特許第6337266号(P6337266)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6337266-多形形態 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6337266
(24)【登録日】2018年5月18日
(45)【発行日】2018年6月6日
(54)【発明の名称】多形形態
(51)【国際特許分類】
   C07D 471/04 20060101AFI20180528BHJP
   A61P 1/00 20060101ALI20180528BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20180528BHJP
   A61P 1/08 20060101ALI20180528BHJP
   A61P 1/10 20060101ALI20180528BHJP
   A61P 1/14 20060101ALI20180528BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20180528BHJP
   A61K 31/437 20060101ALI20180528BHJP
【FI】
   C07D471/04 106H
   C07D471/04CSP
   A61P1/00
   A61P1/04
   A61P1/08
   A61P1/10
   A61P1/14
   A61P43/00 111
   A61K31/437
   A61P1/00 171
【請求項の数】11
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2015-553693(P2015-553693)
(86)(22)【出願日】2014年5月28日
(65)【公表番号】特表2016-522787(P2016-522787A)
(43)【公表日】2016年8月4日
(86)【国際出願番号】JP2014002819
(87)【国際公開番号】WO2014192294
(87)【国際公開日】20141204
【審査請求日】2017年4月17日
(31)【優先権主張番号】61/827,958
(32)【優先日】2013年5月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508065961
【氏名又は名称】ラクオリア創薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077012
【弁理士】
【氏名又は名称】岩谷 龍
(72)【発明者】
【氏名】須藤 正樹
(72)【発明者】
【氏名】嶋田 薫
(72)【発明者】
【氏名】若林 宏明
(72)【発明者】
【氏名】沼田 豊治
【審査官】 伊藤 幸司
(56)【参考文献】
【文献】 特表2000−514099(JP,A)
【文献】 特開2000−247974(JP,A)
【文献】 BYRN,S. et al.,Pharmaceutical Research,1995年,Vol.12, No.7,p.945-954
【文献】 BAVIN, M.,Polymorphism in Process Development,Chemistry & Industry,1989年,(16),pp.527-529
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2-θ°における主要ピークが4.4,10.2,12.5,13.2,13.7,16.4,16.6,18.5,19.3および21.7(ここで各ピークは+/- 0.2°の誤差範囲を有する)を含むCuKα放射線を用いた照射により得られる粉末X線回析パターン(PXRD)により特性化されるL-酒石酸2-アミノ-N-[2-(3a-(R)-ベンジル-2-メチル-3-オキソ-2,3,3a,4,6,7-ヘキサヒドロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-イル)-1-(R)-ベンジルオキシメチル-2-オキソ-エチル]-イソブチルアミドの多形形態I。
【請求項2】
約177℃で吸熱性事象を示す示差走査熱量測定(DSC)によりさらに特性化される請求項1に記載のL-酒石酸2-アミノ-N-[2-(3a-(R)-ベンジル-2-メチル-3-オキソ-2,3,3a,4,6,7-ヘキサヒドロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-イル)-1-(R)-ベンジルオキシメチル-2-オキソ-エチル]-イソブチルアミドの多形形態I。
【請求項3】
3349, 3107, 3036, 2983, 2870, 2770, 2526, 1705, 1662, 1625, 1531, 1454, 1442, 1220, 1132, 1109, 1089, および704 cm-1(ここで各ピークは+/−2 cm-1の誤差範囲を有する)で吸光度帯域を示す赤外線(IR)スペクトル(KBr)によりさらに特性化される請求項1または請求項2に記載されたL-酒石酸2-アミノ-N-[2-(3a-(R)-ベンジル-2-メチル-3-オキソ-2,3,3a,4,6,7-ヘキサヒドロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-イル)-1-(R)-ベンジルオキシメチル-2-オキソ-エチル]-イソブチルアミドの多形形態I。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載されたL-酒石酸2-アミノ-N-[2-(3a-(R)-ベンジル-2-メチル-3-オキソ-2,3,3a,4,6,7-ヘキサヒドロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-イル)-1-(R)-ベンジルオキシメチル-2-オキソ-エチル]-イソブチルアミドの多形形態Iを、1つまたは複数の薬学的に許容可能な賦形剤と一緒に含む医薬組成物。
【請求項5】
薬剤として用いるための請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載されたL-酒石酸2-アミノ-N-[2-(3a-(R)-ベンジル-2-メチル-3-オキソ-2,3,3a,4,6,7-ヘキサヒドロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-イル)-1-(R)-ベンジルオキシメチル-2-オキソ-エチル]-イソブチルアミドの多形形態I。
【請求項6】
グレリン受容体活性によって媒介される病態の治癒的、緩和的または予防的治療のための薬剤の製造における請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載されたL-酒石酸2-アミノ-N-[2-(3a-(R)-ベンジル-2-メチル-3-オキソ-2,3,3a,4,6,7-ヘキサヒドロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-イル)-1-(R)-ベンジルオキシメチル-2-オキソ-エチル]-イソブチルアミドの多型形態I、または請求項4に記載の医薬組成物の使用。
【請求項7】
グレリン受容体活性によって媒介される病態の治療方法であって、このような治療を必要とするヒト以外の動物に有効量の請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載されたL-酒石酸2-アミノ-N-[2-(3a-(R)-ベンジル-2-メチル-3-オキソ-2,3,3a,4,6,7-ヘキサヒドロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-イル)-1-(R)-ベンジルオキシメチル-2-オキソ-エチル]-イソブチルアミドの多型形態I、または請求項4に記載の医薬組成物を投与することを包含する方法。
【請求項8】
有機溶媒中の2-アミノ-N-[2-(3a-(R)-ベンジル-2-メチル-3-オキソ-2,3,3a,4,6,7-ヘキサヒドロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-イル)-1-(R)-ベンジルオキシメチル-2-オキソ-エチル]-イソブチルアミドをアルコール中のL-酒石酸の条件下にさらす工程を含む、請求項1〜3のいずれか1つに記載されたL-酒石酸2-アミノ-N-[2-(3a-(R)-ベンジル-2-メチル-3-オキソ-2,3,3a,4,6,7-ヘキサヒドロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-イル)-1-(R)-ベンジルオキシメチル-2-オキソ-エチル]-イソブチルアミドの多型形態Iを製造する方法。
【請求項9】
酢酸エチル中の2-アミノ-N-[2-(3a-(R)-ベンジル-2-メチル-3-オキソ-2,3,3a,4,6,7-ヘキサヒドロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-イル)-1-(R)-ベンジルオキシメチル-2-オキソ-エチル]-イソブチルアミドをメタノールまたはイソプロピルアルコ−ル中のL-酒石酸の条件下にさらす工程を含む、請求項8に記載されたL-酒石酸2-アミノ-N-[2-(3a-(R)-ベンジル-2-メチル-3-オキソ-2,3,3a,4,6,7-ヘキサヒドロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-イル)-1-(R)-ベンジルオキシメチル-2-オキソ-エチル]-イソブチルアミドの多形形態Iを製造する方法。
【請求項10】
メチルアルコール、エチルアルコール、およびイソプロピルアルコ−ルから選ばれるアルコールに2-アミノ-N-[2-(3a-(R)-ベンジル-2-メチル-3-オキソ-2,3,3a,4,6,7-ヘキサヒドロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-イル)-1-(R)-ベンジルオキシメチル-2-オキソ-エチル]-イソブチルアミドをさらす工程を含む、請求項1〜3のいずれか1つに記載されたL-酒石酸2-アミノ-N-[2-(3a-(R)-ベンジル-2-メチル-3-オキソ-2,3,3a,4,6,7-ヘキサヒドロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-イル)-1-(R)-ベンジルオキシメチル-2-オキソ-エチル]-イソブチルアミドの多形形態Iを製造する方法。
【請求項11】
メタノールまたはイソプロパノールに2-アミノ-N-[2-(3a-(R)-ベンジル-2-メチル-3-オキソ-2,3,3a,4,6,7-ヘキサヒドロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-イル)-1-(R)-ベンジルオキシメチル-2-オキソ-エチル]-イソブチルアミドをさらす工程を含む、請求項10に記載されたL-酒石酸2-アミノ-N-[2-(3a-(R)-ベンジル-2-メチル-3-オキソ-2,3,3a,4,6,7-ヘキサヒドロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-イル)-1-(R)-ベンジルオキシメチル-2-オキソ-エチル]-イソブチルアミドの多形形態Iを製造する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2-アミノ-N-[2-(3a-(R)-ベンジル-2-メチル-3-オキソ-2,3,3a,4,6,7-ヘキサヒドロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-イル)-1-(R)-ベンジルオキシメチル-2-オキソ-エチル]-イソブチルアミドの新規結晶形態に関する。より具体的には、本発明は、この化合物のL-酒石酸塩の多形形態、およびこのような多形の製造方法、このような多形を含有する組成物、およびこのような多形の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
この化合物、2-アミノ-N-[2-(3a-(R)-ベンジル-2-メチル-3-オキソ-2,3,3a,4,6,7-ヘキサヒドロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-イル)-1-(R)-ベンジルオキシメチル-2-オキソ-エチル]-イソブチルアミドは、WO97/024369に成長ホルモン分泌促進因子、およびグレリン受容体作動活性として開示されている。この化合物はカプロモレリン(capromorelin)という一般名で、臨床段階で開発されている。この化合物の合成方法もまた、EP-1031575に開示されている。
【0003】
しかしながら、2-アミノ-N-[2-(3a-(R)-ベンジル-2-メチル-3-オキソ-2,3,3a,4,6,7-ヘキサヒドロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-イル)-1-(R)-ベンジルオキシメチル-2-オキソ-エチル]-イソブチルアミドの結晶や結晶形態の混合物のいずれも、公衆に知られてはいない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】WO97/024369
【特許文献2】EP-1031575
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
当業者に周知のように、医薬品の製剤および製造を含む様々な観点から医薬品開発において結晶または結晶形態を見つける、または製造することは、望ましい目標となっている(Byrn S. R. ら, Solid-State Chemistry of Drugs 第2版, pp 3-43および461-503, 1999, SSCI, Inc.を参照)。
【0006】
この線に沿って、ファイザー社が1997年(WO97/024369)に開示した2-アミノ-N-[2-(3a-(R)-ベンジル-2-メチル-3-オキソ-2,3,3a,4,6,7-ヘキサヒドロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-イル)-1-(R)-ベンジルオキシメチル-2-オキソ-エチル]-イソブチルアミドの結晶または結晶形態を見つけたり、製造したりするために大きな努力がなされてきた。
【0007】
このような大きな努力にもかかわらず、該化合物の薬学的に適切な結晶形態はまだ同定されるに至っていなかった。
本発明の発明者らは、徹底的かつ注意深く検討した結果、その結晶を製造する条件を見つけることに成功し、これにより当該化合物をL-酒石酸塩として待望の結晶形態(多形形態I)を提供することができる。
【0008】
本発明の実施例に開示されるように、多形形態Iが同定された。
【0009】
本発明は、簡単に、経済的かつ再現可能なように製造され、たとえばろ過性、取扱いの容易性、容易な純度コントロール、安定性や非吸湿性などに予想できないほど優れ、安定した性能特性を有する医薬製剤に使用するための2-アミノ-N-[2-(3a-(R)-ベンジル-2-メチル-3-オキソ-2,3,3a,4,6,7-ヘキサヒドロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-イル)-1-(R)-ベンジルオキシメチル-2-オキソ-エチル]-イソブチルアミドの薬学的に適切な結晶形態を提供することを目的とする。また、そのような多形形態の製造方法、そのような多形形態を含む組成物および用途を提供することも本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
すなわち、本発明は以下のものを提供する:
[1]2-θ°における主要ピークが4.4,10.2,12.5,13.2,13.7,16.4,16.6,18.5,19.3および21.7(ここで各ピークは+/- 0.2°の誤差範囲を有する)を含むCuKα放射線を用いた照射により得られる粉末X線回析パターン(PXRD)により特性化されるL-酒石酸2-アミノ-N-[2-(3a-(R)-ベンジル-2-メチル-3-オキソ-2,3,3a,4,6,7-ヘキサヒドロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-イル)-1-(R)-ベンジルオキシメチル-2-オキソ-エチル]-イソブチルアミドの多形形態I;
【0011】
[2]約177℃で吸熱性事象を示す示差走査熱量測定(DSC)によりさらに特性化される[1]に記載のL-酒石酸2-アミノ-N-[2-(3a-(R)-ベンジル-2-メチル-3-オキソ-2,3,3a,4,6,7-ヘキサヒドロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-イル)-1-(R)-ベンジルオキシメチル-2-オキソ-エチル]-イソブチルアミドの多形形態I;
【0012】
[3]3349, 3107, 3036, 2983, 2870, 2770, 2526, 1705, 1662, 1625, 1531, 1454, 1442, 1220, 1132, 1109, 1089, および704 cm-1(ここで各ピークは+/−2 cm-1の誤差範囲を有する)で吸光度帯域を示す赤外線(IR)スペクトル(KBr)によりさらに特性化される[1]または[2]に記載のL-酒石酸2-アミノ-N-[2-(3a-(R)-ベンジル-2-メチル-3-オキソ-2,3,3a,4,6,7-ヘキサヒドロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-イル)-1-(R)-ベンジルオキシメチル-2-オキソ-エチル]-イソブチルアミドの多形形態I;
【0013】
[4][1]〜[2]のいずれか1つに記載されたL-酒石酸2-アミノ-N-[2-(3a-(R)-ベンジル-2-メチル-3-オキソ-2,3,3a,4,6,7-ヘキサヒドロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-イル)-1-(R)-ベンジルオキシメチル-2-オキソ-エチル]-イソブチルアミドの多形形態Iを、1つまたは複数の薬学的に許容可能な賦形剤と一緒に含む医薬組成物;
【0014】
[5]薬剤として用いるための [1]〜[3]のいずれか1つに記載されたL-酒石酸2-アミノ-N-[2-(3a-(R)-ベンジル-2-メチル-3-オキソ-2,3,3a,4,6,7-ヘキサヒドロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-イル)-1-(R)-ベンジルオキシメチル-2-オキソ-エチル]-イソブチルアミドの多形形態I;
【0015】
[6]グレリン受容体作動活性によって媒介される病態の治癒的、緩和的または予防的治療のための薬剤の製造における[1]〜[3]のいずれか1つに記載されたL-酒石酸2-アミノ-N-[2-(3a-(R)-ベンジル-2-メチル-3-オキソ-2,3,3a,4,6,7-ヘキサヒドロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-イル)-1-(R)-ベンジルオキシメチル-2-オキソ-エチル]-イソブチルアミドの多型形態I、または[4]に記載の医薬組成物の使用;
【0016】
[7]グレリン受容体活性によって媒介される病態の治療方法であって、このような治療を必要とするヒトを含む動物に有効量の[1]〜[3]のいずれか1つに記載されたL-酒石酸2-アミノ-N-[2-(3a-(R)-ベンジル-2-メチル-3-オキソ-2,3,3a,4,6,7-ヘキサヒドロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-イル)-1-(R)-ベンジルオキシメチル-2-オキソ-エチル]-イソブチルアミドの多型形態I、または[4]に記載の医薬組成物を投与することを包含する方法;
【0017】
[8] 有機溶媒(好ましくは酢酸エチル)中の2-アミノ-N-[2-(3a-(R)-ベンジル-2-メチル-3-オキソ-2,3,3a,4,6,7-ヘキサヒドロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-イル)-1-(R)-ベンジルオキシメチル-2-オキソ-エチル]-イソブチルアミドをアルコール(好ましくはメチルアルコール、エチルアルコール、およびイソプロピルアルコール、より好ましくはメチルアルコールおよびイソプロピルアルコール)中のL-酒石酸の条件下にさらす工程を含む、[1]〜[3]に記載されたL-酒石酸2-アミノ-N-[2-(3a-(R)-ベンジル-2-メチル-3-オキソ-2,3,3a,4,6,7-ヘキサヒドロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-イル)-1-(R)-ベンジルオキシメチル-2-オキソ-エチル]-イソブチルアミドの多型形態Iを製造する方法;
【0018】
[9]酢酸エチル中の2-アミノ-N-[2-(3a-(R)-ベンジル-2-メチル-3-オキソ-2,3,3a,4,6,7-ヘキサヒドロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-イル)-1-(R)-ベンジルオキシメチル-2-オキソ-エチル]-イソブチルアミドをメタノールまたはイソプロピルアルコ−ル中のL-酒石酸の条件下にさらす工程を含む、[1]〜[3]のいずれか1つに記載されたL-酒石酸2-アミノ-N-[2-(3a-(R)-ベンジル-2-メチル-3-オキソ-2,3,3a,4,6,7-ヘキサヒドロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-イル)-1-(R)-ベンジルオキシメチル-2-オキソ-エチル]-イソブチルアミドの多形形態Iを製造する方法。
【0019】
[10]メチルアルコール、エチルアルコール、およびイソプロピルアルコ−ルから選ばれるアルコールに2-アミノ-N-[2-(3a-(R)-ベンジル-2-メチル-3-オキソ-2,3,3a,4,6,7-ヘキサヒドロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-イル)-1-(R)-ベンジルオキシメチル-2-オキソ-エチル]-イソブチルアミドをさらす工程を含む、[1]〜[3]のいずれか1つに記載されたL-酒石酸2-アミノ-N-[2-(3a-(R)-ベンジル-2-メチル-3-オキソ-2,3,3a,4,6,7-ヘキサヒドロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-イル)-1-(R)-ベンジルオキシメチル-2-オキソ-エチル]-イソブチルアミドの多形形態Iを製造する方法。
【0020】
[11]メタノールまたはイソプロパノールに2-アミノ-N-[2-(3a-(R)-ベンジル-2-メチル-3-オキソ-2,3,3a,4,6,7-ヘキサヒドロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-イル)-1-(R)-ベンジルオキシメチル-2-オキソ-エチル]-イソブチルアミドをさらす工程を含む、[10]に記載されたL-酒石酸2-アミノ-N-[2-(3a-(R)-ベンジル-2-メチル-3-オキソ-2,3,3a,4,6,7-ヘキサヒドロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-イル)-1-(R)-ベンジルオキシメチル-2-オキソ-エチル]-イソブチルアミドの多形形態Iを製造する方法。
【発明の効果】
【0021】
上述のように、薬剤の製剤および製造を含む様々な視点から薬物の開発において、予想できないほど優れた物理化学的特性を有する結晶または結晶形態を発見し、または調製することを目的とする。驚くべきことに、この目的が、L-酒石酸2-アミノ-N-[2-(3a-(R)-ベンジル-2-メチル-3-オキソ-2,3,3a,4,6,7-ヘキサヒドロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-イル)-1-(R)-ベンジルオキシメチル-2-オキソ-エチル]-イソブチルアミドの結晶多形形態(これは多形形態Iと名づけられた)を提供する本発明によって達成されたことが明らかとなった。
当業者の大きな努力にもかかわらず、該化合物の薬学的に適切な結晶形態はこれまで同定されるに至っていなかったのである。
【0022】
本発明のすべての多形は、先行技術WO97/024369に開示された白色固体よりも優れており、予期できぬ利点を有する。多形形態Iは、先行技術WO97/024369に開示された固体よりも安定したものであることが判明した。
【0023】
さらに、本発明の多形形態は、大規模合成に適用可能であることが見出されている。それらは、固体剤形の開発のための許容される固体状態の特性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1は、L-酒石酸2-アミノ-N-[2-(3a-(R)-ベンジル-2-メチル-3-オキソ-2,3,3a,4,6,7-ヘキサヒドロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-イル)-1-(R)-ベンジルオキシメチル-2-オキソ-エチル]-イソブチルアミドの多形形態IのPXRDパターンを示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
したがって、本発明は、2-θ°における主要ピーク4.4, 10.2, 12.5, 13.2, 13.7, 16.4, 16.6, 18.5, 19.3および21.7 (ここで各ピークは+/−0.2°の誤差範囲を有する)を含むCuKα放射線を用いた照射により得られる粉末X線回析パターン(PXRD)により特性化される結晶のL-酒石酸2-アミノ-N-[2-(3a-(R)-ベンジル-2-メチル-3-オキソ-2,3,3a,4,6,7-ヘキサヒドロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-イル)-1-(R)-ベンジルオキシメチル-2-オキソ-エチル]-イソブチルアミドの多形形態Iを提供する;
【0026】
約177℃で吸熱性熱事象を示す示差走査熱量測定(DSC)によりさらに特性化される上記のL-酒石酸2-アミノ-N-[2-(3a-(R)-ベンジル-2-メチル-3-オキソ-2,3,3a,4,6,7-ヘキサヒドロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-イル)-1-(R)-ベンジルオキシメチル-2-オキソ-エチル]-イソブチルアミドの多形形態I;
【0027】
3349, 3107, 3036, 2983, 2870, 2770, 2526, 1705, 1662, 1625, 1531, 1454, 1442, 1220, 1132, 1109, 1089および704 cm-1(ここで各ピークは+/−2 cm-1の誤差範囲を有する)で吸光度帯域を示す赤外線(IR)スペクトル(KBr)によりさらに特性化される上記記載の多形形態I;
【0028】
本発明のさらなる一面として、本発明のL-酒石酸2-アミノ-N-[2-(3a-(R)-ベンジル-2-メチル-3-オキソ-2,3,3a,4,6,7-ヘキサヒドロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-イル)-1-(R)-ベンジルオキシメチル-2-オキソ-エチル]-イソブチルアミドの多形形態Iを薬剤として使用することを提供する。
【0029】
本発明のさらなる一面として、本発明のL-酒石酸2-アミノ-N-[2-(3a-(R)-ベンジル-2-メチル-3-オキソ-2,3,3a,4,6,7-ヘキサヒドロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-イル)-1-(R)-ベンジルオキシメチル-2-オキソ-エチル]-イソブチルアミドの多形形態Iをグレリン受容体作動薬が関与するいかなる疾患、特に1)胃腸障害、2)食欲不振、食欲抑制、または食物摂取の減少をもたらすものによる障害、および3)高い胃酸分泌が関与する疾患の治癒的、予防的、または緩和的治療における薬剤の製造における使用を提供する。
【0030】
胃腸障害は、術後イレウス、胃不全麻痺、オピオイド誘発性腸機能障害、慢性腸偽閉塞、急性結腸偽閉塞(オギルビー症候群)、腸内運動障害、短腸症候群、嘔吐、便秘型過敏性腸症候群(IBS)、慢性便秘、機能消化不良、がん関連消化不良症候群、移植片対宿主病、胃排出遅延、他の疾患状態に関連して発生する胃腸障害または胃排出遅延、救命救急診療の状況で発生する胃腸の運動障害または排出遅延胃、薬剤を用いた治療の結果としての胃腸障害または胃排出遅延、胃食道逆流症(GERD)、胃潰瘍、胃腸炎およびクローン病からなる群から選択することができる。
【0031】
食欲不振、食欲抑制、または食物摂取の減少をもたらすものによる障害としては、悪液質が挙げられ、ここで悪液質は、がん、慢性心不全、後天性免疫不全症候群(AIDS)、腎疾患、筋ジストロフィーまたは老化よって誘導されるものを含む。
【0032】
高い胃酸分泌が関与する疾患としては、酸欠乏症が挙げられる。
【0033】
本発明の他の一面として、治療に有効な量の本発明のL-酒石酸2-アミノ-N-[2-(3a-(R)-ベンジル-2-メチル-3-オキソ-2,3,3a,4,6,7-ヘキサヒドロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-イル)-1-(R)-ベンジルオキシメチル-2-オキソ-エチル]-イソブチルアミドの多形形態Iを、このような治療を必要とするヒトを含む動物に投与することを含む、グレリン受容体作動薬が関与するいかなる疾患、特に1)胃腸障害、2)食欲不振、食欲抑制、または食物摂取の減少をもたらすものによる障害、および3)高い胃酸分泌が関与する疾患の治癒的、予防的、または緩和的治療における治療方法を提供する。
【0034】
本発明のL-酒石酸2-アミノ-N-[2-(3a-(R)-ベンジル-2-メチル-3-オキソ-2,3,3a,4,6,7-ヘキサヒドロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-イル)-1-(R)-ベンジルオキシメチル-2-オキソ-エチル]-イソブチルアミドの多形形態Iは、グレリン受容体作動活性によって媒介される病態の一般的な治療に有用である。
【0035】
本発明のL-酒石酸2-アミノ-N-[2-(3a-(R)-ベンジル-2-メチル-3-オキソ-2,3,3a,4,6,7-ヘキサヒドロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-イル)-1-(R)-ベンジルオキシメチル-2-オキソ-エチル]-イソブチルアミドの多形形態Iは、1)胃腸障害、2)食欲不振、食欲抑制、または食物摂取の減少をもたらすものによる障害、および3)高い胃酸分泌が関与する疾患からなる群から選択される障害または病態の治療にも有用でありうる。
【0036】
2-アミノ-N-[2-(3a-(R)-ベンジル-2-メチル-3-オキソ-2,3,3a,4,6,7-ヘキサヒドロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-イル)-1-(R)-ベンジルオキシメチル-2-オキソ-エチル]-イソブチルアミドの製造のための合成経路は、WO97/024369および下記の実験の部に記載される。
【0037】
L-酒石酸2-アミノ-N-[2-(3a-(R)-ベンジル-2-メチル-3-オキソ-2,3,3a,4,6,7-ヘキサヒドロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-イル)-1-(R)-ベンジルオキシメチル-2-オキソ-エチル]-イソブチルアミドの多形形態Iは、有機溶媒(たとえば酢酸エチル)中の2-アミノ-N-[2-(3a-(R)-ベンジル-2-メチル-3-オキソ-2,3,3a,4,6,7-ヘキサヒドロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-イル)-1-(R)-ベンジルオキシメチル-2-オキソ-エチル]-イソブチルアミドの溶液に、L-酒石酸のアルコール(たとえばメチルアルコール)溶液を添加することにより結晶化して製造されうる。
【0038】
多形形態Iの結晶化のために使用できる有機溶媒としては、酢酸エチルなどのカルボン酸エステル、およびメチルアルコール、エチルアルコール、およびイソプロピルアルコールなどのアルコールが挙げられる。
【0039】
本発明のL-酒石酸2-アミノ-N-[2-(3a-(R)-ベンジル-2-メチル-3-オキソ-2,3,3a,4,6,7-ヘキサヒドロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-イル)-1-(R)-ベンジルオキシメチル-2-オキソ-エチル]-イソブチルアミドの多形形態Iは、単独で、または1つまたは複数のその他の薬剤と組み合わせて(またはその任意の組合せとして)投与されうる。一般に、それらは、1つまたは複数の薬学的に許容可能な賦形剤を伴った製剤として投与される。「賦形剤」という用語は、本明細書中では、本発明の化合物以外の任意の成分を記載するために用いられる。賦形剤の選択は、大部分は、特定の投与方法、溶解性および安定性に及ぼす賦形剤の作用、ならびに剤形の性質といった因子に依存している。
【0040】
したがって本発明のさらなる態様として、L-酒石酸2-アミノ-N-[2-(3a-(R)-ベンジル-2-メチル-3-オキソ-2,3,3a,4,6,7-ヘキサヒドロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-イル)-1-(R)-ベンジルオキシメチル-2-オキソ-エチル]-イソブチルアミドの多形形態I、ならびに1つまたは複数の適切な賦形剤を含む医薬組成物が提供される。その組成物は、グレリン受容体活性によって媒介される病態の治療に適している。
【0041】
本発明のL-酒石酸2-アミノ-N-[2-(3a-(R)-ベンジル-2-メチル-3-オキソ-2,3,3a,4,6,7-ヘキサヒドロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-イル)-1-(R)-ベンジルオキシメチル-2-オキソ-エチル]-イソブチルアミドの多形形態Iの重量純度は、限定されるものではないが、好ましくは、本質的に純粋な多形形態が本発明の具体的実施態様で用いられうる。
【0042】
疑念を避けるために、「本質的に純粋な」という表現は、本明細書中で用いる場合、少なくとも90重量%純度を意味する。より好ましくは、「本質的に純粋な」とは、少なくとも95重量%純度を意味し、最も好ましくは少なくとも98重量%純度を意味する。
「治療」に対する本明細書中での言及は、治癒的、緩和的および予防的治療への言及を含む。
【0043】
非ヒト動物投与に関しては、「医薬、薬学的(pharmaceutical)」という用語は、本明細書中で用いる場合、「獣医学的(veterinary)」に置き換えられうる。
【0044】
本発明の多形形態の送達に適した医薬組成物、およびそれらの製造方法は、容易に当業者に明らかである。このような組成物およびそれらの製造方法は、たとえばRemington’s Pharmaceutical Sciences, 19th Edition(Mack Publishing Company, 1995);Rolf HilfikerによるPolymorphism: In the Pharmaceutical Industry (John Wiley & Sons, 2006)に見出されうる。
【0045】
経口投与
本発明の多形形態は、経口的に投与されうる。経口投与は、化合物が消化管に進入するよう嚥下、および/または化合物が口から直接血流中に侵入する頬、舌または舌下投与を包含しうる。
【0046】
経口投与に適した製剤としては、固体、半固体および液体系であり、たとえば錠剤;マルチ−またはナノ−粒子、液体または粉末を含有する軟質または硬質カプセル;ロゼンジ(たとえば液体充填);咀嚼剤;ゲル;迅速分散剤形;皮膜;卵形剤;スプレー;および頬または粘膜付着性パッチなどが挙げられる。
【0047】
液体製剤としては、懸濁液、溶液、シロップおよびエリキシルが挙げられる。このような製剤は、軟質または硬質カプセル(たとえばゼラチンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース製)中の充填剤として用いられ、そして典型的には担体、たとえば水、エタノール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、メチルセルロースまたは適切な油、ならびに1つまたは複数の乳化剤および/または懸濁化剤を含みうる。液体製剤は、たとえばサッシェ(sachet)などから得られる固体の再構成によっても製造されうる。
【0048】
本発明の多形形態Iは、たとえばLiangおよびChen、Expert Opinion in Therapeutic Patents, 11 (6), 981-986 (2001)に記載された、迅速溶解、迅速崩壊剤形にも用いられうる。
【0049】
錠剤剤形に関しては、用量によって、薬剤は剤形の1重量%〜80重量%、さらに典型的には剤形の5重量%〜60重量%を構成しうる。薬剤に加えて、錠剤は一般に崩壊剤を含有する。崩壊剤の例としては、デンプングリコール酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、微晶質セルロース、低級アルキル置換ヒドロキシプロピルセルロース、デンプン、アルファ化デンプンおよびアルギン酸ナトリウムなどが挙げられる。一般に崩壊剤は、剤形の1重量%〜25重量%、好ましくは5重量%〜20重量%を構成する。
【0050】
結合剤は一般に、錠剤の製剤に粘着性を付与するために用いられる。適切な結合剤としては、微晶質セルロース、ゼラチン、糖、ポリエチレングリコール、天然および合成ゴム、ポリビニルピロリドン、アルファ化デンプン、ヒドロキシプロピルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースが挙げられる。錠剤は、希釈剤、たとえばラクトース(一水和物、噴霧乾燥一水和物、および無水物等)、マンニトール、キシリトール、デキストロース、スクロース、ソルビトール、微晶質セルロース、デンプンおよび二塩基性リン酸カルシウム二水和物を含みうる。
錠剤は、界面活性剤、たとえばラウリル硫酸ナトリウムおよびポリソルベート80、ならびに滑沢剤、たとえば二酸化ケイ素およびタルクも任意に含みうる。それらが存在する場合、界面活性剤は錠剤の0.2重量%〜5重量%を構成し、そして滑沢剤は錠剤の0.2重量%〜1重量%を構成しうる。
【0051】
錠剤は一般に、滑剤、たとえばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリルフマル酸ナトリウム、ならびにステアリン酸マグネシウムとラウリル硫酸ナトリウムの混合物も含有する。滑剤は一般に、錠剤の0.25重量%〜10重量%、好ましくは錠剤の0.5重量%〜3重量%を構成する。
その他の可能な成分としては、酸化防止剤、着色剤、風味剤、防腐剤および味覚マスキング剤などが挙げられる。
例示的錠剤は、約80%までの薬剤、約10重量%〜約90重量%の結合剤、約0重量%〜約85重量%の希釈剤、約2重量%〜約10重量%の崩壊剤、および約0.25重量%〜約10重量%の滑剤を含有する。
【0052】
錠剤配合物は、直接的にまたはローラーにより圧縮されることにより、錠剤を形成しうる。錠剤配合物または配合物の一部分は、錠剤成形前に、代替的に、湿式、乾式または融解造粒され、融解凝結され、あるいは押し出されうる。最終製剤は1つまたは複数の層を含み、そして被覆されることもあれば、被覆されないこともある;それはさらに、カプセルに封入されうる。
【0053】
錠剤の製剤は、H. LiebermanおよびL. Lachman、Pharmaceutical Dosage Forms: Tablets, Vol. 1 (Marcel Dekker, ニューヨーク, 1980);Larry L. Augsburger およびHoag W. Stephen、Pharmaceutical Dosage Forms: Tablets, Third Edition, Volume 2: Rational Design and Formulation (Informa Healthcare,2008年6月出版)で議論されている。
【0054】
ヒトまたは獣医学的使用のための一般用経口フィルム製剤(consumable oral films)は、典型的には柔軟性水溶性または水膨潤性薄膜剤形であり、これは迅速溶解性または粘膜付着性でありうるし、典型的には本発明の多形形態、皮膜形成ポリマー、結合剤、溶媒、保湿剤、可塑剤、安定剤または乳化剤、粘度改質剤および溶媒を含む。製剤のいくつかの構成成分は、1つの機能より多くを実現しうる。
【0055】
本発明の多形形態Iは、水溶性または水不溶性でありうる。水溶性化合物は、典型的には1重量%〜80重量%、さらに典型的には20重量%〜50重量%の溶質を含んでもよい。溶解性の低い化合物は、組成物のより大きい割合、すなわち典型的には88重量%までの溶質を含みうる。別の方法として、本発明の多形形態Iは、多粒子ビーズの形態でありうる。
【0056】
皮膜形成ポリマーは、天然多糖、タンパク質または合成親水コロイドから選択されうるが、典型的には0.01〜99重量%の範囲で、さらに典型的には30〜80重量%の範囲で存在する。
【0057】
その他の考えうる成分としては、酸化防止剤、着色剤、風味剤および風味増強剤、防腐剤、唾液分泌刺激剤、冷却剤、補助溶媒(たとえば油を含む)、皮膚軟化剤、膨化剤、消泡剤、界面活性剤および味覚マスキング剤などが挙げられる。
【0058】
本発明の皮膜は、典型的には、剥脱可能な裏張り支持体または紙上に被覆される水性薄膜の蒸発乾燥により製造される。
【0059】
これは、乾燥オーブンまたは横穴(tunnel)、典型的には複合コーティング乾燥機(a combined coater dryer)中で、あるいは凍結乾燥または真空処理により実行されうる。
【0060】
経口投与のための固体製剤は、即時および/または調節放出するよう製剤化されうる。放出調節製剤としては、遅延放出、持続放出、パルス化放出、制御放出、標的化放出およびプログラム化放出などが挙げられる。
【0061】
本発明の目的のための適切な放出調節製剤は、米国特許第6,106,864号に記載されている。その他の適切な放出技法、たとえば高エネルギー分散および浸透性および被覆粒子の詳細は、Vermaら、Pharmaceutical Technology On-line, 25(2), 1-14, (2001)に見出される。制御放出を達成するためのチューイングガムの使用は、WO 00/35298に記載されている。
【0062】
非経口投与
本発明の多形形態Iはまた、血流中、筋肉中、または内部器官中に直接投与されうる。非経口投与のための適切な手段としては、静脈内、動脈内、腹腔内、鞘内、心室内、尿道内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内、滑膜内および皮下が挙げられる。非経口投与のための適切な用具としては、針(たとえば微小針を含む)注射器、無針注射器および注入技法が挙げられる。
【0063】
非経口製剤は、典型的には、賦形剤、たとえば塩、炭水化物および緩衝剤(好ましくはpH 3〜9である)を含有しうる水溶液であるが、いくつかの用途のためには、それらは、滅菌非水性溶液として、または適切なベヒクル、たとえば滅菌水、発熱物質除去水とともに用いられるための乾燥形態としてより適切に製剤化されうる。
【0064】
たとえば凍結乾燥による滅菌条件下での非経口製剤の製造は、当業者に周知の標準製薬技術を用いて容易に成し遂げられうる。
【0065】
非経口投与のための製剤は、即時および/または調節放出するよう製剤化されうる。放出調節製剤としては、遅延放出、持続放出、パルス化放出、制御放出、標的化放出およびプログラム化放出などが挙げられる。したがって本発明の多形形態Iは、懸濁液として、あるいは活性化合物の調節放出を提供する埋め込みデポー剤として投与するための固体、半固体または揺変性液体として製剤化されうる。このような製剤の例としては、薬剤被覆ステントならびに薬剤充填ポリ(乳酸‐コ‐グリコール酸)(PLGA)微小球からなる半固体および懸濁液などが挙げられる。
【0066】
局所投与
本発明の多形形態Iはまた、局所的、皮膚(皮膚内)的、または経皮的に、皮膚または粘膜に投与されうる。この目的のための典型的な製剤としては、ゲル、ヒドロゲル、ローション、溶液、クリーム、軟膏、汗取りパウダー、仕上げ剤、発泡剤、皮膜、皮膚パッチ、ウエハース、移植片、スポンジ、繊維、包帯およびマイクロ乳濁液が挙げられる。リポソームも用いられうる。典型的な担体としては、アルコール、水、鉱油、流動ワセリン、白色ワセリン、グリセリン、ポリエチレングリコールおよびプロピレングリコールが挙げられる。浸透増強剤が組入れられうる(たとえばFinninおよびMorgan、J Pharm Sci, 88(10), 955-958(October 1999)参照)。
【0067】
局所投与のその他の手段としては、電気穿孔、イオン導入法、音波導入法(phonophoresis)、超音波導入法(sonophoresis)および顕微針または無針(たとえばPowderject(商標)、Bioject(商標)等)注射による送達が挙げられる。局所投与は、パッチ、たとえば経皮イオン導入パッチを用いても達成されうる。
【0068】
局所投与のための製剤は、即時および/または調節放出するよう製剤化されうる。放出調節製剤としては、遅延放出、持続放出、パルス化放出、制御放出、標的化放出およびプログラム化放出が挙げられる。
【0069】
本発明の多形形態Iは、典型的には乾燥粉末吸入器からの乾燥粉末(単独で、たとえばラクトースとの乾燥配合物中で混合物として、またはたとえばリン脂質、たとえばホスファチジルコリンと混合された混合構成成分粒子として)の形態で、適切な噴射推進剤(propellant)、たとえば1,1,1,2−テトラフルオロエタンまたは1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパンの使用を伴って、または伴わずに、加圧容器、ポンプ、スプレー、噴霧器(atomizer)(好ましくは微細霧を生成するために電気流体力学を用いた噴霧器)または吸入器(nebulizer)からのエアロゾル噴霧として、あるいは点鼻薬として、鼻内に、または吸入によっても投与されうる。鼻内使用のために、粉末は、生体接着剤、たとえばキトサンまたはシクロデキストリンを含みうる。
【0070】
加圧容器、ポンプ、スプレー、噴霧器、または吸入器は、有効成分、溶媒としての噴射推進剤、および任意の界面活性剤、たとえばトリオレイン酸ソルビタン、オレイン酸またはオリゴ乳酸の分散、可溶化または放出延長のためにたとえばエタノール、水性エタノール、または適切な代替物質を含む本発明の多形形態の溶液または懸濁液を含有する。
【0071】
乾燥粉末または懸濁液製剤中で用いる前に、薬剤製品は、吸入による送達に適したサイズ(典型的には5ミクロン未満)に微粉状にされる。これは、任意の適切な微粉砕方法、たとえば渦巻きジェット粉砕、流動床ジェット粉砕、ナノ粒子を生成するための超臨界流体処理、高圧均質化、または噴霧乾燥により達成されうる。
【0072】
吸入器または吹付け器中で用いるためのカプセル(たとえばゼラチンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースから作製される)、ブリスターおよびカートリッジは、本発明の化合物、適切な粉末基剤、たとえばラクトースまたはデンプン、ならびに性能改質剤、たとえばL−ロイシン、マンニトールまたはステアリン酸マグネシウムの粉末混合物を含有するよう製剤化されうる。ラクトースは、無水であるか、または一水和物の形態でありうるが、好ましくは後者である。他の適切な賦形剤としては、デキストラン、グルコース、マルトース、ソルビトール、キシリトール、フルクトース、スクロースおよびトレハロースが挙げられる。
【0073】
微細霧を生成するために電気流体力学を用いた噴霧器中で用いるための適切な溶液製剤は、一動作当たり1 μg〜20 mgの本発明の化合物を含有し、そして動作容積は1 μL〜100 μLまで変わりうる。典型的製剤は、本発明による多形形態、プロピレングリコール、滅菌水、エタノールおよび塩化ナトリウムを含みうる。プロピレングリコールの代わりに用いられうる代替溶媒としては、グリセロールおよびポリエチレングリコールなどが挙げられる。
【0074】
適切な風味剤、たとえばメタノールおよびレボメタノール、または甘味剤、たとえばサッカリンもしくはサッカリンナトリウムは、吸入/鼻内投与を意図した本発明の製剤に付加されうる。
【0075】
吸入/鼻内投与のための製剤は、たとえばPLGAを用いて、即時および/または調節放出するよう製剤化されうる。放出調節製剤としては、遅延放出、持続放出、パルス化放出、制御放出、標的化放出およびプログラム化放出が挙げられる。
【0076】
乾燥粉末吸入器およびエアロゾルの場合、投与量単位は、計測量を送達する弁により決定される。本発明による単位は、典型的には1 μg〜20 mgのL-酒石酸2-アミノ-N-[2-(3a-(R)-ベンジル-2-メチル-3-オキソ-2,3,3a,4,6,7-ヘキサヒドロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-イル)-1-(R)-ベンジルオキシメチル-2-オキソ-エチル]-イソブチルアミドの多形形態Iを含有する計測用量または「パフ」を投与するよう調整される。総1日用量は、典型的には1 μg〜100 mgの範囲であり、これは1回用量で、またはさらに通常では、1日を通して分割用量として投与されうる。
【0077】
直腸/膣内投与
本発明の多形形態Iは、直腸にまたは膣に、たとえば座薬、ペッサリーまたは浣腸の形態で投与されうる。ココアバターは伝統的な座薬基剤であるが、しかし種々の代替物が、適宜用いられうる。
【0078】
直腸/膣投与のための製剤は、即時および/または調節放出するよう製剤化されうる。放出調節製剤としては、遅延放出、持続放出、パルス化放出、制御放出、標的化放出およびプログラム化放出が挙げられる。
【0079】
眼/耳投与
本発明の多形形態Iはまた、典型的には等張pH調整滅菌生理食塩水中の微粒化懸濁液または溶液の点薬の形態で、眼または耳に直接投与されうる。眼および耳投与に適したその他の製剤としては、軟膏、ゲル、生分解性(たとえば吸収性ゲル、スポンジ、コラーゲン)および非生分解性(たとえばシリコーン)移植片、ウエハース、レンズおよび粒状または小胞状系、たとえばニオソームまたはリポソームが挙げられる。ポリマー、たとえば架橋ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ヒアルロン酸、セルロース系ポリマー、たとえばヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースまたはメチルセルロース、あるいはヘテロ多糖ポリマー、たとえばゲランゴムは、防腐剤、たとえば塩化ベンズアルコニウムと一緒に組入れられうる。このような製剤も、イオン導入法により送達されうる。
【0080】
眼/耳投与のための製剤は、即時および/または調節放出するよう製剤化されうる。放出調節製剤としては、遅延放出、持続放出、パルス化放出、制御放出、標的化放出およびプログラム化放出が挙げられる。
【0081】
その他の技法
本発明の多形形態Iは、上記の投与方式のいずれかに用いるために、それらの溶解性、溶解速度、味覚マスキング性、生物学的利用能および/または安定性を改良するために、可溶性高分子物質、たとえばシクロデキストリンおよびその適切な誘導体、またはポリエチレングリコール含有ポリマーと組み合わされうる。
たとえば薬剤−シクロデキストリン複合体は、ほとんどの剤形および投与経路のために一般に有用であることが判明している。包接および非包接複合体の両方が用いられうる。薬剤との直接複合体生成に代わるものとして、シクロデキストリンが補助添加物として、すなわち担体、希釈剤または可溶化剤として用いられうる。これらの目的のために最も一般的に用いられるのは、α−、β−およびγ−シクロデキストリンであり、その実例は、国際公開公報WO 91/11172、WO 94/02518、WO 98/55148およびEvrard, B.ら, Journal of Controlled Release 96 (3), pp. 403-410, 2004に見出されうる。
【0082】
投与量
グレリン受容体活性により媒介される病態を治療または予防するために、本発明の多形形態Iの適切な投与量レベルは、活性化合物として1日あたり約0.0001〜1000 mg、好ましくは1日あたり約0.001〜100 mg、より好ましくは1日あたり約0.005〜50 mg、最も好ましくは1日あたり1〜50 mgである。本化合物は、1日1〜4回の投与計画で投与することができる。しかし、いくつかのケースでは、これらの制限外の用量を使用することもできる。
【0083】
これらの投与量は、約60 kg〜70 kgの体重を有する平均ヒト被験者を基礎にしている。医師は、その体重がこの範囲外である被験者、たとえば幼児および高齢者に関する用量を容易に決定しうる。疑念を避けるために、「治療」に対する本明細書中での言及は、治癒的、緩和的および予防的治療への言及を含んでいる。
【0084】
本発明の多形形態Iはまた、特にグレリン受容体活性により媒介される病態の治療のために、もう1つの薬理学的活性化合物と、あるいは2つまたはそれ以上のその他の薬理学的活性化合物と、任意に組み合わされうる。たとえば上記のような本発明の多形形態Iは、以下のものから選択される1つまたは複数の作用物質と組み合わせて、同時的に、逐次的にまたは別個に投与されうる:
【0085】
・オピオイド鎮痛薬、たとえば、モルヒネ、ヘロイン、ヒドロモルホン、オキシモルホン、レボルファノール、レバロルファン、メタドン、メペリジン、フェンタニル、コカイン、コデイン、ジヒドロコデイン、オキシコドン、ヒドロコドン、プロポキシフェン、ナルメフェン、ナロルフィン、ナロキソン、ナルトレキソン、ブプレノルフィン、ブトルファノール、ナルブフィン、またはペンタゾシン;
【0086】
・非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、たとえば、アスピリン、ジクロフェナク、ジフルシナル、エトドラク、フェンブフェン、フェノプロフェン、フルフェニサール、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、ケトロラク、メクロフェナム酸、メフェナム酸、メロキシカム、ナブメトン、ナプロキセン、ニメスリド、ニトロフルルビプロフェン、オルサラジン、オキサプロジン、フェニルブタゾン、ピロキシカム、スルファサラジン、スリンダク、トルメチン、またはゾメピラク;
【0087】
・バルビツール酸系鎮静薬、たとえば、アモバルビタール、アプロバルビタール、ブタバルビタール、ブタルビタール、メホバルビタール、メタルビタール、メトヘキシタール、ペントバルビタール、フェノバルビタール、セコバルビタール、タルブタール、チアミラール、またはチオペンタール;
【0088】
・鎮静作用を有するベンゾジアゼピン、たとえば、クロルジアゼポキシド、クロラゼペート、ジアゼパム、フルラゼパム、ロラゼパム、オキサゼパム、テマゼパム、またはトリアゾラム;
【0089】
・鎮静作用を有するH1拮抗薬、たとえば、ジフェンヒドラミン、ピリラミン、プロメタジン、クロルフェニラミン、またはクロルシクリジン;
・鎮静薬、たとえばグルテチミド、メプロバメート、メタカロン、またはジクロラルフェナゾン;
【0090】
・骨格筋弛緩薬、たとえば、バクロフェン、カリソプロドール、クロルゾキサゾン、シクロベンザプリン、メトカルバモール、またはオルフェナドリン;
【0091】
・NMDA受容体拮抗薬、たとえば、デキストロメトルファン((+)−3−ヒドロキシ−N−メチルモルフィナン)、またはその代謝物であるデキストロルファン((+)−3−ヒドロキシ−N−メチルモルフィナン)、ケタミン、メマンチン、ピロロキノリンキニン、シス−4−(ホスホノメチル)−2−ピペリジンカルボン酸、ブジピン、EN−3231(MorphiDex(登録商標):モルヒネとデキストロメトルファンとの配合製剤)、トピラマート、ネラメキサン、またはNR2B拮抗薬を含むペルジンホテル、たとえば、イフェンプロジル、トラキソプロジル、または(−)−(R)−6−{2−[4−(3−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−1−ピペリジニル]−1−ヒドロキシエチル−3,4−ジヒドロ−2(1H)−キノリノン;
【0092】
・アルファアドレナリン作動薬、たとえば、ドキサゾシン、タムスロシン、クロニジン、グアンファシン、デキスメデトミジン、モダフィニル、または4−アミノ−6,7−ジメトキシ−2−(5−メタン−スルホンアミド−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノール−2−イル)−5−(2−ピリジル)キナゾリン;
【0093】
・三環系抗うつ薬、たとえば、デシプラミン、イミプラミン、アミトリプチリン、またはノルトリプチリン;
【0094】
・抗けいれん薬、たとえば、カルバマゼピン、ラモトリギン、トピラマート、またはバルプロ酸塩;
【0095】
・タキキニン(NK)拮抗薬、具体的には、NK−3、NK−2、またはNK−1拮抗薬、たとえば(αR,9R)−7−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−8,9,10,11−テトラヒドロ−9−メチル−5−(4−メチルフェニル)−7H−[1,4]ジアゾシノ[2,1−g][1,7]−ナフチリジン−6−13−ジオン(TAK−637)(本明細書ではシンボル「α」は「アルファ」と記載されることがある)、5−[[(2R,3S)−2−[(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エトキシ−3−(4−フルオロフェニル)−4−モルホリニル]−メチル]−1,2−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン(MK−869)、アプレピタント、ラネピタント、ダピタント、または3−[[2−メトキシ−5−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−メチルアミノ]−2−フェニルピペリジン(2S,3S);
【0096】
・ムスカリン拮抗薬、たとえば、オキシブチニン、トルテロジン、プロピベリン、塩化トロスピウム、ダリフェナシン、ソリフェナシン、テミベリン、およびイプラトロピウム;
【0097】
・COX−2選択的阻害薬、たとえば、セレコキシブ、ロフェコキシブ、パレコキシブ、バルデコキシブ、デラコキシブ、エトリコキシブ、またはルミラコキシブ;
【0098】
・コールタール鎮痛薬、具体的には、パラセタモール;
【0099】
・神経弛緩薬、たとえば、ドロペリドール、クロルプロマジン、ハロペリドール、ペルフェナジン、チオリダジン、メソリダジン、トリフルオペラジン、フルフェナジン、クロザピン、オランザピン、リスペリドン、ジプラシドン、クエチアピン、セルチンドール、アリピプラゾール、ソネピプラゾール、ブロナンセリン、イロペリドン、ペロスピロン、ラクロプリド、ゾテピン、ビフェプルノックス、アセナピン、ルラシドン、アミスルプリド、バラペリドン、パリンドレ、エプリバンセリン、オサネタント、リモナバント、メクリネルタント、ミラキソン(Miraxion)(登録商標)、またはサリゾタン;
【0100】
・バニロイド受容体作動薬(たとえば、レシニフェラトキシン)または拮抗薬(たとえば、カプサゼピン);
【0101】
・一過性受容体電位陽イオンチャネルのサブタイプ(V1、V2、V3、V4、M8、A1)アゴニストまたはアンタゴニスト;
【0102】
・β−アドレナリン作動薬、たとえば、プロプラノロール;
【0103】
・局所麻酔薬、たとえば、メキシレチン;
【0104】
・コルチコステロイド、たとえば、デキサメタゾン;
【0105】
・5−HT受容体作動薬または拮抗薬、特に、5−HT1B/1D作動薬、たとえば、エレトリプタン、スマトリプタン、ナラトリプタン、ゾルミトリプタン、またはリザトリプタン;
【0106】
・5−HT2A受容体拮抗薬、たとえば、R(+)−α−(2,3−ジメトキシ−フェニル)−1−[2−(4−フルオロフェニルエチル)]−4−ピペリジンメタノール(MDL−100907);
【0107】
・コリン作動薬(ニコチン)鎮痛薬、たとえば、イスプロニクリン(TC−1734)、(E)−N−メチル−4−(3−ピリジニル)−3−ブテン−1−アミン(RJR−2403)、(R)−5−(2−アゼチジニルメトキシ)−2−クロロピリジン(ABT−594)、またはニコチン;
【0108】
・トラマドール(Tramadol)(登録商標);
【0109】
・PDEV阻害薬、たとえば、5−[2−エトキシ−5−(4−メチル−1−ピペラジニル−スルホニル)フェニル]−1−メチル−3−n−プロピル−1,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(シルデナフィル)、(6R,12aR)−2,3,6,7,12,12a−ヘキサヒドロ−2−メチル−6−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−ピラジノ[2’,1’:6,1]−ピリド[3,4−b]インドール−1,4−ジオン(IC−351またはタダラフィル)、2−[2−エトキシ−5−(4−エチル−ピペラジン−1−イル−1−スルホニル)−フェニル]−5−メチル−7−プロピル−3H−イミダゾ[5,1−f][1,2,4]トリアジン−4−オン(バルデナフィル)、5−(5−アセチル−2−ブトキシ−3−ピリジニル)−3−エチル−2−(1−エチル−3−アゼチジニル)−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン、5−(5−アセチル−2−プロポキシ−3−ピリジニル)−3−エチル−2−(1−イソプロピル−3−アゼチジニル)−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン、5−[2−エトキシ−5−(4−エチルピペラジン−1−イルスルホニル)ピリジン−3−イル]−3−エチル−2−[2−メトキシエチル]−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン、4−[(3−クロロ−4−メトキシベンジル)アミノ]−2−[(2S)−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル]−N−(ピリミジン−2−イルメチル)ピリミジン−5−カルボキサミド、3−(1−メチル−7−オキソ−3−プロピル−6,7−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−5−イル)−N−[2−(1−メチルピロリジン−2−イル)エチル]−4−プロポキシベンゼンスルホンアミド;
【0110】
・α−2−デルタリガンド、たとえば、ガバペンチン、プレガバリン、3−メチルガバペンチン、(1α,3α,5α)(3−アミノ−メチル−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−3−イル)−酢酸、(3S,5R)−3−アミノメチル−5−メチル−ヘプタン酸、(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−ヘプタン酸、(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−オクタン酸、(2S,4S)−4−(3−クロロフェノキシ)プロリン、(2S,4S)−4−(3−フルオロベンジル)−プロリン、[(1R,5R,6S)−6−(アミノメチル)ビシクロ[3.2.0]ヘプト−6−イル]酢酸、3−(1−アミノメチル−シクロヘキシルメチル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン、C−[1−(1H−テトラゾール−5−イルメチル)−シクロヘプチル]−メチルアミン、(3S,4S)−(1−アミノメチル−3,4−ジメチル−シクロペンチル)−酢酸、(3S,5R)−3−アミノメチル−5−メチル−オクタン酸、(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−ノナン酸、(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−オクタン酸、(3R,4R,5R)−3−アミノ−4,5−ジメチル−ヘプタン酸、および(3R,4R,5R)−3−アミノ−4,5−ジメチル−オクタン酸;
【0111】
・カンナビノイド;
【0112】
・代謝型グルタミン酸サブタイプ1受容体(mGluR1)拮抗薬;
【0113】
・セロトニン再取り込み阻害薬、たとえば、セルトラリン、セルトラリンの代謝物であるデメチルセルトラリン、フルオキセチン、ノルフルオキセチン(フルオキセチンのデスメチル代謝物)、フルボキサミン、パロキセチン、シタロプラム、シタロプラムの代謝物であるデスメチルシタロプラム、エスシタロプラム、d,l−フェンフルラミン、フェモキセチン、イホキセチン、シアノドチエピン、リトキセチン、ダポキセチン、ネファゾドン、セリクラミン、およびトラゾドン;
【0114】
・ノルアドレナリン(ノルエピネフリン)再取り込み阻害薬、たとえば、マプロチリン、ロフェプラミン、ミルタザピン、オキサプロチリン、フェゾラミン、トモキセチン、ミアンセリン、ブプロプリオン、ブプロプリオンの代謝物であるヒドロキシブプロプリオン、ノミフェンシン、およびビロキサジン(Vivalan(登録商標))、特に、レボキセチンなどの選択的ノルアドレナリン再取り込み阻害薬、具体的には、(S,S)−レボキセチン;
【0115】
・デュアルセロトニン−ノルアドレナリン再取り込み阻害薬、たとえば、ベンラファキシン、ベンラファキシンの代謝物であるO−デスメチルベンラファキシン、クロミプラミン、クロミプラミンの代謝物であるデスメチルクロミプラミン、デュロキセチン、ミルナシプラン、およびイミプラミン;
【0116】
・誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS)阻害薬、たとえば、S−[2−[(1−イミノエチル)アミノ]エチル]−L−ホモシステイン、S−[2−[(1−イミノエチル)−アミノ]エチル]−4,4−ジオキソ−L−システイン、S−[2−[(1−イミノエチル)アミノ]エチル]−2−メチル−L−システイン、(2S,5Z)−2−アミノ−2−メチル−7−[(1−イミノエチル)アミノ]−5−ヘプテン酸、2−[[(1R,3S)−3−アミノ−4−ヒドロキシ−1−(5−チアゾリル)−ブチル]チオ]−5−クロロ−3−ピリジンカルボニトリル;2−[[(1R,3S)−3−アミノ−4−ヒドロキシ−1−(5−チアゾリル)ブチル]チオ]−4−クロロベンゾニトリル、(2S,4R)−2−アミノ−4−[[2−クロロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]チオ]−5−チアゾールブタノール、2−[[(1R,3S)−3−アミノ−4−ヒドロキシ−1−(5−チアゾリル)ブチル]チオ]−6−(トリフルオロメチル)−3−ピリジンカルボニトリル、2−[[(1R,3S)−3−アミノ−4−ヒドロキシ−1−(5−チアゾリル)ブチル]チオ]−5−クロロベンゾニトリル、N−[4−[2−(3−クロロベンジルアミノ)エチル]フェニル]チオフェン−2−カルボキサミジン、またはグアニジノエチルジスルフィド;
【0117】
・アセチルコリンエステラーゼ阻害薬、たとえば、ドネペジル;
【0118】
・プロスタグランジンE2サブタイプ4(EP4)拮抗薬、たとえば、N−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)−カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド、または4−[(1S)−1−({[5−クロロ−2−(3−フルオロフェノキシ)ピリジン−3−イル]カルボニル}アミノ)エチル]安息香酸;
【0119】
・ロイコトリエンB4拮抗薬、たとえば、1−(3−ビフェニル−4−イルメチル−4−ヒドロキシ−クロマン−7−イル)−シクロペンタンカルボン酸(CP−105696)、5−[2−(2−カルボキシエチル)−3−[6−(4−メトキシフェニル)−5E−ヘキセニル]オキシフェノキシ]−吉草酸(ONO−4057)、またはDPC−11870;
【0120】
・5−リポキシゲナーゼ阻害薬、たとえばジレウトン、6−[(3−フルオロ−5−[4−メトキシ−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル])フェノキシ−メチル]−1−メチル−2−キノロン(ZD−2138)、または2,3,5−トリメチル−6−(3−ピリジルメチル)、1,4−ベンゾキノン(CV−6504);
【0121】
・ナトリウムチャネル遮断薬、たとえば、リドカイン;
【0122】
・カルシウムチャネル遮断薬、たとえば、ジコノチド(ziconotide)、ゾニサミド、ミベフラジル;
【0123】
・5−HT3拮抗薬、たとえば、オンダンセトロン;
・化学療法薬、たとえば、オキサリプラチン、5−フルオロウラシル、ロイコボリン、パクリタキセル;
・カルシトニン遺伝子関連タンパク(CGRP)拮抗薬;
・ブラジキニン(BK1およびBK2)拮抗薬;
・電圧依存性ナトリウム依存性チャネル遮断薬(Nav1.3, Nav1.7, Nav1.8);
・電圧依存性カルシウムチャネル遮断薬 (N-型, T-型) ;
・P2X(イオンチャネル型ATP受容体)拮抗薬;
・酸感受性イオンチャネル(ASIC1a、ASIC3)拮抗薬;
・アンジオテンシンAT2拮抗薬;
・ケモカインCCR2B受容体拮抗薬;
・カテプシン(B、S、K)阻害剤;
・シグマ1受容体作動薬または拮抗薬;
【0124】
ならびに、薬学的に許容されるこれらの塩および溶媒和物。
【0125】
このような併用により、治療において相乗効果を含む優れた効果を発揮する。
【0126】
併用薬およびキット:
本発明の一実施態様は、本発明の多形形態および疾患用薬(これは本発明の多形形態とは異なる)の併用である。
本発明の「併用」は、「固定の併用(fix combination)」または「パーツの併用キット(kit of parts combination)」として存在することができる。「固定の併用」は、(i)少なくとも1つの疾患用薬(これは本発明の多形形態Iとは異なる);および(ii)多形形態Iが1つの単位中に存在する併用として定義される。「パーツの併用キット」は、(i)少なくとも1つの疾患用薬(これは本発明の多形形態とは異なる);および(ii)多形形態Iが複数の単位中に存在する併用として定義される。「パーツの併用キット」の成分は、同時に、順次に、または別々に投与することができる。本発明にしたがって使用される疾患用薬(これは本発明の多形形態とは異なる)に対する多形形態のモル比は、1:100〜100:1まで、たとえば1:50〜50:1まで、または1:20〜20:1まで、または1:10〜10:1までの範囲内にある。2つの薬物は、同じ比率で別々に投与することができる。
【0127】
本発明は、グレリン受容体活性により媒介される病態の治癒的、予防的または緩和的治療における同時的、分離的または逐次的使用のための、L-酒石酸2-アミノ-N-[2-(3a-(R)-ベンジル-2-メチル-3-オキソ-2,3,3a,4,6,7-ヘキサヒドロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-イル)-1-(R)-ベンジルオキシメチル-2-オキソ-エチル]-イソブチルアミドの多形形態I、ならびに1つまたは複数の治療薬(たとえば上記のもの)を含む併用に及ぶ。
【0128】
実施例
以下の実施例は単に参照のためであるに過ぎない。
【0129】
分析
【0130】
粉末X線回析(PXRD)
PXRD分析は、Cu−Kα放射線照射を用いる理学(Rigaku)RINT-TTR X線粉末回析計を用いて実施する。サンプルはまた、可変-温度試料ホルダーの付属品を用いて、高温/低温状態の下で測ることができる。計器は、合焦点X線管を装備される。管電圧およびアンペア数を、それぞれ50 kVおよび300 mAに設定する。発散および散乱スリットを0. 5°に設定し、受信スリットを0.15 mmに設定した。NaIシンチレーション検出器により、回析放射線を検出する。3〜40(2θ°)、4°/分(ステップ幅0.02°)でθ-2θの連続走査を用いる。ケイ素標準を分析して、機械調整を検査する。データを収集し、理学(Rigaku)X線系を用いて分析する。試料は、データ獲得中に60 rpmで水平に回転するアルミニウム試料ホルダー中に入れ、分析用に調製する。
【0131】
熱重量/示差熱分析(TG/DTA)
TG/DTAはセイコー(Seiko)6200Rシステムを使用して行なう。試料をアルミニウムTG/DTAパンに置く。各サンプルを窒素パージ下、300℃の最終温度まで5℃/分の速度で加熱する。金属インジウムを校正標準として使用する。報告値は概数であり、したがって近似的とみなされるべきである。
【0132】
示差走査熱量測定(DSC)
メトラートレド(Mettler Toledo)DSC822を用いて、示差走査熱量測定(DSC)を実施する。試料をアルミニウムDSCパン中に入れて、重量を正確に記録する。パンは、ピンホールを有する蓋を被せ、そして次に蓋をしめる。各試料を窒素パージ下で220℃の最終温度まで、5℃/分の速度で加熱する。金属インジウムを校正標準として用いる。報告値は概数であり、したがって近似的とみなされるべきである。
【0133】
FT−IR分光法
赤外線スペクトルは、黒色被覆加熱電線ビーム光源、臭化カリウム(KBr)ビーム分割器上に被覆されたゲルマニウム、および高感度焦電検出器(DLATGS)を備えた島津IR Prestage-21(FT−IR)分光光度計で得る。各スペクトルは、4 cm-1のスペクトル分解能で収集された40同時付加走査を表す。試料の調製は、試料およびKBrから作成したKBr円板を置くことからなる。試料を含有しないKBrのブランク円板でバックグラウンドのデータセットを得る。対応するお互いのこれら2つのデータセットの比率を出すことにより、LogMR(R=反射率)スペクトルを得る。波長校正はポリスチレンを用いて実施する。報告値は概数であり、したがって近似的とみなされるべきである。
【0134】
動的蒸気収着分析(DVS)による吸湿性試験
吸湿性試験は、表面測定システムDVS-1を用いて行う。サンプルは機器内の微量天秤に置き、25℃における吸着/脱着サイクル中の重量変化をモニターする。収着/脱着プログラムの一つは、0〜95%の相対湿度(RH)吸着スキャンおよび95〜10%RHの脱着スキャンから構成される。その他は、40〜95%RHの吸着スキャンおよび95〜0%RHの脱着スキャン、それに続く0〜40%RHの第二吸着スキャンから構成される。両方のプログラムは、5%RH刻みで行われ、試料を360分間か、または平衡が各ステップで達成されるまで平衡化させる。DVS実験の終わりに、試料をPXRDにより測定する。
【0135】
核磁気共鳴(NMR)
NMRデータは、特に明示しない限り、溶媒として重水素化クロロホルム(99.8%D)またはジメチルスルホキシド(99.9%D)を用いて270MHz(JEOL JNM-LA 270分光計)、または300MHz(JEOL JNM-LA 300分光計)で測定し、データは、内部標準としてのテトラメチルシラン(TMS)に対して、parts per million(ppm)で示す。使用した慣用略語は、s=一重線、d=二重線、t=三重線、q=四重線、m=多重線、br=ブロードなどである。
【0136】
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)測定
HPLCデータは、2996 PDA検出器を備えたWaters Alliance2695 HPLCシステムによって、以下の条件を使用して得る。
カラム:Inertsil ODS-3(3μm、4.6×150 mm)、
溶出液:アセトニトリル/10mM酢酸アンモニウム=32:68、
検出:215 nmにおけるUV、
流速:1mL/分、および
カラム温度:40℃。
データ処理はWaters社から供給されるEmpower 2ソフトウェアを用いて行う。
【0137】
化学記号は、M(モル/リットル)、L(リットル)、mL(ミリリットル)、g(グラム)、mg(ミリグラム)、mol(モル)、mmol(ミリモル)の通常の意味である。
【0138】
実施例1
2-アミノ-N-[2-(3a-(R)-ベンジル-2-メチル-3-オキソ-2,3,3a,4,6,7-ヘキサヒドロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-イル)-1-(R)-ベンジルオキシメチル-2-オキソ-エチル]-イソブチルアミドの製造
この化合物は、WO97/024369に記載された従来の方法に従って合成される。
【0139】
実施例2
2-アミノ-N-[2-(3a-(R)-ベンジル-2-メチル-3-オキソ-2,3,3a,4,6,7-ヘキサヒドロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-イル)-1-(R)-ベンジルオキシメチル-2-オキソ-エチル]-イソブチルアミドの製造
この化合物は、EP-1031575に記載された従来の方法に従って合成される。
【0140】
実施例3
L-酒石酸2-アミノ-N-[2-(3a-(R)-ベンジル-2-メチル-3-オキソ-2,3,3a,4,6,7-ヘキサヒドロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-イル)-1-(R)-ベンジルオキシメチル-2-オキソ-エチル]-イソブチルアミドの多形形態Iの製造
実施例1の方法によって得られた2-アミノ-N-[2-(3a-(R)-ベンジル-2-メチル-3-オキソ-2,3,3a,4,6,7-ヘキサヒドロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-イル)-1-(R)-ベンジルオキシメチル-2-オキソ-エチル]-イソブチルアミドの混合物(1.0モル当量)を酢酸エチルに溶解する。有機層を精製水で抽出、および/またはろ過する。メタノール中のL-酒石酸(1.0モル当量)の溶液を添加し、混合する。溶液を加熱し、メタノール/酢酸エチルを蒸留により除去する。イソプロパノールを加え、得られた溶液を加熱還流し、所望の多形に変換する。固体を単離し、洗浄し、真空下で乾燥し、表題化合物の塩を得る。
メタノールの代わりに、イソプロパノール中のL-酒石酸の溶液を使用しても、以下の特徴を有する同一の結晶を与える。
融点(DSC開始): 177℃。
PXRDによる結晶性:結晶(図1)。2-θ°における主要ピーク:4.4, 10.2, 12.5, 13.2, 13.7, 16.4, 16.6, 18.5, 19.3および21.7。それぞれのピークは+/- 0.2の誤差範囲を有する。
MS(FAB)m/z:506 (M+H) +、m/z 421、263、および244で観測された追加的なピークを有する。
IR (KBr):3349, 3107, 3036, 2983, 2870, 2770, 2526, 1705, 1662, 1625, 1531, 1454, 1442, 1220, 1132, 1109, 1089および704 cm-1
元素分析、C28H35N5O4 C4H6O6に対する計算値: C, 58.6; H, 6.3; N, 10.7。観測値: C, 58.6; H, 6.4; N, 10.8。
【0141】
実施例4
[吸湿性試験]
動的蒸気収着(DVS)分析による吸湿性試験では、多形形態Iは、25℃、40%、80%、および90%相対湿度(RH)下で、2%未満の水分増加であり、実施例2で製造された化合物と比較して良好な結果を示す。
【0142】
実施例5
[安定性試験]
固体状態の安定性試験は、長野サイエンス一定温度/湿度制チャンバー(Nagano Science Constant temperature/humidity control chamber)LH-20-11M、LH-21-11M、LTL-200D3CJ-14またはLTX-01を使用して行なう。試料をチャンバーに入れ、25℃/60%RH、40℃/75%RHおよび/またはキセノンランプ照射下で露光する。露光または照射後、得られた試料の結晶形態、熱的挙動、純度および/または重量変化をそれぞれXRPD、TG/DTAまたはDSC、HPLC、微量天秤により評価する。
多形形態Iは、実施例2で製造された化合物と比較して安定であることがわかる。
【0143】
実施例6
[溶解性試験]
多形形態IはpH 5以下の水性緩衝液中で良好な溶解性(>300 mg/mL)を示す。
【0144】
実施例7
[光安定性試験]
光安定性用の試料を石英ガラスカバーを備えた開放系の皿、および、ガーゼで覆われた開放丸型アンバーガラス瓶に保存されている25℃/60% RHおよび40℃/75% RH試料の第二のセットに保存する。
要約すると、3ヶ月の間に多形形態Iを保存中に、外観、X線回折パターン、赤外線スペクトル中に有意な変化は見られない。3ヶ月にわたって、力価の有意な損失は、安定性試料のいずれについても観察されない。
図1