(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1の冷凍装置において、利用側膨張弁を感温筒を有する感温式膨張弁(温度自動膨張弁)によって構成することが考えられる。しかしながら、利用側膨張弁を感温式膨張弁によって構成した場合、利用側膨張弁の開度が感温筒の温度に応じて変化することになるので、利用側膨張弁の開度を任意に調節することができない。そのため、利用側ユニット(庫内ユニット)では、液側連絡配管と利用側熱交換器との間に冷媒を任意に流すことができなくなってしまう。例えば、除霜運転において、ガス側連絡配管から利用側熱交換器を経由して液側連絡配管に至る冷媒の流路を確保することができなくなるので、ガス側連絡配管から供給された冷媒(高温高圧の冷媒)を用いて利用側熱交換器の除霜を行うことができなくなる。
【0005】
そこで、この発明は、感温式の利用側膨張弁を有する利用側ユニットにおいて液側連絡配管と利用側熱交換器との間に冷媒を任意に流すことが可能な冷凍装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、熱源側熱交換器(23)を有する熱源側ユニット(11)と、それぞれが利用側熱交換器(51)と膨張弁回路部(52)とを有し、液側連絡配管(13)およびガス側連絡配管(14)を介して上記熱源側ユニット(11)とそれぞれ並列に接続されて冷媒が循環する冷媒回路(15)を構成する複数の利用側ユニット(12)とを備え、上記膨張弁回路部(52)は、感温式の利用側膨張弁(53)と、上記利用側膨張弁(53)を経由して上記利用側熱交換器(51)と上記液側連絡配管(13)との間に冷媒を流すための主配管(60)と、上記主配管(60)を迂回して上記利用側熱交換器(51)と上記液側連絡配管(13)との間に冷媒を流すためのバイパス配管(70)と、上記主配管(60)の開閉および上記バイパス配管(70)の開閉を切り換える切換機構(54)とを有し
、上記複数の利用側ユニット(12)の各々は、上記利用側熱交換器(51)のガス端と上記ガス側連絡配管(14)とを接続する利用側ガス冷媒配管(57)を有し、上記利用側膨張弁(53)は、上記利用側ガス冷媒配管(57)に取り付けられる感温筒(53a)と、均圧管(53b)とを有し、上記切換機構(54)は、上記利用側膨張弁(53)の均圧管(53b)を上記利用側ガス冷媒配管(57)の中途部に接続する第1接続状態と、該利用側膨張弁(53)の均圧管(53b)を上記主配管(60)における該利用側膨張弁(53)と上記液側連絡配管(13)との間の中途部に接続する第2接続状態とに切り換え可能に構成されていることを特徴とする冷凍装置である。
【0007】
上記第1の発明では、熱源側熱交換器(23)が凝縮器となり利用側熱交換器(51)が蒸発器となるように冷媒を循環させる冷凍運転の場合(すなわち、液側連絡配管(13)から利用側熱交換器(51)を経由してガス側連絡配管(14)へ向けて冷媒を流そうとする場合)に、切換機構(54)を第1接続状態に設定することにより、利用側膨張弁(53)を開状態に設定して主配管(60)を開状態にすることができる。また、切換機構(54)を第2接続状態に設定することにより、利用側膨張弁(53)を閉状態に設定して主配管(60)を閉状態に設定することができる。
【0008】
そして、上記第1の発明では、主配管(60)を開状態にすることにより、感温式の利用側膨張弁(53)を経由して液側連絡配管(13)と利用側熱交換器(51)との間に冷媒を流すことができる。また、バイパス配管(70)を開状態にすることにより、感温式の利用側膨張弁(53)を迂回して液側連絡配管(13)と利用側熱交換器(51)との間に冷媒を流すことができる。すなわち、利用側膨張弁(53)を経由して冷媒を流すことができない場合であっても、バイパス配管(70)を開状態に設定することによって液側連絡配管(13)と利用側熱交換器(51)との間に冷媒を流すことができる。
【0009】
第2の発明は、上記第1の発明において、上記切換機構(54)は、開状態と閉状態とに切り換え可能に構成されて上記バイパス配管(70)に設けられるバイパス開閉弁(71)を有していることを特徴とする冷凍装置である。
【0010】
上記第2の発明では、バイパス開閉弁(71)を開状態に設定することにより、バイパス配管(70)を開状態に設定することができ、バイパス開閉弁(71)を閉状態に設定することにより、バイパス配管(70)を閉状態にすることができる。
【0011】
第3の発明は、上記第2の発明において、上記切換機構(54)は、上記バイパス配管(70)に設けられて上記利用側熱交換器(51)側から上記液側連絡配管(13)側へ向かう冷媒の流れのみを許容するバイパス逆止弁(72)を有していることを特徴とする冷凍装置である。
【0012】
上記第3の発明では、バイパス配管(70)において液側連絡配管(13)側から利用側熱交換器(51)側への冷媒の流れを阻止することができる。これにより、液側連絡配管(13)から開状態の主配管(60)を経由して利用側熱交換器(51)に冷媒を流す場合に、バイパス配管(70)を経由した冷媒の漏れ(すなわち、液側連絡配管(13)からバイパス配管(70)を経由して利用側熱交換器(51)に冷媒が流れてしまうこと)を防止することができる
。
【0013】
第
4の発明は、上記
第1〜第3の発明
のいずれか1つにおいて、上記切換機構(54)は、上記主配管(60)に設けられて上記液側連絡配管(13)側から上記利用側熱交換器(51)側へ向かう冷媒の流れのみを許容する利用側逆止弁(62)を有していることを特徴とする冷凍装置である。
【0014】
上記第
4の発明では、主配管(60)において利用側熱交換器(51)側から液側連絡配管(13)側への冷媒の流れを阻止することができる。これにより、利用側熱交換器(51)から開状態のバイパス配管(70)を経由して液側連絡配管(13)に冷媒を流す場合に、主配管(60)を経由した冷媒の漏れ(すなわち、利用側熱交換器(51)から主配管(60)を経由して液側連絡配管(13)に冷媒が流れてしまうこと)を防止することができる。
【0015】
第
5の発明は、上記第1〜第
4の発明のいずれか1つにおいて、上記複数の利用側ユニット(12)の利用側熱交換器(51)が凝縮器となり上記熱源側熱交換器(23)が蒸発器となるように上記冷媒回路(15)において冷媒が循環する除霜運転が開始されると、該複数の利用側ユニット(12)の各々において上記主配管(60)が閉状態となり上記バイパス配管(70)が開状態となるように上記切換機構(54)を制御する制御部(80)を備えていることを特徴とする冷凍装置である。
【0016】
上記第
5の発明では、除霜運転を開始する場合に主配管(60)を閉状態にしてバイパス配管(70)を開状態にすることにより、ガス側連絡配管(14)から利用側熱交換器(51)とバイパス配管(70)とを順に経由して液側連絡配管(13)に至る冷媒の流路を確保することができる。これにより、ガス側連絡配管(14)から利用側熱交換器(51)に冷媒(高温高圧の冷媒)を供給することができる。
【0017】
第
6の発明は、上記第
5の発明において、上記制御部(80)は、上記除霜運転の開始後に上記複数の利用側ユニット(12)のいずれかにおいて上記利用側熱交換器(51)の除霜が完了すると、該利用側熱交換器(51)の除霜が完了した利用側ユニット(12)において上記バイパス配管(70)が開状態から閉状態に切り換わるように上記切換機構(54)を制御することを特徴とする冷凍装置である。
【0018】
上記第
6の発明では、利用側熱交換器(51)の除霜が完了した利用側ユニット(12)においてガス側連絡配管(14)から利用側熱交換器(51)への冷媒(高温高圧の冷媒)の供給を阻止することができる。これにより、利用側熱交換器(51)の除霜が完了していない利用側ユニット(12)においてガス側連絡配管(14)から利用側熱交換器(51)への冷媒(高温高圧の冷媒)の供給を促進させることができる。
【0019】
第7の発明は、熱源側熱交換器(23)を有する熱源側ユニット(11)と、それぞれが利用側熱交換器(51)と膨張弁回路部(52)とを有し、液側連絡配管(13)およびガス側連絡配管(14)を介して上記熱源側ユニット(11)とそれぞれ並列に接続されて冷媒が循環する冷媒回路(15)を構成する複数の利用側ユニット(12)と、制御部(80)とを備え、上記膨張弁回路部(52)は、感温式の利用側膨張弁(53)と、上記利用側膨張弁(53)を経由して上記利用側熱交換器(51)と上記液側連絡配管(13)との間に冷媒を流すための主配管(60)と、上記主配管(60)を迂回して上記利用側熱交換器(51)と上記液側連絡配管(13)との間に冷媒を流すためのバイパス配管(70)と、上記主配管(60)の開閉および上記バイパス配管(70)の開閉を切り換える切換機構(54)とを有し、上記制御部(80)は、上記複数の利用側ユニット(12)の利用側熱交換器(51)が凝縮器となり上記熱源側熱交換器(23)が蒸発器となるように上記冷媒回路(15)において冷媒が循環する除霜運転が開始されると、該複数の利用側ユニット(12)の各々において上記主配管(60)が閉状態となり上記バイパス配管(70)が開状態となるように上記切換機構(54)を制御し、上記除霜運転の開始後に上記複数の利用側ユニット(12)のいずれかにおいて上記利用側熱交換器(51)の除霜が完了すると、該利用側熱交換器(51)の除霜が完了した利用側ユニット(12)において上記バイパス配管(70)が開状態から閉状態に切り換わるように上記切換機構(54)を制御することを特徴とする冷凍装置である。
【0020】
上記第7の発明では、利用側熱交換器(51)の除霜が完了した利用側ユニット(12)においてガス側連絡配管(14)から利用側熱交換器(51)への冷媒(高温高圧の冷媒)の供給を阻止することができる。これにより、利用側熱交換器(51)の除霜が完了していない利用側ユニット(12)においてガス側連絡配管(14)から利用側熱交換器(51)への冷媒(高温高圧の冷媒)の供給を促進させることができる。
【0021】
第
8の発明は、上記第
6または第7の発明において、上記制御部(80)は、上記複数の利用側ユニット(12)のうち上記利用側熱交換器(51)の除霜が完了していない利用側ユニット(12)において上記バイパス配管(70)が開状態に維持されるように上記切換機構(54)を制御する一方で、該利用側熱交換器(51)の除霜が完了している利用側ユニット(12)において該バイパス配管(70)が間欠的に開状態となるように該切換機構(54)を制御することを特徴とする冷凍装置である。
【0022】
上記第
8の発明では、利用側熱交換器(51)の除霜が完了している利用側ユニット(12)においてバイパス配管(70)を間欠的に開状態にすることにより、利用側熱交換器(51)の除霜が完了している利用側ユニット(12)において利用側熱交換器(51)内の冷媒をバイパス配管(70)を経由して液側連絡配管(13)に間欠的に放出することができる。
【発明の効果】
【0023】
第1の発明によれば、利用側膨張弁(53)を経由して冷媒を流すことができない場合であっても、バイパス配管(70)を開状態に設定することによって液側連絡配管(13)と利用側熱交換器(51)との間に冷媒を流すことができるので、利用側ユニット(12)において液側連絡配管(13)と利用側熱交換器(51)との間に冷媒を任意に流すことができる。
【0024】
第2の発明によれば、バイパス開閉弁(71)の開閉を切り換えることによってバイパス配管(70)の開閉を切り換えることができる。
【0025】
第3の発明によれば、液側連絡配管(13)から開状態の主配管(60)を経由して利用側熱交換器(51)に冷媒を流す場合に、バイパス配管(70)を経由した冷媒の漏れを防止することができるので、主配管(60)を流れる冷媒の流量を確保することができる
。
【0026】
第
4の発明によれば、利用側熱交換器(51)から開状態のバイパス配管(70)を経由して液側連絡配管(13)に冷媒を流す場合に、主配管(60)を経由した冷媒の漏れを防止することができるので、バイパス配管(70)を流れる冷媒の流量を確保することができる。
【0027】
第
5の発明によれば、除霜運転において、ガス側連絡配管(14)から利用側熱交換器(51)に冷媒(高温高圧の冷媒)を供給することができるので、高温高圧の冷媒を用いて利用側熱交換器(51)の除霜を行うことができる。
【0028】
第
6および第7の発明によれば、利用側熱交換器(51)の除霜が完了していない利用側ユニット(12)においてガス側連絡配管(14)から利用側熱交換器(51)への冷媒(高温高圧の冷媒)の供給を促進させることができるので、利用側熱交換器(51)の除霜が完了していない利用側ユニット(12)において利用側熱交換器(51)の除霜を促進させることができる。
【0029】
第
8の発明によれば、利用側熱交換器(51)の除霜が完了している利用側ユニット(12)において利用側熱交換器(51)内の冷媒をバイパス配管(70)を経由して液側連絡配管(13)に間欠的に放出することができるので、利用側熱交換器(51)の除霜が完了している利用側ユニット(12)において利用側熱交換器(51)内に冷媒が溜まり込むことを防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、実施の形態を図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一または相当部分には同一の符号を付しその説明は繰り返さない。
【0032】
(冷凍装置)
図1は、実施形態による冷凍装置(10)の構成例を示している。冷凍装置(10)は、庫外に設けられる熱源側ユニット(11)と、冷蔵庫や冷凍庫などの庫内に設けられる複数(この例では2つ)の利用側ユニット(12)と、コントローラ(80)とを備えている。熱源側ユニット(11)には、熱源側回路(16)と熱源側ファン(17)とが設けられ、各利用側ユニット(12)には、利用側回路(18)と利用側ファン(19)とが設けられている。この冷凍装置(10)では、熱源側ユニット(11)の熱源側回路(16)と複数の利用側ユニット(12)の利用側回路(18)とが液側連絡配管(13)およびガス側連絡配管(14)によって接続されて、冷媒が循環して蒸気圧縮式の冷凍サイクルが行われる冷媒回路(15)が構成されている。具体的には、熱源側回路(16)の液端およびガス端に液閉鎖弁(V1)およびガス閉鎖弁(V2)がそれぞれ設けられ、液閉鎖弁(V1)およびガス閉鎖弁(V2)に液側連絡配管(13)の一端およびガス側連絡配管(14)の一端がそれぞれ接続され、液側連絡配管(13)およびガス側連絡配管(14)に各利用側回路(18)の液端およびガス端がそれぞれ接続されている。すなわち、複数の利用側ユニット(12)は、液側連絡配管(13)およびガス側連絡配管(14)を介して熱源側ユニット(11)とそれぞれ並列に接続されて、冷媒が循環する冷媒回路(15)を構成している。
【0033】
〈熱源側回路〉
熱源側回路(16)は、第1および第2圧縮機(21a,21b)と、四方切換弁(22)と、熱源側熱交換器(23)と、過冷却熱交換器(24)と、過冷却膨張弁(31)と、中間膨張弁(32)と、中間開閉弁(33)と、中間逆止弁(34)と、レシーバ(35)と、熱源側膨張弁(36)と、第1,第2,第3逆止弁(CV1,CV2,CV3)と、第1および第2油分離器(OSa,OSb)と、第1および第2吐出逆止弁(CVa,CVb)と、第1および第2キャピラリチューブ(CTa,CTb)と、油分離逆止弁(CVc)とを有している。
【0034】
また、熱源側回路(16)には、吐出冷媒配管(41)と、吸入冷媒配管(42)と、熱源側液冷媒配管(43)と、インジェクション配管(44)と、第1および第2接続配管(45,46)と、油戻し配管(47)とが設けられている。
【0035】
《圧縮機》
第1圧縮機(21a)は、吸入した冷媒を圧縮して吐出するように構成されている。また、第1圧縮機(21a)には、吸入ポートと、中間ポートと、吐出ポートとが設けられている。吸入ポートは、第1圧縮機(21a)の吸入行程において圧縮室(すなわち、低圧の圧縮室)と連通するように形成されている。中間ポートは、第1圧縮機(21a)の圧縮行程の途中において圧縮室(すなわち、中間圧の圧縮室)と連通するように形成されている。吐出ポートは、第1圧縮機(21a)の吐出行程において圧縮室(すなわち、高圧の圧縮室)と連通するように構成されている。例えば、第1圧縮機(21a)は、互いに歯合する固定スクロールおよび可動スクロールの間に圧縮室が構成されるスクロール式の圧縮機によって構成されている。第2圧縮機(21b)は、第1圧縮機(21a)の構成と同様の構成を有している。
【0036】
なお、第1圧縮機(21a)は、その運転周波数(容量)が可変に構成されている。すなわち、第1圧縮機(21a)は、インバータ(図示を省略)の出力周波数を変化させることで、その内部に設けられた電動機の回転数が変化し、その運転周波数が変化するように構成されている。一方、第2圧縮機(21b)は、その運転周波数(容量)が固定されている。すなわち、第2圧縮機(21b)は、その内部に設けられた電動機の回転数が一定であり、その運転周波数が一定となっている。
【0037】
《四方切換弁》
四方切換弁(22)は、第1ポートと第3ポートとが連通し且つ第2ポートと第4ポートとが連通する第1状態(
図1の実線で示された状態)と、第1ポートと第4ポートとが連通し且つ第2ポートと第3ポートとが連通する第2状態(
図1の破線で示された状態)とに切り換え可能に構成されている。
【0038】
四方切換弁(22)の第1ポートは、吐出冷媒配管(41)によって第1および第2圧縮機(21a,21b)の吐出ポートに接続され、四方切換弁(22)の第2ポートは、吸入冷媒配管(42)によって第1および第2圧縮機(21a,21b)の吸入ポートに接続されている。四方切換弁(22)の第3ポートは、熱源側熱交換器(23)のガス端に接続され、四方切換弁(22)の第4ポートは、ガス閉鎖弁(V2)に接続されている。
【0039】
《吐出冷媒配管》
吐出冷媒配管(41)は、一端が第1および第2圧縮機(21a,21b)の吐出ポートに接続される第1および第2吐出管(41a,41b)と、第1および第2吐出管(41a,41b)の他端と四方切換弁(22)の第1ポートとを接続する吐出主管(41c)とによって構成されている。
【0040】
《吸入冷媒配管》
吸入冷媒配管(42)は、一端が第1および第2圧縮機(21a,21b)の吸入ポートにそれぞれ接続される第1および第2吸入管(42a,42b)と、第1および第2吸入管(42a,42b)の他端と四方切換弁(22)の第2ポートとを接続する吸入主管(42c)とによって構成されている。
【0041】
《熱源側熱交換器》
熱源側熱交換器(23)は、その液端が熱源側液冷媒配管(43)の一端に接続され、そのガス端が四方切換弁(22)の第3ポートに接続されている。また、熱源側熱交換器(23)の近傍には、熱源側ファン(17)が配置されている。そして、熱源側熱交換器(23)は、冷媒と熱源側ファン(17)によって搬送された熱源側空気(すなわち、庫外空気)とを熱交換させるように構成されている。例えば、熱源側熱交換器(23)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器によって構成されている。
【0042】
《熱源側液冷媒配管》
熱源側液冷媒配管(43)は、その一端が熱源側熱交換器(23)に接続され、その他端が液閉鎖弁(V1)に接続されている。この例では、熱源側液冷媒配管(43)は、熱源側熱交換器(23)の液端とレシーバ(35)とを接続する第1熱源側液管(43a)と、レシーバ(35)と過冷却熱交換器(24)とを接続する第2熱源側液管(43b)と、過冷却熱交換器(24)と液閉鎖弁(V1)とを接続する第3熱源側液管(43c)とによって構成されている。
【0043】
《インジェクション配管》
インジェクション配管(44)は、熱源側液冷媒配管(43)の第1中途部(Q1)と第1および第2圧縮機(21a,21b)の中間ポートとを接続している。この例では、インジェクション配管(44)は、熱源側液冷媒配管(43)の第1中途部(Q1)と過冷却熱交換器(24)とを接続する第1インジェクション主管(44m)と、一端が過冷却熱交換器(24)に接続される第2インジェクション主管(44n)と、第2インジェクション主管(44n)の他端と第1および第2圧縮機(21a,21b)の中間ポートとをそれぞれ接続する第1および第2インジェクション分岐管(44a,44b)とによって構成されている。
【0044】
《過冷却熱交換器》
過冷却熱交換器(24)は、熱源側液冷媒配管(43)とインジェクション配管(44)とに接続され、熱源側液冷媒配管(43)を流れる冷媒とインジェクション配管(44)を流れる冷媒とを熱交換させるように構成されている。この例では、過冷却熱交換器(24)は、第2熱源側液管(43b)と第3熱源側液管(43c)との間に接続される第1流路(24a)と、第1インジェクション主管(44m)と第2インジェクション主管(44n)との間に接続される第2流路(24b)とを有し、第1流路(24a)を流れる冷媒と第2流路(24b)を流れる冷媒とを熱交換させるように構成されている。例えば、過冷却熱交換器(24)は、プレート型熱交換器によって構成されている。
【0045】
《過冷却膨張弁》
過冷却膨張弁(31)は、インジェクション配管(44)において熱源側液冷媒配管(43)の第1中途部(Q1)と過冷却熱交換器(24)との間(この例では、第1インジェクション主管(44m))に設けられている。また、過冷却膨張弁(31)は、その開度を調節可能に構成されている。例えば、過冷却膨張弁(31)は、電子膨張弁(電動弁)によって構成されている。
【0046】
《中間膨張弁》
中間膨張弁(32)は、インジェクション配管(44)において過冷却熱交換器(24)と第1圧縮機(21a)の中間ポートとの間(この例では、第1インジェクション分岐管(44a))に設けられている。また、中間膨張弁(32)は、その開度を調節可能に構成されている。例えば、中間膨張弁(32)は、電子膨張弁(電動弁)によって構成されている。
【0047】
《中間開閉弁と中間逆止弁》
中間開閉弁(33)および中間逆止弁(34)は、インジェクション配管(44)において過冷却熱交換器(24)と第2圧縮機(21b)の中間ポートとの間(この例では、第2インジェクション分岐管(44b))に設けられている。第2インジェクション分岐管(44b)では、第2インジェクション分岐管(44b)の入口側から出口側へ向けて中間開閉弁(33)と中間逆止弁(34)とが順に配置されている。
【0048】
中間開閉弁(33)は、その開閉を切り換え可能に構成されている。例えば、中間開閉弁(33)は、電磁弁によって構成されている。中間逆止弁(34)は、第2インジェクション分岐管(44b)の入口側から出口側へ向かう冷媒の流れを許容し、その逆方向の冷媒の流れを阻止するように構成されている。
【0049】
《レシーバ》
レシーバ(35)は、熱源側液冷媒配管(43)において熱源側熱交換器(23)と過冷却熱交換器(24)との間に接続され、凝縮器(具体的には、熱源側熱交換器(23)または後述の利用側熱交換器(51))において凝縮した冷媒を一時的に貯留することができるように構成されている。この例では、レシーバ(35)は、その入口に第1熱源側液管(43a)が接続され、その出口に第2熱源側液管(43b)が接続されている。
【0050】
《第1接続配管》
第1接続配管(45)は、熱源側液冷媒配管(43)の第2中途部(Q2)と第3中途部(Q3)とを接続している。第2中途部(Q2)は、熱源側液冷媒配管(43)において第1中途部(Q1)と液閉鎖弁(V1)との間に位置し、第3中途部(Q3)は、熱源側液冷媒配管(43)において熱源側熱交換器(23)の液端とレシーバ(35)との間に位置する。
【0051】
《第2接続配管》
第2接続配管(46)は、熱源側液冷媒配管(43)の第4中途部(Q4)と第5中途部(Q5)とを接続している。第4中途部(Q4)は、熱源側液冷媒配管(43)において第1中途部(Q1)と第2中途部(Q2)の間に位置し、第5中途部(Q5)は、熱源側液冷媒配管(43)において熱源側熱交換器(23)の液端と第3中途部(Q3)との間に位置する。
【0052】
《熱源側膨張弁》
熱源側膨張弁(36)は、第2接続配管(46)に設けられている。また、熱源側膨張弁(36)は、その開度を調節可能に構成されている。例えば、熱源側膨張弁(36)は、電子膨張弁(電動弁)によって構成されている。
【0053】
《第1逆止弁》
第1逆止弁(CV1)は、熱源側液冷媒配管(43)の第3中途部(Q3)と第5中途部(Q5)との間に設けられ、第5中途部(Q5)から第3中途部(Q3)へ向かう冷媒の流れを許容し、その逆方向の冷媒の流れを阻止するように構成されている。
【0054】
《第2逆止弁》
第2逆止弁(CV2)は、熱源側液冷媒配管(43)の第2中途部(Q2)と第4中途部(Q4)との間に設けられ、第4中途部(Q4)から第2中途部(Q2)へ向かう冷媒の流れを許容し、その逆方向の冷媒の流れを阻止するように構成されている。
【0055】
《第3逆止弁》
第3逆止弁(CV3)は、第1接続配管(45)に設けられ、熱源側液冷媒配管(43)の第2中途部(Q2)から第3中途部(Q3)へ向かう冷媒の流れを許容し、その逆方向の冷媒の流れを阻止するように構成されている。
【0056】
《第1油分離器と第1吐出逆止弁》
第1油分離器(OSa)および第1吐出逆止弁(CVa)は、吐出冷媒配管(41)において第1圧縮機(21a)と四方切換弁(22)の第1ポートとの間(具体的には、第1吐出管(41a))に設けられている。第1吐出管(41a)では、第1吐出管(41a)の入口側から出口側へ向けて第1油分離器(OSa)と第1吐出逆止弁(CVa)とが順に配置されている。第1油分離器(OSa)は、第1圧縮機(21a)から吐出された冷媒から冷凍機油を分離して内部に貯留することができるように構成されている。第1吐出逆止弁(CVa)は、第1吐出管(41a)の入口側から出口側へ向かう冷媒の流れを許容し、その逆方向の冷媒の流れを阻止するように構成されている。
【0057】
《第2油分離器と第2吐出逆止弁》
第2油分離器(OSb)は、吐出冷媒配管(41)において第2圧縮機(21b)と四方切換弁(22)の第1ポートとの間(具体的には、第2吐出管(41b))に設けられている。第2吐出管(41b)では、第2吐出管(41b)の入口側から出口側へ向けて第2油分離器(OSb)と第2吐出逆止弁(CVb)とが順に配置されている。第2油分離器(OSb)は、第2圧縮機(21b)から吐出された冷媒から冷凍機油を分離して内部に貯留することができるように構成されている。第2吐出逆止弁(CVb)は、第2吐出管(41b)の入口側から出口側へ向かう冷媒の流れを許容し、その逆方向の冷媒の流れを阻止するように構成されている。
【0058】
《油戻し配管》
油戻し配管(47)は、第1および第2油分離器(OSa,OSb)に貯留された冷凍機油をインジェクション配管(44)に供給するための配管である。この例では、油戻し配管(47)は、一端が第1および第2油分離器(OSa,OSb)に接続される第1および第2油戻し管(47a,47b)と、第1および第2油戻し管(47a,47b)の他端とインジェクション配管(44)の中途部(具体的には、第2インジェクション主管(44n)の中途部(Q6))とを接続する油戻し主管(47c)とによって構成されている。
【0059】
《第1キャピラリチューブ》
第1キャピラリチューブ(CTa)は、油戻し配管(47)において第1油分離器(OSa)とインジェクション配管(44)の中途部(Q6)との間(具体的には、第1油戻し管(47a))に設けられている。
【0060】
《第2キャピラリチューブと油戻し逆止弁》
第2キャピラリチューブ(CTb)および油戻し逆止弁(CVc)は、油戻し配管(47)において第2油分離器(OSb)とインジェクション配管(44)の中途部(Q6)との間(具体的には、第2油戻し管(47b))に設けられている。第2油戻し管(47b)では、第2油戻し管(47b)の入口側から出口側へ向けて油戻し逆止弁(CVc)と第2キャピラリチューブ(CTb)とが順に配置されている。油戻し逆止弁(CVc)は、第2油戻し管(47b)の入口側から出口側へ向かう冷媒の流れを許容し、その逆方向の冷媒の流れを阻止するように構成されている。
【0061】
〈利用側回路〉
利用側回路(18)は、利用側熱交換器(51)と、利用側膨張弁(53)を含む膨張弁回路部(52)とを有している。また、利用側回路(18)には、利用側液冷媒配管(56)と、利用側ガス冷媒配管(57)とが設けられている。利用側液冷媒配管(56)は、その一端が液側連絡配管(13)に接続され、その他端が利用側熱交換器(51)の液端に接続されている。利用側ガス冷媒配管(57)は、その一端が利用側熱交換器(51)のガス端に接続され、その他端がガス側連絡配管(14)に接続されている。
【0062】
《利用側熱交換器》
利用側熱交換器(51)は、その液端が利用側液冷媒配管(56)によって液側連絡配管(13)に接続され、そのガス端が利用側ガス冷媒配管(57)によってガス側連絡配管(14)に接続されている。また、利用側熱交換器(51)の近傍には、利用側ファン(19)が配置されている。そして、利用側熱交換器(51)は、冷媒と利用側ファン(19)によって搬送された利用側空気(すなわち、庫内空気)とを熱交換させるように構成されている。例えば、利用側熱交換器(51)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器によって構成されている。
【0063】
《膨張弁回路部》
膨張弁回路部(52)は、利用側熱交換器(51)の液端と液側連絡配管(13)との間に接続されている。この例では、膨張弁回路部(52)は、利用側液冷媒配管(56)に設けられている。また、膨張弁回路部(52)は、利用側膨張弁(53)と、主配管(60)と、バイパス配管(70)と、切換機構(54)とを有している。
【0064】
−利用側膨張弁−
利用側膨張弁(53)は、感温式の膨張弁である。具体的には、利用側膨張弁(53)は、温度自動膨張弁によって構成されている。この例では、利用側膨張弁(53)は、外部均圧形温度自動膨張弁によって構成されている。具体的には、利用側膨張弁(53)は、利用側ガス冷媒配管(57)に取り付けられる感温筒(53a)と、利用側ガス冷媒配管(57)の中途部に接続される均圧管(53b)とを有し、感温筒(53a)の温度と均圧管(53b)の冷媒圧力とに応じて開度が調節される。なお、感温筒(53a)には、冷媒回路(20)の循環する冷媒と同一の冷媒が充填されている。したがって、感温筒(53a)内の冷媒圧力は、利用側ガス冷媒配管(57)における冷媒の温度に対応した飽和圧力となる。
【0065】
−主配管−
主配管(60)は、利用側膨張弁(53)を経由して利用側熱交換器(51)と液側連絡配管(13)との間に冷媒を流すための配管である。主配管(60)には、利用側膨張弁(53)が設けられている。この例では、主配管(60)は、利用側液冷媒配管(56)の一部を構成している。すなわち、主配管(60)は、その一端が液側連絡配管(13)に接続され、その他端が利用側熱交換器(51)の液端に接続されている。
【0066】
−バイパス配管−
バイパス配管(70)は、主配管(60)を迂回して利用側熱交換器(51)と液側連絡配管(13)との間に冷媒を流すための配管である。この例では、バイパス配管(70)は、利用側液冷媒配管(56)の一部を構成する主配管(60)と並列に接続されている。すなわち、バイパス配管(70)は、その一端が液側連絡配管(13)に接続され、その他端が利用側熱交換器(51)の液端に接続されている。
【0067】
−切換機構−
切換機構(54)は、主配管(60)の開閉(開状態/閉状態)およびバイパス配管(70)の開閉(開状態/閉状態)を切り換えるように構成されている。この例では、切換機構(54)は、主配管(60)の開閉を切り換えるために設けられた利用側開閉弁(61)
と、利用側
逆止弁(62)と、バイパス配管(70)の開閉を切り換えるために設けられたバイパス開閉弁(71)
と、バイパス逆止弁(72)とを有している。
【0068】
−利用側開閉弁−
利用側開閉弁(61)は、開状態と閉状態とに切り換え可能に構成されている。この例では、利用側開閉弁(61)は、電磁弁によって構成されている。そして、利用側開閉弁(61)は、主配管(60)に設けられている。この例では、利用側開閉弁(61)は、主配管(60)において利用側膨張弁(53)と液側連絡配管(13)との間に設けられている。
【0069】
−利用側逆止弁−
利用側逆止弁(62)は、主配管(60)に設けられて液側連絡配管(13)側から利用側熱交換器(51)側へ向かう冷媒の流れのみを許容するように構成されている。この例では、利用側逆止弁(62)は、主配管(60)において利用側熱交換器(51)と利用側膨張弁(53)との間に設けられて利用側膨張弁(53)から利用側熱交換器(51)へ向かう冷媒の流れのみを許容するように構成されている。
【0070】
−バイパス開閉弁−
バイパス開閉弁(71)は、開状態と閉状態とに切り換え可能に構成されている。この例では、バイパス開閉弁(71)は、電磁弁によって構成されている。そして、バイパス開閉弁(71)は、バイパス配管(70)に設けられている。
【0071】
−バイパス逆止弁−
バイパス逆止弁(72)は、バイパス配管(70)に設けられて利用側熱交換器(51)側から液側連絡配管(13)側へ向かう冷媒の流れのみを許容するように構成されている。この例では、バイパス逆止弁(72)は、バイパス配管(70)においてバイパス開閉弁(71)と液側連絡配管(13)との間に設けられてバイパス開閉弁(71)から液側連絡配管(13)へ向かう冷媒の流れのみを許容するように構成されている。
【0072】
〈各種センサ〉
冷凍装置(10)には、温度センサや圧力センサなどの各種センサが設けられている。この例では、利用側ユニット(12)に冷媒温度センサ(81)が設けられている。冷媒温度センサ(81)は、除霜運転における利用側熱交換器(51)の出口冷媒温度(すなわち、除霜運転において利用側熱交換器(51)から流出した冷媒の温度)を検出するように構成されている。この例では、冷媒温度センサ(81)は、利用側液冷媒配管(56)において膨張弁回路部(52)と液側連絡配管(13)との間に設置され、除霜運転における設置場所の冷媒温度を除霜運転における利用側熱交換器(51)の出口冷媒温度として検出する。
【0073】
〈コントローラ(制御部)〉
コントローラ(80)は、冷凍装置(10)に設けられた各種センサの検出値や外部からの信号に基づいて冷凍装置(10)の各部を制御して冷凍装置(10)の運転動作を制御する。具体的には、コントローラ(80)は、熱源側ファン(17)と、利用側ファン(19)と、第1および第2圧縮機(21a,21b)と、四方切換弁(22)と、過冷却膨張弁(31)と、中間膨張弁(32)と、中間開閉弁(33)と、熱源側膨張弁(36)と、切換機構(54)(この例では、利用側開閉弁(61)とバイパス開閉弁(71))とを制御するように構成されている。
【0074】
なお、コントローラ(80)は、熱源側ユニット(11)の各部を制御する熱源側コントローラと、複数の利用側ユニット(12)の各部をそれぞれ制御する複数の利用側コントローラとによって構成されていてもよい。熱源側コントローラおよび複数の利用側コントローラは、互いに通信可能に構成されている。
【0075】
この例では、冷凍装置(10)において冷却運転と除霜運転とが選択的に行われる。冷却運転は、庫内を冷却するための運転であり、除霜運転は、利用側熱交換器(51)に付着した霜を融解させるための運転である。
【0076】
〈冷却運転〉
次に、
図2を参照して、冷却運転について説明する。冷却運転では、熱源側熱交換器(23)が凝縮器となり利用側熱交換器(51)が蒸発器となる冷凍サイクルが行われるように冷媒回路(20)において冷媒が循環する。
【0077】
熱源側ユニット(11)では、四方切換弁(22)が第1状態に設定される。これにより、第1および第2圧縮機(21a,21b)の吐出ポートと熱源側熱交換器(23)のガス端とが連通し、第1および第2圧縮機(21a,21b)の吸入ポートとガス側連絡配管(14)とが連通する。また、第1および第2圧縮機(21a,21b)と熱源側ファン(17)が駆動状態に設定され、過冷却膨張弁(31)の開度と中間膨張弁(32)の開度が調節され、中間開閉弁(33)が開状態に設定され、熱源側膨張弁(36)が全閉状態に設定される。
【0078】
利用側ユニット(12)では、利用側ファン(19)が駆動状態に設定される。また、バイパス開閉弁(71)が閉状態に設定されてバイパス配管(70)が閉状態(冷媒の流れを阻止することができる状態)となる。そして、庫内の冷却の要否に応じて利用側開閉弁(61)が開状態または閉状態に設定されて主配管(60)が開状態(冷媒を流すことができる状態)または閉状態となる。具体的には、コントローラ(80)は、庫内の冷却が必要である場合(例えば、庫内空気の温度が予め定められた目標冷却温度を上回る場合)に、利用側開閉弁(61)を開状態に設定して主配管(60)を開状態とし、庫内の冷却が不要である場合(例えば、庫内空気の温度が目標冷却温度を上回らない場合)に、利用側開閉弁(61)を閉状態に設定して主配管(60)を閉状態とする。また、利用側膨張弁(53)の感温筒(53a)の温度と均圧管(53b)の冷媒圧力とに応じて利用側膨張弁(53)の開度が自動的に調節される。なお、
図2の例では、全ての利用側ユニット(12)において利用側開閉弁(61)が開状態に設定されて主配管(60)が開状態となっている。
【0079】
第1および第2圧縮機(21a,21b)から吐出された冷媒は、吐出冷媒配管(41)において第1および第2油分離器(OSa,OSb)と第1および第2吐出逆止弁(CVa,CVb)とを通過した後に、四方切換弁(22)を通過して熱源側熱交換器(23)に流入し、熱源側熱交換器(23)において熱源側空気(すなわち、庫外空気)に放熱して凝縮する。熱源側熱交換器(23)から流出した冷媒(高圧冷媒)は、第1熱源側液管(43a)において第1逆止弁(CV1)を通過した後に、レシーバ(35)と第2熱源側液管(43b)と順に通過して過冷却熱交換器(24)の第1流路(24a)に流入し、過冷却熱交換器(24)の第2流路(24b)を流れる冷媒(中間圧冷媒)に吸熱されて過冷却される。過冷却熱交換器(24)の第1流路(24a)から流出した冷媒は、第3熱源側液管(43c)に流入し、その一部が第1インジェクション主管(44m)に流入し、その残部が第3熱源側液管(43c)において第2逆止弁(CV2)を通過した後に液閉鎖弁(V1)を通過して液側連絡配管(13)に流入する。
【0080】
第1インジェクション主管(44m)に流入した冷媒は、過冷却膨張弁(31)において減圧されて過冷却熱交換器(24)の第2流路(24b)に流入し、過冷却熱交換器(24)の第1流路(24a)を流れる冷媒(高圧冷媒)から吸熱する。過冷却熱交換器(24)の第2流路(24b)から流出した冷媒は、第2インジェクション主管(44n)を通過し、その一部が第1インジェクション分岐管(44a)に流入し、その残部が第2インジェクション分岐管(44b)に流入する。第1インジェクション分岐管(44a)に流入した冷媒は、中間膨張弁(32)において減圧されて第1圧縮機(21a)の中間ポートに流入する。第2インジェクション分岐管(44b)に流入した冷媒は、中間開閉弁(33)と中間逆止弁(34)とを順に通過して第2圧縮機(21b)の中間ポートに流入する。中間ポートを通過して第1および第2圧縮機(21a,21b)内に流入した冷媒は、第1および第2圧縮機(21a,21b)内の冷媒(具体的には、圧縮室内の冷媒)と混合される。すなわち、第1および第2圧縮機(21a,21b)内の冷媒が冷却されながら圧縮される。
【0081】
液側連絡配管(13)に流入した冷媒は、利用側開閉弁(61)が開状態に設定されて主配管(60)が開状態となっている利用側ユニット(12)に流入する。利用側開閉弁(61)が開状態に設定されて主配管(60)が開状態となっている利用側ユニット(12)では、液側連絡配管(13)から主配管(60)に流入した冷媒は、開状態となっている利用側開閉弁(61)を通過して利用側膨張弁(53)において減圧され、その後、利用側逆止弁(62)を通過して利用側熱交換器(51)に流入し、利用側熱交換器(51)において利用側空気(すなわち、庫内空気)から吸熱して蒸発する。これにより、利用側空気が冷却される。利用側熱交換器(51)から流出した冷媒は、利用側ガス冷媒配管(57)とガス側連絡配管(14)と熱源側ユニット(11)のガス閉鎖弁(V2)と四方切換弁(22)と吸入冷媒配管(42)とを順に通過して第1および第2圧縮機(21a,21b)の吸入ポートに吸入される。
【0082】
また、第1および第2油分離器(OSa,OSb)では、冷媒(すなわち、第1および第2圧縮機(21a,21b)から吐出された冷媒)から冷凍機油が分離され、その冷凍機油が第1および第2油分離器(OSa,OSb)に貯留される。第1油分離器(OSa)に貯留された冷凍機油は、第1油戻し管(47a)において第1キャピラリチューブ(CTa)を通過した後に、油戻し主管(47c)に流入する。第2油分離器(OSb)に貯留された冷凍機油は、第2油戻し管(47b)において油戻し逆止弁(CVc)と第2キャピラリチューブ(CTb)とを順に通過した後に、油戻し主管(47c)に流入する。油戻し主管(47c)に流入した冷凍機油は、第2インジェクション主管(44n)に流入して第2インジェクション主管(44n)を流れる冷媒と合流する。
【0083】
なお、利用側ユニット(12)において利用側開閉弁(61)が閉状態に設定されて主配管(60)が閉状態となっている場合、その利用側ユニット(12)の利用側熱交換器(51)には冷媒が流れない。
【0084】
〈除霜運転〉
次に、
図3を参照して、除霜運転について説明する。除霜運転では、利用側熱交換器(51)が凝縮器となり熱源側熱交換器(23)が蒸発器となる冷凍サイクルが行われるように冷媒回路(20)において冷媒が循環する。
【0085】
熱源側ユニット(11)では、四方切換弁(22)が第2状態に設定される。これにより、第1および第2圧縮機(21a,21b)の吐出ポートとガス側連絡配管(14)とが連通し、第1および第2圧縮機(21a,21b)の吸入ポートと熱源側熱交換器(23)のガス端とが連通する。また、第1および第2圧縮機(21a,21b)と熱源側ファン(17)が駆動状態に設定され、過冷却膨張弁(31)と中間膨張弁(32)が全閉状態に設定され、中間開閉弁(33)が閉状態に設定され、熱源側膨張弁(36)の開度が調節される。
【0086】
利用側ユニット(12)では、利用側ファン(19)が停止状態に設定される。また、利用側開閉弁(61)が閉状態に設定されて主配管(60)が閉状態となる。そして、利用側熱交換器(51)の除霜の状況に応じてバイパス開閉弁(71)が開状態または閉状態に設定されてバイパス配管(70)が開状態または閉状態となる。なお、除霜運転における切換機構(54)の制御(バイパス配管(70)の開閉)については、後で詳しく説明する。また、利用側膨張弁(53)の感温筒(53a)の温度と均圧管(53b)の冷媒圧力とに応じて利用側膨張弁(53)の開度が自動的に調節される。なお、
図3の例では、全ての利用側ユニット(12)においてバイパス開閉弁(71)が開状態に設定されてバイパス配管(70)が開状態となっている。
【0087】
第1および第2圧縮機(21a,21b)から吐出された冷媒は、吐出冷媒配管(41)において第1および第2油分離器(OSa,OSb)と第1および第2吐出逆止弁(CVa,CVb)を通過した後に、四方切換弁(22)とガス閉鎖弁(V2)とを順に通過してガス側連絡配管(14)に流入する。
【0088】
ガス側連絡配管(14)に流入した冷媒は、バイパス開閉弁(71)が開状態に設定されてバイパス配管(70)が開状態となっている利用側ユニット(12)に流入する。バイパス開閉弁(71)が開状態に設定されてバイパス配管(70)が開状態となっている利用側ユニット(12)では、ガス側連絡配管(14)から流入した冷媒は、利用側ガス冷媒配管(57)を通過して利用側熱交換器(51)に流入し、利用側熱交換器(51)において放熱して凝縮する。これにより、利用側熱交換器(51)に付着した霜が加熱されて融解する。利用側熱交換器(51)から流出した冷媒は、バイパス配管(70)において開状態のバイパス開閉弁(71)とバイパス逆止弁(72)とを順に通過して液側連絡配管(13)に流入する。
【0089】
液側連絡配管(13)を通過した冷媒は、熱源側ユニット(11)の液閉鎖弁(V1)を通過して第3熱源側液管(43c)に流入する。第3熱源側液管(43c)に流入した冷媒は、第2中途部(Q2)において第1接続配管(45)に流入し、第1接続配管(45)において第2逆止弁(CV2)を通過して第1熱源側液管(43a)の中途部(第3中途部(Q3))に流入する。第1熱源側液管(43a)の中途部に流入した冷媒は、レシーバ(35)と第2熱源側液管(43b)と過冷却熱交換器(24)の第1流路(24a)とを順に通過して第3熱源側液管(43c)に流入する。第3熱源側液管(43c)に流入した冷媒は、第4中途部(Q4)において第2接続配管(46)に流入し、熱源側膨張弁(36)において減圧されて第1熱源側液管(43a)の中途部(第5中途部(Q5))に流入する。第1熱源側液管(43a)の中途部に流入した冷媒は、熱源側熱交換器(23)に流入し、熱源側熱交換器(23)において熱源側空気(すなわち、庫外空気)から吸熱して蒸発する。熱源側熱交換器(23)から流出した冷媒は、四方切換弁(22)と吸入冷媒配管(42)とを順に通過して第1および第2圧縮機(21a,21b)の吸入ポートに吸入される。
【0090】
なお、利用側ユニット(12)においてバイパス開閉弁(71)が閉状態に設定されてバイパス配管(70)が閉状態となっている場合、その利用側ユニット(12)の利用側熱交換器(51)には冷媒が流れない。
【0091】
〈除霜運転における切換機構の制御〉
次に、除霜運転における切換機構(54)の制御(バイパス配管(70)の開閉)について説明する。この例では、バイパス開閉弁(71)を開状態に設定することにより、バイパス配管(70)が開状態に設定され、バイパス開閉弁(71)を閉状態に設定することにより、バイパス配管(70)が閉状態に設定される。
【0092】
まず、コントローラ(80)は、除霜運転が開始されるように冷凍装置(10)の各部を制御する。例えば、コントローラ(80)は、冷却運転を開始した後に予め定められた時間(冷却運転時間)が経過すると、冷却運転が終了して除霜運転が開始されるように冷凍装置(10)の各部を制御する。
【0093】
除霜運転が開始すると、コントローラ(80)は、複数の利用側ユニット(12)の各々において主配管(60)が閉状態となりバイパス配管(70)が開状態となるように切換機構(54)を制御する。これにより、ガス側連絡配管(14)から複数の利用側ユニット(12)の各々に冷媒(高温高圧の冷媒)が供給されて、複数の利用側ユニット(12)の各々において高温高圧の冷媒を用いた利用側熱交換器(51)の除霜が開始される。
【0094】
なお、利用側熱交換器(51)の利用状況(霜の付き方など)の違いや利用側熱交換器(51)の設置状況(配管や高低差など)の違いや利用側熱交換器(51)のサイズの違いなどの要因により、複数の利用側ユニット(12)において利用側熱交換器(51)の除霜完了のタイミングが異なることが予想される。
【0095】
そのため、この実施形態による冷凍装置(10)では、コントローラ(80)は、除霜運転の開始後に複数の利用側ユニット(12)の各々に対して利用側熱交換器(51)の除霜が完了したか否かを監視し、複数の利用側ユニット(12)のいずれかにおいて利用側熱交換器(51)の除霜が完了すると、その利用側熱交換器(51)の除霜が完了した利用側ユニット(12)においてバイパス配管(70)が開状態から閉状態に切り換わるように切換機構(54)を制御する。例えば、コントローラ(80)は、複数の利用側ユニット(12)の各々に設けられた冷媒温度センサ(81)の検出値(除霜運転における利用側熱交換器(51)の出口冷媒温度)を監視し、冷媒温度センサ(81)の検出値が予め定められた除霜完了温度を上回ると、その冷媒温度センサ(81)が設けられた利用側ユニット(12)において利用側熱交換器(51)の除霜が完了しているとみなすように構成されている。なお、除霜完了温度は、利用側熱交換器(51)の除霜が完了しているとみなすことができる場合に利用側熱交換器(51)から流出される冷媒の温度に設定されている。
【0096】
また、除霜運転においてバイパス配管(70)が閉状態となっている利用側ユニット(12)では、利用側熱交換器(51)に冷媒が溜まり込む可能性がある。
【0097】
そのため、この実施形態による冷凍装置(10)では、コントローラ(80)は、複数の利用側ユニット(12)のうち利用側熱交換器(51)の除霜が完了していない利用側ユニット(12)においてバイパス配管(70)が開状態に維持されるように切換機構(54)を制御する一方で、利用側熱交換器(51)の除霜が完了している利用側ユニット(12)においてバイパス配管(70)が間欠的に開状態となるように切換機構(54)を制御する。例えば、コントローラ(80)は、利用側熱交換器(51)の除霜が完了しているとみなした利用側ユニット(12)において、バイパス配管(70)を開状態から閉状態に切り換えた後に予め定められた閉鎖期間(例えば10分間)が経過すると、そのバイパス配管(70)を閉状態から開状態に切り換え、その後、予め定められた開通時間(例えば2分間)が経過すると、そのバイパス配管を開状態から閉状態に切り換える。
【0098】
そして、コントローラ(80)は、全ての利用側ユニット(12)において利用側熱交換器(51)の除霜が完了すると、除霜運転が終了して冷却運転が再開されるように冷凍装置(10)の各部を制御する。なお、コントローラ(80)は、除霜運転を開始した後に予め定められた時間(除霜運転時間)が経過すると、除霜運転が終了して冷却運転が再開されるように冷凍装置(10)の各部を制御してもよい。除霜運転時間は、閉鎖時間や開通時間よりも十分に長い時間(例えば30分間)に設定されている。
【0099】
〈実施形態による効果〉
以上のように、切換機構(54)を制御して主配管(60)を開状態することにより、感温式の利用側膨張弁(53)を経由して液側連絡配管(13)と利用側熱交換器(51)との間に冷媒を流すことができる。また、切換機構(54)を制御してバイパス配管(70)を開状態することにより、感温式の利用側膨張弁(53)を迂回して液側連絡配管(13)と利用側熱交換器(51)との間に冷媒を流すことができる。すなわち、利用側膨張弁(53)を経由して冷媒を流すことができない場合であっても、バイパス配管(70)を開状態に設定することによって液側連絡配管(13)と利用側熱交換器(51)との間に冷媒を流すことができる。これにより、感温式の利用側膨張弁(53)を有する利用側ユニット(12)において液側連絡配管(13)と利用側熱交換器(51)との間に冷媒を任意に流すことができる。
【0100】
また、バイパス配管(70)にバイパス開閉弁(71)を設けることにより、バイパス開閉弁(71)を開状態に設定してバイパス配管(70)を開状態に設定することができ、バイパス開閉弁(71)を閉状態に設定してバイパス配管(70)を閉状態にすることができる。このように、バイパス開閉弁(71)の開閉を切り換えることによってバイパス配管(70)の開閉を切り換えることができる。
【0101】
また、バイパス配管(70)にバイパス逆止弁(72)を設けることにより、バイパス配管(70)において液側連絡配管(13)側から利用側熱交換器(51)側への冷媒の流れを阻止することができる。これにより、液側連絡配管(13)から開状態の主配管(60)を経由して利用側熱交換器(51)に冷媒を流す場合(具体的には、冷却運転の場合)に、バイパス配管(70)を経由した冷媒の漏れ(すなわち、液側連絡配管(13)からバイパス配管(70)を経由して利用側熱交換器(51)に冷媒が流れてしまうこと)を防止することができる。その結果、液側連絡配管(13)から開状態の主配管(60)を経由して利用側熱交換器(51)に冷媒を流す場合(具体的には、冷却運転の場合)に、主配管(60)を流れる冷媒の流量を確保することができる。
【0102】
また、主配管(60)に利用側開閉弁(61)を設けることにより、利用側開閉弁(61)を開状態に設定して主配管(60)を開状態に設定することができ、利用側開閉弁(61)を閉状態に設定して主配管(60)を閉状態にすることができる。このように、利用側開閉弁(61)の開閉を切り換えることによって主配管(60)の開閉を切り換えることができる。
【0103】
また、主配管(60)に利用側逆止弁(62)を設けることにより、主配管(60)において利用側熱交換器(51)側から液側連絡配管(13)側への冷媒の流れを阻止することができる。これにより、利用側熱交換器(51)から開状態のバイパス配管(70)を経由して液側連絡配管(13)に冷媒を流す場合(具体的には、除霜運転の場合)に、主配管(60)を経由した冷媒の漏れ(すなわち、利用側熱交換器(51)から主配管(60)を経由して液側連絡配管(13)に冷媒が流れてしまうこと)を防止することができる。その結果、利用側熱交換器(51)から開状態のバイパス配管(70)を経由して液側連絡配管(13)に冷媒を流す場合(具体的には、除霜運転の場合)に、バイパス配管(70)を流れる冷媒の流量を確保することができる。
【0104】
また、除霜運転を開始する場合に主配管(60)を閉状態にしてバイパス配管(70)を開状態にすることにより、ガス側連絡配管(14)から利用側熱交換器(51)とバイパス配管(70)とを順に経由して液側連絡配管(13)に至る冷媒の流路を確保することができる。これにより、ガス側連絡配管(14)から利用側熱交換器(51)に冷媒(高温高圧の冷媒)を供給することができるので、高温高圧の冷媒を用いて利用側熱交換器(51)の除霜を行うことができる。
【0105】
また、利用側熱交換器(51)の除霜が完了した利用側ユニット(12)においてバイパス配管(70)を開状態から閉状態に切り換えることにより、利用側熱交換器(51)の除霜が完了した利用側ユニット(12)においてガス側連絡配管(14)から利用側熱交換器(51)への冷媒(高温高圧の冷媒)の供給を阻止することができる。これにより、利用側熱交換器(51)の除霜が完了していない利用側ユニット(12)においてガス側連絡配管(14)から利用側熱交換器(51)への冷媒(高温高圧の冷媒)の供給を促進させることができるので、利用側熱交換器(51)の除霜が完了していない利用側ユニット(12)において利用側熱交換器(51)の除霜を促進させることができる。具体的には、利用側熱交換器(51)の除霜が完了していない利用側ユニット(12)において利用側熱交換器(51)の除霜に要する時間を短縮することができる。
【0106】
また、利用側熱交換器(51)の除霜が完了している利用側ユニット(12)においてバイパス配管(70)を間欠的に開状態にすることにより、利用側熱交換器(51)の除霜が完了している利用側ユニット(12)において利用側熱交換器(51)内の冷媒をバイパス配管(70)を経由して液側連絡配管(13)に間欠的に放出することができる。これにより、利用側熱交換器(51)の除霜が完了している利用側ユニット(12)において利用側熱交換器(51)内に冷媒が溜まり込むことを防止することができる。
【0107】
また、感温筒(53a)の温度に応じて開度が自動的に調節される感温式膨張弁を用いて利用側膨張弁(53)を構成することにより、コントローラ(80)の制御によって開度が調節される電子膨張弁を用いて利用側膨張弁(53)を構成する場合に必要となる設備(制御線など)や制約を省略することができる。
【0108】
(利用側ユニットの変形例)
図4に示すように、利用側ユニット(12)において、切換機構(54)は、利用側膨張弁(53)の均圧管(53b)を利用側ガス冷媒配管(57)の中途部に接続する第1接続状態と、利用側膨張弁(53)の均圧管(53b)を主配管(60)における利用側膨張弁(53)と液側連絡配管(13)との間の中途部に接続する第2接続状態とに切り換え可能に構成されていてもよい。
【0109】
図4では、切換機構(54)は、
図1に示した利用側開閉弁(61)に代えて三方弁(63)
を有している。三方弁(63)は、第1ポートが利用側膨張弁(53)の均圧管(53b)に接続され、第2ポートが利用側ガス冷媒配管(57)の中途部(具体的には、感温筒(53a)の取り付け位置とガス側連絡配管(14)との間に位置する中途部)に接続され、第3ポートが主配管(60)の中途部(具体的には、液側連絡配管(13)と利用側膨張弁(53)との間に位置する中途部)に接続されている。そして、三方弁(63)は、第1ポートと第2ポートとが連通する第1状態と、第1ポートと第3ポートとが連通する第2状態とに切り換え可能に構成されている。
【0110】
三方弁(63)が第1状態(第1ポートと第2ポートとが連通する状態)に設定されることにより、切換機構(54)が第1接続状態(利用側膨張弁(53)の均圧管(53b)を利用側ガス冷媒配管(57)の中途部に接続する状態)となる。一方、三方弁(63)が第2状態(第1ポートと第3ポートとが連通する状態)に設定されることにより、切換機構(54)が第2接続状態(利用側膨張弁(53)の均圧管(53b)を主配管(60)における利用側膨張弁(53)と液側連絡配管(13)との間の中途部に接続する状態)となる。
【0111】
また、この例では、利用側膨張弁(53)は、外部均圧形温度自動膨張弁によって構成されている。具体的には、利用側膨張弁(53)は、感温筒(53a)内の冷媒圧力が均圧管(53b)内の冷媒圧力と所定の抵抗力(例えば、利用側膨張弁(53)の内部に設けられたニードル弁をダイアフラム側に付勢するスプリングの付勢力)との合計を上回る場合に開状態となり、感温筒(53a)内の冷媒圧力が均圧管(53b)内の冷媒圧力と抵抗力との合計値を下回る場合に閉状態となるように構成されている。なお、抵抗力は、冷却運転において利用側膨張弁(53)の均圧管(53b)が利用側ガス冷媒配管(57)の中途部に接続された場合に利用側膨張弁(53)の感温筒(53a)内の冷媒圧力(低圧)が均圧管(53b)内の冷媒圧力(低圧)と抵抗力との合計を上回るように(すなわち、利用側膨張弁(53)が開状態となるように)設定されている。
【0112】
〈冷却運転〉
図5に示すように、
図4に示した利用側ユニット(12)
を備えた冷凍装置(10)の冷却運転では、バイパス開閉弁(71)が閉状態に設定されてバイパス配管(70)が閉状態となる。そして、庫内の冷却の要否に応じて三方弁(63)が第1状態または第2状態に設定される。具体的には、コントローラ(80)は、庫内の冷却が必要である場合(例えば、庫内空気の温度が予め定められた目標冷却温度を上回る場合)に、三方弁(63)を第1状態(第1ポートと第2ポートとが連通する状態)に設定し、庫内の冷却が不要である場合(例えば、庫内空気の温度が予め定められた目標冷却温度を上回らない場合)に、三方弁(63)を第2状態(第1ポートと第3ポートとが連通する状態)に設定する。なお、
図5の例では、三方弁(63)が第1状態に設定されて利用側膨張弁(53)の均圧管(53b)が利用側ガス冷媒配管(57)の中途部に接続されている。その他の制御は、
図1に示した冷凍装置(10)の制御と同様となっている。
【0113】
冷却運転において三方弁(63)が第1状態に設定されると、利用側膨張弁(53)の均圧管(53b)が利用側ガス冷媒配管(57)の中途部に接続される。冷却運転では、利用側ガス冷媒配管(57)内の冷媒が低温低圧となっている。したがって、感温筒(53a)内の冷媒圧力(低圧)が均圧管(53b)内の冷媒圧力(低圧)と抵抗力との合計を上回るので、利用側膨張弁(53)が開状態に設定される。そして、感温筒(53a)の温度と均圧管(53b)の冷媒圧力とに応じて利用側膨張弁(53)の開度が調節される。
【0114】
一方、冷却運転において三方弁(63)が第2状態に設定されると、利用側膨張弁(53)の均圧管(53b)が主配管(60)における利用側膨張弁(53)と液側連絡配管(13)との間の中途部に接続される。冷却運転では、主配管(60)における利用側膨張弁(53)と液側連絡配管(13)との間の配管部における冷媒が高温高圧となっており、利用側ガス冷媒配管(57)内の冷媒が比較的に低温低圧となっている。したがって、感温筒(53a)内の冷媒圧力(低圧)が均圧管(53b)内の冷媒圧力(高圧)と抵抗力との合計を下回るので、利用側膨張弁(53)が閉状態に設定される。
【0115】
〈除霜運転〉
図6に示すように、
図4に示した利用側ユニット(12)
を備えた冷凍装置(10)の除霜運転では、三方弁(63)が第2状態(第1ポートと第3ポートとが連通する状態)に設定されて利用側膨張弁(53)の均圧管(53b)が主配管(60)における利用側膨張弁(53)と液側連絡配管(13)との間の中途部に接続される。これにより、利用側膨張弁(53)が閉状態となる。そして、利用側熱交換器(51)の除霜の状況に応じてバイパス開閉弁(71)が開状態または閉状態に設定されてバイパス配管(70)が開状態または閉状態となる。
図6の例では、バイパス開閉弁(71)が開状態に設定されてバイパス配管(70)が開状態となっている。その他の制御は、
図1に示した冷凍装置(10)の制御と同様となっている。
【0116】
除霜運転において三方弁(63)が第2状態に設定されると、利用側膨張弁(53)の均圧管(53b)が主配管(60)における利用側膨張弁(53)と液側連絡配管(13)との間の中途部に接続される。除霜運転では、利用側ガス冷媒配管(57)内の冷媒が高温高圧となっており、主配管(60)における利用側膨張弁(53)と液側連絡配管(13)との間の配管部における冷媒が高温高圧となっている。したがって、感温筒(53a)内の冷媒圧力(高圧)が均圧管(53b)内の冷媒圧力(高圧)と抵抗力との合計を上回るので、利用側膨張弁(53)が開状態に設定される。
【0117】
〈利用側ユニットの変形例による効果〉
以上のように、熱源側熱交換器(23)が凝縮器となり利用側熱交換器(51)が蒸発器となるように冷媒を循環させる冷却運転の場合(すなわち、液側連絡配管(13)から利用側熱交換器(51)を経由してガス側連絡配管(14)へ向けて冷媒を流そうとする場合)に、切換機構(54)を第1接続状態(利用側膨張弁(53)の均圧管(53b)を利用側ガス冷媒配管(57)の中途部に接続する状態)に設定することにより、利用側膨張弁(53)を開状態に設定して主配管(60)を開状態にすることができる。また、切換機構(54)を第2接続状態(利用側膨張弁(53)の均圧管(53b)を主配管(60)における利用側膨張弁(53)と液側連絡配管(13)との間の中途部に接続する状態)に設定することにより、利用側膨張弁(53)を閉状態に設定して主配管(60)を閉状態に設定することができる。このように、切換機構(54)の状態を切り換えることにより、主配管(60)の開閉を切り換えることができる。
【0118】
(その他の実施形態)
以上の説明では、利用側開閉弁(61)が電磁弁によって構成されている場合を例に挙げたが、利用側開閉弁(61)は、二方弁によって構成されていてもよい。この場合、利用側逆止弁(62)を省略してもよい。これと同様に、バイパス開閉弁(71)が電磁弁によって構成されている場合を例に挙げたが、バイパス開閉弁(71)は、二方弁によって構成されていてもよい。この場合、バイパス逆止弁(72)を省略してもよい。
【0119】
また、以上の説明では、冷凍装置(10)が2つの利用側ユニット(12)を備えている場合を例に挙げたが、利用側ユニット(12)の台数は、3台以上であってもよい。
【0120】
また、以上の説明では、冷媒回路(20)に2台の圧縮機(21a,21b)が設けられている場合を例に挙げたが、圧縮機の台数は、1台であってもよいし、3台以上であってもよい。
【0121】
また、以上の実施形態や変形例を適宜組み合わせて実施してもよい。以上の実施形態や変形例は、本質的に好ましい例示であって、この発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。