【文献】
高橋 正視,なぜOSCに「トキ」か?,[online],オープンソースカンファレンス2012 Tokyo/Spring,2012年 3月17日,[検索日:平成26年3月6日],URL,http://www.ospn.jp/osc2012-spring/PDF/osc2012spring_MSCO.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
スピーキングテストのアプリケーションを予め記憶する携帯型情報処理装置を受検者に配布して前記スピーキングテストを実施し、前記スピーキングテストの終了後に前記スピーキングテストに対する解答データが記憶された状態で回収される前記携帯型情報処理装置であって、
前記スピーキングテストのアプリケーションを実行する実行手段と、
前記スピーキングテストの受検者に識別情報を入力させる入力手段と、
前記スピーキングテストの第1の問題に対する第1の解答及び第2の問題に対する第2の解答を入力させるマイクと、
前記第1の解答を、前記識別情報に関連付けて第1の解答データとして記憶し、かつ、前記第2の解答を、前記識別情報に関連付けて第2の解答データとして記憶するための記憶手段と、
前記回収された前記携帯型情報処理装置から、前記記憶手段に記憶された前記第1の解答データ及び前記第2の解答データをまとめて専用データ回線を用いてサーバに送信するための送信手段と、
を有する携帯型情報処理装置。
前記第1の解答データ及び前記第2の解答データは、それぞれ所定フォーマットからなる音声データであり、かつ、これら音声データが含まれるファイル名は、前記識別情報として利用可能である、請求項1記載の携帯型情報処理装置。
前記第1の解答データ及び前記第2の解答データは、それぞれ所定フォーマットからなる音声データであり、かつ、これら音声データが含まれるファイル名は、前記識別情報として利用可能である、請求項3に記載の携帯型情報処理装置の動作方法。
前記第1の解答データ及び前記第2の解答データは、それぞれ所定フォーマットからなる音声データであり、かつ、これら音声データが含まれるファイル名は、前記識別情報として利用可能である、請求項5に記載のテスト支援システム。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。即ち、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付して表している。図面は模式的なものであり、必ずしも実際の寸法や比率等とは一致しない。図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることがある。
【0018】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態における携帯型情報処理装置、テスト支援システム及びテスト支援方法を、図面を用いて説明する。なお、以下に説明するテストとしては、複数の受検者が同じ時刻に同じ拠点で受験するテストを例とし、例えば、スピーキングを含む英語検定試験などを想定する。また、携帯型情報処理装置は、例えばタブレット端末、携帯端末、又は携帯型のPC(Personal Computer)であり、携帯型情報処理端末とも称す。
【0019】
<テスト支援システムの概要>
図1は、第1実施形態におけるテスト支援システム1の一例を示す概念図である。
図1に示すように、例えばテスト支援システム1では、学校10に配布された携帯型情報処理端末100を用いてテストが実施され、解答データが記憶された携帯型情報処理端末100を企業20が回収する。
【0020】
また、テスト支援システム1では、回収された携帯型情報処理端末100に記憶されたテストの解答データが、採点システム30のサーバ200に送信される。また、採点者40は、採点システム30のサーバ200に記憶された解答データにアクセスし、ブラウザを用いて採点画面を情報処理装置300に表示させる。採点者40は、採点画面を用いて採点した採点データを採点システム30のサーバ200にアップロードする。これにより、採点システム30のサーバ200は、採点データを取得する。
【0021】
なお、携帯型情報処理端末100は、携帯型情報処理端末を1つずつ区別する場合には符号100A、100Bなどを用い、携帯型情報処理端末をまとめて表現する場合には符号100を用いる。また、採点者40が用いる情報処理装置も、携帯型情報処理端末と同様の符号の用い方をする。
【0022】
次に、テスト支援システム1の具体的な流れを説明する。以下、携帯型情報処理端末100として、タブレット端末を例にして説明する。
【0023】
(1)タブレット端末100の発送
企業20は、テストを実施する学校10に対し、必要な台数のタブレット端末100を発送する。例えば、企業20は、タブレット端末100を学校10に貸与する。このとき、企業20は、タブレット端末100とともに、タブレット端末100の利用マニュアルを学校10に発送してもよい。
【0024】
(2)テストの実施
受検者は、企業20から発送されたタブレット端末100を用いて、学校10内又は任意の場所でスピーキングを含む英語検定試験(以下、単にテストともいう)を受検する。このとき、受検者は、タブレット端末100に自身の識別情報を入力する。受検者の識別情報は、テスト支援システム1において、受験者を識別可能な任意の情報であり、例えば学校コード、日時、学年、クラス、出席番号、カナ氏名、生年月日とすることができる。なお、識別情報は、受検者に一意に割り当てられた受験番号などでもよい。
【0025】
また、受検者は、タブレット端末100を用いてテストの解答を入力する。例えば、受検者は、タブレット端末100に表示される問題に対し、タブレット端末100に向かって音声を発して解答することで、タブレット端末100に解答データ(例えば解答音声)が入力される。タブレット端末100は、この解答データと、受検者の識別情報とを関連付けて記憶する。また、テストの問題がライティングなどの場合は、解答データは、受検者により入力されたテキストデータでもよい。
【0026】
なお、このタブレット端末100は、使い回すことができ、例えば1時間目は、クラス1でテストを実施し、2時間目は、同じタブレット端末100を用いてクラス2でテストを実施することができる。
【0027】
このとき、タブレット端末100には、複数の受検者の解答データが、各受検者の識別情報に関連付けて記憶される。
【0028】
(3)タブレット端末の返却(回収)
学校10でテストの実施が終了した場合、学校10側は、発送されたタブレット端末100を企業20に返却し、企業20は、発送したタブレット端末100を回収する。
【0029】
(4)採点システムに登録
企業20は、回収したタブレット端末100を採点システム30のサーバ200に登録する。例えば、Wi-Fi(登録商標)を用いて、タブレット端末100に記憶された解答データと、受検者の識別情報とがサーバ200に送信される。ここで、Wi−Fi(登録商標)などの無線回線は、予め登録されたデータ回線を用いることが好ましい。
【0030】
このとき、サーバ200は、学校毎にフォルダを自動生成し、フォルダを階層化して、解答データを記憶するようにする。例えば、サーバ200は、学校、学年、クラス、生徒の順に下位フォルダを生成し、最下位の生徒フォルダに解答データを保存するようにしてもよい。
【0031】
(5)採点
採点者40は、サーバ200に記憶されている解答データにアクセスし、ブラウザなどを用いて採点画面を情報処理装置300に表示させる。採点者40は、採点システム30上での採点画面から解答データの採点を行う。採点者40は、例えば海外拠点にいるネイティブの人でもよい。
【0032】
このとき、採点者40は、解答データに対して採点データ(スコア)を与える。これにより、採点データは、採点システム30上にアップロードされ、サーバ200は、採点データを取得し、記憶する。
【0033】
(6)スコアレポート作成
企業20の担当者又は委託者の指示により、採点システム30又は企業20内の情報処理装置(不図示)は、採点システム30上に記憶された採点データをもとに、スコアレポートを作成する。スコアレポートには、受検者の識別情報や受検者の全受検者に対する順位、全受検者の平均点、過去のテストとの比較、今後の勉強方針などが記載される。
【0034】
(7)スコアレポートの発送
企業20の担当者又は委託者の指示により、採点システム30又は企業20内の情報処理装置は、作成したスコアレポートを学校10の情報処理装置に送信する。学校10の情報処理装置は、受信したスコアレポートをディスプレイ上に表示する。例えばこれを先生が検討することで、学校10としての教育方針や、先生個人の教え方などを考えたり、改めたりすることができる。また、生徒は、スコアデータを見ることで、点数が伸びたりしていれば、モチベーションアップにつなげることができる。なお、スコアレポートは、印刷業者により印刷されたものを学校10に発送されてもよい。
【0035】
<テスト支援システムの構成>
次に、第1実施形態におけるテスト支援システム1の構成について説明する。
図2は、第1実施形態におけるテスト支援システム1の構成の一例を示すブロック図である。
図2に示す例では、テスト支援システム1は、タブレット端末100と、サーバ200と、情報処理装置300とを有する。
【0036】
タブレット端末100は、テストの受検者に1台ずつ配布される。タブレット端末100には、テストを実行するアプリケーションが予めインストールされている。受検者は、所定の時間になったり、試験官又は先生の合図があったりした後に、テストのアプリケーションを実行することでテストを受けることができる。なお、受検者は、テストを受ける際、受検者の識別情報を先に入力し、合図を待って一斉にテストをスタートしてもよい。
【0037】
タブレット端末100は、受検者によりテストの開始が指示されると、テストの問題を表示したり、又は音声で問題を出力したりする。受検者は、テストの問題に対し、タブレット端末100の操作画面を用いて解答を入力したり、タブレット端末100に向かって解答となる音声を発したりする。
【0038】
また、タブレット端末100は、受検者から入力された解答を解答データとして、受検者の識別情報とともに自端末の記憶部に記憶する。解答は、例えばスピーキング問題に対する音声やライティング問題に対する入力文字であり、解答データは、例えば音声データやテキストデータである。また、テストの問題は、複数あってもよい。この場合、問題ごとに音声データやテキストデータがタブレット端末100に記憶(録音)される。また、タブレット端末100に記憶された解答データには、アクセス制限がかけられる。他の受検者が解答を見ないようにするためである。また、タブレット端末100は、テストを実行している最中に、無線通信などを用いて解答データを自動でサーバ200に送信してもよい。
【0039】
サーバ200は、回収又は返却されたタブレット端末100から受検者の識別情報及び解答データを受信し、自装置の記憶部に記憶する。例えば、管理者がタブレット端末100にログインし、データ送信可のスイッチなどをONにすると、無線通信、例えばWi−Fi(登録商標)などを用いることで、サーバ200は、受検者の識別情報及び解答データを受信する。また、無線通信は、有線のネットワークなどによる通信や、本システム専用のデータ回線を用いる無線通信などでもよい。また、サーバ200は、タブレット端末100がテストを実行している最中に、無線通信などを用いて解答データを受信してもよい。
【0040】
また、サーバ200は、データを受信すると、自動でフォルダ生成を行い、音声データを効率良く管理する。例えば、サーバ200は、フォルダの階層構造を用いて、音声データを管理する。フォルダの階層構造は、受検者の識別情報に含まれる複数の情報を用いて生成される。
【0041】
具体的には、サーバ200は、受検者の識別情報に含まれる情報の順番に、フォルダを階層化していく。例えば、サーバ200は、学校フォルダを最上位とし、日時フォルダ、学年フォルダ、クラスフォルダ、生徒フォルダの順にフォルダを階層化し、最下位となる生徒フォルダに解答の音声データを含めるようにする。このとき、音声データが含まれるファイル名がIDに変換され、このIDが音声データに付与されてもよい。このIDは、採点時の音声データの識別情報に用いられてもよい。
【0042】
次に、情報処理装置300は、ウェブブラウザを用いてサーバ200に記憶されている音声データを採点する採点画面を表示し、採点者40による採点結果の採点データを取得する。情報処理装置300は、採点者40により使用される装置である。また、情報処理装置300は、海外に設置された装置であってもよい。
【0043】
例えば、採点者40は、海外にいるネイティブの人であり、複数の採点者40が自身に割り当てられた音声データの採点を、情報処理装置300を用いて行う。なお、企業20側は、採点者40に対し、採点基準の詳細データを送付しておく。
【0044】
採点者40の情報処理装置300は、採点画面から採点の対象となる1又は複数の音声データを出力し、採点基準の詳細データを参照した採点者40により採点が行われる。また、同じ音声データに対して、複数の採点者40が採点を行って、採点者40の違いによる採点結果のばらつきが小さくなるようにしてもよい。
【0045】
採点者40の情報処理装置300は、採点結果の採点データを、採点者40の指示によりサーバ200にアップロードする。これにより、サーバ200は、採点データを取得する。
【0046】
次に、企業20の担当者又は委託者の指示により、担当者又は委託者の情報処理装置(不図示)は、サーバ200から採点データを取得し、成績処理を行う。成績処理は、例えばIRT(Item Response Theory:項目応答理論)に基づいて行われてもよい。また、成績処理は、個人集計、校内集計、全国集計などを含む総合的な成績処理が行われる。
【0047】
企業20の担当者又は委託者の指示により、担当者又は委託者の情報処理装置は、成績処理が行われた成績に基づくスコアレポートを学校10に発送する手配をしたり、または電子的なスコアレポートを送信したりする。また、企業20の担当者又は委託者の指示により、担当者又は委託者の情報処理装置は、このスコアレポートに加えて、クラス全体の成績の分析を行った先生用のレポートを学校10に発送するよう手配したり、送信したりしてもよい。
【0048】
<ハードウェア構成>
次に、テスト支援システム1における各装置のハードウェア構成について説明する。
図3は、タブレット端末100のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3に示すタブレット端末100は、例えば、CPU(Central Processing Unit)102と、メインメモリ104と、BIOS−ROM106と、記憶部108と、オーディオ出力部110と、表示部112と、通信インタフェース114と、入力部116と、これらを接続するシステムバス118とを有する。
【0049】
CPU102は、例えば、メインメモリ104上に展開されたテストプログラムを実行し、タブレット端末100に各種の機能を実現させる。言い換えれば、タブレット端末100は、CPU102の制御の下、テストプログラムを実行することによりテストを実現する。BIOS−ROM106は、タブレット端末100のハードウェア管理、制御をするプログラムを記憶する。
【0050】
記憶部108は、プログラムや各種データを格納する。オーディオ出力部110は、CPU102の制御の下で処理された各種のサウンドを出力する。表示部112は、CPU102の制御の下で処理された各種の画像を表示する。通信インタフェース114は、サーバ200や他の装置との通信を可能にするインタフェースである。入力部116は、例えばユーザ操作を入力するタッチパネルや、音声を入力するマイクである。また、入力部116は、タブレット端末100に接続されたキーボードなどからユーザ操作を入力してもよい。
【0051】
次に、採点システム30のサーバ200のハードウェア構成について説明する。
図4は、サーバ200のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図4に示すサーバ200は、例えば、CPU202と、メインメモリ204と、BIOS−ROM206と、記憶部208と、通信インタフェース210と、これらを接続するシステムバス212とを有する。
【0052】
CPU202、メインメモリ204、BIOS−ROM206、記憶部208、通信インタフェース210の機能は、それぞれ
図3に示すCPU102、メインメモリ104、BIOS−ROM106、記憶部108、通信インタフェース114の機能と同様である。
【0053】
次に、採点者40が用いる情報処理装置300のハードウェア構成について説明する。
図5は、情報処理装置300のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図5に示す情報処理装置300は、例えば、CPU302と、メインメモリ304と、BIOS−ROM306と、記憶部308と、オーディオ出力部310と、表示部312と、通信インタフェース314と、入力部316と、これらを接続するシステムバス318とを有する。
図5に示す入力部316は、キーボードなどの入力装置である。入力部316以外の各部は、
図3に示す、対応する各部と同じ機能を有する。
【0054】
<機能構成>
次に、テスト支援システム1における各機能構成について説明する。まず、タブレット端末100の機能構成について説明する。
【0055】
図6は、タブレット端末100の機能構成の一例を示すブロック図である。
図6に示すタブレット端末100は、例えば、テスト実行手段402と、表示手段404と、入力手段406と、記憶手段408と、送信手段410と、を有する。タブレット端末100は、テストプログラムTPを実行することで、所定のテスト、例えば英語のスピーキングテストを行うための各機能を有する。
【0056】
テスト実行手段402は、例えばCPU102やメインメモリ104、テストプログラムTP等により実現されうる。テスト実行手段402は、テストプログラムTPが実行されることで、テストのアプリケーションを実行し、タブレット端末100の表示手段404にテスト画面を表示する。
【0057】
テスト実行手段402は、まず、表示手段404を用いて受検者に所定事項を入力させる。所定事項は、学校コード、日時、学年、クラス、出席番号、氏名、生年月日などである。次に、テスト実行手段402は、テストを実行し、問題を表示手段404に出力する。なお、テスト実行手段402は、ネットワークから切断されたオフライン状態でも、テストを実行することができる。これにより、場所を問わずにタブレット端末100さえあれば、テストを実施することができる。
【0058】
表示手段404は、例えば表示部112やCPU102、メインメモリ104、テストプログラムTP等により実現されうる。表示手段404は、受検者の識別情報の入力画面を表示したり、テスト問題の画面を表示したりする。
【0059】
入力手段406は、例えば入力部116やCPU102、メインメモリ104、テストプログラムTP等により実現されうる。入力手段406は、受検者により入力された、受検者の識別情報及びテストの解答データを入力する。例えば、入力手段406は、タッチパネルなどを用いての受検者の操作を入力したり、マイクを用いての受検者の音声を入力したりする。
【0060】
記憶手段408は、例えばCPU102やメインメモリ104、記憶部108、テストプログラムTP等により実現されうる。記憶手段408は、入力手段406から取得した識別情報及び解答データを関連付けて記憶する。なお、記憶手段408は、複数の受検者の解答データを、各受検者の識別情報に関連付けて記憶することができる。また、記憶手段408は、解答データが記憶されると、他の受検者から参照されないようにアクセス制限をかける。記憶手段408に記憶された解答データは、上述した管理者がタブレット端末100にログインしたときにアクセス可能になる。また、記憶手段408は、テストのアプリケーションプログラムを記憶する第1メモリと、解答データを記憶する第2メモリとを有する。第1メモリと第2メモリとは、同じ記憶部であってもよいし、異なる記憶部であってもよい。
【0061】
送信手段410は、例えば通信インタフェース114やCPU102、メインメモリ104、テストプログラムTP等により実現されうる。タブレット端末100が企業20側に回収された後、送信手段410は、記憶手段408に記憶された識別情報及び解答データを、ネットワークを介してサーバ200に送信する。このとき、送信手段410は、専用のデータ回線を用いてデータをサーバ200に送信するようにしてもよい。これにより、解答データが改ざんされたり、盗聴されたりすることを防止することができる。
【0062】
また、送信手段410は、記憶手段408に複数の受検者の解答データが記憶されている場合は、これら複数の識別情報及び解答データをまとめてサーバ200に送信することもできる。また、送信手段410は、テストが実行されている最中に、解答データをサーバ200に送信するようにしてもよい。
【0063】
以上より、タブレット端末100は、企業20から学校10に配布された後に、テストを実行して受検者の識別情報及び解答データを記憶し、企業20に回収された後に、サーバ200に識別情報及び解答データを送信する機能を有する。また、学校10側としては、テストを実行するタブレット端末100が企業20から配布されるため、テストに応じた設備を準備する必要がない。また、テストの最中に解答データがサーバ200に送信されるとしても、テスト支援システム1は、従来技術よりも場所や機器に対して制約が少ない。
【0064】
次に、テスト支援システム1におけるサーバ200の機能構成について説明する。
図7は、サーバ200の機能構成の一例を示すブロック図である。
図7に示すサーバ200は、例えば、受信手段502と、第1記憶手段504と、送信手段506と、第2記憶手段508と、を有する。
【0065】
受信手段502は、例えば通信インタフェース210やCPU202、メインメモリ204等により実現されうる。受信手段502は、回収された又はテスト実行中の携帯型情報処理端末100から送信された受検者の識別情報及び解答データを受信する。なお、受信手段502は、複数の識別情報及び解答データを、タブレット端末100からまとめて受信するようにしてもよい。また、受信手段502は、採点者40が用いる情報処理装置300から採点データを受信する。識別情報及び解答データは、第1記憶手段504に記憶され、採点データは第2記憶手段508に記憶される。
【0066】
第1記憶手段504は、例えばCPU202やメインメモリ204、記憶部208等により実現されうる。第1記憶手段504は、受信された受検者の識別情報及び解答データを記憶する。第1記憶手段504は、識別情報を用いて階層的に解答データを記憶することで、解答データの管理を容易にすることができる。
【0067】
送信手段506は、例えば通信インタフェース210やCPU202、メインメモリ204等により実現されうる。送信手段506は、採点者40が使用する情報処理装置300から解答データへのアクセスがあったときに、所定数の解答データを、受検者を識別するIDとともに情報処理装置300に送信する。
【0068】
第2記憶手段508は、例えばCPU202やメインメモリ204、記憶部208等により実現されうる。第2記憶手段508は、受信されたIDと採点データを記憶する。なお、第1記憶手段504及び第2記憶手段508は、必ずしも別の記憶部である必要はなく、同じ記憶部であってもよい。
【0069】
以上より、サーバ200は、回収された携帯型情報処理端末100から受検者の識別情報及び解答データを受信して記憶し、情報処理装置300からアクセスされると解答データを送信し、情報処理装置300から採点データを受信して記憶する機能を有する。
【0070】
次に、テスト支援システム1における情報処理装置300の機能構成について説明する。
図8は、情報処理装置300の機能構成の一例を示すブロック図である。
図8に示す情報処理装置300は、受信手段602と、表示手段604と、採点手段606と、送信手段608と、を有する。
【0071】
情報処理装置300は、採点プログラムSPを実行することで、解答データに対する採点を行うための各機能を有する。なお、採点者40は、企業20側が作成した採点プログラムSPを情報処理装置300にダウンロードし、インストールしておく。
【0072】
受信手段602は、例えば通信インタフェース314やCPU302、メインメモリ304、採点プログラムSP等により実現されうる。受信手段602は、例えばID付きの解答データをサーバ200から受信する。
【0073】
表示手段604は、例えば表示部312やCPU302、メインメモリ304、採点プログラムSP等により実現されうる。表示手段604は、取得された解答データを採点する採点画面を、ウェブブラウザを用いて表示部312に表示する。
【0074】
採点手段606は、例えば表示部312やCPU302、メインメモリ304、採点プログラムSP等により実現されうる。採点手段606は、採点画面を用いて採点者40から入力された採点データを取得する。採点手段606は、例えば、1つの解答データに対して10点満点や100点満点で採点された点数を取得する。
【0075】
送信手段608は、例えば通信インタフェース314やCPU302、メインメモリ304、採点プログラムSP等により実現されうる。送信手段608は、採点された採点データをID付きでサーバ200に送信する。
【0076】
以上より、情報処理装置300は、サーバ200にアクセスして解答データを取得し、この解答データに対する採点データを取得し、この採点データをサーバ200に送信する機能を有する。
【0077】
サーバ200に記憶された採点データは、例えば企業20の情報処理装置(不図示)などを用いて成績処理が行われる。例えば、全国で共通して実施されるテストであった場合、企業20側は、個人集計の他にも、校内集計、全国集計を行い、成績集計結果データのスコアレポートを作成する。企業20側は、作成したスコアレポートを、テストを実施した各学校10に配送する。また、個人集計には、過去のテスト結果や過去のテスト結果と今回のテスト結果との比較なども含まれる。企業20は、成績処理を外部業者に委託してもよい。企業20は、スコアレポートを印刷業者に印刷させて、印刷業者から各学校10にスコアレポートを配送させてもよい。
【0078】
これにより、スコアレポートを受け取った受検者は、自分の弱点を知ることができ、次回のテストで良い結果を得られるように努力することが考えられる。よって、スコアレポートの配布が、受検者のモチベーションを向上させることができる。
【0079】
また、企業20は、先生用に成績を分析処理し、先生用のレポートを各学校10に配送又は送信してもよい。例えば、クラス全体の弱点などを先生が把握することができ、先生用のレポートの配布を今後の指導に活かすことができる。
【0080】
<データ例>
次に、テスト支援システム1で用いるデータ例について説明する。
図9は、タブレット端末100で記憶される識別情報及び解答データの一例を示す図である。
図9に示すように、タブレット端末100は、テストが終わると、学校コード、日時、学年、クラス、出席番号、氏名、生年月日、解答データを関連付けて記憶する。
【0081】
ここで、学校コード、日時、学年、クラス、出席番号、氏名、生年月日は、受検者を識別するための識別情報であり、解答データに関連付けて記憶される。なお、受検者の識別情報は、例えばテキストデータであり、解答データは、例えば44100Hz、16bit、WAV形式の音声データである。なお、テスト問題が複数の問題毎に分かれている場合は、各Partで独立して解答データが記憶される。
【0082】
タブレット端末100は、例えば、上記の各データをAES(Advanced Encryption Standard)形式で暗号化したZipファイルなどにより記憶する。
【0083】
図10、サーバ200で記憶される識別情報及び解答データの一例を示す図である。サーバ200は、階層構造を用いて解答データの管理を容易にする。
図10に示す例では、サーバ200は、学校、日時、学年、クラス、生徒の順に下位になるようにフォルダを生成し、生徒フォルダに、その生徒の解答データを記憶するようにする。これにより、学校毎の集計や、クラス毎の集計などを容易に行うことできるようになる。
【0084】
<画面例>
次に、テスト支援システム1の画面例について説明する。
図11は、タブレット端末100の電源起動時の画面の一例を示す図である。
図11に示すように画面702には2つのテストアイコン704A、704Bがインストールされている例である。なお、インストールされているテストのアプリケーションは1つでもよいし、3つ以上の複数でもよい。受検者は、
図11に示すようなテストアイコン704A、704Bのいずれかをクリック又はダブルクリックすることで、テストを受けることができる。
【0085】
図12は、学校コードの選択画面の一例を示す図である。
図12に示す画面802は、学校コードを、5桁の数字を受検者に選択させる画面である。タブレット端末100は、
図12に示すような画面を用いて、受検者の他の識別情報を選択又は入力させる。
【0086】
図13は、スピーキングテストの開始画面の一例を示す図である。
図13に示す画面902は、スピーキングテストの概要が表示され、この例では、4つのPartから問題が構成される。例えば、受検者は、受検者の識別情報の入力が全て終わると、
図13に示すスピーキングテストの開始画面が表示される。このとき、受検者は、
図13に示す画面を表示したまま待ち、試験官又は先生の合図によりスタートボタン904をタッチ(クリック)することで、テストを受けることができるようになる。
【0087】
図14は、テストにおけるPartAの画面の一例を示す図である。
図14に示す画面1002の問題は、Q1のBのセンテンスを受検者が読み上げる問題である。タブレット端末100は、受検者が読み上げた音声(解答データ)をマイクから入力し、自端末の記憶部に記憶する。タブレット端末100は、各PartA〜Dで入力した解答データをそれぞれ独立して記憶する。このとき、各Partの解答データは、受検者の識別情報と関連付けて記憶される。
【0088】
<動作>
次に、第1実施形態におけるテスト支援システム1の動作について説明する。
図15は、第1実施形態におけるテスト支援システム1の処理の一例を示すフローチャートである。
図15に示すステップS102で、企業20は、テストを申し込んだ各学校に、必要な数のタブレット端末100を、テスト実施日までに配送する。
【0089】
ステップS104で、テスト当日に、受検者は、携帯型情報処理端末(例えばタブレット端末)100を操作して、受検者の識別情報を入力する。
【0090】
ステップS106で、受検者は、携帯型情報処理端末100を用いてテストを受検し、解答データを携帯型情報処理端末100に入力する。入力された解答データは、受検者の識別情報に関連付けて携帯型情報処理端末100に記憶される。
【0091】
ステップS108で、学校10側は、全受検者に対するテストの実施が終了すると、配布された全ての携帯型情報処理端末100を企業20に返却する。つまり、企業20は、各学校に配布した携帯型情報処理端末100を回収する。
【0092】
ステップS110で、回収された携帯型情報処理端末100は、受検者の識別情報及び解答データを、サーバ200に送信する。例えば、データ回線としては、専用の無線回線を用いてもよい。
【0093】
ステップS112で、サーバ200は、回収された携帯型情報処理端末100から受信した受検者の識別情報及び解答データを記憶する。このとき、サーバ200は、フォルダの階層構造を用いて解答データを管理しやすくしてもよい。
【0094】
ステップS114で、情報処理装置300は、サーバ200に記憶されている解答データにアクセスし、ウェブブラウザを用いてこの解答データを取得し、採点画面を表示する。採点者40の情報処理装置300は、採点画面を表示し、採点者40の入力に基づき解答データの採点が行われる。情報処理装置300は、採点者40による採点結果の採点データを取得する。
【0095】
ステップS116で、企業20の情報処理装置は、採点データに基づいて成績処理を行い、成績処理の結果を含むスコアレポートを、テストを実施した各学校10に送付するよう指示したり又は送信したりする。
【0096】
以上、第1実施形態によれば、任意の受検会場において、所定のスペックを有する特定の受検機器を受検会場側で準備しなくても、受検者にテストを受けてもらうことができるテスト支援方法及びテスト支援システムを提供することができる。また、回収後に解答データがサーバ200に送信される場合、テストのアプリケーションがインストールされた携帯型情報処理端末100さえあればテストを実行することができる。つまり、テストの解答データは携帯型情報処理端末100自体に記憶されるため、テストの実行中にネットワークに接続する必要がない。また、テストの最中に解答データがサーバ200に送信される場合、スコアレポートを送付するまでの期間を短縮することができたり、携帯型情報処理端末100の回収後に、サーバ200に解答データを送信する手間を省くことができたりする。また、TOEFL(登録商標)などの従来技術では、Webブラウザを用いてテストを実行するため、サーバと端末との間では、問題データと解答データとの通信が必要である。しかし、第1実施形態によれば、テストのアプリケーションは携帯型情報処理端末100に予め記憶されているため、サーバ200との通信において、問題データを通信する必要はない。そのため、第1実施形態によれば、従来技術よりも、端末とサーバとの通信容量を減らすことができる。
【0097】
また、携帯型情報処理端末100は、使い回すことができるため、1台の携帯型情報処理端末100に複数の受検者の解答データを記憶することができる。この場合、回収された携帯型情報処理端末100から、複数の解答データをまとめてサーバ200に送信することができる。
【0098】
また、第1実施形態のテストは、認定された場所でしか受検することができなかった外部検定試験のテストにも適用することができる。
【0099】
[変形例]
以上、本願の開示する技術の第1実施形態について説明したが、本願の開示する技術は、上記に限定されるものではない。
【0100】
例えば、テストは、スピーキングテストだけに限定されるものではなく、その他のライティングやリーディングなどのテストにも適用することができる。また、複数の受験者が同じ拠点で異なる時刻に受験するテストや、複数の受験者が異なる拠点で受験するテストにも適用することができる。