特許第6338726号(P6338726)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

6338726サーバ管理装置、サーバ管理プログラムおよびサーバ管理方法
<>
  • 6338726-サーバ管理装置、サーバ管理プログラムおよびサーバ管理方法 図000002
  • 6338726-サーバ管理装置、サーバ管理プログラムおよびサーバ管理方法 図000003
  • 6338726-サーバ管理装置、サーバ管理プログラムおよびサーバ管理方法 図000004
  • 6338726-サーバ管理装置、サーバ管理プログラムおよびサーバ管理方法 図000005
  • 6338726-サーバ管理装置、サーバ管理プログラムおよびサーバ管理方法 図000006
  • 6338726-サーバ管理装置、サーバ管理プログラムおよびサーバ管理方法 図000007
  • 6338726-サーバ管理装置、サーバ管理プログラムおよびサーバ管理方法 図000008
  • 6338726-サーバ管理装置、サーバ管理プログラムおよびサーバ管理方法 図000009
  • 6338726-サーバ管理装置、サーバ管理プログラムおよびサーバ管理方法 図000010
  • 6338726-サーバ管理装置、サーバ管理プログラムおよびサーバ管理方法 図000011
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6338726
(24)【登録日】2018年5月18日
(45)【発行日】2018年6月6日
(54)【発明の名称】サーバ管理装置、サーバ管理プログラムおよびサーバ管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 9/445 20180101AFI20180528BHJP
   H04L 12/70 20130101ALI20180528BHJP
   G06F 9/46 20060101ALI20180528BHJP
   G06F 9/50 20060101ALI20180528BHJP
【FI】
   G06F9/06 610C
   H04L12/70 B
   G06F9/46 350
   G06F9/46 462A
【請求項の数】6
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-62972(P2017-62972)
(22)【出願日】2017年3月28日
【審査請求日】2017年3月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】394013002
【氏名又は名称】三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002491
【氏名又は名称】溝井国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】北出 晋一
(72)【発明者】
【氏名】吉川 晃平
【審査官】 坂庭 剛史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−073775(JP,A)
【文献】 特開2011−175338(JP,A)
【文献】 小笠原大治、河野義哉、遠藤 司、堀口真理子、金木佑介,仮想環境構築・運用自動化技術,三菱電機技報,日本,三菱電機エンジニアリング株式会社,2013年 7月25日,第87巻,第7号(通巻986号),p.18−21,ISSN 0369-2302
【文献】 COSMINEXUS WHITE PAPER[第2回]サーバ仮想化の鍵を握る「アプリケーション視点」〜後編〜,WEB+DB PRESS,日本,株式会社技術評論社,2010年 9月25日,Vol.58,p.194−198,ISBN978-4-7741-4324-8
【文献】 白石正裕、菅沼 毅、宮田俊介,CBoCの仮想化運用管理技術によるSaaSの実現,NTT技術ジャーナル,日本,社団法人電気通信協会,2009年 9月 1日,第21巻,第9号(通巻246号),p.75−79,ISSN 0915-2318
【文献】 楠田友彦,サーバー構築全自動化への挑戦,INTEC TECHNICAL JOURNAL,日本,株式会社インテック,2015年12月14日,第16号,p.60−65,ISSN 1348-2491
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 9/44 − 9/445
G06F 9/455 − 9/50
H04L 12/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想サーバを構築するサーバ管理装置であって、
上記仮想サーバで有効とするサービスが設定されたオリジナルサーバを複製することにより複製サーバを生成する複製生成部と、
生成するサーバ名、サービス名および少なくとも第1のMACアドレスと対応付けられた第1のIPアドレスと第2のMACアドレスと対応付けられた第2のIPアドレスとを含むIPアドレスが記憶された構成管理情報に基づき、上記第1のMACアドレスと上記第1のIPアドレスとを対応付けることにより上記複製サーバに上記第1のIPアドレスで接続し、上記構成管理情報に記憶されたサービス名に基づき該当のサービスを有効化し、その後上記構成管理情報に記憶された上記第2のIPアドレスを上記第2のMACアドレスに対応付けて設定する設定部と
を備えたサーバ管理装置。
【請求項2】
上記構成管理情報は、上記仮想サーバの種別に応じて、サービス名が記憶され、
上記設定部は、上記構成管理情報に記憶されたサービス名に基づき、有効とするサービスを決定することを特徴とする請求項に記載のサーバ管理装置。
【請求項3】
上記サーバ管理装置は、複数種別の仮想サーバを構築するものであり、
この仮想サーバの種別は、データベースサーバ、Web管理サーバ、ログ管理サーバ、またはアプリケーションサーバのいずれかを含み、
上記構成管理情報は、上記仮想サーバの種別に応じて、サービス名が記憶され、
上記設定部は、上記構成管理情報に記憶されたサービス名に基づき、有効とするサービスを決定することを特徴とする請求項に記載のサーバ管理装置。
【請求項4】
上記構成管理情報には、管理者からの入力に基づき、上記仮想サーバ毎のネットワークの用途に応じたIPアドレスが記憶されることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のサーバ管理装置。
【請求項5】
コンピュータを、請求項1〜4のいずれか1項に記載のサーバ管理装置として機能させるサーバ管理プログラム。
【請求項6】
複製生成部が、仮想サーバで有効とするサービスが設定されたオリジナルサーバを複製することにより複製サーバを生成するステップと、
設定部が、生成するサーバ名、サービス名および少なくとも第1のMACアドレスと対応付けられた第1のIPアドレスと第2のMACアドレスと対応付けられた第2のIPアドレスとを含むIPアドレスが記憶された構成管理情報に基づき、上記第1のMACアドレスと上記第1のIPアドレスとを対応付けることにより上記複製サーバに上記第1のIPアドレスで接続し、上記構成管理情報に記憶されたサービス名に基づき該当のサービスを有効化し、その後上記構成管理情報に記憶された上記第2のIPアドレスを上記第2のMACアドレスに対応付けて設定するステップとを
備えたサーバ管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば仮想サーバを生成するサーバ管理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
Webサーバやデータベースサーバを構築するとき、作業者は構築するサーバ毎の設定ファイルを個別に設定する。
従来技術では、例えば複数の設定ファイルにネットワーク設定に関する事項が分散して設定されている場合、それらの設定ファイルについて個別に設定する必要がある。特に同時期に複数の仮想サーバを構築するとき、作業者は設定ファイルを手作業で設定し、さらに設定結果を目視で確認する必要があり、手間を要するとともに、オペレーションミスを発生させてしまう可能性がある。
コンピュータに挿入されているNetwork Interface Card(以下、NICと言う)は、コンピュータをネットワークに接続するためのハードウェアであるが、NICにはMACアドレス(Media Access Control Address)というアドレスが一対で付与されている。そのNICに、目的に合ったIPアドレスを付与することで、ネットワーク接続を行うことができる。
特許文献1(特開2012−65015号公報)では、マルチテナント型の仮想サーバを構築する際に、ネットワーク機器を仮想で設定することが記載されている。しかしながら、特許文献1ではサーバのネットワーク設定、特にIPアドレスの設定について、簡略化することは開示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−65015号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明は、構築したコンピュータのネットワーク接続を効率的に設定することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明に係わるサーバ管理装置は、仮想サーバを構築するサーバ管理装置であり、
仮想サーバで有効とするサービスが設定されたオリジナルサーバを複製することにより複製サーバを生成する複製生成部と、生成するサーバ名、サービス名および少なくとも第1のIPアドレスを含むIPアドレスが記憶された構成管理情報に基づき、複製サーバに第1のIPアドレスで接続し、構成管理情報に記憶されたサービス名に基づき該当のサービスを有効化し、その後構成管理情報に記憶された第1のIPアドレスを含むIPアドレスを設定する設定部とを備える。
【発明の効果】
【0006】
この発明のサーバ管理装置によると、構築したコンピュータのネットワーク接続を効率的に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施の形態1におけるシステム全体の構成図である。
図2】実施の形態1におけるサーバ管理装置100の構成図である。
図3】実施の形態1で用いるサーバ生成指示画面の一例を示した図である。
図4】実施の形態1で用いるMACアドレス情報6の一例を示した図である。
図5】実施の形態1で用いる構成管理情報7の一例を示した図である。
図6】実施の形態1で用いる設定ファイル8の一例を示した図である。
図7】実施の形態1における全体の処理の流れを示した図である。
図8】実施の形態1における複製生成部3の処理の流れを示した図である。
図9】実施の形態1における設定部4の処理の流れを示した図である。
図10】実施の形態1の変形例に係る状態表示制御装置100の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
実施の形態1.
図1は、サーバ管理装置100を含むシステム全体の構成図である。図1に示すように、サーバ管理装置100は、ネットワーク400を介してオリジナルサーバ200から設定情報を取得し、構築サーバ300を構築する。構築サーバ300は、仮想サーバ、物理サーバでも構築できるが、本実施の形態では仮想サーバと設定する。
図1に示すように、構築サーバ300a、構築サーバ300bと複数台の仮想サーバを構築可能であり、この仮想サーバの種別は、データベースサーバ、Web管理サーバ、ログ管理サーバ、またはアプリケーションサーバ等が挙げられ、複数種別の仮想サーバを構築可能とする。
オリジナルサーバ200は、構築サーバ300で有効とするサービスが全て有効となっていて、そのサービスを有効とするためのアプリケーションや設定用ファイル等一式が後述する記憶装置12の所定の場所に格納されている。
また本実施の形態において、仮想サーバである構築サーバ300を構成するときに用いるNICは、仮想NICである。
【0009】
図2は、本実施の形態におけるサーバ管理装置100の構成図を示した図である。
サーバ管理装置100は、コンピュータであり、プロセッサ11、記憶装置12、入力装置13、ディスプレイ14、通信装置15といったハードウェアを備える。
プロセッサ11は、信号線を介して他のハードウェアと接続され、これら他のハードウェアを制御する。
【0010】
プロセッサ11は、プロセッシングを行うIC(Integrated・Circuit)である。プロセッサ11は、具体例としては、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphics Processing Unit)である。
【0011】
記憶装置12は、データを一時的に記憶するメモリと、データを保管するストレージとから構成される。メモリは、具体例としては、RAM(Random Access Memory)である。ストレージは、具体例としては、HDD(Hard Disk Drive)である。また、ストレージは、SD(Secure Digital)メモリカード、CF(登録商標、CompactFlash)、NANDフラッシュ、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ブルーレイ(登録商標)ディスク、DVD(Digital Versatile Disk)といった可搬記憶媒体であってもよい。
【0012】
入力装置13は、例えばマウス、キーボードまたはタッチパネルである。
ディスプレイ14は、例えばLCDである。「LCD」は、Liguid Crystal Displayの略語である。
【0013】
通信装置15は、データを受信するレシーバおよびデータを送信するトランスミッタを含む。レシーバは、特に、オリジナルサーバ200からネットワーク400経由でデータを受信するために用いられる。トランスミッタは、特に、ネットワーク400経由で構築サーバ300(あるいは、複製サーバ)へデータを送信するために用いられる。通信装置15は、例えば、通信チップまたはNICである。
【0014】
サーバ管理装置100は、機能構成要素として、受付部1と、表示部2と、複製生成部3と、設定部4とを備える。受付部1と、表示部2と、複製生成部3と、設定部4との各部の機能はソフトウェアにより実現される。
記憶装置12のストレージには、サーバ管理装置100の各部の機能を実現するプログラムが記憶されている。このプログラムは、プロセッサ11により記憶装置12のメモリに読み込まれ、プロセッサ11によって実行される。これにより、サーバ管理装置100の各部の機能が実現される。
図2では、プロセッサ11は、1つだけ示されている。しかし、サーバ管理装置100は、プロセッサ11を代替する複数のプロセッサを備えていてもよい。これら複数のプロセッサは、サーバ管理装置100の各部の機能を実現するプログラムの実行を連携して実行してもよい。それぞれのプロセッサは、プロセッサ11と同じように、プロセッシングを行うICである。
【0015】
記憶装置12には、「部」の機能を実現するプログラムが記憶されている。このプログラムは、記憶装置12のメモリにロードされ、プロセッサ11に読み込まれ、プロセッサ11によって実行される。記憶装置12には、OS(Operating・System)も記憶されている。OSの少なくとも一部がメモリにロードされ、プロセッサ11はOSを実行しながら、「部」の機能を実現するプログラムを実行する。
また記憶装置12には、オリジナルサーバ情報5、MACアドレス情報6、構成管理情報7および設定ファイル8が記憶されている。
【0016】
「部」の機能による処理の結果を示す情報、データ、信号値、および、変数値は、記憶装置12のメモリ、または、プロセッサ11内のレジスタ又はキャッシュメモリに記憶される。
【0017】
「部」の機能を実現するプログラムは、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ブルーレイ(登録商標)ディスク、DVD(Digital・Versatile・Disc)といった可搬記録媒体に記憶されてもよい。
なお、「部」の機能を実現するプログラムをサーバ管理プログラムともいう。
サーバ管理プログラムは、「部」として説明している機能を実現するプログラムである。また、サーバ管理プログラムプロダクトと称されるものは、サーバ管理プログラムが記録された記憶媒体及び記憶装置であり、見た目の形式に関わらず、コンピュータ読み取り可能なプログラムをロードしているものである。
【0018】
図1に示したオリジナルサーバ200も、コンピュータであり、ハードウェアとしては、図2に示したサーバ管理装置100と同様に、プロセッサ11、記憶装置12、通信装置15といったハードウェアを備える。なお本実施の形態で、構築サーバ300については、前述したとおり仮想サーバとしているが、物理サーバであってもよい。また構築サーバ300は、複数台存在してもよいが、構築サーバ300が複数台の仮想サーバであったとき、それを構築する物理サーバとしては1台で構成してもよいし、仮想サーバの台数以下の任意の台数で構成してもよい。
また、本実施の形態では、サーバ管理装置100の「部」の機能がソフトウェアで実現されるが、変形例として、サーバ管理装置100の「部」の機能がハードウェアで実現されてもよい。
図10を用いて、本実施の形態の変形例に係るサーバ管理装置100の構成について説明する。
【0019】
図10に示すように、変形例のサーバ管理装置100では、図2のプロセッサ11及び記憶装置12に替えて、処理回路16を備える。処理回路16は、前述した「部」の機能及び記憶部12を実現する専用の電子回路である。処理回路16は、具体的には、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ロジックIC、GA(Gate・Array)、ASIC(Application・Specific・Integrated・Circuit)、または、FPGA(Field−Programmable・Gate・Array)である。
「部」の機能は、1つの処理回路16で実現されてもよいし、複数の処理回路16に分散して実現されてもよい。
【0020】
別の変形例として、サーバ管理装置100の機能がソフトウェアとハードウェアとの組合せで実現されてもよい。すなわち、サーバ管理装置100の一部の機能が専用のハードウェアで実現され、残りの機能がソフトウェアで実現されてもよい。
プロセッサ11、記憶装置12、および、処理回路16を、総称して「プロセッシングサーキットリ」という。つまり、サーバ管理装置100の構成が図2および図10のいずれに示した構成であっても、「部」の機能及び記憶部12は、プロセッシングサーキットリにより実現される。「部」を「工程」又は「手順」又は「処理」に読み替えてもよい。また、「部」の機能をファームウェアで実現してもよい。
【0021】
図3を用いて、管理者が仮想サーバ(構築サーバ300)を生成するとき、生成する仮想サーバ情報を指定するサーバ生成指示画面201について、説明する。図3に示すように、管理者は、生成する仮想サーバについて、サーバ種別、サーバ名、サーバスペック、有効化サービス、必要なIPアドレスを指定する。管理者は、一度に複数台の仮想サーバを生成することがあるが、サーバ生成指示画面201において、同時に数十台、数百台の設定情報を入力できるように構成できる。
【0022】
図4図6を用いて、MACアドレス情報6、構成管理情報7および設定ファイル8の構成について、説明する。図4に示すように、MACアドレス情報6には、オリジナルサーバ200を複製して複製サーバを生成したとき、複製サーバのNICNo.(NIC番号)と対応するMACアドレスとを複製サーバから取得して記憶している。NICNo.1に対応するMACアドレスが第1のMACアドレスであり、NICNo.2に対応するMACアドレスが第2のMACアドレスであり、NICNo.3に対応するMACアドレスが第3のMACアドレスとなる。図4では、NICNo.は3まで設定されているが、これは設計する構築サーバ300に応じて、任意の数を設定でき、オリジナルサーバ200には構築サーバ300のサーバ種別によって異なる必要なネットワーク回線の最大数のNICが設定される。
図5には、構成管理情報7の構成を示す。サーバ生成指示画面201において、「OKボタン」202が押下されたタイミングで構成管理情報7が記憶装置12に記憶される。また既存の構成管理情報7を読み込み表示するように構成することもでき、その場合は「OKボタン」202が押下されたタイミングで構成管理情報7が上書きされて、記憶装置12に記憶される。また構成管理情報7は、管理者毎に分離して生成するように構成してもよい。
図5に示すとおり構成管理情報7には、サーバ種別、サーバ名、サーバスペック、有効化サービス、必要なIPアドレス(IPアドレス1、IPアドレス2、IPアドレス3・・・)が記憶されている。サーバ種別に示した、「Web」はWeb管理サーバ、「App」はアプリケーションサーバ、「Db」はデータベースサーバ、「Log」はログ管理サーバを表している。複数のIPアドレスを区別するために、以降、IPアドレス1を第1のIPアドレス、IPアドレス2を第2のIPアドレス、IPアドレス3を第3のIPアドレスと示す箇所もある。
【0023】
サーバスペックには、仮想サーバにおいて必要なメモリ量(GB)、ハードディスクサイズ(GB)、CPU数が設定される。有効化サービスには、サーバ種別により、有効とするアプリケーションが指定される。具体的には、サーバ種別が「Web」であればWeb管理に必要なアプリケーションが指定される。
IPアドレスには、生成する仮想サーバ毎に必要なIPアドレスが設定される。IPアドレス1には、NICNo.1に対応する第1のIPアドレス(例えば、保守回線用のIPアドレス)が設定される。同様にIPアドレス2には、NICNo.2に対応する第2のIPアドレスが、IPアドレス3には、NICNo.3に対応する第3のIPアドレスが設定される。この場合は、必要な回線の最大数が3と設定されていて、例えばNICNo.1は保守回線用、NICNo.2はプライベート回線用、NICNo.3はインターネット回線用というように、用途に応じた設定を行う。生成するサーバ種別に対応して、必要な回線のIPアドレスを設定する。
【0024】
図6は、設定ファイル8の構成を示す。本実施の形態において、第1のIPアドレスを用いた回線で接続するときには、DHCP(Dynamic Host Configration Protocol)により第1のIPアドレスを付与し、設定ファイル8を用いて複製サーバに第1のIPアドレスを設定し、その後複製サーバとネットワーク接続するものとする。
設定ファイル8は、CONGファイル(コンフィグファイル)と呼ばれる設定用のファイルの一部を示したものであり、MACアドレス情報6のNICNo.1に対応するMACアドレスと、構成管理情報7の該当の仮想サーバに対応して指定されたIPアドレス1(第1のIPアドレス)とを対応づける情報が指定される。
【0025】
図7図9を用いて、本実施の形態における処理の流れについて、説明する。図7は全体の流れを示す。処理を開始し、受付部1は表示部2と連動してディスプレイ14にサーバ生成指示画面201を表示し、管理者から仮想サーバ生成指示を受け付ける。具体的には、図3を用いて説明したとおり、受付部1は生成する仮想サーバに関する設定情報の入力を受け付け、管理者からの内容確定指示により、入力された情報を構成管理情報7に記憶する(ステップS1)。
続いて、複製生成部3はオリジナルサーバ200の記憶装置12に含まれる情報を複製し、オリジナルサーバ情報5として記憶し(ステップS2)、設定部4は構築サーバ300を構築し(ステップS3)、設定部4は構築サーバ300の設定試験を行う(ステップS4)。
【0026】
このステップS4の設定試験では、次のようなことを試験することが考えられる。例えば、各構築サーバ300において、構成管理情報7に記憶されたサーバスペックやIPアドレスが正しく設定させているかが試験項目になる。
また各構築サーバ300は、サーバ種別に応じた動作を行っているかが試験項目になる。例えば、データベースサーバであれば、目的の処理を行っているか、Webサーバであれば、定められたWebページが閲覧できるかである。
【0027】
また各構築サーバ300を連携して動作するように設定している場合、その連携動作を行っているかが試験項目になる。例えば、WebサーバからAPIを動作させて、DBサーバにあるデータベースをアクセスするように設定している場合、データベースへのアクセスが正しく行われ、またアクセス後に正しい結果が返ってくるかである。
ステップS2の処理は図8を用いて詳細を説明し、ステップS3の処理は図9を用いて詳細を説明する。なお複製生成部3および設定部4は、構成管理情報7を参照し、必要な仮想サーバを生成するように、ステップS2〜S4の処理を繰り返す。ステップS2〜S4の処理は、ステップS1を分離して実行するように構成してもよく、前述したように、構成管理情報7は管理者ごとに生成することができるため、その場合は所定の構成管理情報7に基づき構築サーバ300を生成し、設定試験を行うように、利用者から構成管理情報7を選択を受け付ける機能を有する。
【0028】
図8は、ステップS3に示した複製生成部3による処理の詳細を示したものである。複製生成部3はオリジナルサーバ200の記憶装置12に含まれる情報を複製し、オリジナルサーバ情報5として記憶する(ステップS21)。例えば、オリジナルサーバ200のルートディレクトリ(/root)に、仮想サーバで必要なサービスを有効とするためのアプリケーションや設定ファイル等一式を格納しておき、それをオリジナルサーバ情報5として記憶する。
その後複製生成部3は、オリジナルサーバ情報5を複製することで複製サーバを生成する(ステップS22)。このステップS22の段階で生成される複製サーバはオリジナルサーバ200を複製したものであり、つまりサーバスペックの設定やサーバ種別に応じた設定がされていない状態である。複製生成部3は、ステップS22で複製サーバを生成するとき、仮想NICに割り当てられるMACアドレスには、他と重複しない一意のMACアドレスを付与する。
【0029】
図9は、ステップS4に示した設定部4による構築サーバ300を構築する処理の詳細を示したものである。設定部4は、ステップS22で生成された複製サーバの仮想NICのMACアドレスを全て取得し、MACアドレス情報6に記憶する(ステップS31)。図4に示すようにMACアドレス情報6には、複製サーバのNICNo.(NIC番号)と対応するMACアドレスとを対応して記憶するが、複製サーバのNIC数はオリジナルサーバ200のNIC数と同数となり、前述したようにMACアドレスは一意のアドレスである。
【0030】
続いて設定部4は、MACアドレス情報6と構成管理情報7のIPアドレス情報に基づき、設定ファイル8を生成する(ステップS32)。ステップS32において、設定ファイル8に設定されるMACアドレスはNICNo.1に記憶された第1のMACアドレスであり、IPアドレスはIPアドレス1に記憶された第1のIPアドレスである。
設定部4は、DHCPにより、設定ファイル8を用いて、複製サーバに第1のIPアドレスを設定し、この第1のIPアドレスにより複製サーバに接続する(ステップS33)。
その後設定部4は、構成管理情報7に記憶されたサーバスペックに基づき、構築サーバ300のスペックに関する設定を行い、構成管理情報7に記憶されたサーバ種別に基づき、構築サーバ300のサービス設定を行う(ステップS34)。具体的には構成管理情報7に記憶された有効化サービスに基づき、有効とするアプリケーションは有効とし、有効化サービスの対象外のアプリケーションは動作しないように設定が行われる。これらの設定は、CONGファイルと呼ばれる設定用のファイルを用いて行われる。
【0031】
続いて設定部4は、構成管理情報7に基づき、構築サーバ300のIPアドレスを設定する(ステップS35)。この段階でステップS33で接続されたネットワーク回線を含めて、必要な回線全てが接続できるように設定する。NICNo.1に記憶された第1のMACアドレスは、IPアドレス1に記憶された第1のIPアドレス(例えば、保守用の回線)と対応付けられ、NICNo.2に記憶された第2のMACアドレスは、IPアドレス2に記憶された第2のIPアドレス(例えば、プライベート回線用)が対応付けられる。このように順次、第3のMACアドレスは第3のIPアドレスというように対応付けられる。これらの設定は、CONGファイルと呼ばれる設定用のファイルを用いて行われる。
ステップS34とS35の処理は、同時に処理されてもよい。
ステップS35までの一連の処理の流れが完了すると、設定部4は、構築サーバ300を一度シャットダウンし、設定情報を有効にする。
【0032】
このように本実施の形態によると、構築したコンピュータのネットワーク接続を効率的に設定することができる。
つまり設定部4は構成管理情報7に基づき、DHCPにより第1のIPアドレスで1つ回線を接続する(ステップS33)。その回線を用いて構成管理情報7に記憶されたサーバスペックを設定し、続いてサービス名に基づき有効とするサービスを決定し、該当のサービスを有効化する(ステップS34)。さらに設定部4は、構成管理情報7に記憶された第1のIPアドレスを含むIPアドレスとそれ以外のIPアドレスに基づき、必要な回線が接続できるように設定する(ステップS35)。
このように、ステップS33で示す第1段階で、1つの接続を行うときに最終的に設定すべきIPアドレスを用いて仮に接続する。ステップS34で示す第2段階で、該当のサービスを有効化する処理を行い、ステップS35で示す第3段階で、ステップS33で用いた回線のIPアドレスを含めて設定すべきIPアドレスを設定する。このように構成することにより、仮想サーバの構築を中断することなく、実行できる。なお第1段階で、用いるIPアドレスは、第1のIPアドレスである必要はなく、構成管理情報7に記憶された該当のサーバに対応するIPアドレスと該当するMACアドレスとであれば、よい。例えば、第2のIPアドレスと第2のMACアドレス、第3のIPアドレスと第3のMACアドレスとの組み合わせで接続してもよい。
【0033】
例えば仮想サーバを構築する場合、設定を有効にするために途中で仮想マシンをシャットダウンする必要が出てくる。SSH(Secure Shell)接続を利用して保守回線を接続する場合、保守回線時に用いるIPアドレスをDHCPによる自動設定とすると、後に設定される固定のIPアドレスとは異なるIPアドレスを用いるため、固定のIPアドレスの設定が正しくされないと、シャットダウン以降の接続がされない場合がある。
またDHCPによるIPアドレスの自動設定の場合、IPアドレスの厳重な管理ができない。例えば自動設定するIPアドレスを所定のアドレスの範囲で指定するとき、範囲内で部分的にIPアドレスを使用している場合は、自動設定時にIPアドレスを重複して使用してしまう。この場合、仮想サーバの構築が中断したり、意図しない設定になってしまう可能性がある。
そこで本実施の形態では、DHCPで本来接続すべきIPアドレスで1つ回線を接続し、サービス設定後、その回線を含めて再設定するとSSH接続が切断されず処理が続けられる。
これにより仮想サーバの生成から設定、試験までを一連の処理として続けることが可能となる。
また本実施の形態では、構成管理情報7に必要なIPアドレスを設定するだけで、IPアドレスの厳重な管理ができる。構成管理情報7を参照することにより第3段階で用いるIPアドレスのいずれかを第1段階で用いるので、管理者から改めて指定を受け付ける必要はない。そのため、管理者の入力の手間も軽減される。
【符号の説明】
【0034】
1 受付部、2 表示部、3 複製生成部、4 設定部、5 オリジナルサーバ情報、6 MACアドレス情報、7 構成管理情報、8 設定ファイル、13 入力装置、14
ディスプレイ、15 通信装置、100 サーバ管理装置、200 オリジナルサーバ、300 構築サーバ、400 ネットワーク。
【要約】
【課題】構築したコンピュータのネットワーク接続を効率的に設定することを課題とする。
【解決手段】複製生成部3は、仮想サーバ300で有効とするサービスが設定されたオリジナルサーバ200を複製することにより複製サーバを生成し、設定部4は、生成するサーバ名、サービス名および少なくとも第1のIPアドレスを含むIPアドレスが記憶された構成管理情報7に基づき、複製サーバに第1のIPアドレスで接続し、構成管理情報7に記憶されたサービス名に基づき該当のサービスを有効化し、その後構成管理情報7に記憶された第1のIPアドレスを含むIPアドレスを設定する。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10