(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記各受付手段が、文章としての入力も受け付けるものであり、当該受け付けた文章を形態素解析し、各項目を標準化して数値化するものである請求項1に記載の教育者支援システム。
複数のユーザー側コンピューターや、その教育者を管理する管理者側に設けられる管理者側コンピューターで構成された教育者支援システムを用いて行われる教育者支援方法において、
教育者による教育を行った状況の項目の入力を受け付けるステップと、
当該受け付けた状況項目に関連して、記憶装置から被教育者の内面的な観測項目を読み出し、教育者による当該観測項目の入力を受け付けるステップと、
前記受け付けた状況項目に関連して、記憶装置から今後の変革に対する変革項目を読み出し、教育者による当該変革項目の入力を受け付けるステップと、
前記受け付けた項目をそれぞれ状況把握力、内観分析力、変革予知力として数値化するステップと、
当該数値化された値を可視化して出力するステップと、
を備えるようにしたことを特徴とする教育者支援方法。
【背景技術】
【0002】
近年、教育の現場においては、教育における質の向上が強く求められている。このため、従来では、教育者を集合研修で教育したり、あるいは、定期的な会議やセミナーなどを行って教育の質を向上させるようにしていた。
【0003】
しかしながら、このような集合研修や会議などで教育を行ったとしても、どうしても総括的な教育に留まってしまい、異なる現場環境の下においては、どのような状況でどのような教育を行えば良いのか、あるいは、今後、教育を受ける者に対してどのような教育を行えばよいのかを正確に把握するのが困難であった。
【0004】
また、このような教育の質を向上させる場合だけでなく、教育者を派遣するような状況を考えた場合に、どのような人材がどのような教育の質を持っているのかを適切に把握するのが難しく、適切な人材を派遣するのが困難であった。
【0005】
そこで、このような教育の質を向上させるものとして、下記の特許文献1に記述されるような方法が提案されている。このシステムは、受講生からのアンケートを受け付け、そのアンケート結果を教育にフィードバックさせて教育の質を向上させるようにしたものである。このような方法によれば、教育カリキュラムなどに対してアンケート結果を反映させることができるため、次回以降の教育カリキュラムの組み方や授業の進め方などに反映させることができるというメリットがある。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0015】
この実施の形態における教育支援システム1は、
図1に示すように、現場で教育を行う教育者側に設けられる複数のユーザー側コンピューター3や、その教育者を管理する管理者側に設けられる管理者側コンピューター2などを備えて構成されている。そして、そのユーザー側コンピューター3から、教育者が実際に行った事実である「状況項目」や、その状況において被教育者がどのように感じているかを推測した「内観項目」、および、前記状況項目において今後の変革に対する項目である「変革項目」などを受け付け、これを所定のアルゴリズムで数値化して管理者側コンピューター2などから可視化して出力できるようにしたものである。以下、本実施の形態における教育支援システム1の構成について詳細に説明する。
【0016】
なお、この教育支援システム1を構成する各コンピューター2、3は、
図1に示すように、パーソナルコンピューターや携帯端末などで構成されるものであって、キーボードやタッチパネルなどのような入力装置21、31、ディスプレイなどの表示装置22、32、本体に内蔵されたハードディスクやROM、RAMなどの記憶装置23、33、インターネットなどに接続してデータを送受信するための送受信デバイス24、34、また、CPUなどの演算装置25、35などから構成されており、記憶装置23、33に格納されたプログラムとこれらの各デバイスを協働させて
図2に示すような機能を実現させている。
【0017】
まず、ユーザー側コンピューター3には、
図2に示すように、状況項目受付手段41、内観項目受付手段42、変革項目受付手段43が設けられる。これらの項目は、教育者の質を図る上で必要となる行動力や観察力や変革力を分析できるようにしたものであって、次のような項目を表示装置に表示して、入力装置から入力できるようにしている。
【0019】
状況項目受付手段41は、
図3や
図4に示すように、教育を行った際の(1−1)「出来事」や、教育者がその出来事に関して気づいた(1−2)「気づき」の項目を受け付ける。具体的には、この(1−1)「出来事」に関しては、「絵本朗読会を行った」「食事会を行った」「積み木で遊んだ」などのように実際に教育を行った事実を示す項目を受け付ける。また、(1−2)「気づき」の項目に関しては、例えば、「絵本朗読会を行った」という出来事の項目に対して、「(絵本朗読会で)気づいたことはこれですか?」などといった提案型の一覧項目を管理者側コンピューター2から読み出してユーザー側コンピューター3に表示させ、その中から適宜項目を受け付ける。これらの各項目を受け付ける場合、
図4に示すように、ユーザー側コンピューター3のディスプレイに表示された項目の中から、適宜チェックボックスにチェック「v」を入れることによって入力を受け付けられるようにしておく。また、これらの項目については時間や場所などによって変化するものであるため、管理者側コンピューター2などにあらかじめ複数の項目を選択可能に記憶させておき、この管理者側コンピューター2にユーザー側コンピューター3からアクセスすることによって複数の項目を表示させるようにする。もしくは、あらかじめ表示された項目に出来事などが存在しない場合もあり得るため、文章によってこれらの事実である状況を入力できるようにしてもよい。これらの文章で入力を受け付ける場合は、
図4に示すように、選択可能な一覧表示の下方に「その他」のチェックボックスを設け、その「その他」のチェックボックスが選択されることによって、文章入力の項目を受け付けられるようにする。このような状況項目受付手段で受け付けた各項目については、その教育者の行動力に対する指標として評価される。
【0021】
次に、内観項目受付手段42は、
図3や
図5に示すように、(1)の「状況項目」に関連して、教育者や被教育者(児童や学生など)の内面的感情などを受け付けられるようにしたものであって、被教育者の内面的感情である(2−1)「心情項目」や、教育者自身の思考の癖などである(2−2)「癖項目」などを受け付ける。このうち、「心情項目」としては、児童の心理として「最適な言葉はこれですか?」などの内面的な心情を推測したものを管理者側コンピューター2から読み出して表示する。また、(2−2)「癖項目」としては、教育者としての思考の癖を表示させるものであって、例えば「課題はこれですか?」などのように教育者自身の内面的な心情を表示させる。これらの項目を受け付ける場合も、ユーザー側コンピューター3のディスプレイに表示された項目の中から、適宜チェックボックスにチェック「v」を入れることによって入力を受け付けられるようにしておく。また、これらの項目は、教育を行う場所や時間などによって変化するものであるため、管理者側コンピューター2の記憶装置23にあらかじめ複数の項目を選択可能に記憶させておき、管理者側コンピューター2に送受信デバイス24、34を用いてアクセスすることによってユーザー側コンピューター3にこれらの項目を表示させるようにする。さらには、これらの項目内だけでは選択できない場合もあり得るため、文章によってこれらの内面的状況を入力できるようにすることもできる。これらの文章で入力を受け付ける場合は、同様に、選択可能な一覧表示の下方に「その他」のチェックボックスを設けておき、その「その他」のチェックボックスが選択されることによって、文章入力の項目を受け付ける。なお、この内観項目については、状況項目受付手段41によって受け付けられた項目に対応するものであるため、例えば、「絵本朗読会」という項目が状況項目受付手段で選択された場合には、これに対応する一覧項目を管理者側コンピューター2の記憶装置23から読み出してディスプレイに表示させるようにする。このような内観項目受付手段42で受け付けた各項目は、その教育者の感受性や思考力などを計るための指標として評価される。
【0023】
変革項目受付手段43は、
図3や
図6に示すように、前記状況項目受付手段41で受け付けた項目に対して、今後どのように行動・改善していくか、あるいは、その成果として何が考えられるかなどの項目を受け付ける。この変革項目としては、前記(1)「状況項目」や(2)「内観項目」に関連して、状況項目で受け付けた項目に対してどのような目標を持って改善していくのかを示す(3−1)「改善・行動目標の項目」と、今後の成果の予測を示す(3−2)「成果の予測の項目」を受け付ける。具体的には、「絵本朗読会」に対しては、(3−1)「改善・行動目標の項目」として、「解決策はこれですか?」などの項目を管理者側コンピューター2から読み出してユーザー側コンピューター3に表示し、一方、(3−2)「成果の予測の項目」に対しては、「成果はこうなりますか?」などの項目を管理者側コンピューター2から読み出してユーザー側コンピューター3に表示させる。そして、チェックボックスにチェックを入れることによって各項目の入力を受け付けられるようにする。これらの項目についても、教育を行う場所や時間などによって変化するものであるため、管理者側コンピューター2の記憶装置23にあらかじめ複数の項目を選択可能に記憶させておき、管理者側コンピューター2にアクセスすることによってユーザー側コンピューター3にこれらの項目を選択可能に表示させる。また、同様に、これらの項目内だけでは選択できない場合もあり得るため、文章によってこれらの変革内容を入力できるようにしておく。これらの文章で入力を受け付ける場合は、選択可能な一覧表示の下方に「その他」のチェックボックスを設け、その「その他」のチェックボックスが選択されることによって、文章入力の項目を受け付けられるようにする。また、この変革項目については、状況項目に対応して表示されるものであるため、各状況項目に対応して、あらかじめ複数の変革項目を用意して管理者側コンピューター2に記憶させておき、これを読み出してユーザー側コンピューター3に表示させるようにする。
【0025】
記憶手段44は、これらの各項目で入力された内容をユーザー毎に記憶させる。すなわち、これらの各項目の入力を受け付ける際には、あらかじめユーザーIDやパスワードなどを教育者に割り当てておき、そのユーザーIDやパスワードを入力してログインすることによって各項目の入力を受け付け、そのユーザーIDごとに各項目に入力された結果を記憶させていくようにする。この記憶手段44は、管理者側コンピューター2側に設けられており、ユーザー側コンピューター3を送受信デバイス24、34を介して管理者側コンピューター2にアクセスし、その入力された内容を管理者側コンピューター2に記憶させる。このように各ユーザー(教育者)ごとに入力された各項目の内容が管理者側コンピューター2に蓄積させていく。なお、この実施の形態では、管理者側コンピューター2に各項目内容を記憶させるようにしているが、これ以外に図示しないサーバーコンピューターなどに記憶させるようにしておき、管理者側コンピューター2からアクセスさせるようにしておいてもよい。
【0027】
解析手段45は、このように各教育者から入力された各項目の内容を数値化するための解析を行う。この解析の手法については種々の方法が考えられるが、例えば、最も簡単な方法として、入力された項目に対し、プラス評価できる項目に対しては(+1)を割り当て、マイナス評価される項目に対して(−1)を割り当て、これらを加算する方法などが考えられる。もしくは、その項目に対して重要度を示す係数を割り当てておき、特定の重要項目に対しては(×2)などを割り当てて加算する方法などを採用してもよい。このようにプラスと評価されるべき項目であるか否かを判断するに際しては、あらかじめ記憶手段33にプラス評価されるべき単語やマイナス評価されるべき単語を登録しておき、入力された項目にプラス評価されるべき単語が含まれていると判断された場合は(+1)、入力された項目にマイナス評価されるべき単語が含まれていると判断された場合は(−1)とする。
【0028】
また、文章で入力された場合には、各項目の加算などを行うことができないため、例えば、その文章を単語毎に分割するための形態素解析を行い、その解析を行って得られた単語のうち、プラス評価できる項目に対して(+1)、マイナス評価されるべき項目に対して(−1)などを割り当てていく。この形態素解析を行う場合には、
図7に示すように、あらかじめ記憶手段33の中にプラス評価できる単語とマイナス評価される単語を格納しておき、解析された単語がこの記憶手段の中に格納された単語に含まれているか否かを判断し、含まれている場合は、同一単語毎に(+)(−)などの評価を加算していく。なお、
図7においては、「磁石の玩具がどうすればくっつくのか一生懸命考えている」という文章が入力された場合、形態素解析において「磁石」「の」「玩具」「が」どうすれば」「くっつくのか」「一生懸命」「考えている」「。」と分解し、そのうち「一生懸命」という(+)評価できる単語が含まれていることを認識して(+1)と評価している。
【0030】
数値化手段46では、このように解析された値を出力するための数値化処理を行う。上述のようにチェックされた項目毎に(+)(−)を加算していくと、例えば、項目数が多い場合は最高点が高くなり、一方、項目数が少ない場合は最高点が低くなってしまう。そこで、ここでは解析された値を標準化処理する。この標準化処理においては、
図8に示すように、「チェックされた項目数(m)/全体の項目数(n)」×10として最高値を10点に揃えるようにする。一方、最低点に関しては、全体の加算値がマイナスになった場合には「0」とする。
【0032】
さらには、統計化手段47では、異なるケースにおいてその教育者が(1−1)〜(3−2)までの各項目を入力した場合、それぞれの項目における標準化された値を加算して平均を算出して統計化しておく。そして、その算出された平均値をそのユーザーにおける全体の(1−1)〜(3−2)の値として記憶させておく。
【0033】
このような標準化された値については、各ユーザー(教育者)ごとに記憶手段に格納しておき、全体としての平均値も算出して統計化しておく。
【0035】
出力手段48では、このように標準化された数値や統計化された数値を可視化して管理者側コンピューター2やユーザー側コンピューター3に表示できるようにする。この出力を行う場合、第一の方法として、
図9に示すように、特定のユーザー(教育者)の(1−1)〜(3−2)までの状況項目から変革項目までをレーダーチャートとして表示し、その大きさを求めて数値を表示させるようにする。この大きさを求める場合は、(1−1)〜(3−2)までの各値を加算する方法などを採用する。また、このようにそのユーザーのレーダーチャートを表示させる際には、他のユーザーの(1−1)〜(3−2)までの各項目における全体の平均値もレーダーチャートとして表示させ、そのユーザーのどの項目が欠けているのかを把握できるようにする。
【0036】
次に、このように構成された教育支援システムにおいて、特定のユーザーが各項目を入力して教育結果を出力するまでの流れについて
図10を用いて説明する。
【0037】
まず、教育者が児童などに対して教育などを行った後に、ユーザー側コンピューター3のアプリケーションを起動させ、そのユーザーのIDやパスワードなどを受け付け(ST1)、認証を受けることによって(ST11)、「状況項目受付」のための画面情報をユーザー側コンピューター3に送受信デバイス24、34を介して送信する(ST12)。
【0038】
そして、その表示された状況項目のうち、「出来事」の項目を受け付けるとともに(ST2)、その情報を管理者側コンピューター2に送信して記憶させる(ST13)。そして、次の画面としてその出来事項目に対応する「気づき」の項目を管理者側コンピューター2の記憶手段33から読み出してユーザー側コンピューター3に送信し(ST14)、ユーザー側コンピューター3でその「気づき」の項目の入力を受け付ける(ST3)。そして、その情報を管理者側コンピューター2に送信して記憶させる(ST15)。
【0039】
次に、管理者側コンピューター2では、先の出来事項目に対応した内観項目を抽出してユーザー側コンピューター3に送信し(ST16)、ユーザー側コンピューター3でそれらの項目を受け付けることによって(ST4)、それらの情報を記憶させる(ST17)。
【0040】
同様に、変革項目についても、先の出来事項目に対応した変革項目を抽出してユーザー側コンピューター3に送信し(ST18)、ユーザー側コンピューター3でそれらの項目を受け付けることによって(ST5)、それらの情報を記憶させる(ST19)。
【0041】
そして、これらの受け付けた各項目について標準化処理などのような数値化(ST20)を行うとともに、他のユーザーにおける各項目の統計情報を抽出して(ST21)、レーダーチャートとして表示出力する(ST22)。また、このレーダーチャートとして表示させる場合は、そのレーダーチャートの大きさも演算して表示させるようにする。
【0043】
次に、第二の実施の形態について説明する。上記実施の形態では、管理者側コンピューター2に教育者の教育状況などを表示させるようにしたが、教育現場における教育活動や教育者の情報は、第三者や他の機関の教育者としても知りたい情報でもある。しかしながら、これらの情報をすべて第三者に開示したのでは、円滑な教育に支障をきたす可能性もあるため、この実施の形態では、第三者側に一定の情報のみを開示できるようにしたものである。以下、第二の実施の形態について説明する。なお、説明の関係上、第二の実施の形態では上記第一の実施の形態と同じシステム構成をなしているものとし、第一の実施の形態と異なる部分のみを
図11のシステム概念図を用いて説明する。
【0044】
まず、この実施の形態において、管理者側コンピューター2では、第三者側に開示できる情報を特定しておき、その情報を第三者側コンピューター4に提供できるようにしておく。この第三者側に提供できる情報としては、例えば、「状況項目」のうちの「出来事」のみの情報、「変革項目」の情報、あるいは、各項目において別途設けられた第三者向けに入力された文字情報などがある。
【0045】
そして、第三者側コンピューター4からこれらの情報を閲覧したい場合は、事前に設定された第三者IDやパスワード(PWD)の入力を受け付けるとともに、知りたい項目の受け付けを行う。この知りたい項目としては、前述の「出来事」の項目、「変革項目」「第三者向けに入力された文字情報」などがあり、それらの選択を受け付ける。
【0046】
そして、必要に応じて第三者に対して課金を行うことによって、選択された情報を記憶手段44から読み出し、その情報を第三者側コンピューター4に送信して表示させる。なお、ここで必要に応じて第三者に課金をする場合、項目数などによって金額が異なる従量制としてもよいし、あるいは、定額で一定の項目数を見られるようにしてもよい。
【0047】
このように、教育現場における状況を第三者に開示できるようにすれば、知識の共有を計ることができるとともに、成長における感動を保護者と教育者が共有することができるようになる。また、その第三者として他の教育機関などが閲覧できるようにした場合は、他の教育機関における教育の質を向上させることができるとともに、評価される側の教育者としても、評価されるという意識から教育の質を向上させることができるようになる。
【0049】
次に、第三の実施の形態について説明する。上記実施の形態では、教育者の質を管理者側コンピューター2が評価するようにしているが、これでは数値化する場合に、正当な評価ができない場合がある。そこで、この実施の形態では、第三者による評価も組み込むようにして、コンピューターによる客観的な評価と、人間による主観的な評価とを組み込めるようにしたものである。以下、第三の実施の形態について説明する。なお、説明の関係上、第三の実施の形態では上記実施の形態と同じシステム構成をなしているものとし、第一の実施の形態と異なる部分のみについて、
図12を用いて説明する。
【0050】
まず、この実施の形態では、同様に、IDやパスワード(PWD)の入力や、知りたい項目の入力を受け付けた後、管理者側コンピューター2に格納されている「状況項目」「内観項目」「変革項目」を第三者側コンピューター4に表示出力し、それらの各項目について点数付けなどの評価を行ってもらう。この評価に関しては、例えば10点満点として評価してもらうようにし、それとともに、そのように評価した理由を付して管理者側コンピューター2に送信できるようにする。なお、このように第三者側コンピューター4から評価項目を入力するに際しては、必要に応じて課金を行うようにしてもよい。
【0051】
そして、このように入力された評価結果については、管理者側コンピューター2によって評価された結果とともにレーダーチャートに表示させ、主観的評価と客観的評価を同時に表示させるようにする。
【0052】
このようにすれば、管理者側コンピューター2による数値化のアルゴリズムを見直すことができるようになるというメリットがある。
【0053】
このように上記実施の形態によれば、
教育者による教育を行った状況の項目
の入力を受け付ける状況項目受付手段41と、当該状況項目受付手段41で受け付けた状況項目に関連して、記憶装置から被教育者の内面的な観測項目を読み出し、
教育者による当該観測項目
の入力を受け付ける内観項目受付手段42と、前記状況項目受付手段41で受け付けた状況項目に関連して、記憶装置23から今後の変革に対する変革項目を読み出し、
教育者による当該変革項目
の入力を受け付ける変革項目受付手段43と、前記各受付手段41、42、43で受け付けた項目をそれぞれ状況把握力、内観分析力、変革予知力として数値化する数値化手段と46、当該数値化された値を可視化して出力する出力手段48とを備えるようにしたので、教育者に絶対的に必要とされる「状況把握力」「内観分析力」「変革予知力」などの項目を分析することができ、これから教育者の質を把握することができる。そして、このように各項目の質を把握することによって、教育者の質を向上させることができるようになる。
【0054】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることなく種々の態様で実施することができる。
【0055】
例えば、上記実施の形態では、「状況項目」「内観項目」「変革項目」という名称を用いてそれぞれを関連づけて入力できるようにしたが、これらの項目については、「結果の項目」「経緯検証項目」「原因項目」などと解釈して関連づけを行い、それぞれを入力してもよい。すなわち、「状況項目」や「結果の項目」として「仕事に追われ続けている(出来事)」、「それは、人が辞めていくから(気づき)」などと関連づけて把握し、「内観項目」や「経緯検証項目」として「なぜなら今までは」「解らず困惑していたのだろう(心境・状態)」「丸投げで終わらせていた(思考の癖)」などと関連づけて把握し、「変革項目」や「原因項目」として、「今後こうしたらこうなる」、「育成体系を整備する(改善・行動目標)」「やりがいが出て継続する(結果予測)」などと関連づけて把握することができる。
【0056】
また、上記実施の形態では、「状況項目」「内観項目」「変革項目」の3つの項目を入力するようにしたが、これ以外にも他の項目を入力できるようにしてもよい。
【0057】
さらには、上記実施の形態では、数値化する手段としてチェックされた項目数を標準化して数値化するようにしたが、これ以外の手法で数値化するようにしてもよい。
【0058】
さらには、上記実施の形態では、数値化された値をレーダーチャートとして表示させるようにしたが、これに限らず他のグラフによって表示させるようにしてもよく、あるいは、数値化される前の入力項目をそのまま管理者側コンピューター2に表示させるようにしてもよい。
【0059】
また、上記実施の形態では、児童を教育する教育者を例に挙げて説明したが、これ以外にも、学生を教育する場合や、社員を教育する場合、あるいは、患者を看護する場合などにも適用することができる。