特許第6337427号(P6337427)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6337427無線通信装置、通信対象特定方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6337427
(24)【登録日】2018年5月18日
(45)【発行日】2018年6月6日
(54)【発明の名称】無線通信装置、通信対象特定方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04W 64/00 20090101AFI20180528BHJP
   H04B 1/40 20150101ALI20180528BHJP
   H04W 84/18 20090101ALI20180528BHJP
   G01S 5/14 20060101ALI20180528BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20180528BHJP
【FI】
   H04W64/00 110
   H04B1/40
   H04W84/18
   G01S5/14
   H04M1/00 R
【請求項の数】8
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2013-132376(P2013-132376)
(22)【出願日】2013年6月25日
(65)【公開番号】特開2015-8376(P2015-8376A)
(43)【公開日】2015年1月15日
【審査請求日】2016年6月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(72)【発明者】
【氏名】橋本 章吾
【審査官】 望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−124885(JP,A)
【文献】 特開2002−152798(JP,A)
【文献】 特開2011−259350(JP,A)
【文献】 特開2010−101754(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W4/00−H04W99/00
H04B7/24−H04B7/26
G01S5/14
H04B1/40
H04M1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2台の第1無線通信装置と、複数の第2無線通信装置と、に無線通信可能に接続された無線通信装置であって、
前記2台の第1無線通信装置それぞれの位置を記憶する位置記憶部と、
前記複数の第2無線通信装置それぞれの位置を取得する位置取得部と、
無線通信における電波強度から、前記2台の第1無線通信装置それぞれと、前記無線通信装置と、の間の第1距離を取得する第1距離取得部と、
無線通信における電波強度から、前記複数の第2無線通信装置それぞれと、前記無線通信装置と、の間の第2距離を取得する第2距離取得部と、
前記2台の第1無線通信装置それぞれの位置と、前記第1距離と、少なくとも1つの前記第2無線通信装置の位置と、該少なくとも1つの前記第2無線通信装置と前記無線通信装置との間の前記第2距離と、に基づいて、前記無線通信装置の位置を特定する第1位置特定部と、
前記無線通信装置の所定の表面が向く方向を検出する方位検出部と、
前記無線通信装置の位置と、前記方位検出部により検出された方向と、前記複数の第2無線通信装置それぞれの位置と、に基づいて、前記複数の第2無線通信装置のうちから、前記無線通信装置と無線通信を行う対象を特定する通信対象特定部と、
を備える無線通信装置。
【請求項2】
前記第1位置特定部は、
前記2台の第1無線通信装置それぞれの位置と、前記第1距離と、に基づいて、前記無線通信装置の2つの候補位置を特定し、
特定された前記2つの候補位置のうち、前記少なくとも1つの前記第2無線通信装置の位置から、前記少なくとも1つの前記第2無線通信装置と前記無線通信装置との間の前記第2距離だけ離れた位置に相当する位置を、前記無線通信装置の位置として特定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項3】
前記通信対象特定部は、前記複数の第2無線通信装置の位置のうち、前記無線通信装置の位置から、前記方位検出部により検出された方向にある位置に存在する前記第2無線通信装置を、前記無線通信装置と無線通信を行う対象として特定する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の無線通信装置。
【請求項4】
前記所定の表面が向く方向に位置する前記第2無線通信装置の表面に設けられたマーカの画像を取得する撮像部をさらに備え、
前記通信対象特定部は、
前記複数の第2無線通信装置の位置のうち、前記無線通信装置の位置から、前記方位検出部により検出された方向にある位置が、複数であるか否か判定し、
複数でないと判定した場合、前記無線通信装置の位置から、前記方位検出部により検出された方向にある位置に存在する前記第2無線通信装置を、前記無線通信装置と無線通信を行う対象として特定し、
複数であると判定した場合、前記撮像部により取得されたマーカの画像に基づいて、前記無線通信装置と、該マーカが設けられた前記第2無線通信装置との間の距離を取得し、
前記無線通信装置の位置から、前記方位検出部により検出された方向にある複数の位置にそれぞれ存在する前記第2無線通信装置のうち、前記無線通信装置との間の第2距離が、前記無線通信装置と、該マーカが設けられた前記第2無線通信装置と、の間の距離に相当する前記第2無線通信装置を、前記無線通信装置と無線通信を行う対象として特定する、
ことを特徴とする請求項3に記載の無線通信装置。
【請求項5】
前記複数の第2無線通信装置それぞれについて、前記2台の第1無線通信装置を結ぶ直線を境界として得られる2つの領域のうち、前記第2無線通信装置が存在する領域を記憶する領域記憶部をさらに備え、
前記位置取得部は、
無線通信における電波強度から、前記2台の第1無線通信装置それぞれと、前記複数の第2無線通信装置それぞれと、の間の第3距離を取得する第3距離取得部と、
前記複数の第2無線通信装置それぞれについて、前記2台の第1無線通信装置の位置と、前記第2無線通信装置が存在する領域と、前記第3距離と、に基づいて、前記第2無線通信装置の位置を特定する第2位置特定部と、を備える、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の無線通信装置。
【請求項6】
前記第2位置特定部は、
前記複数の第2無線通信装置それぞれについて、前記2台の第1無線通信装置それぞれの位置と、前記第3距離と、に基づいて、前記第2無線通信装置の2つの候補位置を特定し、
特定された前記2つの候補位置のうち、前記第2無線通信装置が存在する領域内にある位置を、前記第2無線通信装置の位置として特定する、
ことを特徴とする請求項5に記載の無線通信装置。
【請求項7】
2台の第1無線通信装置と、複数の第2無線通信装置と、無線通信装置と、が互いに無線通信可能に接続された無線通信システムが実行する通信対象特定方法であって、
前記複数の第2無線通信装置それぞれの位置を取得する位置取得ステップと、
無線通信における電波強度から、前記2台の第1無線通信装置それぞれと、前記無線通信装置と、の間の第1距離を取得する第1距離取得ステップと、
無線通信における電波強度から、前記複数の第2無線通信装置それぞれと、前記無線通信装置と、の間の第2距離を取得する第2距離取得ステップと、
位置記憶部に記録された前記2台の第1無線通信装置それぞれの位置と、前記第1距離と、少なくとも1つの前記第2無線通信装置の位置と、該少なくとも1つの前記第2無線通信装置と前記無線通信装置との間の前記第2距離と、に基づいて、前記無線通信装置の位置を特定する位置特定ステップと、
前記無線通信装置の所定の表面が向く方向を検出する方位検出ステップと、
前記無線通信装置の位置と、前記方位検出ステップにおいて検出された方向と、前記複数の第2無線通信装置それぞれの位置と、に基づいて、前記複数の第2無線通信装置のうちから、前記無線通信装置と無線通信を行う対象を特定する通信対象特定ステップと、
を備える通信対象特定方法。
【請求項8】
2台の第1無線通信装置と、複数の第2無線通信装置と、に無線通信可能に接続された無線通信装置のコンピュータを
前記複数の第2無線通信装置それぞれの位置を取得する位置取得手段、
無線通信における電波強度から、前記2台の第1無線通信装置それぞれと、前記無線通信装置と、の間の第1距離を取得する第1距離取得手段、
無線通信における電波強度から、前記複数の第2無線通信装置それぞれと、前記無線通信装置と、の間の第2距離を取得する第2距離取得手段、
位置記憶部に記録された前記2台の第1無線通信装置それぞれの位置と、前記第1距離と、少なくとも1つの前記第2無線通信装置の位置と、該少なくとも1つの前記第2無線通信装置と前記無線通信装置との間の前記第2距離と、に基づいて、前記無線通信装置の位置を特定する第1位置特定手段、
前記無線通信装置の所定の表面が向く方向を検出する方位検出手段、
前記無線通信装置の位置と、前記方位検出手段により検出された方向と、前記複数の第2無線通信装置それぞれの位置と、に基づいて、前記複数の第2無線通信装置のうちから、前記無線通信装置と無線通信を行う対象を特定する通信対象特定手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の無線通信装置のうちから、通信対象を特定する無線通信装置、通信対象特定方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、現実空間と仮想空間とを融合して表示する拡張現実(Augmented Reality)の技術として、例えば、特許文献1に記載の拡張現実感システムがある。このシステムでは、予め設定された複数種類のマーカを携帯端末に記憶させ、ユーザが選択した任意のマーカを携帯端末の表示部に表示させることにより、そのマーカを含む画像を撮影すると、そのマーカを配置した位置に、そのマーカに対応する仮想物体を撮影画像中に合成して表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−250950号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載の技術では、マーカが設けられた複数の携帯端末のそれぞれと通信を行うためには、それぞれに異なるマーカを設けることにより、複数の携帯端末を識別する必要がある。従って、例えば、同一のマーカが設けられた複数の無線通信装置が存在する場合、それらの中から通信対象を特定することは困難である。
【0005】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、複数の無線通信装置のうちから通信対象を特定することが可能な無線通信装置、通信対象特定方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る無線通信装置は、
2台の第1無線通信装置と、複数の第2無線通信装置と、に無線通信可能に接続された無線通信装置であって、
前記2台の第1無線通信装置それぞれの位置を記憶する位置記憶部と、
前記複数の第2無線通信装置それぞれの位置を取得する位置取得部と、
無線通信における電波強度から、前記2台の第1無線通信装置それぞれと、前記無線通信装置と、の間の第1距離を取得する第1距離取得部と、
無線通信における電波強度から、前記複数の第2無線通信装置それぞれと、前記無線通信装置と、の間の第2距離を取得する第2距離取得部と、
前記2台の第1無線通信装置それぞれの位置と、前記第1距離と、少なくとも1つの前記第2無線通信装置の位置と、該少なくとも1つの前記第2無線通信装置と前記無線通信装置との間の前記第2距離と、に基づいて、前記無線通信装置の位置を特定する第1位置特定部と、
前記無線通信装置の所定の表面が向く方向を検出する方位検出部と、
前記無線通信装置の位置と、前記方位検出部により検出された方向と、前記複数の第2無線通信装置それぞれの位置と、に基づいて、前記複数の第2無線通信装置のうちから、前記無線通信装置と無線通信を行う対象を特定する通信対象特定部と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、複数の無線通信装置のうちから通信対象を特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係る無線通信システムの使用例を表す概略図である。
図2】(a)及び(b)は、それぞれ、無線通信装置の正面図及び背面図である。
図3】本実施形態に係るセンサ端末、管理装置、及び無線通信装置のハードウェア構成例を概略的に示すブロック図である。
図4】管理装置位置テーブルに格納されているデータの一例を示す図である。
図5】チャンネル設定テーブルに格納されているデータの一例を示す図である。
図6】チャンネルの設定方法の一例を説明するための図である
図7】無線通信装置の制御部の機能的構成を表すブロック図である。
図8】センサ位置特定部によるセンサ端末の位置特定方法の一例を説明するための図である。
図9】撮像位置特定部による無線通信装置の位置特定方法の一例を説明するための図である。
図10】通信対象特定部による通信対象特定方法の一例を説明するための図である。
図11】通信対象特定部による通信対象特定方法の一例を説明するための図である。
図12】無線通信装置の制御部が実行する通信対象特定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0010】
図1は、実施形態1に係る無線通信システム1の使用例を表す図である。図1は、部屋Rを上方から見た上面図であり、部屋R内には、無線通信システム1を構成するセンサ端末(第1無線通信装置)100a〜100dと、管理装置(第2無線通信装置)200a,200bと、無線通信装置300とが、配置されている。センサ端末100a〜100dと、管理装置200a,200bと、無線通信装置300とは、互いに無線により通信可能に接続されている。
【0011】
センサ端末100a〜100dは、センシングしたデータを無線通信装置300に送信する端末装置である。センサ端末100a〜100dは、それぞれの上面にマーカ101a〜101dが設けられている。なお、図1に示すセンサ端末100a〜100dには、全て同一のマーカ101a〜101dが設けられているが、センサ端末100a〜100dに設けられるマーカは、それぞれ異なってもよいし、センサ端末100a〜100dの一部が同じマーカを備えても良い。また、図1では、4つのセンサ端末100a〜100dが図示されているが、センサ端末100a〜100dの数は、これに限られない。また、センサ装置100a〜100dは、それぞれ同様に構成されており、以下の説明では、センサ端末100a〜100dを総称してセンサ端末100と呼ぶ。センサ端末100の詳細な構成については、後述する。
【0012】
管理装置200a,200bは、センサ端末100及び無線通信装置300の位置を特定するための無線信号の送信または受信を行う。管理装置200a,200bは、それぞれ同様に構成されており、以下の説明では、管理装置200a,200bを総称して管理装置200と呼ぶ。管理装置200の詳細な構成については、後述する。
【0013】
無線通信装置300は、複数のセンサ端末100のうち、通信対象となるセンサ端末100を特定し、特定したセンサ端末100との無線通信を行う。
【0014】
図2に無線通信装置300の外観の一例を示す。図2(a)及び(b)は、それぞれ無線通信装置300の正面図及び背面図である。図2(a)に示すように、無線通信装置300の正面には、後述する表示部350が設けられている。また、図2(b)に示すように、無線通信装置300の背面には、後述する撮像部330が設けられ、この撮像部330により撮像された画像が、表示部350に表示される。本実施形態において、無線通信装置300は、表示部350に表示されている画像中に現れるセンサ端末100x、すなわち、ユーザが通信対象として希望するセンサ端末が、複数のセンサ端末100のうち、いずれのセンサ端末であるのかを特定する。そして、無線通信装置300は、センサ端末100xを特定した後、そのセンサ端末100から、そのセンサ端末100が検出したデータを受信する。無線通信装置300の詳細な構成については、後述する。
【0015】
次に、本実施形態に係る無線通信システム1のハードウェア構成について説明する。図3は、本実施形態に係るセンサ端末100、管理装置200、及び無線通信装置300のハードウェア構成例を概略的に示すブロック図である。
【0016】
センサ端末100は、制御部110と、センサ部120と、無線通信部130と、を備えている。
【0017】
制御部110は、センサ端末100全体の制御を行う。制御部110は、図示しないCPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)と、を備えている。CPUは、ROMに格納されたプログラムを実行する。ROMは、制御部110がセンサ端末100の全体を制御するためのプログラム等を格納する不揮発性メモリである。RAMは、制御部110が生成した情報や、当該情報を生成するために必要なデータを一時的に格納するための揮発性メモリである。
【0018】
本実施形態において、制御部110は、無線通信部130を介して受信した管理装置200または無線通信装置300からの要求に応じて、無線通信部130から無線信号を管理装置200または無線通信装置300に送信する。また、制御部110は、無線通信装置300からの要求に応じて、センサ部120により検出されたデータを、無線通信部130を介して、無線通信装置300へ送信する。
【0019】
センサ部120は、例えば、温度センサ、照度センサ、水分量センサといった各種センサから構成される。センサ部110は、検出したデータを、制御部110に出力する。
【0020】
無線通信部130は、無線通信インターフェイスから構成され、管理装置200及び無線通信装置300との間で無線通信を行う。また、センサ端末100は、無線通信を行う際に各センサ端末100を識別するための識別情報(SSID:Service Set Identifier)が割り当てられている。
【0021】
次に、管理装置200の構成について説明する。管理装置200は、制御部210と、無線通信部220と、を備えている。
【0022】
制御部210は、管理装置200全体の制御を行う。制御部210は、図示しないCPUと、ROMと、RAMと、を備えている。CPUは、ROMに格納されたプログラムを実行する。ROMは、制御部210が管理装置200の全体を制御するためのプログラム等を格納する不揮発性メモリである。RAMは、制御部210が生成した情報や、当該情報を生成するために必要なデータを一時的に格納するための揮発性メモリである。
【0023】
本実施形態において、制御部210は、無線通信部220を介して受信した無線通信装置300からの要求に応じて、各センサ端末100との間で無線通信を行い、各センサ端末100から受信した電波の強度から、電波送信元であるセンサ端末100と管理装置200との間の距離(後述する第3距離)を取得する。そして、制御部210は、取得した距離を、無線通信部220を介して、無線通信装置300に送信する。
【0024】
無線通信部220は、無線通信インターフェイスから構成され、センサ端末100及び無線通信装置300との間で無線通信を行う。また、管理装置200には、無線通信を行う際に各管理装置200を識別するための識別情報(管理ID)が割り当てられている。
【0025】
次に、無線通信装置300の構成について説明する。無線通信装置300は、制御部310と、記憶部320と、撮像部330と、入力部340と、表示部350と、方位検出部360と、無線通信部370と、を備えている。
【0026】
制御部310は、例えば、CPUと、ROMと、RAMとから構成されており、無線通信装置300の全体の制御を行う。CPUは、ROMに格納されたプログラムを実行する。ROMは、制御部310が無線通信装置300の全体を制御するためのプログラム等を格納する不揮発性メモリである。RAMは、制御部310が生成した情報や、当該情報を生成するために必要なデータを一時的に格納するための揮発性メモリである。
【0027】
記憶部320は、ハードディスクドライブ等の記憶装置から構成される。具体的には、記憶部320は、管理装置位置テーブル(位置記憶部)321と、チャンネル設定テーブル322とを記憶する。
【0028】
管理装置位置テーブル321は、部屋Rにおける各管理装置200の位置を記憶する。図4に、管理装置位置テーブル321に格納されている各管理装置200の位置を表すデータの一例を示す。図4に示す管理装置位置テーブル321では、管理装置200の管理ID毎に、管理装置の位置が格納されている。ここで、図4に示される各管理装置200の位置(x、y)は、図1に示されるX−Y座標系Cを用いて表される。各管理装置200の位置は、例えば、予めユーザにより計測され、入力部340を介してその計測値が入力されることにより、管理装置位置テーブル321に格納される。
【0029】
チャンネル設定テーブル322は、各センサ端末100との無線通信で使用する周波数帯(チャンネル)を記憶する。図5に、チャンネル設定テーブル322に格納されている各センサ端末100のチャンネルを表すデータの一例を示す。図5に示すチャンネル設定テーブル322では、センサ端末100のSSID毎に、そのセンサ端末100とのWi−Fi通信に用いられるチャンネルが格納されている。
【0030】
ここで、チャンネルの設定方法の一例について、図6を用いて説明する。図6に示すように、2台の管理装置200は、矩形上の部屋Rの角部であって、対角線上に位置するように、配置されている。この状態において、管理装置200を結ぶ直線Lを境界線として、センサ端末100が配置されている部屋R内の領域は、2つの領域A1,A2に分割される。そして、各センサ端末100に割り当てられるチャンネルは、そのセンサ端末100が位置する領域に基づいて設定される。具体的には、直線Lより下方に位置する、すなわち、領域A1内に位置するセンサ端末100a,100cは、チャンネルとして1chを使用する。また、直線Lより上方に位置する、すなわち、領域A2内に位置するセンサ端末100b,100dは、チャンネルとして11chを使用する。各センサ端末100のチャンネルは、その設置位置に応じて、例えば、ユーザにより、入力部340を介してそのチャンネルが入力されることにより、センサ端末100のSSIDと対応付けてチャンネル設定テーブル322に格納される。
【0031】
撮像部330は、CCD(Charge Coupled Device)センサ、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ等の撮像素子、レンズ、及び画像処理回路等から構成される。撮像部330は、図2(b)に示すように、無線通信装置300の背面に設けられ、その背面が向く方向にある物体の画像を取得し、取得した画像を制御部310に出力する。
【0032】
入力部340は、ユーザが無線通信装置300を操作するためのボタン、タッチパネル等の入力装置から構成され、ユーザによって入力される各種の情報を受け付ける。
【0033】
表示部350は、液晶ディスプレイ等の表示装置から構成されている。表示部350は、制御部310により出力された各種の情報や画像を表示出力する。
【0034】
方位検出部360は、例えば、磁気センサから構成され、無線通信装置300の背面が向いている方向、すなわち、撮像部330より撮像されている方向を検出する。そして、方位検出部360は、検出した方向を表すデータを制御部310に出力する。
【0035】
無線通信部370は、無線通信インターフェイスから構成され、センサ端末100及び管理装置200との間で無線通信を行う。
【0036】
次に、無線通信装置300の制御部310の機能的構成について説明する。図7は、本実施形態に係る無線通信装置300の制御部310の機能的構成を表すブロック図である。図7に示すように、制御部310は、第1距離取得部311、第2距離取得部312、センサ位置取得部(位置取得部)313、撮像位置特定部(第1位置特定部)314、通信対象特定部315、として機能する。
【0037】
第1距離取得部311は、各管理装置200と無線通信装置300との間の距離である第1距離を取得する。具体的には、第1距離取得部311は、無線通信部370により各管理装置200との間で無線通信を行い、各管理装置200から受信した電波の強度に基づいて、第1距離を取得する。
【0038】
第2距離取得部312は、各センサ端末100と無線通信装置300との間の距離である第2距離を取得する。具体的には、第2距離取得部312は、無線通信部370により各センサ端末100との間で無線通信を行い、各センサ端末100から受信した電波の強度に基づいて、第2距離を取得する。
【0039】
センサ位置取得部313は、部屋Rにおける各センサ端末100の位置を取得する。具体的には、センサ位置取得部313は、第3距離取得部313aと、センサ位置特定部(第2位置特定部)313bと、を備える。
【0040】
第3距離取得部313aは、各センサ端末100と各管理装置200との間の距離である第3距離を取得する。具体的には、第3距離取得部313aは、各センサ端末100と各管理装置200との間で無線通信を行わせ、各管理装置200に、各センサ端末100から受信した電波の強度に基づいて、第3距離を取得させる。そして、第3距離取得部313aは、各管理装置200から、第3距離を取得する。
【0041】
センサ位置特定部313bは、取得した第3距離と、チャンネル設定テーブル322に記憶された各センサ端末100のチャンネルとに基づいて、各センサ端末100の位置を特定する。
【0042】
以下、センサ位置特定部313bによるセンサ端末100の位置特定方法の一例について、図8を用いて説明する。例えば、第3距離取得部313aは、センサ端末100aと管理装置200aとの間の第3距離としてDaa、センサ端末100aと管理装置200bとの間の第3距離としてDab、をそれぞれ取得したとする。この場合、センサ位置特定部313bは、図8に示すように、各管理装置200の位置と、2つの第3距離Daa,Dabと、に基づいて、センサ端末100aの候補位置として、2点P1,P2を特定する。
【0043】
さらに、センサ位置特定部313bは、チャンネル設定テーブル322に格納された、センサ端末100aのSSIDに対応するチャンネルが「1」であることから、「1」のチャンネルに対応する領域A1内にある点P2を、センサ端末100aの位置として特定する。
【0044】
撮像位置特定部314は、管理装置位置テーブル321に格納された各管理装置200の位置と、第1距離取得部311により取得された第1距離と、センサ位置取得部313により取得された各センサ端末100の位置と、第2距離取得部312により取得された第2距離とに基づいて、無線通信装置300の位置を特定する。
【0045】
以下、撮像位置特定部314による無線通信装置300の位置特定方法の一例について、図9を用いて説明する。例えば、第1距離取得部311は、無線通信装置300と管理装置200aとの間の第1距離としてDma、無線通信装置300と管理装置200bとの間の第1距離としてDmb、をそれぞれ取得したとする。この場合、撮像位置特定部314は、図9に示すように、各管理装置200の位置と、2つの第1距離Dma,Dmbと、に基づいて、無線通信装置300の候補位置として、2点P3,P4を特定する。
【0046】
さらに、撮像位置特定部314は、複数のセンサ端末100のうち、例えばセンサ端末100aについて、センサ位置取得部313により取得されたセンサ端末100aの位置と、第2距離取得部312により取得されたセンサ端末100aと無線通信装置300との間の第2距離Dsaとから、2点P3,P4のうち、センサ端末100aからDsaだけ離れた距離にあるP4を、無線通信装置300の位置として特定する。
【0047】
通信対象特定部315は、撮像位置特定部314により特定された無線通信装置300の位置と、方位検出部360により取得された無線通信装置300の方向と、センサ位置取得部313により取得されたセンサ端末100の位置と、に基づいて、通信対象となるセンサ端末100を特定する。
【0048】
以下、通信対象特定部315による通信対象特定方法の一例について、図10及び図11を用いて説明する。例えば、図10に示すように、撮像位置特定部314は、無線通信装置300の位置Poを特定し、方位検出部360は、無線通信装置300の背面が向く方向として矢印Arを検出したとする。このとき、通信対象特定部315は、センサ位置取得部313により取得されたセンサ端末100それぞれの位置のうち、無線通信装置300の位置Poから、矢印Ar方向にある位置が、複数であるか否か判定する。図10に示す例では、通信対象特定部315は、無線通信装置300の位置Poから、矢印Ar方向に、センサ端末100aの位置Paと、センサ端末100cの位置Pcがあるため、通信対象特定部315は、無線通信装置300の位置Poから、矢印Ar方向に、センサ端末100の位置が複数あると判定する。
【0049】
通信対象特定部315は、無線通信装置300の位置Poから、矢印Ar方向に、センサ端末100の位置が複数あると判定した場合、表示部350に表示されているセンサ端末100xのマーカ101x(図2(a)参照)の画像について射影変換を行うことにより、そのセンサ端末100xまでの距離L及び、無線通信装置300の背面方向がマーカ101xの配置面に対して傾斜する傾斜角度θを算出する。そして、図11に示すように、距離L及び傾斜角度θから、無線通信装置300とセンサ端末100xとの直線距離Lcosθを算出する。そして、無線通信装置300の位置Poから矢印Ar方向に存在するセンサ端末100a及びセンサ端末100cのうち、第2距離取得部312により取得された第2距離Dsa,Dscが、算出した直線距離Lcosθと一致、または、所定の誤差の範囲内にあるセンサ端末100aを、表示部350に表示されているセンサ端末100x、すなわち、通信対象のセンサ端末100xとして特定する。
【0050】
なお、無線通信装置300の位置Poから矢印Ar方向に複数のセンサ端末100が存在しない場合、すなわち、1つのセンサ端末100しか存在しない場合は、そのセンサ端末100が表示部350に表示されているセンサ端末100xに相当する。従って、通信対象特定部315は、そのセンサ端末100を通信対象として特定する。
【0051】
次に、本実施形態に係る無線通信装置300の動作について、図面を参照して説明する。図12は、本実施形態に係る無線通信装置300の制御部310が実行する通信対象特定処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、この通信対象特定処理は、上述した制御部310のROM内にプログラムとして予め記憶されており、制御部310がプログラムを読み出して実行することで、実際の処理が行われるものとする。
【0052】
無線通信装置300の制御部310は、例えば、ユーザによる入力部340への操作を契機として図12に示す通信対象特定処理を開始する。本処理では、図2(a)に示すように、ユーザが無線通信装置300の撮像部330により取得され、表示部350に表示された画像内に通信対象となるセンサ端末100xの画像が含まれている状態において、そのセンサ端末100xが、複数のセンサ端末100のうちいずれであるかを特定する。従って、通信対象となるセンサ端末100xが表示部350に表示されている状態で、本処理が実行されるものとする。また、本処理において、予め、管理装置位置テーブル321及びチャンネル設定テーブル322には、それぞれ、管理装置200の位置及び各センサ端末100のチャンネルを表すデータがユーザにより入力部340を介して入力され、記憶部320に格納されているものとする。
【0053】
まず、第3距離取得部313aは、各管理装置200に、センサ端末100との間で無線通信を行い、各管理装置200と各センサ端末100との間の第3距離を取得するよう要求する要求信号を送信する(ステップS101)。
【0054】
管理装置200は、ステップS101において無線通信装置300から送信された要求信号を受信し、その受信した要求信号に応じて、各センサ端末100との間で無線通信を行い、その受信電波強度を計測する。そして、各管理装置200は、受信電波強度に基づいて、管理装置200とその受信電波の送信元であるセンサ端末100との間の第3距離を算出する。そして、管理装置200は、算出した第3距離を表すデータを無線通信装置300に送信する。
【0055】
次に、第3距離取得部313aは、各管理装置200から、各管理装置200において算出された第3距離を表すデータを受信する(ステップS102)。
【0056】
次に、センサ位置特定部313bは、ステップS102において受信した第3距離と、管理装置位置テーブル321に記録された各管理装置200の位置と、チャンネル設定テーブル322に記録された各センサ端末100のチャンネルとに基づいて、各センサ端末100の位置を特定する(ステップS103)。
【0057】
次に、第1距離取得部311は、各管理装置200との間で無線通信を行い、その受信電波強度に基づいて、各管理装置200と無線通信装置300との間の第1距離を取得する(ステップS104)。
【0058】
次に、第2距離取得部312は、各センサ端末100との間で無線通信を行い、その受信電波強度に基づいて、各センサ端末100と無線通信装置300との間の第2距離を取得する(ステップS105)。
【0059】
次に、撮像位置特定部314は、管理装置位置テーブル321に記録された各管理装置200の位置と、ステップS104において取得した第1距離と、に基づいて、無線通信装置300の候補位置2点を特定する(ステップS106)。
【0060】
次に、撮像位置特定部314は、複数のセンサ端末100のうち、1つのセンサ端末100を任意に特定し、ステップS103において特定された、そのセンサ端末100の位置と、ステップS105において取得された、そのセンサ端末100との第2距離と、に基づいて、ステップS106において特定された2点の候補位置のうちから、無線通信装置300の位置を特定する(ステップS107)。
【0061】
次に、通信対象特定部315は、方位検出部360により、無線通信装置300の背面が向いている方向を特定する(ステップS108)。
【0062】
そして、通信対象特定部315は、ステップS107において特定された無線通信装置300の位置と、ステップS103において特定された各センサ端末100の位置と、ステップS108において特定された方向と、に基づいて、無線通信装置300の位置から特定された方向に、複数のセンサ端末100が存在するか否かを判定する(ステップS109)。
【0063】
通信対象特定部315は、無線通信装置300の位置から特定された方向に、複数のセンサ端末100が存在しないと判定した場合(ステップS109;No)、すなわち、無線通信装置300の位置から特定された方向に、1つのセンサ端末100のみが存在する場合、表示部350に表示されているセンサ端末100xは、その1つのセンサ端末100であることが特定される。従って、そのセンサ端末100を通信対象として特定する(ステップS110)。そして、本処理を終了する。
【0064】
通信対象特定部315は、無線通信装置300の位置から特定された方向に、複数のセンサ端末100が存在すると判定した場合(ステップS109;Yes)、表示部350に表示されているセンサ端末100xのマーカ101xの画像に基づいて、無線通信装置300とセンサ端末100xとの間の距離Lと、無線通信装置300の背面方向がマーカ101xの配置面に対して傾斜する傾斜角度θとを算出する(ステップS111)。
【0065】
そして、通信対象特定部315は、ステップS111において算出した距離Lと傾斜角度θとから直線距離Lcosθを算出し、直線距離Lcosθと、無線通信装置300とセンサ端末100との間の第2距離とが一致、または、所定の誤差の範囲内にあるセンサ端末100を、表示部350に表示されているセンサ端末100x、すなわち、通信対象のセンサ端末100xとして特定する(ステップS112)。そして、本処理を終了する。
【0066】
以上の通信対象特定処理により、複数のセンサ端末100のうちから通信対象となるセンサ端末100が特定された後、無線通信装置300は、特定されたセンサ端末100のSSIDを用いて、そのセンサ端末100と無線通信を行うことができる。
【0067】
以上説明した無線通信システム1によれば、無線通信装置300は、管理装置200及びセンサ端末100との無線通信における電波強度から、自身と管理装置200及びセンサ端末100との間の距離を取得する。そして、管理装置200及びセンサ端末100の位置と、取得した距離とから、自身の位置を特定する。そして、無線通信装置300は、自身の位置から撮像部330により撮像している方向に存在するセンサ端末100を通信対象として特定する。従って、無線通信装置300は、複数のセンサ端末100のうちから、通信対象となるセンサ端末を特定することができる。
【0068】
また、上記の実施形態では、複数のセンサ端末100それぞれについて、2台の管理装置200との無線通信に用いるチャンネルが、その2台の管理装置200により規定される2つの領域のいずれにそのセンサ端末100が位置しているかに応じて、予め設定されている。そして、センサ端末100の位置は、2台の管理装置200とセンサ端末100との間の距離と、そのセンサ端末100のチャンネルと、により特定することができる。従って、管理装置200とセンサ端末100との間の距離からセンサ端末100の位置を特定するに際し、2台の管理装置200のみでセンサ端末の位置を特定することができる。
【0069】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態によって限定されるものではない。
【0070】
例えば、上記の実施形態において、無線通信装置300の制御部310の機能の一部が、センサ端末100または管理装置200により実現されてもよい。例えば、2台の管理装置200の少なくとも一方の制御部210が、センサ位置取得部313として機能してもよい。例えば、管理装置200aは、無線通信における受信電波強度から各センサ端末100との間の第3距離を取得するとともに、管理装置200bから、管理装置200bが取得した第3距離を受信する。そして、管理装置200aは、自身が取得した第3距離と、管理装置200bから取得した第3距離と、予め設定された各センサ端末100のチャンネルとに基づいて、各センサ端末100の位置を特定することができる。そして、管理装置200aが特定した各センサ端末100の位置を無線通信装置300に送信することにより、無線通信装置300は、各センサ端末100の位置を取得することができる。
【0071】
また、上記の実施形態において、2台の管理装置200が、各センサ端末100が送信した無線信号の受信電波強度を計測し、その受信電波強度に基づいて、管理装置200とセンサ端末300との間の第3距離を取得する。しかし、各センサ端末100が、各管理装置200が送信した無線信号の受信電波強度を計測し、その受信電波強度に基づいて、第3距離を取得してもよい。この場合、各センサ端末100が取得した第3距離を無線通信装置300に送信することにより、無線通信装置300は、第3距離を取得することができる。
【0072】
また、本発明に係る無線通信装置300は、専用の装置によらず、通常のコンピュータシステムを用いて実現可能である。例えば、ネットワークに接続されているコンピュータに、上記動作を実行するためのプログラムを、コンピュータシステムが読み取り可能な記録媒体(CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)等)に格納して配布し、当該プログラムをコンピュータシステムにインストールすることにより、上述の処理を実行する無線通信装置300を構成してもよい。
【0073】
また、コンピュータにプログラムを提供する方法は任意である。例えば、プログラムは、通信回線の掲示板(BBS:Bulletin Board System)にアップロードされ、通信回線を介してコンピュータに配信されてもよい。また、プログラムは、プログラムを表す信号により搬送波を変調した変調波により伝送され、この変調波を受信した装置が変調波を復調してプログラムを復元するようにしてもよい。そして、コンピュータは、このプログラムを起動して、OS(Operating System)の制御のもと、他のアプリケーションと同様に実行する。これにより、コンピュータは、上述の処理を実行する無線通信装置300として機能する。
【0074】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明には、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲が含まれる。以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0075】
(付記1)
2台の第1無線通信装置と、複数の第2無線通信装置と、に無線通信可能に接続された無線通信装置であって、
前記2台の第1無線通信装置それぞれの位置を記憶する位置記憶部と、
前記複数の第2無線通信装置それぞれの位置を取得する位置取得部と、
無線通信における電波強度から、前記2台の第1無線通信装置それぞれと、前記無線通信装置と、の間の第1距離を取得する第1距離取得部と、
無線通信における電波強度から、前記複数の第2無線通信装置それぞれと、前記無線通信装置と、の間の第2距離を取得する第2距離取得部と、
前記2台の第1無線通信装置それぞれの位置と、前記第1距離と、少なくとも1つの前記第2無線通信装置の位置と、該少なくとも1つの前記第2無線通信装置と前記無線通信装置との間の前記第2距離と、に基づいて、前記無線通信装置の位置を特定する第1位置特定部と、
前記無線通信装置の所定の表面が向く方向を検出する方位検出部と、
前記無線通信装置の位置と、前記方位検出部により検出された方向と、前記複数の第2無線通信装置それぞれの位置と、に基づいて、前記複数の第2無線通信装置のうちから、前記無線通信装置と無線通信を行う対象を特定する通信対象特定部と、
を備える無線通信装置。
【0076】
(付記2)
前記第1位置特定部は、
前記2台の第1無線通信装置それぞれの位置と、前記第1距離と、に基づいて、前記無線通信装置の2つの候補位置を特定し、
特定された前記2つの候補位置のうち、前記少なくとも1つの前記第2無線通信装置の位置から、前記少なくとも1つの前記第2無線通信装置と前記無線通信装置との間の前記第2距離だけ離れた位置に相当する位置を、前記無線通信装置の位置として特定する、
ことを特徴とする付記1に記載の無線通信装置。
【0077】
(付記3)
前記通信対象特定部は、前記複数の第2無線通信装置の位置のうち、前記無線通信装置の位置から、前記方位検出部により検出された方向にある位置に存在する前記第2無線通信装置を、前記無線通信装置と無線通信を行う対象として特定する、
ことを特徴とする付記1または2に記載の無線通信装置。
【0078】
(付記4)
前記所定の表面が向く方向に位置する前記第2無線通信装置の表面に設けられたマーカの画像を取得する撮像部をさらに備え、
前記通信対象特定部は、
前記複数の第2無線通信装置の位置のうち、前記無線通信装置の位置から、前記方位検出部により検出された方向にある位置が、複数であるか否か判定し、
複数でないと判定した場合、前記無線通信装置の位置から、前記方位検出部により検出された方向にある位置に存在する前記第2無線通信装置を、前記無線通信装置と無線通信を行う対象として特定し、
複数であると判定した場合、前記撮像部により取得されたマーカの画像に基づいて、前記無線通信装置と、該マーカが設けられた前記第2無線通信装置との間の距離を取得し、
前記無線通信装置の位置から、前記方位検出部により検出された方向にある複数の位置にそれぞれ存在する前記第2無線通信装置のうち、前記無線通信装置との間の第2距離が、前記無線通信装置と、該マーカが設けられた前記第2無線通信装置と、の間の距離に相当する前記第2無線通信装置を、前記無線通信装置と無線通信を行う対象として特定する、
ことを特徴とする付記3に記載の無線通信装置。
【0079】
(付記5)
前記複数の第2無線通信装置それぞれについて、前記2台の第1無線通信装置を結ぶ直線を境界として得られる2つの領域のうち、前記第2無線通信装置が存在する領域を記憶する領域記憶部をさらに備え、
前記位置取得部は、
無線通信における電波強度から、前記2台の第1無線通信装置それぞれと、前記複数の第2無線通信装置それぞれと、の間の第3距離を取得する第3距離取得部と、
前記複数の第2無線通信装置それぞれについて、前記2台の第1無線通信装置の位置と、前記第2無線通信装置が存在する領域と、前記第3距離と、に基づいて、前記第2無線通信装置の位置を特定する第2位置特定部と、を備える、
ことを特徴とする付記1乃至4のいずれかに記載の無線通信装置。
【0080】
(付記6)
前記第2位置特定部は、
前記複数の第2無線通信装置それぞれについて、前記2台の第1無線通信装置それぞれの位置と、前記第3距離と、に基づいて、前記第2無線通信装置の2つの候補位置を特定し、
特定された前記2つの候補位置のうち、前記第2無線通信装置が存在する領域内にある位置を、前記第2無線通信装置の位置として特定する、
ことを特徴とする付記5に記載の無線通信装置。
【0081】
(付記7)
2台の第1無線通信装置と、複数の第2無線通信装置と、無線通信装置と、が互いに無線通信可能に接続された無線通信システムが実行する通信対象特定方法であって、
前記複数の第2無線通信装置それぞれの位置を取得する位置取得ステップと、
無線通信における電波強度から、前記2台の第1無線通信装置それぞれと、前記無線通信装置と、の間の第1距離を取得する第1距離取得ステップと、
無線通信における電波強度から、前記複数の第2無線通信装置それぞれと、前記無線通信装置と、の間の第2距離を取得する第2距離取得ステップと、
位置記憶部に記録された前記2台の第1無線通信装置それぞれの位置と、前記第1距離と、少なくとも1つの前記第2無線通信装置の位置と、該少なくとも1つの前記第2無線通信装置と前記無線通信装置との間の前記第2距離と、に基づいて、前記無線通信装置の位置を特定する位置特定ステップと、
前記無線通信装置の所定の表面が向く方向を検出する方位検出ステップと、
前記無線通信装置の位置と、前記方位検出ステップにおいて検出された方向と、前記複数の第2無線通信装置それぞれの位置と、に基づいて、前記複数の第2無線通信装置のうちから、前記無線通信装置と無線通信を行う対象を特定する通信対象特定ステップと、
を備える通信対象特定方法。
【0082】
(付記8)
2台の第1無線通信装置と、複数の第2無線通信装置と、に無線通信可能に接続されたコンピュータを
前記複数の第2無線通信装置それぞれの位置を取得する位置取得手段、
無線通信における電波強度から、前記2台の第1無線通信装置それぞれと、前記無線通信装置と、の間の第1距離を取得する第1距離取得手段、
無線通信における電波強度から、前記複数の第2無線通信装置それぞれと、前記無線通信装置と、の間の第2距離を取得する第2距離取得手段、
位置記憶部に記録された前記2台の第1無線通信装置それぞれの位置と、前記第1距離と、少なくとも1つの前記第2無線通信装置の位置と、該少なくとも1つの前記第2無線通信装置と前記無線通信装置との間の前記第2距離と、に基づいて、前記無線通信装置の位置を特定する第1位置特定手段、
前記無線通信装置の所定の表面が向く方向を検出する方位検出手段、
前記無線通信装置の位置と、前記方位検出手段により検出された方向と、前記複数の第2無線通信装置それぞれの位置と、に基づいて、前記複数の第2無線通信装置のうちから、前記無線通信装置と無線通信を行う対象を特定する通信対象特定手段と、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0083】
1…無線通信システム、100(100a〜100d,100x)…センサ端末、101a〜101d,101x…マーカ、110…制御部、120…センサ部、130…無線通信部、200(200a,200b)…管理装置、210…制御部、220…無線通信部、300…無線通信装置、310…制御部、311…第1距離取得部、312…第2距離取得部、313…センサ位置取得部、313a…第3距離取得部、313b…センサ位置特定部、314…撮像位置特定部、315…通信対象特定部、320…記憶部、321…管理装置位置テーブル、322…チャンネル設定テーブル、330…撮像部、340…入力部、350…表示部、360…方位検出部、370…無線通信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12