特許第6338511号(P6338511)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6338511
(24)【登録日】2018年5月18日
(45)【発行日】2018年6月6日
(54)【発明の名称】熱量導出装置及び熱量導出設備
(51)【国際特許分類】
   G01N 25/00 20060101AFI20180528BHJP
   G01N 29/024 20060101ALI20180528BHJP
   G01N 33/22 20060101ALI20180528BHJP
【FI】
   G01N25/00 Z
   G01N29/024
   G01N33/22 E
【請求項の数】3
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-227265(P2014-227265)
(22)【出願日】2014年11月7日
(65)【公開番号】特開2016-90481(P2016-90481A)
(43)【公開日】2016年5月23日
【審査請求日】2017年6月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000103574
【氏名又は名称】株式会社オーバル
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】赤尾 雅嗣
(72)【発明者】
【氏名】輪玉 信大
【審査官】 福田 裕司
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−185885(JP,A)
【文献】 特開2013−210344(JP,A)
【文献】 特表2004−514138(JP,A)
【文献】 特表2011−502250(JP,A)
【文献】 特開2004−092402(JP,A)
【文献】 特開昭55−006117(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0078912(US,A1)
【文献】 国際公開第2011/096799(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 25/00
G01N 29/024
G01N 33/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め発熱量が判明している組成の異なる複数のサンプルガス夫々の音速と温度と圧力との関係指標としての音速−温度−圧力関係指標を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶される複数の前記音速−温度−圧力関係指標から、測定対象ガス通流部の測定対象ガスの温度及び圧力における、音速と発熱量との関係指標として求まる音速−発熱量関係指標を生成する指標生成手段と、
前記測定対象ガス通流部を通流する測定対象ガスの音速と、前記指標生成手段にて生成された前記音速−発熱量関係指標とに基づいて前記測定対象ガスの発熱量を求める発熱量導出手段とを備える発熱量導出装置であって、
前記記憶部は、前記音速−温度−圧力関係指標として、
C=(α1・P2+α2・P+α3)T2+(α4・P2+α5・P+α6)T+
(α7・P2+α8・P+α9
なる回帰式を、従属変数Cを前記サンプルガス中の音速とし、独立変数Pを前記サンプルガスの圧力とし、独立変数Tを前記サンプルガスの温度とし、α1とα2とα3とα4とα5とα6とα7とα8とα9を係数として記憶すると共に、前記係数を前記サンプルガスの複数の異なる発熱量夫々につき記憶する熱量導出装置。
【請求項2】
予め発熱量が判明している組成の異なる複数のサンプルガス夫々の音速と温度と圧力との関係指標としての音速−温度−圧力関係指標を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶される複数の前記音速−温度−圧力関係指標から、測定対象ガス通流部の測定対象ガスの温度及び圧力における、音速と発熱量との関係指標として求まる音速−発熱量関係指標を生成する指標生成手段と、
前記測定対象ガス通流部を通流する測定対象ガスの音速と、前記指標生成手段にて生成された前記音速−発熱量関係指標とに基づいて前記測定対象ガスの発熱量を求める発熱量導出手段とを備える発熱量導出装置であって、
前記記憶部は、前記音速−温度−圧力関係指標として、
C=(α10・P2+α11・P+α12)T2+(α13・P2+α14・P+α15)T+
(α16・P2+α17・P+α18)+α19・P3
なる回帰式を、従属変数Cを前記サンプルガス中の音速とし、独立変数Pを前記サンプルガスの圧力とし、独立変数Tを前記サンプルガスの温度とし、α10とα11とα12とα13とα14とα15とα16とα17とα18とα19を係数として記憶すると共に、前記係数を前記サンプルガスの複数の異なる発熱量夫々につき記憶する熱量導出装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の熱量導出装置を備え、
測定対象ガス通流部を通流する測定対象ガスの温度を測定する測定対象ガス温度測定手段と、前記測定対象ガス通流部を通流する前記測定対象ガスの圧力を測定する測定対象ガス圧力測定手段と、前記測定対象ガス通流部を通流する前記測定対象ガスの音速を測定する測定対象ガス音速測定手段とを備え、
前記指標生成手段が、前記記憶部に記憶される複数の前記音速−温度−圧力関係指標から、前記測定対象ガス温度測定手段にて測定される温度と前記測定対象ガス圧力測定手段にて測定される圧力における、音速と発熱量との関係指標として求まる音速−発熱量関係指標を生成する熱量導出設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、予め発熱量が判明している組成の異なる複数のサンプルガス夫々の音速と温度と圧力との関係指標としての音速−温度−圧力関係指標から、測定対象ガス通流部の測定対象ガスの温度及び圧力における、音速と発熱量との関係指標として求まる音速−発熱量関係指標を生成する指標生成手段と、前記測定対象ガス通流部を通流する測定対象ガスの音速と、前記指標生成手段にて生成された前記音速−発熱量関係指標とに基づいて前記測定対象ガスの発熱量を求める発熱量導出手段とを備える熱量導出装置、及び当該熱量導出装置を備えた熱量導出設備に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、都市ガス製造プラント等のガス製造設備として、各家庭等のガス需要部へ供給する製品ガスを、所望の発熱量に調整した状態で供給するものが知られている。(特許文献1を参照)。
当該特許文献1に開示のガス製造設備では、例えば、ベースガスとしての天然ガスを通流するベースガス通流路と、ベースガス通流路を通流するベースガスの流量を計測するベースガス流量計測器と、熱量調整ガス(増熱用ガス)としての石油ガスを通流する熱量調整ガス通流路と、熱量調整ガス通流路を通流する熱量調整ガスの流量を計測する熱量調整ガス流量計測器と、熱量調整ガス通流路を通流する熱量調整ガスの流量を調整する流量調整弁と、ベースガス通流路と熱量調整ガス通流路との接続部の下流側(測定対象ガス通流部)でベースガスに熱量調整ガスが混合された後の製品ガスの発熱量を導出する熱量導出装置と、熱量導出装置にて導出された発熱量に基づいて流量調整弁の弁開度を調整して製品ガスの発熱量を所望の発熱量へ調整する制御装置とを備えている。
即ち、当該ガス製造設備では、熱量導出装置にて導出された熱量が製品ガスの目標発熱量よりも高い場合、制御装置は、流量調整弁の開度を閉じ側へ制御して、熱量調整ガス(増熱用ガス)としての石油ガスの流量を減少して、製品ガスの発熱量を低下させる制御を実行し、熱量導出装置にて導出された熱量が製品ガスの目標発熱量よりも低い場合、制御装置は、流量調整弁の開度を開き側へ制御して、熱量調整ガス(増熱用ガス)としての石油ガスの流量を増加して、製品ガスの発熱量を増加させる制御を実行する。当該制御を実行することにより、製品ガスの発熱量が目標発熱量へ近づくことになる。
【0003】
ここで、熱量導出装置としては、予め発熱量が判明している組成の異なる複数のサンプルガス夫々の音速と温度と圧力との関係指標としての音速−温度−圧力関係指標を記憶する記憶部と、当該記憶部に記憶される複数の音速−温度−圧力関係指標から、測定対象ガス通流部を通流する測定対象ガスの温度及び圧力における、音速と発熱量との関係指標として求まる音速−発熱量関係指標を生成する指標生成手段と、測定対象ガス通流部を通流する測定対象ガスの音速と、指標生成手段にて生成された音速−発熱量関係指標とに基づいて測定対象ガスの発熱量を求める発熱量導出手段とを備えて構成されている。
説明を追加すると、特許文献1に開示の技術にあっては、音速−温度−圧力関係指標は、当該特許文献1の〔図3〕に示されるように、音速が圧力をパラメータとして温度の一次関係式で表されるものと仮定している。従って、記憶部には、特許文献1の〔表2〕に示すように、当該音速と温度の一次関係の係数a、bを、サンプルガスの発熱量毎、圧力毎に求め、それらの値が記憶されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3611416号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に開示の熱量導出装置に示される音速−温度−圧力関係指標は、音速が温度の一次式で表されると仮定し、当該一次式を、サンプルガスの発熱量毎、圧力毎に求めて記憶しているため、細かい圧力に対するデータを記憶しようとすると、そのデータ量が膨大なデータ量となり、当該膨大なデータの取得に伴う手間が大きくなるという問題があった。
一方、細かい圧力に対するデータを記憶しない場合、記憶していない圧力に関しては、記憶している圧力に基づいて補間する必要があるため、当該補間したデータが多くなると、当該熱量導出装置から出力される値の誤差が大きくなるという問題があった。例えば、上記特許文献1に開示の技術において、圧力1.5MPa、温度23℃のときに、音速400m/secの発熱量を導出する場合、まずもって、23℃における1MPaでの音速−温度データ(特許文献1で図3に示されるデータ)と2MPaでの音速−温度データ(特許文献1で図3に示されるデータ)とを線形補間する形態で、23℃における1.5MPaの音速を導出し、その後、導出された音速と発熱量との関係から音速−発熱量関係指標(特許文献1で図4に示すグラフ)を生成し、発熱量を導出する必要であった。
【0006】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、シンプルな装置構成を維持しながらも、精度良く発熱量を導出することが可能な熱量導出装置、及び熱量導出設備を提供することになる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明の熱量導出装置は、
予め発熱量が判明している組成の異なる複数のサンプルガス夫々の音速と温度と圧力との関係指標としての音速−温度−圧力関係指標を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶される複数の前記音速−温度−圧力関係指標から、測定対象ガス通流部の測定対象ガスの温度及び圧力における、音速と発熱量との関係指標として求まる音速−発熱量関係指標を生成する指標生成手段と、
前記測定対象ガス通流部を通流する測定対象ガスの音速と、前記指標生成手段にて生成された前記音速−発熱量関係指標とに基づいて前記測定対象ガスの発熱量を求める発熱量導出手段とを備える発熱量導出装置であって、その特徴構成は、
前記記憶部は、前記音速−温度−圧力関係指標として、
C=(α1・P2+α2・P+α3)T2+(α4・P2+α5・P+α6)T+
(α7・P2+α8・P+α9)・・・〔式1〕
なる回帰式を、従属変数Cを前記サンプルガス中の音速とし、独立変数Pを前記サンプ
ルガスの圧力とし、独立変数Tを前記サンプルガスの温度とし、α1とα2とα3とα4とα5とα6とα7とα8とα9を係数として記憶すると共に、前記係数を前記サンプルガスの複数の異なる発熱量夫々につき記憶する点にある。
【0008】
即ち、発明者らは、熱量導出装置として、記憶部に記憶される音速−温度−圧力関係指標として、上述の〔式1〕に示ように、発熱量毎に、音速が温度の二次式と圧力の二次式とに相関を持つ関数で表されるものと仮定し、その係数α1とα2とα3とα4とα5とα6とα7とα8とα9を、サンプルガスの複数の異なる発熱量夫々につき記憶するものを考案した。
これにより、記憶部には、複数の異なる発熱量毎に上記〔式1〕の係数を保持するため、測定対象ガスを測定する温度と圧力が判明した場合、指標生成手段は、複数の異なる発熱量毎に、上記〔式1〕に判明した温度と圧力を入力して音速を導出し、導出した音速と発熱量との関係を回帰分析することで、音速−発熱量関係指標を生成できる。そして、熱量導出装置は、測定対象ガス通流部を通流する測定対象ガスの音速と、指標生成手段が生成した音速−発熱量関係指標とに基づいて、測定対象ガスの発熱量を導出する。
当該熱量導出装置によれば、記憶部には、発熱量毎に、上記〔式1〕を記憶しておけば良いから、不要に多いデータを記憶部に記憶する必要がなくなる。更に、測定対象ガスを測定する温度と圧力がどのような値であっても、その値を〔式1〕に入力すれば、その温度及び圧力における音速と発熱量との関係が精度良く得られる。即ち、従来の特許文献1に開示の技術の如く、音速の導出工程において、線形補間をする必要がなくなるから、発熱量を導出する際の誤差を低減できる。
上記発明者らが考案した熱量導出装置に基づいて、測定対象ガス(発熱量:39.94MJ〜49.7MJまでの9種類のガス)の発熱量を導出した結果を図2、3、4に示す。図2、3は、圧力と温度を変動させた場合の発熱量の誤差を示すものであり、図2は、複数の温度(図2では、0℃、10℃、20℃、30℃、40℃、50℃)において、横軸に圧力を縦軸に発熱量の誤差をとったグラフ図であり、図3は、複数の圧力(図3では、1MPa、2MPa、3MPa、4MPa、5MPa、6MPa、7MPa、8MPa、9MPa、10MPa)において、横軸に温度を縦軸に発熱量の誤差をとったグラフ図である。また、図4は、複数の温度及び圧力において導出した発熱量の誤差の分布を示すものである。各グラフにおいて、測定データ数は、540(9種類のガス×6温度×10圧力)である。
当該試験結果によれば、特に、図4から、測定対象のガスの発熱量に対する演算により導かれる発熱量の誤差の分布が、誤差の許容範囲である『−0.2MJ≦誤差≦0.2MJ』の範囲内に、約90%収めることができていることがわかる。
以上から、本発明によれば、シンプルな装置構成を維持しながらも、精度良く発熱量を導出することが可能な熱量導出装置を実現できる。
【0009】
上記目的を達成するための本発明の熱量導出装置は、
予め発熱量が判明している組成の異なる複数のサンプルガス夫々の音速と温度と圧力との関係指標としての音速−温度−圧力関係指標を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶される複数の前記音速−温度−圧力関係指標から、測定対象ガス通流部の測定対象ガスの温度及び圧力における、音速と発熱量との関係指標として求まる音速−発熱量関係指標を生成する指標生成手段と、
前記測定対象ガス通流部を通流する測定対象ガスの音速と、前記指標生成手段にて生成された前記音速−発熱量関係指標とに基づいて前記測定対象ガスの発熱量を求める発熱量導出手段とを備える発熱量導出装置であって、その特徴構成は、
前記記憶部は、前記音速−温度−圧力関係指標として、
C=(α10・P2+α11・P+α12)T2+(α13・P2+α14・P+α15)T+
(α16・P2+α17・P+α18)+α19・P3・・・〔式2〕
なる回帰式を、従属変数Cを前記サンプルガス中の音速とし、独立変数Pを前記サンプルガスの圧力とし、独立変数Tを前記サンプルガスの温度とし、α10とα11とα12とα13とα14とα15とα16とα17とα18とα19を係数として記憶すると共に、前記係数を前記サンプルガスの複数の異なる発熱量夫々につき記憶する点にある。
【0010】
本願の発明者らは、音速−温度−圧力関係指標として、以下の〔式2〕に示すように、音速が温度の二次式と圧力の三次式とで表すことができることを新たに見出した。
特に、本願の発明者らは、上記〔式2〕において、圧力の三次項に関しては、温度とは独立した項とすること、即ち、圧力の三次項と温度の二次項との積(P3・T2の項)及び圧力の三次項と温度の一次項との積(P3・Tの項)を含めないことにより、当該〔式2〕に基づいて導出される発熱量の誤差を低減できることを見出した。
本発明の熱量導出装置を用いて、測定対象ガス(発熱量:39.94MJ〜49.7MJまでの9種類のガス)の発熱量を導出した結果を図5、6、7に示す。図5、6は、圧力と温度を変動させた場合の発熱量の誤差を示すものであり、図5は、複数の温度(図5では、0℃、10℃、20℃、30℃、40℃、50℃)において、横軸に圧力を縦軸に発熱量の誤差をとったグラフ図であり、図6は、複数の圧力(図6では、1MPa、2MPa、3MPa、4MPa、5MPa、6MPa、7MPa、8MPa、9MPa、10MPa)において、横軸に温度を縦軸に発熱量の誤差をとったグラフ図である。また、図7は、複数の温度及び圧力において導出した発熱量の誤差の分布を示すものである。各グラフにおいて、測定データ数は、540(9種類のガス×6温度×10圧力)である。
図5、6から、本発明の熱量導出装置によれば、比較的広範な圧力範囲(1MPa〜10MPa)、及び比較的広範な温度範囲(0℃〜50℃)において、導出する発熱量の誤差を比較的小さいものに抑えられていることがわかる。更に、図7から、測定対象のガスの発熱量に対する演算により導かれる発熱量の誤差の分布を誤差の許容範囲である『−0.2MJ≦誤差≦0.2MJ』の範囲に、すべて収められており、図4に示した2次式の場合に比べて、誤差を低減できていることがわかる。
以上から、本発明によれば、シンプルな装置構成を維持しながらも、精度良く発熱量を導出することが可能な熱量導出装置を実現できる。
【0011】
上記目的を達成するための本発明の熱量導出設備の特徴構成は、これまで説明した熱量導出装置を備え、
測定対象ガス通流部を通流する測定対象ガスの温度を測定する測定対象ガス温度測定手段と、前記測定対象ガス通流部を通流する前記測定対象ガスの圧力を測定する測定対象ガス圧力測定手段と、前記測定対象ガス通流部を通流する前記測定対象ガスの音速を測定する測定対象ガス音速測定手段とを備え、
前記指標生成手段が、前記記憶部に記憶される複数の前記音速−温度−圧力関係指標から、前記測定対象ガス温度測定手段にて測定される温度と前記測定対象ガス圧力測定手段にて測定される圧力における、音速と発熱量との関係指標として求まる音速−発熱量関係指標を生成する点にある。
【0012】
上記特徴構成によれば、上述した熱量導出装置に加え、測定対象ガス通流部を通流する測定対象ガスの温度、圧力、音速の夫々を測定する手段を備えることで、例えば、都市ガス製造プラント等のガス製造設備に備えられる熱量導出設備を、シンプルな装置構成を維持しながらも、精度良く発熱量を導出することができるものとできる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】熱量導出装置及び熱量導出設備を含むガス製造設備の概略構成図
図2】複数の圧力及び温度で、第1実施形態の熱量導出装置により導出した発熱量の誤差を示すグラフ図
図3】複数の圧力及び温度で、第1実施形態の熱量導出装置により導出した発熱量の誤差を示すグラフ図
図4】複数の圧力及び温度で、第1実施形態の熱量導出装置により導出した発熱量の誤差の分布を示すグラフ図
図5】複数の圧力及び温度で、第2実施形態の熱量導出装置により導出した発熱量の誤差を示すグラフ図
図6】複数の圧力及び温度で、第2実施形態の熱量導出装置により導出した発熱量の誤差を示すグラフ図
図7】複数の圧力及び温度で、第2実施形態の熱量導出装置により導出した発熱量の誤差の分布を示すグラフ図
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態に係る熱量導出装置100及び熱量導出設備200を図面に基づいて説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る熱量導出装置100及び熱量導出設備200を備えた都市ガス製造プラント等のガス製造設備300の概略構成図である。
ガス製造設備300は、各家庭等のガス需要部(図示せず)へ供給する製品ガスを、所望の発熱量に調整して供給するものであり、ベースガスとしての天然ガスを液体状態で貯留する天然ガス貯留槽21と、当該天然ガス貯留槽21から供給される天然ガスを通流するベースガス通流路L2と、当該ベースガス通流路L2で天然ガス貯留槽21からの供給直後の液化天然ガスと熱媒(例えば、海水)とを熱交換する形態で天然ガスを気化する液化天然ガス気化器22と、当該液化天然ガス気化器22の下流側でベースガス通流路L2を通流するベースガスの流量を計測するベースガス流量計測器23と、熱量調整ガス(増熱用ガス)としての石油ガスを液体状態で貯留する石油ガス貯留槽11と、当該石油ガス貯留槽11から供給される石油ガスを通流する熱量調整ガス通流路L1と、当該熱量調整ガス通流路L1で石油ガス貯留槽11から供給された直後の液化石油ガスと熱媒(例えば、海水)とを熱交換する形態で石油ガスを気化する液化石油ガス気化器12と、当該液化石油ガス気化器12の下流側で熱量調整ガス通流路L1を通流する石油ガスの流量を制御する流量調整弁13と、当該熱量調整ガス通流路L1を通流する石油ガスの流量を計測する熱量調整ガス流量計測器14とを備えている。
ベースガス通流路L2でベースガス流量計測器23の下流側部位と、熱量調整ガス通流路L1で流量調整弁13及び熱量調整ガス流量計測器14の下流側部位とが接続されており、当該接続部位にて、ベースガスとしての天然ガスに熱量調整ガスとしての石油ガスが混合され、製品ガスが生成される。
更に、ベースガス通流路L2で、熱量調整ガス通流路L1との接続部位の下流側流路L3には、当該下流側流路L3を通流する製品ガスの発熱量Qを導出する熱量導出設備200が設けられている。尚、当該熱量導出設備200は、導出した製品ガスの発熱量Qに基づいて、製品ガスの発熱量Qを調整する熱量調整機能をも有するものである。
【0015】
以下、当該熱量導出設備200につき、説明を追加する。
当該熱量導出設備200は、下流側流路L3(測定対象ガス通流路の一例)を通流する製品ガス(測定対象ガスの一例)の音速を測定可能な超音波計測器30(測定対象ガス音速測定手段の一例)と、下流側流路L3を通流する製品ガスの温度を測定する温度計32と、下流側流路L3を通流する製品ガスの圧力を測定する圧力計33と、当該超音波計測器30と温度計32と圧力計33との計測結果に基づいて、製品ガスの発熱量Qを導出可能な熱量導出装置100とから構成されている。
【0016】
〔超音波計測器30〕
超音波計測器30は、一対の超音波送受信器31a、31bと、当該一対の超音波送受信器31a、31bの計測結果に基づいて、製品ガス中を伝播する超音波の音速を導出する音速導出部C5とから構成されている。
一対の超音波送受信器31a、31bは、その詳細な図示は省略するが、当該一対の超音波送受信器31a、31bから送受信される超音波が下流側流路L3を斜めに横断するように配置されている。ここで、一対の超音波送受信器31a、31bは、下流側流路L3の流路軸Zに沿う方向で異なる位置に配設されており、両者間を伝播する超音波は、下流側流路L3を通流する製品ガスの流速vの影響を受ける。このため、超音波の伝播時間は、上流側から下流側へ伝播される超音波の逆方向伝播時間T21が長くなり、上流側から下流側へ伝播する超音波の順方向伝播時間T12が短くなる状態で、計測される。
【0017】
当該逆方向伝播時間T21、順方向伝播時間T12は、製品ガスの流速をv、超音波の伝播距離を2L、下流側流路L3の流路軸Zと超音波の成す角度(図1に示す角度)をθ、超音波の音速をCとする場合、以下の〔式3〕、〔式4〕で表される。
T12=2L/(C−vcosθ)・・・〔式3〕
T21=2L/(C+vcosθ)・・・〔式4〕
当該〔式3〕、〔式4〕は、超音波の音速C、製品ガスの流速vのみが未知変数であるため、音速導出部C5は、両者を連立することにより、超音波の音速Cを導出することができる。
【0018】
〔熱量導出装置〕
熱量導出装置100は、超音波計測器30にて導出された下流側流路L3を伝播する超音波の音速Cと、温度計32にて計測された下流側流路L3を通流する製品ガスの温度と、圧力計33にて計測された下流側流路L3を通流する製品ガスの圧力とに基づいて、製品ガスの発熱量Qを導出可能に構成されている。
説明を追加すると、熱量導出装置100は、予め発熱量が判明している組成の異なる複数のサンプルガス夫々の音速と温度と圧力との関係指標としての音速−温度−圧力関係指標を記憶する記憶部C3と、当該記憶部C3に記憶される複数の音速−温度−圧力関係指標から、下流側流路L3の製品ガスの温度及び圧力における、音速と発熱量との関係指標として求まる音速−発熱量関係指標を生成する指標生成手段C4と、超音波計測器30にて計測される製品ガスの音速Cと、指標生成手段C4にて生成された音速−発熱量関係指標とに基づいて製品ガスの発熱量Qを求める発熱量導出手段C2と、当該発熱量導出手段C2にて導出された製品ガスの発熱量Qに基づいて、熱量調整ガスの供給量を調整する熱量調整手段C1とを備えて構成されている。
当該熱量導出装置100の熱量調整手段C1、発熱量導出手段C2、記憶部C3、指標生成手段C4の夫々は、複数の半導体集積装置等から成るハードウェア群と、当該ハードウェア群と協働して機能するソフトウェア群とから構成されている。
【0019】
本発明の第2実施形態に係る熱量導出装置100は、記憶部C3が、音速−温度−圧力関係指標として、以下の〔式1〕を記憶している。
【0020】
C=(α1・P2+α2・P+α3)T2+(α4・P2+α5・P+α6)T+
(α7・P2+α8・P+α9)・・・〔式1〕
【0021】
上記〔式1〕において、従属変数Cはサンプルガス中の音速であり、独立変数Pはサンプルガスの圧力であり、独立変数Tはサンプルガスの温度であり、α1とα2とα3とα4とα5とα6とα7とα8とα9は係数である。
つまり、本発明の第1実施形態に係る熱量導出装置100にあっては、〔式1〕において、音速Cが、温度Tの二次、及び圧力Pの二次の式で表される形態で、記憶部C3に記憶している。
【0022】
ここで、サンプルガス中の音速は、サンプルガスの圧力Pと温度Tに依存して変動するものであるが、その依存関係は、サンプルガスの発熱量Q(サンプルガスのガスの組成)に応じて異なる。
そこで、記憶部C3は、上記〔式1〕を記憶する際、サンプルガスの発熱量Q毎に、α1とα2とα3とα4とα5とα6とα7とα8とα9の係数を記憶している。
【0023】
ここで、サンプルガスの発熱量Q毎のα1とα2とα3とα4とα5とα6とα7とα8とα9の値を導出する導出環境、導出方法について説明する。
下流側流路L3に、特定の発熱量Qに調整されたサンプルガスを、所定の流量(例えば、0.1m/sec)で通流させている環境で、下流側流路L3の圧力Pと温度Tとを変動させ、音速C、圧力P、及び温度Tを測定する。これにより、特定の発熱量Qにおいて、圧力Pと温度Tと音速Cとの組が複数計測される。
このようにして、計測された圧力Pと温度Tと音速Cとの組の複数を、〔式1〕に入力して、得られた〔式1〕を回帰分析する形態で、特定の発熱量Qにおける〔式1〕の係数α1とα2とα3とα4とα5とα6とα7とα8とα9を決定する。
同様の処理を、複数の発熱量Qに対して実行し、複数の発熱量Qにおける係数α1とα2とα3とα4とα5とα6とα7とα8とα9を決定する。
【0024】
次に、指標生成手段C4は、発熱量Qが未知で測定対象の製品ガスが下流側流路L3に通流されている状態で、温度計32にて計測される温度T、及び圧力計33にて計測される圧力Pを得、当該温度T及び圧力Pを、記憶部C3に記憶されている音速−温度−圧力関係指標としての複数の〔式1〕に入力し、「発熱量Qと音速Cとの値の組」を得る。
【0025】
指標生成手段C4は、例えば、発熱量Qと音速Cとが、以下の〔式5〕に示すような関係にあると仮定し、当該〔式5〕に、「発熱量Qと音速Cとの組」を入力して得られた関係を回帰分析することで、係数α21とα22とα23を導出し、音速−発熱量関係指標を得る。
Q=α21・C2+α22・C+α23・・・〔式5〕
【0026】
発熱量導出手段C2は、実際に発熱量Qを導出する製品ガスが下流側流路L3に通流されている状態で超音波計測器30にて計測される音速Cを、指標生成手段C4にて生成された音速−発熱量関係指標に入力する形態で、製品ガスの発熱量Qを導出する。
【0027】
熱量調整手段C1は、発熱量導出手段C2にて導出された製品ガスの発熱量と、例えば図示しない入力部から入力された製品ガスの目標発熱量とを比較し、導出した製品ガスの発熱量Qが目標発熱量からずれている場合、熱量調整ガスの流量を調整するべく、流量調整弁13の開度を調整する。
熱量調整手段C1は、導出した製品ガスの発熱量Qと目標発熱量との差と、ベースガス流量計測器23にて計測されるベースガスの流量と、熱量調整ガス流量計測器14にて計測される熱量調整ガスの流量とに基づいて、流量調整弁13の開度を調整する。これにより、製品ガスの発熱量Qが目標発熱量に調整される。
【0028】
次に、本発明の実施形態に係る熱量導出装置100及び熱量導出設備200を用いて、製品ガス(発熱量:39.94MJ〜49.7MJまでの9種類のガス)の発熱量を導出した結果を図2、3、4に示す。図2、3は、圧力と温度を変動させた場合の発熱量の誤差を示すものであり、図2は、複数の温度(図2では、0℃、10℃、20℃、30℃、40℃、50℃)において、横軸に圧力を縦軸に発熱量の誤差をとったグラフ図であり、図3は、複数の圧力(図3では、1MPa、2MPa、3MPa、4MPa、5MPa、6MPa、7MPa、8MPa、9MPa、10MPa)において、横軸に温度を縦軸に発熱量の誤差をとったグラフ図である。また、図4は、複数の温度及び圧力において導出した発熱量の誤差の分布を示すものである。各グラフにおいて、測定データ数は、540(9種類のガス×6温度×10圧力)である。
当該試験結果によれば、特に、図4から、測定対象のガスの発熱量に対する演算により導かれる発熱量の誤差の分布が、誤差の許容範囲である『−0.2MJ≦誤差≦0.2MJ』の範囲内に、約90%収めることができていることがわかる。
【0029】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る熱量導出装置100及び熱量導出設備200につき、説明する。ただし、第1実施形態に係る熱量導出装置100及び熱量導出設備200と同一の構成に関しては、第1実施形態と同一の符号を付すこととし、その説明を割愛することがある。
本発明の第2実施形態に係る熱量導出装置100は、記憶部C3が、音速−温度−圧力関係指標として、以下の〔式2〕を記憶している。
【0030】
C=(α10・P2+α11・P+α12)T2+(α13・P2+α14・P+α15)T+
(α16・P2+α17・P+α18)+α19・P3・・・〔式2〕
【0031】
上記〔式2〕において、従属変数Cはサンプルガス中の音速であり、独立変数Pはサンプルガスの圧力であり、独立変数Tはサンプルガスの温度であり、α10とα11とα12とα13とα14とα15とα16とα17とα18とα19は係数である。
つまり、本発明の第2実施形態に係る熱量導出装置100にあっては、〔式2〕において、音速Cが、温度Tの二次、及び圧力Pの三次の式で表されると仮定し、特に、圧力Pの三次項に関しては、温度Tに依存しない圧力Pの三次項のみを含む形態(T・P3、T2・P3の項は、含まない形態)で記憶している。
【0032】
ここで、サンプルガス中の音速は、サンプルガスの圧力Pと温度Tに依存して変動するものであるが、その依存関係は、サンプルガスの発熱量Q(サンプルガスのガスの組成)に応じて異なる。
そこで、記憶部C3は、上記〔式2〕を記憶する際、以下の〔表1〕に例示するように、サンプルガスの発熱量Q毎に、α10とα11とα12とα13とα14とα15とα16とα17とα18とα19の係数を記憶している。
【0033】
【表1】
即ち、当該〔表1〕の例の場合、9つの異なる発熱量Qの夫々に対応する形態で、α10とα11とα12とα13とα14とα15とα16とα17とα18とα19を記憶している。即ち、〔式2〕としては、9つの関係式が記憶されることになる。
【0034】
ここで、〔表1〕に示される値を導出する導出環境、導出方法について説明する。
下流側流路L3に、特定の発熱量Qに調整されたサンプルガスを、所定の流量(例えば、0.1m/sec)で通流させている環境で、下流側流路L3の圧力Pと温度Tとを変動させ、音速C、圧力P、及び温度Tを測定する。これにより、特定の発熱量Qにおいて、圧力Pと温度Tと音速Cとの組が複数計測される。
このようにして、計測された圧力Pと温度Tと音速Cとの組の複数を、〔式2〕に入力して、得られた〔式2〕を回帰分析する形態で、特定の発熱量Qにおける〔式2〕の係数α10とα11とα12とα13とα14とα15とα16とα17とα18とα19を決定する。
同様の処理を、複数の発熱量Qに対して実行し、〔表1〕の値を得る。
【0035】
次に、指標生成手段C4は、発熱量Qが未知で測定対象の製品ガスが下流側流路L3に通流されている状態で、温度計32にて計測される温度T、及び圧力計33にて計測される圧力Pを得、当該温度T及び圧力Pを、記憶部C3に記憶されている音速−温度−圧力関係指標としての9つの〔式2〕に入力し、例えば以下の〔表2〕に示す発熱量Qと音速Cとの値の組を得る。
【0036】
【表2】
【0037】
指標生成手段C4は、例えば、発熱量Qと音速Cとが、以下の〔式6〕に示すような関係にあると仮定し、当該〔式6〕に〔表2〕に示される発熱量Qと音速Cとの組を入力して得られた関係を回帰分析することで、係数α24とα25とα26を導出し、音速−発熱量関係指標を得る。
Q=α24・C2+α25・C+α26・・・〔式6〕
【0038】
発熱量導出手段C2は、実際に発熱量Qを導出する製品ガスが下流側流路L3に通流されている状態で超音波計測器30にて計測される音速Cを、指標生成手段C4にて生成された音速−発熱量関係指標に入力する形態で、製品ガスの発熱量Qを導出する。
【0039】
熱量調整手段C1は、発熱量導出手段C2にて導出された製品ガスの発熱量と、例えば図示しない入力部から入力された製品ガスの目標発熱量とを比較し、導出した製品ガスの発熱量Qが目標発熱量からずれている場合、熱量調整ガスの流量を調整するべく、流量調整弁13の開度を調整する。
熱量調整手段C1は、導出した製品ガスの発熱量Qと目標発熱量との差と、ベースガス流量計測器23にて計測されるベースガスの流量と、熱量調整ガス流量計測器14にて計測される熱量調整ガスの流量とに基づいて、流量調整弁13の開度を調整する。これにより、製品ガスの発熱量Qが目標発熱量に調整される。
【0040】
次に、本発明の第2実施形態に係る熱量導出装置100及び熱量導出設備200を用いて、製品ガス(発熱量:39.94MJ〜49.7MJまでの9種類のガス)の発熱量Qを導出した結果を図5、6、7に示す。図5、6は、圧力Pと温度Tを変動させた場合の発熱量Qの誤差を示すものであり、図5は、複数の温度T(図5では、0℃、10℃、20℃、30℃、40℃、50℃)において、横軸に圧力Pを縦軸に発熱量Qの誤差をとったグラフ図であり、図6は、複数の圧力P(図6では、1MPa、2MPa、3MPa、4MPa、5MPa、6MPa、7MPa、8MPa、9MPa、10MPa)において、横軸に温度Tを縦軸に発熱量Qの誤差をとったグラフ図である。また、図7は、複数の温度T及び圧力Pにおいて導出した発熱量Qの誤差の分布を示すものである。各グラフにおいて、測定データ数は、540(9種類のガス×6温度×10圧力)である。
図5、6から、本発明の第2実施形態に係る熱量導出装置100及び熱量導出設備200によれば、比較的広範な圧力範囲(1MPa〜10MPa)、及び比較的広範な温度範囲(0℃〜50℃)において、導出する発熱量Qの誤差を比較的小さいものに抑えられていることがわかる。更に、図7から、測定対象のガスの発熱量に対する演算により導かれる発熱量Qの誤差の分布を、誤差の許容範囲である『−0.2MJ≦誤差≦0.2MJ』の範囲に、すべて収められていることがわかる。
【0041】
<別実施形態>
(1)上記実施形態では、ベースガスとして天然ガスを、熱量調整ガス(増熱用ガス)として石油ガスを用いる例を示したが、別に他の各種ガスを用いられているガス製造設備300においても、本発明の熱量導出装置100及び熱量導出設備200は、有効に利用可能である。
例えば、ベースガスとしてバイオガスを採用している場合等であっても、本発明を有効に利用することができる。
【0042】
(2)上記実施形態では、熱量導出装置100が、ガス製造設備300の熱量調整ガスの流量を調整する形態で、製品ガスの発熱量Qを調整する熱量調整手段C1を備える構成例を示した。しかしながら、熱量導出装置100は、当該熱量調整手段C1を含まない構成であっても構わない。
即ち、本願にあっては、熱量導出装置100として、熱量調整手段C1を含まない構成で、測定対象ガスの発熱量のみを導出する装置も、権利範囲に含むものである。
また、熱量導出設備200にあっても、熱量調整手段C1を含まない構成で、測定対象ガスの発熱量のみを導出する装置も、権利範囲に含むものである。
【0043】
尚、上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明の熱量導出装置及び熱量導出設備は、シンプルな装置構成を維持しながらも、精度良く発熱量を導出することが可能な熱量導出装置、及び熱量導出設備として、有効に利用可能である。
【符号の説明】
【0045】
30 :超音波計測器
32 :温度計
33 :圧力計
100 :熱量導出装置
200 :熱量導出設備
C :音速
C1 :熱量調整手段
C2 :発熱量導出手段
C3 :記憶部
C4 :指標生成手段
L3 :下流側流路
P :圧力
Q :発熱量
T :温度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7