(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
油脂50〜65質量%、糖類5〜20質量%、蛋白質1〜5質量%、乳化剤0.1〜3.0質量%、増粘多糖類0.1〜1.0質量%および水7〜26質量%を含み、油脂平均粒径が5〜8μmであることを特徴とするロールイン用水中油型乳化組成物。
【背景技術】
【0002】
ベイカリー製品のうち、パイ、パフ、デニッシュ、クロワッサンに代表されるペストリーは、特有の食感を有するために消費者から広く支持されている。ペストリーは一般に、小麦粉、砂糖、食塩、イースト、水を練込用油脂とともに混合してパン生地を形成させ、この生地を低温で冷やした後にロールイン用組成物とともに折りたたみ、更に展延、折りたたみを繰り返して多層を形成させ、成型、ホイロの過程を経て焼成して作製される。このため、一般のパンとは異なり、薄い生地膜から形成される多層構造によってフレーキーでサクサクとした特有の食感となる。
上記のようにペストリー作製の際、練込用油脂とは別に、生地の上に乗せて折り込んで使用されるのが、ロールイン用組成物である。ロールイン用組成物の展延性が劣る場合、きれいな多層構造とならないために、焼成後のペストリーにおいては層状膨化構造が形成されずペストリーとは異なるパンとなってしまう。
【0003】
従来、ペストリーは、ロールイン用組成物としてマーガリン、ファットスプレッドを使用することに起因する油っぽい食べ口となる。ロールイン組成物の使用は必須であり、これを折り込みに用いない場合には、ペストリーの特長である層状膨化構造が形成されない。一方で近年の消費者の健康意識の高まりから、油っぽさは敬遠されることとなる。
また、ペストリーはフレーキーでサクサクとした層状の生地であるため、喫食の際、手でつかんだり歯で噛み切ったりする度に、層状の生地が容易に破砕され、粉々になった破片によって衣服やテーブルを汚すことがあり、このことを敬遠する消費者層も存在する。
このように、食感豊かなペストリーであるにも関わらず、市場の持続的な維持・成長が望めないという問題が生じつつある。
【0004】
連続相を水系とする水中油型乳化物は、ロールイン用組成物として用いた際に、油中水型乳化物と比べて油っぽさを感じにくいという特長があり、上記問題の解決手段として期待されている。
特許文献1には、乳由来の蛋白質、15℃のときの固体脂含有量が10%以上である油脂、増粘剤及び水を含むロールイン用水中油型乳化物が開示されており、食感が滑らかで口溶けの良いパンを得ることが図られている。しかしながら、この技術ではシートの合一性が高すぎて折り込み回数を十分に繰り返すことができず、層状膨化構造が得られないおそれがある。
【0005】
特許文献2には、特定の脂肪酸鎖長組成を有する油脂を特定量含むロールイン用水中油型乳化物が開示されており、油脂を含む油相部の口溶けを良好にすることによってペストリーの口溶けを改善している。しかし、この技術では、消費者の望む油っぽさの無いしっとりさを与えることはできない。
また、特許文献3には、特定の乳化剤と増粘多糖類とを特定の配合量で配合したロールイン用水中油型乳化油脂組成物が開示されている。しかし、この技術では、展延時の脆さは改善されるものの、油脂の含有量を増やさざるを得ず、出来上がったパンは油っぽくしっとりさに欠ける。
【0006】
以上のようにペストリーにおいて層状膨化構造を形成させたまま、油っぽさを改善し、しっとりさを付与する考案が過去においてはなく、ペストリーの消費拡大のためには、この課題を解決することが必要であり広く望まれている。
油っぽさ改善およびしっとりさ付与の目的においては、ロールイン用組成物として水中油型乳化物を用いることによって解決される。一方、ロールイン用水中油型乳化物に展延性と層状膨化構造の機能を付与するためには、水相部粘性調整による流動性調整、水中油型乳化物中における油滴制御等が必要となり、これまで十分な検討がなされていなかった。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明のロールイン用水中油型乳化組成物は、水相部中に油相部を分散した構造であり、油脂、乳化剤等からなる油相部を水、糖類、蛋白質、増粘多糖類を主たる原料とする水相部中に分散した組成である。そのため、油脂を直接感じることがなく、油っぽさの低減に効果的である。水中油型乳化が破壊されると分散された油脂が分離してしまうため、これを抑制するために、蛋白質、乳化剤、増粘多糖類、水の特定の配合割合が重要となる。
さらに、ロールイン用組成物において、ペストリー作製時の展延性に影響を及ぼす原材料は、油中水型組成物の場合には油脂であるが、水中油型組成物の場合には油脂の他に水相部中の糖類も重要な役割を担っている。水中油型組成物の場合には油脂は水相部に分散しており、油滴の周りを粘性のある糖類が覆う形態となっている。この形態によって、機械によるペストリー生地とロールイン用組成物との展延作業の際に、糖類水溶液がクッションの役割を果たし、油脂の分離を抑制して水中油型組成物の乳化安定性に大きく寄与するだけでなく、展延作業の際に糖類水溶液に覆われた形態で油脂が流動するためになめらかで良好な展延性となる。
そのため、油脂と糖類の割合が一定範囲内にあることおよび糖類含有量に対する油脂含有量の比率が特定範囲内にあることが必須の要件となる。
【0012】
本発明のロールイン用水中油型乳化組成物に使用する油脂としては、食用に適する油脂が該当し、牛脂、豚脂、魚油、乳脂、パーム油、ナタネ油、大豆油、綿実油、コーン油、ヤシ油、パーム核油、等の天然の動物植物油脂、またはこれら単独あるいは組み合わせの硬化油、極度硬化油、分別油、エステル交換油が挙げられ、2種類以上の油脂を組み合わせたものが好ましい。
【0013】
前記油脂の含有量は、ロールイン用水中油型乳化組成物全体中の50〜65質量%であり、好ましくは52〜60質量%である。含有量が少な過ぎると焼成中のパンの浮きに悪影響が及び、層状膨化構造が形成されない。含有量が多すぎると乳化破壊による状態変化を起こし製品化できなくなる。また、油脂の融点は層状膨化構造の形成のために、好ましくは25〜45℃、より好ましくは30〜40℃が良い。油脂の融点が低い場合は焼成前に油脂が軟化し層状膨化構造が形成されなくなる。油脂の融点が高い場合は焼成したペストリーの食感が悪くなる。
なお、融点は、基準油脂分析試験法の「上昇融点」法に従い測定する。
【0014】
本発明で使用できる糖類としては、単糖類、二糖類、オリゴ糖および糖アルコールが挙げられ、目的に応じて適宜選択され1種類または2種類以上を組み合わせて用いることができる。水に溶解した液糖を用いる場合には加水量を調節する必要がある。糖類の含有量は固形物換算として5〜20質量%であり、好ましくは8〜18質量%である。糖類の量が少な過ぎるとしっとりした食感が発現せず、多過ぎると水相部の粘度上昇につながり乳化不良を生じる。
【0015】
本発明において折り込み作業時の展延性の付与の目的において、油脂と糖類の含有量は重要であり、合計の含有量がロールイン用水中油型乳化組成物全体中の60〜80質量%の範囲であることが好ましい。油脂と糖類の合計量が少な過ぎると展延性に劣り作業性が悪くなる。合計量が多過ぎると油脂分増加による水中油型乳化の不良を、あるいは糖類分増加による水相部の粘度上昇による乳化不良を生じる場合がある。
【0016】
本発明で使用できる蛋白質は特に限定はないが、乳蛋白質として牛乳、ヤギ乳から得られた全脂粉乳、脱脂粉乳、カゼインナトリウム、レンネットカゼイン、酸カゼイン、バターミルク加工品、ホエー蛋白等が挙げられる。また、卵蛋白質として、液状あるいは乾燥された卵黄、卵白、全卵およびこれらより分離される蛋白質等がある。さらに、大豆蛋白質も用いることができ、豆乳、脱脂大豆粉、大豆蛋白加水分解物等がある。蛋白質の含有量は1〜5質量%であり、好ましくは1.5〜4.5質量%である。含有量が少な過ぎると乳化剤との相互作用が弱まり乳化破壊につながる。また、含有量が多過ぎると水相部の粘度上昇を招き、製造工程中で乳化不良を発生させる。
【0017】
乳化油脂に用いる乳化剤は、食用であればいずれのものでも良い。例えば、モノグリセリン脂肪酸エステル、テトラグリセリン脂肪酸エステル、ヘキサグリセリン脂肪酸エステル等のポリグリセリン脂肪酸エステル、コハク酸モノグリセライド、クエン酸モノグリセライド、乳酸モノグリセライド、ジアセチル酒石酸モノグリセライド、リンゴ酸モノグリセライド、酢酸モノグリセライド等の有機酸モノグリセライド、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等の糖エステル、レシチン、リゾレシチン等の天然乳化剤、オクテニルコハク酸化澱粉等の変性天然乳化剤を用いることができる。乳化剤の含有量は0.1〜3質量%であり、好ましくは0.15〜2.5質量%である。含有量が少な過ぎると乳化不良を起こし製品化することができず、含有量が多過ぎると風味に悪影響を及ぼす。
【0018】
本発明で使用できる増粘多糖類としては、カラギーナン、ペクチン、ジェランガム、ゼラチン、ローカストビーンガム、タマリンド種子多糖類、グアガム、キサンタンガム等が挙げられる。増粘多糖類の含有量は0.1〜1質量%であり、好ましくは0.15〜0.9質量%である。含有量が少な過ぎると乳化不良を起こし、含有量が多過ぎると水相部の粘度上昇によって乳化不良を生ずる。
【0019】
本発明における水相部中の水の含有量は7〜26質量%であり、好ましくは10〜25質量%である。含有量が少な過ぎると糖類の溶解が不十分となる。含有量が多過ぎると水分活性の上昇につながり、ロールイン用水中油型乳化組成物の細菌的保存性が悪化する。
【0020】
本発明における糖類と水の合計量に対する油脂の質量割合は、1.1〜4.5である。1.1より小さい場合には、層状膨化構造の質が低下する傾向があり、4.5より大きい場合には、油っぽさやしっとりさの評価が低下する傾向がある。また、乳化安定性の観点から、好ましくは1.2〜2.0であり、さらに好ましくは1.4〜1.8である。
【0021】
本発明のロールイン用水中油型乳化組成物は、ペストリーに折り込んで使用した際に、展延作業によっても物理的な作用で乳化破壊しない機能が必須である。
また、本発明のロールイン用水中油型乳化組成物を用いて焼成したペストリーにおいては、粘性を有する水相部中に乳化させた油脂の存在によって、焼成したペストリー中で層状膨化構造が形成される。この際、乳化破壊が生じて油脂分離が発生していた場合は、層状膨化構造は形成されるものの、焼成後のペストリーにおいて油っぽさを感じることとなる。
このため、本発明のロールイン用水中油型乳化組成物においては水中油型乳化が安定であることが必要となる。
【0022】
上記のような乳化安定性の確立のために、本発明のロールイン用水中油型乳化組成物においては、分散油脂の平均粒径のコントロールが重要である。
連続相である水相部に分散している油脂の平均粒径は0.1〜10μmとなり、0.5〜5μmが好ましい。
このような平均粒径をもつ油脂を連続相である水相部中に均質化工程によって分散したのち、冷却工程によって水相部を冷却し増粘多糖類、蛋白質によるゲルを形成させ乳化を安定化させる。分散している油脂を0.1μmより小さくすることは、本発明の組成によっては困難である。また、分散している油脂の平均粒径が10μmを超えた場合は、乳化安定性に劣るため、生地との展延作業時に乳化破壊を生じてしまう。
なお、分散している油脂の粒径は、偏光顕微鏡を用いて測定する。スライドグラスにサンプルを少量塗布したプレパラートを作成し、偏光顕微鏡にて100〜250倍の倍率で観察する。粒径は、長軸と短軸との相加平均とし、任意の粒子20個の平均を平均粒径とする。
【0023】
本発明のロールイン用水中油型乳化組成物の製造方法は、一般的な水中油型乳化物を製造する要領で行うことができる。水相部調製、油相部調製、予備乳化、殺菌または滅菌、均質化、冷却という製造工程であり、殺菌または滅菌前後あるいはその両方とも均質化処理することができる。
【0024】
均質化する機械はホモジナイザー、ホモミキサー、コロイドミル等の高せん断力を有するものが好ましい。一般的にホモジナイザーにおいては均質圧力を高めること、ホモミキサーおよびコロイドミルにおいては回転数を高めることによって粒径を小さくすることが可能である。また、ホモジナイザー、コロイドミル等の連続ラインに設置するものはその流量を低くすることによっても、粒径を小さくすることが可能である。
本発明のロールイン用水中油型乳化組成物は、上記の要領で均質化処理の時間またはパス時間の長短と条件の強弱の調整によって、目的の粒径とすることができる。ロールイン用水中油型乳化組成物を所望の粒径に調整する方法としては、均質化プロセスの処理条件と、得られる水中油型乳化組成物の粒径の関係をあらかじめ算出し、所望の粒径のロールイン用水中油型乳化組成物を得る条件を設定する方法や、均質化プロセス中にサンプリングして、抜き取りサンプルの粒径を確認しながら粒径を調整する方法等がある。
【0025】
本発明のロールイン用水中油型組成物の用途は、ペストリーに折り込んで使用するものであるが、生地に練り込んだり、フィリング、トッピングしたりしての用途においても使用可能である。
【実施例】
【0026】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。実施例中の配合量と配合割合は質量基準である。
【0027】
(デニッシュの作製)
表1のデニッシュ配合に従って、パンの作製を行った。ミキサーボールに全ての原料を入れ、低速3分、中高速4分ミキシングした。生地の捏ね上げ温度は25℃とし、−3℃の恒温庫に生地を入れ2時間のリタードを取った。生地に対して22.5%の割合で実施例および比較例で得たロールイン用水中油型乳化組成物を使用し、重ねて3つ折りを2回行い、−3℃の恒温庫で一晩寝かせて中間リタードを取った。中間リタード後、3つ折りを1回行い2.5mmまで圧延した後、一定の大きさに分割、成型し、33℃のホイロに90分間入れた後、200℃のオーブンで10分間焼成してデニッシュを得た。
【0028】
【表1】
【0029】
(粒径測定方法)
油脂粒径の測定には偏光顕微鏡を用いた。スライドグラスにサンプルを少量塗布したプレパラートを作製し、偏光顕微鏡(オリンパス(株)製BX−60)にて100〜250倍の倍率で観察した。食品の場合、蛋白質や澱粉などの油脂以外の固形粒子を含有していることがあるため、偏光機能を持たない光学顕微鏡では油滴のみを見分けることが難しくなる。偏光顕微鏡を使用することで偏光特性を持つ油脂結晶を可視化し、偏光特性を持たない蛋白質や澱粉などは可視化できないため油滴を容易に観察することができる。本発明においては任意の視野の任意の粒子20個について、長軸と短軸との相加平均を粒径とみなした。接眼レンズにマイクロメーターを装着して直接肉眼で測定したが、着色料や呈味成分の影響によって確認しにくい場合には、写真や画像データとして保存してから測定した。
【0030】
(折り込み作業性評価方法)
上記方法にてデニッシュパンを作製する際に、3つ折りおよび成型時のロールイン組成物の展延性について次の4段階で評価した。
◎: 問題なく作業できる。
○: 伸展に抵抗はあるが、支障なく作業ができる。
△: かろうじて作業できる。
×: 伸展性に劣り作業できない。
【0031】
(作製したデニッシュの評価)
焼成後1日間、一定条件下で保管したデニッシュを15名のパネラーにて層状膨化構造、油っぽさ、しっとりさの3項目について官能評価を行った。結果を表2に示す。
◎: 15名中13名以上が良好であると判断
○: 15名中8〜12名が良好であると判断
△: 15名中3〜7名が良好であると判断
×: 15名中2名以下が良好であると判断
【0032】
(実施例1)
表2の配合に従って、以下のようにしてロールイン用水中油型乳化組成物を得た。水相部の原料が均一になるよう攪拌、混合しながら70℃まで昇温し、同様に70℃まで昇温した油相部を添加し攪拌を続けた。その後、ホモジナイザーを用いて20MPaの圧力で均質化した。得られた乳化液をコンサーム掻き取り式熱交換機で50℃まで冷却しシート状に充填包装し、品温が20℃になるまで更に冷却しロールイン用水中油型乳化組成物を得た。得られたロールイン用水中油型乳化組成物を折り込んだデニッシュを作製し、展延性、層状膨化構造、油っぽさ、しっとりさを評価し、評価結果を表2にまとめた。
【0033】
(実施例2〜8)
実施例1と同じ方法で、配合の一部を変更してロールイン用水中油型乳化組成物を得た。得られたロールイン用水中油型乳化組成物を折り込んだデニッシュを作製し、性能の評価を行った。評価結果を配合とともに表2に示す。
【0034】
(比較例1〜4)
実施例1と同じ方法で、配合の一部を変更してロールイン用水中油型乳化組成物の調整を行った。ロールイン用水中油型乳化組成物が得られた場合には、これを折り込んだデニッシュを作製し、性能の評価を行った。評価結果を配合とともに表3に示す。
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】
表2および表3中で用いた材料の詳細は次の通りである。
*1.パーム油:パームカーネル油:菜種油(60:30:10)のエステル交換油(日油(株)製、エステル交換油38)
*2.オレイン酸モノエステルHLB4.3、融点54℃(理研ビタミン(株)製:エマルジーMO)
*3.ソルビタントリステアレート(理研ビタミン(株)製、ポエムS−60V、HLB5.1)
*4.乳蛋白(アーラフーズイングレディエンツ社製、ラクプロダン80)
*5.カラギーナン(三栄源エフ・エフ・アイ(株)製、カラギニンCS−56)
*6.グアガム(DSP五協フード&ケミカル(株)製、グアパックPF20)
【0038】
本発明のロールイン用水中油型乳化組成物を用いた実施例1〜8においては、良好な展延性を有し、かつ良好な層状膨化構造を形成するとともに、油っぽくなくしっとりとした食感のペストリーを作製できた。
これに対して、比較例1においては油脂含有量が本発明の範囲より多いために水中油型乳化物の作製が困難であり、ペストリーでの評価ができなかった。
比較例2においては、油脂含有量が本発明の範囲より少なく、水分含有量が本発明の範囲より多いため、水中油型の乳化物は安定に作製できたが、油分が少なすぎたために良好な層状膨化構造が形成されなかった。
比較例3においては、水含有量が本発明の範囲より多く、糖類含有量が本発明の範囲より少ないため、水中油型の乳化物は安定に作製できたが、糖含有量の少なさによって良好なしっとりさが付与できなかった。
比較例4においては、乳化剤および増粘多糖類の含有量が本発明の範囲より少ないため、水中油型乳化物の作製が困難であり、ペストリーでの評価ができなかった。