特許第6337645号(P6337645)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6337645認証用装置、ウェブサービスの提供システム、認証方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6337645
(24)【登録日】2018年5月18日
(45)【発行日】2018年6月6日
(54)【発明の名称】認証用装置、ウェブサービスの提供システム、認証方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/44 20130101AFI20180528BHJP
【FI】
   G06F21/44
【請求項の数】9
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-130086(P2014-130086)
(22)【出願日】2014年6月25日
(65)【公開番号】特開2016-9359(P2016-9359A)
(43)【公開日】2016年1月18日
【審査請求日】2017年4月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】特許業務法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】喜多 一記
【審査官】 金沢 史明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−346401(JP,A)
【文献】 特開2002−073565(JP,A)
【文献】 特開2009−010650(JP,A)
【文献】 特開2014−049994(JP,A)
【文献】 特開2006−197464(JP,A)
【文献】 特開2006−127184(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/30−21/46
H04L 9/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
証用装置と組を形成する認証用装置であって、
当該認証用装置に割り当てられた認証情報である自認証情報と、前記証用装置に割り当てられた認証情報である他認証情報とを、書き換え不可能領域に記憶する記憶手段と、
記認証用装置が記憶する前記認証用装置Bに割り当てられた認証情報である自認証情報前記認証用装置に割り当てられた認証情報である他認証情報とを、前記認証用装置から受信する第1通信手段と、
前記記憶手段が記憶する自認証情報と前記認証用装置から受信した他認証情報とが一致し、前記記憶手段が記憶する他認証情報と前記認証用装置から受信した自認証情報とが一致する場合、前記認証用装置当該認証用装置と組を形成する認証用装置として判定する判定手段と、
記認証用装置が組を形成する認証用装置として判定された場合、当該認証用装置の認証機能を有効化する有効化手段と、
を備えることを特徴とする認証用装置。
【請求項2】
前記第1通信手段は、前記認証用装置に、前記記憶手段が記憶する自認証情報と他認証情報とを送信することを特徴とする請求項1に記載の認証用装置。
【請求項3】
通信端末と通信する第2通信手段と、
前記第2通信手段の通信動作の制御手段と、を備え、
前記制御手段は、前記認証機能が有効化されると、前記第2通信手段により、前記記憶手段が記憶する自認証情報及び他認証情報を前記通信端末に送信させることを特徴とする請求項1又は2に記載の認証用装置。
【請求項4】
前記第1通信手段は、一定範囲内に位置する前記認証用装置から前記認証用装置Bが記憶する自認証情報Bと他認証情報Bとを受信することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の認証用装置。
【請求項5】
当該認証用装置の形態が装着型であり、
当該認証用装置がユーザに装着されたことを検出する検出手段を備え、
前記判定手段は、前記記憶手段が記憶する自認証情報と前記認証用装置から受信した他認証情報とが一致し、前記記憶手段が記憶する他認証情報と前記認証用装置から受信した自認証情報とが一致し、かつ前記検出手段により当該認証用装置がユーザに装着されたことが検出された場合に、前記認証用装置当該認証用装置と組を形成する認証用装置として判定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の認証用装置。
【請求項6】
当該認証用装置が、複数の認証用装置とグループを形成し、
前記記憶手段は、前記自認証情報と前記複数の認証用装置にそれぞれ割り当てられた複数の他認証情報を記憶し、
前記第1通信手段は、前記複数の認証用装置がそれぞれ記憶する自認証情報と複数の他認証情報とを受信し、
前記判定手段は、前記第1通信手段により複数の認証用装置のいずれかから自認証情報と複数の他認証情報を受信すると、前記記憶手段が記憶する自認証情報と受信した複数の他認証情報のいずれかが一致し、前記記憶手段が記憶する複数の他認証情報のいずれかと受信した自認証情報とが一致する場合、前記認証用装置当該認証用装置とグループを形成する認証用装置として判定することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の認証用装置。
【請求項7】
あらかじめ組の認証情報が割り当てられた認証用装置と、あらかじめ組の認証情報が割り当てられた認証用装置Bと、認証用装置A又は認証用装置Bの少なくとも一方と通信する1又は複数の通信端末と、前記通信端末にネットワーク経由でウェブサービスを提供するサーバと、を備えるウェブサービスの提供システムであって、
記認証用装置Aは
当該認証用装置に割り当てられた認証情報である自認証情報Aと、前記認証用装置に割り当てられた認証情報である他認証情報Aを、前記組の認証情報として、書き換え不可能領域に記憶する記憶手段と、
記認証用装置が記憶する前記認証用装置Bに割り当てられた認証情報である自認証情報前記認証用装置Aに割り当てられた認証情報である他認証情報とを、前記認証用装置から受信する第1通信手段と、
前記記憶手段が記憶する自認証情報と前記認証用装置から受信した他認証情報とが一致し、前記記憶手段が記憶する他認証情報と前記認証用装置から受信した自認証情報とが一致する場合、前記認証用装置当該認証用装置と組を形成する認証用装置として判定する判定手段と、
記認証用装置が組を形成する認証用装置として判定された場合、当該認証用装置の認証機能を有効化する有効化手段と、
前記通信端末と通信する第2通信手段と、
前記認証機能が有効化されると、前記第2通信手段により、前記記憶手段が記憶する自認証情報及び他認証情報を前記通信端末に送信させる制御手段と、を備え、
前記認証用装置Bは
当該認証用装置Bに割り当てられた認証情報である自認証情報Bと、前記認証用装置Aに割り当てられた認証情報である他認証情報Bを、前記組の認証情報として、書き換え不可能領域に記憶する記憶手段Bと、
前記認証用装置Aが記憶する前記認証用装置Aに割り当てられた認証情報である自認証情報Aと前記認証用装置Bに割り当てられた認証情報である他認証情報Aとを、前記認証用装置Aから受信する第1通信手段Bと、
前記記憶手段Bが記憶する自認証情報Bと前記認証用装置Aから受信した他認証情報Aとが一致し、前記記憶手段Bが記憶する他認証情報Bと前記認証用装置Aから受信した自認証情報Aとが一致する場合、前記認証用装置Aを当該認証用装置Bと組を形成する認証用装置として判定する判定手段Bと、
前記認証用装置Aが組を形成する認証用装置として判定された場合、当該認証用装置Bの認証機能を有効化する有効化手段Bと、
前記通信端末と通信する第2通信手段Bと、
前記認証機能が有効化されると、前記第2通信手段Bにより、前記記憶手段Bが記憶する自認証情報B及び他認証情報Bを前記通信端末に送信させる制御手段と、を備え、
前記通信端末は、前記認証用装置から送信された前記自認証情報及び前記他認証情報又は前記認証用装置Bから送信された前記自認証情報B及び前記他認証情報B、を前記サーバに送信し、
前記サーバは、特定の組のユーザのみ利用できるウェブサービスを前記組の認証情報と対応付けて記憶し、当該組の認証情報と前記通信端末から送信された前記自認証情報及び前記他認証情報A、又は前記自認証情報B及び前記他認証情報B、とが一致する場合、当該組の認証情報に対応するウェブサービスを前記通信端末に提供することを特徴とするウェブサービスの提供システム。
【請求項8】
認証用装置Bと組を形成する認証用装置の認証方法であって、
当該認証用装置に割り当てられた認証情報である自認証情報Aと、前記認証用装置Bに割り当てられた認証情報である他認証情報Aとを、書き換え不可能領域に記憶する工程と、
前記認証用装置Bが記憶する前記認証用装置Bに割り当てられた認証情報である自認証情報Bと前記認証用装置に割り当てられた認証情報である他認証情報Bとを、前記認証用装置から受信する工程と、
当該認証用装置が記憶する自認証情報と前記認証用装置から受信した他認証情報とが一致し、当該認証用装置が記憶する他認証情報と前記認証用装置から受信した自認証情報とが一致する場合、前記認証用装置当該認証用装置と組を形成する認証用装置であると判定する工程と、
記認証用装置が組を形成する認証用装置として判定された場合、当該認証用装置の認証機能を有効化する工程と、
を含むことを特徴とする認証方法。
【請求項9】
証用装置と組を形成する認証用装置のコンピュータに
当該認証用装置に割り当てられた認証情報である自認証情報Aと、前記認証用装置Bに割り当てられた認証情報である他認証情報Aとを、書き換え不可能領域に記憶する工程と
前記認証用装置Bが記憶する前記認証用装置Bに割り当てられた認証情報である自認証情報Bと前記認証用装置に割り当てられた認証情報である他認証情報Bとを、前記認証用装置から受信する工程と、
当該認証用装置が記憶する自認証情報と前記認証用装置から受信した他認証情報とが一致し、当該認証用装置が記憶する他認証情報と前記認証用装置から受信した自認証情報とが一致する場合、前記認証用装置当該認証用装置と組を形成する認証用装置であると判定する工程と、
記認証用装置が組を形成する認証用装置として判定された場合、当該認証用装置の認証機能を有効化する工程と、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、認証用装置、ウェブサービスの提供システム、認証方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
SNS(Social Networking Service)は、インターネット上のコミュニケーションを通してソーシャルネットワークを構築できるウェブサービスであり、ユーザの近況、関心ごと、ニュース等を友人、知人等と共有することができる。お互いのコミュニケーションを深めるためのコミュニケーションツールとして、盛んに利用されている。
【0003】
SNSのなかには、Facebook(登録商標)及びTwitter(登録商標)のように、多くのユーザに情報発信できるものもあるが、近年では不特定多数のユーザに情報が開示されることを嫌って、情報を開示するユーザを制限できる閉鎖的なSNSや、特定のメンバー間でのみお互いの居場所を知らせ合うようなSNSも利用され始めている。
【0004】
SNS等のウェブサービスの提供を受ける際は、スマートフォン、PC等の通信端末から送信されたユーザID、パスワード等によって、サーバがユーザ認証を行うことが一般的である。
しかしながら、スマートフォンのような携帯型の通信端末は、盗難、紛失、盗み見等によってユーザID等の認証情報が第三者に不当に使用され、ウェブサービスへの不当なアクセスを許してしまう可能性がある。
【0005】
セキュリティを高めるため、機密情報を保有するPCや、会員限定のウェブサイト等へのログイン時には、ワンタイムパスワード、指紋情報等の認証情報を記憶するICカード、USBメモリー等から認証情報を通信端末に読み取らせることにより、ユーザを認証する方法が知られている。
しかしながら、ICカード等を、ウェブサービスの提供を受けるために常に携帯することや、ウェブサービスへアクセスするたびに逐一通信端末に読み取らせる作業は、ユーザにとって煩雑である。
【0006】
ユーザの認証を容易にするため、電子キー機能を有し、ドア側に設けられたセキュリティ機器との間で通信コードをやりとりする携帯用の時計等もあるが(例えば、特許文献1参照。)、通信端末のみで認証を行う場合と同様に、第三者が時計を不正取得して本人になりすます可能性がある。
【0007】
また、ウェブサービスを利用できるユーザを家族や特定の友人等に限定する場合、事前に利用できるユーザを登録したり、制限したりする設定作業も煩雑である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−285809号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の課題は、認証時の操作が容易でありがなら、セキュリティが高い認証を可能とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、
証用装置と組を形成する認証用装置であって、
当該認証用装置に割り当てられた認証情報である自認証情報と、前記証用装置に割り当てられた認証情報である他認証情報とを、書き換え不可能領域に記憶する記憶手段と、
記認証用装置が記憶する前記認証用装置Bに割り当てられた認証情報である自認証情報前記認証用装置に割り当てられた認証情報である他認証情報とを、前記認証用装置から受信する第1通信手段と、
前記記憶手段が記憶する自認証情報と前記認証用装置から受信した他認証情報とが一致し、前記記憶手段が記憶する他認証情報と前記認証用装置から受信した自認証情報とが一致する場合、前記認証用装置当該認証用装置と組を形成する認証用装置として判定する判定手段と、
記認証用装置が組を形成する認証用装置として判定された場合、当該認証用装置の認証機能を有効化する有効化手段と、
を備えることを特徴とする認証用装置が提供される。
【0011】
本発明によれば、
あらかじめ組の認証情報が割り当てられた認証用装置と、あらかじめ組の認証情報が割り当てられた認証用装置Bと、認証用装置A又は認証用装置Bの少なくとも一方と通信する1又は複数の通信端末と、前記通信端末にネットワーク経由でウェブサービスを提供するサーバと、を備えるウェブサービスの提供システムであって、
記認証用装置Aは
当該認証用装置に割り当てられた認証情報である自認証情報Aと、前記認証用装置に割り当てられた認証情報である他認証情報Aを、前記組の認証情報として、書き換え不可能領域に記憶する記憶手段と、
記認証用装置が記憶する前記認証用装置Bに割り当てられた認証情報である自認証情報前記認証用装置Aに割り当てられた認証情報である他認証情報とを、前記認証用装置から受信する第1通信手段と、
前記記憶手段が記憶する自認証情報と前記認証用装置から受信した他認証情報とが一致し、前記記憶手段が記憶する他認証情報と前記認証用装置から受信した自認証情報とが一致する場合、前記認証用装置当該認証用装置と組を形成する認証用装置として判定する判定手段と、
記認証用装置が組を形成する認証用装置として判定された場合、当該認証用装置の認証機能を有効化する有効化手段と、
前記通信端末と通信する第2通信手段と、
前記認証機能が有効化されると、前記第2通信手段により、前記記憶手段が記憶する自認証情報及び他認証情報を前記通信端末に送信させる制御手段と、を備え、
前記認証用装置Bは
当該認証用装置Bに割り当てられた認証情報である自認証情報Bと、前記認証用装置Aに割り当てられた認証情報である他認証情報Bを、前記組の認証情報として、書き換え不可能領域に記憶する記憶手段Bと、
前記認証用装置Aが記憶する前記認証用装置Aに割り当てられた認証情報である自認証情報Aと前記認証用装置Bに割り当てられた認証情報である他認証情報Aとを、前記認証用装置Aから受信する第1通信手段Bと、
前記記憶手段Bが記憶する自認証情報Bと前記認証用装置Aから受信した他認証情報Aとが一致し、前記記憶手段Bが記憶する他認証情報Bと前記認証用装置Aから受信した自認証情報Aとが一致する場合、前記認証用装置Aを当該認証用装置Bと組を形成する認証用装置として判定する判定手段Bと、
前記認証用装置Aが組を形成する認証用装置として判定された場合、当該認証用装置Bの認証機能を有効化する有効化手段Bと、
前記通信端末と通信する第2通信手段Bと、
前記認証機能が有効化されると、前記第2通信手段Bにより、前記記憶手段Bが記憶する自認証情報B及び他認証情報Bを前記通信端末に送信させる制御手段と、を備え、
前記通信端末は、前記認証用装置から送信された前記自認証情報及び前記他認証情報又は前記認証用装置Bから送信された前記自認証情報B及び前記他認証情報B、を前記サーバに送信し、
前記サーバは、特定の組のユーザのみ利用できるウェブサービスを前記組の認証情報と対応付けて記憶し、当該組の認証情報と前記通信端末から送信された前記自認証情報及び前記他認証情報A、又は前記自認証情報B及び前記他認証情報B、とが一致する場合、当該組の認証情報に対応するウェブサービスを前記通信端末に提供することを特徴とするウェブサービスの提供システムが提供される。
【0012】
本発明によれば、
認証用装置Bと組を形成する認証用装置の認証方法であって、
当該認証用装置に割り当てられた認証情報である自認証情報Aと、前記認証用装置Bに割り当てられた認証情報である他認証情報Aとを、書き換え不可能領域に記憶する工程と、
前記認証用装置Bが記憶する前記認証用装置Bに割り当てられた認証情報である自認証情報Bと前記認証用装置に割り当てられた認証情報である他認証情報Bとを、前記認証用装置から受信する工程と、
当該認証用装置が記憶する自認証情報と前記認証用装置から受信した他認証情報とが一致し、当該認証用装置が記憶する他認証情報と前記認証用装置から受信した自認証情報とが一致する場合、前記認証用装置当該認証用装置と組を形成する認証用装置であると判定する工程と、
記認証用装置が組を形成する認証用装置として判定された場合、当該認証用装置の認証機能を有効化する工程と、
を含むことを特徴とする認証方法が提供される。
【0013】
本発明によれば、
証用装置と組を形成する認証用装置のコンピュータに
当該認証用装置に割り当てられた認証情報である自認証情報Aと、前記認証用装置Bに割り当てられた認証情報である他認証情報Aとを、書き換え不可能領域に記憶する工程と
前記認証用装置Bが記憶する前記認証用装置Bに割り当てられた認証情報である自認証情報Bと前記認証用装置に割り当てられた認証情報である他認証情報Bとを、前記認証用装置から受信する工程と、
当該認証用装置が記憶する自認証情報と前記認証用装置から受信した他認証情報とが一致し、当該認証用装置が記憶する他認証情報と前記認証用装置から受信した自認証情報とが一致する場合、前記認証用装置当該認証用装置と組を形成する認証用装置であると判定する工程と、
記認証用装置が組を形成する認証用装置として判定された場合、当該認証用装置の認証機能を有効化する工程と、
を実行させるためのプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、認証時の操作が容易でありがなら、セキュリティが高い認証が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本実施の形態に係るウェブサービスの提供システムの概略構成を示す図である。
図2】本実施の形態に係る認証用装置の構成を表すブロック図である。
図3】ウェブサービスの提供システムにおいてウェブサービスを提供する際の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の認証用装置、ウェブサービスの提供システム、認証方法及びプログラムの実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0017】
図1は、本実施の形態に係るウェブサービスの提供システム10の概略構成を示す。
ウェブサービスの提供システム10は、図1に示すように、認証用装置1A及び1B、通信端末2A及び2B、並びにサーバ3を備えて構成されている。認証用装置1A及び1Bはそれぞれ通信端末2A及び2Bと通信し、通信端末2A及び2Bとサーバ3はインターネット等のネットワーク4経由で通信する。
ウェブサービスの提供システム10は、認証用装置1A及び1Bが共有する組の認証情報が一致した場合にそれぞれの認証機能を有効化することにより、認証用装置1A及び1Bを所有する特定の組のユーザのみが利用できるウェブサービスを通信端末2A及び2Bに提供することができる。
【0018】
認証用装置1A及び1Bは、あらかじめ組の認証情報がそれぞれ割り当てられた組の認証用装置である。
認証用装置1A及び1Bの形態がユーザの身体に装着する装着型であると、盗難、紛失等の可能性が低く、よりユーザ認証のセキュリティが向上することから、好ましい。装着型の形態としては、腕時計、メガネ、指輪、リストバンド、ペンダント、バッジ等が挙げられる。認証用装置1A及び1Bのそれぞれのユーザが、同じ時計型の認証用装置1A及び1Bを使用する等、認証用装置1A及び1Bの形態を同じとすることにより、ユーザ間の親密度を高めることもできる。
【0019】
図2は、腕時計型の認証用装置1A及び1Bの構成を機能ごとに表すブロック図である。
認証用装置1A及び1Bは、図2に示すように、基本的な構成が同じであり、それぞれ制御部11、記憶部12、検出部13、時計部14、第1通信部15及び第2通信部16を備えている。
【0020】
以下、認証用装置1Aの構成を説明する。
制御部11(判定手段、有効化手段、制御手段)は、記憶部12に記憶されたプログラムを読み出して、当該プログラムを実行することにより、認証用装置1Aの各部の動作を制御する。
例えば、制御部11は、他の認証用装置1Bが認証用装置1Aと組を形成する認証用装置であるか否かを判定する。また、他の認証用装置1Bが組を形成する認証用装置であると判定すると、制御部11は、認証用装置1Aの認証機能を有効化する。
制御部11は、LSI(Large Scale Integration)、RAM(Random Access Memory)等により構成することができる。
【0021】
記憶部12は、制御部11により読み取り可能なプログラム及び当該プログラムの実行に用いる情報を記憶している。記憶部12としては、例えばROM(Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、フラッシュメモリ等の記憶媒体を用いることができる。
【0022】
記憶部12(記憶手段)は、情報の書き換えが不可能な書き換え禁止領域を有し、当該書き換え禁止領域に自認証情報121及び他認証情報122を記憶している。
自認証情報121及び他認証情報122は、各認証用装置1A及び1Bに割り当てられた組の認証情報であり、認証用装置1A及び1Bに固有かつ固定の認証情報である。ユーザが自由に設定及び変更することができない認証情報であるため、認証用装置1A及び1Bの製造時又は出荷時等に、あらかじめ自認証情報121及び他認証情報122を記憶部12の書き換え禁止領域に書き込むことが好ましい。
【0023】
なお、認証用装置1Aの記憶部12が記憶する自認証情報121は認証用装置1Aに割り当てられた認証情報であり、他認証情報122は認証用装置1Bに割り当てられた認証情報である。一方、認証用装置1Bの記憶部12が記憶する自認証情報121は認証用装置1Bに割り当てられた認証情報であり、他認証情報122は認証用装置1Aに割り当てられた認証情報である。
【0024】
検出部13(検出手段)は、認証用装置1Aがユーザの身体に装着されたことを検出する。
検出部13としては、身体への装着を検出できるのであれば特に限定されず、接触式センサー、光学センサー等を用いることができる。
【0025】
時計部14は、機械式であってもよいし、発振器から出力されるクロック信号を元に計時するデジタル式であってもよい。
【0026】
第1通信部15(第1通信手段)は、近距離型の無線通信により、認証用装置1Bと通信する。
近距離型の無線通信であれば、第1通信部15の通信規格としては、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)、RFID(Radio Frequency Identifier)、NFC(Near Field Communication)等を用いることができる。
第1通信部15は、電波の送受信が可能な一定範囲内に位置する他の認証用装置1Bから、当該認証用装置1Bが記憶する自認証情報121及び他認証情報122を受信する。また、第1通信部15は、認証用装置1Aの記憶部12が記憶する自認証情報121及び他認証情報122を一定範囲内に位置する他の認証用装置1Bに送信する。
【0027】
第2通信部16(第2通信手段)は、無線通信又は有線通信により、通信端末2Aと通信する。
第2通信部16は、第1通信部15と同様に近距離型の無線通信により通信してもよいし、WiFi(登録商標)等により無線LAN経由で通信できるものであってもよい。
【0028】
認証用装置1Bは、通信する対象が認証用装置1A及び通信端末2Bであること以外は、認証用装置1Aと同じ構成であるため、詳細な説明は省略する。
【0029】
通信端末2A及び2Bは、例えばスマートフォン、携帯電話、ネットワーク4に接続されたPC等である。
通信端末2A及び2Bは、無線通信又は有線通信により、それぞれのユーザが所有する認証用装置1A及び1Bと通信し、各認証用装置1A及び1Bから送信された自認証情報121及び他認証情報122を受信する。
また、通信端末2A及び2Bは、各認証用装置1A及び1Bから受信した自認証情報121及び他認証情報122を、サーバ3が提供するウェブサービスにログインするための認証情報としてネットワーク4経由でサーバ3に送信する。
【0030】
サーバ3は、ネットワーク4経由で、通信端末2A及び2BにSNS等のウェブサービスを提供する。ウェブサービスの具体例としては、ユーザのプロフィール、スケジュール、ブログ等のユーザ専用のページの提供、チャットルーム、掲示板等の複数のユーザ間で共有できるページの提供、ユーザによりアップロードされた撮影画像、電子書籍、音楽ファイル等の記憶資源の提供等が挙げられる。
【0031】
サーバ3は、組の認証用装置1A及び1Bをそれぞれ所有する特定の組のユーザのみが利用できる閉鎖的なウェブサービスを提供することができる。
この場合、サーバ3は、特定の組のユーザのみが利用できるウェブサービスを、組の認証用装置1A及び1Bにそれぞれ割り当てられた組の認証情報に対応付けて記憶する。組の認証情報は、認証用装置1A及び1Bがそれぞれ自認証情報121として記憶する認証情報である。サーバ3は、通信端末2A又は2Bから自認証情報121及び他認証情報122が送信されると、記憶する組の認証情報と照合することにより、ユーザ認証を行う。そして、送信された自認証情報121及び他認証情報122と記憶する組の認証情報が一致する場合、当該組の認証情報に対応するウェブサービスのログインを許可し、当該ウェブサービスを通信端末2A又は2Bに提供する。
【0032】
図3は、ウェブサービスの提供システム10が、ウェブサービスを提供する際の処理手順を示している。
まず、各認証用装置1A及び1Bに組の認証情報を割り当て、各認証用装置1A及び1Bの記憶部12の書き換え禁止領域に、それぞれに割り当てられた認証情報を自認証情報121として、他の認証用装置に割り当てられた認証情報を他認証情報122として、書き込む。
その後、各認証用装置1A及び1Bを購入した組のユーザが、認証用装置1A及び1Bをそれぞれ装着して接近すると、認証用装置1A及び1Bは、それぞれが記憶する自認証情報121と他認証情報122を互いに送信し合う。以下、認証用装置1A及び通信端末2Aを主体として処理の流れを説明するが、認証用装置1B及び通信端末2Bにおける処理手順も認証用装置1A及び通信端末2Aと同様の流れである。
【0033】
図3に示すように、認証用装置1Aでは、第1通信部15により他の認証用装置1Bから、他の認証用装置1Bが記憶する自認証情報121及び他認証情報122を受信すると(ステップS11;Y)、制御部11が受信した他認証情報122と記憶部12が記憶する自認証情報121とを照合する。受信した他認証情報122と記憶する自認証情報121が一致する場合(ステップS12;Y)、制御部11は受信した自認証情報121と記憶部12が記憶する他認証情報122とを照合する。受信した自認証情報121と記憶する他認証情報122が一致する場合(ステップS13;Y)、制御部11は、他の認証用装置1Bが認証用装置1Aと組を形成する認証用装置として判定する。
【0034】
制御部11は、さらに検出部13により認証用装置1Aがユーザの身体に装着されたことが検出されていることを条件として、他の認証用装置1Bを認証用装置1Aと組を形成する認証用装置として判定することもできる。これにより、ユーザが認証用装置1A及び1Bを装着している場合のみ認証機能を有効化することができ、より認証時のセキュリティを高めることができる。
【0035】
制御部11は、認証用装置1Bを組を形成する認証用装置として判定した場合、認証用装置1Aの認証機能を有効化する(ステップS14)。
認証機能を有効化すると、制御部11は、第2通信部16により、記憶部12が記憶する自認証情報121及び他認証情報122を通信端末2Aに送信させる(ステップS15)。
【0036】
一方、受信した他認証情報122と記憶する自認証情報121が一致しないか(ステップS12;N)、受信した自認証情報121と記憶する他認証情報122が一致しない場合(ステップS13;N)、他の認証用装置1Bが認証用装置1Aと組を形成する認証用装置ではないため、上述した認証機能の有効化を行わずに、本処理を終了する。
【0037】
通信端末2Aは、認証用装置1Aから自認証情報121及び他認証情報122を受信すると、ウェブサービスにログインするための認証情報として、当該自認証情報121及び他認証情報122をサーバ3に送信する(ステップS21)。
通信端末2Aは、自認証情報121及び他認証情報122から公開鍵、電子署名等を生成し、自認証情報121及び他認証情報122とともに送信することができる。自認証情報121及び他認証情報122の改ざん等を防いで、認証時のセキュリティをより高めることができる。また、通信端末2Aは、自認証情報121及び他認証情報122に加え、ユーザ名、ユーザID等のユーザ情報、MACアドレス等の通信端末2Aに固有の端末情報等も認証情報としてサーバ3に送信することもできる。サーバ3においてユーザ認証時に照合する認証情報の数を増やすことにより、ユーザ認証時のセキュリティをより高めることができる。
【0038】
サーバ3は、通信端末2Aから認証情報を受信すると、認証情報中の自認証情報121及び他認証情報122を、サーバ3が記憶する組の認証情報と照合し、一致する場合に通信端末2Aのユーザを正当なユーザとして認証する(ステップS31)。認証したユーザに対し、サーバ3は記憶する組の認証情報に対応するウェブサービスの利用を許可し、当該ウェブサービスのトップページを通信端末2Aに送信する(ステップS32)。
通信端末2Aは、サーバ3から送信されたトップページを表示する(ステップS22)。
【0039】
なお、ログインしたウェブサービスにおいて最近アップロードされた新着のニュース、おすすめ情報等を、サーバ3から通信端末2Aに送信するようにしてもよいし、通信端末2Aがウェブサービスを利用できるアプリを起動するようにしてもよい。通信端末2Aからサーバ3へ、通信端末2Aが位置する地域の天気、通信端末2Aを所有するユーザからのメッセージ、ニュース等の情報を自動的に送信することもできる。
ログイン後、ユーザの移動により他の認証用装置1Bが認証用装置1Aの一定範囲外に位置することになった場合、通信端末2Aは自動的にウェブサービスからログアウトするようにしてもよい。ログイン中、通信端末2Aが音楽コンテンツ、動画コンテンツ等を再生し、ログイン中であることをユーザに通知することもできる。
【0040】
以上のように、本実施の形態の認証用装置1Aは、他の認証用装置1Bと組を形成する認証用装置であって、認証用装置1Aに割り当てられた自認証情報121と、他の認証用装置1Bに割り当てられた他認証情報122とを、書き換え禁止領域に記憶する記憶部12と、他の認証用装置1Bが記憶する自認証情報121と他認証情報122とを、他の認証用装置1Bから受信する第1通信部15と、記憶部12が記憶する自認証情報121と他の認証用装置1Bから受信した他認証情報122とが一致し、記憶部12が記憶する他認証情報122と他の認証用装置1Bから受信した自認証情報121とが一致する場合、他の認証用装置1Bを認証用装置1Aと組を形成する認証用装置として判定し、他の認証用装置1Bが組を形成する認証用装置として判定された場合、認証用装置1Aの認証機能を有効化する制御部11と、を備える。
【0041】
これにより、組の認証用装置1A及び1Bが共有する組の認証情報が一致すれば、認証機能が自動的に有効化されるため、ユーザ認証時にユーザが認証情報を入力する操作等が不要である。組の認証情報は、あらかじめ認証用装置1A及び1Bに割り当てられているため、事前にユーザが認証情報を設定する操作も不要であり、認証時の操作が容易である。また、認証用装置1A及び1Bの認証機能が有効化されるのは、交換した組の認証情報が一致する場合のみであり、単独の認証用装置だけでは認証を行うことができないため、セキュリティの高い認証が可能となる。
【0042】
他の認証用装置1Bにおいても、認証用装置1Aと同様にして認証機能を有効化することができるように、上記認証用装置1Aにおいて、第1通信部15は、他の認証用装置1Bに、記憶部12が記憶する自認証情報121と他認証情報122とを送信する。
【0043】
また、上記認証用装置1Aにおいて、通信端末2Aと通信する第2通信部16と、第2通信部16の通信動作を制御する制御部11と、を備え、制御部11は、認証機能が有効化されると、第2通信部16により、記憶部12が記憶する自認証情報121及び他認証情報122を通信端末2Aに送信させる。
これにより、通信端末2Aが自認証情報121及び他認証情報122を用いて、サーバ3が提供するウェブサービスへログインすることができる。
【0044】
上記認証用装置1Aにおいて、第1通信部15は、一定範囲内に位置する他の認証用装置1Bから自認証情報121及び他認証情報122を受信する。
組の認証用装置1A及び1Bが互いに一定範囲内に位置する場合のみ、認証機能を有効化することができ、セキュリティの高い認証が可能となる。
【0045】
上記認証用装置1Aの形態が装着型であり、認証用装置1Aがユーザに装着されたことを検出する検出部13を備え、制御部11は、記憶部12が記憶する自認証情報121と他の認証用装置1Bから受信した他認証情報122とが一致し、記憶部12が記憶する他認証情報122と他の認証用装置1Bから受信した自認証情報121とが一致し、かつ検出部13により認証用装置1Aがユーザに装着されたことが検出された場合に、他の認証用装置1Bを組を形成する認証用装置として判定する。
これにより、認証用装置1Aの紛失、盗難等を減らすことができ、よりセキュリティの高い認証が可能となる。また、ユーザは認証用装置1Aを装着しているだけで認証を行うことができる。
【0046】
また、本実施の形態のウェブサービスの提供システム10は、あらかじめ組の認証情報がそれぞれ割り当てられた組の認証用装置1A及び1Bと、各認証用装置1A及び1Bと通信する通信端末2A及び2Bと、通信端末2A及び2Bにネットワーク4経由でウェブサービスを提供するサーバ3と、を備える。組の認証用装置1A及び1Bのそれぞれは、組の認証情報のうち、各認証用装置1A及び1Bに割り当てられた認証情報を自認証情報121として、他の認証用装置に割り当てられた認証情報を他認証情報122として、書き換え禁止領域に記憶する記憶部12と、他の認証用装置が記憶する自認証情報121と他認証情報122とを、他の認証用装置から受信する第1通信部15と、記憶部12が記憶する自認証情報121と他の認証用装置から受信した他認証情報122とが一致し、記憶部12が記憶する他認証情報122と他の認証用装置から受信した自認証情報121とが一致する場合、他の認証用装置を組を形成する認証用装置として判定し、他の認証用装置が組を形成する認証用装置として判定された場合、認証用装置の認証機能を有効化する制御部11と、通信端末2A又は2Bと通信する第2通信部16と、を備え、認証機能が有効化されると、制御部11が第2通信部16により、記憶部12が記憶する自認証情報121及び他認証情報122を通信端末2A又は2Bに送信させる。通信端末2A又は2Bは、認証用装置1A又は1Bから送信された自認証情報121及び他認証情報122を、サーバ3に送信する。サーバ3は、特定の組のユーザのみ利用できるウェブサービスを組の認証情報と対応付けて記憶し、当該組の認証情報と通信端末2A又は2Bから送信された自認証情報121及び他認証情報122とが一致する場合、当該組の認証情報に対応するウェブサービスを通信端末2A及び2Bに提供する。
【0047】
組の認証用装置1A及び1Bにより、事前にログイン時のパスワード等の認証情報を設定する操作や、ログイン時に認証情報を入力する操作が不要であり、認証用装置1A及び1Bを携帯するだけでウェブサービスへのログインが完了するため、ウェブサービスへのログイン操作が容易となる。ログインによって提供されるウェブサービスは、認証用装置1A及び1Bを所有する特定の組のユーザのみが利用できるウェブサービスであるので、ウェブサービスの利用開始時に利用できるユーザを設定する操作も不要であり、閉鎖的なウェブサービスを容易に利用することができる。
【0048】
上記実施の形態は本発明の好適な一例であり、これに限定されない。本発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、通信端末2A及び2Bのうち、認証用装置1A及び1Bに位置が近い1つの通信端末が、認証用装置1A及び1Bの両方と通信してウェブサービスにログインするようにしてもよい。
【0049】
また、上記実施の形態では、組の認証用装置1A及び1Bを所有する組のユーザのみが利用できるウェブサービスを提供する例を説明したが、3以上の複数の認証用装置によりウェブサービスを利用できるユーザを、3人以上のグループを形成するユーザに限定することもできる。これにより、家族、職場のチーム等に所属する、限られたユーザのみが利用できるウェブサービスを提供することができる。
【0050】
例えば、認証用装置1Aが、認証用装置1Bを含む複数の他の認証用装置とグループを形成する場合、認証用装置1Aにおいて、記憶部12は、自認証情報121と複数の他の認証用装置にそれぞれ割り当てられた複数の他認証情報122を記憶し、第1通信部15は、複数の他の認証用装置がそれぞれ記憶する自認証情報121と複数の他認証情報122とを受信し、制御部11は、第1通信部15により複数の他の認証用装置のいずれかから自認証情報121と複数の他認証情報122を受信すると、記憶部12が記憶する自認証情報121と受信した複数の他認証情報122のいずれかとが一致し、記憶部12が記憶する複数の他認証情報122のいずれかと受信した自認証情報121とが一致する場合、他の認証用装置を認証用装置1Aとグループを形成する認証用装置として判定する。
認証用装置1Aが記憶する複数の他認証情報122のすべてが、受信した複数の他認証情報122及び受信した自認証情報121のいずれかと一致する場合、すなわちグループに所属するすべてのユーザの認証用装置と交換した認証情報が一致する場合に、認証機能を有効化するようにしてもよい。これにより、グループのユーザ全員の認証情報の一致をウェブサービスへのログインの条件することができ、認証時のセキュリティをより高めることもできる。
【0051】
また、各認証用装置1A及び1Bが認証情報を送信又は受信できる一定範囲内に位置している間、それぞれの制御部11が組を形成する他の認証用装置の検出情報を、第2通信部16により通信端末2A及び2Bに送信させるようにしてもよい。検出情報により、通信端末2A及び2Bは、組のユーザと近接していることをユーザに知らせることができる。
【0052】
また、認証用装置1A及び1Bにおいて、制御部11が第1通信部15により受信する電波の強度に応じて他の認証用装置1Bとの距離を判定し、通信端末2Aへ通知するようにしてもよい。通信端末2Aは、認証用装置1Aと他の認証用装置1Bの距離に応じた待ち受け画面等を表示することにより、組のユーザとの位置関係をユーザに知らせることができる。
【0053】
認証用装置1A及び1Bが、ユーザの体温、心拍等の生体情報を取得する生体情報取得部を備え、生体情報取得部により得られた生体情報を通信端末2A及び2Bに送信することもできる。
また、認証用装置1A及び1Bが、加速度センサー、GPSを用いた位置検出部等を備え、加速度センサーにより検出された加速度、当該加速度から算出されるユーザの移動速度、位置検出部により検出されたユーザの現在位置等の位置情報を通信端末2A及び2Bに送信することもできる。
通信端末2A及び2Bは、ウェブサービスにログイン後、ユーザのライフログとして生体情報及び位置情報をサーバ3に自動的に送信することにより、ユーザの健康状態、居場所等を組のユーザ間で容易に共有することができる。
【0054】
本発明のいくつかの実施の形態を説明したが、本発明の範囲は上述の実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明の範囲と当該範囲と均等の範囲とを含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載された発明を付記する。付記における請求項の番号は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した番号と同じである。
【0055】
〔付記〕
〔請求項1〕
他の認証用装置と組を形成する認証用装置であって、
前記認証用装置に割り当てられた自認証情報と、前記他の認証用装置に割り当てられた他認証情報とを、書き換え禁止領域に記憶する記憶手段と、
前記他の認証用装置が記憶する自認証情報と他認証情報とを、前記他の認証用装置から受信する第1通信手段と、
前記記憶手段が記憶する自認証情報と前記他の認証用装置から受信した他認証情報とが一致し、前記記憶手段が記憶する他認証情報と前記他の認証用装置から受信した自認証情報とが一致する場合、前記他の認証用装置を前記認証用装置と組を形成する認証用装置として判定する判定手段と、
前記他の認証用装置が組を形成する認証用装置として判定された場合、前記認証用装置の認証機能を有効化する有効化手段と、
を備えることを特徴とする認証用装置。
〔請求項2〕
前記第1通信手段は、前記他の認証用装置に、前記記憶手段が記憶する自認証情報と他認証情報とを送信することを特徴とする請求項1に記載の認証用装置。
〔請求項3〕
通信端末と通信する第2通信手段と、
前記第2通信手段の通信動作の制御手段と、を備え、
前記制御手段は、前記認証機能が有効化されると、前記第2通信手段により、前記記憶手段が記憶する自認証情報及び他認証情報を前記通信端末に送信させることを特徴とする請求項1又は2に記載の認証用装置。
〔請求項4〕
前記第1通信手段は、一定範囲内に位置する前記他の認証用装置から前記自認証情報及び前記他認証情報を受信することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の認証用装置。
〔請求項5〕
前記認証用装置の形態が装着型であり、
前記認証用装置がユーザに装着されたことを検出する検出手段を備え、
前記判定手段は、前記記憶手段が記憶する自認証情報と前記他の認証用装置から受信した他認証情報とが一致し、前記記憶手段が記憶する他認証情報と前記他の認証用装置から受信した自認証情報とが一致し、かつ前記検出手段により前記認証用装置がユーザに装着されたことが検出された場合に、前記他の認証用装置を組を形成する認証用装置として判定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の認証用装置。
〔請求項6〕
前記認証用装置が、複数の他の認証用装置とグループを形成し、
前記記憶手段は、前記自認証情報と前記複数の他の認証用装置にそれぞれ割り当てられた複数の他認証情報を記憶し、
前記第1通信手段は、前記複数の他の認証用装置がそれぞれ記憶する自認証情報と複数の他認証情報とを受信し、
前記判定手段は、前記第1通信手段により複数の他の認証用装置のいずれかから自認証情報と複数の他認証情報を受信すると、前記記憶手段が記憶する自認証情報と受信した複数の他認証情報のいずれかとが一致し、前記記憶手段が記憶する複数の他認証情報のいずれかと受信した自認証情報とが一致する場合、前記他の認証用装置を前記認証用装置とグループを形成する認証用装置として判定することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の認証用装置。
〔請求項7〕
あらかじめ組の認証情報がそれぞれ割り当てられた組の認証用装置と、各認証用装置と通信する1又は複数の通信端末と、前記通信端末にネットワーク経由でウェブサービスを提供するサーバと、を備えるウェブサービスの提供システムであって、
前記組の認証用装置のそれぞれは、
前記組の認証情報のうち、各認証用装置に割り当てられた認証情報を自認証情報として、他の認証用装置に割り当てられた認証情報を他認証情報として、書き換え禁止領域に記憶する記憶手段と、
前記他の認証用装置が記憶する自認証情報と他認証情報とを、前記他の認証用装置から受信する第1通信手段と、
前記記憶手段が記憶する自認証情報と前記他の認証用装置から受信した他認証情報とが一致し、前記記憶手段が記憶する他認証情報と前記他の認証用装置から受信した自認証情報とが一致する場合、前記他の認証用装置を前記認証用装置と組を形成する認証用装置として判定する判定手段と、
前記他の認証用装置が組を形成する認証用装置として判定された場合、前記認証用装置の認証機能を有効化する有効化手段と、
前記通信端末と通信する第2通信手段と、
前記認証機能が有効化されると、前記第2通信手段により、前記記憶手段が記憶する自認証情報及び他認証情報を前記通信端末に送信させる制御手段と、を備え、
前記通信端末は、前記認証用装置から送信された自認証情報及び他認証情報を、前記サーバに送信し、
前記サーバは、特定の組のユーザのみ利用できるウェブサービスを前記組の認証情報と対応付けて記憶し、当該組の認証情報と前記通信端末から送信された前記自認証情報及び他認証情報とが一致する場合、当該組の認証情報に対応するウェブサービスを前記通信端末に提供することを特徴とするウェブサービスの提供システム。
〔請求項8〕
組の認証情報を組の認証用装置のそれぞれに割り当て、各認証用装置が備える記憶手段の書き換え禁止領域に、各認証用装置に割り当てられた認証情報を自認証情報として、他の認証用装置に割り当てられた認証情報を他認証情報として、それぞれを対応付けて書き込む工程と、
一方の認証用装置が、他の認証用装置が記憶する自認証情報と他認証情報とを、前記他の認証用装置から受信する工程と、
前記一方の認証用装置の記憶手段が記憶する自認証情報と前記他の認証用装置から受信した他認証情報とが一致し、前記記憶手段が記憶する他認証情報と前記他の認証用装置から受信した自認証情報とが一致する場合、前記他の認証用装置を前記一方の認証用装置と組を形成する認証用装置であると判定する工程と、
前記他の認証用装置が組を形成する認証用装置として判定された場合、前記一方の認証用装置の認証機能を有効化する工程と、
を含むことを特徴とする認証方法。
〔請求項9〕
他の認証用装置と組を形成する認証用装置であって、当該認証用装置に割り当てられた自認証情報と、前記他の認証用装置に割り当てられた他認証情報とを書き換え禁止領域に記憶する記憶手段を備えた認証用装置に用いられるコンピュータに、
前記他の認証用装置が記憶する自認証情報と他認証情報とを、前記他の認証用装置から受信する工程と、
前記記憶手段が記憶する自認証情報と前記他の認証用装置から受信した他認証情報とが一致し、前記記憶手段が記憶する他認証情報と前記他の認証用装置から受信した自認証情報とが一致する場合、前記他の認証用装置を前記認証用装置と組を形成する認証用装置であると判定する工程と、
前記他の認証用装置が組を形成する認証用装置として判定された場合、前記認証用装置の認証機能を有効化する工程と、
を実行させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0056】
10 ウェブサービスの提供システム
1A、1B 認証用装置
11 制御部
12 記憶部
121 自認証情報
122 他認証情報
13 検出部
15 第1通信部
16 第2通信部
2A、2B 通信端末
3 サーバ
図1
図2
図3