(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6338495
(24)【登録日】2018年5月18日
(45)【発行日】2018年6月6日
(54)【発明の名称】表示装置及び表示装置製造方法
(51)【国際特許分類】
G06F 1/16 20060101AFI20180528BHJP
H05K 5/02 20060101ALI20180528BHJP
【FI】
G06F1/16 312T
H05K5/02 B
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-190646(P2014-190646)
(22)【出願日】2014年9月19日
(65)【公開番号】特開2016-62374(P2016-62374A)
(43)【公開日】2016年4月25日
【審査請求日】2017年7月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000166247
【氏名又は名称】古野電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118784
【弁理士】
【氏名又は名称】桂川 直己
(72)【発明者】
【氏名】村上 研一
(72)【発明者】
【氏名】土肥 大悟
【審査官】
白石 圭吾
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−106618(JP,A)
【文献】
特開2000−071145(JP,A)
【文献】
実開昭61−037528(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/16
H05K 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する表示パネルと、
前記表示パネルが取り付けられる第1取付面と、その反対側に位置する第2取付面と、が形成されており、前記第1取付面に取り付けられた前記表示パネルの一部を覆う表示側筐体と、
前記表示パネルに画像を表示する制御を行うメイン基板と、
前記表示側筐体の前記第2取付面に取り付けられ、当該表示側筐体とともに、少なくとも前記メイン基板を覆う制御側筐体と、
前記表示側筐体及び前記制御側筐体のうち、前記表示側筐体のみに取り付けられ、前記表示パネル、前記表示側筐体、及び前記制御側筐体を支持する支持台と、
を備え、
前記表示側筐体には、前記第2取付面から前記表示パネルの反対側へ突出する突出部が形成されており、
前記突出部には、前記支持台が取り付けられる支持台取付部が形成されていることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の表示装置であって、
前記突出部は、前記第2取付面の端部から突出するように形成されていることを特徴とする表示装置。
【請求項3】
請求項2に記載の表示装置であって、
前記制御側筐体のうち前記表示パネルの前記突出部に対応する位置には、当該突出部を通すための切欠きが形成されていることを特徴とする表示装置。
【請求項4】
請求項1から3までの何れか一項に記載の表示装置であって、
前記表示側筐体には、表示パネル基板が配置され、
前記表示側筐体は、前記表示パネルのハードウェアに関する制御を行うことを特徴とする表示装置。
【請求項5】
請求項1から4までの何れか一項に記載の表示装置であって、
前記表示側筐体に前記支持台が取り付けられる部分において、前記支持台が前記表示側筐体よりも外側に位置していることを特徴とする表示装置。
【請求項6】
画像を表示する表示パネルの一部を覆うように、当該表示パネルを表示側筐体の第1取付面に取り付ける表示パネル取付工程と、
前記表示パネルに画像を表示する制御を行うメイン基板を、前記表示側筐体と制御側筐体とで覆うように、前記第1取付面の反対側に位置する第2取付面に前記制御側筐体を取り付ける制御側筐体取付工程と、
前記表示パネル、前記表示側筐体、及び前記制御側筐体を支持する支持台を、前記表示側筐体及び前記制御側筐体のうち前記表示側筐体のみに取り付ける支持台取付工程と、
を含み、
前記表示側筐体には、前記第2取付面から前記表示パネルの反対側へ突出する突出部が形成されており、
前記突出部には、前記支持台が取り付けられる支持台取付部が形成されており、
前記支持台取付工程では、前記表示側筐体の前記支持台取付部に前記支持台が取り付けられることを特徴とする表示装置製造方法。
【請求項7】
請求項6に記載の表示装置製造方法であって、
前記表示パネル取付工程、前記制御側筐体取付工程、及び前記支持台取付工程では、複数種類の制御側筐体に対応可能な構成の前記表示パネル及び前記表示側筐体が用いられることを特徴とする表示装置製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として、支持台に支持される表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、表示側筐体と、制御側筐体と、支持台と、を備える表示装置が知られている。表示側筐体は、表示画面を露出させつつ表示パネル(液晶パネル等)を覆う部材である。制御側筐体は、表示側筐体の裏面に取り付けられ、各種の制御を行う基板を覆う部材である。支持台は、制御側筐体に取り付けられ、表示側筐体及び制御側筐体を所定の傾きで支持する部材である。
【0003】
ここで、既存の表示装置を改良したり、新たな表示装置を開発したりする場合、新たな機能が追加されるに伴って基板の形状が変化したり、基板に新たな部品が取り付けられる。また、基板の配置又は外部インタフェースが変化することもある。そのため、表示装置の改良時又は新規開発時には、制御側筐体を新たに設計する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−77677号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の表示装置において支持台は制御側筐体に取り付けられていたため、制御側筐体の形状が変化した場合、それに合わせて支持台を新たに設計する必要がある。また、新たに設計した支持台を製造するために、新たに金型を作成する必要がある。更に、支持台の取付方法が従来から変化するため、作業者が覚える作業が増えるため、作業者にとっても負担となる。
【0006】
ここで、特許文献1は、液晶パネルのサイズが変更された場合であっても、この液晶パネルに応じた液晶パネルホルダを用いることで、外装パネルの変更を必要としない構成のデジタルカメラを開示する。しかし、特許文献1はデジタルカメラに関する技術であるため、支持台に関しては開示も示唆もされていない。
【0007】
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その主要な目的は、支持台を備えた表示装置において、制御側筐体の形状が変わった場合であっても、支持台に掛かるコストの増加を抑制する表示装置を提供することにある。
【0008】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
【0009】
本発明の第1の観点によれば、以下の構成の表示装置が提供される。即ち、この表示装置は、表示パネルと、表示側筐体と、メイン基板と、制御側筐体と、支持台と、を備える。前記表示パネルは、画像を表示する。前記表示側筐体には、前記表示パネルが取り付けられる第1取付面と、その反対側に位置する第2取付面と、が形成されている。前記表示側筐体は、前記第1取付面に取り付けられた前記表示パネルの一部を覆う。前記メイン基板は、前記表示パネルに画像を表示する制御を行う。前記制御側筐体は、前記表示側筐体の前記第2取付面に取り付けられ、当該表示側筐体とともに、少なくとも前記メイン基板を覆う。前記支持台は、前記表示側筐体及び前記制御側筐体のうち、前記表示側筐体のみに取り付けられ、前記表示パネル、前記表示側筐体、及び前記制御側筐体を支持する。
また、前記表示側筐体には、前記第2取付面から前記表示パネルの反対側へ突出する突出部が形成されている。前記突出部には、前記支持台が取り付けられる支持台取付部が形成されている。
【0010】
これにより、支持台が制御側筐体ではなく表示側筐体に取り付けられるので、表示装置の改良又は新規開発により制御側筐体の外形の形状が変化した場合であっても、同じ支持台を用いることができる。そのため、支持台を新たに製造する必要がないため、表示装置の改良等に掛かるコストを抑えることができる。また、表示装置を改良等しても支持台の取付作業が変わらないため、作業者の負担を軽減できる。
また、表示側筐体の突出部に支持台取付部が形成されていることで、表示装置の支持箇所を重心に近くすることができるので、表示装置を安定的に支持できる。
【0013】
前記の表示装置においては、前記突出部は、前記第2取付面の端部から突出するように形成されていることが好ましい。
【0014】
これにより、制御側筐体が第2取付面の大部分を占める場合であっても、第2取付面に突出部(支持台取付部)を形成することができる。
【0015】
前記の表示装置においては、前記制御側筐体のうち前記表示パネルの前記突出部に対応する位置には、当該突出部を通すための切欠きが形成されていることが好ましい。
【0016】
これにより、第2取付面と制御側筐体の大きさが略等しい場合であっても、第2取付面に突出部(支持台取付部)を形成することができる。
【0017】
前記の表示装置においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記表示側筐体には、表示パネル基板が配置される。前記表示側筐体は、前記表示パネルのハードウェアに関する制御を行う。
【0018】
これにより、表示側筐体の内部に配置される基板(表示パネル基板)で画像に関する処理を行わないため、メイン基板や制御側筐体を改良した場合において、支持台及び表示側筐体だけでなく表示パネル及び表示パネル基板を使いまわすことができる。従って、表示装置の改良等に掛かるコストを一層抑えることができる。
【0019】
前記の表示装置においては、前記表示側筐体に前記支持台が取り付けられる部分において、前記支持台が前記表示側筐体よりも外側に位置していることが好ましい。
【0020】
これにより、支持台を取り付けるときに制御側筐体が邪魔になることがないので、取付作業をスムーズに行うことができる。
【0021】
本発明の第2の観点によれば、以下の表示装置製造方法が提供される。即ち、この表示装置製造方法は、表示パネル取付工程と、制御側筐体取付工程と、支持台取付工程と、を含む。前記表示パネル取付工程では、画像を表示する表示パネルの一部を覆うように、当該表示パネルを表示側筐体の第1取付面に取り付ける。前記制御側筐体取付工程では、前記表示パネルに画像を表示する制御を行うメイン基板を、前記表示側筐体と制御側筐体とで覆うように、前記第1取付面の反対側に位置する第2取付面に前記制御側筐体を取り付ける。前記支持台取付工程では、前記表示パネル、前記表示側筐体、及び前記制御側筐体を支持する支持台を、前記表示側筐体及び前記制御側筐体のうち前記表示側筐体のみに取り付ける。
前記表示側筐体には、前記第2取付面から前記表示パネルの反対側へ突出する突出部が形成されている。前記突出部には、前記支持台が取り付けられる支持台取付部が形成されている。前記支持台取付工程では、前記表示側筐体の前記支持台取付部に前記支持台が取り付けられる。
【0022】
これにより、支持台が制御側筐体ではなく表示側筐体に取り付けられるので、表示装置の改良又は新規開発により制御側筐体の外形の形状が変化した場合であっても、表示装置の改良等に掛かるコストを抑えることができる。
また、表示側筐体の突出部に支持台取付部が形成されていることで、表示装置の支持箇所を重心に近くすることができるので、表示装置を安定的に支持できる。
【0023】
前記の表示装置製造方法においては、前記表示パネル取付工程、前記制御側筐体取付工程、及び前記支持台取付工程では、複数種類の制御側筐体に対応可能な構成の前記表示パネル及び前記表示側筐体が用いられることが好ましい。
【0024】
これにより、メイン基板や制御側筐体を改良した場合において、支持台だけでなく表示パネル及び表示側筐体を使いまわすことができるので、表示装置の改良等に掛かるコストを一層抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の一実施形態に係る表示装置の斜視図。
【
図4】表示装置本体に支持台を取り付ける様子を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
次に、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。初めに、
図1及び
図2を参照して、本実施形態の表示装置1について説明する。
【0027】
表示装置1は、図略の舶用機器(レーダ装置、魚群探知機、航法装置等)と接続されており、これらの舶用機器で生成された画像を表示画面に表示する装置である。
図1に示すように、表示装置1は、表示装置本体5と、表示装置本体5を支持する支持台40と、を備えている。また、表示装置本体5は、表示パネル10と、表示側筐体20と、制御側筐体30と、を備えている。
【0028】
表示パネル10は、舶用機器で生成された画像を表示するための表示画面11を備えている。また、表示パネル10は、タッチスクリーン機能を備えた液晶パネルとして構成されている。なお、表示パネル10は液晶パネルに限られず、例えば有機ELパネル又はプラズマディスプレイパネルであっても良い。また、タッチスクリーン機能を有していなくても良い。なお、表示画面11の近傍には電源キー12が配置されている。
【0029】
表示側筐体20の内部には、
図2に示すように、表示パネル基板51と、電源キー基板52と、が配置されている。表示パネル基板51は、表示パネル10の制御、特に表示パネル10に配置されるハードウェアの制御を行う。具体的には、表示パネル基板51は、表示パネル10のバックライトの明るさ又は点灯の有無等に関する制御、及び、表示パネル10に行われたタッチ操作を検出する等の制御を行う。電源キー基板52は、電源キー12が押されたことを検出可能である。
【0030】
制御側筐体30の内部には、電源基板53と、メイン基板54と、が配置されている。電源基板53は、外部の電源から電力が供給される。電源基板53は、外部の電源から供給された電力を、電圧等を調整した後に、メイン基板54へ供給する。メイン基板54に供給された電力は、一部がメイン基板54で消費され、残りは表示パネル10及び表示パネル基板51等へ出力される。
【0031】
メイン基板54は、表示装置1を構成する各基板及び表示パネル10と電気的に接続されている。メイン基板54には、上述の舶用機器から画像信号等が入力される。メイン基板54は、ROM等で構成される記憶部と、CPU等で構成される制御部と、を備える。記憶部には表示画面11に画像を表示する表示プログラムが記憶されている。制御部は、記憶部に記憶された表示プログラムをRAM等に呼び出して実行することで、例えば画像を生成して、表示画面11に画像を表示する。また、メイン基板54は、ユーザがタッチスクリーンに対して行った操作に基づいて、表示する画像を切り替えたり分割したりして表示する等の制御を行う。
【0032】
このように、本実施形態の表示装置1では、画像の表示内容に関する制御は表示パネル基板51ではなくメイン基板54で行われる。また、表示パネル基板51は、表示パネル10のハードウェアに関する制御のみを行う。従って、本実施形態では、表示装置1が改良されてソフトウェアとしての新たな機能が追加された場合は、表示パネル10、表示パネル基板51、電源キー基板52をそのまま用いることができる。
【0033】
次に、
図3及び
図4を参照して、表示装置1の機械的構成及び組立方法について説明する。
【0034】
図3に示すように、表示装置本体5を組み立てる際には、表示パネル10の裏側(表示画面11の反対側)に、表示側筐体20、制御側筐体30の順に取り付けられる。なお、表示装置本体5を構成する各部(筐体及び基板)を取り付ける順番は任意である。例えば、表示パネル10に、各基板、表示側筐体20、及び制御側筐体30を適宜の順番で積み上げるように取り付けても良い。また、表示側筐体20及び制御側筐体30にそれぞれ基板を取り付けた後に、表示パネル10に表示側筐体20を取り付け、その後、表示側筐体20に制御側筐体30を取り付けても良い。
【0035】
図3に示すように、表示側筐体20は、表示パネル取付部21と、制御側筐体取付部25と、を備えている。表示パネル取付部21は、表示側筐体20の表側(表示画面11側)の部分である。表示パネル取付部21には、第1取付面22が形成されている。第1取付面22には、例えば接着剤等を用いて表示パネル10が取り付けられる。
【0036】
制御側筐体取付部25は、表示パネル取付部21から裏側に突出する枠状の部材である。制御側筐体取付部25には、第2取付面26が形成されている。なお、第2取付面26は、第1取付面22の裏側(反対側)に位置する面である。第2取付面26には、複数の取付孔27が形成されている。
【0037】
また、第2取付面26には、第2取付面26から略垂直に(表示パネル10の反対側に)突出するように2つの突出部28が形成されている。表示画面11の横方向(
図3の左右方向)を単に「横方向」、表示画面11の縦方向(
図3の略上下方向)を単に「縦方向」と称したときに、突出部28は、第2取付面26の横方向の両端部であって、第2取付面26の縦方向の中央部に形成されている。2つの突出部28には、それぞれ肉抜き部28aと、支持台取付孔(支持台取付部)28bと、が形成されている。肉抜き部28aは、突出部28の内側の先端部分に形成されている。支持台取付孔28bは、軸方向が横方向と一致している貫通孔である。
【0038】
制御側筐体30は、表示側筐体取付部31と、カバー部35と、を備えている。表示側筐体取付部31は、制御側筐体30の表側に位置する部分であり、制御側筐体30の縁を構成する平板状の部分である。表示側筐体取付部31には、突出部28に対応する位置に切欠き32が形成されている。換言すれば、切欠き32は、表示側筐体取付部31の横方向の両端部であって、表示側筐体取付部31の縦方向の中央部に形成されている。従って、制御側筐体30を表示側筐体20に取り付けたときに、突出部28は切欠き32を通る。これにより、第2取付面26と表示側筐体取付部31の大きさが略等しいにもかかわらず、第2取付面26に突出部28を形成することができる。
【0039】
また、表示側筐体取付部31には、複数の取付孔33が形成されている。取付孔33と取付孔27の位置を合わせてネジを挿入して締め付けることで、制御側筐体30が表示側筐体20に取り付けられる。これにより、表示装置本体5の組立てが完了する。
【0040】
カバー部35は、表示側筐体取付部31から更に裏側に突出するように形成された箱状の部分である。カバー部35の内部には空間が形成されており、この空間に電源基板53及びメイン基板54等が位置する。
【0041】
次に、
図4に示すように、表示装置本体5に支持台40が取り付けられる。支持台40は、ベース部41と、一対のアーム部42と、補強部45と、を備えている。
【0042】
ベース部41は、表示装置1の使用時において所定の位置に載置される平板状の部分である。ベース部41の長手方向の両端部には、当該ベース部41から略垂直に立ち上がるように一対のアーム部42が形成されている。
【0043】
一対のアーム部42は、基端部がベース部41に接続されるとともに、その反対側の先端部には筐体取付凹部43が形成されている。一対の筐体取付凹部43と、表示側筐体20の一対の支持台取付孔28bと、を合わせて取付具44を挿入して締め付けることで、表示装置本体5に支持台40が取り付けられる。このように本実施形態では、支持台40が表示装置本体5を横方向から挟み込むようにして支持する。なお、取付具44を緩めて表示装置本体5を所定の角度にして、取付具44を再び締め付けることで、表示装置本体5の向き(チルト角)を調整することができる。
【0044】
また、取付けが完了した状態(
図1)において、突出部28よりもアーム部42の方が外側に位置している。このような取付構造を採用する場合、支持台40を取り付ける際に制御側筐体30が邪魔になることがないので、取付作業をスムーズに行うことができる。
【0045】
補強部45は、一対のアーム部42の背面側同士を接続するように、かつ、アーム部42に近づく程、高さが高くなるように形成されている。補強部45は、アーム部42を補強するため等に設けられている。
【0046】
従来の表示装置では、支持台は、表示側筐体ではなく制御側筐体に取り付けられていた。そのため、機能の追加等によってメイン基板の形状や配置される部品が変更になり制御側筐体の形状が変わった場合、それに応じて支持台を新たに製造する必要があった。
【0047】
この点、本実施形態では、制御側筐体30ではなく表示側筐体20に支持台40が取り付けられる。更に、表示パネル基板51は表示パネル10のハードウェアに関する制御しか行わないため、複数種類のメイン基板54に対応可能である。従って、本実施形態の表示パネル10、及び表示側筐体20(内部の表示パネル基板51等を含む)は、改良等により形状が変化した制御側筐体30にも問題なく取り付けることができる。そのため、表示装置1の改良等に伴うコストの増加を抑えることができる。
【0048】
なお、従来では、表示側筐体の裏表方向の長さ(奥行き)が短い場合、支持台を取り付けることが困難という事情があった。更に、制御側筐体は裏表方向の長さが長いため、表示側筐体に支持台を取り付けられたとしても、重心から離れた位置で表示装置本体を支持することになってしまう。
【0049】
この点、本実施形態では、表示側筐体20から裏側に突出させた突出部28に支持台40が取り付けられるため、表示側筐体20の裏表方向の長さが短いにもかかわらず、表示側筐体20に支持台40を取り付けることができる。また、突出部28に支持台40を取り付けることで、表示装置本体5の支持箇所を重心に近くすることができるので、表示装置本体5を安定的に支持できる。
【0050】
以上に示したように、本実施形態の表示装置1は、表示パネル10と、表示側筐体20と、メイン基板54と、制御側筐体30と、支持台40と、を備える。表示パネル10は、画像を表示可能である。表示側筐体20には、表示パネル10が取り付けられる第1取付面22と、その反対側に位置する第2取付面26と、が形成されており、第1取付面22に取り付けられた表示パネル10の一部を覆う。メイン基板54は、表示パネル10に画像を表示する制御を行う。制御側筐体30は、表示側筐体20の第2取付面26に取り付けられ、当該表示側筐体20とともに、少なくともメイン基板54を覆う。支持台40は、表示側筐体20及び制御側筐体30のうち、表示側筐体20のみに取り付けられ、表示パネル10、表示側筐体20、及び制御側筐体30を支持する。
【0051】
これにより、支持台40が表示側筐体20に取り付けられるので、表示装置1の改良又は新規開発により制御側筐体30の外形の形状が変化した場合であっても、同じ支持台40を用いることができる。そのため、表示装置1の改良等に掛かるコストを抑えることができる。また、表示装置1を改良等しても支持台40の取付作業が変わらないため、作業者の負担を軽減できる。
【0052】
以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
【0053】
支持台取付孔28bの位置は任意であり、適宜変更することができる。例えば、上記の実施形態では第2取付面26の横方向の両端部に支持台取付孔28b形成されているが、縦方向の両端部に支持台取付孔28bが形成されていても良い。なお、例えば表示側筐体20が大きい場合は、端部ではなく少し中央よりに突出部28及び支持台取付孔28bを形成しても良い。また、支持台取付孔28bは、突出部28ではなく、表示側筐体20の側面(第1取付面22と第2取付面26に垂直な面)に取り付けられていても良い。
【0054】
表示装置本体5と支持台40の取付方法は、取付具44を用いる方法に限られず、適宜変更することができる。例えば、表示側筐体20に取付金具を取り付け、当該取付金具を介して支持台40が取り付けられていても良い。この場合、取付金具の位置は、任意であり、例えば表示側筐体20の下側にのみ取り付けられていても良い。
【0055】
上記の実施形態では、電源基板53とメイン基板54とを別の基板で構成しているが、両方の機能を備えた1枚の基板を用いても良い。
【0056】
本発明の表示装置は、船舶用に限られず、例えば他の移動体のナビゲーション装置及びパーソナルコンピュータ等、様々な機器に適用することができる。
【符号の説明】
【0057】
1 表示装置
10 表示パネル
11 表示画面
20 表示側筐体
22 第1取付面
26 第2取付面
28 突出部
28b 支持台取付孔(支持台取付部)
30 制御側筐体
32 切欠き
40 支持台
42 アーム部