(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
テレビ信号が入力される入力コネクタと、該入力コネクタに対し略直角方向に配置され、入力されたテレビ信号をテレビ側に出力する出力コネクタとが突出するように形成されている端子本体と、
前記出力コネクタの円筒状の外部導体が挿通される挿通孔が底面板に形成された端子取付枠とを備え、
前記出力コネクタの前記外部導体の外周面の中途から立設されると共に、前記端子本体の一面に対面するよう少なくとも1つの羽部が形成され、前記端子取付枠には、前記羽部が挿通可能な切欠部が、前記挿通孔に連接して形成されており、前記挿通孔に前記外部導体を挿通すると共に、前記切欠部に前記羽部を挿通して前記端子本体を回動させた際に、前記羽部と前記端子本体の一面との間に前記底面板が挟持され、
前記端子取付枠の表面および裏面において、前記挿通孔の周縁であって互いに重ならない位置にそれぞれ突出リブが設けられており、前記端子本体を回動させた際に、前記羽部が前記表面に設けられた前記突出リブ上を摺動すると共に、前記裏面に設けられた前記突出リブが前記端子本体の一面に圧接されることを特徴とするアンテナ端子装置。
さらに、前記出力コネクタの前記外部導体が挿通される第2の挿通孔が形成されていると共に、前記切欠部に嵌入される第1の回動角度制限突起が形成されている羽固定枠を備え、
前記端子取付枠の表面から突出するよう前記切欠部に隣接して第2の回動角度制限突起が形成されており、
前記第2の挿通孔に前記出力コネクタの前記外部導体を挿通した前記羽固定枠を、前記端子取付枠の表面に装着して前記切欠部に前記第1の回動角度制限突起を嵌入した際に、前記端子本体の回動角度が前記第1の回動角度制限突起と前記第2の回動角度制限突起との間の角度で制限されることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ端子装置。
前記端子取付枠の表面から突出するよう前記切欠部の一側に隣接して回動角度制限突起が形成されていると共に、前記切欠部の他側に隣接して弾性回動角度制限突起が形成されており、
前記挿通孔に前記外部導体を挿通すると共に、前記切欠部に前記羽部を挿通して前記端子本体を回動させた際に、前記羽部が前記弾性回動角度制限突起を乗り越えて、前記端子本体の回動角度が前記回動角度制限突起と前記弾性回動角度制限突起との間の角度で制限されることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ端子装置。
テレビ信号が入力される入力コネクタと、該入力コネクタに対し略直角方向に配置され、入力されたテレビ信号をテレビ側に出力する出力コネクタとが突出するように形成されている端子本体と、
前記出力コネクタの円筒状の外部導体が挿通される挿通孔が底面板に形成され、前記出力コネクタを内部に位置させて保護する円筒状の出力コネクタ保護壁を備えた端子取付枠とを備え、
前記出力コネクタの前記外部導体の外周面の中途から立設されると共に、前記端子本体の一面に対面するよう少なくとも1つの羽部が形成され、前記端子取付枠の前記底面板には、前記羽部が挿通可能な切欠部が、前記挿通孔に連接して形成され、さらに、前記端子取付枠の前記底面板の表面から突出するよう前記切欠部の一側に隣接して回動角度制限突起が形成されていると共に、前記切欠部の他側に隣接して弾性回動角度制限突起が形成されており、
前記挿通孔に前記外部導体を挿通すると共に、前記切欠部に前記羽部を挿通して前記端子本体を回動させた際に、前記羽部が前記弾性回動角度制限突起を乗り越えて、前記端子本体の回動角度が前記回動角度制限突起と前記弾性回動角度制限突起との間の角度で制限されると共に、前記羽部と前記端子本体の一面との間に前記底面板が挟持され、
前記端子取付枠の前記底面板の表面および裏面において、前記挿通孔の周縁であって互いに重ならない位置にそれぞれ突出リブが設けられており、前記端子本体を回動させた際に、前記羽部が前記表面に設けられた前記突出リブ上を摺動すると共に、前記裏面に設けられた前記突出リブが前記端子本体の一面に圧接されることを特徴とするアンテナ端子装置。
【発明を実施するための形態】
【0016】
実施例1
以下に、本発明の実施例1に係るアンテナ端子装置の構成を
図1乃至
図8に基づいて説明する。本発明の実施例1に係るアンテナ端子装置は、
図1及び
図2に示すように入力コネクタ11と出力コネクタ12とを備える端子本体1と、該端子本体1が制限された角度内において回動可能に支持される端子取付枠2と、該端子取付枠2に取り付けられ上記端子本体1の回動可能な角度を制限する羽固定枠3と、上記端子取付枠2から突出する出力コネクタ12の周囲を覆うように上記端子取付枠2に取り付けられる化粧端子台4とから構成される。
【0017】
端子本体1の詳細構成を
図5(a)(b)(c)に示す。これらの図に示すように、端子本体1は、ほぼ直方体状の内部に収納空間を有する金属性のダイカストケース14と、ダイカストケース14の下面の後部から下方へ突出するよう設けられたテレビ信号が入力される同軸コネクタである円筒状の入力コネクタ11と、ダイカストケース14の前面から入力コネクタ11に対して略直角方向に突出するよう設けられた入力されたテレビ信号をテレビ側に出力する同軸コネクタである円筒状の出力コネクタ12とから構成されている。
【0018】
ダイカスト成形により箱形に形成された金属製(例えば、亜鉛合金製)のダイカストケース14は、ほぼ直方体状とされ、その一側面に開口部が形成されている。このダイカストケース14の開口部には金属製(例えば、アルミニウム合金製)のカバーが嵌着される。ダイカストケース14の下面からは入力コネクタ11の外部導体が一体的に突出するよう形成され、前面からは出力コネクタ12の外部導体が一体的に突出するよう形成されており、端子本体1は略L字状とされている。
【0019】
また、該ダイカストケース14の収納空間には、その厚み方向の中心部で、かつ後述する入力コネクタ11の端子部および出力コネクタ12の端子部が突出する位置に、略L字状に形成されたプリント基板が配設されている。このプリント基板の幅方向の略中心部には銅箔からなる配線パターンが形成されている。そして、配線パターンの中途には直流カット用のカップリングコンデンサが接続されている。そして、配線パターンの一端に入力コネクタ11の端子部が半田付けにより接続され、配線パターンの他端に出力コネクタの端子部が半田付けにより接続されている。これにより、入力コネクタ11と出力コネクタ12との間はほぼインピーダンス整合された伝送線路により接続されるようになる。なお、入力コネクタ11の端子部と配線パターンの一端との接続、出力コネクタ12の端子部と配線パターンの他端との接続は、半田付けに代えてバネコンタクトにより接続するようにしてもよい。
【0020】
入力コネクタ11および出力コネクタ12は円筒状の金属製の外部導体と、この外部導体内に同軸に中心導体を配置する絶縁筒体および中心導体とからなる。入力コネクタの外部導体は例えば亜鉛合金製などの金属製であり、その接続側先端部の外周面の一部に同軸プラグを螺着することができるねじ部が形成されている。該入力コネクタ11および出力コネクタ12の中心導体は真鍮やリン青銅などの金属板を折り曲げ加工して金メッキを施すことにより作製されており、この中心導体は樹脂製の絶縁筒体内に挿入されて、円筒状の外部導体の略中心に同軸となるように絶縁筒体が圧入されている。中心導体の端子部はダイカストケース14の収納空間内に突出し、収納空間に配設されているプリント基板に形成された配線パターンの端部に電気的に接続される。なお、入力コネクタ11および出力コネクタ12の外部導体はダイカストケース14の下面および前面に一体的に形成されている。
【0021】
図5(b)に羽部13の構成を拡大して示しており、この図に示すように羽部13は略矩形状とされ、出力コネクタ12の先端に設けられたねじ部よりダイカストケース14側であってダイカストケース14の前面から所定間隔おいた外部導体の外周面の両側にそれぞれ立設されて形成されている。一対の羽部13はダイカストケース14の前面と対面するように設けられる。出力コネクタ12を後述する端子取付枠2の出力コネクタ挿通孔21に挿通し、羽部13を切欠部22に挿通した後において、端子本体1を出力コネクタ12の略中心軸を回転軸として回動させる。すると、端子取付枠2の出力コネクタ挿通孔21の周囲の底面板が、羽部13とダイカストケース14の前面との間に挟持されて、端子本体1を端子取付枠2に回動可能に取り付けることができる。
【0022】
羽部13の形状としては
図5(b)に示すようにほぼ矩形状とされているが、後述する端子取付枠2の切欠部22から挿通することができ、出力コネクタ12と羽部13を端子取付枠2に挿通後、端子本体1を出力コネクタ軸上で回動させることで端子取付枠2の底面板を狭持し端子本体1と端子取付枠2を脱落することなく係合しうる形状であれば特に制限されるものではない。ここで、羽部13の形状としては例えば所定の厚みを有する矩形状、台形状、三角形状、扇状、円柱状などが選択される。また、羽部13の枚数としては羽部13からダイカストケース14までの距離、端子取付枠2の底面板の厚み、羽部13の摺動面の面積や厚さなどを勘案し、端子本体1を端子取付枠2に係合した際に脱落することなく係止できる枚数であればよく、1枚以上、端子本体1と端子取付枠2の係合を強固なものとすると共に回動可能な角度を確保する観点から2枚であることが好ましい。また、羽部13は部品数を削減することを目的として出力コネクタ12と一体に成型すること、取付時の利便性を考慮し羽部13の摺動面を曲面とすることが好ましい。
【0023】
端子取付枠2は、
図6に示すように矩形状の底面板と、底面板の四辺に形成された側板からなり、前面が開口された箱状とされている。底面板には、円形の出力コネクタ挿通孔21がほぼ中央に、出力コネクタ挿通孔21の外周縁に連接して対向するよう扇形の一対の切欠部22が形成されている。また、一対の切欠部22の間であって、出力コネクタ挿通孔21の外周縁の外側に沿って対向するよう裏面から突出して円弧状の一対の突出リブ23aが形成され、一対の切欠部22の間であって、この一対の突出リブ23aより外側であって出力コネクタ挿通孔21の外周縁に沿うよう表面から突出して円弧状の一対の突出リブ23bが対向するよう形成されている。さらに、切欠部22に隣接する出力コネクタ挿通孔21の外周縁の外側に沿って対向するよう表面から扇形に突出して設けられた一対の回動角度制限突起A24が形成されていると共に、突出リブ23a,23bの外側であって後述する羽固定枠3と係合するための矩形状の穴とされた一対のツメ受部A25が形成されている。また、端子取付枠2は、後述する化粧端子台4と係合するための左右の側板から後方へコ字状に突出して形成されたツメ受部B26と、左右の側板から両側に突出して形成されている壁面取付部27を有している。この端子取付枠2の材質としては絶縁性の素材であればよく、例えば合成樹脂などが用いられる。
【0024】
出力コネクタ挿通孔21は、
図6に示すように端子取付枠2の底面板の略中央部に設けられる端子本体1の出力コネクタ12を挿通させるための挿通孔であり、該出力コネクタ挿通孔21に連接して切欠部22が設けられている。出力コネクタ挿通孔21の内径は、出力コネクタ12の外径より若干大きく形成されている。
【0025】
切欠部22は、出力コネクタ挿通孔21に連接して設けられ、出力コネクタ12に設けられた羽部13を端子取付枠2に挿通させるための構造である。切欠部22の形状は羽部13を挿通させることができる形状であればどのような形状であってもよく、好ましくは羽部13を容易に挿通できる扇形の形状である。また、切欠部22の数も羽部13の数に合わせて選択され、羽部13の数は一つ以上であればよく、二つ以上設けられることが好ましい。そして、端子本体1の出力コネクタ12を出力コネクタ挿通孔21に挿通していき、羽部13を扇形の一対の切欠部22に挿通して、端子本体1を回転させることで、端子本体1を端子取付枠2に回動可能に挿通固定することができる。
【0026】
該出力コネクタ挿通孔21の周縁であって底面板の裏面には突出リブ23aが設けられ、底面板の表面には突出リブ23bが設けられている。端子取付枠2に回動可能に挿通固定された端子本体1を回動する際に、突出リブ23aの突出面が端子本体1の前面に圧接され、突出リブ23bの突出面が前記羽部13の後面に圧接されることで、端子取付枠2に取り付け後の端子本体1を出力コネクタ12の軸上で回動する際に摩擦抵抗が生じながら回動するようになる。この際に、突出リブ23a,23bが端子取付枠2の底面板の表面及び裏面に設置位置をずらして重ならないように設けられているため、端子本体1の前面に当接した突出リブ23aに対して突出リブ23bは突出リブ23aの高さ分だけ浮いた状態となり、突出リブ23b上に羽部13が当接した際に端子取付枠2の底面板がたわみ、適度な摩擦抵抗を羽部13と突出リブ23との間に生じさせることができると共に組み立て時にかかる力を低減できる(
図4参照)。そのため、本発明のアンテナ端子装置はO−リングを用いることなく回動する際に適度な摩擦抵抗を得ることができる。ここで突出リブ23bを羽部13と摺動させる構造であれば突出リブ23の形状は制限されるものではなく、例えば出力コネクタ挿通孔21の根元の周縁に円弧状、直線状、半球状などの形状の凸部からなる突出リブ23としても良い。また、突出リブ23a,23bは
図6に示すように端子取付枠2の底面板の表面及び裏面に設けているが、さらに端子取付枠2の表面及び裏面に突出リブ23a,23bのそれぞれを二重、三重に重ならないように設置位置をずらして設けるようにしてもよい。
【0027】
回動角度制限突起A24は、
図2及び
図6に示すように端子取付枠2の裏面から突出するように設けられる突起であり、該突起の側面に羽部13が当接することで出力コネクタ12軸上での壁面端子1の回動を制限する機能を奏するものである。ここで、回動角度制限突起Aの形状は特に扇形に制限されるものではなく、羽部13の回動を制限できる断面が矩形、三角形、多角形、円、楕円などの形状とすることができる。
【0028】
羽固定枠3と係合するためのツメ受部A25とは、後述する羽固定枠3に設けられたツメA33と端子固定枠2を係合させるための構造である。羽固定枠3には、先端に爪部が形成された一対のツメA33がそれぞれ形成されている。ツメA33の先端には、外面に形成された一段高くなる段差部と、この段差部から先端に行くほど尖る斜面とされたテーパ部とにより爪部が形成されている。ツメ受部A25は矩形状の穴とされ、この穴に挿入されたツメA33の先端の爪部における段差部が、ツメ受部A25の穴の出口の周縁に係合される。これにより、羽固定枠3が端子取付枠2内に固着されるようになる。
【0029】
化粧端子台4と係合するためのツメ受部B26とは、後述する化粧端子台4に設けられたツメB42と端子固定枠2を係合させるための構造である。化粧端子台4の両側には、先端に爪部が形成された一対のツメB42がそれぞれ形成されている。ツメB42の先端には、外面に形成された一段高くなる段差部と、この段差部から先端に行くほど尖る斜面とされたテーパ部とにより爪部が形成されている。ツメ受部B26はコ字状の形状とされ、内部の矩形状の縦長の係合孔に、ツメB42の爪部の段差部が係合される。ツメ受部B26及びツメB42の構造としては、端子取付枠2と化粧端子台4を一体に係止可能な構造であればよい。
【0030】
壁面取付部27は、
図6に示すように端子固定枠の左右の側板から両側に突出して形成される構造であり、壁面に設けられた埋め込み型スイッチボックスが備えるアンテナ端子装置100を固定する取付枠に、壁面取付部27の先端の突起を係合させることでアンテナ端子装置100を埋め込み型スイッチボックスに設置する構造である。
【0031】
羽固定枠3は、
図7に示すように上下が切り取られた円板からなる平板部と、平板部の左右の側面から後方へ突出するよう形成された一対の側板を有する構造である。羽固定枠3の平板部のほぼ中央には、円形の出力コネクタ挿通孔31が形成され、平板部の後面には扇形の一対の回動角度制限突起B32が形成されている。また、羽固定枠3の側板には先端に爪部が形成された一対のツメA33が形成されている。ツメA33の先端には、外面に形成された一段高くなる段差部と、段差部から先端に行くほど尖る斜面とされたテーパ部とにより爪部が形成されている。羽固定枠3は端子取付枠2の後面から端子取付枠2内に嵌入可能な大きさとされており、その材質としては絶縁性の素材であればよく、例えば合成樹脂などが用いられる。
【0032】
円形の出力コネクタ挿通孔31は、端子本体1の出力コネクタ12を挿通させるための挿通孔であり、
図7に示すように羽固定枠3の前面板の略中央部に設けられている。出力コネクタ挿通孔31の内径は、出力コネクタ12の外径より若干大きく形成されている。
【0033】
回動角度制限突起B32は羽固定枠3の後面から突出して設けられた突起であり、該回動角度制限突起B32が出力コネクタ12軸上での羽部13の回動を制限することにより端子本体1の回動角度を制限する機能を奏するものである。端子固定枠2のツメ受部A25に、羽固定枠3のツメA33を係合すると、端子本体1は前記回動角度制限突起A24と回動角度制限突起B32の間の角度範囲でのみ回動可能となる。また、回動角度制限突起B32の形状は扇形に特に制限されるものではないが、端子取付枠2に設けられた切欠部22と嵌合する形状とすることで、端子本体1の回動角度を制限できると共に、切欠部22を羽部13が通過することを阻止できることから、該端子本体1の脱落を防止することができる。回動角度制限突起B32の構造としては、例えば所定の厚みを有する扇状、角柱状、円柱状などであってもよい。
【0034】
ツメA33は、端子取付枠2に設けられた矩形状の穴とされるツメ受部A25と係合することで、羽固定枠3を端子取付枠2内に固定一体化する構造である。
【0035】
化粧端子台4は、
図8に示すように矩形状の前面板と、前面板の四辺に形成された側板からなる箱状構造とされている。前面板はほぼ中央部に設けられた円筒状の出力コネクタ保護壁41を備え、左右の側板には先端に爪部が形成された一対のツメB42が形成されている。ツメB42の先端には、外面に形成された一段高くなる段差部と、段差部から先端に行くほど尖る斜面とされたテーパ部とにより爪部が形成されている。化粧端子台4の材質としては絶縁性の素材であればよく、例えば合成樹脂などが用いられる。
【0036】
出力コネクタ保護壁41は、
図8に示すように化粧端子台4前面板の略中央部に設けられ、その底面に端子本体1の出力コネクタ12を挿通させるための断面円形の挿通孔が形成されている。出力コネクタ保護壁41は、その円筒状の内部に出力コネクタ12を位置させて保護することができ、出力コネクタ12に同軸プラグを装着した時の外径より一回り大きい内径とされている。
【0037】
ツメB42は、
図8に示すように化粧端子台4の左右の側面に設けられており、端子取付枠2に設けられたツメ受部B26に係合することで、化粧端子台4を端子取付枠2に固定一体化する構造とされている。
【0038】
以下に、本発明実施例1のアンテナ端子装置100の組み付け方を
図2(a)(b)を参照して説明する。
まず、羽部13を有する端子本体1の出力コネクタ12を端子取付枠2に設けられた出力コネクタ挿通孔21に挿通していき、次いで羽部13を端子取付枠2に設けられた切欠部22に挿通させた後、端子本体1を出力コネクタ軸上で回動させる。この回動の際に、羽部13の裏面が突出リブ23bの上面を摺動していき、ダイカストケース14の前面に突出リブ23aの上面が当接する。その後、羽固定枠3の出力コネクタ挿通孔31に出力コネクタ12を挿通しつつ、端子取付枠2のツメ受部A25に羽固定枠3のツメA33を係合させ、端子取付枠2の切欠部22に羽固定枠3の回動角度制限突起B32を嵌合させる。これにより、羽部13を有する端子本体1が端子取付枠2に設けられた回動角度制限突起A24と回動角度制限突起B32の間のみで回動するようになる。すなわち、端子本体1は羽部13の側面が回動角度制限突起A24あるいは回動角度制限突起B32の側面に当接するまで回動できるようになる。さらに、化粧端子台4の出力コネクタ保護壁41に形成された挿通孔に出力コネクタ12を挿通させていき、化粧端子台4のツメ部42を端子取付枠2のツメ受部B26に係合することにより、端子取付枠2に化粧端子台4が取り付けられるようになる。
【0039】
実施例2
本発明に係る実施例2のアンテナ端子装置200の構成を示す前面からの分解斜視図および後面からの分解斜視図を
図9に示す。これらの図に示すように、本発明の実施例2に係るアンテナ端子装置200は、入力コネクタ11と出力コネクタ12とを備える端子本体1と、該端子本体1が制限された角度内において回動可能に支持される端子取付枠5と、上記端子取付枠5から突出する出力コネクタ12の周囲を覆うように上記端子取付枠5に取り付けられる化粧端子台4とから構成される。実施例2のアンテナ端子装置200における端子本体1および化粧端子台4の構成は、実施例1のアンテナ端子装置100における端子本体1および化粧端子台4の構成と同様なので、その説明は省略する。また、実施例2の構成を示す正面図、側面図、下面図、前面からの斜視図、背面からの斜視図は
図1に示す各図と同様であり、実施例2の他の構成を示す正面図、背面図、下面図、前面からの斜視図、背面からの斜視図は
図3に示す各図と同様であるので省略する。
上述した実施例1においては、回動角度制限突起B32を有する羽固定枠3を端子取付枠2に取り付けることで羽部13を有する端子本体1の回動角度を制限すると共に端子本体1の端子取付枠2からの脱落を防止する態様を示した。実施例2においては、回動角度制限突起B32を有する羽固定枠3を省略しても同様の機能を奏することができるアンテナ端子装置200とされている。
【0040】
本発明の実施例2に係るアンテナ端子装置200は、
図9に示すように入力コネクタ11と出力コネクタ12とを備える端子本体1と、該端子本体1が制限された角度内において回動可能に支持される実施例1の端子取付枠2とは構成の異なる端子取付枠5と、この端子取付枠5から突出する出力コネクタ12の周囲を覆うように上記端子取付枠5に取り付けられる化粧端子台4から構成される。
【0041】
本発明の実施例2に係る端子取付枠5は
図9及び
図10に示すように矩形状の底面板と、底面板の四辺に形成された側板からなり、前面が開口された箱状とされている。底面板には、円形の出力コネクタ挿通孔51がほぼ中央に形成され、出力コネクタ挿通孔51の外周縁に連接して対向するよう設けられる矩形の一対の切欠部52と、この切欠部52から所定角度(たとえば、約60°)回転した位置であって出力コネクタ挿通孔51の外周縁に連接して対向するよう一対の細長い溝とが形成されている。また、切欠部52の一側に隣接する出力コネクタ挿通孔51の外周縁の外側に沿って対向するよう表面から突出して扇形の一対の回動角度制限突起54が形成されており、切欠部52と上記細長い溝との間に出力コネクタ挿通孔51の外周縁の外側に沿って対向するよう表面から突出して一対の弾性回動角度制限突起55が形成されている。さらに、上記細長い溝と回動角度制限突起54との間であって、出力コネクタ挿通孔51の外周縁の外側に沿って対向するよう裏面から突出する一対の円弧状の突出リブ53aと、上記細長い溝と回動角度制限突起54との間であって一対の突出リブ53aより外側に、出力コネクタ挿通孔51の外周縁に沿うよう表面から突出して円弧状の一対の突出リブ53bとが対向するよう形成されている。さらにまた、化粧端子台4と係合するための左右の側板から後方へコ字状に突出して形成されたツメ受部56と、左右の側板から両側に突出して形成されている壁面取付部57を有している。この端子取付枠5の材質としては絶縁性の素材であればよく、例えば合成樹脂などが用いられる。
【0042】
出力コネクタ挿通孔51は、
図10に示すように端子取付枠5の底面板の略中央部に設けられる端子本体1の出力コネクタ12を挿通させるための挿通孔であり、出力コネクタ挿入孔51に連接して切欠部52が設けられている。出力コネクタ挿通孔51の内径は、出力コネクタ12の外径より若干大きく形成されている。
【0043】
切欠部52は、出力コネクタ挿通孔51に連接して設けられ、出力コネクタ12に設けられた羽部13を端子取付枠5に挿通させるための構造である。切欠部52の形状は羽部13を挿通させることができる形状であればどのような形状であってもよく、好ましくは羽部13を容易に挿通できる矩形の形状である。また、切欠部52の数も羽部13の数に合わせて選択され、羽部13の数は1つ以上であればよく、2つ以上設けられることが好ましい。そして、切欠部52と細長い溝との間に後述する弾性回動角度制限突起55が設けられる。ここで、端子本体1の出力コネクタ12を出力コネクタ挿通孔51に挿通していき、羽部13を矩形の一対の切欠部52に挿通して、端子本体1を回転させると羽部13の側面が弾性回動角度制限突起55の斜面に当接して、端子本体1の回転に伴い弾性回動角度制限突起55が押し下げられることにより、羽部13が弾性回動角度制限突起55を乗り越えるようになる。弾性回動角度制限突起55の両側は切欠部52と細長い溝とされているので、弾性回動角度制限突起55は弾性的に変形するようになる。
【0044】
該出力コネクタ挿通孔51の周縁であって底面板の裏面には突出リブ53aが設けられ、底面板の表面には突出リブ53bが設けられている。端子取付枠5に回動可能に挿通固定された端子本体1を回動する際に、突出リブ53aの突出面が端子本体1の前面に圧接され、突出リブ53bの突出面が前記羽部13の後面に圧接されることで端子取付枠5に取り付け後の端子本体1を出力コネクタ12の軸上で回動する際に摩擦抵抗が生じながら回動するようになる。この際に、突出リブ53a,53bが端子取付枠5の底面板の表面及び裏面に設置位置をずらして重ならないように設けられているため、端子本体1の前面に当接した突出リブ53aに対して突出リブ53bは突出リブ53aの高さ分だけ浮いた状態となり、突出リブ53b上に羽部13が当接した際に端子取付枠5の底面板がたわみ、適度な摩擦抵抗を羽部13と突出リブ53bとの間に生じさせることができると共に組み立て時にかかる力を低減できる。そのため、本発明のアンテナ端子装置はO−リングを用いることなく回動する際に適度な摩擦抵抗を得ることができる。ここで突出リブ53bと羽部13を摺動させる構造であれば突出リブ53の構造は特段制限されるものではなく、例えば出力コネクタ挿通孔51の根元の周縁に円弧状、直線状、半球状などの形状の凸部からなる突出リブ53としても良い。また、突出リブ53a,53bは
図10に示すように端子取付枠5の底面板の表面及び裏面に設けているが、さらに端子取付枠5の表面及び裏面に突出リブ53a、53bのそれぞれを二重、三重に重ならないように設けるようにしてもよい。
【0045】
弾性回動角度制限突起55は、
図10乃至
図12に示す通り端子取付枠5の後面かつ切欠部52と細長い溝との間に設けられ、先端(切欠部52側)にいくほど厚みが薄くなり、後端が急斜面の段差部とされたくさび状の突起構造とされている。この弾性回動角度制限突起55の終端(細長い溝側)は急斜面の段差部とされていることから、羽部13が弾性回動角度制限突起55を逆側から乗り越えて切欠部52への戻りが防止され、回動角度を制限すると共に端子本体1の端子取付枠5からの脱落が防止される。ここで、切欠部52に羽部13を挿通したのち端子本体1を出力コネクタ軸上で回動させると、該弾性回動角度制限突起55の斜面に羽部13が当接して回動に伴い押し下げられ、羽部13が弾性回動角度制限突起55終端の急斜面の段差部を通過すると弾性回動角度制限突起55は元位置に復帰する(
図12参照)。羽部13が弾性回動角度制限突起55終端の急斜面の段差部を通過した後は、端子取付枠5を逆回転させた際に急斜面の段差部に羽部13が当接することで端子本体1の出力コネクタ12軸上での回動を制限すると共に、羽部13が切欠部52方向に戻り端子本体が脱落することを防止する機能を奏する。これにより、端子本体1は、回動角度制限突起54と弾性回動角度制限突起55との間だけで回動できるようになる。弾性回動角度制限突起55の形状は、羽部13が該突起を乗り越えた後の回動角度を制限し、端子本体1の戻りを防止してその脱落を防止できる構造であればよく、前記の構造に限定されるものではないが、羽部13の摺動面に合わせた曲面とすると羽部13が乗り越えやすくなるため好ましい。
【0046】
化粧端子台4と係合するためのツメ受部56は、後述する化粧端子台4に設けられたツメB42と端子固定枠5を係合させるための構造である。化粧端子台4の両側には、先端に爪部が形成された一対のツメB42がそれぞれ形成されている。ツメB42の先端には、外面に形成された一段高くなる段差部と、この段差部から先端に行くほど尖る斜面とされたテーパ部とにより爪部が形成されている。ツメ受部B26はコ字状の形状とされ、内部の矩形状の縦長の係合孔に、ツメB42の爪部の段差部が係合される。ツメ受部56及びツメB42の構造としては、端子取付枠5と化粧端子台4を一体に係止可能な構造であればよい。
【0047】
壁面取付部57は、
図10に示すように端子固定枠の左右の側板から両側に突出して形成される構造であり、壁面に設けられた埋め込み型スイッチボックスが備えるアンテナ端子装置200を固定する取付枠に、壁面取付部57の先端の突起を係合させることでアンテナ端子装置200を埋め込み型スイッチボックスに設置する構造である。
【0048】
以下に、本発明実施例2のアンテナ端子装置200の組み付け方を
図9(a)(b)、及び
図11、
図12を参照して説明する。
まず、羽部13を有する端子本体1の出力コネクタ12を端子取付枠5に設けられた出力コネクタ挿通孔51に挿通していき、次いで羽部13を端子取付枠5に設けられた切欠部52に挿通させた後、端子本体1を出力コネクタ軸上で回動させる。回動していくと、羽部13が弾性回動角度制限突起55を乗り越えて、羽部13の裏面が突出リブ53bの上面を摺動していき、ダイカストケース14の前面に突出リブ53aの上面が当接する。なお、羽部13の出力コネクタ軸上での回動により、端子取付枠5に設けられた弾性回動角度制限突起55は端子本体1のダイカストケース14側に押し下げられ、羽部13が弾性回動角度制限突起55の終端の急斜面の段差部を通過すると弾性回動角度制限突起55は端子本体1接続前の元位置に復帰する(
図12参照)。これにより、羽部13を有する端子本体1が端子取付枠5に設けられた回動角度制限突起54と弾性回動角度制限突起55の間のみで回動可能するようになる。さらに、化粧端子台4の出力コネクタ保護壁41に形成された挿通孔に出力コネクタ12を挿通させていき、化粧端子台4のツメ部42を端子取付枠5のツメ受部56に係合することにより、端子取付枠5に化粧端子台4が取り付けられるようになる。
【0049】
実施例3
本発明に係る実施例3の構成を示す正面図、側面図、下面図を
図13に示す。これらの図に示すように本発明の実施例3に係るアンテナ端子装置300は、入力コネクタ11と出力コネクタ12とを備える端子本体1と、出力コネクタ12の周囲を覆う出力コネクタ保護壁67を有し、該端子本体1を制限された角度内において回動可能に支持する端子取付枠6とから構成される。実施例3のアンテナ端子装置300は、実施例2の化粧端子台4の機能を端子取付枠6に備えさせることにより、端子本体1と端子取付枠6との2つの部品だけで構成できるようにされている。実施例3のアンテナ端子装置300における端子本体1の構成は、実施例1のアンテナ端子装置100における端子本体1の構成と同様なので、その説明は省略する。
【0050】
本発明の実施例3に係るアンテナ端子装置300は、
図13に示すように入力コネクタ11と出力コネクタ12とを備える端子本体1と、出力コネクタ12の周囲を覆う出力コネクタ保護壁67を有し該端子本体1を制限された角度内において回動可能に支持する端子取付枠6とから構成される。
【0051】
本発明の実施例3に係る端子取付枠6は
図14に示すように矩形状の化粧板と、化粧板の四辺に形成された側板からなる箱状の取付枠であり、外面側に表出する化粧板の略中央部に化粧板に連通する円筒状の出力コネクタ保護壁67が形成され、該出力コネクタ保護壁67の下端には円形の出力コネクタ挿通孔61をその略中央部に有する底面板が設けられている。出力コネクタ挿通孔61の外周縁に連接して対向するよう設けられる矩形の一対の切欠部62と、この切欠部62から所定角度(たとえば、約60°)回転した位置であって出力コネクタ挿通孔61の外周縁に連接して対向するよう一対の細長い溝とが形成されている。また、切欠部62の一側に隣接する出力コネクタ挿通孔61の外周縁の外側に沿って対向するよう化粧板側に突出して扇形の一対の回動角度制限突起64が形成されており、切欠部62と上記細長い溝との間に出力コネクタ挿通孔61の外周縁の外側に沿って対向するよう化粧板側に突出して一対の弾性回動角度制限突起65が形成されている。さらに、上記細長い溝と回動角度制限突起64との間であって、出力コネクタ挿通孔61の外周縁の外側に沿って対向するよう裏面から突出して円弧状の一対の突出リブ63aと、上記細長い溝と回動角度制限突起64との間であって一対の突出リブ63aより外側に、出力コネクタ挿通孔61の外周縁に沿うよう表面から化粧板側に突出して円弧状の一対の突出リブ63bとが対向するよう形成されている。さらにまた、左右の側板から両側に突出して形成されている壁面取付部66を有している。この端子取付枠6の材質としては絶縁性の素材であればよく、例えば合成樹脂などが用いられる。
【0052】
出力コネクタ挿通孔61は、
図14に示すように端子取付枠6の底面板の略中央部に設けられる端子本体1の出力コネクタ12を挿通させるための挿通孔であり、出力コネクタ挿入孔61に連接して切欠部62が設けられている。出力コネクタ挿通孔61の内径は、出力コネクタ12及び羽部13が挿通可能なような大きさで形成されている。
【0053】
切欠部62は、出力コネクタ挿通孔61に連接して設けられ、出力コネクタ12に設けられた羽部13を端子取付枠6に挿通させるための構造である。切欠部62の形状は羽部13を挿通させることができる形状であればどのような形状であってもよく、好ましくは羽部13を容易に挿通できる矩形の形状である。また、切欠部62の数も羽部13の数に合わせて選択され、羽部13の数は1つ以上であればよく、2つ以上設けられることが好ましい。そして、切欠部62と細長い溝との間に後述する弾性回動角度制限突起65が設けられる。ここで、端子本体1の出力コネクタ12を出力コネクタ挿通孔61に挿通していき、羽部13を矩形の一対の切欠部62に挿通して、端子本体1を回転させると羽部13の側面が弾性回動角度制限突起65の斜面に当接して、端子本体1の回転に伴い弾性回動角度制限突起65が押し下げられることにより、羽部13が弾性回動角度制限突起65を乗り越えるようになる。弾性回動角度制限突起65の両側は切欠部62と細長い溝とされているので、弾性回動角度制限突起65は弾性的に変形するようになる。
【0054】
該出力コネクタ挿通孔61の周縁であって底面板の裏面には突出リブ63aが設けられ、表面には突出リブ63bが設けられている。端子取付枠6に回動可能に挿通固定された端子本体1を回動する際に、突出リブ63aの突出面が端子本体1の前面に圧接され、突出リブ63bの突出面が前記羽部13の後面に圧接されることで端子取付枠6に取り付け後の端子本体1を出力コネクタ12の軸上で回動する際に摩擦抵抗が生じながら回動するようになる。この際に、突出リブ63a,63bが端子取付枠6の底面板の表面及び裏面に設置位置をずらして重ならないように設けられているため、端子本体1の前面に当接した突出リブ63aに対して突出リブ63bは突出リブ63aの高さ分だけ浮いた状態となり、突出リブ63b上に羽部13が当接した際に端子取付枠6の底面板がたわみ、適度な摩擦抵抗を羽部13と突出リブ63bとの間に生じさせることができると共に組み立て時にかかる力を低減できる。そのため、本発明のアンテナ端子装置はO−リングを用いることなく回動する際に適度な摩擦抵抗を得ることができる。ここで突出リブ63bと羽部13を摺動させる構造であれば突出リブ63の構造は特段制限されるものではなく、例えば出力コネクタ挿通孔61の根元の周縁に円弧状、直線状、半球状などの形状の凸部からなる突出リブ63としても良い。また、突出リブ63a,63bは
図14に示すように端子取付枠6の底面板の表面及び裏面に設けているが、さらに端子取付枠6の表面及び裏面に突出リブ63a、63bのそれぞれを二重、三重に重ならないように設けるようにしてもよい。
【0055】
弾性回動角度制限突起65は、
図14に示す通り、端子取付枠6の底面板の表面かつ切欠部62と細長い溝との間に設けられ、先端(切欠部62側)にいくほど厚みが薄くなり、後端が急斜面の段差部とされたくさび状の突起構造とされている。この弾性回動角度制限突起65の終端(細長い溝側)は急斜面の段差部とされていることから、羽部13が弾性回動角度制限突起65を逆側から乗り越えて切欠部62への戻りが防止され、回動角度を制限すると共に端子本体1の端子取付枠6からの脱落が防止される。ここで、切欠部62に羽部13を挿通したのち端子本体1を出力コネクタ12軸上で回動させると、該弾性回動角度制限突起65の斜面に羽部13が当接して回動に伴い押し下げられ、羽部13が弾性回動角度制限突起65終端の急斜面の段差部を通過すると弾性回動角度制限突起65は元位置に復帰する(
図16参照)。羽部13が弾性回動角度制限突起65終端の急斜面の段差部を通過した後は、端子取付枠6を逆回転させた際に急斜面の段差部に羽部13が当接することで端子本体1の出力コネクタ12軸上での回動を制限すると共に、羽部13が切欠部62方向に戻り端子本体が脱落することを防止する機能を奏する。これにより、端子本体1は、回動角度制限突起64と弾性回動角度制限突起65との間だけで回動できるようになる。弾性回動角度制限突起65の形状は、羽部13が該突起を乗り越えた後の回動角度を制限し、端子本体1の戻りを防止してその脱落を防止できる構造であればよく、前記の構造に限定されるものではないが、羽部13の摺動面に合わせた曲面とすると羽部13が乗り越えやすくなるため好ましい。
【0056】
壁面取付部66は、
図14に示すように端子固定枠の左右の側板から両側に突出して形成される構造であり、壁面に設けられた埋め込み型スイッチボックスが備えるアンテナ端子装置300を固定する取付枠に、壁面取付部66の先端の突起を係合させることでアンテナ端子装置300を埋め込み型スイッチボックスに設置する構造である。
【0057】
出力コネクタ保護壁67は、
図14(c)及び(e)に示すように端子取付枠6の化粧板の略中央部に位置し化粧板に連通する円筒状の保護壁であり、該出力コネクタ保護壁67の下端には出力コネクタ12を挿通させるための円形の出力コネクタ挿通孔61をその略中央部に有する底面板が設けられている。出力コネクタ保護壁67は、端子取付枠6に端子本体1を取り付けた際に出力コネクタ12を保護する構造である。出力コネクタ保護壁67の内径は、出力コネクタ12に同軸プラグを装着した時の外径より一回り大きい内径であればよく、その形状は円筒状、四角柱などの構造であってもよいが、円筒状が好ましい。また、出力コネクタ保護壁67の高さは、出力コネクタ12の長さと略同一であることが好ましく、その内径は、出力コネクタ12の外径と2枚の羽部13の高さを足し合わせた長さより若干大きく形成されることが好ましい。
【0058】
以下に、本発明実施例3のアンテナ端子装置300の組み付け方を
図15、
図16を参照して説明する。
まず、羽部13を有する端子本体1の出力コネクタ12を端子取付枠6に設けられた出力コネクタ挿通孔61に挿通していき、次いで羽部13を端子取付枠6に設けられた切欠部62に挿通させた後、端子本体1を出力コネクタ軸上で回動させる。回動していくと、羽部13が弾性回動角度制限突起65を乗り越えて、羽部13の裏面が突出リブ63bの上面を摺動していき、ダイカストケース14の前面に突出リブ63aの上面が当接する。なお、羽部13の出力コネクタ軸上での回動により、端子取付枠6に設けられた弾性回動角度制限突起65は端子本体1のダイカストケース14側に押し下げられ、羽部13が弾性回動角度制限突起65の終端の急斜面の段差部を通過すると弾性回動角度制限突起65は端子本体1接続前の元位置に復帰する(
図16参照)。これにより、羽部13を有する端子本体1が端子取付枠6に設けられた回動角度制限突起64と弾性回動角度制限突起65の間のみで回動可能するようになる。また、取付後の出力コネクタ12は出力コネクタ保護壁67により保護されるため、その他の出力コネクタ12を保護する部品を必要とせず安全に壁面に取り付けることが可能となる。