特許第6337338号(P6337338)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6337338
(24)【登録日】2018年5月18日
(45)【発行日】2018年6月6日
(54)【発明の名称】シート剥離装置及びシート剥離方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20180528BHJP
【FI】
   H01L21/68 N
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-117545(P2014-117545)
(22)【出願日】2014年6月6日
(65)【公開番号】特開2015-231011(P2015-231011A)
(43)【公開日】2015年12月21日
【審査請求日】2017年2月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000102980
【氏名又は名称】リンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129849
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 雅一
(74)【代理人】
【識別番号】100102130
【弁理士】
【氏名又は名称】小山 尚人
(72)【発明者】
【氏名】中田 幹
【審査官】 儀同 孝信
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−004290(JP,A)
【文献】 特開2008−277478(JP,A)
【文献】 特開2006−310674(JP,A)
【文献】 特開2012−119419(JP,A)
【文献】 特開2002−334922(JP,A)
【文献】 特開2002−361186(JP,A)
【文献】 特開2009−044008(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
接着シートが貼付された被着体を支持する支持手段と、
前記被着体に貼付された接着シートを保持するシート保持手段と、
前記支持手段とシート保持手段とを相対移動させて前記被着体から接着シートを剥離可能な剥離手段とを備え、
前記支持手段は、前記被着体の外縁領域における当接部において前記接着シートの外面に当接して当該被着体を支持可能な支持部材と、当該支持部材を1又は複数単位で移動可能な支持部材移動手段とを備え、
前記支持部材移動手段は、前記接着シートの剥離縁が前記当接部に接近するに伴い、前記支持部材を前記接着シートの外面から離間させ、前記接着シートの剥離縁が前記当接部を通過するに伴い、前記支持部材を前記当接部に当接させることを特徴とするシート剥離装置。
【請求項2】
前記支持部材は、前記外縁領域に当接する外縁当接部と、当該外縁当接部から前記被着体の中央部側に張り出した張出し部とを備えていることを特徴とする請求項1に記載のシート剥離装置。
【請求項3】
接着シートが貼付された被着体外縁領域における当接部において前記接着シートの外面に支持部材を当接させて当該被着体を支持する支持工程と、
前記被着体に貼付された接着シートを保持するシート保持工程と、
前記被着体と接着シートとを相対移動させて当該被着体から接着シートを剥離する剥離工程とを備え、
前記剥離工程において、前記接着シートの剥離縁が前記当接部に接近するに伴い、前記支持部材を1又は複数単位で前記接着シートの外面から離間させる支持部材離間工程と、前記接着シートの剥離縁が前記当接部を通過するに伴い、前記支持部材を1又は複数単位で前記当接部に当接させる支持部材当接工程とを含むことを特徴とするシート剥離方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート剥離装置及びシート剥離方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、半導体ウエハのバックグラインド域を囲繞するように環状凸部を残存形成し、表面に保護テープを貼付した半導体ウエハを保持テーブルに載置するとともに、環状凸部の外周を保持テーブルに備えた係止部材で当接支持して半導体ウエハを固定し、粘着テープで保護テープを半導体ウエハの表面から剥離することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−34710号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
半導体ウエハ等の被着体に保護シート等の接着シートが貼付されている場合、被着体の外縁を包み込むように接着シートが貼付されていることがある。このとき、特許文献1に記載の技術のように、被着体の外縁を係止部材で当接支持すると、被着体の外縁と係止部材との間に接着シートが挟まれた状態となり、このような状態で接着シートの剥離を行うと、接着シートが破れて剥離に失敗したり、更には被着体の破損等を招いたりするという不都合を発生する。
そこで、本発明の目的は、被着体の外縁領域を確実に支持しながら接着シートを円滑に剥離することが可能なシート剥離装置及びシート剥離方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の一形態であるシート剥離装置は、接着シートが貼付された被着体を支持する支持手段と、前記被着体に貼付された接着シートを保持するシート保持手段と、前記支持手段とシート保持手段とを相対移動させて前記被着体から接着シートを剥離可能な剥離手段とを備え、前記支持手段は、前記被着体の外縁領域における当接部において前記接着シートの外面に当接して当該被着体を支持可能な支持部材と、当該支持部材を1又は複数単位で移動可能な支持部材移動手段とを備え、前記支持部材移動手段は、前記接着シートの剥離縁が前記当接部に接近するに伴い、前記支持部材を前記接着シートの外面から離間させ、前記接着シートの剥離縁が前記当接部を通過するに伴い、前記支持部材を前記当接部に当接させることを特徴とする。
【0006】
また、前記支持部材は、前記外縁領域に当接する外縁当接部と、当該外縁当接部から前記被着体の中央部側に張り出した張出し部とを備えているようにしてもよい。
【0007】
更に、前記張出し部は、前記外縁当接部の一端側と他端側とのそれぞれに設けられているようにしてもよい。
【0008】
また、前記支持部材に支持された前記被着体を反転させる反転手段を更に備えているようにしてもよい。
【0009】
また、支持手段が複数の支持部材を備え、少なくとも1つの支持部材が被着体から離間している状態で、少なくとも他の2つの支持部材が被着体の外縁領域に当接しているようにしてもよい。
【0010】
本発明の更に別の一形態であるシート剥離方法は、接着シートが貼付された被着体外縁領域における当接部において前記接着シートの外面に支持部材を当接させて当該被着体を支持する支持工程と、前記被着体に貼付された接着シートを保持するシート保持工程と、前記被着体と接着シートとを相対移動させて当該被着体から接着シートを剥離する剥離工程とを備え、前記剥離工程において、前記接着シートの剥離縁が前記当接部に接近するに伴い、前記支持部材を1又は複数単位で前記接着シートの外面から離間させる支持部材離間工程と、前記接着シートの剥離縁が前記当接部を通過するに伴い、前記支持部材を1又は複数単位で前記当接部に当接させる支持部材当接工程とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、接着シートの剥離縁が当接部に接近するに伴い、支持部材を当接部から離間させる一方で、接着シートの剥離縁が当接部を通過するに伴い、支持部材を当接部に当接させるので、被着体の外縁領域を確実に支持しながら接着シートを円滑に剥離することが可能になる。
【0012】
また、支持部材が外縁当接部と張出し部とを備えている場合、張出し部によって被着体の移動を抑制し、被着体が支持部材から脱落することを防止することができる。
【0013】
また、張出し部が外縁当接部の一端側と他端側それぞれに設けられている場合、張出し部によって被着体の移動を両面側から抑制し、被着体が支持部材から脱落することを防止することができ、例えば、被着体を反転させる場合でも、被着体の脱落を抑制することができる。
【0014】
また、支持手段が反転手段を更に備えている場合、例えば、1体のシート保持手段で被着体の両面に貼付された接着シートを剥離するような場合でも、一方の接着シートを剥離した後に、被着体を反転させて他方の接着シートを剥離することができる。なお、反転手段は、例えば、被着体を天地反転させたり左右反転させたり等、被着体を反転できるものであれば何ら限定されるものではない。
【0015】
また、支持手段が複数の支持部材を備え、少なくとも1つの支持部材が被着体から離間している状態で、少なくとも他の2つの支持部材が被着体の外縁領域に当接している構成とすれば、被着体を常に安定して支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本実施形態に係るシート剥離装置の側面図。
図2】(a)は、図1のシート剥離装置の部分平面図。(b)はAA−BB線に沿う部分断面CC矢視図。
図3図1のシート剥離装置の動作説明図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態に係るシート剥離装置について説明する。
なお、本明細書におけるX軸、Y軸、Z軸は、それぞれが直交する関係にあり、X軸及びY軸は、所定平面内の軸とし、Z軸は、当該所定平面に直交する軸とする。更に、本実施形態では、Y軸と平行な図1の手前方向から観た場合を基準とし、方向を示した場合、「上」がZ軸の矢印方向で「下」がその逆方向、「左」がX軸の矢印方向で「右」がその逆方向、「前」がY軸の矢印方向であって紙面に直交する手前方向、「後」がその逆方向とする。
【0018】
図1図2に示すように、本実施形態に係るシート剥離装置10は、接着シートASが貼付された被着体WKを支持する支持手段20と、被着体WKに貼付された接着シートASを保持するシート保持手段30と、支持手段20とシート保持手段30とを相対移動させて被着体WKから接着シートASを剥離可能な剥離手段40とを備えている。
なお、本実施形態では、被着体WKは、図2に示すように、平面視で円形状を呈する例えば半導体ウエハ等の板状部材であり、その一面側と他面側との両面にそれぞれ接着シートASとしての第1接着シートAS1と第2接着シートAS2とが貼付されている。また、被着体WKの外縁WKAは、断面視で凸状の円弧状に形成されており、この外縁WKAにおける被着体WKの厚み方向(図1中実線で示す被着体WKの上下方向)の少なくとも一部にまで接着シートASが貼付されているものとする。なお、外縁WKAにおける被着体WKの厚み方向の一部にまで接着シートASが貼付されている部分は、被着体WKの外縁WKAの全周でもよいし、同外縁WKAの一部でもよい。
【0019】
支持手段20は、被着体WKおよび接着シートASの少なくとも一方を含む外縁領域WKBにおける当接部WA(第1当接部WA1〜第6当接部WA6)に当接して当該被着体WKを支持可能な複数の支持部材21(第1支持部材211〜第6支持部材216)と、それぞれの出力軸22Aで支持部材21を支持し、当該支持部材21を移動可能な駆動機器であって支持部材移動手段としての直動モータ22(第1直動モータ221〜第6直動モータ226)と、平面視長方形状の下テーブル23と、下テーブル23の前後端部に立設された一対のスタンド24と、一対のスタンド24の上部にそれぞれ設けられた一対の駆動機器であって反転手段としての回動モータ25と、各回動モータ25の出力軸25Aそれぞれにブラケット26Aを介して支持されるとともに、中央に形成された貫通孔26B周りに直動モータ22が配置された上テーブル26とを備えている。
【0020】
各支持部材21は、被着体WKの外縁領域WKBに当接する外縁当接部21Aと、外縁当接部21Aの一端側と他端側(上下両端側)それぞれに設けられるとともに、当該外縁当接部21Aから被着体WKの中央部側に張り出した一対の張出し部21Bとを備えている。一対の張出し部21Bは、外縁当接部21Aから離間するほど互いに離間するように傾斜し、様々な厚さの被着体WKの外縁WKAを好適に支持することが可能となっている。
【0021】
シート保持手段30は、感熱接着性の剥離用テープPTが支持された支持ローラ31と、剥離用テープPTが掛け回されたガイドローラ32と、駆動機器としてのエアシリンダ33の出力軸33Aに支持された受け板33Bと、駆動機器としてのリニアモータ34のスライダ34Aに支持され、一対の把持爪35Aを備えた駆動機器としてのチャックシリンダ35と、駆動機器としてのエアシリンダ36の出力軸36Aに支持されたカッター刃36Bと、刃受け部材36Cと、駆動機器としての直動モータ37の出力軸37Aに支持され、コイルヒータやヒートパイプの加熱側等の加熱手段37Bが内蔵された押圧ヘッド37Cとを備えている。
【0022】
剥離手段40は、下テーブル23をそのスライダ41Aで支持する駆動機器としての一対のリニアモータ41を備えている。
【0023】
次に、シート剥離装置10を用いたシート剥離方法について説明する。
【0024】
<支持工程>
先ず、作業者が図1中実線で示すように剥離用テープPTをセットした後、操作パネルやパーソナルコンピュータ等の不図示の入力手段を介して運転開始の信号を入力する。そして、人手又は多関節ロボットやベルトコンベア等の不図示の搬送手段が、接着シートASが貼付された被着体WKを図1中実線で示す位置に配置すると、支持手段20が各直動モータ22を駆動し、同図の符号DDを付した図中二点鎖線で示す初期位置にあるそれぞれの支持部材21(第1支持部材211〜第6支持部材216)を当接部WA(第1当接部WA1〜第6当接部WA6)に当接させて当該被着体WKを支持する。このとき、接着シートASの端部は、全て又は一部の支持部材21と、被着体WKの外縁WKAとの間に挟まれた状態となる。その後、剥離手段40がリニアモータ41を駆動し、図1中実線で示す初期位置にある下テーブル23を移動させて接着シートAS(AS1)の右端を押圧ヘッド37Cの直下に配置する。
【0025】
<シート保持工程>
次に、シート保持手段30がエアシリンダ33を駆動し、図1中実線で示す初期位置にある受け板33Bを左方に移動させた後、チャックシリンダ35を駆動し、図1中実線で示す初期位置にある一対の把持爪35Aで剥離用テープPTを把持する。次に、シート保持手段30がリニアモータ34を駆動し、図1中実線で示す初期位置にあるチャックシリンダ35を右方に移動させて剥離用テープPTを所定長さ引き出す。そして、シート保持手段30が直動モータ37を駆動し、図1中実線で示す初期位置にある押圧ヘッド37Cを降下させ、剥離用テープPTを第1接着シートAS1の右端部に押圧した後、加熱手段37Bを駆動し、剥離用テープPTを加熱して第1接着シートAS1に貼付する。その後、シート保持手段30がエアシリンダ36を駆動し、図1中実線で示す初期位置にあるカッター刃36Bを刃受け部材36Cに接近離間させて剥離用テープPTを切断すると、直動モータ37を駆動し、押圧ヘッド37Cを初期位置に復帰させる。
【0026】
<剥離工程>
次に、シート保持手段30及び剥離手段40がリニアモータ34、41を駆動し、チャックシリンダ35を左方へ移動させるとともに、下テーブル23を右方へ移動させることで、被着体WKから第1接着シートAS1を剥離する。このとき、被着体WKから剥離した第1接着シートAS1部分と剥離していない第1接着シートAS1部分との境界が剥離縁ASAとなる。
【0027】
<支持部材離間工程>
剥離工程において、図3(a)に示すように、剥離縁ASAが第1、第2当接部WA1、WA2に接近したことを光学センサや撮像手段などの不図示の検知手段が検知すると、支持手段20が第1、第2直動モータ221、222を駆動し、第1、第2支持部材211、212を第1、第2当接部WA1、WA2から離間させ、この状態で、シート保持手段30及び剥離手段40による第1接着シートAS1の剥離工程が続行される。
【0028】
<支持部材当接工程>
そして、剥離縁ASAが第1、第2当接部WA1、WA2を通過したことを検知手段が検知すると、支持手段20が第1、第2直動モータ221、222を駆動し、第1、第2支持部材211、212を第1、第2当接部WA1、WA2に再び当接させる。
【0029】
その後もシート保持手段30及び剥離手段40による第1接着シートAS1の剥離工程が続行され、剥離縁ASAが第3、第6当接部WA3、WA6に接近すると、第3、第6支持部材213、216による上述と同様の支持部材離間工程および支持部材当接工程が行われ、続いて、剥離縁ASAが第4、第5当接部WA4、WA5に接近すると、第4、第5支持部材214、215による上述と同様の支持部材離間工程および支持部材当接工程が行われ、最終的に第1接着シートAS1全体が被着体WKから剥離される。剥離された第1接着シートAS1は、図示しない回収ボックス内に破棄され、シート保持手段30がチャックシリンダ35、リニアモータ34およびエアシリンダ33を駆動し、把持爪35A、チャックシリンダ35および受け板33Bを初期位置に復帰させる。
【0030】
<反転工程>
第1接着シートAS1の剥離が完了すると、支持手段20が回動モータ25を駆動し、上テーブル26を180°天地反転させ、第2接着シートAS2を貫通孔26Bから上方に露出させる。このとき、支持部材21の一対の張出し部21Bが、被着体WKの外縁WKAを両面側からその移動を抑制しているので、被着体WKが支持手段20から脱落することがない。
【0031】
そして、シート保持手段30及び剥離手段40が上述と同様のシート保持工程、剥離工程、支持部材離間工程および支持部材当接工程を行い、第2接着シートAS2全体を被着体WKから剥離した後、チャックシリンダ35、リニアモータ34、エアシリンダ33およびリニアモータ41を駆動し、把持爪35A、チャックシリンダ35、受け板33Bおよび下テーブル23を初期位置に復帰させる。
【0032】
<被着体搬出工程>
次に、人手又は搬送手段が接着シートASの剥離が完了した被着体WKを支持すると、支持手段20が各直動モータ22を駆動し、それぞれの支持部材21を初期位置に復帰させた後、不図示の搬送手段が被着体WKを次工程等に搬出する。そして、上記同様の動作が繰り返される。
【0033】
以上のような実施形態によれば、接着シートASの剥離縁ASAが当接部WAに接近するに伴い、支持部材21を当接部WAから離間させる一方で、接着シートASの剥離縁ASAが当接部WAを通過するに伴い、支持部材21を当接部WAに当接させるので、被着体WKの外縁領域WKBを確実に支持しながら接着シートASを円滑に剥離することが可能になる。
【0034】
また、本発明における手段及び工程は、それら手段及び工程について説明した動作、機能又は工程を果たすことができる限りなんら限定されることはなく、まして、前記実施形態で示した単なる1実施形態の構成物や工程に全く限定されることはない。例えば、シート保持手段は、被着体に貼付された接着シートを保持できるものであれば、出願当初の技術常識に照らし合わせ、その技術範囲内のものであればなんら限定されることはない(他の手段及び工程についての説明は省略する)。
【0035】
更に、本発明の支持部材移動手段は、複数の支持部材を移動可能としてもよく、例えば、第1、第2支持部材211、212を一つの支持部材移動手段(1つの駆動機器)で移動させるようにしてもよい。第3、第6支持部材213、216及び第4、第5支持部材214、215についても同様である。これによれば、駆動機器の設置個数を削減して、装置の簡素化、低コスト化を図ることができる。
また、本発明における支持部材は、例えば、本実施形態の支持部材21から一対の張出し部21Bを省略して外縁当接部21Aのみを備えるような構成にしてもよい。また、本実施形態の外縁当接部21Aの一端側のみから1つの張出し部21Bが張り出すような側面視でL字又は逆L字形状に構成にしてもよい。
更に、本発明における支持部材移動手段及び支持部材の個数は、被着体の外縁に当接して被着体を挟み込んで支持できる限りにおいて、特に限定されることはない。例えば、支持手段として被着体を吸着支持可能な支持テーブルを用いるとともに、支持テーブルに立壁を設け、1つの支持部材と立壁とで被着体の外縁を挟み込むように支持してもよい。この場合でも、接着シールの剥離縁の接近、通過に合わせて、被着体の外縁に対して1つの支持部材を当接、離間させれば、その部分について接着シートの挟み込みを防止することができる。
また、支持部材は、少なくとも1つの支持部材が被着体から離間している状態で、少なくとも他の2つの支持部材が剥離縁から離れた位置で被着体の外縁に当接しているのがよい。このようにすれば、被着体を常に少なくとも2点で支持でき、被着体を安定して支持することができる。なお、支持部材が被着体から離間している状態での支持部材の当接数が多いほど、被着体を安定して支持することができる。当接数が少ない場合は、支持部材が外縁領域WKBを広範囲で支持するようにするとよい。
更に、上テーブル26は、貫通孔26Bがなくてもよい。
【0036】
また、シート保持手段は、剥離用テープPTとして、例えば、感圧接着性の接着シートや粘着性のテープ等も使用することができ、このような接着シートやテープを使用する場合、加熱手段を備えていてもよいし、備えていなくてもよい。
更に、他の装置で被着体WKに剥離用テープPTを接着させる場合、シート保持手段は、例えば、チャックシリンダ35のみで構成したり、チャックシリンダ35とリニアモータ34とで構成したりしてもよい。
また、シート保持手段は、剥離用テープPTを介さずに、例えば、チャックシリンダ35で直接接着シートASを把持する構成としてもよい。
更に、剥離縁ASAを検知する検知手段としては、各リニアモータ34、41の各スライダ34A、41Aの位置を認識可能なポジションセンサやエンコーダ等であってもよい。
【0037】
また、剥離手段は、支持手段20とシート保持手段30との一方を停止させておいて他方を移動させて接着シートASの剥離を行ってもよい。
【0038】
更に、被着体WKは、その片面のみに1枚の接着シートASが貼付されたものであってもよく、このような場合、反転手段はなくてもよい。
また、両面に接着シートASが貼付された被着体WKであっても、一方の接着シートを剥離した後、人手や不図示の搬送手段等によって被着体WKを反転させるような場合、反転手段はなくてもよい。
また、反転手段は、支持手段、シート保持手段及び剥離手段の少なくとも1つの構成部材として設けてもよいし、それらから独立した構成部材として設けてもよい。
更に、反転手段は、1体の駆動機器で構成してもよく、この場合、例えば、上テーブル26を支持する他方側を回転軸受としたり、当該他方側を支持なしにしたりすることができる。
【0039】
また、被着体WKの外縁WKAは、断面視で凹状の円弧状、直線状、凹凸状に形成されていてもよく、その形状は何ら限定されるものではない。
更に、接着シートASは、外縁WKAの全部を覆うように貼付されていてもよいし、外縁WKAに貼付されていなくてもよい。
また、外縁領域WKBは、被着体WKだけの領域でもよいし、接着シートASだけの領域でもよいし、それら両方を含む領域でもよい。
【0040】
更に、前記実施形態における駆動機器は、回動モータ、直動モータ、リニアモータ、単軸ロボット、多関節ロボット等の電動機器、エアシリンダ、油圧シリンダ、ロッドレスシリンダ及びロータリシリンダ等のアクチュエータ等を採用することができる上、それらを直接的又は間接的に組み合せたものを採用することもできる(実施形態で例示したものと重複するものもある)。
【0041】
また、本発明における接着シートAS、被着体の材質、種別、形状等は、特に限定されることはない。例えば、接着シートASは、感圧接着性、感熱接着性等の接着形態に限定されることはない。また、このような接着シートASは、例えば、接着剤層だけの単層のもの、基材シートと接着剤層との間に中間層を有するもの、基材シートの上面にカバー層を有する等3層以上のもの、更には、基材シートを接着剤層から剥離することのできる所謂両面接着シートのようなものであってもよく、両面接着シートは、単層又は複層の中間層を有するものや、中間層のない単層又は複層のものであってよい。また、被着体としては、例えば、食品、樹脂容器、シリコン半導体ウエハや化合物半導体ウエハ等の半導体ウエハ、回路基板、光ディスク等の情報記録基板、ガラス板、鋼板、陶器、木板又は樹脂板等、任意の形態の部材や物品なども対象とすることができる。なお、接着シートASは、機能的、用途的な読み方に換え、例えば、情報記載用ラベル、装飾用ラベル、保護シート、ダイシングテープ、ダイアタッチフィルム、ダイボンディングテープ、記録層形成樹脂シートなどの任意のシート、フィルム、テープなどでもよい(実施形態で例示したものと重複するものもある)。
【符号の説明】
【0042】
10 シート剥離装置
20 支持手段
21 支持部材
21A 外縁当接部
21B 張出し部
22 直動モータ(支持部材移動手段)
30 シート保持手段
40 剥離手段
AS 接着シート
ASA 剥離縁
WA 当接部
WK 被着体
WKB 外縁領域
図1
図2
図3