(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
A.実施形態:
(1)燃料供給装置FSの概略構成
図1は、本実施形態における燃料供給装置FSを備える自動車の給油口の斜視図である。
図1には、供給された燃料を導く燃料通路を自動車の内部にある燃料タンク(図示せず)へと有する燃料供給装置FS、および、燃料供給装置FSの周辺に配置される部材が示されている。自動車の車体には、給油蓋FLが開閉可能に支持されている。給油蓋FLは、車体の外板に倣った蓋本体FLaを備えている。蓋本体FLaは、ヒンジFLbを介して車体の外板に開閉可能に支持されている。給油蓋FLを開いたときに表われるスペースは、給油室FRになっている。給油室FR内には、基板BPに支持された燃料タンクの開閉装置10が配置されている。燃料タンクの開閉装置10は、燃料キャップを用いないで、燃料供給装置FSを介して燃料タンクに燃料を導くための機構である。燃料タンクの開閉装置10は、給油蓋FLを開いた後に、給油ノズルからの外力で燃料通路を開閉する機構である。
【0015】
図2は、燃料供給装置FSに燃料を供給する給油ノズルNZが挿入された場合の斜視図である。
図2には、給油ノズルNZの先端NZaが燃料タンクの開閉装置10に挿入されて、燃料供給装置FSに燃料が供給されている状態が示されている。本実施形態では、給油室FRを正面から見た場合に、給油蓋FLが左側に開くように配置されている。そのため、燃料タンクの開閉装置10に挿入された給油ノズルNZは、給油ノズルNZから燃料タンクの開閉装置10へ軸OL1を中心として、反時計回りに回転できるものの、給油蓋FLとの干渉があるため、時計回りへの回転は制限される。なお、他の実施形態では、燃料タンクの開閉装置10に挿入された給油ノズルNZと給油蓋FLとの位置関係については、種々変形可能である。
【0016】
図3は、自動車の内部に搭載された燃料タンクFTと燃料供給装置FSとの位置関係を示す概略図である。燃料供給装置FSは、フィラーネック100と、フィラーチューブ40と、ブリーザパイプ50と、流量制御弁60と、逆止弁30と、を備えている。フィラーネック100と燃料タンクFTとは、フィラーチューブ40およびブリーザパイプ50によって接続されている。フィラーチューブ40は、逆止弁30を介して、燃料タンクFTと接続されている。ブリーザパイプ50は、流量制御弁60を介して燃料タンクFTと接続されている。ブリーザパイプ50は、フィラーチューブ40よりも鉛直方向の上側に配置されるため、供給された燃料は、フィラーチューブ40を通過し、ブリーザパイプ50には流れない。燃料タンクFTで気化により発生した燃料蒸気は、燃料タンクFTから、ブリーザパイプ50を介してフィラーネック100に形成された燃料通路へと戻る。
【0017】
(2)フィラーネック100の詳細構成
図4は、フィラーチューブ40が接続されたフィラーネック100の外観図である。
図4(A)には、フィラーチューブ40が接続されたフィラーネック100の正面図が示されている。
図4(B)には、フィラーチューブ40が接続されたフィラーネック100の右側面図が示されている。フィラーネック100は、フィラーネック本体110と、フィラーネック本体110の上流側を覆う口金180と、
図4に図示していないフィラーネック本体110の内側に配置されるノズルガイド150と、を有している。なお、本実施形態では、フィラーネック100において燃料が供給される側(
図4における上側)を上流側と呼び、フィラーネック100においてフィラーチューブ40が接続される側(
図4における下側)を下流側と呼ぶ。
【0018】
図4(A)、(B)に示すように、フィラーネック本体110は、上流側と下流側とを結ぶ円筒形状に形成されている。フィラーネック本体110は、供給された燃料が通過する燃料通路を有する。燃料通路やノズルガイド150の詳細については、後述する。
図4(B)に示すように、フィラーネック本体110は、上流側から下流側へと分岐するブリーザポート115を有する。ブリーザポート115は、ブリーザパイプ50(
図3)に接続し、ブリーザパイプ50を介して燃料通路100Pを循環する燃料蒸気を燃料通路へ導く経路の一部を形成する。ブリーザポート115の内部には、軸OL3を中心として燃料蒸気が通過する経路が形成されている。フィラーネック本体110は、樹脂材料によって形成されている。口金180は、フィラーネック本体110の上流側の円状の開口部を覆う部材である。口金180は、金属で形成されている。なお、本実施形態では、フィラーネック100に供給された燃料が燃料通路を通過する上流側から下流側への方向をY軸の正方向と定義する。燃料通路の中心を通る軸OL2に垂直な面に平行で、かつ、軸OL2および軸OL3に交わる方向を、Z軸方向の正方向と定義する。Y軸およびZ軸に直交する軸をX軸と定義する。
【0019】
図5は、
図4における断面M1の断面図である。
図6は、フィラーチューブ40とフィラーネック100との分解断面図である。
図5には、フィラーチューブ40が接続されたフィラーネック100の断面図が示されている。
図6には、
図5の断面図の各部品を分解した断面図が示されている。フィラーネック100は、フィラーネック本体110と、フィラーネック本体110の上流側に位置する開口部110Paに嵌合している口金180と、フィラーネック本体110の内側に配置されたノズルガイド150と、を有している。フィラーネック本体110は、内部に燃料通路100Pを形成する内周面110aを有し、下流に近づくにつれて断面積が小さくなる円筒状の形状である。フィラーネック本体110は、下流側の外周面に、フィラーチューブ40が圧入されるための波状に形成された波状部111を有する。フィラーネック本体110のブリーザポート115は、ブリーザパイプ50を介して燃料タンクFTから戻る燃料蒸気を100Pに合流させるための導入路115Pを形成している。フィラーネック100は、フィラーネック本体110の内側にノズルガイド150が配置された後に、フィラーネック本体110の開口部110Paに口金180が嵌合されて製造される。
【0020】
ノズルガイド150は、フィラーネック本体110の内側に嵌合されて配置される円筒状の部材である。ノズルガイド150の内周面は、燃料通路100Pの一部分としてのノズル案内路NZPを形成する。ノズルガイド150の内周面は、上流側から下流側に向かうにつれて、断面積が小さくなるように形成されている。上流側から下流側へと断面積が小さくなるノズル案内路NZPによって、燃料通路100Pに挿入された給油ノズルNZの先端NZaが燃料通路100Pの下流側へと導かれる。ノズルガイド150は、導入路115Pを通ってフィラーネック本体110へと導かれた燃料蒸気を下流側へと導く蒸気ガイド部152を有する。蒸気ガイド部152の詳細な形状については、後述する。
【0021】
図5に示すように、蒸気ガイド部152とフィラーネック本体110と内周面とによって、導入路115Pと燃料通路100Pとを接続する空間158aが形成されている。蒸気ガイド部152とフィラーネック本体110の内周面とによって導入路115Pと直接的には連通しない空間158bが、空間158aよりも上流側に形成されている。軸OL2に対して空間158aと対称的な位置(負のZ方向の位置)には、ノズルガイド150の外周面とフィラーネック本体110の内周面110aとによって、空間158cが形成されている。空間158aと空間158bと空間158cとは、ノズルガイド150の外周面とフィラーネック本体110の内周面110aとによって、迷路構造によって連通する空間である。
【0022】
図5に示すように、ノズルガイド150は、蒸気ガイド部152からノズルガイド150までの下端150yまでの間の外周面に、ノズルガイド150の強度を上昇させるための補強リブ151を有する。補強リブ151は、軸OL2に平行に、ノズルガイド150の外周面から軸OL2を中心として外周方向に突出する。本実施形態では、フィラーネック本体110の内側に配置されたノズルガイド150の下端150y、および、ノズルガイド150の外周面に形成された補強リブ151の下流側の下端は、フィラーネック本体110の下流側の下端よりも燃料タンクFTに近い位置に配置される。換言すると、ノズルガイド150および補強リブ151の下端は、軸方向に沿って、フィラーネック本体110よりも下流側に飛び出している。
図5に示すように、補強リブ151の下端における外周方向への突出量は、下流側に近づくにつれて徐々に小さくなっており、軸方向に沿った断面において円弧状(R形状)の面取りの形状を形成している。給油ノズルNZから供給された燃料と、導入路115Pを介してフィラーネック本体110に戻る燃料蒸気とは、ノズルガイド150の下端の下側の合流部100Paの付近で合流する。
【0023】
フィラーチューブ40は、波状部111に圧入されている圧入部40aと、圧入部40aと下流側で接続している中間部40bと、中間部40bと下流側で接続している流入部40cと、を有している。中間部40bは、波状部111の下流側の端部に向けて縮径し、フィラーネック本体110の波状部111の内周の径と略同一の内径を有する。流入部40cは、中間部40bがノズルガイド150の下端150yにおいて最も小さい径と同一の径の燃料通路100Pを、下端150yから燃料タンクFTまで形成する。中間部40bは、換言すると、波状部111の下流側に突出し、流入部40cよりも大きい径を有する。また、流入部40cの内周は、ノズルガイド150の下端150yにおいて、搭載時の車両の鉛直方向下側となるブリーザポート115と反対側(Z軸のマイナス側)の内周部分と滑らかに接続されるように、偏芯して配置されている。フィラーネック本体110の波状部111とフィラーチューブ40との間には、図示しないシールリングが配置されることにより、外部への液体燃料および燃料蒸気の流出が防止されている。
【0024】
図7は、ノズルガイド150の4面図である。
図7(A)には、ノズルガイド150の左側面図が示されており、
図7(B)には、ノズルガイド150の正面図が示されており、
図7(C)には、ノズルガイド150の右側面図が示されており、
図7(D)には、ノズルガイド150の背面図が示されている。
図8および
図9は、ノズルガイド150の斜視図である。なお、
図7(B)、(C)に示すノズルガイド150の正面図と右側面図と、
図4(A)、(B)に示すフィラーネック100の正面図と右側面図と、は対応している。
【0025】
図7(A)、(B)、(C)に示すように、蒸気ガイド部152は、軸OL2を中心として外周側から中心へと近づくにつれて、ノズルガイド150の円筒状の外周面に沿って、上流側から下流側へと曲がるように形成されている。また、蒸気ガイド部152は、導入路115Pに戻ってきた燃料蒸気が軸OL2を挟んだ反対側の空間158c(
図5)に直接的に流れ込まない形状として形成されている。ノズルガイド150は、蒸気ガイド部152の上流側に第1連通孔156aと第2連通孔156b(以降では、合わせて単に、「連通孔156a,156b」とも呼ぶ)とを有する。連通孔156a,156bは、
図5に示す空間158aと空間158bと空間158cと、燃料通路100Pと、を連通する。連通孔156a,156bは、蒸気ガイド部152の上流側に形成されているため、導入路115Pを通過してきた燃料蒸気は、蒸気ガイド部152によって下流側へと導かれ、直接的に連通孔156a,156bを介して、フィラーネック100の上流側の燃料通路100Pに合流しない。換言すると、燃料蒸気は、ノズルガイド150の外周の周方向に沿って流れることで、第1連通孔156a,156bに流れることができる。
【0026】
図7(C)、(D)、
図9に示すように、ノズルガイド150は、燃料通路100Pと空間158c(
図5)とを連通する円筒状の外周面に形成されたセンサー対応孔155を有する。
図7(D)に示すように、本実施形態では、センサー対応孔155は、2つの長方形が組み合わされた開口部である。センサー対応孔155は、軸方向に沿って、一部に、その他の部分よりも軸OL2を中心として周方向に大きく開口した拡大対応孔155aを有する。センサー対応孔155は、軸OL2に対してブリーザポート115の反対側に形成されているため、燃料供給装置FSが自動車の内部に搭載されると、下側に位置する。なお、
図7(D)における拡大対応孔155aを示す破線は、拡大対応孔155aを説明するために、便宜上示した線であり、ノズルガイド150の実際の形状とは無関係の線である。他の実施形態では、センサー対応孔155は、異なる形状であってもよい。
【0027】
図7(D)、
図9に示すように、ノズルガイド150は、センサー対応孔155の下流側の一部に沿って、円筒状の外周面から外周方向へと突出した対応孔第1リブ154aと対応孔第2リブ154bとを有する。対応孔第1リブ154aおよび対応孔第2リブ154bは、軸OL2と平行に形成されている。対応孔第1リブ154aと対応孔第2リブ154bとにおいて、軸OL2に沿った長さと、軸OL2に沿って形成される位置と、ノズルガイド150の外周面から外周方向へ突出する高さと、は同じである。なお、以降では、対応孔第1リブ154aと対応孔第2リブ154bとを合わせて、「対応孔リブ154a,154b」とも呼ぶ。
【0028】
図7(B)、
図8に示すように、ノズルガイド150には、円筒状の外周面から外周方向へと突出し、蒸気ガイド部152と離間して形成される第1整流リブ153aと第2整流リブ153bとが形成されている。
図7(A)に示すように、第1整流リブ153aは、蒸気ガイド部152の下流側の1つの端部である第1下流端152aから、軸OL2に沿って下流側に形成されている。同じように、第2整流リブ153bは、
図7(C)に示すように、蒸気ガイド部152の下流側のもう1つの端部である第2下流端152bから、軸OL2に沿って下流側に形成されている。第1整流リブ153aと第2整流リブ153bとがノズルガイド150に形成される位置は異なるが、ノズルガイド150の円筒状の外周面から突出する第1整流リブ153aと第2整流リブ153bとの形状については、同じである。第1整流リブ153aは、軸OL2に平行に形成されている。第1整流リブ153aにおける外周方向への突出量は、上流側で最大であり、下流側になるほど小さくなる。なお、第1整流リブ153aと第2整流リブ153bとを合わせて、整流リブ153a,153bとも呼ぶ。
【0029】
(3)対応孔リブ154a,154bの作用・効果
本実施形態では、ノズルガイド150の外周面において、センサー対応孔155の下流側に、センサー対応孔155に沿って軸方向に突出した対応孔リブ154a,154bが形成されている。燃料供給装置FSに挿入された給油ノズルNZから燃料が供給されることにより、液面が上昇してくる燃料は、センサー対応孔155に沿って形成された対応孔リブ154a,154bによって、センサー対応孔155へと導かれやすい。これにより、給油ノズルNZの先端NZaに形成され、燃料供給装置FSに挿入された状態でセンサー対応孔155の位置に対応するガスセンサーは、センサー対応孔155に導かれた燃料の所定の位置での液面を検知できる。そのため、本実施形態の燃料供給装置FSでは、供給された燃料の液面を、給油ノズルNZのガスセンサーにより早く検知させることで、供給された燃料が溢れ出すことを抑制できる。
【0030】
また、本実施形態の燃料供給装置FSでは、対応孔リブ154a,154bは、センサー対応孔155の下流側の下端部であると共に下流側以外の部分に沿うように、センサー対応孔155に隣接し、センサー対応孔155の下端部から延設して形成されている。そのため、本実施形態の燃料供給装置FSでは、供給された燃料の液面が最も低い位置となるセンサー対応孔155の下端部に、液面が上昇してくる供給された燃料を導くので、給油ノズルNZのガスセンサーに供給された燃料の液面をより早く検知させることができる。
【0031】
また、本実施形態の燃料供給装置FSでは、対応孔リブ154a,154bは、ノズルガイド150の外周面から外周方向に突出するように、ノズルガイド150と一体で形成されている。そのため、本実施形態の燃料供給装置FSでは、センサー対応孔155が形成されるノズルガイド150と同じ部材に対応孔リブ154a,154bが形成されるため、センサー対応孔155と対応孔リブ154a,154bとの位置を設計値の通りに製造しやすい。また、フィラーネック本体110の内部に配置する部品点数が少なくなり、燃料供給装置FSを製造しやすい。
【0032】
また、本実施形態の燃料供給装置FSでは、
図7(D)に示すように、対応孔リブ154a,154bは、軸方向に平行な直線状の形状として、ノズルガイド150の外周面から外周方向へと突出している。そのため、本実施形態の燃料供給装置FSでは、供給されて上昇してくる燃料の液面の方向である軸方向と平行に対応孔リブ154a,154bが形成されており、供給された燃料がより円滑にセンサー対応孔155へと導かれる。
【0033】
また、本実施形態の燃料供給装置FSでは、
図7(D)に示すように、センサー対応孔155の軸方向に対して、対応孔第1リブ154aと対応孔第2リブ154bとは、対称的に配置されている。そのため、本実施形態の燃料供給装置FSでは、液面が上昇してくる燃料をセンサー対応孔155の下端部へとより円滑に導くことができる。
【0034】
B.変形例:
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0035】
図10は、変形例におけるノズルガイド150bの背面図である。
図11は、変形例におけるノズルガイド150bの斜視図である。この変形例のノズルガイド150bでは、上記実施形態のノズルガイド150と比較して、ノズルガイド150bに形成されたセンサー対応孔155bと、ノズルガイド150bの外周面に、センサー対応孔155bの近傍に形成された対応孔リブ154ba,154bbと、が異なる。
図10の破線で示すように、センサー対応孔155bは、ノズルガイド150bの軸OL2bを中心とする周方向に他の部分よりも大きく開口する拡大対応孔155baを、下流側に有する。なお、
図10に示す破線は、便宜上示した線であり、ノズルガイド150bの形状とは関係ない。
【0036】
図10に示すように、対応孔第1リブ154baおよび対応孔第2リブ154bbは、上記実施形態の対応孔リブ154a,154bと異なり、センサー対応孔155bと隣接していない。換言すると、変形例における対応孔第1リブ154baと対応孔第2リブ154bbとは、ノズルガイド150bの円筒状の外周面を介してセンサー対応孔155bと隣接している。
図10に示すように、対応孔第2リブ154bbは、下流側になるにつれてノズルガイド150bからの突出量が大きくなる。また、ノズルガイド150bの軸OL2bに沿って対応孔第2リブ154bbの形成される位置は、対応孔第1リブ154baと異なり、対応孔第1リブ154baよりも上流側である。対応孔第2リブ154bbは、軸OL2bに沿って形成される直線状の突部ではなく、軸OL2bに直交する補助リブ154bb1を有する。
図11に示すように、対応孔第2リブ154bbと同じように、軸OL2bに直交する補助リブ154ba1を有する。以上説明したように、ノズルガイド150bに形成されるセンサー対応孔155bの形状、および、センサー対応孔155bの近傍に配置される対応孔リブ154ba,154bbについては、種々変形可能である。
【0037】
図12は、変形例におけるノズルガイド150cの背面図である。
図12に示す変形例のノズルガイド150cでは、上記実施形態のノズルガイド150と比較して、ノズルガイド150cに形成されたセンサー対応孔155cと、ノズルガイド150cの外周面に形成された対応孔リブ154ca,154cbと、が異なる。
図12に示すように、ノズルガイド150cの外周面に形成されたセンサー対応孔155cの形状は、背面図において、軸方向に沿った長辺を有する長方形ある。対応孔第1リブ154caは、上記実施形態の対応孔第1リブ154aと同じように、センサー対応孔155cの長辺に隣接して沿うように形成されている。一方で、対応孔第2リブ154cbは、上記実施形態の対応孔第2リブ154bと異なり、センサー対応孔155cの軸方向に直交する下流側の短辺に隣接して下流側へと軸方向に沿って延出する突部である。また、
図12に示すように、対応孔第1リブ154caの軸方向に沿った長さは、対応孔第2リブ154cbの軸方向に沿った長さよりも大きい。対応孔第1リブ154caの軸方向に沿った下端と、対応孔第2リブ154cbの軸方向に沿った下端とは、同じ位置である。変形例のノズルガイド150cに形成された対応孔リブ154ca,154cbのように、対応孔リブ154ca,154cbについては種々変形可能であり、また、センサー対応孔155cについても種々変形可能である。
【0038】
図13は、変形例におけるノズルガイド150dの背面図である。
図13に示す変形例のノズルガイド150dでは、上記実施形態のノズルガイド150と比較して、ノズルガイド150dに形成されたセンサー対応孔155dと、下流側のセンサー対応孔155dに沿って形成される対応孔リブ154da,154dbと、が異なる。
図13に示すように、変形例のセンサー対応孔155dの下流側は、下端150dyに近づくにつれて開口面積が大きくなるような台形のような形状である。
図13に示すように、対応孔第1リブ154daは、センサー対応孔155dに隣接して延出しており、軸方向に沿ってセンサー対応孔155dよりも下流側まで延出している。同じように、対応孔第2リブ154dbは、センサー対応孔155dに対して対称的な位置に配置され、センサー対応孔155dに隣接して延出しており、軸方向に沿ってセンサー対応孔155dよりも下流側まで延出している。変形例の対応孔リブ154da,154dbのように、対応孔リブ154da,154dbが延出する方向については種々変形可能であり、必ずしも軸方向に沿って延出しなくてもよい。
【0039】
フィラーネック本体110の内周面110aとノズルガイド150の外周面とによって構成される空間158aと燃料通路100Pとを連通するように、ノズルガイド150に形成されるセンサー対応孔155に合わせて形成される対応孔リブ154a,154bについては、種々変形可能である。例えば、上記実施形態および変形例のように、対応孔リブは、必ずしもノズルガイド150の外周面に形成される必要はなく、例えば、フィラーネック本体110の内周面から内周側に突出するように形成されてもよい。また、対応孔リブは、フィラーネック本体110とノズルガイド150とは異なる別部材として、フィラーネック100に含まれてもよい。また、対応孔リブの形状や数についても種々変形可能であり、上記実施形態および変形例とは異なり、1つまたは3つ以上の対応孔リブがあってもよい。また、
図7(d)、
図10、
図12、
図13のように、背面から見た対応孔リブの形状は、必ずしも直線的である必要はなく、曲がっていてもよいし、その他の形状であってもよい。また、対応孔リブの突出量についても、上記実施形態および変形例では、一定の突出量であったが、下流側に近づくにつれて突出量が増減してもよい。また、延出するように突出した対応孔リブに周方向に貫く孔が形成されてもよいし、延出する対応孔リブを分割するような形状であってもよい。対応孔リブは、燃料タンクFTを満たした後に、液面を上昇させてフィラーネック100へと戻ってくる燃料を、ノズルガイドに形成されたセンサー対応孔の下流側の部分へと導く形状であればよい。
【0040】
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現できる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部または全部を解決するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行なうことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除できる。