特許第6338210号(P6338210)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社岡村製作所の特許一覧

<>
  • 特許6338210-パネル体 図000002
  • 特許6338210-パネル体 図000003
  • 特許6338210-パネル体 図000004
  • 特許6338210-パネル体 図000005
  • 特許6338210-パネル体 図000006
  • 特許6338210-パネル体 図000007
  • 特許6338210-パネル体 図000008
  • 特許6338210-パネル体 図000009
  • 特許6338210-パネル体 図000010
  • 特許6338210-パネル体 図000011
  • 特許6338210-パネル体 図000012
  • 特許6338210-パネル体 図000013
  • 特許6338210-パネル体 図000014
  • 特許6338210-パネル体 図000015
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6338210
(24)【登録日】2018年5月18日
(45)【発行日】2018年6月6日
(54)【発明の名称】パネル体
(51)【国際特許分類】
   E04C 2/38 20060101AFI20180528BHJP
   E04B 2/74 20060101ALI20180528BHJP
【FI】
   E04C2/38 J
   E04B2/74 561H
【請求項の数】5
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2014-17190(P2014-17190)
(22)【出願日】2014年1月31日
(65)【公開番号】特開2015-143438(P2015-143438A)
(43)【公開日】2015年8月6日
【審査請求日】2017年1月11日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 発行日:平成25年11月1日 刊行物:Muffle ウェブサイトの掲載日:平成25年11月5日 ウェブサイトのアドレス: http://www.okamura.co.jp/company/topics/index.php http://www.okamura.co.jp/company/topics/office/2013/muffle.php 展示日:平成25年11月6日〜平成25年11月8日 展示会名、開催場所:オカムラグランドフェア2013 ホテルニューオータニ(東京都千代田区) ウェブサイトの掲載日:平成25年12月31日 ウェブサイトのアドレス: http://www.okamura.co.jp/catalog/sougou2013−2014/index.html#page=949〜955 なお、上記html#page=949からhtml#page=955は独立したページである。 発行日:平成26年1月1日 刊行物:2014年新製品カタログ,第010〜017頁,株式会社岡村製作所
(73)【特許権者】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(72)【発明者】
【氏名】土山 和功
(72)【発明者】
【氏名】北嶋 春彦
(72)【発明者】
【氏名】黒江 真行
【審査官】 新井 夕起子
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭61−041703(JP,U)
【文献】 特開2009−079467(JP,A)
【文献】 米国特許第03685222(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04C 2/38
E04B 2/74 − 2/82
E06B 3/82
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネル状の基材と、
前記基材の外周端部に沿って設けられ、該基材の内方に向けて凹んだ溝と、
前記溝に嵌め込まれた嵌合部材と、
前記溝の底部から突出して設けられた係合突起と、を備え、
前記嵌合部材には、前記係合突起に係合可能な係合爪が形成され
前記嵌合部材は、
前記溝の両側面に沿い、互いに平行に位置する側部プレート部と、
前記側部プレート部どうしを一体に連結する連結プレート部と、を備え、
前記係合爪は、それぞれの前記側部プレート部において前記溝の底部側に位置する先端部に形成され、
前記連結プレート部は、前記側部プレート部の前記先端部よりも前記溝の底部から離間した位置にオフセットして設けられていることを特徴とするパネル体。
【請求項2】
前記嵌合部材は、前記連結プレート部よりも前記溝の底部から離間した側に、前記側部プレート部同士が互いに接近する方向に変形することを拘束する変形拘束部材をさらに備えていることを特徴とする請求項に記載のパネル体。
【請求項3】
パネル状の基材と、
前記基材の外周端部に沿って設けられ、該基材の内方に向けて凹んだ溝と、
前記溝に嵌め込まれた嵌合部材と、
前記溝の底部から突出して設けられた係合突起と、を備え、
前記嵌合部材には、前記係合突起に係合可能な係合爪が形成され、
前記係合突起は、前記溝が連続する方向に間隔をあけて複数個が設けられていることを特徴とするパネル体。
【請求項4】
パネル状の基材と、
前記基材の外周端部に沿って設けられ、該基材の内方に向けて凹んだ溝と、
前記溝に嵌め込まれた嵌合部材と、
前記溝の底部から突出して設けられた係合突起と、を備え、
前記嵌合部材には、前記係合突起に係合可能な係合爪が形成され、
前記溝の底部に貫通孔が形成され、
前記係合突起は、
前記貫通孔に係合する貫通孔係合爪と、
前記溝の底部から突出する突出部と、
前記突出部において、前記溝の底部から離間した側に形成されて外周側に張り出し、前記係合爪が係合する被係合部と、
を一体に備えることを特徴とするパネル体。
【請求項5】
前記基材の少なくとも一面側を覆い、外周端部が前記基材の外周縁部で前記溝の内側に巻き込まれた表皮材をさらに備え、
前記嵌合部材は、前記溝内周面との間に前記表皮材を挟み込むことを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載のパネル体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、間仕切り装置を構成するパネル体に関する。
【背景技術】
【0002】
オフィスや公共施設、商業施設等の空間においては、施設内に形成された大空間の一部を小空間に区画することによって、空間利用における自由度を高めることが求められている。そこで、空間内に、間仕切り装置(パーティション)を設けることが広く行われている。間仕切り装置を設けることにより周囲からの視線や音をある程度遮ることができる。この間仕切り装置により空間の一部を仕切り、各執務者の固有スペースを設けたり、打合わせ等のためのスペースを設けることができる。
【0003】
このような間仕切り装置は、特許文献1、2に開示されているように、芯材と、芯材の表面に設けられた表皮材と、これら芯材および表皮材の外周部に沿って設けられるフレームと、を備えている。
【0004】
また、特許文献1に記載の軽量パネルでは、間仕切り装置の端部には、溝が形成されている。このパネル体の上部や側部に形成された溝には、溝を塞ぐクリップやジョイナ等が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3000252号公報
【特許文献2】特開平9−177209号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の特許文献1では、クリップやジョイナは、間仕切り装置の端部に形成された溝に単に嵌め込まれている。このため、これらの部材が外力等によって溝から不用意に抜けてしまうことがある。
そこでなされた本発明の目的は、端部に形成された溝が塞がれた状態を確実に維持することのできるパネル体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明のパネル体は、パネル状の基材と、前記基材の外周端部に沿って設けられ、該基材の内方に向けて凹んだ溝と、前記溝に嵌め込まれた嵌合部材と、前記溝の底部から突出して設けられた係合突起と、を備え、前記嵌合部材には、前記係合突起に係合可能な係合爪が形成され、前記嵌合部材は、前記溝の両側面に沿い、互いに平行に位置する側部プレート部と、前記側部プレート部どうしを一体に連結する連結プレート部と、を備え、前記係合爪は、それぞれの前記側部プレート部において前記溝の底部側に位置する先端部に形成され、前記連結プレート部は、前記側部プレート部の前記先端部よりも前記溝の底部から離間した位置にオフセットして設けられていることを特徴とする。
このようなパネル体においては、嵌合部材が、基材の外周端部に沿って設けられた溝に嵌め込まれている。この嵌合部材の係合爪は、溝の底部の係合突起に係合されている。よって、嵌合部材が溝から抜け出ることが抑制される。
また、各側部プレート部は溝の側面それぞれに沿って配置されつつ、連結プレート部がこれら側部プレート部を連結している。よって、連結プレート部が両側部プレート部を互いに離間した状態を維持するように連結している。また、連結プレート部は側部プレート部の先端部よりも溝の底部から離間した位置にオフセットして設けられているため、両側部プレート部は、先端部から先端部と反対側にわたって、互いに離間した状態が維持される。よって、側部プレート部は先端部から先端部と反対側にわたって溝の側面に沿って配置された状態を維持されるため、嵌合部材が溝内に嵌め込まれた状態が維持される。
【0010】
さらに、前記嵌合部材において、前記連結プレート部よりも前記溝の底部から離間した側に挿入され、前記側部プレート部同士が互いに接近する方向に変形するのを拘束する変形拘束部材をさらに備えているようにしてもよい。
断面略H字状をなした嵌合部材は、連結プレート部よりも溝の底部から離間した側で側部プレート部どうしが互いに接近する方向に変形すると、側部プレート部の先端部同士が互いに離間する方向に変位しようとするが、変形拘束部材により側部プレート部どうしが互いに接近する方向に変形するのを拘束する。これにより、係合爪と係合突起との係合を確実に維持できる。
【0012】
また、本発明のパネル体は、パネル状の基材と、前記基材の外周端部に沿って設けられ、該基材の内方に向けて凹んだ溝と、前記溝に嵌め込まれた嵌合部材と、前記溝の底部から突出して設けられた係合突起と、を備え、前記嵌合部材には、前記係合突起に係合可能な係合爪が形成され、前記係合突起は、前記溝が連続する方向に間隔をあけて複数個が設けられているようにしてもよい。
これにより、嵌合部材が、基材の外周端部に沿って設けられた溝に嵌め込まれている。この嵌合部材の係合爪は、溝の底部の係合突起に係合されている。よって、嵌合部材が溝から抜け出ることが抑制される。
また、嵌合部材が溝に沿って連続する場合、複数個所の係合突起に係止すればよく、嵌合部材を容易に装着することができる。
【0013】
また、本発明のパネル体は、パネル状の基材と、前記基材の外周端部に沿って設けられ、該基材の内方に向けて凹んだ溝と、前記溝に嵌め込まれた嵌合部材と、前記溝の底部から突出して設けられた係合突起と、を備え、前記嵌合部材には、前記係合突起に係合可能な係合爪が形成され、前記溝の底部に貫通孔が形成され、前記係合突起は、前記貫通孔に係合する貫通孔係合爪と、前記溝の底部から突出する突出部と、前記突出部において、前記溝の底部から離間した側に形成されて外周側に張り出し、前記係合爪が係合する被係合部と、を一体に備えるようにしてもよい。
これにより、嵌合部材が、基材の外周端部に沿って設けられた溝に嵌め込まれている。この嵌合部材の係合爪は、溝の底部の係合突起に係合されている。よって、嵌合部材が溝から抜け出ることが抑制される。
また、係合突起は、溝の底部に形成された貫通孔に貫通孔係合爪を係合させれば、溝の底部に容易に固定できる。そして、このようにして固定された係合突起の被係合部に、嵌合部材の係合爪を係合させることができる。
【0014】
また、本発明のパネル体は、前記基材の少なくとも一面側を覆い、外周端部が前記基材の外周縁部で前記溝の内側に巻き込まれた表皮材をさらに備え、前記嵌合部材は、前記溝内周面との間に前記表皮材を挟み込むようにしてもよい。
これにより、表皮材が、パネル体の外周部において、基材の外周縁部を回り込んで溝の内側に巻き込まれているため、パネル体の外周部は、基材が露出することなく、表皮材で覆われることになる。これにより、パネル体の外観が、柔軟な印象となる。
そして、表皮材は、嵌合部材によって溝内周面に固定されることとなる。このようにして、嵌合部材は、オプション部材を取り付けるための機能と、表皮材を固定する機能とを兼ね備えたものとなる。
そして、この嵌合部材は、係合爪と係合突起との係合によって溝に確実に固定されるため、表皮材も確実に溝内周面に固定できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、端部に形成された溝が塞がれた状態を確実に維持することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本実施形態におけるパネル体の構成を示す斜視展開図である。
図2】パネル体の板厚方向中間部における半断面図である。
図3】パネル体の端部を示す上面図である。
図4】パネル体の直線部の構造を示す断面図である。
図5】パネル体のコーナー部の構造を示す断面図である。
図6】パネル基材の表面に沿って設けられたクッション材を示す断面図であり、(a)は表皮材を非装着の状態におけるクッション材の断面図、(b)は表皮材を装着した状態におけるクッション材の断面図である。
図7】溝の底面に設けた係合突起を示す図であり、(a)は溝を底面に直交する方向から見た図、(b)は、係合突起を設けた溝の底面の断面図である。
図8】パネル体のオプション取付部材を利用してオプション部材をパネル体に取り付ける構成の例を示す図であり、ソファとパネル体との連結部分の構造を示す側面図である。
図9図8の要部の拡大図である。
図10】ソファとパネル体との連結部分の構造を示す断面図である。
図11】ソファとパネル体とを連結する什器上連結ブラケットの斜視図である。
図12図8の要部の拡大図である。
図13】ソファとパネル体とのを連結する什器下連結ブラケットの斜視図である。
図14】係合突起の変形例を示す図であり、(a)は溝を底面に直交する方向から見た図、(b)は、係合突起を設けた溝の底面の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して、本発明によるパネル体を実施するための形態を説明する。しかし、本発明はこの実施形態のみに限定されるものではない。
【0018】
(パネル体)
図1は、本実施形態におけるパネル体の構成を示す斜視展開図である。図2は、パネル体の板厚方向中間部における半断面図である。図3は、パネル体の端部を示す上面図である。図4は、パネル体の直線部の構造を示す断面図である。図5は、パネル体のコーナー部の構造を示す断面図である。
図1に示すように、パネル体11は、パネル基材(基材)12と、パネル基材12の両面に沿って設けられたクッション材13と、パネル基材12およびクッション材13を覆う表皮材14と、固定部材30と、を備えている。
パネル体11は、設置する什器の形状等に沿って、平面板状、あるいは平面視または側面視したときに、中間部で折曲または湾曲した略L字状、あるいは全体が湾曲した平面視略C字状等とすることができる。以下においては、パネル体11が平面板状であるものとして説明を行う。
【0019】
(パネル基材)
パネル基材12は、パネル状の芯材15と、芯材15の外周部に沿って設けられたフレーム20と、芯材15およびフレーム20の両面を覆うように設けられたベースシート18と、を備えている。
【0020】
芯材15は、例えば紙系材料、樹脂系材料、木質系材料等から形成されている。この芯材15は、なるべく軽量とするのが好ましい。そこで、本実施形態では、芯材15は、紙系材料から形成され、板厚方向に貫通する孔15hが多数並設された、例えば断面六角形状の複数の孔15hが千鳥状に組み合わされたハニカム構造とされている。
【0021】
(フレーム)
図1図2に示すように、この芯材15の外周部には、フレーム20が設けられている。フレーム20は、芯材15の四辺に沿って設けられた枠材21A,21B,21C,21Dを備えている。各枠材21A,21B,21D,21Dは、金属系材料、樹脂系材料等から形成されている。
枠材21A,21Bは、芯材15において互いに対向する2辺に沿って上下方向に延在し、パネル体11の幅方向両側に設けられている。枠材21C,21Dは、枠材21A,21Bに直交して横方向に延在し、パネル体11の上下方向両側に設けられている。これら枠材21A,21Bと枠材21C,21Dとは、L字状のブラケット22を介し、ボルト23、あるいは溶接、接着等によって接合されている。これら枠材21A,21B,21C,21Dによって、全体として矩形状をなしたフレーム20が形成されている。
【0022】
図3図5に示すように、各枠材21A,21B,21C,21Dは、フレーム20の内周側の芯材15の外周端面15aに対向する底部21eと、底部21eの幅方向両側からそれぞれフレーム20の外周側に向けて立ち上がる側壁部21fと、からなる、断面略U字状に形成されている。これにより、底部21eと、両側の側壁部21f,21fとに囲まれた部分は、溝25とされている。
このようにして、パネル基材12は、その外周端部に沿って連続し、パネル基材12の内方に向けて凹んだ溝25を有している。
【0023】
ここで、図2に示すように、L字状のブラケット22は、枠材21Aまたは21Bに沿って枠材21Aまたは21Bの端部に設けられる第一プレート部22aと、第一プレート部22aに直交し、枠材21Cまたは21Dに沿って枠材21Cまたは21Dの端部に設けられる第二プレート部22bと、第一プレート部22aおよび第二プレート部22bに沿ってL字状のブラケット22の屈曲方向内側に設けられたリブ部22cとが一体に形成されている。
【0024】
L字状のブラケット22の第一プレート部22a、第二プレート部22bには、雌ネジ部29が形成されている。またブラケット22の第一プレート部22aに沿う枠材21Aまたは21Bの底部21eと、第二プレート部22bに沿う枠材21Cまたは21Dの底部21eには、それぞれ、雌ネジ部29に対向した位置に、貫通孔28が形成されている。
【0025】
リブ部22cは、第一プレート部22aおよび第二プレート部22bから、第一プレート部22aおよび第二プレート部22bに直交して、パネル体11の内周側に向けて突出形成されている。このリブ部22cは、第一プレート部22aおよび第二プレート部22bの幅方向両側、つまり、パネル体11の一面側と他面側とにそれぞれ形成されている。このリブ部22cは、第一プレート部22aおよび第二プレート部22bの曲げ強度を高める補強部材として機能するだけでなく、芯材15の角部の押さえ部材としても機能することができる。すなわち、パネル基材12の一面側と他面側にそれぞれ設けられたリブ部22cの間に芯材15が挟み込まれる。パネル基材12においては、四隅にこのようなブラケット22が設けられることにより、芯材15をフレーム20の内側に保持できるようになっている。
【0026】
なおここで、図1では、平面板状のパネル体11の例を示したが、パネル体11を平面視または側面視した状態で略L字状、略C字状等とする場合には、フレーム20の上下の枠材21C,21Dまたは左右の枠材21A,21Bを,パネル体11の形状に合わせて折曲または湾曲させる。
【0027】
図4図5に示すように、フレーム20および芯材15を覆うように、芯材15の両面には、シート状のベースシート18が設けられている。ベースシート18は、例えばボール紙等から形成されている。このベースシート18は、芯材15よりも外形寸法が大きく、その外周部18aがフレーム20の表面20fに接着剤等により接着されている。
【0028】
(クッション材)
クッション材13は、パネル基材12の表面を形成するベースシート18に沿って設けられている。クッション材13は、ベースシート18を介して、芯材15の全体を覆うように設けられている。さらに、クッション材13は、その外周端部13sが、フレーム20を構成する各枠材21A,21B,21C,21Dの側壁部21fを覆うように設けられている。つまり、クッション材13は、芯材15およびフレーム20を覆うように設けられている。
このクッション材13は、柔軟性および弾性を有した材料、例えば発泡ウレタン材等から形成されている。
【0029】
図6は、パネル基材12の表面に沿って設けられたクッション材13を示す断面図であり、(a)は表皮材14を非装着の状態におけるクッション材13の断面図、(b)は表皮材14を装着した状態におけるクッション材13の断面図である。
図1に示すように、クッション材13には、複数の貫通孔16が形成されている。貫通孔16は、例えば、上下方向を長軸方向とした長円形状とされている。そして、クッション材13の外表面13fには、複数の貫通孔16が、上下方向および上下方向に直交する横方向に、間隔を空けて配列されている。
【0030】
図4図6に示すように、各貫通孔16は、クッション材13においてパネル基材12とは反対側を向く外表面13fからパネル基材12側に対向する対向面13gまで、クッション材13の厚さ方向に貫通して形成されている。図6(a)に示すように、各貫通孔16は、その内周面16fが外表面13fと直交して形成されている。これにより、貫通孔16の周縁に角部16vが形成されている。
このような貫通孔16が形成されたクッション材13をパネル基材12の表面に設けることで、パネル基材12の表面に角部16vを有する凹凸形状が形成される。
【0031】
(表皮材)
図4図6に示すように、表皮材14は、クッション材13の全体を覆うよう設けられている。表皮材14は、クッション材13の外表面13fと、貫通孔16において外表面13fに直交する内周面16fと、貫通孔16の底部に露出するベースシート18の露出面18fとに沿うよう、接着されている。このようにして、表皮材14が、クッション材13に形成された複数の貫通孔16に沿うことで、パネル体11の表面には、複数の長円形状の(凹凸部)凹部17が形成されている。そして、各凹部17において、表皮材14は、貫通孔16を通して、パネル基材12の表面を形成するベースシート18に接着されている。
ここで、表皮材14は、例えばポリエステル等、弾性変形可能な材質で形成され、伸長した状態でクッション材13及びパネル基材12を覆っている。クッション材13は、外表面13f側の貫通孔16の周縁において外方に向けて凸となる角部16vが、表皮材14によって内方に向けて押圧される。これにより、クッション材13は、角部16vにおいて圧縮方向に弾性変形し、貫通孔16の角部16vは、円弧状断面とされている。
これにより、表皮材14が角部16vに突き当たった部分で角部16vの反発力によって押圧される。したがって、凹部17の形状が維持されるとともに、表皮材14がクッション材13の外表面13fに沿った方向で図6(b)中に矢印Tで示す方向に伸長され、表皮材14が弛むのを抑えることができる。
【0032】
また、図4図5に示すように、クッション材13および表皮材14は、パネル基材12よりも大きな外形寸法を有している。そして、クッション材13および表皮材14は、その外周端部13e,14eが、パネル基材12の外周縁部、つまり各枠材21A,21B,21C,21Dの側壁部21fを回り込んで、溝25内側に巻き込まれている。このクッション材13および表皮材14の外周端部13e,14eが、各枠材21A,21B,21C,21Dの側壁部21fを回り込む部分で、クッション材13が表皮材14によって圧縮される。これにより、パネル体11は、外周端部11sに向かうにしたがって、その厚みが漸次小さくするように形成されている。また、パネル体11は、外周端部11sにおいてクッション材13および表皮材14が各枠材21A,21B,21C,21Dの側壁部21fを回り込む部分で、丸く円弧状に形成されている。
これらクッション材13及び表皮材14が、表皮構造を構成している。
【0033】
(固定部材)
固定部材30は、溝25に嵌め込まれている。固定部材30は、溝25内側に巻き込まれたクッション材13および表皮材14の外周端部13e,14eを、溝25の内周面と固定部材30の外周面との間に挟み込んでいる。これにより、クッション材13および表皮材14の外周端部13e,14eをフレーム20の側壁部21fに固定している。
【0034】
ここで、図1に示すように、固定部材30は、矩形状のパネル基材12の外周部の直線部分12Sに配置される直線部固定部材(嵌合部材)30Sと、矩形状のパネル基材12の外周部のコーナー部12Cに配置されるコーナー部固定部材30Cと、を備えている。
【0035】
図4に示すように、直線部固定部材30Sは、直線部固定部材30Sが連続する方向に直交する断面形状が、互いに平行に位置する側部プレート部31,31と、側部プレート部31,31どうしを一体に連結する連結プレート部32と、を備えている。
【0036】
側部プレート部31,31は、フレーム20の溝25を形成する側壁部21fとの間に、クッション材13および表皮材14の外周端部13e,14eを挟み込む。このため、側部プレート部31,31の間隔は、溝25の側壁部21f,21fの間隔よりも所定寸法小さく形成されている。これら側部プレート部31,31は、直線部固定部材30Sを溝25内に嵌め込んだときに、先端部31a,31aが溝25の底部21eに突き当たるよう形成されている。
【0037】
連結プレート部32は、側部プレート部31,31の先端部31a,31aよりも、溝25の底部21eから離間する方向にオフセットして形成されている。これにより、直線部固定部材30Sは、側部プレート部31,31と連結プレート部32とにより、断面略H字状をなしている。そして、直線部固定部材30Sは、溝25内に嵌め込んだ状態で、側部プレート部31,31の先端部31a,31a側と、連結プレート部32と、溝25の底部21eとに囲まれた部分に、空間S1が形成されるようになっている。この空間S1は、溝25内に巻き込まれたクッション材13および表皮材14の外周端部13e,14eの余剰部、すなわち外周端部13e,14eのうちフレーム20の底部21eに突き当たった部分よりも先端部分(不図示)を収容できる収容空間として機能する。
【0038】
また、側部プレート部31,31において、溝25の側壁部21f,21fに対向する側には、突起33,33が形成されている。この突起33,33は、側部プレート部31,31と側壁部21f,21fとの間に挟み込まれたクッション材13および表皮材14の外周端部13e,14eに食い込むようになっている。これにより、直線部固定部材30Sは、クッション材13および表皮材14が溝25から抜け出ることを防止している。
【0039】
さらに、側部プレート部31,31において、連結プレート部32よりも溝25の底部21eから離間する側には、側部プレート部31,31から内方に向けて突出する突条(凸部)34,34が形成されている。そして、これら突条34,34と、側部プレート部31,31と、連結プレート部32とに囲まれて、オプション取付部材として保持溝35が形成されている。
【0040】
ここで、上記直線部固定部材30Sを溝25に強固に固定するため、溝25の底部21eには、底部21eからパネル体11の外周側に向けて突出する係合突起70が設けられている。そして、保持溝35を形成する直線部固定部材30Sには、係合突起70に係合可能な係合爪80が設けられている。
【0041】
図7は、溝25の底面21eに設けた係合突起70を示す図であり、(a)は溝25を底面21eに直交する方向から見た図、(b)は、係合突起70を設けた溝25の底面21eの断面図である。
図7に示すように、係合突起70を固定するため、溝25の底部21eに互いに平行に形成された一対の長方形状の貫通孔75が形成されている。
係合突起70は、断面形状が矩形で、その先端側に、貫通孔75に係合する一対の貫通孔係合爪71を有している。一対の貫通孔係合爪71は、外周側に突出しており、係合突起70の先端部を貫通孔75に挿入したときに内周側に向けて弾性変形し、貫通孔75を通過した後に弾性変形が復元することによって、貫通孔75に係合される。
係合突起70は、先端部を貫通孔75に挿入・係合させた状態で、溝25の底部21eから突出する突出部72と、突出部72において、溝25の底部21eから離間した側に形成されて溝25の両外側に向けて張り出し、係合爪80が係合する被係合部73と、を一体に備えている。
このような係合突起70は、溝25が連続する方向に間隔をあけて複数個が設けられている
【0042】
図4に示すように、係合爪80は、直線部固定部材30Sを構成するそれぞれの側部プレート部31の先端部31aに形成されている。係合爪80は、互いに対向する側部プレート部31,31の内側に向けて突出して形成されている。
係合爪80を備えた直線部固定部材30Sは、溝25に装着する際に、先端部31a,31aの係合爪80,80を、溝25の底部21eに設けられた係合突起70の被係合部73に係合させる。
これにより、直線部固定部材30Sを溝25に対して確実に固定できる。
【0043】
さらに、保持溝35を形成する直線部固定部材30Sは、連結プレート部32よりも溝25の底部21eから離間した側に挿入され、側部プレート部31同士が互いに接近する方向に変形するのを拘束する変形拘束部材85をさらに備える。
断面略H字状をなした直線部固定部材30Sは、連結プレート部32よりも溝25の底部21eから離間した側で側部プレート部31どうしが互いに接近する方向に変形すると、側部プレート部31の先端部31a同士が互いに離間する方向に変位する。すると、係合爪80と係合突起70との係合が解除されてしまう可能性がある。そこで、変形拘束部材85により側部プレート部31どうしが互いに接近する方向に変形するのを拘束する。これにより、係合爪80と係合突起70との係合を確実に維持する。
ここで、変形拘束部材85は、突条34と、側部プレート部31と、連結プレート部32とに囲まれた空間S1に保持されている。
変形拘束部材85は、オプション部材を固定するための部材として機能させることができる。この場合、変形拘束部材85は、オプション部材を固定するためのボルトをねじ込む雌ねじ(固定部)85hが固定部として形成されている。
【0044】
図2に示すように、パネル体11の上部のコーナー部に配置されるコーナー部固定部材30Cは、上下方向に延びる第一直線状部38Aと、第一直線状部38Aの上端から屈曲して横方向に延びる第二直線状部38Bとから、略L字状に形成されている。
第一直線状部38Aは、上下方向に延びる枠材21Aまたは枠材21Bの上端部において溝25内に嵌め込まれる。第二直線状部38Bは、第一直線状部38Aの一端から連続して形成され、横方向に延びる枠材21Cまたは枠材21Dの両端部において溝25内に嵌め込まれる。このようにして、溝25は、パネル基材12の上面と両側面とに連続して形成されて、上面の溝25と両側面の溝25とが連続する部分にコーナー部固定部材30Cが設けられている。
【0045】
図5に示すように、第一直線状部38A、第二直線状部38Bは、それぞれが連続する方向に直交する断面形状が、互いに平行に位置する側部プレート部36,36と、側部プレート部36,36どうしを一体に連結する連結プレート部37と、を備えている。
【0046】
側部プレート部36,36は、フレーム20の溝25を形成する側壁部21f,21fとの間に、クッション材13および表皮材14の外周端部13e,14eを挟み込む。このため、側部プレート部36,36の間隔は、溝25の側壁部21f,21fの間隔よりも所定寸法小さく形成されている。これら側部プレート部36,36は、コーナー部固定部材30Cを溝25内に嵌め込んだときに、先端部36a,36aが溝25の底部21eに突き当たるよう形成されている。
ここで、側部プレート部36,36において、溝25の側壁部21f,21fに対向する側に、突起36t,36tが形成されている。この突起36t,36tは、側部プレート部31,31と側壁部21f,21fとの間にクッション材13および表皮材14の外周端部13e,14eを挟み込むようになっている。
【0047】
連結プレート部37は、側部プレート部36,36の先端部36a,36aよりも、溝25の底部21eから離間する方向にオフセットして形成されている。これにより、コーナー部固定部材30Cは、側部プレート部36,36と連結プレート部37により、断面略H字状をなしている。そして、直線部固定部材30Sは、溝25内に嵌め込んだ状態で、側部プレート部36,36の先端部36a,36a側と、連結プレート部37と、溝25の底部21eとに囲まれた部分に、空間S2が形成されるようになっている。この空間S2は、溝25内に巻き込まれたクッション材13および表皮材14の外周端部13e,14eの余剰部、すなわち外周端部13e,14eのうちフレーム20の底部21eに突き当たった部分よりも先端部分(不図示)を収容できる収容空間として機能する。なおここで、連結プレート部37は、直線部固定部材30Sにおける連結プレート部32よりも底部21eに近く、空間S2は、空間S1よりも小さく形成されている。
【0048】
図2に示すように、このようなコーナー部固定部材30Cは、溝25に対し、コーナーキャップ40によって固定されている。コーナーキャップ40は、第一直線状部41Aと、第一直線状部41Aの一端に連続し、第一直線状部41Aに直交して延びる第二直線状部41Bとからなる略L字状をなしている。図5に示すように、これら第一直線状部41A,第二直線状部41Bは、コーナー部固定部材30Cの第一直線状部38A,第二直線状部38Bに対し、側部プレート部36,36との間に挿入され、連結プレート部37に突き当てられている。
そして、図2に示すように、第一直線状部41Aの下端部には、突起片43が下方に向けて突出形成されている。この突起片43が、直線部固定部材30Sの上端部において、連結プレート部32と突条34との間の保持溝35(図4参照)に挿入されている。
【0049】
また、図2に示すように、第二直線状部41Bには、ボルト45を挿入するボルト挿通孔44が形成されている。このボルト挿通孔44に挿通させたボルト45により、コーナーキャップ40と、コーナー部固定部材30C、枠材21C、ブラケット22の第二プレート部22bが一体に締結されている。
【0050】
(支持脚体)
図2に示すように、上記したようなパネル体11の下部両端部のコーナー部には、それぞれ、支持脚体50が取付可能とされている。この支持脚体50は、床面に接地することで、パネル体11を床面上に立設させる。
支持脚体50は、パネル基材12の下部端部12Pで溝25内に収容される下部支持部51と、下部支持部51の一端から上方に延び、パネル基材12の側部下端部12Qで溝25内に収容される側部支持部52と、下部支持部51よりも下方に延びる支持脚部53と、を一体に備えている。
【0051】
下部支持部51はフレーム20の下端部の溝25の底面を形成する底部21eに突き当てて固定されている。また、側部支持部52は、フレーム20の側端部の溝25の底部21eに突き当てて固定されている。
下部支持部51および側部支持部52には、ボルト48が挿通されるボルト挿通孔54が形成されている。このボルト挿通孔54に挿通されるボルト48は、雌ネジ部29および貫通孔28にねじ込まれるようになっている。これにより、支持脚体50が、パネル体11に固定される。
【0052】
支持脚部53は、下部支持部51よりも下方に延び、その下端部に、高さ調整ネジ49がねじ込み可能とされている。
【0053】
(パネル体11へのオプション部材取付構造)
上記したようなパネル体11において、直線部固定部材30Sに形成された保持溝35は、パネル体11に様々なオプション部材を付加するためのオプション取付部材として機能する。
以下、保持溝35を用いたオプション部材の取付例を例示する。
【0054】
図8は、保持溝35を用いたソファ100とパネル体11との連結部分の構造を示す側面図である。図9は、図8の要部の拡大図である。図10は、ソファ100とパネル体11との連結部分の構造を示す断面図である。図11は、ソファ100とパネル体11とを連結する什器上連結ブラケット(ブラケット)171の斜視図である。
【0055】
図8から図11に示すように、パネル体11の上部には、オプション部材として、このパネル体11とソファ100の上部とを連結する什器上連結ブラケット171が装着可能とされている。
【0056】
什器上連結ブラケット171は、パネル体11の幅方向端部に取り付けられる係止部172と、係止部172の端部から屈曲しパネル基材12の溝25に設けられた直線部固定部材30Sの側部プレート部31に沿って延びる側壁部173とを有している。什器上連結ブラケット171は、側壁部173の端部から屈曲しパネル体11の外周端部13sに沿って延びる外壁部174と、外壁部174の端部から屈曲しパネル体11の表皮材14に沿って配置される挟持壁部175とを有している。什器上連結ブラケット171は、ソファ100の背凭れ部103の上端に沿って配置される上壁部176と、上壁部176の端部から背凭れ部103の前面に沿って配置される前壁部177とを有している。
【0057】
什器上連結ブラケット171の係止部172には、貫通孔172Aが形成されている。この貫通孔172Aから挿通されたボルト179が、パネル体11の枠材21A(又は枠材21B)に固定された直線部固定部材30Sの保持溝35内に設けられ、雌ねじ85hが形成された変位拘束部材85に螺合されている。このように什器上連結ブラケット171がパネル体11に取り付けられた状態で、ソファ100の背凭れ部103の上部は、什器上連結ブラケット171の挟持壁部175と前壁部177とで挟持される。
【0058】
このとき、パネル体11における什器上連結ブラケット171の外壁部174が配置される側のクッション材13Pは、外壁部174に押圧されている。これにより、什器上連結ブラケット171が配置される側のクッション材13Pの幅寸法は、什器上連結ブラケット171が配置されない側のクッション材13Qの幅寸法よりも短くなる。また、クッション材13Qの端部と、クッション材13Pに沿って配置された什器上連結ブラケット171の外壁部174の端面とは、面一とされている。
【0059】
図12は、図8の要部の拡大図である。図13は、ソファ100とパネル体11とのを連結する什器下連結ブラケット(ブラケット)181の斜視図である。
【0060】
図8図12図13に示すように、ソファ100の上部とパネル体11の下部とは、オプション部材としての什器下連結ブラケット(連結部材)181を介して連結されている。
【0061】
什器下連結ブラケット181は、図示しないボルトによりソファ100の脚101上に設けられた座部102の下面に取り付けられる支持壁部182と、支持壁部182の端部から下方に向かって屈曲形成された屈曲壁部183とを有している。什器下連結ブラケット181は、屈曲壁部183の端部から屈曲しパネル体11の表皮材14に沿って配置される上下壁部184と、上下壁部184の下端から屈曲しパネル体11側に向かって伸びる下壁部185と、下壁部185の端部から上方に向かって延びパネル体11の下端に取り付けられる係止部186とを有している。この係止部186と下壁部185とは、ボルト189にて螺合されることで一体とされている。
【0062】
什器下連結ブラケット181の係止部186は、パネル体11の枠材21A(又は枠材21B)に固定された直線部固定部材30Sの側部プレート部31に形成された突条34,34の間に挿入されて係止されている。
【0063】
このように、パネル体11は、什器上連結ブラケット171および什器下連結ブラケット181を介して、ソファ100の背面に沿った状態が維持されている。
【0064】
上述したパネル体11においては、オプション部材が装着可能な保持溝35が、パネル基材12の外周端部に形成された溝25に設けられているので、この溝25および溝25に収められた保持溝35を利用して、様々なオプション部材を取り付けることができる。
ここで、オプション部材を取り付けるための溝25が、パネル基材12の表面ではなく外周端部に形成されているため、オプション部材がパネル体11の表面に露出するのを最小限に抑え、美観を損なうのを防ぐ。
【0065】
さらに、保持溝35を形成する直線部固定部材30Sに形成された係合爪80を、溝25の底部21eに設けられた係合突起70に係合させることで、直線部固定部材30Sを、溝25に対して強固に取り付けることができる。これにより、保持溝35に、什器上連結ブラケット171や什器下連結ブラケット181等のオプション部材を取り付けたときに、オプション部材を通して外力が加わった場合等にも、直線部固定部材30Sが不用意に溝25から脱落するのを防ぎ、溝25が塞がれた状態を確実に維持するとともに、オプション部材を強固に保持することができる。
【0066】
また、側部プレート部31と連結プレート部32とにより、断面略H字状をなした直線部固定部材30Sは、変形拘束部材85により側部プレート部31どうしが互いに接近する方向に変形するのが拘束されている。これにより、係合爪80と係合突起70との係合を確実に維持することができ、オプション部材をより確実に保持することができる。
さらに、変形拘束部材85に形成された雌ねじ85hにより、変形拘束部材85にオプション部材を確実に固定することができる。
【0067】
また、係合突起70は、溝25が連続する方向に間隔をあけて複数個が設けられている。これにより、直線部固定部材30Sが、溝25に沿って連続する場合、複数個所の係合突起70に係止すればよく、直線部固定部材30Sを容易に装着することができる。
【0068】
また、それぞれの係合突起70は、溝25の底部21eに形成された貫通孔75に、貫通孔係合爪71を係合させれば、溝25の底部21eに容易に固定できる。そして、このようにして固定された係合突起70の被係合部73に、直線部固定部材30Sの係合爪80を係合させることができる。
【0069】
オプション部材としては、ソファ100等の什器に連結される什器上連結ブラケット171、什器下連結ブラケット181を設けるようにした。これにより、ソファ100と、パネル体11とを連結することができる。
【0070】
さらに、上述したパネル体11によれば、クッション材13および表皮材14が、パネル体11の外周部において、パネル基材12の外周縁部を回り込んで溝25の内側に巻き込まれている。このため、パネル体11の外周部は、パネル基材12が露出することなく、表皮材14で覆われることになる。これにより、パネル体11の外観を、柔軟な、有機的な印象とすることができる。
そして、クッション材13および表皮材14は、溝25内で固定部材30により固定されるため、固定部材30がパネル体11の外周部に露出するのを抑えることができる。ここで、直線部固定部材30Sは、上記したように、係合突起70に係合されているので、不用意に溝25から脱落するのを防ぐことができる。したがって、クッション材13および表皮材14を確実に固定することができる。
【0071】
(その他の実施形態)
なお、本発明は、図面を参照して説明した上述の各実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
図14は、係合突起70の変形例を示す図であり、(a)は溝25を底面21eに直交する方向から見た図、(b)は、係合突起70を設けた溝25の底面21eの断面図である。
この図14に示すように、係合突起70Bは、矩形状ではなく、断面円形状のものとすることもできる。この場合、溝25の底部21eに形成する貫通孔75Bも円形のものとする。
この係合突起70Bは、貫通孔75Bに係合する貫通孔係合爪71Bと、溝25の底部21eから突出する突出部72Bと、突出部72Bにおいて、溝25の底部21eから離間した側に形成されて外周側に張り出し、係合爪80が係合する被係合部73Bと、を一体に備える。
【0072】
また、変形拘束部材85は、突条34と、側部プレート部31と、連結プレート部32とに囲まれた空間S1に配置するものとしたが、これに限らない。側部プレート部31どうしが互いに接近する方向に変形するのを拘束するよう、連結プレート部32よりも溝25の底部21eから離間した側で、側部プレート部31どうしの間に変形拘束部材が挿入されていれば良い。
さらに、変形拘束部材85は、オプション部材を固定するための部材としても機能するようにしたが、これに限らない。例えば、変形拘束部材は、オプション部材を固定するための部材としての機能は有さず、連結プレート部32よりも溝25の底部21eから離間した側で、側部プレート部31,31の間に嵌め込むのみでもよい。
【0073】
また、例えば、上記実施形態においては、パネル基材12の外周部の全周にわたって溝25を形成するものとしたが、これに限るものではなく、周方向の少なくとも一部に溝25が形成されていれば良い
【0074】
また、上記実施形態では、オプション部材を装着するオプション取付部材として、直線部固定部材30Sに保持溝35を形成したがこれに限るものではなく、溝25の内部にオプション部材を装着できるのであれば、いかなる部位(部品)にいかなるオプション取付部材を形成してもよい。
【0075】
また、溝25内で表皮材14を固定する固定手段として、固定部材30を例に挙げたが、表皮材14を固定できるのであれば、他のいかなる構成としてもよい。例えば、固定部材30の断面形状、構造等については、何ら限定するものではない。さらには、表皮材14を、タッカーや接着等によって溝25内に固定するようにしてもよい。
【0076】
上記実施形態では、軟性材として、弾性を有したクッション材13を例に挙げたが、軟性材は、弾性を有さず、少なくとも軟性を有していれば良い。
【0077】
さらに、上記実施形態では、パネル基材12を、芯材15、フレーム20、およびベースシート18から形成したが、これに限るものではない。例えば、単体で所要の強度を確保できるのであれば、例えば、樹脂材料等からなるパネルをそのままパネル基材12とし、その外周部に溝25を形成するようにしてもよい。また、基材は、例えば、各種什器の外表面を構成する部材等とすることもできる。これにより、什器の表面に、凹凸部を形成し、意匠性を高めることが可能となる。
【0078】
加えて、上記実施形態では、クッション材13および表皮材14の外周端部13e,14eが、パネル基材12を構成する各枠材21A,21B,21C,21Dの側壁部21fを回り込んで、溝25内に巻き込まれている。しかし、クッション材13を、パネル基材12の外周寸法よりも小さくして、表皮材14のみを溝25内に巻き込むようにしてもよい。
【0079】
さらに、上記実施形態で示したような表皮構造は、パネル基材12の両面に形成するとは限らず、パネル基材12の一面側にのみ形成するようにしてもよい。
【0080】
なお、上記実施形態では、クッション材13および表皮材14を備えるようにしたが、クッション材13および表皮材14は必須の構成ではない。
【0081】
また、上記実施形態では、パネル体11をソファ100の背面側に沿って設けるようにしたが、これに限るものではない。パネル体11は、ソファ100以外にも、デスク、テーブル、カウンター、棚、チェア等の各種什器に組み合わせて設けてもよい。
さらに、パネル体11に装着するオプション部材は、上記実施形態に例示したものに限らない。例えば、照明装置や、物品を載せるトレー、モニタ装置をはじめ、その他の様々な物品を、オプション部材として溝25に直接、またはブラケットを用いて間接的に装着することが可能である。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
【符号の説明】
【0082】
11 パネル体
11s 外周端部
12 パネル基材(基材)
13 クッション材
13e,14e 外周端部
14 表皮材
15 芯材
16 貫通孔
17 凹部
18 ベースシート
20 フレーム
21A,21B,21C,21D 枠材
21e 底部
21f 側壁部
25 溝
30 固定部材
30C コーナー部固定部材
30S 直線部固定部材(嵌合部材)
31 側部プレート部
31a 先端部
32 連結プレート部
34 突条(凸部)
35 保持溝
70,70B 係合突起
71,71B 貫通孔係合爪
72,72B 突出部
73,73B 被係合部
75,75B 貫通孔
80 係合爪
85 変形拘束部材
85h 雌ネジ(固定部)
100 ソファ
171 什器上連結ブラケット
181 什器下連結ブラケット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14