(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1に記載の方法であって、前記表面エネルギーを増大させるステップが、エネルギー源(20)を、前記堆積層(50)上のエネルギー源目標領域(56、66)に指し向けて、前記エネルギー源目標領域(56、66)での前記堆積層(50)の表面エネルギーを増大させるステップを含み、前記エネルギー源(20)を前記エネルギー源目標領域(56、66)に指し向けるステップが、堆積層(50)の或る領域に、その領域(56、66)への後続の層(52)の堆積に先行してエネルギーを加えるステップを含むことを特徴とする方法。
請求項1または2に記載の方法であって、前記表面エネルギーを増大させることになる領域(56、66)で、前記表面エネルギーを増大させる前に、前記堆積層(50)の温度を感知するステップと、前記感知された温度に基づいて前記表面エネルギーを増大させるステップとをさらに含むことを特徴とする方法。
請求項1から4のいずれか1項に記載の方法であって、前記押出しヘッド(18)に隣接する後続の層(52)に圧力を加えるステップをさらに含むことを特徴とする方法。
請求項2に記載の方法であって、前記エネルギー源が、光源、加熱平板、赤外線加熱、加熱された不活性ガス、および前述の少なくとも1つを含む組合せを含むことを特徴とする方法。
請求項1から9のいずれか1項に記載の方法であって、層(50)と後続の層(52)との間の表面接触領域(60,60a)が、エネルギー源(20)をエネルギー源目標領域(56、66)に指し向けるステップを含まない層(50)および後続の層(52)に関する表面接触領域(60,60a)よりも大きいことを特徴とする方法。
請求項1から10のいずれか1項に記載の方法であって、前記表面エネルギーを増大させるステップと、前記後続の層(52)を堆積するステップとの間の時間の長さが、1分未満であることを特徴とする方法。
請求項14または15に記載の装置であって、前記表面エネルギーが増大することになる領域(56、66)で、前記表面エネルギーを増大させる前に前記堆積層(50)の温度を感知し、前記感知された温度に基づいて前記表面エネルギーを増大させることが可能な温度センサ(72)をさらに含むことを特徴とする装置。
請求項14から16のいずれか1項の装置であって、押出しヘッド(18)に隣接する後続の層(52)に圧力を加えることが可能な圧力源(74)をさらに含むことを特徴とする装置。
請求項14から17のいずれか1項に記載の装置であって、前記エネルギー源(20)が、光源、加熱平板、赤外線加熱、加熱された不活性ガス、および前述の少なくとも1つを含む組合せを含むことを特徴とする装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書には、隣接する層間の結合を増大させた部品を生産することが可能な、付加製造モデリング法および装置が開示されている。理論に拘泥するものではないが、本明細書で得られる好ましい結果、例えば高強度の3次元ポリマー構成要素は、堆積された層の一部の上および/またはそれに隣接して後続の層が堆積される前に、その一部の表面エネルギーを増大させることによって実現できると考えられる。堆積された層の、より高い表面エネルギーと、改善された接着とに起因して、層間の表面接触面積も増大させることができ、それによって、隣接する層間の構築方向および/または横方向の強度が改善される。さらに、層間の結合の増大は、層間のいくらかの表面張力に打ち勝つことができ、その結果、凝集がもたらされ、部品の表面品質を改善することが可能になる。したがって、優れた機械的および審美的性質を持つ部品を製造することができる。
【0012】
本明細書および特許請求の範囲で使用される「材料押出し付加製造技法」という用語は、ノズルまたはオリフィスを通して選択的に吐出することによって、デジタルモデルから、モノフィラメントまたはペレットなどの熱可塑性材料から層状に材料を置くことにより、任意の形状の3次元固体物体を作製する任意の付加製造技法によって製造物品を作製することができることを意味する。例えば、押し出された材料は、コイルから巻き解かれたまたは押出しヘッドから堆積された、プラスチックフィラメントを置くことによって作製することができる。これらのモノフィラメント付加製造技法は、熱溶解積層法および熱溶解フィラメント製法、ならびにASTM F2792−12aにより定義されるその他の材料押出し技術を含む。
【0013】
「熱溶解積層法」または「熱溶解フィラメント製法」という用語は、熱可塑性材料を半液体状態に加熱し、その材料をコンピューター制御された経路に従い押し出すことによって、層ごとに、部品または物品を構築することを含む。熱溶解積層法は、モデリング材料および支持材料を利用する。モデリング材料は完成品を含み、支持材料は、プロセスが終了したときに、機械的に除去することができ、洗い落とすことができまたは溶解することができる足場材料を含む。このプロセスでは、材料を堆積して各層を完成させ、その後、基部をZ軸の下に移動させ、次の層を開始する。
【0014】
材料押出しにより押し出された材料は、熱可塑性材料から作製することができる。そのような材料は、ポリカーボネート(PC)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、アクリルゴム、エチレン−酢酸ビニル(EVA)、エチレンビニルアルコール(EVOH)、液晶ポリマー(LCP)、メタクリレートスチレンブタジエン(MBS)、ポリアセタール(POMまたはアセタール)、ポリアクリレートおよびポリメタクリレート(まとめてアクリルとしても公知である)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリアミド(PA、ナイロンとしても公知である)、ポリアミド−イミド(PAI)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリブタジエン(PBD)、ポリブチレン(PB)、ポリエステル、例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(PCT)、およびポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、ポリケトン(PK)、ポリオレフィン、例えばポリエチレン(PE)およびポリプロピレン(PP)、フッ素化ポリオレフィン、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリスルホン、ポリイミド(PI)、ポリ乳酸(PLA)、ポリメチルペンテン(PMP)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフタルアミド(PPA)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリスルホン(PSU)、ポリフェニルスルホン、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリウレタン(PU)、スチレン−アクリロニトリル(SAN)、または前述の少なくとも1種を含む任意の組合せを含むことができる。ABS、SAN、PBT、PET、PCT、PEI、PTFE、または前述の少なくとも1種を含む組合せとの、ポリカーボネートのブレンドは、メルトフロー、耐衝撃および薬品性などの所望の性質のバランスをとるのに特に注目すべきものである。これらのその他の熱可塑性材料の量は、モノフィラメントの重量に対して0.1%から70重量%、その他の場合には1.0%から50重量%、さらにその他の場合には5%から30重量%にすることができる。
【0015】
本明細書で使用される「ポリカーボネート」という用語は、式(1)
【化1】
(式中、R
1基の総数の少なくとも60パーセントは芳香族であり、または各R
1は、少なくとも1個のC
6〜30芳香族基を含有する)
の反復構造カーボネート単位を有するポリマーまたはコポリマーを意味する。特に、各R
1は、式(2)の芳香族ジヒドロキシ化合物または式(3)のビスフェノールなどのジヒドロキシ化合物から誘導することができる。
【化2】
式(2)において、各R
hは独立して、ハロゲン原子、例えば臭素、C
1〜10ヒドロカルビル基、例えばC
1〜10アルキル、ハロゲン置換C
1〜10アルキル、C
6〜10アリール、またはハロゲン置換C
6〜10アリールであり、nは0から4である。
【0016】
式(3)において、R
aおよびR
bはそれぞれ独立して、ハロゲン、C
1〜12アルコキシ、またはC
1〜12アルキルであり;pおよびqは、それぞれ独立して、0から4の整数であり、pまたはqが4未満の場合には、環の各炭素の原子価が水素で満たされるようになされている。一実施形態では、pおよびqがそれぞれ0であり、またはpおよびqがそれぞれ1であり、R
aおよびR
bはそれぞれC
1〜3アルキル基、特にメチルであって、各アリーレン基上のヒドロキシ基に対してメタ位に配置されたものである。X
aは、2個のヒドロキシ置換芳香族基を接続する架橋基であり、この架橋基と、各C
6アリーレン基のヒドロキシ置換基とは、C
6アリーレン基上で互いに対してオルト、メタ、またはパラ位(特に、パラ位)に配置されており、これらの架橋基は例えば、単結合、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)
2−、−C(O)−、またはC
1〜18有機基であって、環式または非環式、芳香族または非芳香族とすることができ、さらに、ハロゲン、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、またはリンなどのヘテロ原子を含むことができる。例えばX
aは、置換もしくは非置換C
3〜18シクロアルキリデン;式−C(R
c)(R
d)−(式中、R
cおよびR
dはそれぞれ独立して水素、C
1〜12アルキル、C
1〜12シクロアルキル、C
7〜12アリールアルキル、C
1〜12ヘテロアルキル、もしくは環式C
7〜12ヘテロアリールアルキルである)のC
1〜25アルキリデン;または式−C(=R
e)−(式中、R
eは2価のC
1〜12炭化水素基である)の基である。
【0017】
特定のジヒドロキシ化合物の、いくつかの例示的な例には、下記の化合物:4,4’−ジヒドロキシビフェニル、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−ナフチルメタン、1,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(3−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、1,1−ビス(ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)イソブテン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロドデカン、trans−2,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−ブテン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)トルエン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)アセトニトリル、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−エチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−n−プロピル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−イソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−sec−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,1−ジクロロ−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチレン、1,1−ジブロモ−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチレン、1,1−ジクロロ−2,2−ビス(5−フェノキシ−4−ヒドロキシフェニル)エチレン、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−ブタノン、1,6−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,6−ヘキサンジオン、エチレングリコールビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フッ素、2,7−ジヒドロキシピレン、6,6’−ジヒドロキシ−3,3,3’,3’−テトラメチルスピロ(ビス)インダン(「スピロビインダンビスフェノール」)、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フタルイミド、2,6−ジヒドロキシジベンゾ−p−ジオキシン、2,6−ジヒドロキシチアントレン、2,7−ジヒドロキシフェノキサチン、2,7−ジヒドロキシ−9,10−ジメチルフェナジン、3,6−ジヒドロキシジベンゾフラン、3,6−ジヒドロキシジベンゾチオフェン、および2,7−ジヒドロキシカルバゾールなどのビスフェノール化合物;レゾルシノール、5−メチルレゾルシノール、5−エチルレゾルシノール、5−プロピルレゾルシノール、5−ブチルレゾルシノール、5−t−ブチルレゾルシノール、5−フェニルレゾルシノール、5−クミルレゾルシノール、2,4,5,6−テトラフルオロレゾルシノール、または2,4,5,6−テトロブロモレゾルシノールなどの置換レゾルシノール化合物;カテコール;ヒドロキノン;2−メチルヒドロキノン、2−エチルヒドロキノン、2−プロピルヒドロキノン、2−ブチルヒドロキノン、2−t−ブチルヒドロキノン、2−フェニルヒドロキノン、2−クミルヒドロキノン、2,3,5,6−テトラメチルヒドロキノン、2,3,5,6−テトラ−t−ブチルヒドロキノン、2,3,5,6−テトラフルオロヒドロキノン、または2,3,5,6−テトラブロモヒドロキノンなどの置換ヒドロキノンが含まれる。
【0018】
特定のジヒドロキシ化合物には、レゾルシノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(「ビスフェノールA」または「BPA」であり、A
1およびA
2のそれぞれはp−フェニレンであり、X
aは式(3)中のイソプロピリデンである)、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フタルイミジン、2−フェニル−3,3’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フタルイミジン(N−フェニルフェノールフタレインビスフェノール、「PPPBP」、または3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−フェニルイソインドリン−1−オンとしても公知である)、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン(DMBPC)、および1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(イソフォロンビスフェノール)が含まれる。
【0019】
これらの芳香族ポリカーボネートは、公知のプロセスによって、例えば2価フェノールを、ホスゲンなどのカーボネート前駆体と、上述の文献および米国特許第4,123,436号に記載されている方法に従って反応させることにより、または米国特許第3,153,008号に開示されているようなエステル交換プロセスにより、ならびに当業者に公知のその他のプロセスにより、製造することができる。
【0020】
ホモポリマーではなくカーボネートコポリマーまたはインターポリマーが望まれる場合には、2種以上の異なる2価フェノールを用いることも可能である。ポリカーボネートコポリマーは、非カーボネート反復単位、例えば反復エステル単位(ポリエステル−カーボネート)、反復シロキサン単位(ポリカーボネート−シロキサン)、またはエステル単位とシロキサン単位との両方(ポリカーボネート−エステル−シロキサン)をさらに含むことができる。米国特許第4,001,184号に記載されているような分枝状ポリカーボネートも有用である。また、直鎖状ポリカーボネートおよび分枝状ポリカーボネートの組合せも利用することができる。さらに、上記材料のいずれかの組合せを使用してもよい。
【0021】
いずれにしても、好ましい芳香族ポリカーボネートは、ホモポリマー、例えば2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)およびカーボネートまたはカーボネート前駆体から誘導されたホモポリマーであって、SABICから登録された商標であるLEXANの商品名で市販されているものである。
【0022】
本明細書で使用される熱可塑性ポリカーボネートは、化学的および物理的な性質の、ある組合せを保持する。このポリカーボネートは、少なくとも50モル%のビスフェノールAから作製され、ポリカーボネート標準に基づいて較正されたゲル透過クロマトグラフィー(GPC)によって測定された、モル当たり10,000から50,000グラム(g/mol)の重量平均分子量(Mw)を有し、130から180度C(℃)のガラス転移温度(Tg)を有する。
【0023】
物理的性質のこの組合せの他に、これらの熱可塑性ポリカーボネート組成物は、ある任意選択的な物理的性質を保持していてもよい。これらのその他の物理的性質は、平方インチ当たり5,000ポンド(psi)の降伏点引張り強さと、100℃で1,000psiよりも大きい曲げ弾性率とを有することを含む(ASTM D4065−01により、動的機械分析(DMA)によって3.2mmの棒に関して測定されたとき)。
【0024】
その他の成分を、モノフィラメントに添加することもできる。これらの成分には、ソルベントバイオレット36、ピグメントブルー60、ピグメントブルー15:1、ピグメントブルー15.4、カーボンブラック、二酸化チタン、または前述の少なくとも1種を含む任意の組合せなどの着色剤が含まれる。
【0025】
本明細書に開示される構成要素、プロセス、および装置の、より完全な理解は、添付図面を参照することによって得ることができる。これらの図(本明細書では「FIG.」とも呼ばれる)は、便宜上および本開示を実証する容易さに基づいた単なる概略的な表示であり、したがって、デバイスまたはその構成要素の相対的なサイズおよび寸法を示そうとするものでもなくかつ/または例示的な実施形態の範囲を定めもしくは限定しようとするものでもない。特定の用語は、下記の説明において明瞭にするために使用されるが、これらの用語は、図面において例示のために選択された実施形態の特定の構造を単に指すものであり、開示の範囲を定めまたは限定しようとするものではない。図面および下記の説明において、同様の符合は同様の機能の構成要素を指すことが理解されよう。
【0026】
図1に示されるように、システム10は、例示的な材料押出し付加製造であり、構築プラットフォーム14、ガイドレールシステム16、押出しヘッド18、および供給源20を含む。構築プラットフォーム14は、その上で物品24を構築することができ、コンピューター作動式制御器28から与えられる信号に基づいて垂直に移動することができる、支持構造である。ガイドレールシステム16は、押出しヘッド18を、制御器28から与えられた信号に基づいて、構築プラットフォーム14に平行な平面内の任意の点に移動させることができる。代替例では、構築プラットフォーム14は、水平に移動するように構成することができ、押出しヘッド18は、垂直に移動するように構成されてもよい。その他の類似の配置構成、例えばプラットフォーム14と押出しヘッド18の1つまたは両方が互いに対して移動可能になるような配置構成を、使用してもよい。
【0027】
エネルギー源54を、押出しヘッド18に連結することができ、または押出しヘッド18から切り離すことができる。例えば、
図3に示すように、エネルギー源54は、支持アーム58を介して押出しヘッド18に連結される。代替例では、エネルギー源54は、システム10の内面に連結することができまたは可動支持構造に連結することができる。エネルギー源54は、移動可能にすることができ、コンピューター作動式制御器28によって制御することができる。例えば、エネルギー源54は、システム10内の特定の点にエネルギーが提供されるように、移動可能にすることができる。複数のエネルギー源54を用いることができる。エネルギー源は、先に堆積された層50の上部51の領域56を、押出しヘッド18から出る熱可塑性ポリマー材料のガラス転移温度(Tg)(Y)と、熱可塑性ポリマー材料の融点との間まで加熱することが可能な任意のデバイス、または先に堆積された層50の上部51の領域56を、Y≧X≧Y−20、特にY≧X≧Y−10もしくはY−5≧X≧Y−20である温度(X)まで加熱することが可能な任意のデバイスを含むことができる。言い換えれば、押出しヘッド18から出る熱可塑性ポリマー材料のTgが280℃である場合、デバイスは、領域56を260〜280℃に、特に270℃から280℃または260℃から275℃に加熱することが可能である。可能性のあるエネルギー源のいくつかの例は、光源(例えば、紫外光源、赤外光源、レーザー)、加熱された不活性ガス、加熱平板、赤外線加熱、および前述の少なくとも1つを含む組合せを含む。例えば、エネルギー源54は、出力範囲が約20ワット(W)から200であり波長が1064ナノメートル(nm)の、YAGレーザーにすることができる。可能性のある不活性ガスは、特定の熱可塑性材料に依存し、加工温度で分解することのないまたはそうでない場合には熱可塑性材料と反応することのない任意のガスを含む。可能性のある不活性ガスの例には、窒素、空気、およびアルゴンが含まれる。
【0028】
任意選択で、層50の上部51の温度を決定するために、加熱される領域に隣接して温度センサ72(例えば、非接触温度センサ)を装置に含めることができ、その結果、層50の上部51の温度を、エネルギー源の適用前に決定することができるようになる。このようにすることによって、上部51の実際の温度および領域56の所望の温度に基づいて、エネルギー源54からの熱の強度のオンライン調節が可能になる。
【0029】
所望の接着特性および/またはその他の部品特性を得るために、エネルギー源(例えば、高温ガスノズル)および押出しヘッド(例えば、メルト用チップ)は、部品が完成するまで縦並びで移動することができる。
【0030】
装置には、熱可塑性材料を付与した後の層に圧力を加えるように構成された圧力源74も、任意選択的に、例えば、押出しヘッド18に隣接して含めることができ、その結果、堆積された熱可塑性材料を先に設けられた層に加圧して(例えば、層52を層50に加圧して)、例えば材料を稠密化し、隙間または気泡を除去し、および/または層間の接着を増強することができるようになる(
図8参照)。
【0031】
さらに、材料押出し付加製造で十分理解されるように、段差または谷が、隣接する層の間に生成される。層間のこの谷80は、最終製品の審美性を損ない、望ましくない(
図5参照)。谷は、谷の基部から、隣接する層の表面までの深さを有する。熱可塑性材料を付与した後に圧力を加えることにより、熱可塑性材料を圧密化し、谷80に流入させ、そのサイズを低減させる。圧力を層に加えることにより、谷の深さを50%以上、特に70%以上、さらに80%以上低減させることができる。例えば、谷の深さが、圧力を加えない状態で10マイクロメートル(μm)の場合、圧力を加えた後の深さは5μm以下になる。
【0032】
加えられた圧力は、下記:層の稠密化、気泡の除去、付与層と先行層の間の隙間の除去、熱可塑性材料を谷に流入させることの少なくとも1つを行うのに十分なものにすることができる。
【0033】
例えば圧力源は、層上に、ガス流下(例えば、圧縮ガス)を与えることが可能なデバイスにすることができる。プロセスは、堆積されたばかりのポリマー融解物を、2つの隣接する層の間の角部分を満たすのにちょうど十分になるように先に堆積された層のかすかに縁部まで流動させるため、高圧ガス流を使用するようさらに修正することができ、その結果、その先細り表面はより滑らかになり、したがって形成された部品の審美性および強度が改善される。寸法制御を確実にするには、表面をより滑らかにするために角部分を満たす、流れるように作製された融解物の量に相当する追加の量の融解物を堆積させる必要がある。
【0034】
システム10で使用する、適切な押出しヘッドの例は、その全体を引用して援用する米国特許第7,625,200号に開示されているものを含むことができる。さらに、システム10は、モデリングおよび/または支持材料を1つ以上のチップから堆積するために、複数の押出しヘッド18を含んでいてもよい。熱可塑性材料は、供給源20から押出しヘッド18に供給することができ、それによって、押出しヘッド18で熱可塑性材料を堆積して物品24を形成することが可能になる。
【0035】
熱可塑性材料は、様々な異なる媒体中で、押出しベースの付加製造システム内のシステム10に提供されてもよい。例えば、材料は、連続モノフィラメントの形態で供給することができる。例えば、システム10では、モデリング材料を、供給源20からそれぞれ供給された連続モノフィラメントストランドとして提供することができる。モデリングおよび支持材料のフィラメントストランドに関する適切な平均直径の例は、約1.27ミリメートル(約0.050インチ)から約3.0ミリメートル(約0.120インチ)の範囲である。次いで受容された支持材料は、構築プラットフォーム14上に堆積され、層ベースの付加製造技法を使用して物品24を構築する。支持構造は、物品24の層の任意選択的な張出し領域の垂直支持をもたらすように堆積することもでき、その結果、物品24は様々な幾何形状で構築されるようになる。
【0036】
図2に示されるように、3Dモデルは、付随するエネルギー源54なしで、押出しヘッド18を使用して作製することができる。この技法を使用して、押出しヘッド18は、層50aをプラットフォーム14上に堆積する。層50aは硬化可能になり、後続の層52aは層50aの上部に堆積される。表面接触領域60aは、層50aと後続の層52aとの間に画定される。プロセスを、物品24が完成するまで繰り返す。
【0037】
図3に示されるように、エネルギー源54は、支持アーム58を介して押出しヘッド18に連結される。動作中、
図3の押出しヘッド18は、層50をプラットフォーム14上に堆積する。後続の層52を堆積する前に、エネルギー源54は、エネルギーをエネルギー源目標領域56に指し向ける。レーザー波長の選択は、組成物の吸収に依存し、基板とレーザーとの間の相互作用は、出力、周波数、速度、および焦点などのレーザーパラメーターを修正することによって、操作することができる。レーザーと基板との間の相互作用は、レーザーの波長を吸収する添加剤を添加することによって、調整しまたは改善することもできる。エキシマレーザーは、紫外波長(例えば、120〜450nm)に使用することができる。ダイオードレーザーは、可視スペクトルの波長(例えば、400〜800nm)に使用することができる。固体またはファイバーレーザーは、近赤外領域の波長(例えば、800〜2100nm)で使用することができる。例えば、レーザー波長に応じ、特定の添加剤を使用して、性質と相互作用との間の有効なバランスを実現することができる。非限定的な例示的な添加剤には、紫外波長に関しては2−(2ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾールを、可視スペクトル波長に関してはカーボンブラックを、近赤外波長に関しては六ホウ化ランタンを含むことができる。
【0038】
エネルギー源目標領域56は、後続の層52が堆積されることになる領域に位置する、層50の上部51を含むことができる。言い換えれば、エネルギー源54は、エネルギーをエネルギー源目標領域56に送出して、層52を層50上に堆積する前に、堆積された層50の上部51の表面エネルギーを増大させることができる。したがって、エネルギー源54は、層52を堆積する前に、エネルギー源目標領域56で、層50の少なくとも上部51(層52が堆積されることになる層50の部分とも呼ぶ)の表面エネルギーを増大させ、その結果、2層の間の結合強度が増大する。この改善された結合強度は、層50と層52との間の低下したエネルギーの不一致から得られる。層52のより高い温度は、表面間の分子の絡み合いを改善させ、より大きい凝集を可能にする。層間の、より低い温度の不一致は、不均衡な収縮に起因した界面での応力を制限する。さらに、層50の上部51の表面エネルギーの増大は、層50および52の間の表面接触領域60を、エネルギー源が用いられない接触領域60a(
図2)の表面以上に増大させる。エネルギー源目標領域56は、層50の幅の約50%以上を含むことができる。エネルギー源目標領域56は、層30の幅の約50%以下を含むことができる。
【0039】
図4および5に示されるように、エネルギー源目標領域66は、後続の層52が堆積されることになる領域に隣接して位置する層65の側部61を含むことができる。言い換えれば、エネルギー源54は、エネルギーをエネルギー源目標領域66に送出して、層65に隣接して層52を堆積する前に、堆積された層60の側部61の表面エネルギーを増大させることができる。したがって、エネルギー源54は、層52を堆積する前に、エネルギー源目標領域66にある層65の少なくとも側部61の表面エネルギーを増大させ、その結果、2層の間の結合強度が増大する。この改善された結合強度は、層65と層52との間の低下したエネルギーの不一致から生ずる。層52のより高い温度は、表面間の、改善された分子の絡み合いを可能にし、より大きい凝集を可能にする。層間の、より低い温度の不一致は、不均衡な収縮に起因した界面での応力を制限する。
【0040】
目標領域56の表面エネルギーを増大させるための、エネルギー源54の使用は、最終物品24における多孔率の低減も可能にする。例えば、このプロセスを通して作製された製品は、エネルギー源54を用いない付加製造プロセスを通して作製された製品よりも、30%少ない多孔率を有することができる。さらに、層同士の接着は、ASTM D−3039に従い測定されるように、最大で約50%改善することができる。
【0041】
一実施形態では、エネルギー源54は、エネルギーを、その他の後続の層に接触し次いで接着する層50の部分にあるエネルギー源目標領域に加えるだけである。その実施形態では、層50のその他の部分にエネルギーを直接加えない。その他の実施形態では、エネルギーを、層のその他の部分に伝達してもよい。エネルギー源目標領域56へのエネルギー源54の適用と、その後に続く層の接触との間の時間は、加えられたエネルギーを層から散逸させないように比較的短い。いくつかの実施形態では、この時間の長さは1分未満、特に0.5分未満、さらに0.25分未満と考えられる。
【0042】
図6は、3次元物品24を作製する方法を示す。ステップ100では、熱可塑性ポリマー材料の層50を、プリセットパターンでプラットフォーム14上に堆積する。次に、ステップ101では、エネルギー源54を、エネルギービームを介して層50上のエネルギー源目標領域56に指し向けて、エネルギー源目標領域56での層50の表面エネルギーを増大させる。ステップ102では、後続の層52を、プリセットパターンの経路に沿って層50上に堆積する。ステップ100〜102を繰り返して、3次元物品24を形成する。
【0043】
図7は、3次元物品24を形成するための別の方法を示す。ステップ110では、熱可塑性ポリマー材料の層50を、熱溶解積層装置を使用して、プリセットパターンでプラットフォーム14上に堆積する。ステップ111では、層50の少なくとも一部の表面エネルギーが増大する。ステップ112では、後続の層52を、層50上に堆積する。ステップ110〜112を繰り返して、3次元物品24を形成する。
【0044】
多孔率の低減、隣接する層の間の高い結合強度、および隣接する層の間で増大する表面接触は、3D物品24の審美的品質を改善することができる。さらに、サンダー仕上げ、硬化、および/または追加の仕上げなどの追加の後工程ステップを、低減させることができる。したがって、生産速度および製品品質の増大を、本明細書に記述されるシステムおよび方法を使用して実現することができる。
実施形態1: 3次元物体を形成する方法であって:熱可塑性ポリマー材料の層を、プリセットパターンでプラットフォーム上に堆積して、堆積層を形成するステップと;エネルギー源を、エネルギービームを介し、堆積層上のエネルギー源目標領域に指し向けて、エネルギー源目標領域での堆積層の表面エネルギーを増大させるステップと;エネルギー源目標領域を、プリセットパターンの経路に沿って堆積される後続の層と接触させるステップと;先行するステップを繰り返して、3次元物体を形成するステップとを含み、エネルギー源をエネルギー源目標領域に指し向けるステップが、堆積層の或る領域に、その領域への後続の層の堆積に先行してエネルギーを加えることを含む方法。
【0045】
実施形態2: 3次元物体を形成する方法であって:熱可塑性材料の層を、熱溶解積層装置を使用し、ノズルを通してプラットフォーム上にプリセットパターンで堆積して、堆積層を形成するステップと;堆積層の少なくとも一部の表面エネルギーを増大させるステップと;増大した表面エネルギーを含む上記少なくとも一部で、堆積層上に後続の層を堆積するステップと;先行するステップを繰り返して、3次元物体を形成するステップとを含む方法。
【0046】
実施形態3: 先行する実施形態のいずれかの方法であって、表面エネルギーを増大させるステップが、エネルギー源を、堆積層上のエネルギー源目標領域に指し向けて、エネルギー源目標領域での堆積層の表面エネルギーを増大させるステップを含み;エネルギー源をエネルギー源目標領域に指し向けるステップが、層の或る領域に、その領域への後続の層の堆積に先行してエネルギーを加えるステップを含む方法。
【0047】
実施形態4: 先行する実施形態のいずれかの方法であって、表面エネルギーを増大させることになる領域で、表面エネルギーを増大させる前に、堆積層の温度を感知するステップと、感知された温度に基づいて表面エネルギーを増大させるステップとをさらに含む方法。
【0048】
実施形態5: 先行する実施形態のいずれかの方法であって、表面エネルギーを増大させるステップが:堆積層の上面の或る領域に、その上面の或る領域への後続の層の堆積に先行して、エネルギーを加えるステップ;および隣接する堆積層の側面の或る領域に、その側面の或る領域への後続の層の堆積に先行して、エネルギーを加えるステップの少なくとも1つを含む方法。
【0049】
実施形態6: 先行する実施形態のいずれかの方法であって、ノズルに隣接する後続の層に圧力を加えるステップをさらに含む方法。
【0050】
実施形態7: 先行する実施形態のいずれかの方法であって、層が、押し出されたストランドを含む方法。
【0051】
実施形態8: 先行する実施形態のいずれかの方法であって、エネルギー源が、光源、加熱平板、赤外線加熱、加熱された不活性ガス、および前述の少なくとも1つを含む組合せを含む方法。
【0052】
実施形態9: 先行する実施形態のいずれかの方法であって、エネルギー源を指し向けるステップが:エネルギー源目標領域の温度を、熱可塑性ポリマー材料ガラスの転移温度よりも高く上昇させるステップ;エネルギー源目標領域の温度を、Y≧X≧Y−20である温度(X)に上昇させるステップ;およびエネルギー源目標領域の温度を、熱可塑性ポリマー材料のガラス転移温度と熱可塑性ポリマー材料の融点との間の温度に上昇させるステップの、少なくとも1つを含む方法。
【0053】
実施形態10: 実施形態9の方法であって、エネルギー源を指し向けるステップが、温度(X)を上昇させるステップを含み、温度(X)がY≧X≧Y−10、好ましくはY−5≧X≧Y−20である方法。
【0054】
実施例11: 先行する実施形態のいずれかの方法であって、層と後続の層との間の表面接触領域が、エネルギー源をエネルギー源目標領域に指し向けるステップを含まない層および後続の層に関する表面接触領域よりも大きいものである方法。
【0055】
実施形態12: 先行する実施形態のいずれかの方法であって、表面エネルギーを増大させるステップと、後続の層を堆積するステップとの間の時間の長さが、1分未満である方法。
【0056】
実施形態13: 先行する実施形態のいずれかの方法であって、エネルギー源をエネルギー源目標領域に指し向けるステップが、堆積層の上面の或る領域に、その上面の領域への後続の層の堆積に先行してエネルギーを加えるステップを含む方法。
【0057】
実施形態14: 先行する実施形態のいずれかの方法であって、エネルギー源をエネルギー源目標領域に指し向けるステップが、隣接して堆積された層の側面の或る領域に、その側面の領域への後続の層の堆積に先行してエネルギーを加えるステップを含む方法。
【0058】
実施形態15: 先行する実施形態のいずれかの方法であって、熱可塑性ポリマー材料が、ポリカーボネート、アクリロニトリルブタジエンスチレン、アクリルゴム、液晶ポリマー、メタクリレートスチレンブタジエン、ポリアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリアミド−イミド、ポリアリールエーテルケトン、ポリブタジエン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカプロラクトン、ポリエチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリケトン、ポリエステル、ポリエステルカーボネート、ポリエチレン、ポリエーテルエーテルケトン ポリエーテルケトンケトン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリイミド、ポリ乳酸、ポリメチルペンテン、ポリオレフィン、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフタルアミド、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリフェニルスルホン、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリウレタン、スチレン−アクリロニトリル、シリコーンポリカーボネートコポリマー、または前述の少なくとも1種を含む任意の組合せを含む方法。
【0059】
実施形態16: 先行する実施形態のいずれかの方法であって、熱可塑性ポリマー材料がポリカーボネートを含む方法。
【0060】
実施形態17: 先行する実施形態のいずれかの方法であって、エネルギー源が、紫外光源、赤外光源、レーザー、加熱平板、赤外線加熱、および前述の少なくとも1つを含む組合せを含む方法。
【0061】
実施形態18: 先行する実施形態のいずれかの方法であって、エネルギー源がレーザーである方法。
【0062】
実施形態19: 先行する実施形態のいずれかの方法であって、エネルギー源を指し向けるステップが、エネルギー源目標領域の温度を、熱可塑性ポリマー材料のガラス転移温度よりも高く上昇させるステップを含む方法。
【0063】
実施形態20: 先行する実施形態のいずれかの方法であって、エネルギー源目標領域が、層の幅の約30%以上を含む方法。
【0064】
実施形態21: 先行する実施形態のいずれかの方法であって、エネルギー源目標領域が、層の幅の30%以下を含む方法。
【0065】
実施形態22: 先行する実施形態のいずれかの方法であって、エネルギー源を指し向けるステップが、エネルギー源目標領域の温度を、熱可塑性ポリマー材料のガラス転移温度と熱可塑性ポリマー材料の融点との間の温度に上昇させるステップを含む方法。
【0066】
実施形態23: 先行する実施形態のいずれかの方法であって、層が、押出しヘッドから堆積される方法。
【0067】
実施形態24: 実施形態23の方法であって、押出しヘッドと層との間の垂直距離が、後続の層を堆積する前に増大する方法。
【0068】
実施形態25: 実施形態24の方法であって、垂直距離を増大させるステップが、プラットフォームを低下させるステップを含む方法。
【0069】
実施形態26: 実施形態24の方法であって、垂直距離を増大させるステップが、押出しヘッドを上昇させるステップを含む方法。
【0070】
実施形態27: 先行する実施形態のいずれかの方法であって、3次元物体が、エネルギー源を用いない付加製造プロセスを通して作製された製品よりも30%少ない多孔率を含む方法。
【0071】
実施例28: 先行する実施形態のいずれかの方法であって、層と後続の層との間の表面接触領域が、エネルギー源をエネルギー源目標領域に指し向けるステップを含まない層および後続の層に関する表面接触領域よりも大きい方法。
【0072】
実施形態29: 先行する実施形態のいずれかの方法であって、垂直距離を増大させるステップが、プラットフォームを低下させるステップ;および押出しヘッドを上昇させるステップの少なくとも1つを含む方法。
【0073】
実施形態30: 先行する実施形態のいずれかの方法であって、層の表面エネルギーを、表面積目標領域である層の部分でのみ増大させる方法。
【0074】
実施形態31: 先行する実施形態のいずれかの方法であって、層の少なくとも一部の表面エネルギーを増大させるステップと、後続の層を堆積するステップとの間の時間の長さが、1分未満である方法。
【0075】
実施形態32: 先行する実施形態のいずれかの方法であって、後続の層が、増大した表面エネルギーを有する層の部分に堆積される方法。
【0076】
実施形態33: 先行する実施形態のいずれかの方法であって、増大した表面エネルギーを有する領域が、層の表面の面積の10%以下である方法。
【0077】
実施形態34: 先行する実施形態のいずれかの方法であって、増大した表面エネルギーを有する領域が、層の表面の面積の5%以下である方法。
【0078】
実施形態35: 先行する実施形態のいずれかの方法であって、増大した表面エネルギーを有する領域が、層の表面の面積の2%以下である方法。
【0079】
実施形態36: 3次元物体を形成するための装置であって:3次元物体を支持するように構成されたプラットフォームと;プラットフォームと相対的に配置され、熱可塑性材料を、プリセットパターンに堆積して、3次元物体の層を形成するように構成された、押出しヘッドと;押出しヘッドと相対的に配置され、エネルギー源目標領域の表面エネルギーを増大させるように構成されたエネルギー源であって;エネルギー源目標領域が、後続の層を堆積するための領域の前方の堆積層の一部を含む、エネルギー源と;プラットフォームと相対的に、押出しヘッドおよびエネルギー源の位置を制御するように構成された制御器とを含む装置。
【0080】
実施形態37: 実施形態36の装置であって、表面エネルギーが増大することになる領域で、表面エネルギーを増大させる前に堆積層の温度を感知し、感知された温度に基づいて表面エネルギーを増大させることが可能な温度センサをさらに含む装置。
【0081】
実施形態38: 実施形態36〜37のいずれかの装置であって、ノズルに隣接する後続の層に圧力を加えることが可能な圧力センサをさらに含む装置。
【0082】
実施形態39: 実施形態36〜38のいずれかの装置であって、エネルギー源が、光源、加熱平板、赤外線加熱、加熱された不活性ガス、および前述の少なくとも1種を含む組合せを含む装置。
【0083】
実施形態40: 実施形態36〜39のいずれかの装置であって、エネルギー源目標領域が、堆積層の上部を含む装置。
【0084】
実施形態41: 実施形態36〜40のいずれかの装置であって、エネルギー源目標領域が、堆積層の側部を含む装置。
【0085】
実施形態42: 実施形態36〜41のいずれかの装置であって、エネルギー源目標領域が、支持アームを介して押出しヘッドに連結される装置。
【0086】
実施形態43: 実施形態36〜42のいずれかの装置であって、エネルギー源が押出しヘッドに連結されていない装置。
【0087】
実施形態44: 実施形態36〜43のいずれかの装置であって、エネルギー源目標領域が、層の幅の約50%以上を含む装置。
【0088】
実施形態45: 実施形態36〜44のいずれかの装置であって、エネルギー源目標領域が、層の幅の約50%以下を含む装置。
【0089】
実施形態46: 実施形態36〜45のいずれかの装置であって、熱可塑性ポリマー材料が、ポリカーボネート、アクリロニトリルブタジエンスチレン、アクリルゴム、液晶ポリマー、メタクリレートスチレンブタジエン、ポリアクリレート(アクリル)、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリアミド−イミド、ポリアリールエーテルケトン、ポリブタジエン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカプロラクトン、ポリエチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリケトン、ポリエステル、ポリエステルカーボネート、ポリエチレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリイミド、ポリ乳酸、ポリメチルペンテン、ポリオレフィン、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフタルアミド、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリフェニルスルホン、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリウレタン、スチレン−アクリロニトリル、シリコーンポリカーボネートコポリマー、または前述の少なくとも1種を含む任意の組合せを含む装置。
【0090】
実施形態47: 実施形態36〜46のいずれかの装置であって、熱可塑性ポリマー材料がポリカーボネートを含む装置。
【0091】
実施形態48: 実施形態36〜47のいずれかの装置であって、制御器が、後続の層を堆積する前に、押出しヘッドと層との間の垂直距離を修正するように構成される装置。
【0092】
実施形態49: 実施形態36〜48のいずれかの装置であって、エネルギー源がレーザーである装置。
【0093】
実施形態50: 実施形態36〜49のいずれかの装置であって、エネルギー源が、加熱された不活性ガスである装置。
【0094】
実施形態51: 実施形態36〜50のいずれかの装置であって、プラットフォームと押出しヘッドとの間の垂直距離が、調節可能である装置。
【0095】
一般に本発明は、本明細書に開示された任意の適切な構成要素を交互に含み、それらの構成要素からなり、またはそれらの構成要素から本質的になる。本発明は、追加としてまたは代替として、従来技術の組成物で使用される、またはその他の場合には本発明の機能および/または目的を達成するのに必要ではない、任意の構成要素、材料、成分、助剤、または化学種がないように、または実質的に含まないように案出されてもよい。
【0096】
本明細書に開示される全ての範囲は端点を含み、端点は、独立して互いに組み合わせ可能である(例えば、「25重量%まで、またはより詳細には5重量%から20重量%」の範囲は、「5重量%から25重量%」などの範囲の端点と全ての中間値とを含む)。「組合せ」は、ブレンド、混合物、合金、および反応生成物などを含む。さらに、本明細書における「第1」および「第2」などの用語は、いかなる順序、量、または重要性も示さず、むしろ1つの要素を別の要素とは別に示すのに使用される。本明細書における「a」および「an」および「the」という用語は、量の限定を示すものではなく、本明細書に他に示されない限りまたは文脈によって明らかに否定されない限り、単数形および複数形の両方を包含すると解釈される。「または」は、文脈によってその他のことが明らかに示されない限り、「および/または」を意味する。本明細書で使用される接尾辞「(s)」は、それが修飾する用語の単数形および複数形の両方を含むものとし、それによって、その用語の1つ以上を含むものとする(例えば、film(s)は、1つ以上の被膜を含む)。本明細書の全体を通して「一実施形態(one embodiment)」、「別の一実施形態」、および「一実施形態(a embodiment)」などと言う場合は、その実施形態に関連して記述される特定の要素(例えば、特徴部、構造、および/または特性)が、本明細書に記述される少なくとも1つの実施形態に含まれ、その他の実施形態に存在してもしなくてもよいことを意味する。さらに、記述される要素は、様々な実施形態において任意の適切な手法で組み合わされてもよいことを理解されたい。本明細書で他に指定しない限り、全ての試験基準は、本出願の出願日現在でごく最近の試験基準である。
【0097】
全ての参考文献は、その全体を本願に引用して援用する。
【0098】
特定の実施形態について記述してきたが、現在のところ予測できないまたは予測できないと考えられる代替例、修正例、変形例、改善例、および実質的な均等物を、出願人または当業者なら思い浮かべるであろう。したがって、出願時のおよび補正され得る、添付される特許請求の範囲は、そのような代替例、修正例、変形例、改善例、および実質的な均等物の全てを包含する。
【0099】
出願人/出願人らは、下記を主張する。