
【0052】
例えば、第1及び第2の実施形態のエジェクタ1では、4本の連続繊維Tを4つのノズル4を通して施工面Nへ供給しているが、連続繊維Tは、4本以外の本数でもよく、連続繊維Tとノズル4の数が同じであればよい。
一実施形態に係るエジェクタ(1)は、砂質土(M)と連続繊維(S)とが混ざり合った補強土(G)を施工面(N)に築造する連続繊維補強土工法に用いられるエジェクタ(1)であって、ノズル(4)と高圧水路(5)と第1のモータ(6)とを備える。ノズル(4)は、高圧水(W)を噴射し、連続繊維(S)を高圧水(W)の水流に乗せて繰り出す。高圧水路(5)は、ノズル(4)へ高圧水(W)を案内する。第1のモータ(6)は、ノズル(4)の向きを所定の角度範囲(θ)で揺動させる。