(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6338752
(24)【登録日】2018年5月18日
(45)【発行日】2018年6月6日
(54)【発明の名称】オーダーエントリーシステム、注文入力端末およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G07G 1/12 20060101AFI20180528BHJP
G07G 1/01 20060101ALI20180528BHJP
【FI】
G07G1/12 361C
G07G1/01 301E
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-153150(P2017-153150)
(22)【出願日】2017年8月8日
【審査請求日】2018年1月26日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000139012
【氏名又は名称】株式会社リクルートホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100139066
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】山口 恭兵
【審査官】
永安 真
(56)【参考文献】
【文献】
特開2004−310337(JP,A)
【文献】
特開平11−312179(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00 − 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用客の注文を管理する、オーダーエントリーシステムであって、
利用客の注文を受け付ける注文入力端末と、
前記注文入力端末を介して受け付けた注文を管理する注文管理サーバと、を備え、
前記注文入力端末は、
座席選択画面において利用客の席の選択入力を受け付けた後、注文入力画面において利用客の注文内容の入力を受け付ける画面制御部と、
入力された席の情報および注文内容の情報を前記注文管理サーバに送信する送信部と、を備え、
前記座席選択画面は、席の選択入力を後回しにして先に注文入力を行う旨の指示を受け付ける操作手段を有し、
前記画面制御部は、
前記操作手段を介して前記指示を受け付けた場合には、前記注文入力画面において利用客の注文内容の入力を受け付けた後、前記座席選択画面において利用客の席の選択入力を受け付ける、オーダーエントリーシステム。
【請求項2】
前記送信部は、
前記席の選択入力および前記注文内容の入力の順序に関わらず、両方の入力を受けた後、前記注文管理サーバに入力された情報を一括して送信する、請求項1に記載のオーダーエントリーシステム。
【請求項3】
利用客の注文を受け付ける注文入力端末であって、
座席選択画面において利用客の席の選択入力を受け付けた後、注文入力画面において利用客の注文内容の入力を受け付ける画面制御部と、
入力された席の情報および注文内容の情報を注文管理サーバに送信する送信部と、を備え、
前記座席選択画面は、席の選択入力を後回しにして先に注文入力を行う旨の指示を受け付ける操作手段を有し、
前記画面制御部は、
前記操作手段を介して前記指示を受け付けた場合には、前記注文入力画面において利用客の注文内容の入力を受け付けた後、前記座席選択画面において利用客の席の選択入力を受け付ける、注文入力端末。
【請求項4】
利用客の注文を受け付けるコンピュータを、
座席選択画面において利用客の席の選択入力を受け付けた後、注文入力画面において利用客の注文内容の入力を受け付ける画面制御部と、
入力された席の情報および注文内容の情報を注文管理サーバに送信する送信部と、して機能させ、
前記座席選択画面は、席の選択入力を後回しにして先に注文入力を行う旨の指示を受け付ける操作手段を有し、
前記画面制御部は、
前記操作手段を介して前記指示を受け付けた場合には、前記注文入力画面において利用客の注文内容の入力を受け付けた後、前記座席選択画面において利用客の席の選択入力を受け付ける、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用客の注文を受け付ける、オーダーエントリーシステム、注文入力端末およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
飲食店等で普及しているオーダーエントリーシステムでは、従業員は、利用客から受けた注文の内容を、注文入力端末を操作して入力する。このため、注文入力端末は、利用客を待たせないように迅速かつ正確に入力できるものであることが望ましい。例えば、特許文献1には、注文された商品を少ない操作量で入力できるように画面を設計した装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−137678号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のオーダーエントリーシステムでは、従業員がハンディ端末を操作して注文内容を入力する際、まず注文を受ける利用客の席の選択入力を行い、その後注文内容を受けて入力する。しかし、この場合、端末操作に慣れていない従業員が席の選択入力に手間取ると、注文を受けるまでに時間がかかってしまい、利用客を待たせてしまうことがあった。
【0005】
本発明は、以上説明した事情を鑑みてなされたものであり、オーダーエントリーシステムによる注文受付において、利用客を待たせることなく、注文内容の入力が開始できるようにすることを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係るオーダーエントリーシステムは、利用客の注文を管理する、オーダーエントリーシステムであって、
利用客の注文を受け付ける注文入力端末と、
前記注文入力端末を介して受け付けた注文を管理する注文管理サーバと、を備え、
前記注文入力端末は、
座席選択画面において利用客の席の選択入力を受け付けた後、注文入力画面において利用客の注文内容の入力を受け付ける画面制御部と、
入力された席の情報および注文内容の情報を前記注文管理サーバに送信する送信部と、を備え、
前記座席選択画面は、席の選択入力を後回しにして先に注文入力を行う旨の指示を受け付ける手段を有し、
前記画面制御部は、
前記手段を介して前記指示を受け付けた場合には、前記注文入力画面において利用客の注文内容の入力を受け付けた後、前記座席選択画面において利用客の席の選択入力を受け付けるものである。
【0007】
また、前記送信部は、前記席の選択入力および前記注文内容の入力の順序に関わらず、両方の入力を受けた後、前記注文管理サーバに入力された情報を一括して送信するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、オーダーエントリーシステムによる注文受付において、利用客を待たせることなく、注文内容の入力が開始できるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態に係るオーダーエントリーシステム1の構成を示す図。
【
図2】本発明の実施形態に係る注文入力端末20の構成を示す図。
【
図3】本発明の実施形態に係る注文受付処理のフローチャート。
【
図4】本発明の実施形態に係る注文入力端末20のタッチパネル画面を例示する図。
【
図5】本発明の実施形態に係る注文入力端末20のタッチパネル画面を例示する図。
【
図6】本発明の実施形態に係る注文入力端末20のタッチパネル画面を例示する図。
【
図7】本発明の実施形態に係る注文入力端末20のタッチパネル画面を例示する図。
【
図8】本発明の実施形態に係る注文入力端末20のタッチパネル画面を例示する図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0011】
実施の形態
図1は、本実施形態に係るオーダーエントリーシステム1の構成を示す図である。
図1に示すように、オーダーエントリーシステム1は、注文管理サーバ10と、注文入力端末20を含んでいる。注文管理サーバ10と注文入力端末20は、通信ネットワークNを介して接続される。通信ネットワークNは、例えば、インターネット、LAN、専用線、電話回線、企業内ネットワーク、移動体通信網、ブルートゥース(登録商標)、WiFi(Wireless Fidelity)、その他の通信回線、それらの組み合わせ等のいずれであってもよく、有線であるか無線であるかを問わない。また、注文入力端末20は複数含まれていてもよい。また、注文管理サーバ10は、注文内容に応じて会計時に会計処理を行うためのレジ端末(図示せず)と通信ネットワークNを介して接続されていてもよい。
【0012】
オーダーエントリーシステム1は、例えばレストランのように、来店した利用客を所定の席に案内した後、従業員が注文を受けるような店舗で使用されることを想定している。また、本実施形態では、注文管理サーバ10は1つの店舗(レストランA)における注文を管理するが、注文管理サーバ10は、複数の店舗で用いられる注文入力端末20と通信することで、各店舗における注文を管理するようにしてもよい。
【0013】
注文管理サーバ10は、レストラン等において、従業員が注文入力端末20を介して入力する利用客の注文情報を管理する。注文管理サーバ10は、汎用的なコンピュータであり、1台のコンピュータで構成されていてもよいし、通信ネットワークN上に分散する複数のコンピュータから構成されてもよい。注文管理サーバ10は、制御装置11と、外部記憶装置12を備えている。制御装置11は、ハードウェアとして、CPU、ROMやRAM等のメモリ、入力インタフェース、出力インタフェース、通信インタフェース及びこれらを結ぶバス等を備えている。制御装置11は、CPUがROM等に格納されたプログラムを実行することにより各種機能を実現する。外部記憶装置12は、ハードディスクドライブ等である。外部記憶装置12には、注文入力端末20を介して受け付けた、席毎の注文内容等が記憶されている。
【0014】
注文入力端末20は、レストランの従業員が利用客から注文を受ける際に使用する携帯端末であり、専用端末の他、タブレット端末、スマートフォン、ノートPC(Personal Computer)など、通信ネットワークNを介して注文管理サーバ10とデータの授受が可能なあらゆる端末装置を利用することができる。
【0015】
図2は、注文入力端末20の構成を示す図である。
図2に示すように、注文入力端末20は、プロセッサ(画面制御部、送信部)201、タッチパネル202、通信ネットワークNに接続するための通信インタフェース203、ディスクドライブまたは半導体メモリ(ROM、RAMなど)などの記憶装置204を備えている。
【0016】
プロセッサ201は、CPUが記憶装置204に格納されている各種プログラムを実行することで注文入力端末20の各部を中枢的に制御する。
【0017】
タッチパネル202には、注文入力画面や座席選択画面等が表示され、従業員は、注文入力画面を操作することで利用客の注文を受けることができる。また、座席選択画面を操作することで注文を受ける利用客の席を入力することができる。
【0018】
通信インタフェース203は、通信ネットワークNを介して他の装置と通信をするためのハードウェアモジュールである。
【0019】
記憶装置204は、例えば、ディスクドライブまたは半導体メモリ(ROM、RAMなど)等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。記憶装置204には、オペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、各種データ等が格納される。また、記憶装置204には、これら各種プログラムや各種データのほか、プロセッサ201が実行することにより、注文管理サーバ10と連携して注文管理を行うためのコンピュータプログラムが記憶されている。
【0020】
(注文受付処理)
次に、本実施形態による注文受付処理について、
図3のフローチャートを用いて説明する。ここでは、レストランAの従業員が座席番号「02」の席に案内された利用客の注文を受ける場合を例に説明する。
【0021】
まず、注文入力端末20は、タッチパネル202に
図4に示すような座席選択画面を表示する(ステップS101)。
図4に示すように、座席選択画面には、座席選択ボタンB1が表示されており、座席選択ボタンB1には、各座席の座席番号と利用可能人数、予約の有無等が表示されている。また、使用中の席(
図4の座席番号「01」、「06」等)の座席選択ボタンB1は色を変えて区別したり、選択できないように制御してもよい。また、
図4に示すように、席選択を後回しにしてとりあえず注文を受ける場合に選択するボタン(操作手段)B2が表示される。
【0022】
従業員が、いずれかの座席選択ボタンB1(ここでは「02」)を選択すると(ステップS102:b1)、注文入力端末20は、タッチパネル202に
図5に示すような人数入力画面を表示する(ステップS103)。
図5に示すように、人数入力画面では、タッチパネル202を操作して利用客の人数(ここでは「3名」)を入力することができる。注文入力端末20は、入力された座席番号と利用人数の情報を記憶装置204に保持する。
【0023】
さらに、従業員が注文ボタンB3を選択すると(ステップS104:YES)、注文入力端末20は、タッチパネル202に
図6に示すような注文入力画面を表示する(ステップS105)。
図6に示すように、注文入力画面には、メニュー選択ボタンB4と数量選択ボタンB5が表示されており、従業員はメニュー選択ボタンB4と数量選択ボタンB5を操作することで、メニューと注文数量を入力することができる。注文入力端末20は、入力されたメニューと注文数量の情報を記憶装置204に保持する。
【0024】
さらに、従業員が確認ボタンB6を選択すると(ステップS106:YES)、
図7に示すような注文確認画面が表示され、入力した注文内容(メニューと数量)が表示される(ステップS107)。
【0025】
さらに、従業員が注文確認画面において送信ボタンB7を選択すると(ステップS108:YES)、注文入力端末20は、記憶装置204に座席番号の情報が保持されているか否かを判断する(ステップS109)。ここでは、すでに座席選択の操作は済んでおり、座席番号の情報が保持されているので(ステップS109:YES)、記憶装置204に保持されている座席番号(「02」)、利用人数(「3」)、及び注文内容(メニューと注文数量)の情報を注文管理サーバ10に送信する(ステップS110)。また、
図8に示すように、タッチパネル202に送信完了メッセージが表示される。
【0026】
注文管理サーバ10は、受信した注文内容を座席番号と対応づけて外部記憶装置12に記録し、管理する。
【0027】
一方、従業員が、座席選択画面において、座席選択の操作を行わず、とりあえず注文を受けるためのボタンB2を選択すると(ステップS102:b2)、注文入力端末20は、タッチパネル202に注文入力画面(
図6)を表示する(ステップS105)。従業員が注文入力画面においてメニューと注文数量を入力すると、注文入力端末20は、入力されたメニューと注文数量の情報を記憶装置204に保持する。
【0028】
従業員が注文入力画面において確認ボタンB6を選択すると(ステップS106:YES)、
図7に示すような注文確認画面が表示され、入力した注文内容(メニューと数量)が表示される(ステップS107)。
【0029】
さらに、従業員が注文確認画面において送信ボタンB7を選択すると(ステップS108:YES)、注文入力端末20は、記憶装置204に座席番号の情報が保持されているか否かを判断する(ステップS109)。ここでは、座席選択をまだ行っていないため、座席番号の情報が保持されていないので(ステップS109:NO)、注文入力端末20は、タッチパネル202に注文後座席選択画面を表示する(ステップS111)。注文後座席選択画面は、
図4に示す座席選択画面とほぼ同様の構成であるが、とりあえず注文を受けるためのボタンB2は表示されない。
【0030】
従業員が、注文後座席選択画面において、いずれかの座席選択ボタンB1(ここでは「02」)を選択すると(ステップS112:YES)、注文入力端末20は、タッチパネル202に注文後人数入力画面を表示する(ステップS113)。注文後人数入力画面は、
図5に示す人数入力画面とほぼ同様の構成であるが、注文ボタンB3の代わりに確定ボタンB8が表示される。従業員が注文後人数入力画面において、利用客の人数(ここでは「3名」)を入力すると、注文入力端末20は、入力された座席番号と利用人数の情報を記憶装置204に保持する。
【0031】
さらに、従業員が確定ボタンB8を選択すると(ステップS114:YES)、注文入力端末20は、記憶装置204に保持されている座席番号(「02」)、利用人数(「3」)、及び注文内容(メニューと注文数量)の情報を注文管理サーバ10に送信する(ステップS110)。また、
図8に示すように、タッチパネル202に送信完了メッセージが表示される。
【0032】
以上のように、本実施形態によれば、注文入力端末20の座席選択画面に席選択を後回しにしてとりあえず注文を受ける場合に選択するボタンB2を設け、注文を入力した後に席選択と人数入力を行うフローも利用できるようにした。これにより、必要に応じて席選択操作を後回しにできるので、利用客を待たせることなく、すぐに注文を受けることができる。例えば、従業員が注文入力端末20の操作に慣れていない場合や、利用客が注文を急いでいる場合などに有効である。
【0033】
また、注文管理サーバ10への席と注文内容の情報の送信は、どちらの入力を先に行う場合でも、最後に一括して行うようにしたので、入力の途中で注文管理サーバ10との通信による待機時間が発生することがない。このため、席選択の後、注文を受ける前に利用者を待たせてしまったり、注文内容を確定した後で、席を入力するまでに待機時間が発生したりすることがない。また、データを一括して送信するため、送信処理の効率もよい。
【0034】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、他の様々な形で実施することができる。このため、上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではない。例えば、上述した各処理ステップは処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更し、または並列に実行することができる。
【符号の説明】
【0035】
1…オーダーエントリーシステム
10…注文管理サーバ
11…制御装置
12…外部記憶装置
20…注文入力端末
201…プロセッサ
202…タッチパネル
203…通信インタフェース
204…記憶装置
N…通信ネットワーク
【要約】
【課題】オーダーエントリーシステムによる注文受付において、利用客を待たせることなく、注文内容の入力が開始できるようにする。
【解決手段】利用客の注文を管理する、オーダーエントリーシステムであって、利用客の注文を受け付ける注文入力端末と、注文入力端末を介して受け付けた注文を管理する注文管理サーバと、を備え、注文入力端末は、座席選択画面において利用客の席の選択入力を受け付けた後、注文入力画面において利用客の注文内容の入力を受け付ける画面制御部と、入力された席の情報および注文内容の情報を注文管理サーバに送信する送信部と、を備え、座席選択画面は、席の選択入力を後回しにして先に注文入力を行う旨の指示を受け付ける手段を有し、画面制御部は、手段を介して指示を受け付けた場合には、注文入力画面において利用客の注文内容の入力を受け付けた後、座席選択画面において利用客の席の選択入力を受け付ける。
【選択図】
図3