特許第6338749号(P6338749)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6338749
(24)【登録日】2018年5月18日
(45)【発行日】2018年6月6日
(54)【発明の名称】利用情報提供システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20180528BHJP
   G06Q 50/12 20120101ALI20180528BHJP
   G06Q 20/40 20120101ALI20180528BHJP
【FI】
   G06Q50/10
   G06Q50/12
   G06Q20/40 330
【請求項の数】2
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-143294(P2017-143294)
(22)【出願日】2017年7月25日
【審査請求日】2017年10月3日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514161257
【氏名又は名称】ビックリック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】特許業務法人創成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大和田 雅人
(72)【発明者】
【氏名】田中 憲悟
【審査官】 宮地 匡人
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2016/135860(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/040401(WO,A1)
【文献】 特開2016−126669(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0027775(US,A1)
【文献】 ホテルサイトへの決済システムの導入事例 ホテル日航関西空港様,[online],株式会社ゼウス,2017年 6月 6日,[検索日:平成30年1月29日],URL,https://web.archive.org/web/20170606031934/http://www.cardservice.co.jp/support/cases/nikkokix.html
【文献】 SMSを利用した決済サービス,[online],株式会社電算システム,2017年 6月29日,[検索日:平成30年1月29日],URL,https://web.archive.org/web/20170629225034/http://www.dsk-ec.jp:80/products/sms/
【文献】 Webサイト不要。メールを利用した決済サービス,[online],ベリトランス株式会社,2017年 5月 1日,[検索日:平成30年1月29日],URL,https://web.archive.org/web/20170501013510/https://www.veritrans.co.jp/casestudy/maillink.html
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空間を時間貸しする店舗側に設けられた店舗側端末と、該空間を時間借りする利用者側に設けられた利用者端末と、該店舗側端末に接続され、該利用者端末との間で情報の受け渡しを行う空間端末と、該空間の利用情報を管理する管理装置とを備える利用情報提供システムにおいて、
前記空間端末と前記管理装置とのいずれか一方または両方により、
前記利用者の利用者端末の端末IDを特定する端末ID特定工程と、
前記空間の利用情報を照会するURLを生成するURL生成工程と、
前記URL生成工程により生成されたURLを、前記端末ID特定工程により特定された端末IDにショートメール送信するURL送信工程と
が実行され、
前記利用者端末により、
前記URL送信工程により送信されたショートメールにより、前記URL生成工程により生成されたURLにアクセスするURLアクセス工程が実行され、
前記管理装置により、
前記店舗側端末から前記空間の利用情報を取得する利用状況取得工程と、
前記利用状況取得工程により取得された利用状況に対応した利用情報画面を生成して表示する情報画面生成工程と
を備え
前記空間端末と前記管理装置とのいずれか一方または両方により、
前記利用者端末の位置を特定する利用者端末位置特定工程と、
前記利用者端末位置特定工程により特定された前記利用者端末の位置が前記空間の利用に供する範囲であるか否かを判定する位置判定工程と
が実行され、前記位置判定工程により、前記利用者端末位置特定工程により特定された前記利用者端末の位置が前記空間の利用に供する範囲である場合に、前記URL生成工程により生成されたURLを、前記端末ID特定工程により特定された端末IDにショートメール送信する利用情報提供システムであって、
前記空間端末は、前記利用者端末と近距離通信する通信装置を備え、
前記利用者端末位置特定工程において、前記空間端末の前記通信装置が、前記利用者端末と通信している場合に、該利用者端末が該空間内にあると特定し、前記位置判定工程において、該利用者端末の位置が該空間の利用に供する範囲であると判定することを特徴とする利用情報提供システム。
【請求項2】
請求項1記載の利用情報提供システムにおいて、
前記管理装置よる前記情報画面生成工程により生成される利用情報画面が、前記空間の利用代金を決済する決済画面であることを特徴とする利用情報提供システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の利用情報提供システムは、空間を時間貸しする店舗側に設けられた店舗側端末と、該空間を時間借りする利用者側に設けられた利用者端末と、該店舗側端末に接続され、該利用者端末との間で情報の受け渡しを行う空間端末と、該空間の利用情報を管理する管理装置である。
【0002】
より具体的には、空間を時間貸しする店舗側に設けられた店舗側端末と、該空間を時間借りする利用者側に設けられた利用者端末と、該店舗側端末に接続され、該空間において利用者のクレジットカードによる決済に供する空間端末と、該空間の利用代金をクレジットカードで決済する決済装置としての管理装置とを備える利用代金決済システムに関する。
【背景技術】
【0003】
従来、この種のクレジットカードによる利用代金決済システムとしては、下記特許文献1に示すように、各客室の客室端末と、カードの情報を読取るカードリーダを備え、読取った情報に基づいてホテルのサービス利用料金に対するカード決済を指示し、各客室のCCTV親機は、客室端末からの指示を受付けてカードによる決済を代行決済サーバに依頼し、代行決済サーバは、CCTV親機からの依頼により信販サーバとの間でカード決済処理を実行するシステムが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−44065号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
かかる従来のクレジットカードによる利用代金決済システムによれば、各客室において利用者が各種料金をクレジットカード決済することが可能となるが、各客室にカード情報を読取るカードリーダを設ける必要がある。そのため、カードの読取り方式の変更などがあると、各客室のカードリーダをすべて交換する必要が生じてしまう。
【0006】
また、各客室にカードリーダを設けてカード情報を読み取った場合には、ホテルなどの店舗側にカード情報を残すことになってしまい、利用者側はカードの不正利用などを懸念し、逆に各客室でのクレジットカード決済が嫌厭されることにつながっている。
【0007】
一方で、各客室にカードリーダを設けない場合には、客室の利用を断定することができないような場合にもカード決済ができてしまうという不具合を生じ得る。
【0008】
以上の事情に鑑みて、本発明は、クレジットカードによる決済情報をはじめとする空間の利用状況に対応した利用情報を適切に提供することができる利用情報提供システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1発明の利用情報提供システムは、
空間を時間貸しする店舗側に設けられた店舗側端末と、該空間を時間借りする利用者側に設けられた利用者端末と、該店舗側端末に接続され、該利用者端末との間で情報の受け渡しを行う空間端末と、該空間の利用情報を管理する管理装置とを備える利用情報提供システムにおいて、
前記空間端末と前記管理装置とのいずれか一方または両方により、
前記利用者の利用者端末の端末IDを特定する端末ID特定工程と、
前記空間の利用情報を照会するURLを生成するURL生成工程と、
前記URL生成工程により生成されたURLを、前記端末ID特定工程により特定された端末IDにショートメール送信するURL送信工程と
が実行され、
前記利用者端末により、
前記URL送信工程により送信されたショートメールにより、前記URL生成工程により生成されたURLにアクセスするURLアクセス工程が実行され、
前記管理装置により、
前記店舗側端末から前記空間の利用情報を取得する利用状況取得工程と、
前記利用状況取得工程により取得された利用状況に対応した利用情報画面を生成して表示する情報画面生成工程と
を備え
前記空間端末と前記管理装置とのいずれか一方または両方により、
前記利用者端末の位置を特定する利用者端末位置特定工程と、
前記利用者端末位置特定工程により特定された前記利用者端末の位置が前記空間の利用に供する範囲であるか否かを判定する位置判定工程と
が実行され、前記位置判定工程により、前記利用者端末位置特定工程により特定された前記利用者端末の位置が前記空間の利用に供する範囲である場合に、前記URL生成工程により生成されたURLを、前記端末ID特定工程により特定された端末IDにショートメール送信する利用情報提供システムであって、
前記空間端末は、前記利用者端末と近距離通信する通信装置を備え、
前記利用者端末位置特定工程において、前記空間端末の前記通信装置が、前記利用者端末と通信している場合に、該利用者端末が該空間内にあると特定し、前記位置判定工程において、該利用者端末の位置が該空間の利用に供する範囲であると判定することを特徴とする。
【0010】
第1発明の利用情報提供システムによれば、空間端末または管理装置を介して、利用者の利用者端末の端末IDを特定することで、ショートメールにより送られてくるURLからの利用情報の提供が可能となる。
【0011】
そして、ショートメールの送信に際して、利用者端末の位置を測定して、利用者端末の位置が空間の利用に供する範囲である場合にショートメールの送信を行うことで、空間の利用を断定することが可能な事を条件として、空間の利用情報の提供が可能となる。
【0012】
空間の利用情報としては、第2発明に相当する空間の決済情報のほか、当該空間(店舗)のクーポンやサービスメニューなど、当該空間の利用に関連する各種情報が含まれる。
【0013】
このように、第1発明の利用情報提供システムによる利用代金決済システムによれば、クレジットカードによる決済情報をはじめとする空間の利用状況に対応した利用情報を適切に提供することができる。
【0014】
ここで、利用者端末の端末IDには、携帯電話やスマートフォンの携帯電話番号のほか、タブレット端末などの固有の携帯電話番号を持たない利用者端末では、その端末を特定する端末固有IDが含まれる。
【0015】
また、ここでのショートメール送信(SMS送信)には、例えば、LineやFacebook(商標)メッセンジャーなどSNSメッセンジャーのように、利用者本人を特定するID特定となるものが含まれる。
【0016】
第2発明の利用情報提供システムは、第1発明において、
前記管理装置よる前記情報画面生成工程により生成される利用情報画面が、前記空間の利用代金を決済する決済画面であることを特徴とする。
【0017】
第2発明の利用情報提供システムによれば、カード情報を告知する代わりに、空間端末を介して、利用者の利用者端末の端末IDを特定することで、ショートメールにより送られてくる決済先URLによる決済が可能となる。
【0018】
そして、決済先URLにアクセスして代金決済を行う際に、利用者端末の位置を測定して、利用者端末の位置が空間の利用に供する範囲である場合にクレジットカードによる決済処理を実行可能とすることで、空間の利用を断定することが可能な事を条件として、クレジットカードによる決済が可能となる。
【0019】
このように、第1発明の利用情報提供システムによれば、各空間にカードリーダを設けることなく、空間の利用に対する利用代金を、カード情報を店舗側に残さずに確実にクレジットカード決済をすることができる。
【0020】
なお、第2発明の利用情報提供システムにおいて、店舗側端末と空間端末との分散処理により、空間端末による処理工程の一部または全部を店舗側端末により実行するようにしてもよい。例えば、URL送信工程は、店舗側端末により、実行するようにしてもよい。
【0021】
また、ここでのクレジットカードには、例えば、デビットカードのように、クレジットカードと同様にカード情報が決済時に必要となるカードを含むものとする。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本実施形態のクレジットカードによる利用代金決済システム(利用情報提供システム)の概要を示すシステム構成図。
図2図1のクレジットカードによる利用代金決済システム(利用情報提供システム)における処理内容を示すフローチャート。
図3図1のクレジットカードによる利用代金決済システム(利用情報提供システム)における処理内容を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1に示すように、本実施形態のクレジットカードによる利用代金決済システム(利用情報提供システム)は、複数の空間Xを時間貸しする店舗側に設けられた店舗側端末1と、空間Xを時間借りする利用者側に設けられた利用者端末2と、店舗側端末1に接続され、空間Xにおいて利用者のクレジットカードによる決済に供する空間端末3と、空間の利用代金をクレジットカードで決済する決済装置4(本発明の管理装置に相当する)とを備える。
【0024】
ここで、空間Xとしては、例えば、ホテルの客室、飲食店の個室や座席、興行における客席のほか、美容院や英会話教室などにおける予約等など、予約により一定の空間を一定時間占有するものをすべて包含する概念である。
【0025】
まず、店舗側端末1は、少なくとも各空間の利用代金を管理する装置であって、各空間Xの空間端末3との間で、利用代金の情報の授受を行うと共に、インターネット等のネットワークを介して決済装置4と接続されている。
【0026】
また、店舗側端末1は、必要に応じて、各空間Xの状態(例えば、ホテルの客室の場合には『在室』,『空室』,『清掃』,『予約』等の状態)を管理する管理コンピュータ10に接続され、管理コンピュータ10との間で、利用代金などの情報の授受が可能となっている。
【0027】
なお、店舗側端末1と管理コンピュータ10とは、一体に構成されてもよい。
【0028】
次に、利用者端末2は、例えば、ホテルなどの客室である空間を利用するユーザのスマートフォンやタブレット等のユーザ端末である。
【0029】
利用者端末2は、少なくとも固有携帯電話番号を有すると共に、インターネット等のネットワークに接続可能である。ここで、利用者端末2が、固有携帯電話番号を持たないタブレット端末等の場合には、そのタブレット端末の固有端末IDを有し、インターネット等のネットワークに接続可能なものであってもよい。
【0030】
なお、利用者端末2は、後述するように、Bluetooth(登録商標)やBeaconなどの近距離通信規格による通信機能を備えるものが望ましい。
【0031】
次に、空間端末3は、各空間のコンピュータやテレビやタブレットなどのインタフェースであって、少なくともタッチパネルまたはキーボード/テンキーなどの入力手段を備え、LANに接続可能な端末である。
【0032】
なお、空間端末3は、後述するように、Bluetooth(登録商標)やBeaconなどの近距離通信規格による通信機能を備えるか、外部拡張機器(例えば、これらの通信装置のUSB接続)によりこれらの近距離通信規格が利用可能となることが望ましい。
【0033】
次に、決済装置4は、空間端末3から送信された料金情報を記憶保持するデータサーバであって、サーバに記憶保持された料金情報に基づいて料金画面を生成し、これをネットワーク通信により利用者端末2に表示する。
【0034】
決済装置4は、クレジットカード会社などの決済実行者サーバ40に接続され、決済実行者サーバ40により生成された決済画面(クレジットカード情報を入力)を利用者端末2に中継すると共に、決済実行者サーバ40による決済結果を店舗側端末1および利用者端末2に通知する。
【0035】
なお、決済装置4と決済実行者サーバ40とは、一体に構成されてもよい。
【0036】
以上が本実施形態のクレジットカードによる利用代金決済システムである。なお、以上の構成において、利用代金決済システムの店舗側端末1、利用者端末2、空間端末3、決済実行者サーバ40は、それぞれ例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only memory)、RAM(Random Access Memory)等のハードウェアにより構成され、後述する各種処理を実行するプログラムをメモリ(不図示)に記憶保持し、そのプログラムを実行することにより、各種処理を実行するための演算装置(シーケンサ)として機能する。
【0037】
次に、図2および図3を参照して、以上のように構成されたクレジットカードによる利用代金決済システムの処理内容について説明する。
【0038】
初めに、図2を参照して、空間Xにおいて空間端末3により実行される決済処理内容を説明する。
【0039】
まず、空間端末3が操作されることにより、決済処理が開始されると、空間端末3は、店舗側端末1から当該空間が利用状態を取得し、当該客室が利用中(ホテルにおいては客室である空間が在室中)であるかを判定する(STEP11/図2)。
【0040】
そして、空間端末3は当該空間が利用中でない場合には(STEP11でNO)、決済処理を終了し、空間端末3は当該空間が利用中である場合には(STEP11でYES)、決済方法の選択画面を表示し、決済方法を利用者に選択させる(STEP12)。
【0041】
決済方法は、本実施形態のクレジットカードによる利用代金決済のほか、SuicaやEdyなどの事前チャージ残金からの決済、およびpaidyなどの事後払いなどの当該店舗で使用可能な決済方法を選択可能とすることができる。
【0042】
なお、本実施形態では、クレジットカードによる利用代金決済の場合が選択されたとして、(他の決済方法が選択された場合の説明を省略し)以下、クレジットカードによる利用代金の決済処理について説明する。
【0043】
クレジットカードによる利用代金決済の場合が選択されと、次に、空間端末3は、当該空間の利用者の利用者端末2の携帯電話番号の特定を行う(STEP13/図2)。なお、ここでの携帯電話番号の特定処理が、本発明の端末ID特定工程に相当する。
【0044】
利用者端末2の携帯電話番号の特定は、空間端末3の入力手段により、利用者に直接、携帯電話番号を入力させる場合のほか、空間端末3に表示されたQRコード(登録商標)にアクセスさせることにより特定のURLに誘導して携帯電話番号を入力させてもよい。
【0045】
また、入力画面を利用者端末2および空間端末3にBluetooth(登録商標)やBeaconなどの近距離通信規格による通信機能を備える場合には、利用者端末2側を発信器とすることにより、発信器側情報として携帯電話番号を空間端末3側により取得するようにしてもよい。
【0046】
また、当該店舗や決済装置4の専用アプリを利用者端末2にダウロードして利用可能となっている場合に当該専用アプリを介して、(ネットワーク通信や近距離通信により)携帯電話番号を空間端末3に提供するようにしてもよい。
【0047】
次いで、空間端末3は、認識情報の暗号化処理を行う(STEP14/図2)。
【0048】
具体的に、認識情報の暗号化処理では、STEP13で特定された携帯電話番号のほか、空間情報(ホテルの客室の場合には客室番号)、店舗ID(ホテルID)、利用日時およびデータ改ざん用のチェックサムを暗号化する。
【0049】
続いて、空間端末3は、決済先URLを生成する(STEP15/図2)。なお、ここでの決済先URLを生成処理が、本発明のURL生成工程に相当する。
【0050】
具体的に、決済先URLの生成では、STEP14で暗号化した認識情報にアクセスするための、一意なURL(決済ID)を生成すると共に、生成したURLと認識情報とが紐付けされる。
【0051】
次に、空間端末3は、STEP14で暗号化した認識情報と、STEP15で生成されたURLとを決済装置4のデータサーバに記憶保存する(STEP16/図2)。
【0052】
続いて、空間端末3は、STEP15で生成されたURLを決済装置4のデータサーバに登録し、ネットワークを介した外部アクセスを可能とする(STEP17/図2)。
【0053】
次いで、空間端末3は、STEP17で決済装置4のデータサーバに登録されたURLを、STEP13で特定された利用者端末2の携帯電話番号にショートメール送信(SMS送信)する(STEP18/図2)。
【0054】
以上が、空間Xにおいて空間端末3により実行される決済処理内容である。
【0055】
次に、図3を参照して、空間端末3からショートメールを受信した利用者端末2と決済装置4とによる決済処理内容を説明する。
【0056】
まず、空間端末3からショートメールを受信した利用者端末2の利用者が、ショートメールに記載されたURLをクリック等の操作により起動すると(STEP21/図3)、利用者端末2が決済装置4の決済先URLにアクセスされる。かかるアクセスが、本発明のURLアクセス工程に相当する。
【0057】
これにより、決済装置4は、料金画面を生成して利用者端末2に表示する(STEP22/図3)。なお、かかる料金画面(利用情報画面)の生成表示処理が、本発明の情報画面生成工程に相当する。
【0058】
料金画面は、利用者端末2のブラウザまたは利用者端末2にインストールされた専用アプリケーションの画面として表示され、かかる画面上に、決済装置4のデータサーバに記憶保存されている認識情報のほか、このタイミングで店舗側端末1から取得した利用料金が表示される。かかる認識情報の取得および利用代金の取得が、本発明の利用状況取得工程に相当する。
【0059】
次に、決済装置4は、利用者端末2の位置を特定し、特定した利用者端末2が空間Xの利用に供する範囲(店舗内)であるか否かを判定する(STEP23/図3)。かかる利用者端末2の位置の特定処理が、本発明の利用者端末位置特定工程に相当する。
【0060】
ここで、利用者端末2の位置の特定は、利用者端末2のGPS情報の取得により特定する場合のほか、利用者端末2が空間端末3との間でBluetooth(登録商標)やBeaconなどの近距離通信が可能な場合には、利用者端末2の位置を当該空間X内として特定する。
【0061】
また、店舗内であるかの判定処理は、利用者端末2の位置を利用者端末2のGPS情報の取得特定している場合には、当該GPS情報に基づく利用者端末2の位置が、ホテルIDから特定される店舗所在地(ホテルのGPS座標)から店舗所在地に存在するか否かが判定される。
【0062】
一方、利用者端末2が空間端末3との間でBluetooth(登録商標)やBeaconなどの近距離通信が可能な場合には、(利用者端末2の位置を当該空間X内として特定されているため、そのまま)店舗内であると判定する。
【0063】
次に、決済装置4は、特定した利用者端末2が空間Xの利用に供する範囲(店舗内)である場合には(STEP23でYES/図3)、空間端末3からショートメールを送信した後、所定時間内であるか判定する(STEP24)。
【0064】
そして、決済装置4は、所定時間内である場合に(STEP24でYES/図3)、決済実行者サーバ40による決済画面(クレジットカード情報を入力)に切り替えて、かかる決済画面の中継表示を行う(STEP25/図3)。これにより、クレジットカードによる決済処理が実行可能となる。
【0065】
そして、かかる決済画面により、利用者端末2からクレジットカード情報等の入力が行われ、クレジットカード決済が終了すると、決済装置4は、決済結果を決済実行者サーバ40から受信して記憶保存すると共に、決済結果を店舗側端末1および利用者端末2に通知する(STEP26/図3)。
【0066】
これにより、一連のクレジットカードによる利用代金決済処理を終了する。
【0067】
一方、決済装置4は、利用者端末2が店舗内に存在しない場合には(STEP23でNO/図2)、また、所定時間内でない場合に(STEP24でNO/図3)、決済処理に進むことなく、エラー内容を利用者端末2および空間端末3に表示して処理を終了する(STEP27/図3)。
【0068】
以上が、空間端末3からショートメールを受信した利用者端末2と決済装置4とによる決済処理内容である。
【0069】
以上、詳しく説明したように、本実施形態のクレジットカードによる利用代金決済システムによれば、各空間Xにカードリーダを設けることなく、空間Xの利用に対する利用代金を、カード情報を店舗側に残さずに確実にクレジットカード決済をすることができる。
【0070】
なお、本実施形態では、空間端末3により利用者端末2の携帯電話番号を特定する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、決済装置4(管理装置)により、例えば、専用アプリ等を介して利用者の携帯電話番号を認証して、取得しておくようにしてもよい。
【0071】
また、本実施形態では、決済装置4(管理装置)が利用者端末2の位置を特定しているが、これに限定されるものではなく、空間端末3が利用者端末2の位置を特定してもよい。
【0072】
さらに、本実施形態では、特定した利用者端末2が空間Xの利用に供する範囲(例えば店舗内)である場合に、決済処理を実行するように構成したが、これに限定されるものではなく、SMS送信自体を行ないようにしてもよい。なお、この場合には、利用者端末2が空間Xの利用に供する範囲(例えば店舗内)である場合に、SMS送信後は、改めて、位置情報の特定を行うことなく、決済処理を実行することができる。
【0073】
また、本実施形態では、決済装置4により管理装置を構成する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、管理装置として、決済情報を含めた空間の利用情報(例えば、当該空間(店舗)のクーポンやサービスメニュー)の提供をSMS送信により行うようにしてもよい。
【0074】
さらに、本実施形態では、利用者端末の端末IDとして、携帯電話やスマートフォンの携帯電話番号を特定する場合について説明したが、端末IDは、これに限定されるものではなく、タブレット端末などの固有の携帯電話番号を持たない利用者端末では、その端末を特定する端末固有IDであってもよい。
【0075】
また、本実施形態では、ショートメール送信(SMS送信)について説明したが、ここでのショートメール送信には、例えば、LineやFacebook(商標)メッセンジャーなどSNSメッセンジャーのように、利用者本人を特定するID特定となるものへの送信が含まれる。
【符号の説明】
【0076】
1…店舗側端末、2…利用者端末、3…空間端末、4…決済装置(管理装置)、10…管理コンピュータ、40…決済実行者サーバ、X…空間。
【要約】
【課題】クレジットカードによる決済情報をはじめとする空間の利用状況に対応した利用情報を適切に提供することができる利用情報提供システムを提供する。
【解決手段】利用情報提供システムは、複数の空間Xを時間貸しする店舗側に設けられた店舗側端末1と、空間Xを時間借りする利用者側に設けられた利用者端末2と、店舗側端末1に接続され、空間Xにおいて利用者のクレジットカードによる決済に供する空間端末3と、空間の利用代金をクレジットカードで決済する決済装置4とを備える。
【選択図】図1
図1
図2
図3