特許第6337391号(P6337391)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ケーヒンの特許一覧

<>
  • 特許6337391-電磁式燃料噴射弁 図000002
  • 特許6337391-電磁式燃料噴射弁 図000003
  • 特許6337391-電磁式燃料噴射弁 図000004
  • 特許6337391-電磁式燃料噴射弁 図000005
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6337391
(24)【登録日】2018年5月18日
(45)【発行日】2018年6月6日
(54)【発明の名称】電磁式燃料噴射弁
(51)【国際特許分類】
   F02M 51/06 20060101AFI20180528BHJP
   F02M 61/16 20060101ALI20180528BHJP
【FI】
   F02M51/06 F
   F02M51/06 U
   F02M61/16 P
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-60359(P2014-60359)
(22)【出願日】2014年3月24日
(65)【公開番号】特開2015-183581(P2015-183581A)
(43)【公開日】2015年10月22日
【審査請求日】2017年1月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000141901
【氏名又は名称】株式会社ケーヒン
(74)【代理人】
【識別番号】100071870
【弁理士】
【氏名又は名称】落合 健
(74)【代理人】
【識別番号】100097618
【弁理士】
【氏名又は名称】仁木 一明
(74)【代理人】
【識別番号】100152227
【弁理士】
【氏名又は名称】▲ぬで▼島 愼二
(72)【発明者】
【氏名】田代 順一
(72)【発明者】
【氏名】中村 順一
(72)【発明者】
【氏名】太田 剛
(72)【発明者】
【氏名】古川 純平
【審査官】 村山 禎恒
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−339240(JP,A)
【文献】 特開2009−222020(JP,A)
【文献】 特開2006−2636(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02M 39/00−71/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁座部材(3)、磁性円筒体(4)、非磁性円筒体(6)及び固定コア(5)を前端から後端に向かって順次連ねてなり、内部が燃料流路となる弁ハウジング(2)と、前記固定コア(5)及び非磁性円筒体(6)に亘りそれらの外周に配設されるコイル組立体(28)と、このコイル組立体(28)を覆い、コイル組立体(28)への通電時、前記固定コア(5)及び磁性円筒体(4)間に磁気回路を形成するヨーク(31)と、前記弁座部材(3)と協働する弁体(14)と、この弁体(14)に連結されて前記磁性円筒体(4)内に嵌挿され、前記磁気回路の形成時、前記固定コア(5)に吸引されて前記弁体(14)を開弁する可動コア(12)と、前記コイル組立体(28)及び前記ヨーク(31)を埋封しながら、前記コイル組立体(28)の一側方に突出するカプラ(34)を形成するようにモールド成形された合成樹脂製の被覆層(27)とを備えてなり、
前記ヨーク(31)は、前記コイル組立体(28)の外周面を覆う側壁部(44)と、この側壁部(44)の両端から半径内方に屈曲して前記コイル組立体(28)の前後両端面に対向し、前記弁ハウジング(2)の外周面に固着される前端壁部(45)及び後端壁部(46)とを有していて、前記弁ハウジング(2)への固着前の該ヨーク(31)を、前記弁ハウジング(2)の外周に嵌装した前記コイル組立体(28)にその側方から嵌合可能である電磁式燃料噴射弁において、
前記コイル組立体(28)の合成樹脂製のボビン(29)の前部及び後部の少なくとも一方の端面に、前記ヨーク(31)を前記コイル組立体(28)にその側方から嵌合したとき前記前端壁部(45)又は前記後端壁部(46)により圧迫されてヨーク(31)をコイル組立体(28)との嵌合位置に保持する、前記固着前のヨーク(31)をコイル組立体(28)に仮止めするための仮止め突起(40)を一体に突設し
前記仮止め突起(40)は、前記モールド成形の際に前記ボビン(29)と前記ヨーク(31)との間に進入した前記被覆層(27)に溶着されることを特徴とする電磁式燃料噴射弁。
【請求項2】
請求項1記載の電磁式燃料噴射弁において、
前記ボビン(29)の前部及び後部の少なくとも一方の端面に、その周方向に沿って前記仮止め突起(40)を複数配列したことを特徴とする電磁式燃料噴射弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として内燃機関の燃料供給系に使用される電磁式燃料噴射弁に関し、特に、弁座部材、磁性円筒体、非磁性円筒体及び固定コアを前端から後端に向かって順次連ねてなり、内部が燃料流路となる弁ハウジングと、固定コア及び非磁性円筒体に亘りそれらの外周に配設されるコイル組立体と、このコイル組立体を覆い、コイル組立体への通電時、固定コア及び磁性円筒体間に磁気回路を形成するヨークと、弁座部材と協働する弁体と、この弁体に連結されて磁性円筒体内に嵌挿され、磁気回路の形成時、固定コアに吸引されて弁体を開弁する可動コアと、コイル組立体及びヨークを埋封しながら、コイル組立体の一側方に突出するカプラを形成するようにモールド成形された合成樹脂製の被覆層とを備えてなり、ヨークは、コイル組立体の外周面を覆う側壁部と、この側壁部の両端から半径内方に屈曲してコイル組立体の前後両端面に対向し、弁ハウジングの外周面に固着される前端壁部及び後端壁部とを有していて、弁ハウジングへの固着前のヨークを、弁ハウジングの外周に嵌装したコイル組立体にその側方から嵌合可能である電磁式燃料噴射弁の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
かゝる電磁式燃料噴射弁は、下記特許文献1に開示されるように、本発明出願人によって既に提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−27009号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、かゝる電磁式燃料噴射弁では、その組立時、コイル組立体に、その側方からヨークを嵌合する工程と、その後、ヨークを弁ハウジングの外周面に溶接等により固着する工程とを行うのであるが、前者の工程から後者の工程に移る間に、ヨークがコイル組立体から脱落することがあり、組立性が良好とは言えなかった。
【0005】
本発明は、かゝる事情に鑑みてなされたもので、コイル組立体に、その側方からヨークを一旦嵌合したならば、その嵌合状態を保持することができ、ヨークの脱落を防ぎながら、ヨークを弁ハウジングの外周面に固着する工程に移すことができるようにした、組立性が良好な前記電磁式燃料噴射弁を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、弁座部材、磁性円筒体、非磁性円筒体及び固定コアを前端から後端に向かって順次連ねてなり、内部が燃料流路となる弁ハウジングと、前記固定コア及び非磁性円筒体に亘りそれらの外周に配設されるコイル組立体と、このコイル組立体を覆い、コイル組立体への通電時、前記固定コア及び磁性円筒体間に磁気回路を形成するヨークと、前記弁座部材と協働する弁体と、この弁体に連結されて前記磁性円筒体内に嵌挿され、前記磁気回路の形成時、前記固定コアに吸引されて前記弁体を開弁する可動コアと、前記コイル組立体及び前記ヨークを埋封しながら、前記コイル組立体の一側方に突出するカプラを形成するようにモールド成形された合成樹脂製の被覆層とを備えてなり、前記ヨークは、前記コイル組立体の外周面を覆う側壁部と、この側壁部の両端から半径内方に屈曲して前記コイル組立体の前後両端面に対向し、前記弁ハウジングの外周面に固着される前端壁部及び後端壁部とを有していて、前記弁ハウジングへの固着前の該ヨークを、前記弁ハウジングの外周に嵌装した前記コイル組立体にその側方から嵌合可能である電磁式燃料噴射弁において、前記コイル組立体の合成樹脂製のボビンの前部及び後部の少なくとも一方の端面に、前記ヨークを前記コイル組立体にその側方から嵌合したとき前記前端壁部又は前記後端壁部により圧迫されてヨークをコイル組立体との嵌合位置に保持する、前記固着前のヨークをコイル組立体に仮止めするための仮止め突起を一体に突設し、前記仮止め突起は、前記モールド成形の際に前記ボビンと前記ヨークとの間に進入した前記被覆層に溶着されることを第1の特徴とする。
【0007】
また本発明は、第1の特徴に加えて、前記ボビンの前部及び後部の少なくとも一方の端面に、その周方向に沿って前記仮止め突起を複数配列したことを第2の特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の第1の特徴によれば、弁ハウジングへの固着前のヨークをコイル組立体に、その側方から嵌合すると、ボビンの端面より突出した仮止め突起がボビンに圧迫され、その反力により、ヨークは、コイル組立体との嵌合状態に保持される仮止め状態となる。したがって、弁ハウジング、コイル組立体及びヨークを次の固着工程に移す間に、ヨークがコイル組立体から脱落することを防ぐことができ、組立性が向上する。しかもヨークのコイル組立体に対する嵌合荷重は、仮止め突起に弾性変形を生じさせるだけの小荷重で足り、コイル組立体への側方からの嵌合をスムーズに行うことができる。
【0009】
その上、仮止め突起は、モールド成形の際にボビンとヨークとの間に進入した被覆層に溶着されるので、被覆層に対するアンカ効果を発揮してボビン及び被覆層の結合力を高め、被覆層のコイル組立体に対する防水性を向上させることができる。
【0010】
本発明の第2の特徴によれば、ヨークのコイル組立体に対する嵌合姿勢を安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態に係る電磁式燃料噴射弁の縦断面図。
図2】ボビンの後端面図。
図3】ヨークの斜視図。
図4】電磁式燃料噴射弁の組立要領説明図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態を添付図面に基づいて以下に説明する。尚、本発明の電磁式燃料噴射弁において、燃料噴射側を前方、燃料入口側を後方という。
【0013】
図1において、エンジン用の電磁式燃料噴射弁Iの弁ハウジング2は、円筒状の弁座部材3と、この弁座部材3の後端部に嵌合して液密に溶接される磁性円筒体4と、この磁性円筒体4の後端に突き当てゝ液密に溶接される非磁性円筒体6と、この非磁性円筒体6の内周面に前端部を嵌合して液密に溶接される円筒状の固定コア5と、この固定コア5の後端部外周に嵌合して溶接される燃料入口筒26とで構成される。
【0014】
弁座部材3は、その前端面に開口する弁孔7と、この弁孔7の内端に連なる円錐状の弁座8と、この弁座8の大径部に連なる円筒状のガイド孔9とを備えている。弁座部材3の前端面には、上記弁孔7と連通する複数の燃料噴孔11を有する鋼板製のインジェクタプレート10が液密に溶接される。
【0015】
非磁性円筒体6の前端部には、固定コア5と嵌合しない部分が残され、その部分から弁座部材3に至る弁ハウジング2内に弁組立体Vが収容される。
【0016】
弁組立体Vは、前記弁座8と協働して弁孔7を開閉するよう前記ガイド孔9を摺動し得る球状の弁体14と、この弁体14に溶接により結合される杆部13を一体に備えた可動コア12とで構成されるもので、その可動コア12は、磁性円筒体4の内周面に摺動自在に嵌挿されると共に、固定コア5に対置される。球状の弁体14の周囲には、燃料の通過を許容する複数の平坦面が形成される。
【0017】
弁組立体Vには、可動コア12の後端から杆部13の前端に至る縦孔19と、この縦孔19を杆部13の外周面に開放する横孔20とが設けられる。縦孔19の途中には、縦孔19の内周面より突出した環状のばね座24が形成される。
【0018】
固定コア5は、燃料入口筒26の中空部と連通する縦孔21を有し、この縦孔21は、可動コア12の縦孔19と連通する。
【0019】
この固定コア5の縦孔21にはすり割り付きパイプ状のリテーナ23が圧入され、このリテーナ23と前記ばね座24との間に可動コア12を弁体14の閉弁側に付勢する弁ばね22が縮設される。その際、リテーナ23の縦孔21への嵌合深さにより弁ばね22のセット荷重が調整される。
【0020】
可動コア12には、固定コア5に対向するその後端面より僅かに突出する非磁性材製でリング状のストッパ部材37が埋設される。このストッパ部材37は、固定及び可動コア5,12相互の吸引時、ストッパ部材37が固定コア5の前端面に当接することで、固定コア5及び可動コア12の対向端面間に所定のギャップを残存させるものである。
【0021】
弁ハウジング2の外周には、固定コア5及び可動コア12に対応してコイル組立体28が嵌装される。このコイル組立体28は、磁性円筒体4の後端部から固定コア5にかけてそれらの外周面に嵌合する合成樹脂製のボビン29と、これに巻装されるコイル30とからなっており、そのボビン29の後端部には、その一側方に突出する給電端子33の基端部を支持する支持腕29aが一体に形成され、給電端子33にはコイル30の端末が接続される。またボビン29の後端面には、後述するヨーク31を仮止めするための仮止め突起40が周方向に沿って複数一体に形成される。
【0022】
コイル組立体28は、その略半周面をヨーク31で覆われる。このヨーク31は、磁性鋼板をプレス成形して成るもので、図1図3に示すように、コイル組立体28の半周面を覆う半円筒状の側壁部44と、この側壁部44の両端から半径内方に屈曲してボビン29の前後両端面に対向する半円板状の前端壁部45及び後端壁部46と、その前端壁部45の内端から前方に延びて磁性円筒体4の外周面に嵌合される半円筒状の前ボス部47と、後端壁部46の内端から後方に延びて固定コア5の外周面に嵌合される半円筒状の後ボス部48とで構成される。
【0023】
磁性円筒体4及び固定コア5の外周面が同一直径であることに対応して、前ボス部47及び後ボス部48の内周面は同一直径に形成される。こうしてヨーク31の軸方向前半部及び後半部は、互いに対称形に形成される。したがって、前端壁部45及び後端壁部46は互換性があり、ヨーク31の組みつけ方向を規定する必要がない。
【0024】
前ボス部47及び後ボス部48の各先端には薄肉部47a,48aが形成され、これら薄肉部47a,48aを除いてヨーク31の各部は同一肉厚に成形される。こうして、ヨーク31では、前ボス部47及び後ボス部48間の磁気回路部分が同一肉厚に形成される。これにより、ヨーク31の軽量化と磁気効率の両方を満足させることができる。
【0025】
而して、このヨーク31をコイル組立体28に、その側方から嵌合すると、前ボス部47が磁性円筒体4の外周面に、後ボス部48が固定コア5の外周面にそれぞれ嵌合する。このとき、ボビン29の後端面より突出した複数の仮止め突起40が後端壁部46に圧迫され、その反力により、ヨーク31のコイル組立体28への上記嵌合状態が保持されるようになっている。
【0026】
前ボス部47及び後ボス部48の各薄肉部47a,48aは、磁性円筒体4及び固定コア5の各外周面にレーザ溶接により固着される。
【0027】
再び図1において、コイル組立体28、固定コア5、及び燃料入口筒26の後端部を除く部分には、これらを埋封する合成樹脂製の被覆層27がモールド成形される。その際、給電端子33を収容、保持してコイル組立体28の一側方に突出するカプラ34が被覆層27と一体に成形される。
【0028】
被覆層27の後端面と、燃料入口筒26の後端のフランジ26aとの間において、燃料入口筒26の外周面にOリング51が装着される。また磁性円筒体4の外周には、被覆層27の前端面に密接するシール部材52が装着される。燃料入口筒26の入口には燃料フィルタ43が装着される。
【0029】
次に、この実施形態の作用について説明する。
【0030】
図示しない燃料ポンプから燃料入口筒26に圧送される燃料は、燃料フィルタ43で濾過された後、弁ハウジング2の内部を満たす。そしてコイル30を消磁した状態では、弁ばね22の付勢力で弁組立体Vは前方に押圧され、弁体14を弁座8に着座させている。コイル30を通電により励磁すると、それにより生ずる磁束がヨーク31、磁性円筒体4、可動コア12、固定コア5を順次走り、両コア5,12間に発生する磁力による吸引力により可動コア12が弁ばね22のセット荷重に抗して固定コア5に吸引され、弁体14が弁座8から離座するので、弁孔7が開放され、弁座部材3内の高圧燃料が弁孔7を出て、インジェクタプレート10の燃料噴孔11から、この電磁式燃料噴射弁Iを装着した図示しないスロットルボディ又はエンジンの吸気路に噴射される。
【0031】
電磁式燃料噴射弁Iの組立工程においては、図4に示すように、弁ハウジング2の外周にコイル組立体28を嵌装した後、ヨーク31をコイル組立体28に、その側方から嵌合して、前ボス部47を磁性円筒体4の外周面に、また後ボス部48を固定コア5の外周面にそれぞれ嵌合する。このとき、ボビン29の後端面より突出した複数の仮止め突起40が後端壁部46に圧迫され、その反力により、弁ハウジング2への溶接前のヨーク31は、コイル組立体28との上記嵌合状態に保持される仮止め状態とされる。したがって、弁ハウジング2、コイル組立体28及びヨーク31を次の溶接工程に移す間に、ヨーク31がコイル組立体28から脱落することを防ぐことができ、組立性が向上する。
【0032】
しかもヨーク31のコイル組立体28に対する嵌合荷重は、仮止め突起40に弾性変形を生じさせるだけの小荷重で足り、その嵌合をスムーズに行うことができる。また仮止め突起40は、ボビン29の後端面に、その周方向に沿って複数配列してあるので、ヨーク31のコイル組立体28に対する嵌合姿勢を安定させることができる。
【0033】
次の溶接工程では、ヨーク31の前ボス部47及び後ボス部48の各薄肉部47a,48aを磁性円筒体4及び固定コア5の各外周面にレーザ溶接する。このような薄肉部47a,48aのレーザ溶接によれば、比較的少ない入熱によりヨーク31を弁ハウジング2に溶接することができる。
【0034】
その後、コイル組立体28等を埋封する被覆層27、及び給電端子33を保持するカプラ34をモールド成形する。その際、前記仮止め突起40は、ボビン29の後端面と、ヨーク31の前端壁部45との間に進入する被覆層27に溶着される。これにより、仮止め突起40は、被覆層27に対するアンカ効果を発揮してボビン29及び被覆層27の結合力を高め、被覆層27のコイル組立体28に対する防水性を向上させることができる。
【0035】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はそれに限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。例えば、コイル組立体28の周囲には、互いに対向する一対のヨーク31を配置することもできる。また仮止め突起40は、ボビン29の前端面に設けることもでき、また前後両端面に設けることもできる。
【符号の説明】
【0036】
I・・・・・電磁式燃料噴射弁
2・・・・・弁ハウジング
3・・・・・弁座部材
4・・・・・磁性円筒体
5・・・・・固定コア
6・・・・・非磁性円筒体
12・・・・可動コア
14・・・・弁体
27・・・・被覆層
28・・・・コイル組立体
29・・・・ボビン
31・・・・ヨーク
34・・・・カプラ
40・・・・仮止め突起
44・・・・側壁部
45・・・・前端壁部
46・・・・後端壁部
図1
図2
図3
図4