【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための第1の手段として、本発明は、原子炉建屋の原子炉格納容器内に配置される原子炉圧力容器の解体工法であって、
前記原子炉圧力容器を一次切断する前に、
前記原子炉圧力容器の炉内構造物が通過できる原子炉ウェル及びドライヤ・セパレータプールの間に開閉可能なDSPゲートを設置し、前記原子炉圧力容器の圧力容器蓋を撤去した後、前記ドライヤ・セパレータプール及び前記原子炉ウェル及び使用済燃料プールの内部に水を充填する工程と、
前記原子炉ウェル及び前記使用済燃料プールの間に、開閉可能であって前記原子炉圧力容器の直径よりも小さいSFP隔離ゲートを設置し、前記炉内構造物を前記ドライヤ・セパレータプール
へ水中搬送して切断する工程と、
その後、前記原子炉格納容器内で一次切断した前記原子炉圧力容器を前記SFP隔離ゲート越しに前記使用済燃料プール内に吊り搬送し、前記使用済燃料プール内で二次切断する工程と、
を有することを特徴とする原子炉圧力容器の解体工法を提供することにある。
上記第1の手段によれば、水深が深く放射線遮蔽効果の高い使用済燃料プールで二次切断を行うことにより、作業フロアにおける放射性物質の拡散を防止し、また十分に放射線を遮蔽して作業を行う作業者の被ばくを防止できる。また原子炉圧力容器の撤去作業において使用済燃料プールを有効活用できる。
【0008】
上記課題を解決するための第2の手段として、本発明は、前記第1の手段において、前記二次切断は、前記使用済燃料プール内部に前記一次切断した原子炉圧力容器の高さ以上に水が充填された前記使用済燃料プール内で行うことを特徴とする原子炉圧力容器の解体工法を提供することにある。
上記第2の手段によれば、使用済燃料プールの放射線遮蔽効果を高めると共に、二次切断中の放射性物質の拡散を防止することができる。
【0009】
上記課題を解決するための第3の手段として、本発明は、前記第1又は第2の手段において、前記一次切断は、前記原子炉圧力容器を横切断面に沿った輪切り状に切断し、切断面より下方の前記原子炉圧力容器の内部に水が充填されていることを特徴とする原子炉圧力容器の解体工法を提供することにある。
上記第3の手段によれば、切断面よりも下方の原子炉圧力容器から発生する放射線の遮蔽を十分に行うことができる。
【0010】
上記課題を解決するための第4の手段として、本発明は、前記第1ないし第3のいずれか1の手段において、前記原子炉圧力容器を一次切断する前に、
前記原子炉圧力容器の圧力容器蓋を撤去した後、ドライヤ・セパレータプール及び原子炉ウェルの内部に水を充填する工程と、
前記原子炉圧力容器の炉内構造物を前記ドライヤ・セパレータプールへ搬送して切断する工程と、
を有することを特徴とする原子炉圧力容器の解体工法を提供することにある。
上記第4の手段によれば、炉内構造物の切断工程を水中で行うことにより、放射性物質の拡散及び放射線の遮蔽効果が期待できる。
【0011】
上記課題を解決するための第5の手段として、本発明は、前記第1ないし第3のいずれか1の手段において、前記原子炉圧力容器を一次切断する前に、
前記原子炉圧力容器の圧力容器蓋を撤去した後、ドライヤ・セパレータプール及び原子炉ウェルの内部に水を充填する工程と、
前記原子炉圧力容器の炉内構造物を前記ドライヤ・セパレータプール及び前記使用済燃料プールへ搬送して切断する工程と、
を有することを特徴とする原子炉圧力容器の解体工法を提供することにある。
上記第5の手段によれば、小さい炉内構造物をDSPで、大きな炉内構造物をSFPで二次切断を並行して行い作業の効率化が図れる。また、炉内構造物の切断工程を水中で行うことにより、放射性物質の拡散防止及び放射線の遮蔽効果を確保できる。
【0012】
上記課題を解決するための第6の手段として、本発明は、前記第4又は第5の手段において、前記原子炉圧力容器を二次切断した切断片又は前記炉内構造物を切断した切断片は、処分容器に収納可能なバスケットに水中で収容して気中へ搬送することを特徴とする原子炉圧力容器の解体工法を提供することにある。
上記第6の手段によれば、気中でそのまま処分容器に収納して、作業者の被ばくを防止することができる。
【0013】
上記課題を解決するための第7の手段として、本発明は、前記第6の手段において、前記一次切断した前記原子炉圧力容器又は前記バスケットは、下面に開口を有する容器状の放射線遮蔽吊具を用いて気中を搬送することを特徴とする原子炉圧力容器の解体工法を提供することにある。
上記第7の手段によれば、気中で切断物を搬送する際、放射性物質による被ばくを防止できる。
【0014】
上記課題を解決するための第8の手段として、本発明は、前記第7の手段において、前記放射線遮蔽吊具は、内部に設けた吊上げ手段で前記一次切断した前記原子炉圧力容器又は前記バスケットを水中から吊り上げ又は水中へ吊り下げることを特徴とする原子炉圧力容器の解体工法を提供することにある。
上記第8の手段によれば、放射線遮蔽吊具を水中に沈めることなく、一次切断した原子炉圧力容器又はバスケットを水中から気中へ吊り上げることができる。
【0015】
上記課題を解決するための第9の手段として、本発明は、前記第8の手段において、前記吊上げ手段は下端に把持部を備え、一次切断した前記原子炉圧力容器を前記把持部で把持することを特徴とする原子炉圧力容器の解体工法を提供することにある。
上記第9の手段によれば、水中の原子炉圧力容器を人手に拠らず把持することができる。