特許第6338216号(P6338216)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6338216火災通報電子メール配信装置及びそれを使用した火災報知システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6338216
(24)【登録日】2018年5月18日
(45)【発行日】2018年6月6日
(54)【発明の名称】火災通報電子メール配信装置及びそれを使用した火災報知システム
(51)【国際特許分類】
   G08B 25/08 20060101AFI20180528BHJP
   G08B 25/01 20060101ALI20180528BHJP
   H04M 11/04 20060101ALI20180528BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20180528BHJP
   G08B 17/00 20060101ALI20180528BHJP
【FI】
   G08B25/08 C
   G08B25/01 A
   H04M11/04
   H04Q9/00 311K
   H04Q9/00 331Z
   G08B17/00 B
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-106766(P2014-106766)
(22)【出願日】2014年5月23日
(65)【公開番号】特開2015-222512(P2015-222512A)
(43)【公開日】2015年12月10日
【審査請求日】2016年12月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】599071049
【氏名又は名称】有限会社 加藤電工
(74)【代理人】
【識別番号】100114627
【弁理士】
【氏名又は名称】有吉 修一朗
(74)【代理人】
【識別番号】100085327
【弁理士】
【氏名又は名称】梶原 克彦
(74)【代理人】
【識別番号】100182501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 靖之
(74)【代理人】
【識別番号】100190975
【弁理士】
【氏名又は名称】遠藤 聡子
(74)【代理人】
【識別番号】100194984
【弁理士】
【氏名又は名称】梶原 圭太
(72)【発明者】
【氏名】加藤 初徳
【審査官】 石田 紀之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−108191(JP,A)
【文献】 特開平10−214387(JP,A)
【文献】 特開2002−281182(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0151638(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B 25/08
G08B 17/00
G08B 25/01
H04M 11/04
H04Q 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視の対象となる対象施設とは別の場所に設置され、火災発生時には前記対象施設に設置されている火災通報装置から電話回線を介して送られた通報信号を受信し、関係各所に火災通報電子メールを配信する配信装置であって、前記火災通報装置は、手動火災通報装置及び自動火災通報装置を含み、
前記対象施設を識別するためのデータと対象施設ごとの電子メールの配信先のデータを記憶する記憶手段と、
前記対象施設に設置されている火災通報装置から送られた通報信号を受ける受信手段と、
前記通報信号が、前記記憶手段で記憶されている前記対象施設のうちどの対象施設から送られた通報信号かを判別する通報元判別手段と、
前記受信手段で受信した通報信号が、前記対象施設に設置されている火災通報装置からの通報信号か否かを解析する通報信号解析手段と、
前記通報信号が、前記手動火災通報装置または自動火災通報装置の何れかから通報されたものであるかを判別する通報信号判別手段と、
前記通報元判別手段で特定された対象施設に対応する配信先に火災通報電子メールを配信する配信手段とを備え、
前記通報信号解析手段が、受信した前記通報信号について前記通報信号判別手段での判定が困難であるときに、同通報信号の音声情報の収集及び解析を行う機能、該解析により前記音声情報に含まれる施設の名称、住所及び電話番号情報をテキストデータに変換し、該テキストデータを前記記憶手段にあらかじめ記憶されている前記施設の名称、住所及び電話番号情報と照合する機能、及び、前記テキストデータ照合が一致又は不一致の各々の場合で、異なる文面の火災通報電子メールを、前記配信手段を介して、特定された対象施設に対応する配信先に配信する機能を有する
火災通報電子メール配信装置。
【請求項2】
前記対象施設に設置されている前記火災通報装置と、請求項1に記載の火災通報電子メール配信装置と、携帯電話ネットワークとを備えており、
前記火災通報装置と火災通報電子メール配信装置は電話回線を介し結ばれており、前記火災通報電子メールを配信する前記火災通報電子メール配信装置と前記携帯電話ネットワークは、インターネット網を介し結ばれている、
火災報知システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、火災通報電子メール配信装置及びそれを使用した火災報知システムに関する。更に詳しくは、監視の対象となる対象施設に既に設置されている、手動で作動させる火災通報装置(以下の説明及び特許請求の範囲では「手動火災通報装置」という。)及び自動火災通報装置を利用し、火災発生時にこれらの火災通報装置の何れかから送られた通報信号を受けることにより、あらかじめ登録されている連絡先に電子メールを送信して、関係各所または個人に連絡するものに関する。
【背景技術】
【0002】
地震や台風、火事等の災害発生時において、特に人的な被害を最小限に食い止めるためには、関係各所に速やかに連絡をすることが重要になる。
近年においては、グループホーム等の火災で多数の犠牲者が出るなど、老人介護施設や老人ホームの火災に対する関心は高い。特に夜間の介護担当者は、人数も少なく、万一火災が発生すれば、限られた人員で初期消火や救助活動、避難誘導、119番通報や関係者への連絡を行わなければならないが、実際上、これを短時間で確実に行うことはきわめて困難である。
【0003】
このため、例えば、病院、介護施設や宿泊施設等には、消防法の規定により火災通報装置が設置されている。この装置は、手動式であり、ボタンを押すだけで119番や関係各所にダイヤルして、火災発生施設の名称や住所などの音声メッセージを送出するもので、火災発生の連絡を音声にて正確に行うことができる。
【0004】
近年においては、携帯電話やパーソナルコンピュータ等の通信機器やインターネットをはじめとする通信ネットワークが発達し、災害の発生及びそれに関する各種情報を電子メールで関係各所に一斉に通知する装置も開発されている(特許文献1)。
【0005】
また、本発明者は、火災通報電子メールを配信する配信装置を監視の対象となる対象施設が火災を起こした際に直接被害を受けることがない場所に設置して、対象施設に設置されている火災通報装置から送られた通報信号を受けることにより、関係各所へのメールの配信を確実に行うことができる火災通報電子メール配信装置及びそれを使用した火災報知システムを提案している(特許文献2)。
【0006】
特許文献1,2のような装置等の使用によって災害の発生及びそれに関する各種情報を電子メールで関係各所に一斉に通知することができる。これによって、監視の対象となる対象施設が火災を起こした際に、対象施設に設置されている火災通報装置から送られた通報信号を受け、関係各所への火災報知電子メールの配信を行われ、電子メールを受信した関係者全員が、対象施設に駆けつけることになっている。
【0007】
しかし、災害発生時の初期に人的な被害を最小限に食い止める作業に専念するあまり、火災通報装置による通報が遅延したり、失念する場合も考えられる。そこで、手動火災通報装置の設置に加え、自動火災通報装置による通報を併用すれば、前記遅延や失念は防止できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2004−266677号公報
【特許文献2】特開2011−108191号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、手動火災通報装置による通報と異なり、自動火災通報装置による通報には、装置の誤作動による通報が含まれる可能性があり、対象施設が大型化したり、その数が多くなれば、誤作動による通報が多くの関係先に通報され、電子メールを受信した関係者全員が、対象施設に駆けつけるなど、社会的にも好ましくない影響を及ぼすことが考えられる。
【0010】
したがって、通報信号が、手動火災通報装置から送られたものか、自動火災通報装置から送られたものかを判別し、手動火災通報装置による通報の場合は、電子メールを受信した関係者全員が、また、自動火災通報装置による通報の場合は、特定の関係者のみが対象施設に駆けつけるようにすれば、社会に及ぼす影響も小さくすることが可能となる。
【0011】
(本発明の目的)
本発明の目的は、監視の対象となる対象施設が火災を起こした際に、対象施設に設置されている火災通報装置から送られた通報信号が、手動火災通報装置または自動火災通報装置のいずれかから送られたものかを判別できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために本発明が講じた手段は次のとおりである。
(1)本発明は、
監視の対象となる対象施設とは別の場所に設置され、火災発生時には前記対象施設に設置されている火災通報装置から電話回線を介して送られた通報信号を受信し、関係各所に火災通報電子メールを配信する配信装置であって、
前記対象施設を識別するためのデータと各対象施設ごとの電子メールの配信先のデータを記憶する記憶手段と、
前記対象施設に設置されている火災通報装置から送られた通報信号を受ける受信手段と、
前記火災通報装置は、手動火災通報装置及び自動火災通報装置を含み、
前記通報信号が、前記記憶手段で記憶されている前記対象施設のうちどの対象施設から送られた通報信号かを判別する通報元判別手段と、
前記受信手段で受信した通報信号が、前記対象施設に設置されている火災通報装置からの通報信号か否かを解析する通報信号解析手段と、
前記通報信号が、前記手動火災通報装置または自動火災通報装置の何れかから通報されたものであるかを判別する通報信号判別手段と、
前記通報元判別手段で特定された対象施設に対応する配信先に火災通報電子メールを配信する配信手段とを備える、火災通報電子メール配信装置である。
【0013】
(2)本発明は、
前記火災通報装置から送られた通報信号の音声情報に含まれる対象施設の名称、住所及び電話番号情報をテキストデータに変換し、該データを、前記記憶手段にあらかじめ記憶されている対象施設の名称、住所及び電話番号情報と照合する手段を有し、各情報が適合した場合に対象施設を特定する、前記(1)の火災通報電子メール配信装置である。
【0014】
(3)本発明は、
対象施設に設置されている火災通報装置と、
前記(1)または(2)記載の火災通報電子メールを配信する配信装置と、
携帯電話ネットワークと、
を備えており、
火災通報装置と火災通報電子メールを配信する配信装置は、電話回線を介し結ばれており、火災通報電子メールを配信する配信装置と携帯電話ネットワークは、インターネット網を介し結ばれている、火災報知システムである。
【0015】
本明細書及び特許請求の範囲にいう「火災通報装置」の用語は、消防法に規定されている各要件に適合した火災通報装置を含む意味で使用している。
【0016】
火災通報装置は、手動火災通報装置及び自動火災通報装置を含む。
火災通報電子メール配信装置は、対象施設に設置されている火災通報装置から送られた通報信号を受けると、どの対象施設から送られた通報信号かを判別し、加えて火災通報装置からの通報信号かどうかを判別する。対象施設の特定と火災通報装置からの通報信号であることの確認ができた場合に、特定された対象施設に対応する配信先に火災通報電子メールを配信する。
【0017】
火災通報装置から送られる通報信号は、消防法で規定されており、電話回線を利用して送られる下記の通報信号音と音声情報(蓄積音声情報)である。該音声情報は、火災である旨、対象施設の名称、住所(所在地)及び電話番号等の各情報を含む。
【0018】
手動火災通報装置の通報信号音は、概ね800ヘルツの単音を三音連続したものを二回反復した音情報であり、例えば「ピッ、ピッ、ピッ・ピッ、ピッ、ピッ」と表記される音である。
【0019】
自動火災通報装置の通報信号音は、下記に示すような周波数の異なる二つの周期的複合波をつなぎ合わせたものを二回反復した音情報であり、例えば「ピン、ポーン・ピン、ポーン」と表記される音である。
この場合における基本周波数は、概ね次のとおりである。
第1音 f1=1,056Hz
第2音 f2= 880Hz
ただし、f1とf2の音程の比(f1/f2)は、6/5とする。
【0020】
通報信号解析手段は、受信手段で受信した通報信号が、対象施設に設置されている火災通報装置から送られた通報信号か否かを解析する。
通報信号判別手段は、手動火災通報装置または自動火災通報装置の何れかから送られてきた通報信号音であるかどうかを判別する手動信号音判定部と自動信号音判定部とを含む。判別にあたっては、通報信号の解析と音声情報の解析を並行して処理してもよいし、通報信号の解析の後に音声情報の解析をしてもよい。また、音声情報の解析の後に通報信号の解析をしてもよい。
【0021】
前記通報信号音を受信時に解析することにより、火災状態を確認する。そして、火災通報装置による通報が、手動火災通報装置を手動起動したものによるのか、あるいは自動火災報知装置による自動起動によるものなのかを判定し、火災通報電子メールの内容を選択し配信する。
【0022】
火災通報電子メールの内容としては、例えば次のような文例が挙げられる。
(1)○○病院の自動火災報知設備が作動しました。
(2)○○病院の自動火災報知設備が作動した模様です。
(3)○○病院で火災が発生しました。
(4)○○病院で火災が発生した模様です。
前記(2)(4)は、対象施設の特定はできたが、通報信号であることの確認ができなかった場合に送る文例である。
【0023】
火災通報電子メール又は疑火災通報電子メールは、インターネットを利用する電子メールでもよいし、携帯電話(携帯端末)の通信回線を利用する電子メールでもよい。各電子メールは、前者の場合はパーソナルコンピュータや携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)等で受信され(専用のサービスを利用すれば、携帯電話で受信することも可能)、後者の場合は携帯電話で受信される。
【0024】
本発明は、監視の対象となる対象施設が火災を起こした際に、火災通報電子メールを配信する配信装置が直接被害を受けることがないように、該対象施設とは離れた場所に設置されているので、火災の被害を受けることはなく、対象施設に設置されている火災通報装置から送られた通報信号を受けることにより、関係各所への火災報知電子メールの配信を行うことができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、監視の対象となる対象施設が火災を起こした際に、対象施設に設置されている火災通報装置から送られた通報信号を受け、関係各所へ火災通報電子メールの配信を行うにあたり、通報信号が、手動火災通報装置より送られたものか、自動火災通報装置より送られたものかを判別できる。
これによって、例えば、手動火災通報装置により送られた通報信号の場合は、全員を招集し、自動火災通報装置により送られた信号の場合は、選択された職員が対象施設に駆けつけるという区分が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明に係る火災通報メール配信装置及びそれを使用した火災報知システムの構成を示す説明図。
図2】火災通報メール配信装置の火災通報電子メール配信のフロー図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明を図面に示した実施の形態に基づき詳細に説明する。
【0028】
図1を参照し、火災通報メール配信装置及びそれを使用した火災報知システムの構成を説明する。
【0029】
火災報知システムAは、火災電子通報メール配信装置1、対象施設(防火対象物)である施設20、20a、20b内に設置されている火災通報装置2、2a、2b、携帯電話ネットワーク(携帯電話網、無線ネットワーク)であるメールサーバ3、携帯電話基地局4及び携帯電話メール部5で構成されている。
火災通報装置2、2a、2bは、手動火災通報装置及び自動火災通報装置を有する。
【0030】
火災通報電子メール配信装置1は、受信手段である電話応答装置10と、通報元判別手段である回線番号判定部11、通報信号解析手段である通報信号解析部12a、通報信号判別手段である通報信号判別部12b、記憶手段であるデータ部13及び配信手段である電子メール送信部14を備えている。
【0031】
電話応答装置10は、監視の対象となる施設20、20a、20bに設置されている規定の火災通報装置2、2a、2bから送られた通報信号を受ける。
回線番号判定部11は、データ部13に記憶されている施設20、20a、20bを識別するためのデータ(施設名、住所、電話番号)をもとに、電話応答装置10で受信した通報信号が、記憶されている施設20、20a、20bのうちどの施設から送られた通報信号かを判別する。
【0032】
通報信号解析部12aは、電話応答装置10で受信した通報信号から、音声情報である音声合成音情報を解析し、規定の火災通報装置2、2a、2bからの通報信号か否かを判別する。
通報信号判別部12bは、電話応答装置10で受信した通報信号から、手動火災通報装置または自動火災通報装置の何れかから送られてきた通報信号音であるかどうかを判別する手動信号音判定部と自動信号音判定部とを含む(何れも図示省略)。
【0033】
電子メール送信部14は、データ部13に記憶されている施設20、20a、20bごとに記憶された配信先に、火災通報電子メールを送信する。
なお、火災通報電子メール配信装置1は、常用電源15と停電時電源16を備えており、電源の供給安定化を図っている。
【0034】
火災通報電子メール配信装置1の電子メール送信部14は、インターネット網7を介してメールサーバ3とつながっており、メールサーバ3には同様に携帯電話基地局4がつながっている。そして、携帯電話基地局4には、携帯電話会社無線網8を介して各配信先である携帯電話メール部5につながるようになっている。
【0035】
火災通報電子メール配信装置1は、施設20、20a、20bとは離れた別の場所に設置されており、電話応答装置10が火災通報装置2、2a、2bと公衆電話回線6によってつながっている。なお、本実施例では、対象施設である施設20、20a、20bは合計三箇所であるが、これに限定されず、適宜数を設定することができる。
【0036】
図2を参照して、火災通報メール配信装置1及び火災報知システムAの動作の流れを説明する。
【0037】
「スタート」

電話回線を接続し、対象施設である施設20に設けられている火災通報装置2から送られた通報信号を受信する。火災通報装置2からは消防署へも同時に通報信号が送信されている。

回線番号判定部11は、回線番号から施設が特定できるかどうかを確認する。
特定できた場合、通報信号判別部12bへ進み、特定できなかった場合、電話回線を切断し、終了する。
【0038】
通報信号判別部12bでは、手動信号音判定部で手動火災通報装置からの手動信号音があるかどうかを判定する。
手動信号音は、前記のように概ね800ヘルツの単音を三音連続したものを二回反復した音情報であり、例えば「ピッ、ピッ、ピッ・ピッ、ピッ、ピッ」と表記される音である。

手動信号音があると判定できれば、前記文例(3)「○○病院で火災が発生しました。」を配信する。
手動信号音がないと判定すれば、自動信号音判定部へ進む。
【0039】
自動信号音判定部で、自動火災通報装置からの自動信号音があるかどうかを判定する。
自動信号音は、前記のように周波数の異なる二つの周期的複合波をつなぎ合わせたものを二回反復した音情報であり、例えば「ピン、ポーン・ピン、ポーン」と表記される音である。

自動信号音があると判定できれば、文例(1)「○○病院の自動火災報知設備が作動しました。」を配信する。
自動信号音があると判定できなければ、テキスト照合判定へ進む。
なお、音声情報の解析を待たずに通報信号の違いで手動信号音と自動信号音とを判別し、前記文例の何れかを送るようにしているので、高速配信が可能である。
【0040】
(テキスト照合判定)
無音での受信や着信から通報信号送出までの時間が長い場合など、通報信号判定部12bでの判定が困難であった場合、通報信号解析部12aでの音声情報の解析を行う。
通報信号解析部12aでは、通報信号の音声情報の収集・解析を行う。この解析は、音声情報に含まれる施設の名称、住所及び電話番号情報をテキストデータに変換し、該データと、データ部13にあらかじめ記憶されている各施設の名称、住所及び電話番号情報と照合する方法が採用されているが、この方法に限定するものではない。

テキストデータ照合が一致すれば、前記文例(3)「○○病院で火災が発生しました。」を配信する。
また、テキストデータ照合が不一致の場合、前記文例(4)「○○病院で火災が発生した模様です。」を配信する。

60秒経過後に電話回線を切断する。
【0041】
なお、本明細書で使用している用語と表現は、あくまでも説明上のものであって、なんら限定的なものではなく、本明細書に記述された特徴およびその一部と等価の用語や表現を除外する意図はない。また、本発明の技術思想の範囲内で、種々の変形態様が可能である。
【符号の説明】
【0042】
A 火災報知システム
1 火災通報メール配信装置
10 電話応答装置
11 回線番号判定部
12a 通報信号解析部
12b 通報信号判別部
13 データ部
14 電子メール送信部
15 常用電源
16 停電時電源
2 火災通報装置
20、20a、20b 施設
3 メールサーバ
4 携帯電話基地局
5 携帯電話メール部
6 公衆電話回線
7 インターネット網
8 携帯電話会社無線網
図1
図2