特許第6338650号(P6338650)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6338650
(24)【登録日】2018年5月18日
(45)【発行日】2018年6月6日
(54)【発明の名称】磁気ポンプ設備
(51)【国際特許分類】
   F27D 27/00 20100101AFI20180528BHJP
   F27B 17/00 20060101ALI20180528BHJP
【FI】
   F27D27/00
   F27B17/00 A
【請求項の数】15
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-500950(P2016-500950)
(86)(22)【出願日】2014年3月10日
(65)【公表番号】特表2016-518577(P2016-518577A)
(43)【公表日】2016年6月23日
(86)【国際出願番号】US2014022364
(87)【国際公開番号】WO2014164413
(87)【国際公開日】20141009
【審査請求日】2016年11月28日
(31)【優先権主張番号】61/776,316
(32)【優先日】2013年3月11日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506110243
【氏名又は名称】ノベリス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】NOVELIS INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄
(72)【発明者】
【氏名】エドウィン・エル・ローク
【審査官】 市川 篤
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−230187(JP,A)
【文献】 特開2011−012950(JP,A)
【文献】 特開2011−012951(JP,A)
【文献】 米国特許第03330900(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F27D 27/00
F27D 21/00−21/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属溶湯を収容している容器内で前記金属溶湯を循環させるための装置であって、前記装置が、
完全に前記容器内に配置されたウェルと、
前記ウェル内に配置された磁石と、
前記ウェルの破損を検出する検出器と、
前記検出器からの信号に応じて、前記磁石を前記ウェルの外につり上げるように作動可能なつり上げ装置と
を含む、装置。
【請求項2】
前記磁石が、回転可能式または電磁式のいずれかである、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
a.主炉床と、
b.サイドウェルと、
c.少なくとも前記主炉床および前記サイドウェルを取り囲む溶解炉壁と、
d.解炉内で金属溶湯を撹拌する装置であって、
i.完全に前記溶解炉内であって、かつ前記溶解炉壁に接触することなく前記サイドウェルに隣接して配置される略円筒形の耐熱壁を備えるポンプウェルと、
ii.少なくとも部分的に前記ポンプウェル内におかれ、磁石アセンブリを備える渦電流ポンプと、
を含む装置と、
e.前記ポンプウェルの破損を検出する検出器と、
f.前記検出器からの信号に応じて、前記ポンプを前記ポンプウェルの外につり上げるように作動可能なつり上げ装置と、
を含む金属溶湯溶解炉。
【請求項4】
前記磁石アセンブリが、回転可能な永久磁石アセンブリであり、前記ポンプが、前記回転可能な永久磁石アセンブリを回転させるモータをさらに含む、請求項3に記載の溶解炉。
【請求項5】
前記磁石アセンブリが、固定された電磁式アセンブリである、請求項3に記載の溶解炉。
【請求項6】
前記ポンプウェルが、前記サイドウェルに隣接する、請求項3に記載の溶解炉。
【請求項7】
前記ポンプを冷却する手段をさらに含む、請求項3に記載の溶解炉。
【請求項8】
前記冷却手段が、冷却媒体を前記ポンプウェル内に吹き込む送風機である、請求項7に記載の溶解炉。
【請求項9】
前記磁石アセンブリの周囲に冷却媒体を通過させるように適合されるジャケットをさらに含む、請求項8に記載の溶解炉。
【請求項10】
溶解炉の操作者の制御に応じて、前記ポンプを前記ポンプウェルの外につり上げるように作動可能なつり上げ装置をさらに含む、請求項3に記載の溶解炉。
【請求項11】
非鉄金属溶湯溶解炉で使用する金属溶湯撹拌装置であって、前記装置が、
a.前記溶解炉容器内に配置可能なポンプウェルと、
b.前記ポンプウェル内に配置された磁石装置と、
c.前記ポンプウェルに配置された、前記ポンプウェルにおける少なくとも1つのパラメータを測定する検出器と、
d.前記磁石装置を少なくとも部分的に前記ポンプウェルの外に取り出す巻き上げ装置であって、前記検出器が前記ポンプウェルの破損の前記少なくとも1つのパラメータを測定する場合、前記磁石装置を前記ポンプウェルの外に移動するように構成される巻き上げ装置と、
を含む、金属溶湯撹拌装置。
【請求項12】
前記磁石装置が、電磁式アセンブリを含む、請求項11に記載の撹拌装置。
【請求項13】
前記磁石装置が、少なくとも1つの永久磁石と、前記永久磁石を回転させるモータとを含む、請求項11に記載の撹拌装置。
【請求項14】
前記検出器が熱電対である、請求項11に記載の撹拌装置。
【請求項15】
前記検出器が、導電率検出器である、請求項11に記載の撹拌装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2013年3月11日に出願された米国特許仮出願第61/776,316号の利益を主張し、参照によりその内容全体を援用する。
【0002】
本発明は、非鉄金属溶湯溶解炉内の物質を循環させるために使用されるポンプに関し、より具体的には、電磁式または永久磁石式の金属溶湯ポンプの配置および操作に関する。
【背景技術】
【0003】
いくつもの理由から、非鉄金属溶湯溶解炉内では物質を流動させることが望ましい。そのような流動または撹拌を起こすために、磁気ポンプを使用して、金属中に渦電流を発生させることがある。一部の既知のポンプでは電磁式装置が使用され、それ以外のポンプでは永久磁石が使用されている。一般的に、そのようなポンプは、溶解炉の側壁の外側に取り付けられ、金属溶湯は、ポンプ構造の中および周囲にパイプで運ばれる(例えば、双方が参照することにより援用される、米国特許出願公開第2011/0248432号および第2010/0244338号に公開されているように)。これは、金属溶湯が溶解炉の外側に出るということを意味しており、そのようなポンプおよび関連構造から外部へ漏れ出す可能性が高まる。さらに、一部の既存の装置は、溶解炉の外壁越しに磁束を放射するが、この外壁は、安全上の理由から厚くなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これらの手法のいずれも、金属溶湯の撹拌の効率が悪く、また、溶解炉側壁を通じて、あるいは溶解炉の外側にあって金属が流れる構造内における金属溶湯の漏出の重大な危険性を生じ得る。そのような漏出または破損は、ポンプ構造の損傷の危険性は言うまでもなく、ポンプ構造の外側での漏出の重大な危険性をももたらし得る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本特許明細書で使用される「本発明(“invention,”“the invention,”“this invention”および“the present invention”)」の語は、本特許明細書および下記の特許請求の範囲の主題のすべてを広く指すことを意図されている。これらの語を含む記述は、本明細書に記載される主題を限定するものでも、あるいは下記の特許請求の範囲の意味または範囲を限定するものでもないことを理解されたい。本特許明細書が取り上げる本発明の実施形態は、本概要ではなく、下記の特許請求の範囲によって定義される。本概要は、本発明の様々な態様の高レベルの概要であり、下記の詳細な説明のセクションで詳述する一部の概念を導入する。本概要は、請求される主題の主要または本質的な特徴を特定することを意図しているものでも、請求される主題の範囲を決定するために単独で使用されることを意図しているものでもない。主題は、本特許明細書の全明細書部分、任意またはすべての図面および各請求項の適切な部分を参照することによって、理解されるべきである。
【0006】
本発明は、溶解炉のサイドウェルへの入口、かつポンプの周囲のかなりの部分に巻きつく長くて比較的薄い側壁を有するポンプウェル内に、電磁式または永久磁石式のポンプであり得る磁気ポンプを配置することによって、上述の課題を解決し、他の利点を提供する。ポンプウェルの長くて薄い側壁と、ポンプウェルの周囲へのかなり大きい巻きつき角度とが、良好な磁気結合によって溶融物質内における強い渦電流ベースの流動場の生成を容易にし、それによって、ポンプの効果を高める。ウェル壁が破損して金属溶湯がウェル内へ流れても、金属が溶解炉の外側へ流出しないことから、比較的薄いポンプウェル壁の破損の危険性は、許容範囲にある。さらに、あらゆるそのような破損に関してウェルを監視して、そのような破損の際には、金属溶湯と接触するのを防ぐために、ポンプをウェルの外につり上げることができるようにする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】金属溶解炉内のウェル内にある本発明のポンプの斜視図である。
図2図1に示すポンプを断面で示す、立面図である。
図3】本発明の溶解炉およびポンプの概略平面図である。
図4】金属溶解炉内のウェル内にある本発明のポンプの別の実施形態を部分的に断面で示す、概略側面図である。
図5】別の実施形態の溶解炉およびポンプの概略平面図である。
図6】ある実施形態によるつり上げシステムの等角図である。
図7】ある実施形態によるつり上げシステムの等角図である。
図8】別の実施形態の溶解炉およびポンプの概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施形態の主題は、法定要件を満たすようにここに具体的に説明するが、この説明は、特許請求の範囲を限定することを必ずしも意図するものではない。請求される主題は、他の方法で実施されてもよいし、異なる要素またはステップを含んでもよいし、または他の既存及び将来の技術と併せて使用されてもよい。この説明は、個々のステップの順番または要素の構成が明示的に記載された場合を除いて、様々なステップまたは要素の間においていかなる特定の順番または構成も暗に含むとして解釈されるべきではない。
【0009】
本発明は、金属溶解炉16の外壁14の完全に内側、かつ溶解炉16のサイドウェル18への入口22付近に配置されたウェル12内に、電磁式または永久磁石式のポンプであり得る磁気ポンプ10を配置することによって、上述の課題を解決する。サイドウェル18にはある種のスクラップを添加してもよく、ポンプ10によって生み出される金属溶湯における追加的な乱流は、スクラップを迅速に浸漬させて溶解する。サイドウェル18における撹拌もまた、溶解炉16の主炉床(main hearth)領域20にある金属を撹拌する。
【0010】
その他のポンプ構成を使用してもよいが、図1図2に示すポンプ10は、ギヤボックス26に連結されたモータ24によって駆動される永久磁石式ポンプである。モータ24は、交流または直流で電力供給されてもよいし、油圧駆動されてもよいし、回転力を提供するその他の方法で操作されてもよい。モータ24と垂直軸(図1図3に図示せず)との間に挟持され得るギヤボックス26は、比較的高速なモータ24の回転速度を低減する。その結果、入口34を通して空気、窒素またはその他の好適な冷却媒体を循環させる冷却ジャケット30の内壁28のすぐ内側で回転する1つまたは2つ以上の永久磁石(これも図1図2に図示せず)の構成を回転させるための回転速度が遅くなる。
【0011】
冷却ジャケット30は、溶解炉16ウェル12の比較的薄い耐熱壁32に隣接している。この冷却によって、熱的な凍結面が維持される。このことは、アルミニウムまたはその他の金属溶湯がウェル12の壁32を溶かして穴をあける可能性を少なくする。それでもそのような穴が形成されてしまう場合も金属は依然として溶解炉内に保持されていることから、溶解炉の外壁の破損に関わる可能性がある場合よりも、結果は一般的に軽度になる。
【0012】
先述のように、永久磁石式の回転可能なポンプの代わりに、電磁式ポンプなどのその他のポンプ構成を用いてもよい。例えば、1974年7月16日に発行され、参照することにより本明細書に援用される、米国特許第3,824,414号に説明されたものなどの誘導モータを溶解炉のサイドウェルに組み込んでもよい。図8は、金属溶解炉216の完全に内側、かつ溶解炉116のサイドウェル218付近に配置されたウェル212に配置され得るリニア誘導モータ200を示している。一部の実施形態では、リニア誘導モータにおいて通常平坦な面は、図8に示すように、凸状になっている。サイドウェル212における撹拌もまた、溶解炉のその他の領域にある金属を撹拌し、溶解炉216の主炉床領域220とサイドウェル218との間で金属を矢印215の方向に循環させる。一部の実施形態では、浸漬ポート222は、サイドウェル218と炉床領域220との間で金属を流動可能にする。サイドウェル218に添加されるあらゆるスクラップ(限定するものではないが、軽量物、切り落とし、くず、または使用済みの圧縮梱包スクラップなど)を浸漬および溶解させるために、浸漬ポンプ224を用いてもよい。
【0013】
本発明のポンプ構成は、磁気ポンプによって生成される渦電流ベースの流動場で金属溶湯を移動させ、それによって金属を撹拌し、金属内における均一な温度維持に寄与する開水路流動システムを提供する。溶解炉内の比較的薄いウェル壁内においてポンプを構成することによって、移動する金属と磁石との間の距離が最小化されて、溶融物質内における強い渦電流の生成を容易にし、それによって、ポンプの効果を高める。
【0014】
一部の場合では、磁気ポンプを溶解炉内に配置して、大きな線形渦が金属内に生じるようにする。例えば、磁石を配置して、(ポンプに最も近い)ウェルの薄い壁の略半分の範囲内に配置された金属溶湯に渦電流ベースの流動場を生成し、この磁石に最も近い金属の部分に沿って線形の流れを起こすように構成してもよい。薄い壁内の金属溶湯の残りの略半分は、同調する屈曲経路で流れて、ウェルの底にまでわたる強い線形渦を生成する。
【0015】
図4は、本発明のウェル内にある磁気ポンプの別の実施形態を示している。ポンプ40は、永久磁石式ポンプであり、モータ/ギヤボックス42を含み、モータ/ギヤボックス42は、主炉床領域52およびサイドウェル54を有する金属溶湯溶解炉50内に配置されたウェル48内で永久磁石46を回転させる軸44を駆動する。矢印56で示される冷却媒体は、送風機58によってウェル48内に吹き込まれ、ポート60から排出される。コントローラ70が、モータ/ギヤボックス42および送風機58を制御する。ウェル48の破損の際には、検出器62からの信号によってつり上げシステムが起動されて、ポンプをウェルの外につり上げることができる。図4に示すように、つり上げシステムは、モータ/ギヤボックス42に取り付けられた鎖64またはケーブルに取り付けられた巻き上げ装置(図示せず)を含み、損傷を防ぐために、ポンプ40をウェル48の外につり上げることができる。
【0016】
図6図7は、破損の際、ポンプ(ポンプ400など)をウェルから巻き上げるように構成される、つり上げシステム300の別の非限定的な実施形態を示している。図6図7のつり上げシステム300は、複数の車輪303を有するカート301を含む。カート301は、一式のレール302に沿って移動して、ポンプ400を溶解炉から遠ざけるように構成される。
【0017】
検出器62は、熱電対または検出器の設置場所でウェル内の温度を検出するためのその他の温度検出器であり得る。一部の場合では、検出器62は、先端が開放形の保護管およびセラミックビーズの絶縁体を有するデュープレックスタイプK熱電対であるが、任意の好適な熱電津またはその他の温度検出器を使用してもよい。
【0018】
あるいは、検出器62は、その他の手段によってウェル内の金属溶湯の存在を検出可能な検出器であり得る。検出器はまた、高温、空気流の停止、金属溶湯の存在を示す導電率、空気の水分含量の変化または監視可能な任意のその他のパラメータもしくは条件などの条件を直接的または間接的に検出するように適合される、任意のその他の検出器であり得る。
【0019】
一部の実施形態では、2つ以上の検出器62が使用され、一部の場合では、2タイプ以上の検出器が使用される。1つの非限定的な実施形態では、熱電対またはその他の温度検出器、ならびに導電プローブで導電率を測定するなどの別の手段によって金属溶湯の存在を検出可能な検出器が使用される。1つの非限定的な実施形態では、検出器のうちの1つは、限定するものではないが、Warrick(登録商標)シリーズ16M制御装置などの液位感知能力を有するWarrick(登録商標)導電率システム回路の一部であってもよい。
【0020】
使用する場合、熱電対素子は、任意の好適な場所、例えば、限定するものではないが、ウェル48の底部から約1/2インチ(約12.7ミリメートル)で温度を検出してもよい。使用する場合、限定するものではないが、Warrickリレー基準プローブなどの導電率システムは、あらゆる金属侵入に関連する導電率を感知することによって破損を検出するために、ウェル壁に直接接続されてもよい。
【0021】
プログラマブルロジックコントローラまたは好適なプロセッサは、検出器62からの信号を受信および解読して、任意の好適な動作を開始することができる。例えば、PLCは、警告を鳴動または表示させて、ポンプ40をウェル48の外につり上げるか、任意のその他の適切な行動をとるかを溶解炉の操作者が決定できるようにすることができる。あるいは、つり上げ装置は、つり上げ装置を起動して、ポンプ40をウェル48の外につり上げることができる。検出器62および/またはPLCからの信号はまた、例えば、モータ/ギヤボックス42の操作で磁石46の回転を停止する、または回転速度を調整する、送風機58の動作を調整して冷却気流56を調整する、あるいは主炉床52または溶解炉50の他の部分の熱入力を変えることによって、溶解炉を自動的にあるいは操作者の行動によって制御するために使用され得る。
【0022】
図5は、ウェル内の永久磁石式ポンプの実施形態を示す別の平面図である。図示のように、磁気ポンプ100は、ウェル112内に配置されており、ウェル112は、金属溶解炉116の完全に内側、かつ溶解炉116のサイドウェル118付近に配置されている。サイドウェル118および/またはサイドウェル122にはある種のスクラップ(限定するものではないが、軽量物、切り落とし、くず、または使用済みの圧縮梱包スクラップなど)を添加してもよく、ポンプ100によって生み出される金属溶湯における追加的な乱流は、スクラップを迅速に浸漬させて溶解する。サイドウェル112における撹拌もまた、溶解炉のその他の領域にある金属を撹拌し、溶解炉116の主炉床領域120とサイドウェル118およびサイドウェル112との間で金属を循環させる。一部の実施形態では、浸漬ポートは、サイドウェル112と炉床領域120との間およびサイドウェル112とサイドウェル118との間で金属を流動可能にする。
【0023】
上に引用されたすべての特許明細書、刊行物および抄録は、参照により全体を援用される。
【0024】
図示または上述の構成要素、ならびに図示や記載のない構成要素およびステップからなる様々な構成が可能である。同様に、一部の特徴および部分的組み合わせが有用であり、その他の特徴および部分的組み合わせと関係なく利用されるのであってもよい。限定目的ではなく、説明の目的のために本発明の実施形態を説明してきたが、本特許明細書を読めば代替的な実施形態が明らかとなろう。したがって、本発明は、上述または図面に示された実施形態に限定されるものではなく、下記の特許請求の範囲から逸脱することなく様々な実施形態および修正がなされ得る。
なお、本開示は以下の態様を含む。
・態様1
金属溶湯を収容している容器内で前記金属溶湯を循環させるための装置であって、前記装置が、
完全に前記容器内に配置されたウェルと、
前記ウェル内に配置された磁石と
を含む、装置。
・態様2
前記磁石が、回転可能式または電磁式のいずれかである、態様1に記載の装置。
・態様3
前記ウェルの破損を検出する検出器をさらに含む、態様1に記載の装置。
・態様4
前記検出器からの信号に応じて、前記磁石を前記ウェルの外につり上げるように作動可能なつり上げ装置をさらに含む、態様3に記載の溶解炉。
・態様5
a.主炉床と、
b.サイドウェルと、
c.少なくとも前記主炉床および前記サイドウェルを取り囲む溶解炉壁と、
d.前記溶解炉内で金属溶湯を撹拌する装置と、を含み、
前記装置が、
i.完全に前記溶解炉内であって、かつ前記溶解炉壁に接触することなく前記サイドウェルに隣接して配置される略円筒形の耐熱壁を備えるポンプウェルと、
ii.少なくとも部分的に前記ポンプウェル内におかれ、磁石アセンブリを備える渦電流ポンプと、を含む金属溶湯溶解炉。
・態様6
前記磁石アセンブリが、回転可能な永久磁石アセンブリであり、前記ポンプが、前記回転可能な永久磁石アセンブリを回転させるモータをさらに含む、態様5に記載の溶解炉。
・態様7
前記磁石アセンブリが、固定された電磁式アセンブリである、態様5に記載の溶解炉。
・態様8
前記ポンプウェルが、前記サイドウェルに隣接する、態様5に記載の溶解炉。
・態様9
前記ポンプを冷却する手段をさらに含む、態様5に記載の溶解炉。
・態様10
前記冷却手段が、冷却媒体を前記ウェル内に吹き込む送風機である、態様9に記載の溶解炉。
・態様11
前記少なくとも1つの磁石の周囲に冷却媒体を通過させるように適合されるジャケットをさらに含む、態様10に記載の溶解炉。
・態様12
前記ウェルの破損を検出する検出器をさらに含む、態様5に記載の溶解炉。
・態様13
前記検出器からの信号に応じて、前記ポンプを前記ウェルの外につり上げるように作動可能なつり上げ装置をさらに含む、態様12に記載の溶解炉。
・態様14
溶解炉の操作者の制御に応じて、前記ポンプを前記ウェルの外につり上げるように作動可能なつり上げ装置をさらに含む、態様13に記載の溶解炉。
・態様15
非鉄金属溶湯溶解炉で使用する金属溶湯撹拌装置であって、前記装置が、
a.前記溶解炉容器内に配置可能なポンプ容器と、
b.前記ポンプ容器内に配置された磁石装置と、
c.前記ポンプ容器に配置された、前記ポンプ容器における少なくとも1つのパラメータを測定する検出器と、
を含む、金属溶湯撹拌装置。
・態様16
前記磁石装置が、電磁式アセンブリを含む、態様15に記載の撹拌装置。
・態様17
前記磁石装置が、少なくとも1つの永久磁石と、前記永久磁石を回転させるモータとを含む、態様15に記載の撹拌装置。
・態様18
前記磁石装置を少なくとも部分的に前記ポンプ容器の外に取り出す巻き上げ装置をさらに含む、態様15に記載の撹拌装置。
・態様19
前記検出器が前記少なくとも1つのパラメータを測定する場合、前記巻き上げ装置が、前記磁石装置を前記ポンプ容器の外に移動するように構成される、態様18に記載の撹拌装置。
・態様20
前記検出器が熱電対である、態様15に記載の撹拌装置。
・態様21
前記検出器が、導電率検出器である、態様15に記載の撹拌装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8