(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数の加熱要素のうちの1つは、第1の電気ワイヤに、および、第2の電気ワイヤに接続され、その結果、前記複数の加熱要素のうちの前記1つは、前記遠位導電性リングに、および、前記近位導電性リングに電流を供給する、請求項7に記載のカテーテル。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、加熱カテーテルシステムを例証する。
【0018】
【
図2】
図2は、加熱カテーテルシステムの近位部を例証する。
【0019】
【
図3】
図3は、本システムがカテーテルの外面上に置かれるヒータを利用する、加熱カテーテルシステムの遠位部を例証する。
【0020】
【
図4】
図4は、加熱カテーテルシステムの別の実施形態の遠位部を例証する。
【0021】
【
図5】
図5−6は、接着剤およびヒータを利用する、脱離可能カテーテル区分を例証する。
【
図6】
図5−6は、接着剤およびヒータを利用する、脱離可能カテーテル区分を例証する。
【0022】
【
図7】
図7は、加熱カテーテルシステムの別の実施形態を例証する。
【0023】
【
図8】
図8は、脱離可能先端を有する、カテーテルの別の実施形態を例証する。
【0024】
【
図9】
図9は、脱離可能先端を有する、カテーテルの別の実施形態を例証する。
【0025】
【
図10】
図10−13は、
図9のカテーテルの脱離システムの種々の構成要素を例証する。
【
図11】
図10−13は、
図9のカテーテルの脱離システムの種々の構成要素を例証する。
【
図12】
図10−13は、
図9のカテーテルの脱離システムの種々の構成要素を例証する。
【
図13】
図10−13は、
図9のカテーテルの脱離システムの種々の構成要素を例証する。
【0026】
【
図14】
図14は、脱離可能先端を有する、カテーテルの別の実施形態を例証する。
【0027】
【0028】
【
図16】
図16は、脱離可能先端を有する、カテーテルの別の実施形態を例証する。
【0029】
【
図17】
図17−18は、脱離可能先端を有する、カテーテルの別の実施形態を例証する。
【
図18】
図17−18は、脱離可能先端を有する、カテーテルの別の実施形態を例証する。
【0030】
【0031】
【
図20】
図20は、脱離可能先端を有する、カテーテルの別の実施形態を例証する。
【0032】
【0033】
【
図23】
図23は、脱離可能先端を有する、カテーテルの別の実施形態を例証する。
【0034】
【
図24】
図24−33は、
図23のカテーテルからの脱離システムの種々の構成要素を例証する。
【
図25】
図24−33は、
図23のカテーテルからの脱離システムの種々の構成要素を例証する。
【
図26】
図24−33は、
図23のカテーテルからの脱離システムの種々の構成要素を例証する。
【
図27】
図24−33は、
図23のカテーテルからの脱離システムの種々の構成要素を例証する。
【
図28】
図24−33は、
図23のカテーテルからの脱離システムの種々の構成要素を例証する。
【
図29】
図24−33は、
図23のカテーテルからの脱離システムの種々の構成要素を例証する。
【
図30】
図24−33は、
図23のカテーテルからの脱離システムの種々の構成要素を例証する。
【
図31】
図24−33は、
図23のカテーテルからの脱離システムの種々の構成要素を例証する。
【
図32】
図24−33は、
図23のカテーテルからの脱離システムの種々の構成要素を例証する。
【
図33】
図24−33は、
図23のカテーテルからの脱離システムの種々の構成要素を例証する。
【0035】
【
図34】
図34は、脱離可能先端を有する、カテーテルの別の実施形態を例証する。
【0036】
【
図35】
図35−36は、脱離可能先端を有する、カテーテルの別の実施形態を例証する。
【
図36】
図35−36は、脱離可能先端を有する、カテーテルの別の実施形態を例証する。
【発明を実施するための形態】
【0037】
(実施形態の説明)
説明される図の目的として、左側のアイテムは、概して、右側のアイテムに対して近位に位置すると見なされ、右側のアイテムは、逆に、左側のアイテムに対して遠位に位置すると見なされる。
【0038】
説明される実施形態のいくつかは、導電性トレースを利用する。導電性トレースは、デバイスにわたってトレースされ得る、導電性流体であり、導電性インクと見なされることができる。導電性トレースは、ポリマーバインダ内でアマルガムにされた、微細な金属粉末を含む。ポリマーバインダの接着性質は、導電性トレースが種々の表面上に堆積されることを可能にする。トレースが経路に描かれると、これは、導電性の電流伝搬流路を提供する。それらは、供給源と受信機との間に電流を伝達させるために使用されることができ、(例えば)正および負電圧源を有する回路中に統合されることができる。参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる、米国特許第4485387号、米国特許第7224258号、米国特許第7736592号を参照されたい。マイクロペン、パッド印刷、バブルジェット(登録商標)、スクリーニングプロセス、またはカテーテル押出成形中の圧延堆積等の堆積技法が、導電性トレースをカテーテル表面上に堆積させるために使用されることができる。
【0039】
図1は、カテーテル2と、本システムの近位端におけるyコネクタハブ4と、本システムの遠位端におけるヒータ6とを含む、加熱カテーテルシステムを示す。本システムはさらに、近位接点7と、遠位接点8とを含み、これらは、ボタン12等のユーザインターフェースを含む、電圧源10に接続される。
図1では、近位接点7は、正電荷を有する(電圧源の正極端子に連結される)ものとして示される一方、遠位接点8は、負電荷を有する(電圧源の負極端子に連結される)ものとして示される。
【0040】
別の実施例では、接点の極性は、逆転される(すなわち、近位接点7が、負極端子に接続され、遠位接点8が、正極端子に接続される)ことができる。ボタン12は、電流をヒータに送電することによって、このヒータ6を加熱するために係合されることができる。代替構成では、電圧源10は、カテーテル2の物理的に上の接点7、8にわたって直接位置することができる。本構成では、コントローラは、カテーテル上の接点7、8と相互作用するために、対応する端子および回路を含むことができる。
【0041】
図2は、
図1に示されるシステムの近位端の断面図を示す。カテーテル2は、(より太い線の領域によって示される)内側カテーテルライナ18と、外側カテーテルジャケット20とを含む。この内側カテーテルライナ18は、カテーテルハブ4を通して延設されてもよく、カテーテル2の残部を通して延在する。PTFEが内側ライナ18のために使用される一方、ポリエーテルブロックアミドが外側カテーテルジャケット20のために使用される等、ポリマーが、ライナ18とジャケット20との両方のために使用されてもよい。
【0042】
電圧源の正極端子は、近位接点7に接続する。一実施例では、近位接点7は、導電性めっきハイポチューブから作製されることができる。このハイポチューブは、カテーテルの遠位部まで延設される導電性トレース16にわたって位置する。導電性トレース16は、内側カテーテルライナ18上に延設される。ハイポチューブは、トレースにわたって固結されることができ、固結剤(cement)14は、導電性エポキシ樹脂含むことができる。一実施例では、説明されるように、ハイポチューブは、トレース16にわたって直接位置する。
【0043】
(
図2に示されるような)別の実施例では、ハイポチューブは、2つの要素間の導電性ブリッジとして作用する、導電性エポキシ樹脂14によって、トレース16に接続する。これらの構成では、ハイポチューブは、内側カテーテル層上に位置するであろう。代替構成では、内側カテーテル層と外側カテーテルジャケットとの間に電流供給を提供するために、ダクトが、外側カテーテル層を通して穿設されることができ、導電性エポキシ樹脂が、このダクト内に置かれることができる。ハイポチューブは、次いで、外側カテーテル表面上に置かれることができる。
【0044】
導電性トレース16は、内側ライナ18に沿って、カテーテルの遠位部に至るまで延設される。遠位接点8が、カテーテル2の外側ジャケット20にわたって固定される導電性トレースから形成されてもよく、電圧源の負極端子に接続される。図に示されるように、導電性トレース9の一部が、螺旋形状を形成し、次いで、カテーテル2の長さに沿って長手方向に延在することができる。一実施例では、この螺旋領域は、長さが約1センチメートルである。近位接点7が正極性を有し、遠位接点8が負極性を有する場合、トレース16は、電流を供給するように作用し、トレース9は、電流を返すように作用し得る。
【0045】
図3は、カテーテル2の遠位部を示す。導電性トレース16が、カテーテル2の遠位部への内側カテーテルライナ18に沿って位置する。
図2および3に示される構成に関して、導電性トレース16は、正電荷を有し、したがって、電流を供給する(但し、前述されるように、接点7、8の極性は、逆転され得る)。導電性トレースヒータ6が、カテーテルの遠位部に、螺旋形状において、カテーテル2の外側ジャケット20にわたって位置する。緊密な螺旋構成は、螺旋を通しての近接した電流の進行経路および本区分を通しての抵抗増加に起因して、電流が通過するにつれて熱生成を助長する。
【0046】
螺旋/コイル状構成6の端部において、導電性トレース9が、カテーテル2に沿って長手方向に延在する。トレース9は、
図2に示されるような遠位接点8に戻るように近位に延在する。一実施例では、ヒータ6の巻線のトレース幅24は、約0.002インチ〜0.005インチであり得る。一実施例では、ヒータ長26は、約1〜2cmであり得る。一実施例では、少なくとも200ミリアンペアの電流が、ヒータコイル6に対して所望される。導電性トレースにおいて使用されるトレース幅、ヒータ長、および導電性材料は、可変であり、これらは、ヒータ電流に影響を及ぼし得る。一実施例では、ヒータ巻線幅24は、供給および帰路トレース導体9ならびに16よりも薄く、そのため、ヒータ6の抵抗は、供給および帰路トレース9ならびに16の抵抗を上回る。
【0047】
導電性トレース16とヒータ6とを接続するために、ダクト22が、外側カテーテルジャケット20を通して穿設される。トレース16をヒータ6に接続するために、導電性エポキシ樹脂が、このダクトを通して置かれ、したがって、(内側カテーテルライナ18上に位置する)トレース16から、(外側カテーテルジャケット20上に位置する)ヒータ6への電流経路を提供することができる。近位接点7が正であり、遠位接点8が負である場合、電流は、近位接点7から、導電性エポキシ樹脂14に、かつ導電性トレース16に、かつカテーテルの遠位部に至るまで流れる。電流は、次いで、導電性エポキシ樹脂14を通して、かつダクト22を通してヒータ6に流れ、次いで、導電性トレース9を通して、遠位接点8に戻る。
【0048】
ユーザが、電気パルスを起動させるために電圧源10上のボタン12を押すことによって、ヒータ6の加熱を開始することができる。電流パルスは、次いで、すぐ上で規定された様式において、本システムを通して進行する。一実施例では、コントローラからのDC電気パルスは、調整された電流出力およびパルス持続時間(すなわち、0.5〜3秒)を有し得る。一実施例では、パルス持続時間は、カテーテル加熱要素6の表面における一時的な加熱効果が、華氏約165度を超えないように整調される。別の実施例では、交流電圧源が、使用される。
【0049】
電圧源10が説明されているが、本デバイスは、電圧源およびインパルス機構(ボタン12)を含む、コントローラシステムを含むことができる。参照することによってそれらの全体として本明細書に組み込まれる、米国特許第8182506号および米国特許第20060200192号が、そのようなコントローラを利用するインプラント脱離システムを説明する。それらの参考文献に説明されるコントローラは、本書に説明されるシステム/複数のシステムにおいて使用されてもよい。一実施例では、電圧源10は、9ボルトのバッテリを使用することができる。別の実施例では、1つまたはそれを上回る3ボルトのバッテリが、使用されることができる。別の実施例では、複数の9ボルトのバッテリが、使用されることができる。別の実施例では、3つの3ボルトのバッテリが、使用されることができる。電圧源は、ユーザのためのハンドヘルドユニットとして、カテーテルハブ4の近位に位置してもよい。代替として、電圧源は、カテーテル上に搭載される、カテーテルハブのすぐ遠位に位置してもよい。本構成では、コントローラは、カテーテル上の接点7、8と相互作用するために、対応する端子および回路を含むことができる。
【0050】
別の実施形態では、ヒータ6は、金属ヒータコイルであってもよい。導電性エポキシ樹脂が、ヒータコイルを導電性トレース9に接続するために使用されてもよい。
【0051】
図4は、概して、
図1−3の前述される実施形態に類似する、加熱カテーテルシステムの実施形態を例証する。導電性トレース16は、金属ヒータコイル28に接続する内側カテーテル層上に位置し、これもまた、内側カテーテル層上に位置する。一実施例では、導電性エポキシ樹脂が、要素16をコイル28に接続するために使用される。このコイル28は、カテーテルの遠位部に沿って延在する。ダクト22が、コイル28の遠位部に存在し、カテーテルの外側ジャケット20を通る通路またはボアから形成される。トレース9が、ジャケット20の外面上に位置し、ダクト22内の導電性エポキシ樹脂によって、コイル28に接続される。電流経路(トレース16が正極端子に接続され、トレース9が負極端子に接続されると仮定する)は、近位接点7から、導電性エポキシ樹脂14に、かつ導電性トレース16に、かつコイル28に延設され、すべての要素は、内側カテーテル層上にある。電流は、次いで、ダクト22内の導電性エポキシ樹脂を通して、帰路トレース9に進行し、遠位接点8に戻り、トレース9および遠位接点8は、外側カテーテルジャケット上に位置する。
【0052】
上記に提示される実施形態では、導電性エポキシ樹脂は、要素間に、および/またはカテーテルの異なる層上の要素間に導電性経路を提供するためのブリッジ機構として説明される。エポキシ樹脂以外の他の導電性材料が、使用されてもよい。
【0053】
図1−4に提示される加熱カテーテル実施形態は、塞栓剤がカテーテルの外面の周囲で硬化し、したがって、血管系内にカテーテルを捕捉する状況に対して有用となり得る。ヒータは、塞栓剤を溶解するように機能し、したがって、カテーテルが解放されることを可能にする。議論されるヒータは、カテーテルの長さに沿った複数の場所においても同様に利用され得る。
【0054】
概して、導電性トレースは、トレースの融点までヒータとして動作し得るのみであるため、固体金属材料(すなわち、ヒータコイル)が、導電性トレースよりも高い動作温度を有する。しかしながら、導電性トレースは、固体ハイポチューブまたはコイルに対して、カテーテル上でより少ない空間を占め、したがって、固体金属材料を利用するカテーテルと比較して、カテーテルの全体的外形を減少させ、該カテーテルの剛性を減少させる。したがって、ヒータがカテーテルの外側上にある、
図3に示される実施形態に関して、導電性トレースは、カテーテルの外側上に膠着する任意の塞栓剤を溶解するために十分であり得る。ヒータが内側カテーテル層上に置かれる、
図4の実施形態に関して、生成される任意の熱は、これがカテーテルと接触する塞栓剤を溶解し始め得る前に、外側カテーテル層を通して伝達しなくてはならない。したがって、より高い温度に到達し得るヒータ(すなわち、金属ヒータコイル)が、所望され得る。
【0055】
多くのカテーテル設計は、カテーテルが血管系を進むにつれて、これに構造的安定性を提供するために、コイルを利用する。したがって、本明細書に説明されるヒータコイル実施形態は、構造的補強のためにコイルまたは金属層をすでに利用しているカテーテルにおいて利用されることができる。種々の回路要素(導電性トレースおよび/または導電性ハイポチューブ、ならびに同等物)は、したがって、ヒータコイルを作成するために、既存の構造的コイル要素と組み合わせられることができる。同様に、ヒータコイルは、構造的安定性だけではなく、熱をカテーテルに提供し得る。
【0056】
図5−6は、カテーテル5の主要本体の遠位端にわたって嵌合し、ヒータ6の起動によって切断され得る、遠位の脱離可能管状区分30を利用する、加熱カテーテル5の別の実施形態を示す。ヒータが起動されるにつれて、区分30は、直径が拡張し、接着剤32を破壊する。好ましくは、区分30は、接着剤32を介して、カテーテル5の遠位端部に接続される。遠位の脱離可能区分30が塞栓剤送達中に膠着する場合、これは、脱離され、患者内の塞栓材料内に残されることができる一方、カテーテル5の残りの部分は、除去される。一実施例では、ヒータ6は、導電性トレースを利用し、華氏約120〜160度の温度に到達する。一実施例では、金属ヒータコイルが、ヒータ6として使用される。接着剤32は、理想的には、比較的低い溶解温度(例えば、華氏約120〜160度)を有する。
【0057】
想定される別の実施形態は、ヒータ6のために金属ヒータコイルを利用するであろう。脱離可能区分30が、含まれるが、いかなる接着剤も、使用されない。代わりに、非常に軟質の材料から作製される収縮チューブ(例えば、架橋ポリオレフィン)が、ヒータコイル上に置かれる。一実施例では、この収縮チューブに対するデュロメータは、30D未満である。材料の軟性に起因して、これは、金属ヒータコイルの表面に一致し、特に、コイルが熱を生成するにつれて、コイルに接着し得る。
【0058】
脱離可能区分30は、好ましくは、最初に、カテーテルの直径よりもわずかに大きい管状形状を有する。区分30は、収縮チューブにわたって置かれ、好ましくは、高度の形状記憶性を有する。高度の形状記憶性は、高面積ドローダウン比を利用することによって、脱離可能区分に付与されることができる。ドローダウン比とは、押出成形されたプラスチック溶融体の断面積と、最終製品の断面積との比率である。高ドローダウン比とは、2つの面積間の有意な差異を意味し、最終製品(脱離可能区分)が、より高次の事前処理された断面積から留保される、高度の形状記憶性を留保し得ることを意味する。脱離可能区分が下層ヒータコイルから加熱されるにつれて、脱離可能区分は、その拡張された、プリセットされた形状記憶形状に戻り、したがって、コイルおよび収縮チューブから脱離し得る。代替構成では、いかなる収縮チューブも、利用されず、脱離可能区分は、ヒータコイルに直接重ねて置かれる。
【0059】
先の実施形態におけるような要素9および16は、導電性トレースから作製されることができる。一実施例では、トレース9は、内側カテーテルライナ表面上にあり、トレース16は、外側ジャケット上にある。別の実施例では、両方のトレースは、内側カテーテルライナ表面上に位置する。別の実施例では、両方のトレースは、外側カテーテルジャケット上に位置する。一実施例では、これらのトレースは、外側カテーテルジャケットの外部に位置する。別の実施例では、トレースのうちの1つまたはそれを上回るものは、カテーテルを通して延設されてもよい。代替として、導電性めっきハイポチューブが、使用されることができる。代替として、導電性ワイヤが、使用されることができる。ヒータが熱を生成すると、生成された熱は、脱離可能区分を、これがヒータおよびヒータに重ねて置かれる収縮管類から脱離するまで、拡張させ得る(内側直径は、拡張する一方、長さは、縮小し得る)。収縮管類は、管類の軟性および適合性に起因して、ヒータとともに留まる。脱離可能区分30が完全に脱離すると、カテーテルの残部は、引き離され、したがって、塞栓剤質量とともに脱離可能区分30を残すことができる。
【0060】
図7は、構造的要素とヒータとの両方として作用する、コイル28を利用するカテーテル11の別の実施形態を示す。説明される導電性トレース/回路は、カテーテルの構造的完全性もまた助長する、ヒータコイルを作成するために、構造的コイルとともに利用され得る。導電性トレース34、36は、内側カテーテルライナ18上に位置する。例の目的として、トレース34は、(正に極化された)供給電流であり、トレース36は、(負に極化された)帰路電流である。帰路トレース36が、トレース36の上部の非導電性材料38によって、その長さの大部分にわたって絶縁されるが、導電性トレース36の遠位部を暴露させたまま残す。コイル28が、内側ライナ18にわたって巻着され、トレース34、36に接続される。外側カテーテルジャケット20は、内側層18およびコイル28にわたって位置付けられ、層は、上昇温度および圧縮の適用を介して、ともに融合される。融合作用は、トレースをコイル28に相互接続する役割を果たし、したがって、付加的な電気相互接続の任意の必要性を排除する。
【0061】
コイル28は、トレースへの接続に起因して、ヒータとして作用し、トレースは、順に、電圧源に接続されることができる。カテーテル11の内側層18上にあるコイル28は、カテーテルに構造的安定性を提供するのみならず、ヒータとしても作用する。カテーテル11の遠位部が塞栓剤質量に膠着する場合、ヒータ28は、カテーテル11の表面において任意の液体塞栓剤を溶解するように起動され、したがって、カテーテル11を解放することに役立つことができる。
【0062】
本明細書に議論される金属ヒータコイルは、一実施例では、電流がコイルを通して進行するにつれて、電流の抵抗を増加させ、したがって、コイル温度を上昇させるために、高電気抵抗材料から作製されてもよい。所望される温度範囲等の要因が、材料選択に影響を及ぼすであろう。塞栓剤を溶解するために十分に高いが、カテーテルにおいて使用される実際のポリマー材料を溶解するほど十分に高くはない温度が所望されるであろうため、温度は、材料選択において重要な要因である。
【0063】
図2−4および7に説明される実施形態は、塞栓剤を溶解するために、カテーテルの一部を加熱する加熱要素と、電流を加熱要素に伝達するために使用され得る、必須の回路(すなわち、導電性トレース)とを利用する。本技術は、いくつかの類似する用途に対して使用されることができる。別の実施形態では、導電性トレースは、電流をセンサ(すなわち、温度センサまたは圧力センサ)に運ぶために使用されてもよく、該センサは、加熱要素に取って代わる。前述されるような導電性トレースは、電流流路をセンサに提供するために使用されることができる。したがって、温度および/または圧力を測定することが可能である、器具が装備されたカテーテルを作成し得、これは、導電性トレース回路要素に起因して、最小限の剛性を有する。
【0064】
説明されるいくつかの実施形態は、回路要素として導電性トレースを利用する。異なる実施形態が、これらの導電性トレースに取って代わるための、種々の導電性要素(導電性ハイポチューブ、有線回路要素等)を利用し得る。代替として、種々の導電性要素(導電性ハイポチューブ、有線回路要素等)は、導電性トレースと組み合わせて使用され得る。
【0065】
図8は、脱離可能先端58を有する、カテーテル50の別の実施形態を例証する。カテーテル50は、カテーテル50の近位部59と遠位先端部58を接続する、脱離継手52を含む。脱離継手52は、血液、造影剤、生理食塩水、または他の一般的に注入される介入流体等の液体に暴露されると、(化学的または別様に)分解し得る、接合材料54とともに保持される。例えば、接合材料54は、液体に暴露されると、溶液に解離し得る、NaClまたは類似する塩等の塩を含んでもよい。
【0066】
一実施例では、接合材料54は、外側の電気的に制御される膜56を介して、液体に選択的に暴露されることができる。電流が電気ワイヤ60および61を介して印加されると、膜は、流体が継手52に進入することを可能にし、接合材料54(例えば、NaCl)が溶液になり、遠位先端部58が近位カテーテル部59から分離することを可能にする。一実施例では、外側膜56は、カシーウェンゼル(Cassie−Wenzel)湿潤遷移効果を介して動作し、これは、Bormashenko、Edward、Roman Pogreb、Sagi Balter、およびDoron Aurbachの「Electrically Controlled Membranes Exploiting Cassie−Wenzel Wetting Transitions」(Scientific Reports 3(2013年))に説明され、その内容は、本明細書に参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0067】
別の実施例では、外側膜部56は、電流がワイヤ60および61を介して通過されると、ヒドロゲルに、その流体を放出させ、収縮させる、ヒドロゲルの層であり得る。いったん十分に収縮されると、ヒドロゲルは、カテーテル50の外側からの流体が、継手52に進入し、接合材料54を分解することを可能にする。一実施形態では、ヒドロゲルのみが、使用される。別の実施形態では、ヒドロゲルは、その上に透過性フィルムまたは層を有する。
【0068】
別の実施例では、外側膜56は、薄いフィルムであってもよく、これは、電気ワイヤ60および61からの電流がこれに印加されると、溶解または分解する。例えば、このフィルムは、ヒータの起動を介して溶解するために十分な融点を伴う、ポリウレタンまたはポリオレフィン等のポリマーを含み得る。
【0069】
代替実施形態では、継手52の内面55は、内側通路53から接合材料54への流体(例えば、生理食塩水または造影剤)の通過を選択的に可能にするように構成され得る。この流体の選択的通過は、外側膜56に関して議論された機構のいずれかを介して遂行されることができ、単独で、または外側膜56に加えて、使用されることができる(すなわち、両方の膜は、流体の通過を選択的に可能にすることができる)。
【0070】
図9−13は、近位部59と、継手72を介して脱離可能な遠位部58とを有する、カテーテル70の種々の側面を例証する。概して、継手72は、起動されると、接着部材84を溶解し、それによって、遠位部58を解放する、カテーテルの近位部59に取り付けられる複数の加熱要素74および75を含む。
【0071】
図10に最良に見られるように、接着部材84は、遠位カテーテル部58に固定される、遠位リング82の溝82A内に位置する。加熱要素74および75はまた、接着部材84が加熱要素74および75を遠位リング82に固定または固着させ、それによって、遠位カテーテル部58を近位カテーテル部59とともに維持するように、溝82A内に位置付けられる。
【0072】
一実施形態では、加熱要素74および75は、複数の略矩形形状を形成するが、単一の四角形または複数の円形ループ等、種々の異なる形状が、可能である。
【0073】
電流が、遠位導電性リング80および近位導電性リング76を介して、加熱要素74および75のそれぞれに分配される。少なくとも1つの加熱要素75が、リング76および80(ならびにリング76、80間に位置する絶縁層78)を完全に通過する、伸長近位端を含む。端部75Aのうちの一方は、電気ワイヤ60に接続する一方、他方の端部75Aは、電気ワイヤ61に接続し、要素75が選択的に電力を供給されることを可能にする。伸長近位端75Aのうちの一方は、近位リング76と電気的に接触する一方、遠位リング80との電気的接触から絶縁される。他方の近位端75Aは、遠位リング80と電気的に接触する一方、近位リング76との電気的接触から絶縁される。この点で、端部75Aは、リング76および80に、かつそれらの間に、電流のための経路を提供する。
【0074】
残りの加熱要素74は、好ましくは、遠位リング80のみと電気接触する、第1の端部74Aと、近位リング76のみと電気接触する、第2の端部74Bとを有する。
図12および13に見られるように、本配列は、遠位リング80の開口80Aのうちの1つのみの中への進入を可能にする、比較的短い長さを有する第1の端部74Aと、開口80を通して、かつ絶縁層78の開口を通して、近位リング76の開口76Aのうちの1つの中に延在する、比較的長い長さを有する第2の端部74Bとによって遂行されることができる。絶縁部材81がさらに、遠位リング80の開口80A内に位置する第2の端部74Bの一部上に位置し、それによって、そうでなければ電流が加熱要素74を通して完全に流れることを妨げるであろう電気接触を防止することができる。
【0075】
図14は、継手92を介して近位部59から脱離する遠位部58を伴う、カテーテル90の別の実施形態を例証する。継手92は、カテーテル90の壁の周囲に軸方向かつ円周方向に位置する、複数のテザーまたはモノフィラメント96によって、ともに保持される。各テザー96は、アンカ98を介して、遠位部58と近位部59との両方に張力下で係留される。アンカは、接着剤、接合剤、テザー96が結び付けられ得る別個の要素、または類似する締結機構であり得る。
【0076】
テザー96は、好ましくは、テザー96のそれぞれの近傍に位置する抵抗ヒータによって破壊される。例えば、
図14および15は、リング形状を形成するように、隣接する湾曲領域94Bによって接続される、複数のコイル状部94Aを含む、抵抗ヒータリング94を例証する。コイル状部94Aはそれぞれ、好ましくは、テザー部材96への効率的な熱伝達を可能にするように、テザー部材96のうちの1つの周囲に巻き付けられる。最後に、電気ワイヤ60および61が、電流をリング94に選択的に印加し、コイル94Aを加熱させ、テザー部材96を溶解または破壊させ、カテーテル90の遠位部58を近位部59から解放させる。
【0077】
図16は、電解継手102を介して近位部59から脱離する先端部58を有する、カテーテル100の別の実施形態を例証する。具体的には、継手102は、好ましくは、中間犠牲アノードリング108と接触する、近位リング104および遠位リング106を含む。電気ワイヤ60が、正電流をリング104に提供する一方、負電流が、カテーテル100内からの流体を介して、または患者と接触する電極を介して患者の血液を通して、供給される。リング104、106および中間犠牲アノードリング108は、アノードリング108の急速なガルバニック腐食を生じさせるように選択される(すなわち、アノードリング108は、アノードとして作用し、リング104、106は、カソードとして作用する)。いったんアノードリング108が十分に腐食されると、(リング106を含む)カテーテルの遠位部58は、近位部59から切断される。
【0078】
図17−19は、機械的解放機構を介して近位部59から脱離する先端部58を有する、カテーテル110の別の実施形態を例証する。具体的には、カテーテル110は、機械的解放機構を係合解除させるために、外向きに移動するピン116を有する、1つまたはそれを上回るピストン114を含む。一実施例では、機械的解放機構は、掛止位置(
図17)から掛止解除位置(
図18)に移動され得る、フック部116Aをピン116の遠位端上に含む。しかしながら、種々の異なる掛止機構が、ピストン114とともに使用され得ることを理解されたい。
【0079】
図19は、圧力耐性筐体122およびキャップ120が、加熱されると拡張する材料124を含む、ピストン114の1つの可能性として考えられる実施形態を例証する。材料124は、ピストン114の移動を生じさせるために十分に高い膨張係数を伴う、任意のワックス、オイル、または類似する材料であり得る。別の実施例では、材料124は、比較的高い膨張係数を伴う、水銀、エタノール、または他の材料であり得る。ヒータコイル112が起動されると、これは、ピストン114を加熱し、材料124を筐体122内で拡張させ、それによって、筐体122から少なくとも部分的にピン116を押し出す。
【0080】
図20−22は、機械的解放機構132を介して近位部59から脱離する先端部58を有する、カテーテル130の別の実施形態を例証する。具体的には、解放機構132は、相互に対して位置付けられ、複数のテザー部材またはフィラメント138を介してともに接続または保持される、近位リング134および遠位リング136を含む。
図21のリングの断面図において最良に見られるように、リング134および136は、最初に、相互に対して略凹形状を有する(例えば、相互の間に断面長円形を形成する)。しかしながら、リング134および136が加熱されると、リングへの電流の直接印加または隣接するヒータコイルのいずれかによって、リング134および136は、反対方向に屈曲し、凸形状(
図22)を形成する。この形状変化は、概して、テザー部材138が接続される、リングの端部の距離を相互に増加させ、それによって、テザー部材138を破砕または破壊し、カテーテル130の遠位部58が、近位部59から切断されることを可能にする。
【0081】
一実施形態では、リング134および136の温度屈曲挙動は、バイメタル設計(すなわち、リングの第1の側上の第1の金属およびリングの第2の側上の第2の異なる金属)を使用することによって、生成されることができる。別の実施形態では、リング134および136の屈曲挙動は、マルテンサイト/オーステナイト遷移が可能な材料を使用することによって、生成されることができる。例えば、リング134、136は、電流がリングに印加されるか、またはヒータコイルが起動されると、リング134、136がそれらのオーステナイト相に遷移し、それによって、形状も変化させるように、比較的高いオーステナイト最終温度を有する、ニチロールを含むことができる。
【0082】
図23−33は、機械的解放機構142を介して近位部59から脱離する先端部58を有する、カテーテル140の別の実施形態を例証する。機械的解放機構142は、好ましくは、通常動作温度(例えば、体温)にある間、機構142を係止状態に維持するが、電流の直接印加によって、または隣接するヒータコイルを介してのいずれかで加熱されると、機構142を係止解除させるように形状を変化させ、それによって、遠位先端部58を解放する、熱起動ばね部材146を含む。
【0083】
一実施形態では、ばね部材146の温度屈曲挙動は、バイメタル設計(すなわち、ばね部材146の第1の側上の第1の金属およびばね146の第2の側上の第2の異なる金属)を使用することによって、生成されることができる。別の実施形態では、ばね部材146の形状変化挙動は、マルテンサイト/オーステナイト遷移が可能な材料を使用することによって、生成されることができる。例えば、ばね部材146は、電流がばねに印加される、またはヒータコイルが起動されると、ばね部材146がそのオーステナイト相に遷移し、それによって、形状も変化させるように、比較的高いオーステナイト最終温度を有する、ニチロールを含むことができる。
【0084】
機械的解放機構142のばね部材146は、基部150上およびその周囲に位置する。ばね部材146はさらに、(
図26に最良に見られる)開口150A中に延在する、その端部のうちの1つにおける第1の伸長アンカ部材146Aによって、基部150上の定位置に係留される。ばね部材146はまた、(
図27および28に最良に見られる)係止リング148内の開口中に延在する、第2の伸長アンカ部材146Bも含む。この点で、ばね部材146は、通常動作温度(例えば、体温)にある間、係止リング148を基部150に対して第1の回転位置に維持し、(印加される電流またはヒータコイルを介して)加熱されると、係止リング148を回転させる。
【0085】
基部150、ばね部材146、および係止リング148は全て、好ましくは、外側筐体部材152内に含有され、これは、相互に対するこれらの部材の軸方向位置を維持することに役立つ。
図29に最良に見られるように、外側筐体部材152は、リング144上の係止ピン144Aの通過を可能にする、複数の開口152Aを含む。
【0086】
図31−33に最良に見られるように、係止ピン144Aは、開口152Aを通して、係止リング148上のスロット148B中に通過する。
図33に最良に見られるように、スロット148Bのそれぞれの一方の端部は、ピン144Aの遠位端に係合するようにサイズ決定および成形される、張出部または辺縁148Cを含む。具体的には、係止ピン144Aの遠位端は、残りの近位部に対して拡大された直径を有し、この遠位端が、辺縁148Cに引っ掛かり、したがって、ピン144Aの離脱を防止することを可能にする。好ましくは、ばね部材146は、辺縁148Cを係止ピン144Aの遠位端にわたって維持する回転位置に、係止リング148を維持するように構成される。
【0087】
スロット148Bの反対の端部は、ランプ面148Aであり、これは、スロット148Bから係止ピン144Aを押し出すことを補助する。具体的には、ランプ148Aは、係止リング148が回転するにつれて、ランプ148Aが係止ピン144Aを筐体152から軸方向に外向きに押し出すように、リング144に向かって傾斜される。この点で、ばね部材146が加熱されると、係止リング148は、係止ピン144Aと辺縁148Cを係合解除させるように回転し、ピン144Aを外向きに押し出す。リング144および基部150は、それぞれ、カテーテル140の近位部59または遠位部58のいずれかに取り付けられるため、機構142を係止解除することは、遠位部58を分離させる。
【0088】
代替として、機械的解放機構142の係止リング144の回転が、異なる機構を介して実施されることができる。例えば、
図19のピストン114は、熱がピストン114を起動させると、リング144を回転させるように、基部150または筐体152だけではなく、係止リング144にも固定され得る。
【0089】
図34は、ヒューズ解放機構142を介して近位部59から脱離する先端部58を有する、カテーテル140の別の実施形態を例証する。具体的には、部分58および59は、カテーテル160の円周の近傍に位置する、ヒューズ部材162のうちの1つまたはそれを上回る(例えば、複数の)ものによって、ともに保持されることができる。
【0090】
ヒューズ部材162は、好ましくは、近位リング164および遠位リング166に接続される。近位リング164および/またはヒューズ部材162の近位端は、電気ワイヤ60に接続される一方、遠位リング166およびヒューズ部材162の遠位端は、電気ワイヤ60に接続される。好ましくは、電気ワイヤ61は、遠位部58が近位部59から分離すると分離する、切断部167を含む。例えば、ワイヤ61は、第2の電極面に対して物理的に押し付けられる第1の電極で終端することができ、第2の電極面は、順に、遠位部58における残りのワイヤに接続される。したがって、電気連通が、リング166に提供されるが、電極は、遠位部58に対していかなる保持力も提供しない。
【0091】
好ましくは、ヒューズ部材162は、患者内の周辺組織を損傷させるほど十分な熱を生じさせずに、破砕または破壊され得る材料を含む(この破壊値は、時として、「溶断I
2t」値と称される)。一実施例では、ヒューズは、金めっきポリイミド材料の伸長ハイポチューブを含むことができる。
【0092】
図35−36は、ヒューズ解放機構172を介して近位部59から脱離する先端部58を有する、カテーテル170の別の実施形態を例証する。具体的には、部分58および59は、概して、先に議論されたカテーテル140に類似する、カテーテル170の円周の近傍に位置する、ヒューズ部材172のうちの1つまたはそれを上回る(例えば、複数の)ものによって、ともに保持されることができる。
【0093】
図36に最良に見られるヒューズ部材172は、内部管腔内に固定されるヒューズ部材180を有する、近位カプセル部材174と、その遠位端に固定されるループ182を有する、遠位カプセル部材176とを含む。組み立てられると、ヒューズ部材180は、ループ182を通して位置付けられ、2つのカプセル部材176をともに係止する。
【0094】
好ましくは、カプセルは、電流を伝導させないように、セラミック等の絶縁材料を含むか、またはこれを用いてコーティングされる。電流が、定位置にインサート成形される2つの電気接点178、179によって、ヒューズ部材180に供給される。接点178が、ワイヤ61およびヒューズ部材180の一方の端部に接続される一方、接点179は、ワイヤ60およびヒューズ部材180の他方の端部に接続される。
【0095】
他の実施形態のように、脱離が所望されるとき、電流が、ワイヤ60、61に印加され、ヒューズ部材180を破壊または破砕させる。ループ182は、ヒューズ部材176ともはや係合されず、遠位先端58は、近位カテーテル部59から切断される。
【0096】
1つのヒューズ部材172について議論されているが、複数のヒューズ部材172もまた、カテーテル170の内側円周の周囲に使用され得ることを理解されたい。そのような実施例では、ワイヤ60、61および電気接点178、179のそれぞれは、それぞれ、(カテーテル140におけるものと類似する)近位または遠位導電性リングに接続し得る。
【0097】
前述される実施形態は、塞栓剤送達カテーテルとしての使用に関して説明されているが、これらの設計はまた、他の目的のために使用されることもできる。例えば、脱離可能先端バルーン、脱離可能嚢状内デバイス、依然としてガイドワイヤ上にありながら脱離し得る、迅速交換システム、ステントシステム、閉鎖デバイス、頸部ブリッジデバイス、およびコイルインプラントがある。これに関して、本明細書のカテーテル実施形態は、少なくとも1ポンドの引張強度と、少なくとも500psiの破裂圧力と、先端接合部において最小限の漏出を伴って、または全く漏出を伴わずに流体を伝搬する能力とを有し得る。一実施形態では、前述されるカテーテルは、約0.013インチの内側管腔直径と、約0.020インチの外径壁を含むが、説明される概念は、より大きくまたはより小さくサイズ決定されたカテーテルに対して使用されることもできる。
【0098】
前述される実施形態は、電気をカテーテルの遠位端に伝達するために、2つの比較的直線のワイヤを使用するものとして描写されているが、他の実施形態も可能であることを理解されたい。例えば、電流は、カテーテルの長さに延在する、複数の編組補強ワイヤを通して伝搬されることができる。典型的には、補強編組のために利用される金属は、ステンレス鋼またはニチロールのいずれかであるが、本シナリオでは、より低い抵抗を伴う材料が、好ましい(例えば、金、銀、または銅)。加えて、これらのワイヤは、ニッケルクラッディングを有する銅コア、金クラッディングを有するステンレス鋼コア、または銀クラッディングを有するニチロールコア等、クラッディングプロセスを使用して形成されることができる。これらのワイヤはまた、ポリイミドエナメル、パリレン、または他の好適な物質等、電気絶縁性の外側層も有し得る。これらのワイヤはさらに、正および負の束に群化されてもよく、複数のワイヤは、電流伝搬能力を増加させるために、および全体的電気抵抗を減少させるために、ともに結束される。
【0099】
また、本発明は、本明細書および図面において説明される、カテーテル実施形態の全てを使用する方法も含むことを理解されたい。例えば、カテーテル実施形態のいずれかは、治療部位に前進されることができ、塞栓材料が、カテーテルの遠位先端から展開されることができる。カテーテルが塞栓材料内で膠着状態になる場合、医師は、塞栓材料を部分的に溶解させるために、カテーテルの遠位端に熱を起動させるか、またはカテーテルの遠位端を脱離させるために、脱離機構を起動させるかのいずれかを行うことができる。最後に、カテーテルは、患者から除去されることができる。