(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6338764
(24)【登録日】2018年5月18日
(45)【発行日】2018年6月6日
(54)【発明の名称】ユーザー端末を用いたフォトプリンターのカラー補正システム及びその方法
(51)【国際特許分類】
B41J 29/38 20060101AFI20180528BHJP
B41J 2/525 20060101ALI20180528BHJP
B41J 29/00 20060101ALI20180528BHJP
G06F 13/00 20060101ALI20180528BHJP
【FI】
B41J29/38 Z
B41J2/525
B41J29/00 C
G06F13/00 530B
【請求項の数】2
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-502550(P2017-502550)
(86)(22)【出願日】2015年3月24日
(65)【公表番号】特表2017-519668(P2017-519668A)
(43)【公表日】2017年7月20日
(86)【国際出願番号】KR2015002888
(87)【国際公開番号】WO2015147528
(87)【国際公開日】20151001
【審査請求日】2016年11月1日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0034536
(32)【優先日】2014年3月25日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】516286280
【氏名又は名称】ディーエス グローバル
【氏名又は名称原語表記】DS GLOBAL
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】キム、ユ−ミン
(72)【発明者】
【氏名】リー、サム ヘー
【審査官】
上田 正樹
(56)【参考文献】
【文献】
特開2003−101805(JP,A)
【文献】
国際公開第2014/029617(WO,A1)
【文献】
特開2004−348267(JP,A)
【文献】
特開平08−072286(JP,A)
【文献】
特開2003−251845(JP,A)
【文献】
特表2007−533512(JP,A)
【文献】
特開2011−204239(JP,A)
【文献】
特開2007−124435(JP,A)
【文献】
特開2011−029706(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/38
B41J 2/525
B41J 29/00
G06F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱またはエネルギーによってカラーを表現する感熱式プリント用紙に対し、エネルギーを調節して焼付け用紙に表現されるカラー像を調節するフォトプリンターのカラー補正システムにおいて、
サービスサーバーと、
前記サービスサーバーに接続し、新たなバージョンの拡張カラー補正データをダウンロードし、保存するユーザ端末と、
第1のカラー補正データが保存されたフォトプリンターと、
第2のカラー補正データが含まれたバーコードが印刷されたスマートシートとを備え、
前記ユーザ端末が、
サービスサーバーに接続し、前記サービスサーバーから新たに更新された拡張カラー補正データをダウンロードして保存するモバイルアプリケーションと、
前記拡張カラー補正データ及びフォトプリンターに保存された前記第1のカラー補正データのバージョンを比較して、その比較した結果に基づいて前記フォトプリンターに保存された拡張カラー補正データを更新するように制御する制御部と、
前記フォトプリンターに前記拡張カラー補正データを送信する近距離通信モジュールと、
を備え、
前記拡張カラー補正データは、
前記スマートシートに埋め込まれている前記第2のカラー補正データをインデックスとしてカラーを補正するためのデータであって、前記ヘッド温度において所望のカラーを印刷するための要求エネルギー、前記ヘッド温度に対するメディアの感度、及び次のカラーの印刷エネルギーを減らすための定数を含むと共に、
前記第1及び第2のカラー補正データは、フォトプリンターのヘッド温度において所望のカラーを印刷するための要求エネルギー、前記ヘッド温度に対するメディアの感度を含むことを特徴とする
フォトプリンターのカラー補正システム。
【請求項2】
熱またはエネルギーによってカラーを表現する感熱式プリント用紙に対し、エネルギーを調節して焼付け用紙に表現されるカラー像を調節するフォトプリンターのカラー補正方法であって、
1)ユーザー端末においてモバイルアプリケーションを起動してサービスサーバーに接続するステップと、
2)前記サービスサーバーに新たに更新された拡張カラー補正データがある場合、これをダウンロードして前記モバイルアプリケーションに保存するステップと、
3)前記ユーザー端末及びフォトプリンターを連動させて前記フォトプリンターに保存された第1のカラー補正データのバージョンをチェックするステップと、
4)前記第1のカラー補正データのバージョンが拡張カラー補正データのそれとは異なる場合、前記モバイルアプリケーションにおいて前記拡張カラー補正データを前記フォトプリンターに送ってアップグレードするステップと、
5)前記フォトプリンターにおいてスマートシートに印刷された第2のカラー補正データを認識するステップと、
6)前記第2のカラー補正データが前記拡張カラー補正データではない場合、前記第2のカラー補正データをインデックスとして前記拡張カラー補正データに置き換えるステップと、
7)前記フォトプリンターが前記拡張カラー補正データに基づいてカラーを補正して焼付け用紙にイメージを焼き付けるステップと、
を含む構成であって、
前記第1及び第2のカラー補正データは、フォトプリンターのヘッド温度において所望のカラーを印刷するための要求エネルギー、前記ヘッド温度に対するメディアの感度を含むと共に、
前記拡張カラー補正データは、前記フォトプリンターのヘッド温度において所望のカラーを印刷するための要求エネルギー、前記ヘッド温度に対するメディアの感度、及び次のカラーの印刷エネルギーを減らすための定数を含む
ことを特徴とするフォトプリンターのカラー補正方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォトプリンターカラー補正に係り、さらに詳しくは、スマートシートの製作後にサービスサーバーに登録された新たなカラー補正データがある場合、スマートシートに印刷されたカラー補正データをインデックスとして拡張カラー補正データに置き換えて拡張カラー補正データに基づいてカラーを補正して焼き付けることのできるフォトプリンターのカラー補正システム及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォンなどスマート機器に搭載されたカメラの性能が通常のデジタルカメラに近付いており、デジタルカメラよりは常に携帯し易いスマート機器で写真を撮って思い出を入れる人口が増えつつある。これに伴い、別途の変換作業なしに写真を撮り、直ちに出力することを希望する消費者のニーズも次第に高まりつつある。
【0003】
まるでこのような消費者のニーズを反映したかのように、スマートフォン中の写真をいつでもどこでも直ちに焼き付けることのできるフォトプリンター製品が登場した。
【0004】
このようなフォトプリンターにはゼロインキ方式を採用した焼付け用紙を適用して追加のインキカートリッジが不要になることから、メンテナンスコストが低い。ここで、ゼロインキ方式とは、カートリッジに対応する部分が用紙に含まれているため、単に熱を用いてカラー像を表現する方式のことをいう。
【0005】
現在市販中の焼付け用紙は、使用される紙(生産される用紙の次数)に応じて特性が異なるが故に表現するカラーの差が発生するため、このようなカラーの差を補正するスマートシート(smart sheet)を用いることになる。すなわち、スマートシートには焼き付けるべき用紙の特性を考慮したカラー補正に関する情報を有しているバーコードデータがあるため、このバーコードデータを用いて焼付け用紙間のカラーのバラツキを補正する役割をする。
【0006】
しかしながら、初期に製作された焼付け用紙の特性と、最近に製作された焼付け用紙の特性との間の差が大きいため、所望のカラーを表現し切れないという問題が発生し、これによって、各プリンター間のカラーのバラツキが問題視されている。
【0007】
このような問題点を補うために、既存のカラー補正データが有している53ビットのカラー補正因子(color correction factor)は、カラーを補正するのに十分ではないと認められて、既存のカラー補正データにパラメータを追加して144ビットに拡張した拡張カラー補正データが提案された。
【0008】
このため、既存のスマートシートにあるカラー補正データをインデックスして拡張カラー補正データをカラー補正に適用するためにプリンターの内部に拡張カラー補正データ領域を作って保存した後、カラー補正データに基づいて拡張カラー補正データで環境設定情報を再設定する機能が必要になった。
【0009】
このような拡張カラー補正データは、新規な焼付け用紙が生産される度に新たに作られ、この情報は、焼付け用紙が市販される前にユーザーに更新されなければならない。
【0010】
特に、焼付け用紙の製作過程において、たとえ同じ焼付け用紙であるとしても、生産次数の化合物の配合に応じてコーティングされるコーティング塗料の厚さなどが異なってしまい、その特性、例えば、カラー像を実現するための温度、露出時間などが異なってくる虞があるため、スマートシートに埋め込まれている同じカラー補正に関する情報をそのまま用いると、正確なカラー像を実現する上で難点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、本発明は、このような従来の技術の問題を解消するためのものであって、その目的は、スマートシートの製作後にサービスサーバーに登録された新たなカラー補正データがある場合、スマートシートに印刷されたカラー補正データをインデックスとして拡張カラー補正データに置き換えて拡張カラー補正データに基づいてカラーを補正して焼き付けることのできるフォトプリンターのカラー補正システム及びその方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記目的を達成するために、本発明の一観点によるフォトプリンターのカラー補正システムは、サービスサーバーに接続し、前記サービスサーバーから新たに更新された拡張カラー補正データをダウンロードして保存するモバイルアプリケーションと、前記拡張カラー補正データ及びフォトプリンターに保存された第1のカラー補正データのバージョンを比較して、その比較した結果に基づいて前記フォトプリンターに保存された拡張カラー補正データを更新するように制御する制御部と、前記フォトプリンターに連動して前記フォトプリンターに前記第1の拡張カラー補正データを送信する近距離通信モジュールと、を備える。
【0013】
また、前記拡張カラー補正データは、前記フォトプリンターに設けられたスマートシートに埋め込まれているカラー補正データをインデックスとしてカラーを補正するためのデータであることが好ましい。
【0014】
さらに、前記カラー補正データは、フォトプリンターのヘッド温度において所望のカラーを印刷するための要求エネルギー、前記ヘッド温度に対するメディアの感度を含むことが好ましい。
【0015】
さらにまた、前記拡張カラー補正データは、前記ヘッド温度において所望のカラーを印刷するための要求エネルギー、前記ヘッド温度に対するメディアの感度、及び次のカラーの印刷エネルギーを減らすための定数を含むことが好ましい。
【0016】
さらにまた、前記制御部は、前記モバイルアプリケーションを用いて前記サービスサーバーに既に登録された拡張カラー補正データがあるか否かを確認し、その確認の結果に基づいて、既に登録された拡張カラー補正データがあれば、前記拡張カラー補正データをダウンロードすることが好ましい。
【0017】
さらにまた、前記制御部は、受信された前記拡張カラー補正データのバージョンと、フォトプリンターに保存された第1のカラー補正データのバージョンとを比較して、その比較の結果に基づいて、前記第1のカラー補正データのバージョンが前記拡張カラー補正データのバージョンよりも以前であれば、前記拡張カラー補正データで前記第1の拡張カラー補正データを更新するように制御することが好ましい。
【0018】
本発明に係るフォトプリンターのカラー補正方法は、1)ユーザー端末においてモバイルアプリケーションを起動してサービスサーバーに接続するステップと、2)前記サービスサーバーに新たに更新された拡張カラー補正データがある場合、これをダウンロードして前記モバイルアプリケーションに保存するステップと、3)前記ユーザー端末及びフォトプリンターを連動させて前記フォトプリンターに保存された第1のカラー補正データのバージョンをチェックするステップと、4)前記第1のカラー補正データのバージョンが拡張カラー補正データのそれとは異なる場合、前記モバイルアプリケーションにおいて前記拡張カラー補正データを前記フォトプリンターに送ってアップグレードするステップと、を含む。
【0019】
また、5)前記フォトプリンターにおいてスマートシートに印刷された第2のカラー補正データを認識するステップと、6)前記第2のカラー補正データが前記拡張カラー補正データではない場合、前記第2のカラー補正データをインデックスとして前記拡張カラー補正データに置き換えるステップと、7)前記フォトプリンターが前記拡張カラー補正データに基づいてカラーを補正して前記焼付け用紙にイメージを焼き付けるステップと、を含むことが好ましい。
【0020】
さらに、前記第1または第2のカラー補正データは、フォトプリンターのヘッド温度において所望のカラーを印刷するための要求エネルギー、前記ヘッド温度に対するメディアの感度を含むことが好ましい。
【0021】
さらにまた、前記拡張カラー補正データは、前記フォトプリンターのヘッド温度において所望のカラーを印刷するための要求エネルギー、前記ヘッド温度に対するメディアの感度、及び次のカラーの印刷エネルギーを減らすための定数を含むことが好ましい。
【発明の効果】
【0022】
これを通じて、本発明は、サービスサーバーに登録された新たな拡張カラー補正データがあれば、新たなカラー補正データをダウンロードした後、フォトプリンターに保存されたカラー補正データのバージョンを確認して、その確認した結果に基づいてダウンロードした拡張カラー補正データでフォトプリンターに保存されたカラー補正データを更新することによって、正確なカラー補正データを維持することができるという効果がある。
【0023】
また、本発明は、サーバーからダウンロードした新たなカラー補正データでフォトプリンターに保存されたカラー補正データを更新してフォトプリンター内の正確なカラー補正データを維持することが可能であることから、目標カラー像を正確に表現することができるという効果がある。
【0024】
さらに、本発明は、サーバーからダウンロードした新たなカラー補正データでフォトプリンターに保存されたカラー補正データを更新してフォトプリンター内の正確なカラー補正データを自動的に更新することから、ユーザーの使い勝手を向上させることができるという効果がある。
【0025】
特に、スマートシートの製作後にサービスサーバーに登録された新たなカラー補正データがある場合、スマートシートに印刷されたカラー補正データをインデックスとして拡張カラー補正データに置き換えて拡張カラー補正データに基づいてカラーを補正することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の一実施形態によるフォトプリンターのカラーを補正するためのシステムを示す図である。
【
図2】フォトプリンターに用いるスマートシートの実際の様子を示す図である。
【
図3】本発明の一実施形態によるユーザー端末の詳細な構成を示す図である。
【
図4】本発明の一実施形態によるフォトプリンターのカラーを補正するための方法を示す図である。
【
図5】本発明の一実施形態によるカラー補正に対する測定結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下では、本発明の実施形態によるユーザー端末を用いてフォトプリンターのカラーを補正するためのシステム及びその方法について添付図面に基づいて説明する。本発明に係る動作及び作用を理解するのに必要な部分を中心として詳細に説明する。
【0028】
また、本発明の構成要素について説明するに当たって、同じ名称の構成要素に対して図面によって異なる符号を付してもよく、異なる図面であるにも関わらず同じ参照符号を付しても良い。しかしながら、この場合であっても、当該構成要素が実施形態によって異なる機能を有するということを意味するか、あるいは、異なる実施形態において同じ機能を有するということを意味するわけではなく、それぞれの構成要素の機能は、当該実施形態におけるそれぞれの構成要素についての説明に基づいて判断しなければならない。
【0029】
特に、本発明においては、モバイルアプリケーションを活性化させて、活性化されたモバイルアプリケーションを用いてサービスサーバーに登録された新たな拡張カラー補正データがあれば、新たなカラー補正データをダウンロードした後、フォトプリンターに保存されたカラー補正データのバージョンを確認して、その確認した結果に基づいてダウンロードした拡張カラー補正データでフォトプリンターに保存されたカラー補正データを更新する新たな方案を提案する。
図1は、本発明の一実施形態によるフォトプリンターのカラーを補正するためのシステムを示す図である。
【0030】
図1に示すように、本発明に係るフォトプリンターのカラーを補正するためのシステムは、フォトプリンター110、ユーザー端末120、サービスサーバー130、及びデータベース140などを備えてなる。
【0031】
フォトプリンター110は、設けられたスマートシートからバーコードデータ(第2のカラー補正データ)を読み込んで、その読み込んだバーコードデータをインデックスとして拡張カラー補正データを適用してもよい。
【0032】
フォトプリンター110は、スマートシートに埋め込まれているバーコード(第2のカラー補正データ)からカラーを補正するためのカラー補正データを取得して、取得されたカラー補正データをインデックスとして内部のメモリに既に保存された拡張カラー補正データで環境設定情報を再設定してもよい。ここで、環境設定情報は、焼付け用紙に目標カラーを表現するためのパラメータであって、例えば、温度、露出時間などを含んでいてもよい。
【0033】
このとき、フォトプリンター110は、周期的または非周期的に内部のメモリに保存された拡張カラー補正データのバージョンに応じて新たなバージョンの拡張カラー補正データで更新される。
【0034】
ユーザー端末120は、モバイルアプリケーションを活性化させて、活性化されたモバイルアプリケーションを用いてサービスサーバーに既に登録された新たなバージョンの拡張カラー補正データがあるか否かを確認して、確認したところ、それがあれば、新たなバージョンの拡張カラー補正データをダウンロードしてもよい。
【0035】
このとき、ユーザー端末120は、無線通信を用いてサービスサーバーに接続して、接続されたサービスサーバーに登録された新たな拡張カラー補正データがあるか否かを周期的または非周期的に確認してもよい。
【0036】
ユーザー端末120は、近距離無線通信を用いてフォトプリンター110と連動して、フォトプリンター110に既に保存された第1のカラー補正データのバージョンを確認してもよい。
【0037】
このとき、拡張カラー補正データとは、既存のスマートシートに埋め込まれている53ビットの第2のカラー補正データに多数のパラメータを追加して144ビットに拡張したカラー補正データのことをいう。
【0038】
このようなカラー補正データの拡張によって、カラーが補正可能な範囲が広くなる。すなわち、本発明に係るフォトプリンターにおいては、熱またはエネルギーによってカラーを表現する感熱式プリント用紙を用いるが、このエネルギーを調節して焼付け用紙に表現されるカラー像を調節する。
このとき、エネルギーは、次の数式1のように表わされる。
【0040】
ここで、Eは、実際に印加されるエネルギーを示し、G
invは、定常状態におけるヘッド温度において所望のカラーを印刷するための要求エネルギーを示し、S
effは、ヘッド温度に対するメディア(ヘッドの温度に応じて変わり、均一な印刷密度のために必要である)の感度を示し、T
sは、測定されたヘッドの温度を示し、T
gは、G
inv値が補正されるときの任意の温度を示し、Sx1、Sx2は、以前に適用されたエネルギーで次のカラー像の印刷エネルギーを減らすための定数であって、0.1〜−1の値を有する。
【0041】
上式1を見ると、既存の第1または第2のカラー補正データではG
inv、S
effの値しか制御できないためカラーを補正するのに限界があるが、拡張カラー補正データにおいてはSx1、Sx2のパラメータが追加されてカラーが補正可能な範囲が広くなったことが分かる。
【0042】
ユーザー端末120は、フォトプリンター110に既に保存された第1のカラー補正データのバージョンがサービスサーバー130からダウンロードした拡張カラー補正データのバージョンよりも以前のバージョンであると認められると、ダウンロードした拡張カラー補正データをフォトプリンターに与えてもよい。
【0043】
サービスサーバー130は、フォトプリンターから焼付け用紙にカラーを表現するための拡張カラー補正データを管理するためのモバイルアプリケーションをユーザー端末に与えてもよい。
【0044】
サービスサーバー130は、ユーザー端末から既に登録された新たなバージョンの拡張カラー補正データが要請されると、新たなバージョンの拡張カラー補正データをユーザー端末に与えてもよい。
【0045】
このとき、サービスサーバー130は、新たなバージョンの拡張カラー補正データが登録される度に新たなバージョンの拡張カラー補正データが登録された旨をユーザー端末に通知してもよい。
データベース140は、モバイルアプリケーション、拡張カラー補正データなどを保存してもよい。
図2は、フォトプリンターに用いるスマートシートの実際の様子を示す図である。
【0046】
図2に示すように、フォトプリンターに取り付けられて焼付け用紙に表現されるカラーを補正するためのカラー補正データを含むバーコードデータを含むことが分かる。
このようなバーコードデータは53ビットで構成されてフォトプリンターによって読み込まれる。
図3は、本発明の一実施形態によるユーザー端末の詳細な構成を示す図である。
【0047】
図3に示すように、本発明に係るユーザー端末120は、通信部121、入力部122、近距離通信モジュール123、制御部124、表示部125、及び保存部126などを備えてなる。
【0048】
通信部121は、無線通信でサービスサーバーと連動して各種のデータを送受信してもよい。例えば、通信部121は、無線通信を用いてサービスサーバーと連動して連動されたサービスサーバーから新たなバージョンの拡張カラー補正データを受信してもよい。
入力部122は、ユーザーのキーまたはメニューの操作に伴う情報を入力されてもよい。
【0049】
近距離通信モジュール123は、近距離無線通信でフォトプリンターと連動して各種のデータを送受信してもよい。例えば、近距離通信モジュール123は、近距離無線通信を介してフォトプリンターと連動して連動されたフォトプリンターから既に保存された第1のカラー補正データに関するバージョン情報を受信し、新たなバージョンの拡張カラー補正データを送信してもよい。
【0050】
このとき、近距離無線通信は、ブルーテゥ―ス、無線IDタグ(RFID:Radio Frequency Identification)、ジグビー(zigbee)
(登録商標)、近接場型の無線通信(NFC:Near Field Communication)、WiFi、Wibroなどを網羅する概念である。
【0051】
制御部124は、ユーザーのキーまたはメニューの操作に伴いモバイルアプリケーションを活性化させて、その活性化されたモバイルアプリケーションを用いてサービスサーバーに接続し、接続されたサービスサーバーに既に登録された新たなバージョンの拡張カラー補正データをダウンロードしてもよい。
【0052】
制御部124は、モバイルアプリケーションを用いてフォトプリンターに接続して、接続されたフォトプリンターに既に保存された第1のカラー補正データのバージョンを確認して、その確認の結果に基づいてサービスサーバーからダウンロードした拡張カラー補正データを転送してもよい。
【0053】
すなわち、制御部124は、ダウンロードした新たなバージョンの拡張カラー補正データに基づいてフォトプリンターに既に保存された以前のバージョンの第1のカラー補正データを更新する。
【0054】
表示部125は、モバイルアプリケーションが活性化されると、モバイルアプリケーションによって行われる拡張カラー補正データの転送、更新などに関する情報を表示してもよい。
保存部126は、モバイルアプリケーション、拡張カラー補正データなどを保存してもよい。
【実施例】
【0055】
図4は、本発明の一実施形態によるフォトプリンターのカラー補正のための方法を示す図である。
【0056】
図4に示すように、ユーザー端末120は、モバイルアプリケーションを活性化させて、活性化されたモバイルアプリケーションを用いてサービスサーバーに既に登録された新たなバージョンの拡張カラー補正データがあるか否かを確認してもよい。
【0057】
次いで、ユーザー端末120は、確認したところ、新たなバージョンの拡張カラー補正データが登録されていると、新たなバージョンの拡張カラー補正データをダウンロードしてもよい。
【0058】
次いで、ユーザー端末120は、近距離無線通信を用いてフォトプリンター110と連動して、フォトプリンター110に既に保存された第1のカラー補正データのバージョンを確認してもよい。
【0059】
次いで、ユーザー端末120は、確認したところ、フォトプリンター110に既に保存された拡張カラー補正データのバージョンが最新のバージョンではない場合、ダウンロードした拡張カラー補正データをフォトプリンターに転送してフォトプリンターに保存された第1のカラー補正データを更新してもよい。
【0060】
例えば、ユーザー端末120は、確認したところ、フォトプリンター110に既に保存された第1のカラー補正データのバージョンがサービスサーバー130からダウンロードした拡張カラー補正データのバージョンよりも以前のバージョンであると認められると、最新のバージョンではないため、ダウンロードした拡張カラー補正データでフォトプリンターに保存された第1のカラー補正データを更新する。
図5は、本発明の一実施形態によるカラー補正に対する測定結果を示す図である。
【0061】
図5に示すように、既存の53ビットの第1または第2のカラー補正データを用いて目標カラーを表現するときよりも、144ビットの拡張カラー補正データを用いて目標カラーを表現するときになお一層効果的であることが分かる。
【0062】
上式1に示すように、本発明に係るシステムは、G
inv、S
effの値だけではなく、Sx1、Sx2のパラメータが追加されてカラーが補正可能な範囲が広くなったためである。
【0063】
一方、上述した本発明の実施形態は、コンピューターにおいて起動可能なプログラムとして作成可能であり、コンピューターにて読み取り可能な記録媒体を用いて前記プログラムを動作させる汎用デジタルコンピューターにおいて実現可能である。前記コンピューターにて読み取り可能な記録媒体は、マグネティック保存媒体(例えば、ROM、フロッピーディスク、ハードディスクなど)などの光学的な読取媒体(例えば、CD−ROM、DVDなど)などの保存媒体を含む。
【0064】
上述した実施形態は単なる一例に過ぎず、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲において種々の修正及び変形を加えることができる。よって、本発明に開示されている実施形態は、本発明の技術思想を限定するためのものではなく、単に説明するためのものであり、このような実施形態によって本発明の技術思想の範囲が限定されることはない。本発明の保護範囲は、下記の請求範囲によって解釈されなければならず、これと同等の範囲内にあるあらゆる技術思想は、本発明の権利範囲に含まれるものと解釈されなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明は、サービスサーバーに登録された新たな拡張カラー補正データがあれば、新たなカラー補正データをダウンロードした後、フォトプリンターに保存されたカラー補正データのバージョンを確認して、その確認した結果に基づいてダウンロードした拡張カラー補正データでフォトプリンターに保存されたカラー補正データを更新することができるので、産業上の利用価値が高い。
【符号の説明】
【0066】
110 フォトプリンター
120 ユーザー端末
121 通信部
122 入力部
123 近距離通信モジュール
124 制御部
125 表示部
126 保存部
130 サービスサーバー
140 データベース