(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ウェブサーバ上の開示先を示す情報を含むレシートデータは、前記ウェブサーバ上の開示先を示す情報を含まないレシートデータよりもレシート長が短縮されたレシートである請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のレシート発行方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態に係る商品販売データ処理装置を詳細に説明する。なお、本実施形態では、商品販売データ処理装置としてPOS端末を例として説明する。
【0011】
(第1の実施形態)
第1の実施形態に於ける商品販売データ処理装置は、顧客が購入した商品の点数が予め定められた点数より多い場合又は/及び購入した商品の金額が予め定められた所定の金額よりも高い場合に、印字発行するレシートの印字フォーマットを変更する構成及びウェブサーバ上に詳細なレシートデータを開示する構成を有する。
【0012】
図1はレシート提供システム1の全体構成を示すブロック図である。レシート提供システム1は、インターネット50に接続されたウェブサーバ30とPOS(Point−Of−Sales)システム40とを主体に構成される。
【0013】
POSシステム40は、POS端末(商品販売データ処理装置)10とストアコンピュータ(サーバ)20とを有する。POS端末10は、店舗のレジカウンタに複数台個別に設置される。ストアコンピュータ20は、POS端末10に例えばインターネット50でデータ送受信可能にネットワーク接続される。
【0014】
図1において、POS端末10は、制御部本体としてCPU(Central Processing Unit)101が実装されている。このCPU101に、アドレスバス,データバス等のバスライン105を介して、ROM(Read Only Memory)102及びRAM(Random AccessMemory)103のメモリ部、HDD(Hard Disk Drive)104、後述する各入出力機器107〜112とのインターフェイス部(I/F)106、ストアコンピュータ20との間のデータ通信を制御する通信コントローラ112等が接続される。
【0015】
以下に、入出力機器の説明をする。プリンタ107は、所謂印字部であり、CPU11の制御により、1取引で販売された商品の品名,価格や合計金額等の取引明細データが印字されたレシートを発行する。
【0016】
キーボード108は、外部からの入力を受け付ける入力部の一部であり、数値データを置数するための「00」および「0」〜「9」の置数キー、この置数キーによって置数された数値データがPLU(Price Look Up)コードであることを指令するPLUキー、数値データが乗数であることを指令する×キー、数値データが割引率であることを指令する割引キー、数値データが値引額であることを指令する値引キー、数値データのクリア等を指令するクリアキー、1取引の小計出力を指令する小計キー、1取引の現金締めを指令する預/現計キー、販売商品をポイント計算から除外することを宣言する除外キー等を有する。
【0017】
スキャナ109は、同様に入力部の一部であり、各商品に付されたバーコードを読取る。各商品には、その商品固有の商品コードを示すバーコードが付されている。スキャナ109は、商品識別データの入力手段として機能する。なお、例えば、バーコードが付されていない商品の商品コードは、PLUコードとしてキーボード108の置数キーとPLUキーとにより入力することもできる。
【0018】
カードリーダ110は、例えばポイントカードに記録された顧客コードを含むカードデータを読取る。
【0019】
ディスプレイ111は、POS端末10のオペレータに対し、スキャナにより取り込んだ一取引として販売される商品の品名,価格や合計金額等を表示する。また、客用表示器112は、この一取引の顧客に対してディスプレイ111と同様の情報を表示する。
【0020】
また、POS端末10は、HDD104を有する。HDD104は、例えば、商品マスタファイル1041、支払種別マスタファイル1042(
図9に示す)を記憶する。商品マスタファイル1041は、商品毎に設定された商品識別データである固有の商品コードに、その部門コード、商品の名称(品名)やその商品一点あたりの価格である単価、が対応付けて記憶されている。
【0021】
支払種別マスタファイル1042は、一取引の締め手段である例えば「現金」、「クレジット」、「電子マネー」のそれぞれに対応してレシートの印字フォーマットの態様及びデータ送信の有無が対応付けて定められている(
図9参照)。例えば、「現金」による支払いにて一取引が締められた場合、発行されるレシートが、いずれの印字フォーマットで印字発行されるかが対応付けて定められている。
【0022】
本実施の形態のPOS端末10は、商品販売データ処理の実行に伴って、一取引毎に、後述するレシートデータがCPU101によって生成される。レシートデータには固有のレシートコードが含まれる。
【0023】
「レシートコード」は、POS端末10を識別する「POS端末コード」と一取引を識別する取引コードとの組み合わせで構成される。例えば、「POS端末コード」が「01」であり、「取引コード」が「0001」の場合、「レシートコード」は、「POS端末コード」と「取引コード」が組み合わされて「010001」となる。なお、「取引コード」は一取引が行なわれる毎にCPU101によってインクリメントされる。つまり、次の一取引で生成される「レシートコード」は「010002」となる。
【0024】
図2は、ウェブサーバ30を示す図である。ウェブサーバ30は、一般的なサーバコンピュータの形態を有しており、例えば、インターネットサービスプロバイダのサーバルームなどに設置される。
【0025】
図2に示すごとく、ウェブサーバ30は、制御部本体としてCPU301が実装されている。このCPU301に、アドレスバス,データバス等のバスライン306を介して、ROM302及びRAM303のメモリ部、HDD304、インターネットに接続してサーバと外部機器との間のデータ通信を制御する通信コントローラ305が接続される。
【0026】
ROM302は、固定データを固定的に記憶する。RAM303は、可変データを書き換え自在に記憶してワークエリアとして使用される。
【0027】
HDD304は、インターネット50で用いられるウェブによる情報送信機能を有するウェブサーバソフトウェアが記憶される。また、HDD304には、ウェブページのデータが記憶される。HDD304に記憶されるウェブページのデータは所定の外部機器が有するブラウザ機能によって取得される。そして、ブラウザ機能によって所定の外部機器の表示部にウェブページが表示される。このような外部機器は、例えば、家庭用のパーソナルコンピュータや携帯電話などの通信端末等が想定される。
【0028】
図3は、商品販売データ処理の流れを示すフローチャートである。
図1および
図2を参照して説明する。
図3(a)に示すように、
図1に示すPOS端末10のCPU101は、キーボード108またはスキャナ109の入力手段を介して商品コードが入力されるまで待機する(Act301)。CPU101は、商品コードが入力されたと判断すると(Act301のY)、入力された商品コードをRAM103に一時記憶する。そして、この一時記憶された商品コードに対応する商品情報をHDD104の商品マスタファイル1041から取得する(Act302)。
【0029】
CPU101は、取得した商品情報をRAM103に一時記憶する。そして、CPU101は、キーボード108の仮締めキーである「小計キー」が押されるまで待機する(Act303)。例えばこの状態で、CPU101は、仮締めキーである「小計キー」が押されることなく、スキャナ109から商品コードが入力されたことを検知すると(Act303のN)、Act301、Act302の処理に戻り、これらの処理を実行する。このAct301からAct303までの処理が入力部により入力された商品コードに基づいて一取引の取引データを生成する生成手段に相当する。
【0030】
他方、Act303にて、CPU101は、仮締めキーである「小計キー」が押されたと判断すると(Act303のY)、RAM103に記憶されている単価等の金額を合計することにより一取引の決済金額(合計金額)を算出する(Act304)。基本的には、決済金額(合計金額)は各商品の単価の合計金額となる。なお、値引き金額が含まれている場合は、値引きされた金額が反映された形として決済金額、すなわち一取引の合計金額となる。
【0031】
次に、CPU101は、キーボード108の「預/現計」と表示された締めキーが押されるまで待機する(Act305)。CPU101は、締めキーが押されたと判断すると(Act305のY)、今回の一取引における購入商品の合計点数が予め定められた所定点数よりも多いか否かを判断する(Act306)。このAct306の処理は第1判定手段に相当する。なお、ここでの「予め定められた所定点数」とは、例えば、(1)同一の商品コードが割り当てられた同一商品を3点購入した場合、(2)異なる商品コードが割り当てられた商品を3点購入した場合である。いずれにおいても区別することなく、購入点数は、3点として取り扱っても良い。また、(1)の場合と(2)の場合とを区別してもよい。また、点数は、3点に限定されない。なお、本実施の形態では、(1)の場合を例に以降の説明を続ける。
【0032】
Act306にて、CPU101が予め定められた所定の点数より、顧客が購入した購入点数の方が多いと判断した場合(Act306のY)、レシートデータを生成して、この生成したレシートデータをウェブサーバ30に送信する(Act307)。ここで、ウェブサーバ30に送信されるレシートデータは、RAM103に一時記憶されている例えば、全ての商品情報、決済金額、預かり金額、釣銭金額、取引日時を特定する現在時刻を含んだデータである。また、このレシートデータには、固有の「レシートコード」も含まれる。その後、CPU101は、Act307にて送信したレシートデータに基づいて生成されたウェブページを特定する情報を、ウェブサーバ30から受信するまで待機する(Act308)。
【0033】
次に、
図3(b)に示すように、
図2に示すウェブサーバ30のCPU301は、POS端末10から送信されたレシートデータを通信コントローラ305を介して受信する(Act401のY)。そして、受信したレシートデータに基づくレシート情報を記載したウェブページのデータを生成する(Act402)。ウェブページのデータは、レシートデータが含む商品情報、決済金額、預かり金額、釣銭金額、取引日時の情報のテキストデータやHTMLによるレイアウト情報によって構成されている。生成したウェブページのデータは、ウェブサーバ30のHDD304に記憶される。
【0034】
ウェブサーバ30のCPU301は、生成したウェブページのデータを特定するためのURL情報をPOS端末10に送信する(Act403)。このURL情報は、例えば、英数字のテキストによって構成され、「http://xxx.co.jp/receipt/010001」となる。URL中の「xxx.co.jp/」は、ホストであるウェブサーバ30を示すホスト名であり、「/receipt/010001」は、ウェブサーバ30に格納されたウェブページを特定するための情報である。
【0035】
図3(a)に戻り、POS端末10のCPU101は、ウェブサーバ30から送信されたURL情報を通信コントローラ112を介して受信すると(Act308のY)、CPU101は、先に生成したレシートデータにウェブサーバ30から送信されたURL情報を付加してレシートデータを生成する(Act309)。そして、CPU101は、プリンタ107を動作させることにより生成されたレシートデータを印字する(Act309)。
図5(a)に、印字されるレシートの一例を示す。詳細については後述する。
【0036】
他方、Act306にて、CPU101が、顧客が購入した購入点数より予め定められた所定の点数(3点)の方が多いと判断した場合(Act306のN)、Act311の処理に進む。CPU101は、顧客が購入した購入金額と予め定められた所定金額との比較を行い、顧客が購入した金額が予め定められた所定金額よりも高いか否かを判断する(Act311)。Act311の処理は第2判定手段に相当する。
【0037】
CPU101にて、顧客が購入した金額が予め定められた所定金額よりも高いと判断した場合(Act311のY)、先のAct307の処理と同様に、レシートデータを生成して、この生成したレシートデータをウェブサーバ30に送信する(Act312)。他方、顧客が購入した金額が予め定められた所定金額よりも低いと判断した場合(Act311のN)、RAM103に一時記憶されている商品情報、決済金額、預かり金額、釣銭金額、取引日時を特定する現在時刻に基づいてレシートデータが生成される(Act313)。
【0038】
Act313にてレシートデータが生成された後、CPU101は、プリンタ107を動作させることにより生成されたレシートデータを印字する(Act309)。
図7(a)に、印字されるレシートの一例を示す。詳細については後述する。
【0039】
図4は、ウェブサーバ30が実行するレシート情報の閲覧処理を示す図である。ウェブサーバ30のCPU301は、レシートデータの閲覧要求を受信するまで待機する(Act501)。例えば、顧客がパーソナルコンピュータなどの外部機器を介して、レシートに印字されたURL情報を入力すると共にレシートに印字されているパスワードを入力してインターネットを介して、ウェブサーバ30にアクセスした場合、すなわち、顧客からレシートデータの閲覧要求を受信すると(Act501のY)、ウェブサーバ30のHDD304に記憶されている一取引毎に記憶されているレシートデータのウェブページのデータを検索する(Act502)。
【0040】
そして、顧客のパーソナルコンピュータから入力されたURL情報のレシートデータと一致するレシートデータがHDD304に記憶されているか否かを判断し(Act503)、一致するレシートデータが存在した場合(Act503のY)、入力されたパスワードが一致するか否かを判断する(Act504)。CPU301は、パスワードが一致すると判断した場合(Act504のY)、CPU301は、レシートデータを開示する。
【0041】
これにより、顧客は、取引日時を特定する現在時刻、購入した各商品名称及び購入点数、各商品の単価、決済金額、預かり金額、釣銭金額の詳細な取引情報レシートデータを受信することにより、パーソナルコンピュータの表示画面などにて詳細なレシート情報を閲覧する。
【0042】
他方、Act504にて、CPU301はパスワードが一致しないと判断した場合(Act504のN)、エラー処理を行う(Act506)。ここでの「エラー処理」は例えば、顧客のパーソナルコンピュータに対して要求されたレシート情報は開示できない旨の情報を送信して終了する。なお、Act503にて、CPU301はHDD304に一致するレシートデータが存在しないと判断した場合も(Act503のN)、エラー処理を実施する(Act506)。
【0043】
以下に、
図5、
図6、
図7に示すレシート表示例について詳細を説明する。
【0044】
ここで、
図5(a)を用いて、
図3のAct306にて、今回の一取引における購入商品の合計点数が予め定められた所定点数よりも多いと判定された場合(Act306のY)、印字発行されるレシートのイメージについて説明する。例えば、Act306の判断基準となる予め定められた所定点数が、「5点」と定められているとする。この場合、顧客が、「商品A」を「2点」、「商品B」を「1点」、「商品C」を「1点」、「商品D」を「1点」、「商品E」を「6点」、「商品F」を「1点」、合計12点を購入したとする。この場合、Act306にてCPU101は、実際に顧客が購入した商品点数「12点」が予め定められた所定点数「5点」よりも多いと判断し、
図3のAct310にて発行されるレシートは、
図5(a)に示す短縮した第1のレシートフォーマットのレシートRT1を印字発行する。
【0045】
図5(a)に示される第1のレシートフォーマットのレシートRT1は、第1のレシート領域T1、第2のレシート領域T2および第3のレシート領域T3を含む複数のレシート領域を有する。レシートRT1における第1のレシート領域T1には、取引日時「YYYY年MM月DD日」、取引コード「No.010001」が印字され、レシートRT1の第2のレシート領域T2には、商品点数「12点」、決済金額(合計)「11,580円」、預かり金額(現金)「12,000円」、釣銭金額(お釣)「420円」が印字される。そして、レシートRT1の第3のレシート領域T3には、詳細なレシート情報(商品毎の購入点数、単価などの詳細情報)のアクセス先のURL情報と、照合番号「010001」、アクセスパスワード「aaaaa1」とが印字される。
【0046】
図5(b)は、顧客が例えばパーソナルコンピュータを介して、レシート用紙RT1の第3のレシート領域T3に印字されたURLのアクセス先にアクセスして取得したレシート情報を示す図である。ここでは、
図5(b)に示すように、第1のレシートフォーマットとは異なる第2のレシートフォーマットの形式にて、各商品の購入点数、単価、商品毎の金額などの詳細な取引情報が、パーソナルコンピュータの画面を通してウェブページWP1に開示される。
【0047】
次に、
図6(a)を用いて、CPU101が、
図3のAct306にて今回の一取引における購入商品の合計点数が予め定められた所定点数よりも少ないと判定された場合(Act306のN)であって、顧客が購入した金額が予め定められた所定金額よりも高いと判断した場合(Act311のY)、に発行されるレシート用紙のイメージを説明する。
【0048】
例えば、Act306の判断基準となる予め定められた所定点数が、「5点」と定められ、Act311の判断基準となる予め定められた所定金額が「10,000円」と定められているとする。この場合において、顧客が、単価「3,000円」の「商品F」を「4点」購入したとする。この場合、CPU101は、Act306にて、顧客による購入点数「4点」と予め定められた所定点数「5点」とを比較する(Act306)。CPU101は、所定点数よりも購入点数が少ないと判定し(Act306のN)、Act311にて、購入金額(ここでは「12,000円」)と予め定められた所定金額(ここでは「10,000円」)とを比較する(Act311)。CPU101は、Act311にて、顧客により購入した購入金額が予め定められた所定金額よりも高いと判定し、
図6(a)に示す第1のレシートフォーマットのレシートを印字発行する。
【0049】
この場合、印字発行されるレシートRT2は、
図6(a)に示すように第1のレシートフォーマットの形式にて、レシートRT2の第1のレシート領域R1に、取引日時「YYYY年MM月DD日」、取引コード「No.010002」が印字され、レシートRT2の第2のレシート領域R2に、商品点数「4点」、決済金額「12,000円」、預かり金額「12,000円」、釣銭金額「0円」が印字される。そして、レシートRT2の第3のレシート領域R3に、詳細なレシート情報のアクセス先のURL情報、照合番号「010002」、アクセスパスワード「aaaaa2」と、が印字される。
【0050】
図6(b)は、顧客が例えばパーソナルコンピュータを介して、レシート用紙RT2の第3のレシート領域R3に印字されたURLのアクセス先にアクセスして取得したレシート情報を示す図である。ここでは、
図6(b)に示すように、第1のレシートフォーマットとは異なる第2のレシートフォーマットの形式にて、各商品の購入点数、単価、商品毎の金額などの詳細な取引情報が、パーソナルコンピュータの画面を通してウェブページWP2に開示される。
【0051】
次に、
図7を用いて、CPU101が、Act306にて今回の一取引における購入商品の合計点数が予め定められた所定点数よりも少ないと判定された場合(Act306のN)であって、顧客が購入した金額が予め定められた所定金額よりも低いと判断した場合(Act311のN)、に発行されるレシート用紙のイメージを説明する。
【0052】
顧客が、「商品A」を「1点」、「商品B」を「1点」、「商品C」を「1点」、「商品D」を「1点」、合計4点、合計「3,080円」の取引を行なったとする。この場合、Act306にて今回の一取引における購入商品の合計点数(4点)が予め定められた所定点数(例えば5点)よりも少ないと判定され(Act306のN)、かつ、顧客が購入した金額(3,080円)が予め定められた所定金額(例えば10,000円)よりも低いと判定される(Act311のN)。Act313にて生成されるレシートデータに基づいてAct310にて発行されるレシートRT3は、
図7にて示されるレシートイメージとなる。すなわち、第1のレシートフォーマットのレシートとは異なる第2のレシートフォーマットにて印字される。具体的には、レシート領域R4に、取引の明細情報(商品名、商品の単価、決済金額、預かり金額、釣銭金額など)が各種印字される。この場合に印字発行されるレシートフォーマットは、先に説明したウェブサーバ30にて開示されるレシートフォーマット(第2のレシートフォーマット)と同様の印字形態である。
【0053】
以上、第1の実施形態によれば、顧客が実際に購入した商品点数が予め定められた所定点数より多いと判定された場合に、通常よりも短縮された第1のレシートフォーマットにて印字を行なうこととなるので、レシート用紙の節約が出来る。また、一取引において、常に短縮されたレシートが印字発行されるわけでなく、購入した点数に応じてレシートのフォーマットが変更されるので、所定の点数の範囲を超えて買物を行なった場合は、短縮したレシートを得ることが出来るとともに、顧客に対して所定の点数を超える商品を購入したことを意識させることが可能となる。
【0054】
また、短縮したレシートには別途コンピュータによりアクセス可能なURL情報が記載されているため、顧客は、レシートに印字されたURLにアクセスすることで詳細なレシート情報を取得することが出来る。
【0055】
また、一取引における購入商品の合計点数が予め定められた所定点数よりも少ないと判定された場合であって、顧客が購入した金額が予め定められた所定金額よりも高いと判定した場合においても、短縮されたレシートが発行される。このため、レシート用紙の節約を図ると共に、レシートフォーマット態様の違いにより所定金額を超える買物を行なったことを顧客に意識させることが可能となる。
【0056】
以上、第1の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。例えば、第1の実施形態は、顧客が実際に購入した商品点数が予め定められた所定点数より多い場合、及び、顧客が実際に購入した商品点数が予め定められた所定点数より少ない場合であっても、一取引での決済金額が予め定められた所定金額よりも高い場合に、短縮したレシートを印字発行する形態について説明しているが、いずれか一方の条件を満たした場合に、短縮されたレシートを発行するように設定してもよい。
【0057】
(第2の実施形態)
次に第2の実施形態について説明する。本実施形態が第1の実施形態と異なる点は以下の点である。すなわち、第2の実施形態では、一取引の締め処理手段の種別に応じて、短縮レシートの発行を実行するか否かを判定し、この判定結果に基づいて、所定のレシート発行理が実行される。以降の説明では、第1の実施形態と共通する構成・処理については、説明を省略し、異なる部分について説明を行なう。
【0058】
図8を用いて第2の実施形態のレシート発行処理について説明する。なお、第1の実施形態と第2の実施形態とで異なる点は、Act805にて実行された締め処理の種別を判定するAct806の処理が追加された点、及びAct806の判定処理後、支払種別マスタファイル1042(
図9参照)を参照して、この支払種別に応じた形で、印字発行するレシートのフォーマットの態様及びウェブサーバ30へのデータ送信の有無が決定される点である。
【0059】
図8(a)において、Act801〜Act805までの処理は第1の実施形態と同様であるので説明は省略する。Act805にてCPU101は、締め処理がなされたと判定すると(Act805のY)、Act805にて指定された締め処理が、
図9に示す支払種別マスタファイル1042の中のいずれの締め操作であるかを判定する(Act806)。
【0060】
例えば、顧客により現金にて一取引の支払が実施された場合、オペレータは「預/現計キー」を操作する。この場合、CPU101は、Act805にて、締め処理があったと判定し、「預/現計キー」が押された情報を元に
図9の支払種別マスタファイル1042を参照する。そして、支払種別マスタファイル1042に、支払種別と対応付けて記憶されているレシート種別情報と、データ送信の有無の情報とを取得する。この場合、支払種別マスタファイル1042には、支払種別「現金」に対応づけて、印字発行するレシート種別は各商品の点数や単価を詳細にレシートに印字する第2のレシートフォーマットRT3(
図7参照)、ウェブサーバへのデータ送信を実行しない「無」、がそれぞれ対応付けて記憶されているので、CPU101は、これらの情報を取得する。そして、CPU101は、これらの情報を基に印字発行を実施する。即ち、このケースの場合には、支払いが現金であるので、取引データが印刷されたレシートのみが発行される。
【0061】
次のケースとして、CPU101が、印字発行するレシートの例を
図10(a)に示し、ウェブサーバ30にて閲覧可能となるレシート表示を
図10(b)を例として、レシート発行について説明する。
【0062】
例えば、顧客が、「商品A」を「1点」、「商品B」を「1点」、「商品C」を「1点」、「商品D」を「1点」、「商品E」を「1点」、合計5点、合計「5,080円」の取引を行なったとし、顧客はクレジットカードを用いて決済処理を実行したとする。この場合、CPU101は、
図8(a)のAct806にて支払がされた種別が、「現金」、「電子マネー」、「クレジット」のいずれかであるかをHDD104に記憶されている支払種別マスタファイル1042を参照して判定する(Act806)。このAct806の処理は第1判定手段に相当する。判定の結果、支払種別が「クレジット」であるため、CPU101は支払種別マスタファイル1042から支払種別「クレジット」に対応して記憶されているレシート種別情報と、ウェブサーバへのデータ送信の有無情報を取得する。ここでは、「レシート種別情報」は、第3のレシートフォーマット、「ウェブサーバ30へのデータ送信の有無情報」は「有」とされていることから、これらの情報に基づいて、
図8の以降の処理が実行される。
【0063】
すなわち、この場合に印字されるレシートRT4は、
図10(a)に示すようにこのレシートRT4の第1のレシート領域R1に、取引日時「YYYY年MM月DD日」、取引コード「No.010004」が印字され、レシートRT1の第2のレシート領域R2に、商品点数「5点」、決済金額「5,080円」、支払種別である「クレジット払い」の文字が印字される。また、レシートRT1の第3のレシート領域T3に、詳細なレシート情報(商品毎の購入点数、単価などの情報が記載される。)のアクセス先のURL情報と、照合番号「010004」、アクセスパスワード「aaaaa4」とが印字される。先に示した第1のレシートフォーマットと異なる点は、第1のレシートフォーマットの第2のレシート領域T2に印字される支払金額及び釣銭金額の印字が、第3のレシートフォーマットでは、「クレジット払い」の文字に置き換わった点である。
【0064】
また、
図10(b)は、顧客がパーソナルコンピュータなどを介して、レシート用紙RT4の第3のレシート領域R3に印字されたURLのアクセス先にアクセスして取得したレシート情報を示す図である。
図10(b)に示すように、第1のレシートフォーマットとは異なる第2のレシートフォーマットの形式にて、各商品の購入点数、単価、商品毎の金額などの詳細な取引情報が、パーソナルコンピュータの画面を通してウェブページWP4に開示される。
【0065】
図11(a)は、上記と異なる決済手段(電子マネー)による取引を実施した結果、印字発行される第4のレシートフォーマットを示した図である。印字されるレシートRT5は、このレシートRT5の第1のレシート領域R1及び第3のレシート領域R3は、第1のレシートフォーマットと同様である。つまり、第1のレシート領域R1には、取引日時、取引コードが印字され、第3のレシート領域R3には、アクセス先のURL情報と、照合番号、アクセスパスワードとが印字される。第1のレシートフォーマットと異なる点は、第2のレシート領域R2であり、この領域R2には、決済金額と、電子マネーの残高金額が印字される点である。
図11(b)は、顧客がパーソナルコンピュータなどを介して、レシート用紙RT5の第3のレシート領域R3に印字されたURLのアクセス先にアクセスして取得したレシート情報を示す図である。
図11(b)に示すように、第4のレシートフォーマットとは異なる第2のレシートフォーマットの形式にて、各商品の購入点数、単価、商品毎の金額などの詳細な取引情報が、パーソナルコンピュータの画面を通してウェブページWP5に開示される。
【0066】
以上、第2の実施形態によれば、一取引の支払種別の方法により、発行されるレシートの種別が予め対応付けて定められている。このため、顧客は、短縮されたレシートの印字発行を希望する場合は、この短縮されたレシートが発行されるように予め定められている支払種別の方法で支払を行なうことにより、希望する形態のレシートを受け取ることが可能となる。
【0067】
例えば、第2の実施形態で使用される支払種別マスタファイル1042に対応付けて記憶されるレシート種別及びデータ送信の有無は必ずしも、この対応付けられた形式に限られることはなく、適宜、オペレータの設定により変更可能である。変更する一例として、例えば、POS端末10の業務モードを点検モードに設定し、この点検モードの下で、それぞれ、支払種別に対応するレシート種別を適宜変更することが可能である。
【0068】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。