特許第6337218号(P6337218)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6337218CXCR3受容体調節剤としてのヒドロキシアルキル−ピペラジン誘導体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6337218
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年6月6日
(54)【発明の名称】CXCR3受容体調節剤としてのヒドロキシアルキル−ピペラジン誘導体
(51)【国際特許分類】
   C07D 417/14 20060101AFI20180528BHJP
   A61P 37/02 20060101ALI20180528BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20180528BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20180528BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20180528BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20180528BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20180528BHJP
   A61K 31/496 20060101ALI20180528BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20180528BHJP
   C07D 471/04 20060101ALI20180528BHJP
【FI】
   C07D417/14CSP
   A61P37/02
   A61P29/00
   A61P31/04
   A61P25/28
   A61P35/00
   A61K31/506
   A61K31/496
   A61P43/00 111
   C07D471/04 107Z
【請求項の数】16
【全頁数】66
(21)【出願番号】特願2017-555835(P2017-555835)
(86)(22)【出願日】2016年1月14日
(65)【公表番号】特表2018-502161(P2018-502161A)
(43)【公表日】2018年1月25日
(86)【国際出願番号】EP2016050645
(87)【国際公開番号】WO2016113344
(87)【国際公開日】20160721
【審査請求日】2017年9月4日
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2015/050696
(32)【優先日】2015年1月15日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】517248845
【氏名又は名称】イドーシア ファーマシューティカルズ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】IDORSIA PHARMACEUTICALS LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【弁理士】
【氏名又は名称】布施 行夫
(72)【発明者】
【氏名】エヴァ キャロッフ
(72)【発明者】
【氏名】エマニュエル メイヤー
【審査官】 三木 寛
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2007/064553(WO,A2)
【文献】 国際公開第2007/070433(WO,A2)
【文献】 国際公開第2013/114332(WO,A1)
【文献】 特表2012−525332(JP,A)
【文献】 特表2016−525137(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 417/14
C07D 471/04
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物又はその塩:
【化1】
式中、
nは、整数の1又は2を表し;
Xは、N又はCHを表し;
はヘテロアリールを表し、前記ヘテロアリールは、酸素、窒素及び硫黄から独立に選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含む5〜10員の単環式又は二環式芳香環であり、前記ヘテロアリールは、独立に、未置換であるか又は1若しくは2個の置換基により置換され、前記置換基は、(C1−4)アルキル;(C3−6)シクロアルキル;(C1−4)アルコキシ;(C1−2)アルコキシ−(C1−2)アルキル;(C1−2)アルキル−カルボニル;ヒドロキシ−(C1−4)アルキル;ハロゲン;(C1−2)フルオロアルキル;フェニル;並びにヘテロアリールであって、酸素、窒素及び硫黄から独立に選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含む5又は6員の単環式芳香環であり、上記ヘテロアリールが、独立に、未置換であるか又は1個の(C1−4)アルキルにより置換されたヘテロアリール;からなる群より独立に選択され;
は、(C3−6)シクロアルキル、(C1−4)アルコキシ又は(C1−2)フルオロアルキルを表す。
【請求項2】
nが整数の1又は2を表し;
XがNを表し;
が、2又は3個の窒素原子を含む5員の単環式ヘテロアリール基を表し、前記ヘテロアリールは、独立に、1又は2個の置換基により置換され、前記置換基は、(C1−4)アルキル、(C3−6)シクロアルキル、(C1−2)アルコキシ−(C1−2)アルキル、ヒドロキシ−(C1−4)アルキル及び(C1−2)フルオロアルキルからなる群より独立に選択され;又は、1、2又は3個の窒素原子を含む9員の二環式芳香環を表し、前記二環式芳香環は、未置換であるか又は1個の(C1−4)アルコキシ若しくはハロゲンにより置換され;
が、(C3−6)シクロアルキル、(C1−4)アルコキシ又はトリフルオロメチルを表す;
請求項1に記載の化合物又はその塩。
【請求項3】
が、2又は3個の窒素原子を含む5員の単環式ヘテロアリール基を表し、前記単環式ヘテロアリール基は、独立に、1又は2個の置換基により置換され、前記置換基は、(C1−4)アルキル、(C3−6)シクロアルキル及び(C1−2)フルオロアルキルから
なる群より独立に選択される;
請求項1又は2のいずれか1項に記載の化合物又はその塩。
【請求項4】
がトリフルオロメチルを表す;
請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物又はその塩。
【請求項5】
式(ITA)の化合物でもある、請求項1に記載の化合物又はその塩。
【化2】
式中、
nは整数の1又は2を表し;
1Aは、水素、(C1−4)アルキル、(C3−6)シクロアルキル、(C1−2)アルコキシ−(C1−2)アルキル、(C1−2)アルキル−カルボニル、ヒドロキシ−(C1−4)アルキル、(C1−2)フルオロアルキル、フェニル又はヘテロアリールを表し、前記ヘテロアリールは、酸素、窒素及び硫黄から独立に選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含む5又は6員の単環式芳香環であり、前記ヘテロアリールは、独立に、未置換であるか又は1個の(C1−4)アルキルにより置換され;
1Bは、水素又は(C1−4)アルキルを表し;
は、(C3−6)シクロアルキル、(C1−4)アルコキシ又は(C1−2)フルオロアルキルを表す。
【請求項6】
1Aが、(C1−4)アルキル、(C3−6)シクロアルキル、(C1−2)アルコキシ−(C1−2)アルキル、ヒドロキシ−(C1−4)アルキル又は(C1−2)フルオロアルキルを表す;請求項5に記載の化合物又はその塩。
【請求項7】
1Aが、(C1−4)アルキル又は(C3−6)シクロアルキルを表す;請求項5に記載の化合物又はその塩。
【請求項8】
1Bが水素を表す;請求項5〜7のいずれか1項に記載の化合物又はその塩。
【請求項9】
1Bがメチルを表す;請求項5〜7のいずれか1項に記載の化合物又はその塩。
【請求項10】
がトリフルオロメチルを表す;請求項5〜9のいずれか1項に記載の化合物又はその
塩。
【請求項11】
下記からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物又はその塩:
2−(3−tert−ブチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−1−{(S)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン;
2−(3,5−ジメチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−1−{(S)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン;
2−(3−シクロプロピル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−1−{(S)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン;
1−{(S)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−2−(3−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−エタノン;
1−{(S)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−2−(3−トリフルオロメチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−エタノン;
1−{(S)−4−[4−(2−エトキシ−ピリミジン−5−イル)−2−トリフルオロメチル−チアゾール−5−イル]−2−ヒドロキシメチル−ピペラジン−1−イル}−2−(3−トリフルオロメチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−エタノン;
2−(3,5−ジメチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−1−{(S)−4−[4−(2−エトキシ−ピリミジン−5−イル)−2−トリフルオロメチル−チアゾール−5−イル]−2−ヒドロキシメチル−ピペラジン−1−イル}−エタノン;
1−{(S)−4−[4−(2−シクロプロピル−ピリミジン−5−イル)−2−トリフルオロメチル−チアゾール−5−イル]−2−ヒドロキシメチル−ピペラジン−1−イル}−2−(3,5−ジメチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−エタノン;
1−{(S)−4−[4−(2−シクロプロピル−ピリミジン−5−イル)−2−トリフルオロメチル−チアゾール−5−イル]−2−ヒドロキシメチル−ピペラジン−1−イル}−2−(3−トリフルオロメチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−エタノン;
1−{(R)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−2−(3−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−エタノン;1−{(R)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−2−(3−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−エタノン;
2−(3,5−ジメチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−1−{(R)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン;
2−ベンゾイミダゾl−1−イル−1−{(R)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン;
2−(5−フルオロ−インドール−1−イル)−1−{(R)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン;
1−{(R)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−2−(5−メトキシ−インドール−1−イル)−エタノン;
1−{(R)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−2−(3−メチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−エタノン;
1−{(R)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−2−(3−メトキシメチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−エタノン;
1−{(R)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−2−[3−(5−メチル−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−[1,2,4]トリアゾール−1−イル]−エタノン;
1−{(R)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−2−(3−フェニル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−エタノン;
2−(3−アセチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−1−{(R)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン;
2−[3−(1−ヒドロキシ−エチル)−[1,2,4]トリアゾール−1−イル]−1−{(R)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン;
1−{(R)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−2−(3−メチル−ピラゾール−1−イル)−エタノン;
1−{(R)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−2−(3−ピリジン−2−イル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−エタノン;
2−(3−エチル−5−メチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−1−{(R)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン;
2−(5−エチル−3−メチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−1−{(R)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン;
1−{(R)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−2−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル−エタノン;
2−(3,5−ジメチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−1−{(R)−2−(2−ヒドロキシ−エチル)−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン;
1−{(R)−2−(2−ヒドロキシ−エチル)−4−[2−トリフルオロメチル−4−
(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−2−(3−トリフルオロメチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−エタノン;
2−(3−シクロブチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−1−{(R)−2−(2−ヒドロキシ−エチル)−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン;
2−(3−tert−ブチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−1−{(R)−2−(2−ヒドロキシ−エチル)−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン;
2−(3−シクロプロピル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−1−{(R)−2−(2−ヒドロキシ−エチル)−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン;
2−(3−エチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−1−{(R)−2−(2−ヒドロキシ−エチル)−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン;
2−(5−エチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−1−{(R)−2−(2−ヒドロキシ−エチル)−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン;
1−{(R)−2−(2−ヒドロキシ−エチル)−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−2−(3−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−エタノン;
1−{(R)−2−(2−ヒドロキシ−エチル)−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−2−(3−メチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−エタノン;
1−{(R)−2−(2−ヒドロキシ−エチル)−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−2−(5−メチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−エタノン;
1−{(R)−2−(2−ヒドロキシ−エチル)−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−2−(3−メトキシメチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−エタノン;及び
2−(3−ジフルオロメチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−1−{(R)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン。
【請求項12】
下記からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物又はその塩:
1−{(R)−2−(2−ヒドロキシ−エチル)−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−2−(3−メチル−ピラゾール−1−イル)−エタノン;
2−(3−エチル−ピラゾール−1−イル)−1−{(R)−2−(2−ヒドロキシ−エチル)−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−
5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン;
2−(3−シクロプロピル−ピラゾール−1−イル)−1−{(R)−2−(2−ヒドロキシ−エチル)−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン;
1−{(S)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−2−(3−メチル−ピラゾール−1−イル)−エタノン;
2−(3−エチル−ピラゾール−1−イル)−1−{(S)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン;及び
2−(3−シクロプロピル−ピラゾール−1−イル)−1−{(S)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン。
【請求項13】
有効成分としての請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩と、少なくとも1種の治療上不活性な賦型剤とを有する医薬組成物。
【請求項14】
医薬として使用するための、請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項15】
自己免疫異常、炎症性疾患,感染症、移植拒絶、線維症、神経変性障害及び癌からなる群より選択される疾患の予防又は治療において使用するための、請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項16】
自己免疫異常、炎症性疾患,感染症、移植拒絶、線維症、神経変性障害及び癌からなる群より選択される疾患の予防又は治療のための医薬の製造のための、請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式(I)の新規なヒドロキシアルキル−ピペラジン誘導体、及び医薬としてのそれらの使用に関する。本発明はまた、本化合物の製造方法、式(I)の化合物を1又は2種以上含有する医薬組成物、特にCXCR3受容体調節剤としてのそれらの使用を含む、関連した側面に関する。
【背景技術】
【0002】
ケモカイン受容体は、ペプチド性のケモカインリガンドに高い親和性で結合するGタンパク質共役受容体(GPCRs)の一群である。ケモカイン受容体の主な機能は、安静時及び炎症時において、白血球のリンパ器官及び組織への輸送をガイドすることであるが、ある種のケモカイン受容体は、非造血系細胞及びその前駆細胞に対する役割を持つことが知られている。
【0003】
ケモカイン受容体CXCR3は、炎症性ケモカインCXCL9(当初はMIG、インターフェロン−γ[INF−γ]誘発性モノカインと呼ばれていた)、CXCL10(IP−10、INF−γ−誘発性タンパク質10)及びCXCL11(I−TAC、INF−γ−誘発性T細胞α走化性因子)に結合するGタンパク質共役受容体である。CXCR3は、主に活性化したTヘルパー1型(Th1)リンパ球で発現するが、ナチュラルキラー細胞、マクロファージ、樹状細胞及びBリンパ球サブセットにも存在している。3種のCXCR3リガンドは、主に炎症状態において発現しており、健常組織での発現は非常に低い。例えば、インターフェロン−γ又はTNF−α等の炎症性サイトカインへの暴露後にCXCR3リガンドを発現できる細胞としては、内皮細胞、線維芽細胞、上皮細胞、ケラチノサイト等の種々の間質細胞が挙げられるが、その他にマクロファージ及び単球等の造血性細胞も挙げられる。CXCR3とそのリガンドの相互作用(以後、CXCR3系(axis)と称する)は、受容体を持つ細胞の、身体の特定部位、特に炎症、免疫障害及び免疫機能障害部位へのガイドに関わっており、また、組織障害、アポトーシス誘導、細胞成長及び血管新生抑制(アンギオスタシス)にも関連している。CXCR3及びそのリガンドは、自己免疫異常、炎症、感染症、移植拒絶、線維症、神経変性及び癌を含む種々の病的状態において、上方制御されて強く発現している。
【0004】
自己免疫異常におけるCXCR3系の役割は、幾つかの前臨床及び臨床観察により裏付けられている。患者における血清レベル及び炎症性病変の組織学的解析により、CXCR3リガンドレベルの上昇又はCXCR3陽性細胞数の増加が明らかとなった自己免疫異常としては、関節リウマチ(RA)、全身性エリテマトーデス(SLE)、ループス腎炎、多発性硬化症(MS)、炎症性腸疾患(IBD;クローン及び潰瘍性大腸炎を含む)及びI型糖尿病が挙げられる(Groom,J.R.&Luster,A.D. Immunol Cell Biol 2011,89,207;Groom,J.R.&Luster,A.D.Exp Cell Res 2011,317,620;Lacotte,S.,Brun,S.,Muller,S.&Dumortier,H.Ann N Y Acad Sci 2009,1173,310)。健常組織ではCXCR3リガンドの発現が非常に低いため、上記の相関する証拠から、ヒトの自己免疫疾患におけるCXCR3の役割が強く推測される。
【0005】
CXCR3欠損マウス、CXCR3リガンドの1つが欠損しているマウス又はCXCR3若しくはそのリガンドの1つを遮断する抗体を用いた前臨床疾病モデルにより、免疫病理におけるCXCR3系の役割がさらに裏付けられている。例えば、CXCR3又はCXCR3リガンドCXCL9のいずれかの欠損マウスでは、ループス腎炎モデルにおいて症
状が低減することが示されている(Menke,J.ら、J Am Soc Nephrol 2008,19,1177)。その他の腎炎、間質性膀胱炎の動物モデルでは、CXCL10機能を遮断する抗体の投与により、シクロフォスファミド誘発性膀胱炎の症状の低減が見られた(Sakthivel,S.K.ら、J Immune Based Ther Vaccines 2008,6,6)。同様に、ラットの関節リウマチモデルでは、抗体によりCXCL10を遮断すると、症状が低減した(Mohan,K.&Issekutz,T.B.J Immunol 2007,179,8463)。同様に、マウスの炎症性腸疾患モデルでは、CXCL10遮断抗体により、治療設定における症状を防止することができた(Singh,U.P.ら、J Interferon Cytokine Res 2008,28,31)。また、CXCR3欠損マウスの組織を用いた実験により、セリアック病及びその他の自己免疫性障害におけるCXCR3の役割が推測されている(Lammers,K.M.ら、Gastroenterology 2008,135,194)。
【0006】
CXCR3系の発現の増加を伴う炎症性疾患としては、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息、サルコイドーシス、アテローム性動脈硬化及び心筋炎が挙げられる(Groom,J.R.&Luster,A.D.Immunol Cell Biol 2011,89,207;Groom,J.R.&Luster,A.D.Exp Cell Res 2011,317,620)。
【0007】
ある研究では、COPDを伴う喫煙者の肺では、CXCR3陽性細胞が、健常者と比較して増加しており、また、CXCR3−リガンドCXCL10に対する免疫応答性は、COPDを伴う喫煙者の細気管支上皮には見られるが、喫煙する及び喫煙しない対照被験者の細気管支上皮には見られないことが示されている(Saetta,M.ら、Am J Respir Crit Care Med 2002,165,1404)。これらの知見から、CXCR3系が、COPDを伴う喫煙者の末梢気道で起こる免疫細胞の動員と関連している可能性が推測される。これらの知見と一致して、CXCR3欠損マウスでは、たばこの煙により誘発される急性肺炎が減弱することが、COPDの前臨床研究により明らかとなった(Nie,L.ら、Respir Res 2008,9,82)。
【0008】
アテローム性動脈硬化の調査の1つでは、ヒトの動脈硬化病変におけるすべてのT細胞で、CXCR3の発現が見られた。CXCR3リガンドであるCXCL9、CXCL10及びCXCL11は、これらの部位に関連する内皮及び平滑筋細胞のすべてにおいて見られたことから、これらが、CXCR3陽性細胞、特にアテローム発生において血管壁中に観察される活性Tリンパ球の動員及び保持に関連していると推測される(Mach,F.ら、J Clin Invest 1999,104,1041)。
【0009】
前臨床研究においても、CXCR3がアテローム性動脈硬化の発生において役割を果たすことがさらに支持されている。ApoE欠損マウスにおいてCXCR3遺伝子を欠損させると、腹大動脈における動脈硬化性病変の発生が有意に低減する(Veillard,N.R.ら、Circulation 2005,112,870)。
【0010】
CXCR3系は、臓器移植及び骨髄移植後の拒絶反応に関連する毒性においても中心的役割を果たすことが推測されている(Groom,J.R.&Luster,A.D.Exp Cell Res 2011,317,620)。前臨床的には、CXCR3欠損マウスは、同種移植片拒絶に対して有意な耐性を示す(Hancock,W.W.ら、J
Exp Med 2000,192,1515)。
【0011】
CXCR3リガンドの血漿濃度は、ヒトにおける肝硬変及び線維症を含む、種々の肝臓症状とも正に相関している(Tacke,F.,ら、Liver Int 2011,3
1,840)。
【0012】
腫瘍学分野では、癌細胞が転移により拡散するのを制限する助けとして、CXCR3系を遮断することが提案されている。例えば、小分子のCXCR3受容体アンタゴニストであるAMG487の投与により、腫瘍細胞の肺への転移を制限することができた(Pradelli,E.ら、Int J Cancer 2009,125,2586)。B細胞慢性リンパ球性白血病(CLL)の抑制におけるCXCR3の役割についての機能的証明が、Trentin及びその共同研究者らにより報告された(Trentin,L.ら、J Clin Invest 1999,104,115)。
【0013】
中枢神経系では、CXCR3系の遮断には有益な効果があり、神経変性を防止する可能性がある。CNSにおけるCXCL10の発現の増加が、虚血、アルツハイマー病、多発性硬化症(MS)及びヒト免疫不全ウイルス(HIV)−脳炎で証明されている。例えば、CXCR3又はCXCL10のいずれかの欠損マウス由来の組織では、野生型マウス由来の組織と比較して、神経毒性のNMDA処理後の神経細胞死が減少することが、生体外実験により示されている(van Weering,H.R.ら、Hippocampus 2011,21,220)。ハンチントン病モデルにおいて、HTT断片により誘発される神経変性に対する神経保護作用を備える薬らしい分子の同定を目的とした研究では、2種のCXCR3受容体アンタゴニストが同定された(Reinhart,P.H.ら、Neurobiol Dis 2011,43,248)。
【0014】
CXCR3受容体調節剤としての4−チアゾリル−ピペリジン誘導体が、WO2007/064553及びWO2007/070433に開示されている。
【0015】
CXCR3受容体調節剤としての異なる1−(ピペラジン−1−イル)−2−ヘテロアリール−エタノン誘導体が、WO2007/100610、WO2010/126811、WO2013/114332、WO2015/011099、WO2015/145322及びポスター発表(A.Prokopowiczら、Optimization of a biaryl series of CXCR3 antagonists、244th ACS National Meeting、Philadelphia、US、August 19−23、2012)において開示されている。
【発明の概要】
【0016】
式(I)のヒドロキシアルキル−ピペラジン誘導体が、自己免疫疾患(例えば、関節リウマチ、多発性硬化症、炎症性腸疾患、全身性エリテマトーデス、ループス腎炎、間質性膀胱炎、セリアック病)、炎症性障害(例えば、喘息、COPD、アテローム性動脈硬化、心筋炎、サルコイドーシス)、移植拒絶、線維症(例えば、肝硬変)、神経変性及び神経細胞死を伴う状態(例えば、アルツハイマー病、ハンチントン舞踏病)並びに癌を含む、CXCR3系を介してもたらされ又は持続する疾患の治療に有用かもしれない、有力なCXCR3調節剤であることが、ここに見出された。
【0017】
1) 第1の態様において、本発明は式(I)の化合物及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する:
【0018】
【化1】
【0019】
式中、
nは、整数の1又は2を表し;
Xは、N又はCHを表し;
はヘテロアリールを表し、前記ヘテロアリールは、酸素、窒素及び硫黄(好ましくは窒素)から独立に選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含む5〜10員の単環式又は二環式芳香環であり、前記ヘテロアリールは、独立に、未置換であるか又は1若しくは2個の置換基により置換され、前記置換基は、(C1−4)アルキル;(C3−6)シクロアルキル;(C1−4)アルコキシ;(C1−2)アルコキシ−(C1−2)アルキル;(C1−2)アルキル−カルボニル;ヒドロキシ−(C1−4)アルキル;ハロゲン;(C1−2)フルオロアルキル;フェニル;並びにヘテロアリールであって、酸素、窒素及び硫黄(好ましくは酸素及び窒素)から独立に選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含む5又は6員の単環式芳香環であり、上記ヘテロアリールが、独立に、未置換であるか又は1個の(C1−4)アルキルにより置換されたヘテロアリール;からなる群より独立に選択され;
は、(C3−6)シクロアルキル、(C1−4)アルコキシ又は(C1−2)フルオロアルキルを表す。
【0020】
ここに記載される定義は、態様1)〜24)のいずれか1つに定義されるような式(I)、(ITA)、(ISt1)及び(ISt2)の化合物に対して一律に適用されるものであり、特段の定義によってより広い又はより狭い定義が与えられない限り本明細書及び請求項を通じて準用される。当然ながら、ある用語の定義又は好ましい定義が、ここに定義されるいずれか又は他のすべての用語のいずれか又は好ましい定義におけるそれぞれの用語を、独立して(及びそれらと共に)定義し置き換えるものであってよい。
【0021】
態様1)〜24)のいずれか1つに定義する式(I)の化合物は、1又は2以上の不斉炭素原子などの、1又は2以上のキラル又は不斉中心を含んでいてもよい。従って、式(I)の化合物は、立体異性体の混合物として、又は立体異性体が富化されている状態又は好ましくは純粋な立体異性体として存在してもよい。立体異性体の混合物は当業者に知られた方法で分離してもよい。
【0022】
「富化(enriched)」という用語は、例えば、エナンチオマーに関連して使用される場合、本発明に関しては特に、それぞれのエナンチオマーが、それぞれ他のエナンチオマーに対する比(適宜、純度に準用)で、少なくとも70:30、特に少なくとも90:10(適宜、70%/90%の純度に準用)で存在することを意味するものと解され
る。好ましくは、この用語は、本質的に純粋な各エナンチオマーを意味する。「本質的に」という用語は、例えば「本質的に純粋な」等の用語中で使用される場合、本発明に関しては特に、それぞれの立体異性体/組成物/化合物等の少なくとも90、特に少なくとも95、そしてとりわけ少なくとも99重量パーセントが、それぞれ、純粋な立体異性体/組成物/化合物等であることを意味するものと解される。
【0023】
「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を意味する。「ハロゲン」が、「R」を表す「ヘテロアリール基」に対する置換基である場合には、「ハロゲン」という用語は、好ましくはフッ素又は塩素を意味し、より好ましくはフッ素を意味する。
【0024】
「アルキル」という用語は、単独で使用される場合も、組み合わせて使用される場合も、1〜4個の炭素原子を含む、直鎖又は分枝鎖の飽和炭化水素鎖を意味する。「(Cx−y)アルキル」(x及びyは、それぞれ整数である。)という用語は、x〜y個の炭素原子を含む、前記部分で定義したアルキル基を意味する。例えば、(C1−4)アルキル基は、1〜4個の炭素原子を含む。(C1−4)アルキル基の例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec.−ブチル及びtert.−ブチルである。(C1−3)アルキル基の例は、メチル、エチル、n−プロピル及びイソ−プロピルである。(C1−2)アルキル基の例は、メチル及びエチルである。「(Cx−y)アルキル」基が、「R」を表す「ヘテロアリール基」に対する置換基である場合には、「(Cx−y)アルキル」という用語は、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec.−ブチル及びtert.−ブチル、好ましくはメチル、エチル、イソ−プロピル及びtert.−ブチルを意味する。「(Cx−y)アルキル」基が、「R」を表す「ヘテロアリール基」に対する置換基自体である「ヘテロアリール基」に対する置換基である場合には(又は、「(Cx−y)アルキル」基が、「R1A」を表す「ヘテロアリール基」に対する置換基である場合には)、「(Cx−y)アルキル」という用語は、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec.−ブチル及びtert.−ブチル、好ましくはメチルを意味する。「R1A」が「(Cx−y)アルキル」を表す場合には、この用語は、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec.−ブチル及びtert.−ブチル;好ましくはメチル、エチル、イソ−プロピル及びtert.−ブチル;より好ましくはメチル、エチル及びイソ−プロピルを意味する。「R1B」が「(Cx−y)アルキル」を表す場合には、この用語は、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec.−ブチル及びtert.−ブチル;好ましくはメチル及びエチル;より好ましくはメチルを意味する。
【0025】
「アルコキシ」という用語は、単独で使用される場合も、組み合わせて使用される場合も、アルキル基が前記部分で定義した通りである、アルキル−O−基を意味する。「(Cx−y)アルコキシ」(x及びyは、それぞれ整数である。)という用語は、x〜y個の炭素原子を含む、前記部分で定義したアルコキシ基を意味する。例えば、(C1−4)アルコキシ基は、「(C1−4)アルキル」という用語が前記の意味を有する、式(C1−4)アルキル−O−の基を意味する。(C1−4)アルコキシ基の例は、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec.−ブトキシ及びtert.−ブトキシである。(C1−2)アルコキシ基の例は、メトキシ及びエトキシである。「(Cx−y)アルコキシ」基が、「R」を表す「ヘテロアリール基」に対する置換基である場合には、「(Cx−y)アルコキシ」という用語は、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソ−プロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec.−ブトキシ及びtert.−ブトキシ、好ましくはメトキシを意味する。「R」が「(Cx−y)アルコキシ」を表す場合には、この用語は、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソ−プロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec.−ブトキシ及びtert.−ブトキシ、好ましくはエトキシを意味する。
【0026】
「ヒドロキシ−(C−C)アルキル」という用語は、単独で使用される場合も、又は組み合わせて使用される場合も、1〜4個の炭素原子を含み、1個の水素原子がヒドロキシで置換された、前記部分で定義したアルキル基を意味する。当該基の例は、ヒドロキシ−メチル、1−ヒドロキシ−エチル、2−ヒドロキシ−エチル、1−ヒドロキシ−プロパ−1−イル、2−ヒドロキシ−プロパ−1−イル、3−ヒドロキシ−プロパ−1−イル、1−ヒドロキシ−プロパ−2−イル、2−ヒドロキシ−プロパ−2−イル、1−ヒドロキシ−ブタ−1−イル、2−ヒドロキシ−ブタ−1−イル、3−ヒドロキシ−ブタ−1−イル、4−ヒドロキシ−ブタ−1−イル、1−ヒドロキシ−ブタ−2−イル、2−ヒドロキシ−ブタ−2−イル、3−ヒドロキシ−ブタ−2−イル、4−ヒドロキシ−ブタ−2−イル、1−ヒドロキシ−2−メチル−プロパ−1−イル、2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパ−1−イル、3−ヒドロキシ−2−メチル−プロパ−1−イル及び2−ヒドロキシ−1,1−ジメチル−エタ−1−イルである。「ヒドロキシ−(C−C)アルキル」基が、「R」を表す「ヘテロアリール基」に対する置換基である場合には(又は、「R1A」が「ヒドロキシ−(C−C)アルキル」を表す場合には)、「ヒドロキシ−(C−C)アルキル」という用語は、ヒドロキシ−メチル、1−ヒドロキシ−エチル、2−ヒドロキシ−エチル、1−ヒドロキシ−プロパー1−イル、2−ヒドロキシ−プロパー1−イル、3−ヒドロキシ−プロパー1−イル、1−ヒドロキシ−プロパー2−イル、2−ヒドロキシ−プロパー2−イル、1−ヒドロキシ−ブタ−1−イル、2−ヒドロキシ−ブタ−1−イル、3−ヒドロキシ−ブタ−1−イル、4−ヒドロキシ−ブタ−1−イル、1−ヒドロキシ−ブタ−2−イル、2−ヒドロキシ−ブタ−2−イル、3−ヒドロキシ−ブタ−2−イル、4−ヒドロキシ−ブタ−2−イル、1−ヒドロキシ−2−メチル−プロパー1−イル、2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパー1−イル、3−ヒドロキシ−2−メチル−プロパー1−イル及び2−ヒドロキシ−1,1−ジメチル−エタ−1−イルを表す。好ましくは、ヒドロキシ−メチル及び1−ヒドロキシ−エチルであり、より好ましくは1−ヒドロキシ−エチルである。
【0027】
「(Cxa−ya)アルコキシ−(Cx−y)アルキル」(x、xa、y及びyaは、それぞれ整数である。)という用語は、x〜y個の炭素原子を含む、前記部分で定義したアルキル基であって、1個の水素原子が、xa〜ya個の炭素原子を含む、前記部分で定義した(Cxa−ya)アルコキシ基に置き換えられている、上記アルキル基を意味する。例えば、「(C1−2)アルコキシ−(C1−2)アルキル基」は、1又は2個の炭素原子を含む、前記部分で定義した(C1−2)アルキル基であって、1個の水素原子が、1又は2個の炭素原子を含む、前記部分で定義した(C1−2)アルコキシに置き換えられている、上記(C1−2)アルキル基を意味する。(C1−2)アルコキシ−(C1−2)アルキル基の例は、メトキシ−メチル、1−メトキシ−エチル、2−メトキシ−エチル、エトキシ−メチル、1−エトキシ−エチル及び2−エトキシ−エチルである。「(C1−2)アルコキシ−(C1−2)アルキル」基が、「R」を表す「ヘテロアリール基」に対する置換基である場合には(又は、「R1A」が「(C1−2)アルコキシ−(C1−2)アルキル」を表す場合には)、「(C1−2)アルコキシ−(C1−2)アルキル」という用語は、メトキシ−メチル、1−メトキシ−エチル、2−メトキシ−エチル、エトキシ−メチル、1−エトキシ−エチル及び2−エトキシ−エチル、好ましくはメトキシ−メチルを意味する。
【0028】
「フルオロアルキル」という用語は、1又は2以上の(場合によってはすべての)水素原子がフッ素で置き換えられた、1又は2個の炭素原子を含む、前記部分で定義したアルキル基を意味する。「(Cx−y)フルオロアルキル」(x及びyは、それぞれ整数である。)という用語は、x〜y個の炭素原子を含む、前記部分で定義したフルオロアルキル基を意味する。例えば、(C1−2)フルオロアルキル基は、1又は2個の炭素原子を含み、1〜5個の水素原子がフッ素で置き換えられている。(C1−2)フルオロアルキル
基の代表的な例としては、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、1−フルオロエチル、1,1−ジフルオロエチル、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル及び2,2,2−トリフルオロエチルが挙げられる。「(Cx−y)フルオロアルキル」基が、「R」を表す「ヘテロアリール基」に対する置換基である場合には(又は、「R1A」が「(Cx−y)フルオロアルキル」を表す場合には)、「(Cx−y)フルオロアルキル」という用語は、好ましくはフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、1−フルオロエチル、1,1−ジフルオロエチル、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル及び2,2,2−トリフルオロエチル、より好ましくはジフルオロメチル及びトリフルオロメチルを表す。Rが「(Cx−y)フルオロアルキル」を表す場合には、この用語は、好ましくはフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、1−フルオロエチル、1,1−ジフルオロエチル、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル及び2,2,2−トリフルオロエチル、より好ましくはトリフルオロメチルを表す。
【0029】
「(Cx−y)アルキル−カルボニル」(x及びyは、それぞれ整数である。)という用語は、分子の残りの部分にカルボニル基を介して結合した、x〜y個の炭素原子を含む、前記部分で定義したアルキル基を意味する。例えば、(C1−2)アルキル−カルボニル基は、アルキル部分に1又は2個の炭素原子を含み、これが分子の残りの部分にカルボニル基を介して結合している。「(C1−2)アルキル−カルボニル」基の例は、メチル−カルボニル及びエチル−カルボニルである。「(C1−2)アルキル−カルボニル」基が、「R」を表す「ヘテロアリール基」に対する置換基である場合には(又は、「R1A」が「(C1−2)アルキル−カルボニル」を表す場合には)、「(C1−2)アルキル−カルボニル」という用語は、メチル−カルボニル及びエチル−カルボニル、好ましくはメチル−カルボニル(アセチル)を意味する。
【0030】
「シクロアルキル」という用語は、単独で使用される場合も、組み合わせて使用される場合も、3から6個の炭素原子を含む飽和炭素環を意味する。「(Cx−y)シクロアルキル」(x及びyはそれぞれ整数である。)という用語は、x〜y個の炭素原子を含む、前記部分で定義したシクロアルキル基を意味する。例えば、(C3−6)シクロアルキル基は、3〜6個の炭素原子を含む。(C3−6)シクロアルキル基の例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルである。「(C3−6)シクロアルキル」基が、「R」を表す「ヘテロアリール基」に対する置換基である場合には(又は、「R1A」が「(C3−6)シクロアルキル」を表す場合には)、「(C3−6)シクロアルキル」という用語は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンチル及びシクロヘキシル、好ましくはシクロプロピル及びシクロブチル、より好ましくはシクロプロピルを表す。「R」が「(C3−6)シクロアルキル」を表す場合には、この用語は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシル、好ましくはシクロプロピルを表す。
【0031】
「ヘテロアリール」という用語は、単独で使用される場合も、組み合わせて使用される場合も、具体的に定義される通りのヘテロアリール基を意味し、当該ヘテロアリール基は、未置換であっても又は具体的に定義するように置換されていてもよい。「ヘテロアリール基であって、前記ヘテロアリールが、酸素、窒素及び硫黄から独立に選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含む5〜10員の単環式又は二環式芳香族環である、上記ヘテロアリール基」の例は、フラニル、オキサゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、チオフェニル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニル、インドリル、イソインドリル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾオ
キサジアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、キノリニル、イソキノリニル、ナフチリジニル、シノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、フタラジニル、ピロロピリジニル、ピラゾロピリジニル及びイミダゾピリジニルである。より制限された定義のヘテロアリール基である場合には、例のリストは、上記のリストにその制限を考慮に入れたものと解釈される。例えば、「ヘテロアリール基であって、前記ヘテロアリールが、酸素、窒素及び硫黄から独立に選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含む5又は6員の単環式芳香族環である、上記ヘテロアリール基」の例は、フラニル、オキサゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、チオフェニル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル及びトリアジニルである。「R」を表す「ヘテロアリール基」の好ましい例は、ピラゾリル(特にピラゾール−1−イル)、トリアゾリル(特に[1,2,4]トリアゾール−1−イル)、インドリル(特にインドール−1−イル)、ベンゾイミダゾリル(特にベンゾイミダゾール−1−イル)及びイミダゾ[4,5−b]ピリジニル(特にイミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)であり、最も好ましくは[1,2,4]トリアゾール−1−イルであり;ヘテロアリール基は、未置換であっても、又は具体的に定義するように置換されていてもよく;「R」を表す「未置換であるか又は置換されたヘテロアリール基」の好ましい例は、3−メチル−ピラゾール−1−イル、3−メチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル、3−エチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル、3−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル、3−tert.−ブチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル、3−シクロプロピル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル、3−シクロブチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル、3−メトキシメチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル、3−アセチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル、3−(1−ヒドロキシ−エチル)−[1,2,4]トリアゾール−1−イル、3−ジフルオロメチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル、3−トリフルオロメチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル、3−フェニル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル、3−(5−メチル−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−[1,2,4]トリアゾール−1−イル、3−(ピリジン−2−イル)−[1,2,4]トリアゾール−1−イル、5−メチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル、5−エチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル、3,5−ジメチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル、3−エチル−5−メチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル、5−エチル−3−メチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル、5−メトキシ−インドール−1−イル、5−フルオロ−インドール−1−イル、ベンゾイミダゾール−1−イル及びイミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルである。さらなる例は、3−エチル−ピラゾール−1−イル及び3−シクロプロピル−ピラゾール−1−イルである。「R」を表すヘテロアリール基に対する置換基である「ヘテロアリール基」の(又は、「R1A」を表す「ヘテロアリール基」の)好ましい例は、オキサジアゾリル(特に[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)及びピリジニル(特にピリジン−2−イル)であり;ヘテロアリール基は、未置換であっても、又は具体的に定義するように置換されていてもよく;「R」を表すヘテロアリール基に対する置換基である「未置換であるか又は置換されたヘテロアリール基」の(又は、「R1A」を表す「未置換であるか又は置換されたヘテロアリール基」の)好ましい例は、5−メチル−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル及びピリジン−2−イルである。
【0032】
2) 本発明のさらなる態様は、
nが整数の1又は2を表し;
XがNを表し;
がヘテロアリールを表し、前記ヘテロアリールは、1、2又は3個の窒素原子を含む5〜10員の単環式又は二環式芳香環であり、前記ヘテロアリールは、独立に、未置換であるか又は1若しくは2個の置換基により置換され、前記置換基は、(C1−4)アルキル;(C3−6)シクロアルキル;(C1−4)アルコキシ;(C1−2)アルコキシ−
(C1−2)アルキル;(C1−2)アルキル−カルボニル;ヒドロキシ−(C1−4)アルキル;ハロゲン;及び(C1−2)フルオロアルキルからなる群より独立に選択され;
が、(C3−6)シクロアルキル、(C1−4)アルコキシ又は(C1−2)フルオロアルキルを表す;
態様1)に従う式(I)の化合物及びそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。
【0033】
3) 本発明のさらなる態様は、
nが整数の1又は2を表し;
XがNを表し;
が、2又は3個の窒素原子を含む5員の単環式ヘテロアリール基を表し、前記ヘテロアリールは、独立に、1又は2個の置換基により置換され、前記置換基は、(C1−4)アルキル、(C3−6)シクロアルキル、(C1−2)アルコキシ−(C1−2)アルキル、ヒドロキシ−(C1−4)アルキル及び(C1−2)フルオロアルキルからなる群より独立に選択され;又は、1、2又は3個の窒素原子を含む9員の二環式芳香環を表し、前記二環式芳香環は、未置換であるか又は1個の(C1−4)アルコキシ若しくはハロゲンにより置換され;
が、(C3−6)シクロアルキル、(C1−4)アルコキシ又はトリフルオロメチルを表す;
態様1)に従う式(I)の化合物及びそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。
【0034】
4) 本発明のさらなる態様は、
nが整数の1を表す;
態様1)〜3)のいずれか1つに従う式(I)の化合物及びそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。
【0035】
5) 本発明のさらなる態様は、
nが整数の2を表す;
態様1)〜3)のいずれか1つに従う式(I)の化合物及びそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。
【0036】
6) 本発明のさらなる態様は、
が、2又は3個の窒素原子を含む5員の単環式ヘテロアリール基を表し、前記単環式ヘテロアリール基は、独立に、1又は2個の置換基により置換され、前記置換基は、(C1−4)アルキル、(C3−6)シクロアルキル及び(C1−2)フルオロアルキルからなる群より独立に選択される;
態様1)〜5)のいずれか1つに従う式(I)の化合物及びそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。
【0037】
7) 本発明のさらなる態様は、
がトリフルオロメチルを表す;
態様1)〜6)のいずれか1つに従う式(I)の化合物及びそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。
【0038】
8) 本発明のさらなる態様は、式(ITA)の化合物でもある、態様1)に従う式(I)の化合物及びそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する:
【0039】
【化2】
【0040】
式中、
nは整数の1又は2を表し;
1Aは、水素、(C1−4)アルキル、(C3−6)シクロアルキル、(C1−2)アルコキシ−(C1−2)アルキル、(C1−2)アルキル−カルボニル、ヒドロキシ−(C1−4)アルキル、(C1−2)フルオロアルキル、フェニル又はヘテロアリールを表し、前記ヘテロアリールは、酸素、窒素及び硫黄(好ましくは酸素及び窒素)から独立に選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含む5又は6員の単環式芳香環であり、前記ヘテロアリールは、独立に、未置換であるか又は1個の(C1−4)アルキルにより置換され;
1Bは、水素又は(C1−4)アルキルを表し;
は、(C3−6)シクロアルキル、(C1−4)アルコキシ又は(C1−2)フルオロアルキルを表す。
【0041】
9) 本発明のさらなる態様は、
nが整数の1又は2を表し;
1Aが、(C1−4)アルキル、(C3−6)シクロアルキル、(C1−2)アルコキシ−(C1−2)アルキル、(C1−2)アルキル−カルボニル、ヒドロキシ−(C1−4)アルキル又は(C1−2)フルオロアルキルを表し;かつ、R1Bが水素又は(C1−4)アルキルを表すか;又は、
1Aが水素を表し、かつ、R1Bが(C1−4)アルキルを表し;
が、(C3−6)シクロアルキル、(C1−4)アルコキシ又は(C1−2)フルオロアルキルを表す;
態様8)に従う式(ITA)の化合物及びそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関するに関する。
【0042】
10) 本発明のさらなる態様は、
nが整数の1又は2を表し;
1Aが、(C1−4)アルキル又は(C3−6)シクロアルキルを表し;
1Bが、水素又は(C1−4)アルキルを表し;
が、シクロプロピル、エトキシ又はトリフルオロメチルを表す;
態様8)に従う式(ITA)の化合物及びそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容さ
れる塩)に関するに関する。
【0043】
11) 本発明のさらなる態様は、
nが整数の1を表す;
態様8)〜10)のいずれか1つに従う式(ITA)の化合物及びそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。
【0044】
12) 本発明のさらなる態様は、
nが整数の2を表す;
態様8)〜10)のいずれか1つに従う式(ITA)の化合物及びそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。
【0045】
13) 本発明のさらなる態様は、
1Aが、(C1−4)アルキル、(C3−6)シクロアルキル、(C1−2)アルコキシ−(C1−2)アルキル、ヒドロキシ−(C1−4)アルキル又は(C1−2)フルオロアルキルを表す;
態様8)、9)、11)又は12)のいずれか1つに従う式(ITA)の化合物及びそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。
【0046】
14) 本発明のさらなる態様は、
1Aが、(C1−4)アルキル又は(C3−6)シクロアルキルを表す;
態様8)、9)、11)又は12)のいずれか1つに従う式(ITA)の化合物及びそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。
【0047】
15) 本発明のさらなる態様は、
1Aが、メチル、エチル、イソ−プロピル又はシクロプロピルを表す;
態様8)〜12)のいずれか1つに従う式(ITA)の化合物及びそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。
【0048】
16) 本発明のさらなる態様は、
1Bが水素を表す;
態様8)〜15)のいずれか1つに従う式(ITA)の化合物及びそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。
【0049】
17) 本発明のさらなる態様は、
1Bがメチルを表す;
態様8)〜15)のいずれか1つに従う式(ITA)の化合物及びそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。
【0050】
18) 本発明のさらなる態様は、
が、(C1−4)アルコキシ又は(C1−2)フルオロアルキルを表す;
態様8)、9)又は11)〜17)のいずれか1つに従う式(ITA)の化合物及びそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。
【0051】
19) 本発明のさらなる態様は、
がトリフルオロメチルを表す;
態様8)〜17)のいずれか1つに従う式(ITA)の化合物及びそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。
【0052】
20) 本発明のさらなる態様は、キラル中心の絶対配置が式(ISt1)で表される
通りである、態様1)〜19)のいずれか1つに従う化合物及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する:
【0053】
【化3】
【0054】
21) 本発明のさらなる態様は、キラル中心の絶対配置が式(ISt2)で表される通りである、態様1)〜19)のいずれか1つに従う化合物及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する:
【0055】
【化4】
【0056】
22) 態様1)に定義する式(I)の化合物の例は、下記の化合物からなる群より選択される:
2−(3−tert−ブチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−1−{(S)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン;
2−(3,5−ジメチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−1−{(S)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン;
2−(3−シクロプロピル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−1−{(S)−
2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン;
1−{(S)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−2−(3−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−エタノン;
1−{(S)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−2−(3−トリフルオロメチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−エタノン;
1−{(S)−4−[4−(2−エトキシ−ピリミジン−5−イル)−2−トリフルオロメチル−チアゾール−5−イル]−2−ヒドロキシメチル−ピペラジン−1−イル}−2−(3−トリフルオロメチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−エタノン;
2−(3,5−ジメチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−1−{(S)−4−[4−(2−エトキシ−ピリミジン−5−イル)−2−トリフルオロメチル−チアゾール−5−イル]−2−ヒドロキシメチル−ピペラジン−1−イル}−エタノン;
1−{(S)−4−[4−(2−シクロプロピル−ピリミジン−5−イル)−2−トリフルオロメチル−チアゾール−5−イル]−2−ヒドロキシメチル−ピペラジン−1−イル}−2−(3,5−ジメチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−エタノン;
1−{(S)−4−[4−(2−シクロプロピル−ピリミジン−5−イル)−2−トリフルオロメチル−チアゾール−5−イル]−2−ヒドロキシメチル−ピペラジン−1−イル}−2−(3−トリフルオロメチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−エタノン;
1−{(R)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−2−(3−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−エタノン;1−{(R)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−2−(3−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−エタノン;
2−(3,5−ジメチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−1−{(R)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン;
2−ベンゾイミダゾl−1−イル−1−{(R)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン;
2−(5−フルオロ−インドール−1−イル)−1−{(R)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン;
1−{(R)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−2−(5−メトキシ−インドール−1−イル)−エタノン;
1−{(R)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−2−(3−メチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−エタノン;
1−{(R)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−2−(3−メトキシメチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−エタノ
ン;
1−{(R)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−2−[3−(5−メチル−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−[1,2,4]トリアゾール−1−イル]−エタノン;
1−{(R)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−2−(3−フェニル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−エタノン;
2−(3−アセチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−1−{(R)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン;
2−[3−(1−ヒドロキシ−エチル)−[1,2,4]トリアゾール−1−イル]−1−{(R)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン;
1−{(R)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−2−(3−メチル−ピラゾール−1−イル)−エタノン;
1−{(R)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−2−(3−ピリジン−2−イル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−エタノン;
2−(3−エチル−5−メチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−1−{(R)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン;
2−(5−エチル−3−メチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−1−{(R)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン;
1−{(R)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−2−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル−エタノン;
2−(3,5−ジメチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−1−{(R)−2−(2−ヒドロキシ−エチル)−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン;
1−{(R)−2−(2−ヒドロキシ−エチル)−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−2−(3−トリフルオロメチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−エタノン;
2−(3−シクロブチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−1−{(R)−2−(2−ヒドロキシ−エチル)−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン;
2−(3−tert−ブチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−1−{(R)−2−(2−ヒドロキシ−エチル)−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン;
2−(3−シクロプロピル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−1−{(R)−
2−(2−ヒドロキシ−エチル)−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン;
2−(3−エチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−1−{(R)−2−(2−ヒドロキシ−エチル)−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン;
2−(5−エチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−1−{(R)−2−(2−ヒドロキシ−エチル)−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン;
1−{(R)−2−(2−ヒドロキシ−エチル)−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−2−(3−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−エタノン;
1−{(R)−2−(2−ヒドロキシ−エチル)−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−2−(3−メチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−エタノン;
1−{(R)−2−(2−ヒドロキシ−エチル)−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−2−(5−メチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−エタノン;
1−{(R)−2−(2−ヒドロキシ−エチル)−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−2−(3−メトキシメチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−エタノン;及び
2−(3−ジフルオロメチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−1−{(R)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン;
又はそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)。
【0057】
23) 態様1)に定義する式(I)の化合物のさらなる例は、下記の化合物からなる群より選択される:
1−{(R)−2−(2−ヒドロキシ−エチル)−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−2−(3−メチル−ピラゾール−1−イル)−エタノン;
2−(3−エチル−ピラゾール−1−イル)−1−{(R)−2−(2−ヒドロキシ−エチル)−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン;
2−(3−シクロプロピル−ピラゾール−1−イル)−1−{(R)−2−(2−ヒドロキシ−エチル)−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン;
1−{(S)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−2−(3−メチル−ピラゾール−1−イル)−エタノン;
2−(3−エチル−ピラゾール−1−イル)−1−{(S)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン;及び
2−(3−シクロプロピル−ピラゾール−1−イル)−1−{(S)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン;
又はそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)。
【0058】
24) 従って、本発明は、態様1)に定義する式(I)の化合物、態様8)に定義する式(ITA)の化合物、態様20)に定義する式(ISt1)の化合物、態様21)に定義する式(ISt2)の化合物、及びそのような化合物であって、それぞれの従属関係に従って態様2)〜7)、9)〜19)、22)及び23)のいずれか1つの特徴によってさらに限定される化合物;それらの薬学的に許容される塩;並びに、特に、自己免疫異常、炎症性疾患、感染症、移植拒絶、線維症、神経変性障害及び癌等の、特にCXCR3受容体の機能不全又はCXCR3を介してシグナル伝達するリガンドの機能不全に関連する障害の治療における、医薬としてのそのような化合物の使用に関する。式(I)、(ITA)、(ISt1)及び(ISt2)の化合物に関して特に下記の態様が可能であり、意図されており、そして個々の形態としてここに具体的に開示される:
1、2+1、3+1、4+1、4+2+1、4+3+1、5+1、5+2+1、5+3+1、6+1、6+2+1、6+3+1、6+4+1、6+4+2+1、6+4+3+1、6+5+1、6+5+2+1、6+5+3+1、7+1、7+2+1、7+3+1、7+4+1、7+4+2+1、7+4+3+1、7+5+1、7+5+2+1、7+5+3+1、7+6+1、7+6+2+1、7+6+3+1、7+6+4+1、7+6+4+2+1、7+6+4+3+1、7+6+5+1、7+6+5+2+1、7+6+5+3+1、8+1、9+8+1、10+8+1、11+8+1、11+9+8+1、11+10+8+1、12+8+1、12+9+8+1、12+10+8+1、13+8+1、13+9+8+1、13+11+8+1、13+11+9+8+1、13+11+10+8+1、13+12+8+1、13+12+9+8+1、13+12+10+8+1、14+8+1、14+9+8+1、14+11+8+1、14+11+9+8+1、14+11+10+8+1、14+12+8+1、14+12+9+8+1、14+12+10+8+1、15+8+1、15+9+8+1、15+10+8+1、15+11+8+1、15+11+9+8+1、15+11+10+8+1、15+12+8+1、15+12+9+8+1、15+12+10+8+1、16+8+1、16+9+8+1、16+10+8+1、16+11+8+1、16+11+9+8+1、16+11+10+8+1、16+12+8+1、16+12+9+8+1、16+12+10+8+1、16+13+8+1、16+13+9+8+1、16+13+11+8+1、16+13+11+9+8+1、16+13+11+10+8+1、16+13+12+8+1、16+13+12+9+8+1、16+13+12+10+8+1、16+14+8+1、16+14+9+8+1、16+14+11+8+1、16+14+11+9+8+1、16+14+11+10+8+1、16+14+12+8+1、16+14+12+9+8+1、16+14+12+10+8+1、16+15+8+1、16+15+9+8+1、16+15+10+8+1、16+15+11+8+1、16+15+11+9+8+1、16+15+11+10+8+1、16+15+12+8+1、16+15+12+9+8+1、16+15+12+10+8+1、
17+8+1、17+9+8+1、17+10+8+1、17+11+8+1、17+11+9+8+1、17+11+10+8+1、17+12+8+1、17+12+9+8+1、17+12+10+8+1、17+13+8+1、17+13+9+8+1、17+13+11+8+1、17+13+11+9+8+1、17+13+11+10+8+1、17+13+12+8+1、17+13+12+9+8+1、17+13+12+10+8+1、17+14+8+1、17+14+9+8+1、17+14+11+8+1、17+14+11+9+8+1、17+14+11+10+8+1、17+14+12+8+1、17+14+12+9+8+1、17+14+12+10+8+1、17+15+8+1、17+15+9+8+1、17+15+10+8+1、17+15+11+
8+1、17+15+11+9+8+1、17+15+11+10+8+1、17+15+12+8+1、17+15+12+9+8+1、17+15+12+10+8+1、18+8+1、18+9+8+1、18+11+8+1、18+11+9+8+1、18+11+10+8+1、18+12+8+1、18+12+9+8+1、18+12+10+8+1、18+13+8+1、18+13+9+8+1、18+13+11+8+1、18+13+11+9+8+1、18+13+11+10+8+1、18+13+12+8+1、18+13+12+9+8+1、18+13+12+10+8+1、18+14+8+1、18+14+9+8+1、18+14+11+8+1、18+14+11+9+8+1、18+14+11+10+8+1、18+14+12+8+1、18+14+12+9+8+1、18+14+12+10+8+1、18+15+8+1、18+15+9+8+1、18+15+10+8+1、18+15+11+8+1、18+15+11+9+8+1、18+15+11+10+8+1、18+15+12+8+1、18+15+12+9+8+1、18+15+12+10+8+1、18+16+8+1、18+16+9+8+1、18+16+10+8+1、18+16+11+8+1、18+16+11+9+8+1、18+16+11+10+8+1、18+16+12+8+1、18+16+12+9+8+1、18+16+12+10+8+1、18+16+13+8+1、18+16+13+9+8+1、18+16+13+11+8+1、18+16+13+11+9+8+1、18+16+13+11+10+8+1、18+16+13+12+8+1、18+16+13+12+9+8+1、18+16+13+12+10+8+1、18+16+14+8+1、18+16+14+9+8+1、18+16+14+11+8+1、18+16+14+11+9+8+1、18+16+14+11+10+8+1、18+16+14+12+8+1、18+16+14+12+9+8+1、18+16+14+12+10+8+1、18+16+15+8+1、18+16+15+9+8+1、18+16+15+10+8+1、18+16+15+11+8+1、18+16+15+11+9+8+1、18+16+15+11+10+8+1、18+16+15+12+8+1、18+16+15+12+9+8+1、18+16+15+12+10+8+1、18+17+8+1、18+17+9+8+1、18+17+10+8+1、18+17+11+8+1、18+17+11+9+8+1、18+17+11+10+8+1、18+17+12+8+1、18+17+12+9+8+1、18+17+12+10+8+1、18+17+13+8+1、18+17+13+9+8+1、18+17+13+11+8+1、18+17+13+11+9+8+1、18+17+13+11+10+8+1、18+17+13+12+8+1、18+17+13+12+9+8+1、18+17+13+12+10+8+1、18+17+14+8+1、18+17+14+9+8+1、18+17+14+11+8+1、18+17+14+11+9+8+1、18+17+14+11+10+8+1、18+17+14+12+8+1、18+17+14+12+9+8+1、18+17+14+12+10+8+1、18+17+15+8+1、18+17+15+9+8+1、18+17+15+10+8+1、18+17+15+11+8+1、18+17+15+11+9+8+1、18+17+15+11+10+8+1、18+17+15+12+8+1、18+17+15+12+9+8+1、18+17+15+12+10+8+1、
19+8+1、19+9+8+1、19+10+8+1、19+11+8+1、19+11+9+8+1、19+11+10+8+1、19+12+8+1、19+12+9+8+1、19+12+10+8+1、19+13+8+1、19+13+9+8+1、19+13+11+8+1、19+13+11+9+8+1、19+13+11+10+8+1、19+13+12+8+1、19+13+12+9+8+1、19+13+12+10+8+1、19+14+8+1、19+14+9+8+1、19+14+11+8+1、19+14+11+9+8+1、19+14+11+10+8+1、19+14+12+8+1、19+14+12+9+8+1、19+14+12+10+8+1、19+15+8+1、19+15+9+8+1、19+15+10+8+1、19+15+11+8+1、19+15+11+9+8+1、19+15+11+10+8+1、19+15
+12+8+1、19+15+12+9+8+1、19+15+12+10+8+1、19+16+8+1、19+16+9+8+1、19+16+10+8+1、19+16+11+8+1、19+16+11+9+8+1、19+16+11+10+8+1、19+16+12+8+1、19+16+12+9+8+1、19+16+12+10+8+1、19+16+13+8+1、19+16+13+9+8+1、19+16+13+11+8+1、19+16+13+11+9+8+1、19+16+13+11+10+8+1、19+16+13+12+8+1、19+16+13+12+9+8+1、19+16+13+12+10+8+1、19+16+14+8+1、19+16+14+9+8+1、19+16+14+11+8+1、19+16+14+11+9+8+1、19+16+14+11+10+8+1、19+16+14+12+8+1、19+16+14+12+9+8+1、19+16+14+12+10+8+1、19+16+15+8+1、19+16+15+9+8+1、19+16+15+10+8+1、19+16+15+11+8+1、19+16+15+11+9+8+1、19+16+15+11+10+8+1、19+16+15+12+8+1、19+16+15+12+9+8+1、19+16+15+12+10+8+1、19+17+8+1、19+17+9+8+1、19+17+10+8+1、19+17+11+8+1、19+17+11+9+8+1、19+17+11+10+8+1、19+17+12+8+1、19+17+12+9+8+1、19+17+12+10+8+1、19+17+13+8+1、19+17+13+9+8+1、19+17+13+11+8+1、19+17+13+11+9+8+1、19+17+13+11+10+8+1、19+17+13+12+8+1、19+17+13+12+9+8+1、19+17+13+12+10+8+1、19+17+14+8+1、19+17+14+9+8+1、19+17+14+11+8+1、19+17+14+11+9+8+1、19+17+14+11+10+8+1、19+17+14+12+8+1、19+17+14+12+9+8+1、19+17+14+12+10+8+1、19+17+15+8+1、19+17+15+9+8+1、19+17+15+10+8+1、19+17+15+11+8+1、19+17+15+11+9+8+1、19+17+15+11+10+8+1、19+17+15+12+8+1、19+17+15+12+9+8+1、19+17+15+12+10+8+1、
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21+17+8+1、21+17+9+8+1、21+17+10+8+1、21+17+11+8+1、21+17+11+9+8+1、21+17+11+10+8+1、21+17+12+8+1、21+17+12+9+8+1、21+17+12+10+8+1、21+17+13+8+1、21+17+13+9+8+1、21+17+13+11+8+1、21+17+13+11+9+8+1、21+17+13+11+10+8+1、21+17+13+12+8+1、21+17+13+12+9+8+1、21+17+13+12+10+8+1、21+17+14+8+1、21+17+14+9+8+1、21+17+14+11+8+1、21+17+14+11+9+8+1、21+17+14+11+10+8+1、21+17+14+12+8+1、21+17+14+12+9+8+1、21+17+14+12+10+8+1、21+17+15+8+1、21+17+15+9+8+1、21+17+15+10+8+1、21+17+15+11+8+1、21+17+15+11+9+8+1、21+17+15+11+10+8+1、21+17+15+12+8+1、21+17+15+12+9+8+1、21+17+15+12+10+8+1、21+18+8+1、21+18+9+8+1、21+18+11+8+1、21+18+11+9+8+1、21+18+11+10+8+1、21+18+12+8+1、21+18+12+9+8+1、21+18+12+10+8+1、21+18+13+8+1、21+18+13+9+8+1、21+18+13+11+8+1、21+18+13+11+9+8+1、21+18+13+11+10+8+1、21+18+13+12+8+1、21+18+13+12+9+8+1、21+18+13+12+10+8+1、21+18+14+8+1、21+18+14+9+8+1、21+18+14+11+8+1、21+18+14+11+9+8+1、21+18+14+11+10+8+1、21+18+14+12+8+1、21+18+14+12+9+8+1、21+18+14+12+10+8+1、21+18+15+8+1、21+18+15+9+8+1、21+18+15+10+8+1、21+18+15+11+8+1、21+18+15+11+9+8+1、21+18+15+11+10+8+1、21+18+15+12+8+1、21+18+15+12+9+8+1、21+18+15+12+10+8+1、21+18+16+8+1、21+18+16+9+8+1、21+18+16+10+8+1、21+18+16+11+8+1、21+18+16+11+9+8+1、21+18+16+11+10+8+1、21+18+16+12+8+1、21+18+16+12+9+8+1、21+18+16+12+10+8+1、21+18+16+13+8+1、21+18+16+13+9+8+1、21+18+16+13+11+8+1、21+18+16+13+11+9+8+1、21+18+16+13+11+10+8+1、21+18+16+13+12+8+1、21+18+16+13+12+9+8+1、21+18+16+13+12+10+8+1、21+18+16+14+8+1、21+18+16+14+9+8+1、21+18+16+14+11+8+1、21+18+16+14+11+9+8+1、21+18+16+14+11+10+8+1、21+18+16+14+12+8+1、21+18+16+14+12+9+8+1、21+18+16+14+12+10+8+1、21+18+16+15+8+1、21+18+16+15+9+8+1、21+18+16+15+10+8+1、21+18+16+15+11+8+1、21+18+16+15+11+9+8+1、21+18+16+15+11+10+8+1、21+18+16+15+12+8+1、21+18+16+15+12+9+8+1、21+18+16+15+12+10+8+1、
21+18+17+8+1、21+18+17+9+8+1、21+18+17+10+8+1、21+18+17+11+8+1、21+18+17+11+9+8+1、21+18+17+11+10+8+1、21+18+17+12+8+1、21+18+17+12+9+8+1、21+18+17+12+10+8+1、21+18+17+1
3+8+1、21+18+17+13+9+8+1、21+18+17+13+11+8+1、21+18+17+13+11+9+8+1、21+18+17+13+11+10+8+1、21+18+17+13+12+8+1、21+18+17+13+12+9+8+1、21+18+17+13+12+10+8+1、21+18+17+14+8+1、21+18+17+14+9+8+1、21+18+17+14+11+8+1、21+18+17+14+11+9+8+1、21+18+17+14+11+10+8+1、21+18+17+14+12+8+1、21+18+17+14+12+9+8+1、21+18+17+14+12+10+8+1、21+18+17+15+8+1、21+18+17+15+9+8+1、21+18+17+15+10+8+1、21+18+17+15+11+8+1、21+18+17+15+11+9+8+1、21+18+17+15+11+10+8+1、21+18+17+15+12+8+1、21+18+17+15+12+9+8+1、21+18+17+15+12+10+8+1、21+19+8+1、21+19+9+8+1、21+19+10+8+1、21+19+11+8+1、21+19+11+9+8+1、21+19+11+10+8+1、21+19+12+8+1、21+19+12+9+8+1、21+19+12+10+8+1、21+19+13+8+1、21+19+13+9+8+1、21+19+13+11+8+1、21+19+13+11+9+8+1、21+19+13+11+10+8+1、21+19+13+12+8+1、21+19+13+12+9+8+1、21+19+13+12+10+8+1、21+19+14+8+1、21+19+14+9+8+1、21+19+14+11+8+1、21+19+14+11+9+8+1、21+19+14+11+10+8+1、21+19+14+12+8+1、21+19+14+12+9+8+1、21+19+14+12+10+8+1、21+19+15+8+1、21+19+15+9+8+1、21+19+15+10+8+1、21+19+15+11+8+1、21+19+15+11+9+8+1、21+19+15+11+10+8+1、21+19+15+12+8+1、21+19+15+12+9+8+1、21+19+15+12+10+8+1、21+19+16+8+1、21+19+16+9+8+1、21+19+16+10+8+1、21+19+16+11+8+1、21+19+16+11+9+8+1、21+19+16+11+10+8+1、21+19+16+12+8+1、21+19+16+12+9+8+1、21+19+16+12+10+8+1、21+19+16+13+8+1、21+19+16+13+9+8+1、21+19+16+13+11+8+1、21+19+16+13+11+9+8+1、21+19+16+13+11+10+8+1、21+19+16+13+12+8+1、21+19+16+13+12+9+8+1、21+19+16+13+12+10+8+1、21+19+16+14+8+1、21+19+16+14+9+8+1、21+19+16+14+11+8+1、21+19+16+14+11+9+8+1、21+19+16+14+11+10+8+1、21+19+16+14+12+8+1、21+19+16+14+12+9+8+1、21+19+16+14+12+10+8+1、21+19+16+15+8+1、21+19+16+15+9+8+1、21+19+16+15+10+8+1、21+19+16+15+11+8+1、21+19+16+15+11+9+8+1、21+19+16+15+11+10+8+1、21+19+16+15+12+8+1、21+19+16+15+12+9+8+1、21+19+16+15+12+10+8+1、
21+19+17+8+1、21+19+17+9+8+1、21+19+17+10+8+1、21+19+17+11+8+1、21+19+17+11+9+8+1、21+19+17+11+10+8+1、21+19+17+12+8+1、21+19+17+12+9+8+1、21+19+17+12+10+8+1、21+19+17+13+8+1、21+19+17+13+9+8+1、21+19+17+13+11+8+1、21+19+17+13+11+9+8+1、21+19+17+13+11+10+8+1、21+19+17+13+12+8+1、21+19+17+13+12+9+8+1、21+19+17+13+12+10+8+1、21+19+17+14+
8+1、21+19+17+14+9+8+1、21+19+17+14+11+8+1、21+19+17+14+11+9+8+1、21+19+17+14+11+10+8+1、21+19+17+14+12+8+1、21+19+17+14+12+9+8+1、21+19+17+14+12+10+8+1、21+19+17+15+8+1、21+19+17+15+9+8+1、21+19+17+15+10+8+1、21+19+17+15+11+8+1、21+19+17+15+11+9+8+1、21+19+17+15+11+10+8+1、21+19+17+15+12+8+1、21+19+17+15+12+9+8+1、21+19+17+15+12+10+8+1、22+1及び23+1;
上記の表中、数字は上記の番号に応じた態様を意味し、「+」は他の態様への従属関係を表す。種々の態様は読点により個々に分けられている。換言すると、例えば「4+2+1」は、態様4)であって、態様2)に従属し、態様1)に従属することを意味し、すなわち、態様「4+2+1」は、態様2)及び4)の特徴によりさらに限定された態様1)の化合物に相当する。
【0059】
化合物、塩、医薬組成物、疾患等について複数形が使用される場合は、単数の化合物、塩、医薬組成物、疾患等をも意味することが意図されている。
【0060】
態様1)〜24)のいずれか1つに定義する式(I)の化合物に対するいかなる言及も、適切かつ好都合なように、そのような化合物の塩(そして特に薬学的に許容される塩)をも指すものと解される。
【0061】
「薬学的に許容される塩」という用語は、対象化合物の所望の生物活性を保持し、かつ最小の望ましくない毒性作用を示す塩を意味する。そのよう塩としては、対象化合物中の塩基性基及び/又は酸性基の存在に応じた、無機又は有機の酸及び/又は塩基付加塩が挙げられる。参考としては、例えば、「Handbook of Pharmaceutical Salts.Properties、Selection and Use.」、P.Heinrich Stahl、Camille G.Wermuth(Eds.)、Wiley−VCH、2008;及び「Pharmaceutical Salts
and Co−crystals」、Johan Wouters and Luc Quere(Eds.)、RSC Publishing、2012を参照されたい。
【0062】
本発明はまた、同位体標識された、特にH(デューテリウム)標識された式(I)の化合物をも含み、当該同位体標識された化合物は、1又は2以上の原子が、同じ原子番号を有するが、自然において通常見出される原子量と異なる原子量を有する原子によってそれぞれ置き換えられていることを除いては、式(I)の化合物と同一である。同位体標識された、特にH(デューテリウム)標識された式(I)の化合物、及びその塩は、本発明の範囲に含まれる。水素をより重い同位体H(デューテリウム)に置換することにより代謝安定性が増大するため、例えば、in−vivoでの半減期が長くなり、あるいは、必要用量を減らすことができ、又は、チトクロームP450酵素の阻害が軽減され得るため、例えば、安全性プロファイルが改善される。本発明の1つの態様においては、式(I)の化合物は同位体標識されていないか、又は、それらは1若しくは2以上のデューテリウム原子によってのみ標識されている。副態様においては、式(I)の化合物は全く同位体標識されていない。同位体標識された式(I)の化合物は、適切な試薬又は出発物質の適宜な同位体種を用いることを除いては、下記の方法と同様に製造してもよい。
【0063】
数値範囲を記述するために「間」という単語が使用される場合は常に、示された範囲の末端の点は明示的にその範囲に含まれると解される。これは、例えば、温度範囲が40℃から80℃の間であると記述される場合、末端の点である40℃と80℃はその範囲に含まれることを意味し、あるいは、可変数が1から4の間の整数であると定義される場合、
可変数は整数の1、2、3又は4であることを意味する。
【0064】
温度に関して使用されていない場合には、数値「X」の前に置かれる「約」(あるいは「付近」)という用語は、本出願において、X−10%XからX+10%Xの間、好ましくはX−5%XからX+5%Xの間を表す。温度の場合には、温度「Y」の前に置かれる「約」(あるいは「付近」)という用語は、この出願において、Y−10℃からY+10℃の間、好ましくはY−5℃からY+5℃の間を表す。さらに、本明細書で使用される「室温」という用語は、約25℃の温度を表す。
【0065】
態様1)〜24)のいずれか1つに定義する式(I)の化合物及びこれらの薬学的に許容される塩は、医薬として、例えば、(特に経口等の)経腸又は(局所的適用又は吸入を含む)非経口投与のための医薬組成物の形態で使用することができる。
【0066】
医薬組成物の製造は、いずれの当業者にもよく知られた様式で(例えば、Remington、The Science and Practice of Pharmacy、21st Edition(2005)、Part5、「Pharmaceutical Manufactu環」[Lippincott Williams&Wilkinsにより出版]参照。)、既述の式(I)の化合物又はこれらの薬学的に許容される塩を、任意にその他の治療的に有益な物質と組み合わせて、適切な無毒の不活性な治療上許容される固体又は液体の担体材料及び必要に応じて、通常の薬学的アジュバントと共に、製剤投与形態とすることにより遂行することができる。
【0067】
本発明はまた、薬学的に活性な量の態様1)〜24)のいずれか1つに定義する式(I)の化合物を対象に投与することを含む、本明細書に記載した疾患又は障害の予防又は治療方法にも関する。
【0068】
本発明の好ましい態様において、投与量は、1mgから1000mg/日の間、特に5mgから500mg/日の間、さらに25mgから400mg/日の間、とりわけ50mgから200mg/日の間に含まれる。
【0069】
いかなる疑義をも避けるために、化合物がある疾患の予防又は治療について有用であると記載されている場合には、そのような化合物は、同様に当該疾患の予防又は治療のための医薬の製造における使用に適している。
【0070】
本発明の別の側面は、薬学的に活性な量の、態様1)〜24)の1つに定義する式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩を患者に投与することを含む、患者における下記の疾患又は障害の予防又は治療方法に関する。
【0071】
態様1)〜24)のいずれか1つに定義する式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、CXCR3受容体の機能不全又はCXCR3を介してシグナル伝達するリガンドの機能不全に関連する障害の予防又は治療に有用である。
【0072】
CXCR3受容体又はそのリガンドの機能不全に関連するそのような障害は、ヒトCXCR3受容体の調節剤が必要とされる疾患又は障害である。上記の障害は特に、自己免疫異常、炎症性疾患、感染症、移植拒絶、線維症、神経変性障害及び癌を含むものと定義してもよい。
【0073】
自己免疫異常は、関節リウマチ(RA);多発性硬化症(MS);炎症性腸疾患(IBD;クローン病及び潰瘍性大腸炎を含む。);全身性エリテマトーデス(SLE);乾癬;乾癬性関節炎;ループス腎炎;間質性膀胱炎;セリアック病;抗リン脂質抗体症候群;
橋本甲状腺炎等の甲状腺炎;リンパ球性甲状腺炎;重症筋無力症;I型糖尿病;ブドウ膜炎;上強膜炎;強膜炎;川崎病、網膜ブドウ膜炎;後部ブドウ膜炎;ベーチェット病関連ブドウ膜炎;ブドウ膜髄膜炎症候群;アレルギー性脳脊髄炎;鼻炎、結膜炎、皮膚炎等のアトピー性疾患;並びにリウマチ熱及び感染後糸球体腎炎を含む感染後自己免疫疾患を含むものと定義してもよい。
【0074】
炎症性疾患は、喘息;COPD;アテローム性動脈硬化;心筋炎;眼球乾燥症候群(シェーグレン眼球乾燥症候群を含む。);ミオパチー(炎症性ミオパチーを含む。);サルコイドーシス;特にサルコイドーシスに伴う肺動脈性肺高血圧症;及び肥満を含むものと定義してもよい。
【0075】
感染症は、マラリア、脳マラリア、らい病、結核、インフルエンザ、トキソプラズマ、デング熱、B及びC型肝炎、単純ヘルペス、リーシュマニア、クラミジア・トラコマチス、ライム病、ウエストナイルウイルス等の様々な感染因子によって引き起こされる疾患及びその合併症を含むものと定義してもよい。
【0076】
移植拒絶は、腎臓、肝臓、心臓、肺、膵臓、角膜及び皮膚等の移植された器官の拒絶;移植片対宿主病;及び慢性同種移植片血管症を含むものと定義してもよい。
【0077】
線維症は、肝硬変(原発性胆汁性肝硬変(PBC)及び自己免疫性肝炎を含む。)、特発性肺線維症、腎線維症、心内膜心筋線維症、全身性硬化症及び関節線維症を含むものと定義してもよい。
【0078】
神経変性障害は、多発性硬化症(再発寛解型多発性硬化症及び進行性多発性硬化症を含む。)、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、HIV関連認知症、プリオン介在神経変性、てんかん、卒中、脳虚血、脳性麻痺、視神経脊髄炎、臨床的に孤発した症候群(clinically isolated syndrome)、アルパース病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、老年認知症、レビー小体型認知症、レット症候群、脊髄外傷、外傷性脳損傷、三叉神経痛、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー、ギラン−バレー症候群、ナルコレプシー、舌咽神経痛、軽度の認知機能低下、認知機能低下、脊髄性筋萎縮症及び脳マラリア等の神経変性及び神経細胞死が関与する状態を含むものと定義してもよい。
【0079】
癌は、大腸癌、直腸癌、乳癌、肺癌、非小細胞性肺癌、前立腺癌、食道癌、胃癌、肝臓癌、胆管癌、脾臓癌、腎臓癌、膀胱癌、子宮癌、卵巣癌、子宮頚部癌、精巣癌、甲状腺癌、膵臓癌、脳腫瘍、血腫、塩基好性腺腫、プロラクチノーマ、高プロラクチン血症、腺腫、子宮体癌、結腸癌;慢性リンパ性白血病(CLL)等のすべての種類の癌;及び特にこれらの癌の転移拡散を含むものと定義してもよい。
【0080】
特に、態様1)〜24)のいずれか1つに従う式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩は、疾患及び障害の下記の群の1つ、幾つか又はすべてから選択される疾患の予防又は治療に適している;
1) 関節リウマチ(RA);多発性硬化症(MS);炎症性腸疾患(IBD;クローン病及び潰瘍性大腸炎を含む);全身性エリテマトーデス(SLE);乾癬;ループス腎炎;及びI型糖尿病から選択される自己免疫異常;
2) COPD;眼球乾燥疾患(シェーグレン眼球乾燥症候群を含む。);ミオパチー(炎症性ミオパチーを含む。);及びサルコイドーシスから選択される炎症性疾患;
3) 移植片対宿主病から選択される移植拒絶;
4) 肝硬変(原発性胆汁性肝硬変(PBC)及び自己免疫性肝炎を含む。)から選択される線維症;及び
5) ギラン−バレー症候群から選択される神経変性障害。
【0081】
最も好ましくは、態様1)〜24)のいずれか1つに従う式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、関節リウマチ、多発性硬化症、視神経脊髄炎、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、全身性エリテマトーデス、乾癬、乾癬性関節炎、ループス腎炎、間質性膀胱炎、セリアック病、重症筋無力症、I型糖尿病、ブドウ膜炎、喘息、慢性閉塞性肺疾患、アテローム性動脈硬化、心筋炎、炎症性ミオパチー、眼球乾燥疾患、サルコイドーシス、インフルエンザ、脳マラリア、移植拒絶、肝硬変、全身性硬化症、肺動脈性肺高血圧症、神経変性、アルツハイマー病、HIV関連認知症、ハンチントン舞踏病、ギラン−バレー症候群、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー、脳腫瘍、結腸癌、乳癌又は癌の転移拡散から選択される疾患の治療に好適である。
【0082】
式(I)の化合物の製造
本発明のさらなる側面は、式(I)の化合物の製造方法である。本発明の式(I)の化合物は、市販の又は周知の出発物質から、実験の部に記載された方法により;それに類似する方法により、又は以下に概説した一般的反応シークエンスに従って製造することができ、n、X、R及びRは、式(I)について定義した通りである。本明細書で使用される他の略語は、明示的に定義されるか、又は実験の部において定義される通りである。場合によっては、包括的な基、R及びRは、下記のスキームに図示した製法に適合しないため、保護基(PG)の使用が必要となるだろう。保護基の使用は、当技術分野において周知である(例えば、「Protective Groups in Organic Synthesis」T.W.Greene、P.G.M.Wuts、Wiley−Interscience、1999参照)。この目的のために、そのような保護基が必要に応じて適切に導入されているものと仮定する。得られた化合物は、それ自体知られた方法により、その塩、特に薬学的に許容される塩に変換してもよい。
【0083】
一般的製造ルート:
【0084】
【化5】
【0085】
式(I)の化合物は中間体(1)を出発物質として製造することができ、中間体(1)
は標準的条件下(例えば、MeOH中のaq.NaOH)でけん化され、構造(2)の化合物を与える(スキーム1)。構造(2)の化合物のカルボン酸基は、THF中、RTにて、(ジアセトキシヨード)ベンゼン及びLiBrを用いて、対応するブロミン(3)に変換される。Rが水素又は(C1−4)アルキルを表す構造(4)のカップリングパートナーを用い、NaCO等の適宜な塩基、Pd(PPhCl等の適宜なパラジウム触媒及びMeCN等の適宜な溶媒を用いるなどのSuzuki反応の標準的条件を用い、好ましくは80℃付近の温度にて、Suzukiカップリングを行うことができる。次いで、得られた中間体(5)のBoc保護基は、酸性条件下、好ましくはHClを用いて、ジオキサン等の適宜な溶媒中、約RTの温度にて、開裂することができ、構造(6)の化合物を与える。式(I)の化合物は、DIPEA又はNEt等の適宜な塩基の存在下、DCM又はDMF等の適宜な溶媒中、好ましくは約RTの温度にて、HATU等の標準的なペプチドカップリング法を用いて、カルボン酸誘導体(7)とのアミドカップリングにより、最終工程において得ることができる。
【0086】
【化6】
【0087】
構造(1)の化合物は、スキーム2に概略する反応シークエンスに従って合成することができる。市販の2−(トリフルオロメチル)チアゾール−4−カルボン酸を、THF中、−78℃付近の温度にて、n−ブチルリチウム及び臭素で処理する。得られた臭化化合物は、MeOH中、濃硫酸を用い、70℃付近の温度にて加熱して、エステル化することができる。DIPEA等の適宜な塩基の存在下、MeCN等の適宜な溶媒中、80℃付近の温度にて、市販のピペラジン誘導体(8)を用いた求核芳香族置換により、構造(1)の化合物が得られる。
【0088】
式(7)の化合物は、市販されているか、又はスキーム3に示す経路に従って合成することができる。
【0089】
【化7】
【0090】
構造(9)の化合物は、それぞれ、CsCO又はNaH等の塩基の存在下、MeCN又はTHF等の適宜な溶媒中、RT又は0℃付近の温度にて、Xが臭素等の脱離基であ
り、PGが、酸官能基に適切な保護基(例えばベンジル)である式X−CH−COO(PG)の酢酸誘導体を用いてアルキル化することができる。
【0091】
中間体(10)の脱保護、例えば、Pd/Cを触媒として、EtOHを溶媒として用いた、RT付近の温度における、H下でのベンジル脱保護により、構造(7)の化合物が得られる。あるいは、中間体(10)内の保護基PGとしてのtert−ブチル基は、ジオキサン中、RT付近の温度にて、HClで処理することにより除いてもよい。その他の適宜な酸官能基保護基並びに保護及び脱保護の方法は、当業者に周知である(特に、「Protective groups in organic synthesis」、Greene T.W.及びWuts P.G.M.、Wiley−Interscience、1999を参照。)。
【0092】
市販されていない場合には、Rが、例えば3−エチル−5−メチル−1H−[1,2,4]トリアゾールのような二置換1H−1,2,4−トリアゾール誘導体を表す構造(9)の化合物は、イミデート(例えばエチルアセトイミデート)をカルボン酸ヒドラジド(例えば、プロパン酸ヒドラジド)と縮合することにより製造してもよい。
【0093】
構造(4)の化合物は、市販されているか、又は、各5−ブロモ−ピリミジン若しくは3−ブロモ−ピリミジン誘導体を、−78℃付近の温度にて、THF及びトルエン中、トリイソプロピルボレート及びn−BuLiと反応させる等、当業者に既知の方法と同様に製造することができる。
【0094】
式(I)の化合物がエナンチオマーの混合物の形態で得られる場合には常に、エナンチオマーを、当業者に知られた方法、例えばジアステレオマー塩の形成及び分離、又はDaicel ChiralPak IC(5μm)カラム等のキラル固定相上のHPLCを用いて分離することができる。キラルHPLCの典型的な条件は、0.8から16mL/分の流速における、溶出液A(EtOH又はiPrOH。NEt又はDEA等のアミンの存在下又は非存在下)及び溶出液B(ヘキサン又はMeCN)の無勾配混合物である。
【0095】
実験の部
(この項において、及び明細書の上記の部分において使用される)略語:
aq. 水溶液
Boc tert.−ブチルオキシカルボニル
BSA ウシ血清アルブミン
Bu ブチル
CC シリカゲルカラムクロマトグラフィー
CHO チャイニーズハムスター卵巣
CV カラム容積
d 日
DCM ジクロロメタン
DEA ジエチルアミン
DIPEA N−エチルジイソプロピルアミン
DMF ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルフォキシド
EA 酢酸エチル
EDTA エチレンジアミン四酢酸
EGTA エチレングリコール四酢酸
Et エチル
FBS ウシ胎児血清
FLIPR 蛍光イメージングプレートリーダー
Fluo−4−AM 2−{[2−(2−{5−[ビス(カルボキシメチル)アミノ]−2−メチルフェノキシ}エトキシ)−4−(2,7−ジフルオロ−6−ヒドロキシ−3−オキソ−3H−キサンテン−9−イル)フェニル](カルボキシメチル)アミノ}酢酸
G418 (2R,3S,4R,5R,6S)−5−アミノ−6−[(1R,2S,3S,4R,6S)−4,6−ジアミノ−3−[(2R,3R,4R,5R)−3,5−ジヒドロキシ−5−メチル−4−メチルアミノキサン−2−イル]オキシ−2−ヒドロキシシクロヘキシル]オキシ−2−(1−ヒドロキシエチル)オキサン−3,4−ジオール
h 時間
HATU 2−(7−アザ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム
Hep ヘプタン
HEPES 4−(2−ヒドロキシエチル)−ピペラジン−1−エタンスルホン酸
HV 高真空
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
iPr イソプロピル
LC 液体クロマトグラフィー
m 多重項
M モル濃度[mol L−1
Me メチル
MS 質量分析法
min 分
NMR 核磁気共鳴分光法
org. 有機
PBS リン酸緩衝生理食塩水
Pd/C パラジウム炭素
PG 保護基
Ph フェニル
Prep 分取用
rpm 分当たりの回転数
RT 室温
s 一重項
Sat. 飽和
sec 秒
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
TLC 薄層クロマトグラフィー
保持時間
UPLC 超高速液体クロマトグラフィー
I−化学
以下の実施例は、本発明の生物学的に活性な化合物の製造を説明するが、その範囲を限定するものではまったくない。
【0096】
全般:すべての温度は摂氏温度(℃)で示す。別段の記載が無い限り、反応は、アルゴン雰囲気下、RTで起こり、マグネティックスターラーを備えた、火炎乾燥した丸底スラスコ中にて行われる。
【0097】
使用した定性分析法
LC−MSの保持時間は、下記の溶出条件を用いて得た:
I) LC−MS(A):
Zorbax SB−Aq、3.5μm、4.6x50mmカラム、40℃に温度制御。2種類の溶出溶媒は下記の通りであった:溶媒A=水+0.04%TFA;溶媒B=MeCN。溶出液の流速は4.5ml/minであり、溶出混合液の混合割合の特徴を、溶出の開始からの時間tの関数として、下記の表に要約する(2つの連続した時点の間では直線的勾配を採用する):
【0098】
【表1】
【0099】
II) LC−MS(B):
Acquity UPLC Column Manager内にて温度制御された(60℃)、WatersのAcquity UPLC HSS T3 C18 1.8μm、2.1x50mm IDカラムを使用した。2種類の溶出溶媒は下記の通りであった:溶媒A=水+0.05%ギ酸;溶媒B=MeCN+0.045%ギ酸。溶出液の流速は1ml/minであり、溶出混合液の混合割合の特徴を、溶出の開始からの時間tの関数として、下記の表に要約する(2つの連続した時点の間では直線的勾配を採用する):
【0100】
【表2】
【0101】
III) LC−MS(C):
Acquity UPLC Column Manager内にて温度制御された(60℃)、WatersのAcquity UPLC CSH C18 1.7μm、2.1x50mm IDカラムを使用した。2種類の溶出溶媒は下記の通りであった:溶媒A=水+0.05%ギ酸;溶媒B=MeCN+0.045%ギ酸。溶出液の流速は1ml/minであり、溶出混合液の混合割合の特徴を、溶出の開始からの時間tの関数として、下記の表に要約する(2つの連続した時点の間では直線的勾配を採用する):
【0102】
【表3】
【0103】
化合物の純度と特徴は、NMR分光法(Bruker Avance II 400MHz Ultrashield(登録商標)又はBruker Ascend(登録商標) 500(5mm DCH cryoprobeを装着))、1H(400MHz又は
500MHz)、19F(376MHz)によりさらに確認した。化学シフトは、テトラメチルシラン(TMS)又はトリクロロフルオロメタンに対するppm(百万分の一部)で報告し、多重度はs(一重項)又はm(多重項)として示す。
【0104】
使用した分取用LC−MS法
分取用LC−MSによる精製は、下記の条件を用いて行った。
【0105】
I) 分取用LC−MS(I):
X−Bridgeカラム(Waters C18、10μm OBD、30x75mm)を使用した。2種類の溶出溶媒は下記の通りであった:溶媒A=水+0.5%NHOH(25%);溶媒B=MeCN。溶出液の流速は75ml/minであり、溶出混合液の混合割合の特徴を、溶出の開始からの時間tの関数として、下記の表に要約する(2つの連続した時点の間では直線的勾配を採用する):
【0106】
【表4】
【0107】
II) 分取用LC−MS(II):
X−Bridgeカラム(Waters C18、10μm OBD、30x75mm)を使用した。2種類の溶出溶媒は下記の通りであった:溶媒A=水+0.5%NHOH(25%);溶媒B=MeCN。溶出液の流速は75ml/minであり、溶出混合液の混合割合の特徴を、溶出の開始からの時間tの関数として、下記の表に要約する(2つの連続した時点の間では直線的勾配を採用する):
【0108】
【表5】
【0109】
III) 分取用LC−MS(III):
Atlantisカラム(Waters T3、10μm OBD、30x75mm)を使用した。2種類の溶出溶媒は下記の通りであった:溶媒A=水+0.5%ギ酸;溶媒B=MeCN。溶出液の流速は75ml/minであり、溶出混合液の混合割合の特徴を、溶出の開始からの時間tの関数として、下記の表に要約する(2つの連続した時点の間では直線的勾配を採用する):
【0110】
【表6】
【0111】
IV) 分取用LC−MS(IV):
Atlantisカラム(Waters T3、10μm OBD、30x75mm)を使用した。2種類の溶出溶媒は下記の通りであった:溶媒A=水+0.5%ギ酸;溶媒B=MeCN。溶出液の流速は75ml/minであり、溶出混合液の混合割合の特徴を、溶出の開始からの時間tの関数として、下記の表に要約する(2つの連続した時点の間では直線的勾配を採用する):
【0112】
【表7】
【0113】
V) 分取用LC−MS(V):
X−Bridgeカラム(Waters C18、10μm OBD、30x75mm)を使用した。2種類の溶出溶媒は下記の通りであった:溶媒A=水+0.5%NHOH(25%);溶媒B=MeCN。溶出液の流速は75ml/minであり、溶出混合液の混合割合の特徴を、溶出の開始からの時間tの関数として、下記の表に要約する(2つの連続した時点の間では直線的勾配を採用する):
【0114】
【表8】
【0115】
VI) 分取用LC−MS(VI):
Atlantisカラム(Waters T3、10μm OBD、30x75mm)を使用した。2種類の溶出溶媒は下記の通りであった:溶媒A=水+0.5%ギ酸;溶媒B=MeCN。溶出液の流速は75ml/minであり、溶出混合液の混合割合の特徴を、溶出の開始からの時間tの関数として、下記の表に要約する(2つの連続した時点の間では直線的勾配を採用する):
【0116】
【表9】
【0117】
使用した分取用キラルHPLC法:
分取用キラルHPLCによる精製は、下記の条件を用いて行った。
【0118】
I) 分取用キラルHPLC(I):
ChiralPak IBカラム(5μm、30x250mm)を使用した。溶出溶媒は、Hep/EtOH/DEA 50/50/0.1とし、10min、16mL/min
の流速にて運転した。
【0119】
II) 分取用キラルHPLC(II):
ChiralPak IFカラム(5μm、20x250mm)を使用した。溶出溶媒は、Hep/EtOH 50/50とし、8.7min、19mL/minの流速にて運転した。
【0120】
III) 分取用キラルHPLC(III):
(R,R) Whelk−01カラム(10μm、50x250mm)を使用した。溶出溶媒は、Hep/EtOH 70/30とし、16.3min、100mL/min.の流速にて運転した。
【0121】
IV) 分取用キラルHPLC(IV):
ChiralPak IBカラム(5μm、30x250mm)を使用した。溶出溶媒は、Hep/EtOH 70/30とし、11.8min、34mL/minの流速にて運転した。
【0122】
V) 分取用キラルHPLC(V):
ChiralPak IBカラム(5μm、30x250mm)を使用した。溶出溶媒は、Hep/EtOH 50/50とし、7.6min、34mL/minの流速にて運転した。
【0123】
VI) 分取用キラルHPLC(VI):
ChiralPak IBカラム(5μm、30x250mm)を使用した。溶出溶媒は、Hep/EtOH 60/40とし、9min、40mL/minの流速にて運転した。
【0124】
VII) 分取用キラルHPLC(VII):
ChiralPak ICカラム(5μm、30x250mm)を使用した。溶出溶媒は、Hep/EtOH 70/30とし、12min、34mL/minの流速にて運転した。
【0125】
実施例1:2−(3−tert−ブチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−1−{(S)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン
1.1. 5−ブロモ−2−トリフルオロメチル−チアゾール−4−カルボン酸
2−(トリフルオロメチル)チアゾール−4−カルボン酸(3.2g)を無水THF(60mL)中に溶解したアルゴン下で−78℃に冷却した溶液に、n−BuLi(ヘキサン中1.6M、21.3mL)を、内部温度が−60℃を超えて上昇しないように、15分に渡って滴下により添加した。次いで、臭素(0.92mL)をシクロヘキサン(8mL)中に溶解したものを、内部温度が−60℃未満に保たれるよう滴下により添加した。得られた混合物を−78℃にて2h撹拌し、水(50mL)を添加して注意深くクエンチした。クエン酸(10%)をpH=2となるまで添加し、混合物をEAで抽出した。有機層を塩水(brine)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、ろ過し、蒸発乾固させ、4.15gの褐色の固体を得、これをさらに精製すること無く用いた。LC−MS(A):t=0.67min。F−NMR(CDOD):−63.57ppm(s)。
【0126】
1.2. 5−ブロモ−2−トリフルオロメチル−チアゾール−4−カルボン酸 メチルエステル
中間体1.1(12g)をMeOH(130mL)中に溶解したものに、HSO(96%、6.5mL)を添加し、混合物を70℃にて3h撹拌した。冷却後、反応混合物を飽和NaCO水溶液でクエンチし、溶媒の一部を蒸発させた。残渣をDCMで希釈し、飽和NaCO水溶液(1x)、水(1x)及び塩水(1x)で洗浄し、水相をDCM(2x)で抽出した。有機層を合わせたものをMgSO上で乾燥し、ろ過し、蒸発させ、HV下で乾燥して、12gの褐色の樹脂を得た。LC−MS(A):t=0.83min。F−NMR(CDOD):−63.59ppm(s)。
【0127】
1.3. (S)−2−ヒドロキシメチル−4−(4−メトキシカルボニル−2−トリフルオロメチル−チアゾール−5−イル)−ピペラジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル
中間体1.2(4g)をMeCN(100mL)中に溶解したものに、RTにて、(S)−1−Boc−2−ヒドロキシメチルピペラジン(3.07g)及びDIPEA(3.54mL)を添加した。反応混合物を80℃にて28h撹拌した。冷却後、反応混合物をEAで希釈し、水(2x)及び塩水で洗浄した。水層をEAで抽出した。有機層を合わせたものをMgSO上で乾燥し、ろ過し、蒸発乾固した。粗製物をCC(Biotage、SNAP 340g、溶媒A:Hep;溶媒B:EA;勾配(%B):3CVに渡って30、5CVに渡って30から50、3CVに渡って50)で精製して、4gの黄色のフォームを得た。LC−MS(A):t=0.87min;[M+H]:426.0。
【0128】
1.4. (S)−4−(4−カルボキシ−2−トリフルオロメチル−チアゾール−5−イル)−2−ヒドロキシメチル−ピペラジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル
中間体1.3(3.96g)をEtOH(20mL)中に溶解したものに、RTにて、1M NaOH(20mL)を添加し、反応混合物を1h10撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣をクエン酸水溶液(10%)の添加によりpH=2−3に酸性化した。水層をDCM(3x)で抽出し、有機層を合わせたものをMgSO上で乾燥し、濃縮乾固し、2.89gをベージュ色の固体として得た。LC−MS(A):t=0.79min;[M+H]:412.1。
【0129】
1.5. (S)−4−(4−ブロモ−2−トリフルオロメチル−チアゾール−5−イル)−2−ヒドロキシメチル−ピペラジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル中間体1.4(2.88g)をTHF(55mL)中に溶解したものに、RTにて、LiBr(614mg)及び(ジアセトキシヨード)ベンゼン(2.3g)を添加した。得られた懸濁液をRTにて一晩撹拌した。反応混合物を蒸発させ、残渣をHO/DCM中に取り、DCM(3x)で抽出した。有機層を合わせたものをMgSO上で乾燥し、ろ過し、蒸発乾固した。粗製物をCC(Biotage、SNAP 100gカートリッジ、溶媒A:Hep;溶媒B:EA;勾配(%B):5CVの間10、5CVに渡って10から30、3CVの間40)で精製して、2.5gの白色の固体として得た。LC−MS(A):t=0.93min;[M+H]:445.9。
【0130】
1.6. (S)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル
中間体1.5(2.3g)、2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−ボロン酸(1.65g)、Pd(PPhCl(202mg)、1M NaCO(15mL)をMeCN(15mL)中に混合したものを、アルゴン下、80℃にて20h激しく撹拌した。反応混合物をRTに冷却し、HOで希釈し、DCM(3x)で抽出した。有機層を合わせたものをMgSO上で乾燥し、ろ過し、蒸発乾固した。粗製物をCC(Biotage、SNAP 340gカートリッジ、溶媒A:Hep;溶媒B:EA;勾配(
%B):5CVの間10、6CVに渡って10から30、3CVの間30)で精製して、2.22gの黄色のフォームとして得た。LC−MS(A):t=0.98min;[M+H]:513.9。
【0131】
1.7. {(S)−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−2−イル}−メタノール;塩酸塩として
中間体1.6(2.25g)をHCl(22mL、ジオキサン中4M)中に混合したものを、RTにて1h撹拌した。反応混合物を蒸発させ、HV下で乾燥して、2.18gを茶色のフォームとして得た。LC−MS(A):t=0.67min;[M+H+CHCN]:413.2。
【0132】
1.8. (3−tert−ブチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−酢酸
ベンジルエステル
3−tert−ブチル−1H−1,2,4−トリアゾール(225mg)をMeCN(12mL)中に溶解したものに、CsCO(586mg)、次いで、ブロモ酢酸ベンジル(0.29mL)を添加し、混合物をRTにて1h45撹拌した。反応混合物をEAで希釈し、水(2x)及び塩水で洗浄した。水層をEA(2x)で抽出し、有機層を合わせたものをMgSO上で乾燥し、ろ過し、蒸発乾固した。残渣をCC(Biotage、SNAP 25gカートリッジ、溶媒A:DCM;溶媒B:DCM/MeOH 8:2;勾配(%B):8CVの間15)で精製して、216mgを黄色がかった固体(単一の 位置異性体)として得た。LC−MS(A):t=0.73min;[M+H]:274.1。
【0133】
1.9. (3−tert−ブチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−酢酸中間体1.8(202mg)、EtOH(2mL)中Pd/C(39mg)を入れたフラスコをアルゴンで3回、脱気/再充填し、次いで、水素で3回、脱気/再充填し、反応混合物をRTにて2h撹拌した。反応混合物をセライトのプラグ上でろ過し、ろ液を蒸発乾固させて、130mgの白色の固体として得た。LC−MS(A):t=0.36min;[M+H]:184.3。
【0134】
1.10. 2−(3−tert−ブチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−1−{(S)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン
中間体1.7(30mg)、中間体1.9(11mg)、HATU(26mg)及びNEt(26μL)をDCM(1.5mL)中に混合したものを、RTにて一晩撹拌した。反応混合物を蒸発乾固させて、粗製物を分取用LC−MS(IV)で精製して、6mgの白色の固体として得た。LC−MS(C):t=1.12min;[M+H]:579.2。
【0135】
実施例2:2−(3,5−ジメチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−1−{(S)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン
中間体1.7(2.15g)をDCM(66mL)中に溶解したものに、RTにて、(3,5−ジメチル−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)酢酸(743mg)、DIPEA(2.05mL)及びHATU(2.37g)を添加し、混合物をRTにて3h撹拌した。反応混合物をDCMで希釈し、1M NaHSO、飽和NaHCO水溶液及び塩水で洗浄した。水層を2xDCMで再抽出し、有機層を合わせたものをMgSO
上で乾燥し、ろ過し、蒸発乾固した。CC(Biotage、SNAP 100gカートリッジ、溶媒A:DCM;溶媒B:DCM/MeOH 8:2+0.1%EtN;勾配(%B):5CVの間15、3CVに渡って15から25、5CVの間25)による精製により。生成物中に残ったDIPEAをDCM/HO中での抽出により除去した。778mgを白色の固体として得た。LC−MS(C):t=0.97min;[M+H]:551.1。
【0136】
実施例3:2−(3−シクロプロピル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−1−{(S)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン
3.1. (3−シクロプロピル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−酢酸 ベンジルエステル
3−シクロプロピル−1H−1,2,4−トリアゾール(500mg)をTHF(10mL)中に溶解したものに、0℃にて、NaH(オイル中60%、174mg)を添加し、混合物を5min撹拌した。次いで、ブロモ酢酸ベンジル(0.719mL)を添加し、反応混合物を0℃にて45min撹拌した。混合物を飽和NHCl水溶液でクエンチし、水層をEA(3x)で抽出した。有機層を合わせたものをMgSO上で乾燥し、ろ過し、蒸発乾固した。CC(Biotage、SNAP 25gカートリッジ、溶媒A:DCM;溶媒B:MeOH;勾配(%B):4CVの間1、10CVに渡って1から10、2CVの間10)による精製により、831mgを位置異性体の混合物として得た。分取用キラルHPLC(II)による分離により、2種の位置異性体を得た:
最初の溶出画分:(5−シクロプロピル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−酢酸 ベンジルエステル。LC−MS(A):t=0.75min;[M+H]:258.1。Roesyのシグナルは、CHCOの5.04ppmとCH(シクロプロピル)の1.74ppmとの間に見られた。
【0137】
2番目の溶出画分:(3−シクロプロピル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−酢酸 ベンジルエステル。LC−MS(A):t=0.75min;[M+H]:258.1。Roesyのシグナルは、CHCOの4.94ppmとCH(トリアゾール)の8.08ppmとの間に見られた。
【0138】
3.2. (3−シクロプロピル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−酢酸
中間体1.8を中間体3.1((3−シクロプロピル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−酢酸 ベンジルエステル)で置き換えて、本化合物を、実施例1、工程1.9と同様の方法を用いて製造した。LC−MS(A):t=0.33min;[M+H]:168.47。
【0139】
3.3. 2−(3−シクロプロピル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−1−{(S)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン
中間体1.9を中間体3.2で置き換えて、本化合物を、実施例1、工程1.10と同様の方法を用いて製造した。粗製物を分取用LC−MS(IV)で精製した。LC−MS(C):t=1.05min;[M+H]:563.1。
【0140】
実施例4:1−{(S)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−2−(3−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−エタノン
4.1. (3−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−酢酸 ベンジルエステル
3−tert−ブチル−1H−1,2,4−トリアゾールを3−イソプロピル−1H−1,2,4−トリアゾールで置き換えて、本化合物を、実施例1、工程1.8と同様の方法を用いて製造した。位置異性体の混合物を分取用キラルHPLC(III)で精製した。最初の溶出画分:(3−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−酢酸
ベンジルエステル。LC−MS(A):t=0.76min;[M+H]:260.2。Roesyのシグナルは、CHの4.96ppmとCH(トリアゾール)の8.08ppmとの間に見られた。
【0141】
2番目の溶出画分:(5−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−酢酸 ベンジルエステル。LC−MS(A):t=0.76min;[M+H]:260.2。Roesyのシグナルは、CHの4.96ppmとCH(イソプロピル)の2.97ppmとの間に見られた。
【0142】
4.2. (3−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−酢酸
中間体1.8を工程4.1から得た(3−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−酢酸 ベンジルエステルで置き換えて、本化合物を、実施例1、工程1.9と同様の方法を用いて製造した。LC−MS(A):t=0.30min;[M+H]:170.2。
【0143】
4.3. 1−{(S)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−2−(3−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−エタノン
中間体1.9を中間体4.2で置き換えて、本化合物を、実施例1、工程1.10と同様の方法を用いて製造した。粗製物を分取用LC−MS(IV)で精製した。LC−MS(C):t=1.07min;[M+H]:564.9。
【0144】
実施例5:1−{(S)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−2−(3−トリフルオロメチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−エタノン
5.1. (3−トリフルオロメチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−酢酸
ベンジルエステル
3−tert−ブチル−1H−1,2,4−トリアゾールを3−(トリフルオロメチル)−1H−1,2,4−トリアゾールで置き換えて、本化合物を、実施例1、工程1.8と同様の方法を用いて製造した。所望の化合物をCC後に単一の位置異性体として得た。LC−MS(A):t=0.85min;[M+H]:286.1。
【0145】
5.2. (3−トリフルオロメチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−酢酸
中間体1.8を中間体5.1で置き換えて、本化合物を、実施例1、工程1.9と同様の方法を用いて製造した。LC−MS(A):t=0.42min;[M+H]:196.1。
【0146】
5.3. 1−{(S)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−2−(3−トリフルオロメチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−エタノン
中間体1.9を中間体5.2で置き換えて、本化合物を、実施例1、工程1.10と同様の方法を用いて製造した。1.1当量の追加のHATU及び1当量の中間体5.2を添加し、反応混合物をさらに24h撹拌した。粗製物を分取用LC−MS(IV)で精製した。LC−MS(C):t=1.15min;[M+H]:591.1。
【0147】
実施例6:1−{(S)−4−[4−(2−エトキシ−ピリミジン−5−イル)−2−トリフルオロメチル−チアゾール−5−イル]−2−ヒドロキシメチル−ピペラジン−1−イル}−2−(3−トリフルオロメチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−エタノン
6.1. (S)−4−[4−(2−エトキシ−ピリミジン−5−イル)−2−トリフルオロメチル−チアゾール−5−イル]−2−ヒドロキシメチル−ピペラジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル
2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−ボロン酸を2−エトキシピリミジン−5−ボロン酸で置き換えて、本化合物を、実施例1、工程1.6と同様の方法を用いて製造した。LC−MS(A):t=0.92min;[M+H]:490.2。
【0148】
6.2. (S)−(4−(4−(2−エトキシピリミジン−5−イル)−2−(トリフルオロメチル)チアゾール−5−イル)ピペラジン−2−イル)メタノール、塩酸塩として
中間体1.6を中間体6.1で置き換えて、本化合物を、実施例1、工程1.7と同様の方法を用いて製造した。LC−MS(A):t=0.57min;[M+H]:390.2。
【0149】
6.3. 1−{(S)−4−[4−(2−エトキシ−ピリミジン−5−イル)−2−トリフルオロメチル−チアゾール−5−イル]−2−ヒドロキシメチル−ピペラジン−1−イル}−2−(3−トリフルオロメチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−エタノン
中間体1.7を中間体6.2で置き換え、中間体1.9を中間体5.2で置き換え、DCMをDMFで置き換えて、本化合物を、実施例1、工程1.10と同様の方法を用いて製造した。粗製物を分取用LC−MS(I)で精製した。LC−MS(C):t=1.09min;[M+H]:567.1。
【0150】
実施例7:2−(3,5−ジメチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−1−{(S)−4−[4−(2−エトキシ−ピリミジン−5−イル)−2−トリフルオロメチル−チアゾール−5−イル]−2−ヒドロキシメチル−ピペラジン−1−イル}−エタノン
中間体5.2を3,5−ジメチル−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)酢酸で置き換えて、本化合物を、実施例6、工程6.3と同様の方法を用いて製造した。粗製物を分取用LC−MS(I)で精製した。LC−MS(B):t=1.28min;[M+H]:527.2。
【0151】
実施例8:1−{(S)−4−[4−(2−シクロプロピル−ピリミジン−5−イル)−2−トリフルオロメチル−チアゾール−5−イル]−2−ヒドロキシメチル−ピペラジン−1−イル}−2−(3,5−ジメチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−エタノン
8.1. (S)−4−[4−(2−シクロプロピル−ピリミジン−5−イル)−2−トリフルオロメチル−チアゾール−5−イル]−2−ヒドロキシメチル−ピペラジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル
2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−ボロン酸を2−シクロプロピル−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリミジンで
置き換えて、本化合物を、実施例1、工程1.6と同様の方法を用いて製造した。LC−MS(A):t=0.92min;[M+H]:486.2。
【0152】
8.2. (S)−(4−(4−(2−シクロプロピルピリミジン−5−イル)−2−(トリフルオロメチル)チアゾール−5−イル)ピペラジン−2−イル)メタノール、塩酸塩として
中間体1.6を中間体8.1で置き換えて、本化合物を、実施例1、工程1.7と同様の方法を用いて製造した。LC−MS(A):t=0.57min;[M+H]:386.1。
【0153】
8.3. 1−{(S)−4−[4−(2−シクロプロピル−ピリミジン−5−イル)−2−トリフルオロメチル−チアゾール−5−イル]−2−ヒドロキシメチル−ピペラジン−1−イル}−2−(3,5−ジメチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−エタノン
中間体6.2を中間体8.2で置き換えて、本化合物を、実施例7と同様の方法を用いて製造した。粗製物を分取用LC−MS(I)で精製した。LC−MS(C):t=0.9min;[M+H]:523.2。
【0154】
実施例9:1−{(S)−4−[4−(2−シクロプロピル−ピリミジン−5−イル)−2−トリフルオロメチル−チアゾール−5−イル]−2−ヒドロキシメチル−ピペラジン−1−イル}−2−(3−トリフルオロメチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−エタノン
(3,5−ジメチル−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)酢酸を中間体5.2で置き換えて、本化合物を、実施例8、工程8.3と同様の方法を用いて製造した。粗製物を分取用LC−MS(I)、次いで、分取用TLC(DCM/MeOH 97:3)で精製した。LC−MS(C):t=1.1min;[M+H]:563.1。
【0155】
実施例10:1−{(R)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−2−(3−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−エタノン
10.1. (R)−4−(4−ブロモ−2−トリフルオロメチル−チアゾール−5−イル)−2−ヒドロキシメチル−ピペラジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル工程1.3の(S)−1−Boc−2−ヒドロキシメチルピペラジンを(R)−1−Boc−2−ヒドロキシメチルピペラジンで置き換えて、本化合物を、工程1.1から工程1.5に従って、実施例1と同様の方法を用いて製造した。LC−MS(A):t=0.92min;[M+H]:445.9。
【0156】
10.2. (R)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル
2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−ボロン酸を2−(トリフルオロメチル)ピリジン−5−ボロン酸で置き換えて、本化合物を、実施例1、工程1.6と同様の方法を用いて製造した。LC−MS(A):t=0.99min;[M+H]:512.9。
【0157】
10.3. (R)−(4−(2−(トリフルオロメチル)−4−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)チアゾール−5−イル)ピペラジン−2−イル)メタノール、塩酸塩として
中間体1.6を中間体10.2で置き換えて、本化合物を、実施例1、工程1.7と同様
の方法を用いて製造した。LC−MS(A):t=0.68min;[M+H]:413.1。
【0158】
10.4. 1−{(R)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−2−(3−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−エタノン
中間体1.7を中間体10.3で置き換え、DCMをDMFで置き換えて、本化合物を、実施例4、工程4.3と同様の方法を用いて製造した。粗製物を分取用LC−MS(I)で精製した。LC−MS(C):t=1.1min;[M+H]:564.2。
【0159】
実施例11:1−{(R)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−2−(3−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−エタノン
11.1. (R)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル
2−(トリフルオロメチル)ピリジン−5−ボロン酸を2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−ボロン酸で置き換えて、本化合物を、実施例10、工程10.2と同様の方法を用いて製造した。LC−MS(A):t=0.98min;[M+H]:513.9。
【0160】
11.2. (R)−(4−(2−(トリフルオロメチル)−4−(2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル)チアゾール−5−イル)ピペラジン−2−イル)メタノール、塩酸塩として
中間体10.2を中間体11.1で置き換えて、本化合物を、実施例10、工程10.3と同様の方法を用いて製造した。LC−MS(A):t=0.67min;[M+H]:414.0。
【0161】
11.3. 1−{(R)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−2−(3−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−エタノン
中間体10.3を中間体11.2で置き換えて、本化合物を、実施例10、工程10.4と同様の方法を用いて製造した。粗製物を分取用LC−MS(I)で精製した。LC−MS(C):t=1.07min;[M+H]:565.4。
【0162】
実施例12:2−(3,5−ジメチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−1−{(R)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン
中間体4.2を(3,5−ジメチル−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)酢酸で置き換えて、本化合物を、実施例11、工程11.3と同様の方法を用いて製造した。粗製物を分取用LC−MS(II)で精製した。LC−MS(C):t=0.97min;[M+H]:551.1。
【0163】
実施例13:2−ベンゾイミダゾール−1−イル−1−{(R)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン
中間体4.2を2−(1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)酢酸で置き換えて、本化合物を、実施例11、工程11.3と同様の方法を用いて製造した。粗製物を分取用LC−MS(I)で精製した。LC−MS(C):t=0.89min;[M+H]:572.1。
【0164】
実施例14:2−(5−フルオロ−インドール−1−イル)−1−{(R)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン
中間体4.2を(5−フルオロインドール−1−イル)酢酸で置き換えて、本化合物を、実施例11、工程11.3と同様の方法を用いて製造した。粗製物を分取用LC−MS(V)で精製した。LC−MS(C):t=1.25min;[M+H]:589.1。
【0165】
実施例15:1−{(R)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−2−(5−メトキシ−インドール−1−イル)−エタノン
中間体4.2を(5−メトキシ−1H−インドール−1−イル)酢酸で置き換えて、本化合物を、実施例11、工程11.3と同様の方法を用いて製造した。粗製物を分取用LC−MS(I)で精製した。LC−MS(C):t=1.22min;[M+H]:601.1。
【0166】
実施例16:1−{(R)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−2−(3−メチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−エタノン
16.1. (3−メチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−酢酸 ベンジルエステル
3−tert−ブチル−1H−1,2,4−トリアゾールを3−メチル−1H−1,2,4−トリアゾールで置き換えて、本化合物を、実施例1、工程1.8と同様の方法を用いて製造した。位置異性体の混合物を分取用キラルHPLC(IV)で精製した。最初の溶出画分:(5−メチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−酢酸 ベンジルエステル。LC−MS(A):t=0.68min;[M+H]:232.16。H−NMR(CDCl):7.83(s、1H);7.40−7.33(m、5H);5.23(s、2H);4.93(s、2H);2.43(s、3H)。Roesyのシグナルは、CHの4.93ppmとCHの2.43ppmとの間に見られた。
【0167】
2番目の溶出画分:(3−メチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−酢酸 ベンジルエステル。LC−MS(A):t=0.67min;[M+H]:232.16。H−NMR(CDCl):8.05(s、1H);7.40−7.30(m、5H);5.23(s、0.95H、CH);4.93−4.88(3s、2H);2.42(s、3H)。Roesyのシグナルは、CH(トリアゾール)の8.05ppmとCHの4.93−4.88ppmとの間に見られた。
【0168】
16.2. (3−メチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−酢酸
中間体1.8を工程16.1から得た(3−メチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−酢酸 ベンジルエステルで置き換えて、本化合物を、実施例1、工程1.9と同様の方法を用いて製造した。LC−MS(A):t=0.18min;[M+H]:142.22。
【0169】
16.3. 1−{(R)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−
4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−2−(3−メチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−エタノン
中間体4.2を中間体16.2で置き換えて、本化合物を、実施例11、工程11.3と同様の方法を用いて製造した。粗製物を分取用LC−MS(II)で精製した。LC−MS(B):t=1.35min;[M+H]:537.1。
【0170】
実施例17:1−{(R)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−2−(3−メトキシメチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−エタノン
17.1. (3−メトキシメチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−酢酸 ベンジルエステル
3−tert−ブチル−1H−1,2,4−トリアゾールを3−(メトキシメチル)−1H−1,2,4−トリアゾールで置き換えて、本化合物を、実施例1、工程1.8と同様の方法を用いて製造した。粗製物を2種のCC(1. Biotage、SNAP 10gカートリッジ、溶媒A:DCM;溶媒B:DCM/MeOH 8:2;勾配(%B):7CVの間5、3CVに渡って5から15、3CVの間15。2. Biotage、SNAP 10gカートリッジ、溶媒A:DCM;溶媒B:DCM/MeOH 8:2;勾配(%B):5CVの間5、3CVに渡って5から10、3CVの間10、3CVの間10から15)で精製して、2種の位置異性体を得た:
最初の溶出画分:(5−メトキシメチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−酢酸 ベンジルエステル:無色のオイル。LC−MS(A):t=0.71min;[M+H]:262.2。
【0171】
2番目の溶出画分:(3−メトキシメチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−酢酸 ベンジルエステル:無色のオイル。LC−MS(A):t=0.67min;[M+H]:262.1。Roesyのシグナルは、CH(トリアゾール)の8.17ppmとNCHCOの5.01ppmとの間に見られた。
【0172】
17.2. (3−メトキシメチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−酢酸中間体1.8を工程17.1から得た(3−メトキシメチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−酢酸 ベンジルエステルで置き換えて、本化合物を、実施例1、工程1.9と同様の方法を用いて製造した。LC−MS(A):t=0.24min;[M+H]:172.0。
【0173】
17.3. 1−{(R)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−2−(3−メトキシメチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−エタノン
中間体4.2を中間体17.2で置き換えて、本化合物を、実施例11、工程11.3と同様の方法を用いて製造した。粗製物を分取用LC−MS(II)で精製した。LC−MS(B):t=1.36min;[M+H]:567.1。
【0174】
実施例18:1−{(R)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−2−[3−(5−メチル−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−[1,2,4]トリアゾール−1−イル]−エタノン
18.1. 5−メチル−3−(1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル)−[1,2,4]オキサジアゾール
N−ヒドロキシ−アセトアミジン(803mg)をTHF(25mL)中に懸濁したものに、RTにて、NaH(オイル中60%、434mg)を添加した。発泡懸濁液を、アルゴン下、70℃にて30min撹拌し、次いで、メチル 1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキシレート(725mg)を添加し、混合物を70℃にて2h40撹拌した。反応混合物をRTに冷却し、飽和NHCl水溶液でクエンチし、ろ過し、沈殿物をTHF及びMeOHで洗浄した。ろ液を蒸発させ、HV下で乾燥して、1.85gをベージュ色の固体として得た。LC−MS(A):t=0.4min;[M+H]:152.2。
【0175】
18.2. [3−(5−メチル−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−[1,2,4]トリアゾール−1−イル]−酢酸 ベンジルエステル
中間体18.1(1.84g)をMeCN(85mL)及びDMF(5mL)中に懸濁したものに、RTにて、CsCO(3.97g)及びブロモ酢酸ベンジル(4mL)を添加し、反応混合物をRTにて一晩撹拌した。反応混合物を蒸発乾固させて、EAで希釈し、水(2x)及び塩水(1x)で洗浄した。水層をEA(2x)で再抽出した。有機層を合わせたものをMgSO上で乾燥し、ろ過し、蒸発させ、HV下で乾燥した。CC(Biotage、SNAP 100gカートリッジ、溶媒A:Hep;溶媒B:EA;勾配(%B):2CVの間30、3CVに渡って30から50、3CVの間50、3CVに渡って50から70)、次いで、分取用LC−MS(I)により、341mgを白色の粉末(中間体18.3を22mol%含有)として得た。LC−MS(A):t=0.77min;[M+H]:300.0。
【0176】
18.3. [3−(5−メチル−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−[1,2,4]トリアゾール−1−イル]−アセテート、ナトリウム塩として
中間体18.2(335mg)をEtOH(3mL)中に懸濁したものに、RTにて、1M NaOH(0.88mL)を添加し、得られた溶液をRTにて1h撹拌した。反応混合物を蒸発させ、HV下で乾燥して、349mgをベージュ色の固体として得た。LC−MS(A):t=0.39min;[M+H]:210.1。
【0177】
18.4. 1−{(R)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−2−[3−(5−メチル−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−[1,2,4]トリアゾール−1−イル]−エタノン
中間体4.2を中間体18.3で置き換えて、本化合物を、実施例11、工程11.3と同様の方法を用いて製造した。粗製物を分取用LC−MS(I)で精製した。LC−MS(B):t=1.41min;[M+H]:605.1。
【0178】
実施例19:1−{(R)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−2−(3−フェニル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−エタノン
中間体4.2を2−(3−フェニル−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)酢酸で置き換えて、本化合物を、実施例11、工程11.3と同様の方法を用いて製造した。粗製物を分取用LC−MS(I)で精製した。LC−MS(C):t=1.15min;[M+H]:599.2。
【0179】
実施例20:2−(3−アセチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−1−{(R)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン
20.1. (3−アセチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−酢酸 ベンジルエステル
3−tert−ブチル−1H−1,2,4−トリアゾールを1−(1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)エタノンで置き換えて、本化合物を、実施例1、工程1.8と同様の方法を用いて製造した。粗製物をCC(Biotage、SNAP 10gカートリッジ、溶媒A:Hep;溶媒B:EA;勾配(%B):4CVの間30、4CVに渡って30から70、2CVの間70、2CVに渡って70から100、2CVの間100)で精製して、所望のトリアゾール位置異性体を第2画分として得た。Roesyのシグナルは、CH(トリアゾール)の8.28ppmとCHの5.1ppmとの間に見られた。LC−MS(A):t=0.7min;[M+H]:260.1。
【0180】
20.2. (3−アセチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−酢酸
中間体1.8を中間体20.1で置き換えて、本化合物を、実施例1、工程1.9と同様の方法を用いて製造した。LC−MS(A):t=0.25min;[M+H]:170.0。
【0181】
20.3. 2−(3−アセチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−1−{(R)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン
中間体4.2を中間体20.2で置き換え、DMFをDCMで置き換えて、本化合物を、実施例11、工程11.3と同様の方法を用いて製造した。粗製物を分取用LC−MS(II)、次いで、分取用LC−MS(IV)で精製した。LC−MS(B):t=1.38min;[M+H]:565.1。
【0182】
実施例21:2−[3−(1−ヒドロキシ−エチル)−[1,2,4]トリアゾール−1−イル]−1−{(R)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン
実施例20(40mg)をTHF(0.75mL)及びEtOH(0.25mL)中に溶解したものに、NaBH(1.3mg)を添加し、混合物を0℃にて1h10撹拌した。HOを加えて反応混合物をクエンチし、DCM(3x)で抽出した。有機層を合わせたものを蒸発させ、HV下で乾燥した。粗製物を分取用LC−MS(IV)で精製して、25mgを白色の粉末として得た。LC−MS(B):t=1.32min;[M+H]:567.1。
【0183】
実施例22:1−{(R)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−2−(3−メチル−ピラゾール−1−イル)−エタノン
中間体4.2を(3−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)酢酸で置き換え、DMFをDCMで置き換えて、本化合物を実施例11、工程11.3と同様の方法を用いて製造した。粗製物を分取用LC−MS(IV)で精製した。LC−MS(C):t=1.07min;[M+H]:536.4。
【0184】
実施例23:1−{(R)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−2−(3−ピリジン−2−イル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−エタノン
23.1. (3−ピリジン−2−イル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−酢酸 tert−ブチルエステル
3−tert−ブチル−1H−1,2,4−トリアゾールを2−(1H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピリジンで置き換え、ブロモ酢酸ベンジルをブロモ酢酸tert−ブチルで置き換えて、本化合物を実施例1、工程1.8と同様の方法を用いて製造した。化合物を分取用LC−MS(VI)でさらに精製した。LC−MS(A):t=0.61min;[M+H]:261.2。
【0185】
23.2. 2−(3−(ピリジン−2−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)酢酸、塩酸塩として
中間体23.1(263mg)をジオキサン(2mL)中に懸濁したものに、HCl(ジオキサン中4M;2mL)を添加した。RTにて1h後、数滴のHOを添加し、反応混合物を26h撹拌した。反応混合物を蒸発させ、HV下で乾燥して、263mgを黄色がかった固体として得た。LC−MS(A):t=0.29min;[M+H]:205.1。
【0186】
23.3. 1−{(R)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−2−(3−ピリジン−2−イル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−エタノン
中間体4.2を中間体23.2で置き換え、DMFをDCMで置き換えて、本化合物を実施例11、工程11.3と同様の方法を用いて製造した。粗製物を分取用LC−MS(IV)、次いで、分取用TLC(0.5mm、DCM/MeOH 95/5)で精製した。LC−MS(C):t=1.00min;[M+H]:600.1。
【0187】
実施例24及び実施例25:2−(3−エチル−5−メチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−1−{(R)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン及び2−(5−エチル−3−メチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−1−{(R)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン
実施例24及び25の酸前駆体:
工程24.1. MeCN(6mL)中のエタンイミド酸エチル 塩酸塩(500mg)にAmberlyst A21(1.14g)を添加し、懸濁液をRTにて15min撹拌した。次いで、混合物をろ過し、樹脂をMeCN(1mL)で洗浄した。プロパン酸ヒドラジド(353mg)をろ液に加え、得られた白色の懸濁液を、アルゴン下、50℃にて4d、そして80℃にて一晩撹拌した。反応混合物を蒸発させた。CC(Biotage、SNAP 10gカートリッジ、溶媒A:DCM;溶媒B:MeOH;勾配(%B):6CVの間10、3CVに渡って10から20、6CVの間20)、次いで、2番目のCC(Biotage、SNAP 10gカートリッジ、溶媒A:DCM;溶媒B:DCM/MeOH 8:2;勾配(%B):7CVの間25、3CVに渡って25から50、5CVの間50)による精製により、3−エチル−5−メチル−1H−[1,2,4]トリアゾール(125mgの黄色オイルとして)を得た。LC−MS(A):t=0.21min;[M+H]:112.4。
【0188】
工程24.2:3−tert−ブチル−1H−1,2,4−トリアゾールを工程24.1から得た3−エチル−5−メチル−1H−[1,2,4]トリアゾールで置き換えて、実施例1、工程1.8と同様の方法に従った。位置異性体の混合物が得られた:(3−エチル−5−メチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−酢酸 ベンジルエステル及び(5−エチル−3−メチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−酢酸 ベンジルエステル。
【0189】
工程24.3:中間体1.8を工程24.2から得た中間体で置き換えて、実施例1、工程1.9と同様の方法に従った。位置異性体の混合物(約1:1)が得られた:(3−エチル−5−メチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−酢酸及び(5−エチル−3−メチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−酢酸。
【0190】
中間体4.2を工程24.3から得た中間体で置き換え、DMFをDCMで置き換えて、最終化合物を実施例11、工程11.3と同様の方法を用いて製造した。粗製物を分取用LC−MS(IV)、次いで、分取用キラルHPLC(I)で精製した。両画分をDCM中に取り、水(2x)で洗浄し、水層をDCM(1x)で抽出した。有機層を合わせたものをMgSO上で乾燥し、ろ過し、蒸発させ、HV下で乾燥した。
【0191】
最初の溶出画分(実施例24):2−(3−エチル−5−メチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−1−{(R)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン。LC−MS(C):t=1.00min;[M+H]:565.1。
【0192】
2番目の溶出画分(実施例25):2−(5−エチル−3−メチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−1−{(R)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン。LC−MS(C):t=1.00min;[M+H]:565.5。
【0193】
実施例26:1−{(R)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−2−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル−エタノン
26.1. イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル−酢酸 ベンジルエステル
4−アザベンゾイミダゾール(4.75g)をDMF(80mL)中に溶解したものに、ブロモ酢酸ベンジル(6.58mL)、次いで、CsCO(25.9g)を添加した。得られた懸濁液を一晩撹拌した。反応混合物をEAで希釈し、水(2x)及び飽和NHCl水溶液で洗浄した。水層をEA(2x)で抽出した。有機層を合わせたものをMgSO上で乾燥し、ろ過し、減圧下で蒸発させた。粗製物をCC(Biotage、SNAP 100gカートリッジ、溶媒A:DCM;溶媒B:DCM/MeOH 8:2;勾配(%B):3CVに渡って0から5、5CVの間5、5CVに渡って5から15、3CVの間15)で精製して、4.99gの所望の化合物を黄色の固体として得た。LC−MS(B):t=0.59min;[M+H]:267.86。
【0194】
26.2. イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル−酢酸
中間体26.1(4.99g)をMeOH(30mL)及び酢酸(0.3mL)に懸濁させた黄色の懸濁液に、アルゴン下、Pd/C(10%、994mg)を添加した。フラスコをアルゴンで3回、脱気及び再充填し、次いで水素で2回、脱気及び再充填した。反応混合物を、水素下、RTにて5h撹拌し、セライト上でろ過し、セライトをMeOHで洗浄した。ろ液を蒸発乾固させて、2.41gの生成色の固体を得た。これを精製せずに用いた。LC−MS(B):t=0.15min;[M+H]:178.24。
【0195】
26.3. 1−{(R)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−2−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル−エタノン
中間体4.2を中間体26.2で置き換え、DMFをDCMで置き換えて、本化合物を実
施例11、工程11.3と同様の方法を用いて製造した。粗製物を分取用LC−MS(IV)、次いで、分取用TLC(0.5mm、DCM/MeOH 95/5)で精製した。LC−MS(A):t=0.8min;[M+H]:573.0。
【0196】
実施例27:2−(3,5−ジメチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−1−{(R)−2−(2−ヒドロキシ−エチル)−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン
27.1. (R)−2−(4−(2−(トリフルオロメチル)−4−(2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル)チアゾール−5−イル)ピペラジン−2−イル)エタン−1−オール、塩酸塩として
工程1.3の(S)−1−Boc−2−ヒドロキシメチルピペラジンを(R)−1−Boc−2−ヒドロキシエチルピペラジンで置き換えて、本化合物を、実施例1と同様の方法を用いて、工程1.1から工程1.7に従って製造した。LC−MS(A):t=0.69min;[M+H]:428.0。
【0197】
27.2. 2−(3,5−ジメチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−1−{(R)−2−(2−ヒドロキシ−エチル)−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン
中間体11.2を中間体27.1で置き換え、DMFをDCMで置き換えて、本化合物を実施例12と同様の方法を用いて製造した。粗製物を分取用LC−MS(I)、次いで、分取用TLC(0.5mm、DCM/MeOH 97/3)で精製した。LC−MS(C):t=0.98min;[M+H]:565.2。
【0198】
実施例28:1−{(R)−2−(2−ヒドロキシ−エチル)−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−2−(3−トリフルオロメチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−エタノン
(3,5−ジメチル−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)酢酸を中間体5.2で置き換えて、本化合物を、実施例27、工程27.2と同様の方法を用いて製造した。粗製物を分取用LC−MS(V)で精製した。LC−MS(C):t=1.16min;[M+H]:605.1。
【0199】
実施例29:2−(3−シクロブチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−1−{(R)−2−(2−ヒドロキシ−エチル)−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン
29.1. (3−シクロブチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−酢酸 ベンジルエステル
3−tert−ブチル−1H−1,2,4−トリアゾールを3−シクロブチル−1H−1,2,4−トリアゾールで置き換えて、本化合物を、実施例1、工程1.8と同様の方法を用いて製造した。さらなる分取用LC−MS(IV)を行った後、分取用キラルHPLC(V)による分離に供した。
【0200】
最初の溶出画分:(5−シクロブチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−酢酸 ベンジルエステル。LC−MS(A):t=0.68min;[M+H]:272.2。
【0201】
2番目の溶出画分:(3−シクロブチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−
酢酸 ベンジルエステル。(LC−MS(A):t=0.7min;[M+H]:272.2。
【0202】
29.2. (3−シクロブチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−酢酸
中間体1.8を工程29.1から得た(3−シクロブチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−酢酸 ベンジルエステルで置き換えて、本化合物を実施例1、工程1.9と同様の方法を用いて製造した。LC−MS(A):t=0.32min;[M+H]:182.3。Roesyのシグナルは、CH(トリアゾール)の8.40ppmとN−CH2−COOHの5.02ppmとの間に見られた。
【0203】
29.3. 2−(3−シクロブチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−1−{(R)−2−(2−ヒドロキシ−エチル)−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン
(3,5−ジメチル−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)酢酸を中間体29.2で置き換えて、本化合物を実施例27、工程27.2と同様の方法を用いて製造した。粗製物を分取用LC−MS(IV)で精製した。LC−MS(C):t=1.11min;[M+H]:591.2。
【0204】
実施例30:2−(3−tert−ブチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−1−{(R)−2−(2−ヒドロキシ−エチル)−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン
(3,5−ジメチル−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)酢酸を中間体1.9で置き換えて、本化合物を、実施例27、工程27.2と同様の方法を用いて製造した。粗製物を分取用LC−MS(I)で精製した。LC−MS(C):t=1.13min;[M+H]:593.2。
【0205】
実施例31:2−(3−シクロプロピル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−1−{(R)−2−(2−ヒドロキシ−エチル)−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン
(3,5−ジメチル−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)酢酸を中間体3.2で置き換えて、本化合物を、実施例27、工程27.2と同様の方法を用いて製造した。粗製物を分取用LC−MS(I)で精製した。LC−MS(C):t=1.06min;[M+H]:577.4。
【0206】
実施例32:2−(3−エチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−1−{(R)−2−(2−ヒドロキシ−エチル)−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン
32.1. (3−エチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−酢酸 ベンジルエステル
3−tert−ブチル−1H−1,2,4−トリアゾールを3−エチル−1H−1,2,4−トリアゾールで置き換えて、本化合物を、実施例1、工程1.8と同様の方法を用いて製造した。位置異性体の混合物を分取用キラルHPLC(VI)で精製した。最初の溶出画分:(5−エチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−酢酸 ベンジルエステル:LC−MS(A):t=0.72min;[M+H]:246.2。Roesyのシグナルは、CHCHの2.72ppmとCHCOの4.93ppmとの間に見られた。
【0207】
2番目の溶出画分:(3−エチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−酢酸 ベンジルエステル:LC−MS(A):t=0.71min;[M+H]:246.2。Roesyのシグナルは、CHの8.08ppmとCHCOの4.96ppmとの間に見られた。
【0208】
32.2. (3−エチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−酢酸
中間体1.8を工程32.1から得た(3−エチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−酢酸 ベンジルエステルで置き換えて、本化合物を実施例1、工程1.9と同様の方法を用いて製造した。LC−MS(A):t=0.25min;[M+H]:156.2。
【0209】
32.3. 2−(3−エチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−1−{(R)−2−(2−ヒドロキシ−エチル)−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン
(3,5−ジメチル−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)酢酸を中間体32.2で置き換えて、本化合物を、実施例27、工程27.2と同様の方法を用いて製造した。粗製物を分取用LC−MS(IV)で精製した。LC−MS(C):t=1.04min;[M+H]:564.9。
【0210】
実施例33:2−(5−エチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−1−{(R)−2−(2−ヒドロキシ−エチル)−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン
33.1. (5−エチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−酢酸
中間体1.8を工程32.1から得た(5−エチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−酢酸 ベンジルエステルで置き換えて、本化合物を、実施例1、工程1.9と同様の方法を用いて製造した。LC−MS(A):t=0.22min;[M+H]:156.1。
【0211】
33.2. 2−(5−エチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−1−{(R)−2−(2−ヒドロキシ−エチル)−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン
(3,5−ジメチル−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)酢酸を中間体33.1で置き換えて、本化合物を、実施例27、工程27.2と同様の方法を用いて製造した。粗製物を分取用LC−MS(I)で精製した。LC−MS(C):t=1.03min;[M+H]:565.2。
【0212】
実施例34:1−{(R)−2−(2−ヒドロキシ−エチル)−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−2−(3−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−エタノン
(3,5−ジメチル−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)酢酸を中間体4.2で置き換えて、本化合物を、実施例27、工程27.2と同様の方法を用いて製造した。粗製物を分取用LC−MS(IV)で精製した。LC−MS(C):t=1.08min;[M+H]:579.2。
【0213】
実施例35:1−{(R)−2−(2−ヒドロキシ−エチル)−4−[2−トリフルオ
ロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−2−(3−メチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−エタノン
(3,5−ジメチル−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)酢酸を中間体16.2で置き換えて、本化合物を、実施例27、工程27.2と同様の方法を用いて製造した。粗製物を分取用LC−MS(II)、次いで、分取用LC−MS(IV)で精製した。LC−MS(C):t=1.00min;[M+H]:551.2。
【0214】
実施例36:1−{(R)−2−(2−ヒドロキシ−エチル)−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−2−(5−メチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−エタノン
36.1. (5−メチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−酢酸
中間体1.8を工程16.1から得た(5−メチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−酢酸 ベンジルエステルで置き換えて、本化合物を実施例1、工程1.9と同様の方法を用いて製造した。LC−MS(A):t=0.19min;[M+H]:142.2。
【0215】
36.2. 1−{(R)−2−(2−ヒドロキシ−エチル)−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−2−(5−メチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−エタノン
(3,5−ジメチル−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)酢酸を中間体36.1で置き換えて、本化合物を実施例27、工程27.2と同様の方法を用いて製造した。粗製物を分取用LC−MS(IV)で精製した。LC−MS(C):t=1.00min;[M+H]:551.1。
【0216】
実施例37:1−{(R)−2−(2−ヒドロキシ−エチル)−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−2−(3−メトキシメチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−エタノン
(3,5−ジメチル−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)酢酸を中間体17.2で置き換えて、本化合物を実施例27、工程27.2と同様の方法を用いて製造した。粗製物を分取用LC−MS(IV)で精製した。LC−MS(B):t=1.37min;[M+H]:581.1。
【0217】
実施例38:2−(3−ジフルオロメチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−1−{(R)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン
38.1. (3−ジフルオロメチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−酢酸
ベンジルエステル
3−tert−ブチル−1H−1,2,4−トリアゾールを3−(ジフルオロメチル)−1H−1,2,4−トリアゾールで置き換えて、本化合物を実施例1、工程1.8と同様の方法を用いて製造した。粗製物をCC(Biotage、SNAP 50gカートリッジ、溶媒A:Hep;溶媒B:EA;勾配(%B):5CVの間30、5CVに渡って30から70、3CVの間70、2CVに渡って70から100、1CVの間100)で精製して、2種の位置異性体を得た:
最初の溶出画分:(5−ジフルオロメチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−酢酸 ベンジルエステル:黄色オイル。LC−MS(A):t=0.78min;[
M+H]:268.2。
【0218】
2番目の溶出画分:(3−ジフルオロメチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−酢酸 ベンジルエステル:生成色の固体。LC−MS(A):t=0.77min;[M+H]:268.1。
【0219】
38.2. (3−ジフルオロメチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−酢酸
中間体1.8を工程38.1から得た(3−ジフルオロメチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−酢酸 ベンジルエステルで置き換えて、本化合物を実施例1、工程1.9と同様の方法を用いて製造した。LC−MS(A):t=0.26min;[M+H]:178.2。
【0220】
38.3. 2−(3−ジフルオロメチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−1−{(R)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン
(3,5−ジメチル−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)酢酸を中間体38.2で置き換えて、本化合物を、実施例27、工程27.2と同様の方法を用いて製造した。粗製物を分取用LC−MS(IV)で精製した。LC−MS(A):t=0.86min;[M+H]:573.0。
【0221】
実施例39:1−{(R)−2−(2−ヒドロキシ−エチル)−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−2−(3−メチル−ピラゾール−1−イル)−エタノン
(3,5−ジメチル−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)酢酸を(3−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)酢酸で置き換えて、本化合物を実施例27、工程27.2と同様の方法を用いて製造した。粗製物を分取用LC−MS(IV)で精製した。LC−MS(C):t=1.08min;[M+H]:550.0。
【0222】
実施例40:2−(3−エチル−ピラゾール−1−イル)−1−{(R)−2−(2−ヒドロキシ−エチル)−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン
40.1 (3−エチル−ピラゾール−1−イル)−酢酸 ベンジルエステル
3−tert−ブチル−1H−1,2,4−トリアゾールを3−エチル−1H−ピラゾールで置き換えて、本化合物を実施例1、工程1.8と同様の方法を用いて製造した。位置異性体の混合物を分取用キラルHPLC(VII)で精製した。最初の溶出画分:(3−エチル−ピラゾール−1−イル)−酢酸 ベンジルエステル:LC−MS(A):t=0.82min;[M+H]:245.1。Roesyのシグナルは、ピラゾール−CHの7.37 ppmとCHCOの4.91ppmとの間に見られた。
【0223】
40.2 (3−エチル−ピラゾール−1−イル)−酢酸
中間体1.8を工程40.1から得た(3−エチル−ピラゾール−1−イル)−酢酸 ベンジルエステルで置き換えて、本化合物を、実施例1、工程1.9と同様の方法を用いて製造した。LC−MS(A):t=0.43min;[M+H]:155.4。
【0224】
40.3. 2−(3−エチル−ピラゾール−1−イル)−1−{(R)−2−(2−ヒドロキシ−エチル)−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル
−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン
(3,5−ジメチル−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)酢酸を中間体40.2で置き換えて、本化合物を実施例27、工程27.2と同様の方法を用いて製造した。粗製物を分取用LC−MS(I)で精製した。LC−MS(C):t=1.14min;[M+H]:564.0。
【0225】
実施例41:2−(3−シクロプロピル−ピラゾール−1−イル)−1−{(R)−2−(2−ヒドロキシ−エチル)−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン
(3,5−ジメチル−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)酢酸を(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−1−イル)酢酸で置き換えて、本化合物を実施例27、工程27.2と同様の方法を用いて製造した。粗製物を分取用LC−MS(IV)で精製した。LC−MS(C):t=1.15min;[M+H]:576.2。
【0226】
実施例42:1−{(S)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−2−(3−メチル−ピラゾール−1−イル)−エタノン
中間体1.9を(3−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)酢酸で置き換えて、本化合物を実施例1、工程1.10と同様の方法を用いて製造した。粗製物を分取用LC−MS(I)で精製した。LC−MS(C):t=1.07min;[M+H]:536.2。
【0227】
実施例43:2−(3−エチル−ピラゾール−1−イル)−1−{(S)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン
中間体1.9を中間体40.2で置き換えて、本化合物を実施例1、工程1.10と同様の方法を用いて製造した。粗製物を分取用LC−MS(I)で精製した。LC−MS(C):t=1.12min;[M+H]:550.0。
【0228】
実施例44:2−(3−シクロプロピル−ピラゾール−1−イル)−1−{(S)−2−ヒドロキシメチル−4−[2−トリフルオロメチル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−チアゾール−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン中間体1.9を(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−1−イル)酢酸で置き換えて、本化合物を実施例1、工程1.10と同様の方法を用いて製造した。粗製物を分取用LC−MS(I)で精製した。LC−MS(C):t=1.13min;[M+H]:562.2。
【0229】
II. 生物学的アッセイ
A) FLIPRアッセイ: 化合物の生物活性を、Gタンパク質(Gアルファ(16))に結合したヒトCXCR3A(GenBank:AY242128)を発現する改変CHO−K1細胞を用いて、蛍光イメージングプレートリーダー(FLIPR:Molecular Devices)にて試験する。バイオアッセイの前日に、細胞を、10%FBS並びに組換え体に対する選択性を維持するためのG418及びハイグロマイシンを追加したF12培地に播種する。バイオアッセイの当日に、細胞を洗浄し、5mMのプロベネシドを含み、pH7.4の20mM Hepes及び重炭酸ナトリウム(0.038%)でバッファーとした、Hanks平衡塩類溶液(Invitrogen)中にて、Fluo−4−AM(Invitrogen)で1時間染色する。色素を含まないがプロベネシドを2.5mMの濃度で含む同じバッファーを、洗浄工程(洗浄バッファー)でも用
い、また、色素もプロベネシドも含まないが、BSAを0.1%追加したものを、希釈工程(希釈バッファー)で用いる。細胞を洗浄して余分な色素を除き、60マイクロリットルの洗浄バッファーを加える。試験化合物の原液を、DMSOにて10mMの濃度に調製し、これを希釈バッファーで、阻害−用量反応曲線に必要な濃度に段階希釈する。37℃で10分のインキュベーション時間の後、FLIPR装置にて、メーカーの使用説明書に従い、10マイクロリットルの各化合物希釈液を、化合物のプレートから組換え細胞を含むプレートへと移す。基準読み取りの後、再度FLIPR装置を用いて、濃度20nMのCXCL10アゴニスト(Peprotech製)を10マイクロリットル添加する。試験化合物の添加前及び添加後の蛍光の変化をモニターする。CXCL10添加後の基準レベルを超える発光ピーク値を、ベースライン減算後にエクスポートする。
【0230】
算出されるIC50値は、各日のアッセイ操作により変動する。この種の変動は、当業者に既知である。同一の化合物についてIC50値を数回求めた場合は、平均値を示す。データを表1に示す。
【0231】
【表10】
【0232】
B) 受容体の内在化アッセイ(RIA): 試験化合物の原液を、DMSOにて10mMの濃度に調製し、これをBSAを0.5%含むPBSで、阻害−用量反応曲線に必要な濃度に段階希釈する。次いで、希釈した化合物を、PBSで希釈した同体積のCXCL10(Peprotech)と混合する。抗凝固処理したヒトの静脈全血を混合物に加え、これを37℃のCOインキュベーターにてインキュベートして、リガンドにより仲介される受容体の内在化を起こさせる(最終CXCL10濃度は9nM)。30分後、血液を蛍光標識したCXCR3及びCD4特異抗体(Becton Dickinson)と混合し、氷上で10分インキュベートする。次いで、赤血球細胞を除去するために、試料をBD FACS Lysing Solution(Becton Dickinson)と混合する。細胞を0.5%BSAを含むPBSで洗浄した後、試料をフローサイトメーター(FACS Canto II、Becton Dickinson)で分析する。データ解析にFACSDivaソフトウェア(Becton Dickinson)を使用して、CD4陽性細胞におけるCXCR3の細胞表面発現に対応する平均蛍光を求
める。プログラムGraphPad Prism又は類似のソフトウェアを使用して、データを単サイト用量応答曲線へ適合させ、IC50値を計算する。
【0233】
算出されるIC50値は、各日のアッセイ操作により変動する。この種の変動は、当業者に既知である。同一の化合物についてIC50値を数回求めた場合は、平均値を示す。データを表2に示す。
【0234】
【表11】
【0235】
C) hERG Q−Patchアッセイ:hERG遺伝子を安定的に発現しているCHO細胞(受入番号U04270、bSys、Witterswil、スイス)及び室温での単一細胞モードのQPatchロボットプラットフォーム(Sophion、Ballerup、デンマーク)を用い、hERG Kチャネルの遮断について化合物を評価した。細胞は、9%(v/v)ウシ胎仔血清、0.9%ペニシリン/ストレプトマイシン(10,000U/mL、Invitrogen15140148)、100μg/mLハ
イグロマイシンB(Invitrogen10687010)を加えた培地(Ham’s
F−12 Nutrient Mixture、Invitrogen21765−029)中、37℃、5%COにて、培養びんにて増殖させる。細胞は、〜80%コンフルエントになった時点(2〜3日毎)で、分割してさらに培養するか、又は電気生理実験に用いる。さらなる培養には、細胞を0.25%トリプシンEDTA溶液(Invitrogen25200−056)で剥がし、細胞の一部(10〜30%)を培地に再播種する。電気生理実験には、実験日に、細胞を0.25%トリプシンEDTA溶液で剥がし、すべての細胞を20mM HEPES及び0.04mg/mLトリプシン阻害剤を加えた懸濁培地(293SFM II、Invitrogen11686−029)に懸濁させる。細胞は、使用するまでは、QPatchロボット内にて、32〜35℃の懸濁培地中に保持し、使用に際しては、一定分量を、DMSOを0.3%v/v含む細胞外溶液(単位はmM:NaCl 150;KCl 4;CaCl 1.2;MgCl 1;HEPES 10;NaOHによりpH7.4)に移し、試験プレートに加える。K電流は、内部溶液(単位はmM:KCl、140;NaCl、10;MgCl、1;HEPES、10;EGTA、5;KOHによりpH=7.2)を用い、ホールセル構成にて、パッチ電圧クランプ法により測定する。電流は、QPatchロボットの内部Besselフィルターを用いて2kHzのカットオフ周波数にて低域フィルタリングし、10kHzでデジタル化する。Kテール電流は、+20mVへの500msの脱分極とそれに続く−40mVへの500msの再分極により、−80mVの保持電圧から生成させ;テール電流の振幅を、−40mVへの再分極の終了時に測定する。このパルスパターンを実験中10秒毎に繰り返し、ベースラインK電流を3分後に細胞外溶液中にて測定し、次いで化合物を含む試験溶液を加え、化合物存在下でのK電流を細胞への添加の3分後に測定する。各試験溶液は、(1)試験化合物を純DMSOに溶解し、(2)このDMSO溶液を細胞外溶液で希釈し、(3)さらにDMSOを添加することにより、最終的な試験溶液が、試験化合物濃度が300nM又は3000nMであり、かつ0.3%v/vのDMSOを含むように調製する。化合物の効果は、化合物の存在下での電流をベースライン電流で除算することにより、遮断%として定量化し;各化合物につき2又は3回の実験を行い、各実験の結果の平均を最終値として示す。データを表3に示す。
【0236】
【表12】
【0237】
【表13】