(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記底パネルと前記前パネルとが重なり合い且つ前記上パネルと前記後パネルとが重なり合うように各パネルが相対揺動し、次に、重なり合った前記底パネル及び前記前パネルと、重なり合った前記上パネルと前記後パネルとが、重なり合うように各パネルが相対揺動することによって、折り畳み可能である、請求項1〜7のいずれか一項に記載のペット収容具。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されたペット収容具は、その段落0037にも記載されているように、たとえ折り畳み可能に構成されていたとしても、シートベルトの取り付け又は取り外し作業時に、座席95の座部95a上で展開された状態となっている必要がある。特に、特許文献1に開示されたペット収容具を取り付け又は取り外しする際には、ペット収容具90と座席95の背部95bとの間の非常に狭い隙間内にてシートベルト95を取り扱う必要がある。したがって、シートベルトを用いたペット収容具の取り付け及び取り外しは、非常に作業性が悪い。
【0006】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、車両への取り付けおよび車両からの取り外しを容易に行うことができるペット収容具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によるペット収容具は、
車両のシートベルトを利用して当該車両の座席上に取り付けられる折り畳み可能なペット収容具であって、
対向して配置された底パネル及び上パネルと、前記底パネル及び前記上パネルの間にそれぞれ位置する前パネルおよび後パネルと、を揺動可能に接続することによって筒状に形成された筒状体を、含む収容具本体と、
前記筒状体に取り付けられた第1ガイド部材、第2ガイド部材および第3ガイド部材と、を備え、
前記第1ガイド部材および前記第2ガイド部材は、横方向に離間して配置され、且つ、前記シートベルトの腰ベルトおよび肩ベルトの両方を保持するようになり、
前記第3ガイド部材は、前記横方向において前記第1ガイド部材および前記第2ガイド部材の間に位置するとともに、前記第1ガイド部材および前記第2ガイド部材よりも上方に位置し、且つ、前記シートベルトの前記肩ベルトを保持するようになる。
【0008】
本発明によるペット収容具において、前記第1ガイド部材及び前記第2ガイド部材は、それぞれ、前記底パネルに取り付けられていてもよい。
【0009】
本発明によるペット収容具において、
前記第1ガイド部材及び前記第2ガイド部材は、それぞれ、前記底パネルに縫い付けられることによって、当該底パネルに取り付けられ、
前記第1ガイド部材及び前記第2ガイド部材を前記底パネルに取り付けるための縫い目の少なくとも一部分は、前記前パネルおよび前記後パネルを結ぶ方向に延びていてもよい。
【0010】
本発明によるペット収容具において、前記第3ガイド部材は、前記上パネルに取り付けられていてもよい。
【0011】
本発明によるペット収容具において、
前記第3ガイド部材は、前記上パネルに縫い付けられることによって、当該上パネルに取り付けられ、
前記第3ガイド部材を前記上パネルに取り付けるための縫い目の少なくとも一部分は、前記前パネルおよび前記後パネルを結ぶ方向に延びていてもよい。
【0012】
本発明によるペット収容具において、
前記第3ガイド部材は、前記収容具本体に取り付けられたベルト材と、前記ベルト材に保持されたガイド材と、を有し、
前記ガイド材は、前記肩ベルトが通過可能な通過空間を画成し、且つ、前記通過空間に通じるスリットを有し、
前記肩ベルトは、前記スリットを介して、前記通過空間に導入されるようになっていてもよい。
【0013】
本発明によるペット収容具において、前記第1ガイド部材及び前記第2ガイド部材が露出するように、折り畳み可能であってもよい。
【0014】
本発明によるペット収容具において、前記底パネルと前記前パネルとが重なり合い且つ前記上パネルと前記後パネルとが重なり合うように各パネルが相対揺動し、次に、重なり合った前記底パネル及び前記前パネルと、重なり合った前記上パネルと前記後パネルとが、重なり合うように各パネルが相対揺動することによって、折り畳み可能であってもよい。
【0015】
本発明によるペット収容具において、
前記収容具本体は、前記筒状体の開口を塞ぐように設けられた一対の側壁部を、さらに含み、
前記底パネル、前記上パネル、前記前パネル及び前記後パネルは、長方形の四つの角を面取してなる平面形状を有しており、
前記開口を画成する前記筒状体の端縁は、各パネルの面取された部分を含んで画成され、
各側壁部は、前記面取された部分を含む前記筒状体の前記端縁に接続された布状材を含むようにしてもよい。
【0016】
本発明による別のペット収容具は、
車両のシートベルトを利用して当該車両の座席上に取り付けられる折り畳み可能なペット収容具であって、
複数のパネルを揺動可能に接続することにより筒状に形成された筒状体を含む収容具本体と、
前記筒状体に取り付けられた第1ガイド部材、第2ガイド部材および第3ガイド部材と、を備え、
前記第1ガイド部材および前記第2ガイド部材は、前記筒状の筒状体がなす一対の開口を結ぶ方向に離間して配置され、且つ、前記車両に設置されたシートベルトの腰ベルトおよび肩ベルトの両方を保持するようになり、
前記第3ガイド部材は、前記筒状の筒状体がなす一対の開口を結ぶ前記方向において前記第1ガイド部材および前記第2ガイド部材の間に位置するとともに、前記筒状の筒状体がなす一対の開口を結ぶ前記方向に直交する方向において前記第1ガイド部材および前記第2ガイド部材からずれて位置し、且つ、前記シートベルトの前記肩ベルトを保持するようなる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、車両に装備されたシートベルトを利用して当該車両の座席にペット収容具を容易に取り付けることができ、また、当該車両の座席からペット収容具を容易に取り外すことができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。
図1〜
図12は、本発明によるペット収容具の一実施の形態を説明するための図である。
【0020】
ここで説明するペット収容具10は、例えば犬、猫、猿等のペットを内部に収容するものである。このペット収容具10は、
図12に示すように、車両に装備されたシートベルト7を利用して当該車両の座席5上に対して固定される。車両に固定されたペット収容具10内にペットを収容しておくことにより、車両の急減速時、例えば車両の衝突時に、車両内でペットが人とぶつかってしまうことや、ペットが車両のいずれかの部位にぶつかってしまうことを効果的に防止することができる。
【0021】
なおここで、シートベルト7とは、車両において搭乗者を座席5に固定するためのものであり、一方側(
図12に示された例では左側)の腰から他方側(
図12に示された例では右側)の腰へと延びる腰ベルト7aと、一方側の肩から他方側の腰へと延びる肩ベルト7bと、を有した、いわゆる三点式のシートベルトである。このシートベルト7は、一本のベルト状部材からなり、タング8aを挿通している。タング8aは、当該一本のベルト状部材を折り曲げて、シートベルト7を腰ベルト7aと肩ベルト7bとに区分けしている。また、座席5の他方側には、バックル8bがさらに設けられている。タング8aがバックル8bに係止されることにより、座席5上に着座する人の身体がシートベルト7によって当該座席5に固定される。
【0022】
本明細書中において、ペット収容具10及びその構成要素に対して用いる「前」、「後」、「横」、「上」および「下」の用語は、特に指示がない場合、意図された態様にて車両の座席5に取り付けられた状態を基準とした「前」、「後」、「横」、「上」および「下」を、それぞれ意味する。ペット収容具10及びその構成要素の「前後方向」とは車両の前後となる方向であり、車両の直進時における進行方向にも相当する。「前」とは、車両の前と一致する側のことであり、「後」とは、車両の後と一致する側のことである。ペット収容具10及びその構成要素の「高さ方向」とは、「上下方向」のことである。
【0023】
ペット収容具10は、全体的な構成として、ペットを収容し得る収容具本体20と、収容具本体20に取り付けられたガイド手段49と、収容具本体20に支持された金属製補強材75(
図7参照)と、を有している。ガイド手段49は、シートベルト7を保持し得るように構成されている。ガイド手段49がシートベルト7を保持した状態にて、ペット収容具10が、車両の座席5上に固定されるようになる。以下、各構成要素について説明する。
【0024】
まず、収容具本体20について説明する。
図1〜
図3に示すように、収容具本体20は、筒状に形成された筒状体25と、筒状体25の両開口をそれぞれ塞ぐ位置に配置された一対の側壁部44と、を有している。筒状体25は、複数のパネル30を含んでいる。各パネル30は、その縁部にて、他のパネル30の縁部に接続されている。図示された実施の形態において、筒状体25は、四つのパネル30を含んでおり、おおよそ四角筒状の外形状を有している。より具体的には、筒状体25は、
図12に示すように、車両座席5の座部5a上に配置されるようになる底パネル36と、底パネル36に対向して配置された上パネル37と、車両座席5の背部5bに対面するようになる後パネル39と、後パネル39に対向して配置された前パネル38と、を含んでいる。なお、以下において、四つのパネルに共通する説明については、四つのパネル36,37,38,39を区別することなく、符号「30」を用いる。
【0025】
図4から理解され得るように、各パネル30は、枠体31と、枠体31に支持された布状材32と、を有している。
図4に示すように、布状材32をなす材料の縁部が折り返して縫着されることにより、布状材32の縁部に筒状部が形成されている。枠体31は、この筒状部内に配置されている。枠体31は、一例として、金属製や樹脂製の平らな棒材を曲げることにより形成される。布状材32は、柔軟性を有した薄い材料、例えば、布材33、メッシュ材(網状に形成された布状材)34等から構成される。メッシュ材34は、ペット収容具10に通気性を確保する点や、ペット収容具10の内部の視認性を確保する観点から好ましい。図示された実施の形態において、底パネル36及び後パネル39の布状材32は、全面、布材33によって形成されている。一方、上パネル37及び前パネル38の布状材32は、一部が布材33によって形成され、その他の部分がメッシュ材34によって形成されている。
【0026】
また、図示された実施の形態では、
図4に示すように、筒状体25が、隣り合う二つのパネル30の間に位置する接続材35を、さらに有している。すなわち、
図4に示すように、隣り合う二つのパネル30は、接続材35を介して接続されている。接続材35は、布状材、つまり柔軟性を有した薄い材料、例えば布材から形成されている。このため、隣り合う二つのパネル30は、相対揺動可能に接続されている。具体的な構成として、
図4に示された例では、パネル30の布状材32をなす材料の縁部を折り返して縫着する位置にて、接続材35も一緒に縫着されている。なお、詳しくは後述するように、図示された実施の形態において、ペット収容具10は、例えば
図1及び
図2に示された展開状態と、
図10及び
図11に示された折り畳み状態と、の間で変形可能となっている。そして、ペット収容具10が変形を行う際、パネル30が相対揺動して、筒状体25が、筒状の状態、又は、潰れてパネル30が重ねられた状態を取るようになる。
【0027】
ところで、例えば
図5及び
図7に示すように、パネル30の平面形状は、長方形形状の四つの角を面取してなる形状となっている。この点から、筒状体25は、厳密には、四角筒状とは異なる形状を有している。そして、一つのパネル30は、その周縁のうちの一つの直線状部分において、他のパネル30の周縁のうちの一つの直線状部分と接続している。このため、
図3によく示されているように、開口を画成する筒状体25の端縁26は、各パネル30の面取された面取部30aを含んで画成されている。
【0028】
側壁部44は、上述したように、筒状体25の開口を塞ぐ位置に設けられている。図示された実施の形態において、側壁部44は、布状材、すなわち柔軟性を有した薄い材料から構成されている。側壁部44をなす布状材は、面取部30aを含む筒状体25の端縁26の全周に亘って接続されている。すなわち、側壁部44は、筒状体25が画成する開口の全領域を覆っている。この結果、
図3に示すように、ペット収容具10が展開した状態において、側壁部44は、立体的な形状を有している。ここで、
図3における線L
aは、前パネル38と底パネル36との接続位置の横方向における一方側の端部P
xと、後パネル39と上パネル37との接続位置の横方向における一方側の端部P
yとの間を結ぶ、側壁部44の表面上の最短経路を示している。この側壁部44の表面上の最短経路L
aの長さは、端部P
xと端部P
yとの間を結ぶ直線L
bの長さよりも大幅に長くなっている。このため、詳しくは後述するように、ペット収容具10の折り畳みを円滑に行うことができる。
【0029】
側壁部44をなす布状材は、例えば、布材45、メッシュ材(網状に形成された布状材)46等から構成される。メッシュ材46は、ペット収容具10に通気性を確保する点や、ペット収容具10の内部の視認性を確保する観点から好ましい。また、メッシュ材46は、大きく伸張することができる点において、折り畳み可能な収容具本体20の側壁部44をなす材料として好適である。図示された実施の形態において、側壁部44の一部が布材45によって形成され、その他の部分がメッシュ材46によって形成されている。
【0030】
図3によく示されているように、側壁部44は、線状に延びる締結具48、例えばファスナーを有している。締結具48は、側壁部44の一部分を扉体47として区分けしている。すなわち、締結具48の締結状態を解除すると、扉体47をなす側壁部44の一部分が、他の部分に対して揺動可能となる。したがって、締結具48を操作することにより、扉体47を開放することができる。これにより、扉体47が設けられていた部分を介して、収容具本体20の内部空間を外部と連通させることができる。このようにして、ペット収容具10の内部にペットを収容すること、並びに、ペット収容具10の内部からペットを出すことが可能となる。なお、
図1及び
図2から理解され得るように、図示された実施の形態では、各側壁部44に、それぞれ、扉体47及び締結具48が設けられている。
【0031】
次に、ガイド手段49について説明する。上述したように、ガイド手段49は、車両に装備されたシートベルト7を保持する手段である。図示された形態において、ガイド手段49は、例えば、
図1に示すように、第1ガイド部材50、第2ガイド部材55及び第3ガイド部材60を有している。
【0032】
このうち、第1ガイド部材50及び第2ガイド部材55は、
図12に示すように、予定されたペット収容具10の使用状態において、シートベルト7の腰ベルト7a及び肩ベルト7bの両方を保持する。一方、第3ガイド部材60は、予定されたペット収容具10の使用状態において、シートベルト7の肩ベルト7bのみを保持する。
図1及び
図12に示すように、第1ガイド部材50及び第2ガイド部材55は、横方向に離間して配置されている。また、第1ガイド部材50及び第2ガイド部材55は、高さ方向において、同一の位置に配置されている。第3ガイド部材60は、横方向において、第1ガイド部材50及び第2ガイド部材55の間、厳密には、第1ガイド部材50及び第2ガイド部材55の中間に位置している。また、第3ガイド部材60は、高さ方向において、第1ガイド部材50及び第2ガイド部材55よりも上方に位置している。
【0033】
図5は、底パネル36を外側面から示している。ここで各パネル30に対する外側とは、筒状体25の内側とは反対の側のことである。
図5に示すように、第1ガイド部材50及び第2ガイド部材55は、それぞれ、後方に延び出すようにして底パネル36に取り付けられている。図示された実施の形態において、第1ガイド部材50及び第2ガイド部材55は、それぞれ、底パネル36に縫い付けられたベルト状の部材からなっている。
図5に示すように、ベルト状部材を折り返して底パネル36に縫着することにより、第1ガイド部材50及び第2ガイド部材55は、シートベルト7を受けるループ部51,56と、底パネル36に縫い付けられた取付部52,57と、を含んでいる。ループ部51,56は、周状に延びる部分であり、シートベルト7が通過するようになる通過空間を形成している。第1ガイド部材50及び第2ガイド部材55を底パネル36に取り付けるための縫い目53,58の少なくとも一部分53a,58aは、前パネル38および後パネル39を結ぶ前後方向に延びている。
【0034】
図6に示すように、第3ガイド部材60は、後方に延び出すようにして上パネル37に取り付けられている。図示された実施の形態において、第3ガイド部材60は、上パネル37に縫い付けられたベルト材61と、ベルト材61に支持または把持されたガイド材65と、を有している。ベルト材61は、上パネル37に縫い付けられた取付部62を有している。取付部62を上パネル37に取り付けるための縫い目63の少なくとも一部分63aは、前パネル38および後パネル39を結ぶ前後方向に延びている。ガイド材65は、シートベルト7の肩ベルト7bが通過可能な通過空間66を画成している。また、ガイド材65は、通過空間66に通じるスリット67を有している。肩ベルト7bは、スリット67を介して、通過空間66に到達可能となっている。
【0035】
図6に示されたガイド材65は、金属製または樹脂製の棒材を折り曲げてなる形状となっている。この棒材は、ベルトの断面形状に対応した細長い領域を取り囲むように曲げられている。そして、棒材によって取り囲まれた空間が、通過空間66をなしている。また、ガイド材65をなす棒材の両端部領域が、隣り合うようにして互いに平行に延びている。この棒材の両端部領域の間には、シートベルト7の厚み以上の線状の隙間が形成されている。この隙間が、スリット67を形成している。スリット67の長手方向は、シートベルト7を保持するための通過空間66の長手方向と平行となっている。その一方で、スリット67は、その長手方向に直交する方向に通過空間66からずれて配置されている。したがって、スリット67を介して肩ベルト7bを通過空間66へ誘導する際、肩ベルト7bは、スリット67を通過した後、折り返すようにして通過空間66へ誘導される。この結果、通過空間66に配置された肩ベルト7bは、意図せず、通過空間66を介してガイド材65から抜け出してしまうことを極めて効果的に防止される。
【0036】
図1、
図7及び
図12に示すように、後パネル39の布状材32には、金属製補強材75を支持するための支持部40が形成されている。すなわち、金属製補強材75は、筒状体25の後パネル39に支持されている。金属製補強材75は、横方向において第1ガイド部材50と第2ガイド部材55との間となる領域に少なくとも位置し、且つ、第1ガイド部材50および第2ガイド部材55よりも上方で第3ガイド部材60よりも下方となる領域に少なくとも位置している。
図7に示された例では、金属製補強材75は、横方向において第1ガイド部材50と第2ガイド部材55との間となり、且つ、第1ガイド部材50および第2ガイド部材55よりも上方で第3ガイド部材60よりも下方となる領域に支持されている。そして、金属製補強材75は、後パネル39に支持された状態において、横方向よりも高さ方向に長くなっている。金属製補強材75は、例えば、四角形形状の輪郭に沿って延びる金属棒から形成されている。
【0037】
図7に示すように、後パネル39の布状材32は、布材33と、縫い目41aに沿って布材33に縫い付けられたポケット形成布41と、を有している。図示された例において、ポケット形成布41は、四角形状、とりわけ高さ方向に長くなっている長方形形状の布材である。縫い目41aは、ポケット形成布41の外輪郭をなす三つの辺に沿って延びている。この結果、後パネル39の布状材32をなす布材33とポケット形成布41との間に、金属製補強材75を収容する支持部40が、ポケットとして形成されている。ポケットとして形成された支持部40は、ポケット形成布41の外輪郭をなす一辺において、開口している。図示された例において、ポケットとして形成された支持部40は、横方向に開口している。支持部40の開口をなす部分には、面ファスナー、スナップ、ボタン等の留め具42が設けられている。この留め具42によって、金属製補強材75が、支持部40から意図せず抜け出してしまうことが防止されている。なお、ポケット形成布41は、布材33に対して外面の側から縫い付けられている。すなわち、支持部40は、後パネル39の布状材32の、車両座席5の背部5bに対面する側に、形成されている。
【0038】
次に、以上のような構成からなるペット収容具10の作用について説明する。
【0039】
まず、ペット収容具10を折り畳む方法の一例について説明する。展開した状態にあるペット収容具10を折り畳む際、まず、
図8に示すように、収容具本体20の筒状体25を潰すように力を加える。これにより、
図9に示すように、前パネル38が底パネル36上に重ねて配置され、上パネル37が後パネル39上に重ねて配置されるようになる。次に、重なり合った底パネル36及び前パネル38と、重なり合った上パネル37と後パネル39とが、重なり合うように、各パネル36,37,38,39をさらに相対揺動させる。この結果、筒状体25をなす四つのパネル36,37,38,39が、互いに重なり合い、コンパクトな寸法となる。
【0040】
なお、図示された実施の形態には、
図5によく示されているように、ストラップ状の第1留め具71が、底パネル36に取り付けられている。また、
図7に示されているように、後パネル39には、第1留め具71に対応して第2留め具72が設けられている。一例として、第1留め具71は、基端部を底パネル36に縫着され、先端部に、面ファスナー、スナップ、ボタン等の固定具を有している。一方、第1留め具71の先端部に設けられた固定具と係合可能な面ファスナー、スナップ、ボタン等からなる固定具が、第2留め具72として、後パネル39に取り付けられる。
図10に示すようにして、第1留め具71及び第2留め具72を用いることにより、収容具本体20がコンパクトな寸法に維持された折り畳み状態に、ペット収容具10を安定して維持することができる。
【0041】
このようにして折り畳まれた状態において、露出するようになるパネルは、底パネル36及び後パネル39となる。底パネル36及び後パネル39は、それぞれ、座席5の座部5及び背部5bに対面するようになる。したがって、底パネル36及び後パネル39は、視認性を要求されない部材である。このため、これらのパネル36,39の布状材32は、メッシュ材34を用いることなく形成され得る。むしろ、排泄物の流出等を回避する観点からは、底パネル36及び後パネル39の布状材32は、上述したように、メッシュ材34ではなく布材33のみによって形成されていることが好ましい。この場合、折り畳まれた状態のペット収容具10では、最外面に、メッシュ材34ではなく布材33が露出するようになる。そして、折り畳み状態にあるペット収容具10の取り扱い中に、ペット収容具10の内部に外部から粉塵等が入り込むことを効果的に防止することができるとともに、ペット収容具10の内部に残存する排泄物や毛等が漏れ出してしまうことを効果的に防止することができる。
【0042】
また、折り畳まれた状態において、上パネル37は、外部に露出していない。したがって、上パネル37に取り付けられた第3ガイド部材60は、折り畳まれたペット収容具10において、パネル30の間に位置するようになる。すなわち、折り畳まれたペット収容具10において、第3ガイド部材60を外部に露出させないようにすることができる。この場合、折り畳まれたペット収容具10の取り扱い中に、ガイド材65を先端に有した第3ガイド部材60を、外部にぶつけてしまうといったことを回避することができる。とりわけ、折り畳まれた状態のペット収容具10において、第3ガイド部材60は、第1留め具71及び第2留め具72の近傍に位置する。したがって、第1留め具71及び第2留め具72を用いて折り畳まれた状態に維持されたペット収容具10から、第3ガイド部材60がはみ出してしまうことを安定して回避することができる。
【0043】
その一方で、折り畳まれた状態において、底パネル36は、外部に露出している。したがって、底パネル36に取り付けられた第1ガイド部材50及び第2ガイド部材55は、折り畳まれたペット収容具10において露出することになる。このような折り畳み状態によれば、後述するように、ペット収容具10の車両への取り付け時及び車両からの取り外し時に、ペット収容具10を折り畳まれた状態のままにしながら、第1ガイド部材50及び第2ガイド部材55に対して作業を行うことができる。
【0044】
ところで、
図13に示されている従来のペット収容具の中には、収容具本体が厳密な直方体として形成されているものも存在する。このようなペット収容具では、折り畳んだ状態と展開した状態との間で、側壁部93の対角をなす一対の角P
ax,P
ayの間を延びる部分L
cの長さが大きく変化する。具体的には、展開した状態では、当該部分L
cの長さは、
図13に示すように、側壁部93の対角線の長さと一致する。一方、折り畳んだ状態では、当該部分L
cの長さは、おおむね、側壁部93をなす正方形の一辺の長さの倍の長さまで伸びなければならない。したがって、側壁部93が十分な伸張性を有していない場合には、側壁部93が突っ張って、ペット収容具を折り畳むことができない。このため特開2005−348701号公報では、側壁部93に相当する部分に切り込みを形成しておくことが提案されている。ただし、ペット収容具がペットの収容場所として機能する性質上、このような切り込みは開閉可能であり、且つ、折り畳み時のみに開放する必要がある。したがって、特開2005−348701号公報に開示されたペット収容具の取り扱いは、複雑且つ煩雑であり、取り扱い性が良いとは言えない。
【0045】
一方、本実施の形態においては、収容具本体20の筒状体25を形成する各パネル30は、面取部30aを有している。そして、開口を形成する筒状体25の端縁26は、各パネル30の面取された面取部30aを含んで画成され、各側壁部44は、面取部30aを含む筒状体25の端縁26の全周に接続された布状材32を含んでいる。このため、
図3を参照しながら説明したように、展開した状態において、側壁部44は立体的な形状を有している。そして、前パネル38と底パネル36との接続位置の横方向における一方側の端部P
xと、後パネル39と上パネル37との接続位置の横行方向における一方側の端部P
yとの間を結ぶ、側壁部44の表面上で最短となる経路L
aの長さは、展開状態にあるペット収容具10において二つの端部P
xと端部P
yとの間を結ぶ直線L
bの長さよりも、大幅に長くなっている。これは、ペット収容具10の展開状態において、経路L
aが、端部P
x及び端部P
yの位置よりも、横方向における一方側にずれた位置を通過しているからである。その一方で、ペット収容具10の折り畳み状態において、経路L
aは、端部P
x及び端部P
yに対して横方向にずれる必要はない。この点から、本実施の形態では、ペット収容具10を折り畳む際に、側壁部44が十分な大きさを有することになる。したがって、例えば締結具48を解除して扉体47を開放することなく、ペット収容具10を円滑に折り畳むことが可能となる。すなわち、本実施の形態によるペット収容具10は、折り畳み作業時における取り扱い性に優れる。
【0046】
さらに、本実施の形態では、ペット収容具10を折り畳んだ状態において、側壁部44が筒状体25から横方向に大きくはみ出すことを回避することができる。これにより、ペット収容具10の折り畳み形状の見映えを改善することができる。
【0047】
次に、車両座席5へのペット収容具10の取り付け方法の一例を説明する。まず、
図11に示すように、折り畳み状態にあるペット収容具10を、車両座席5の座部5a上に載置する。なお、
図11に示すように、第1ガイド部材50及び第2ガイド部材55が、折り畳んだ状態のペット収容具10から、延び出している。この第1ガイド部材50及び第2ガイド部材55が、背部5bの側(つまり後側)に位置し、且つ、ペット収容具10の底パネル36が座部5aに対面するようにして、ペット収容具10を車両座席5上に配置する。この状態にて、車両に装備されたシートベルト7に保持されたタング8aを、第1ガイド部材50及び第2ガイド部材55の両方のループ部51,56内に通す。次に、ループ部51,56を通過したタング8aを、バックル8bに係止する。これにより、シートベルト7の腰ベルト7a及び肩ベルト7bの両方が、第1ガイド部材50及び第2ガイド部材55のループ部51,56内を通過するようになる。結果として、座席5上に配置されたペット収容具10の第1ガイド部材50及び第2ガイド部材55が、シートベルト7の腰ベルト7a及び肩ベルト7bを保持した状態となる。
【0048】
次に、折り畳まれた状態にあるペット収容具10を展開する。その後、シートベルト7の肩ベルト7bを、第3ガイド部材60のガイド材65に設けられたスリット67に入れる。そして、スリット67を介してガイド材65の通過空間66内に、肩ベルト7bを誘導する。このようにして、第1ガイド部材50及び第2ガイド部材55が、腰ベルト7a及び肩ベルト7bの両方を保持した状態にて、第3ガイド部材60が、肩ベルト7bをさらに保持するようになる。以上の作業により、車両に装備されたシートベルト7を利用してペット収容具10を車両に取り付けることができる。また、以上の作業と逆の手順を踏むことにより、ペット収容具10を車両から取り外すことができる。
【0049】
以上のような本実施の形態によれば、次の作用効果を奏することができる。本実施の形態において、第1ガイド部材50及び第2ガイド部材55が、横方向に離間して配置され、シートベルト7の腰ベルト7aおよび肩ベルト7bの両方を保持するようになる。一つの長いガイド部材を設けることと比較して、本実施の形態によれば、シートベルト7をガイド部材50,55に通す作業を、大幅に容易化することができる。また、本実施の形態によれば、シートベルト7の腰ベルト7a及び肩ベルト7bの両方を保持する第1ガイド部材50及び第2ガイド部材55とは別途に、肩ベルト7bを支持する第3ガイド部材60が設けられている。したがって、各ガイド部材50,55を適切な位置に高い自由度で配置することができる。このため、本実施の形態では、ペット収容具10を折り畳んだ状態にて、第1ガイド部材50及び第2ガイド部材55を露出させることができる。すなわち、折り畳んだ状態のペット収容具10を狭い車両内に持ち込んで座席5の座部5a上に配置し、さらに、折り畳んだ状態のペット収容具10に対して、シートベルト7の腰ベルト7a及び肩ベルト7bを第1ガイド部材50及び第2ガイド部材55に通す作業を行うことができる。そしてその後に、車両内でペット収容具10を展開して広げ、第3ガイド部材60に肩ベルト7bを通す作業を行えばよい。このような本実施の形態によれば、限られた車両内のスペースを有効に利用しながら、シートベルト7を用いてペット収容具10を車両の座席5に容易且つ安定して取り付けることができる。また、取り付け作業と逆の手順を踏むことにより、限られた車両内のスペースを有効に利用しながら、ペット収容具10を車両の座席5から容易に取り外すことができる。
【0050】
これに対して、
図13に示された従来のペット収容具90では、シートベルト97は、後壁部91とストラップ92との間を通過している。したがって、シートベルトの取り付け又は取り外し作業時に、後壁部91が立ち上がった状態、すなわち、ペット収容具90が座席95の座部95a上で展開した状態となっている必要がある。このため、
図13に示されたペット収容具90を座席5に取り付ける際又は座席5から取り外す際には、ペット収容具90と座席95の背部95bとの間の非常に狭い隙間でシートベルト95を取り扱う必要がある。このような従来のペット収容具90と比較して、本実施の形態によるペット収容具10は、車両への取り付け作業および車両からの取り外し作業を飛躍的に容易化することができる
【0051】
また、本実施の形態によれば、第1ガイド部材50及び第2ガイド部材55は、それぞれ、底パネル36に取り付けられている。すなわち、底パネル36に取り付けられた第1ガイド部材50及び第2ガイド部材55が、前後方向における後方に延び出している。例えば、車両の衝突時のように車両の急減速時には、ペット収容具10を前方に移動させる慣性力が働く。このとき、シートベルト7を保持した第1ガイド部材50及び第2ガイド部材55には、後方に引く力が働く。つまり、底パネル36に取り付けられた第1ガイド部材50及び第2ガイド部材55には、底パネル36に対して後方にずらす力(剪断力)が働き、底パネル36の法線方向に沿った力(引き剥がし力)は、働かない。したがって、第1ガイド部材50及び第2ガイド部材55の取り付け状態は安定する。これにより、第1ガイド部材50及び第2ガイド部材55は、期待された機能を安定して発揮し続けることができる。
【0052】
さらに、本実施の形態によれば、第1ガイド部材50及び第2ガイド部材55を底パネル36に取り付けるための縫い目53,58の少なくとも一部分53a,58aが、前パネル38及び後パネル39を結ぶ方向、つまり、前後に延びている。したがって、第1ガイド部材50及び第2ガイド部材55を底パネル36に取り付けるための縫い目53,58の少なくとも一部分53a,58aは、車両の急減速時に第1ガイド部材50及び第2ガイド部材55にシートベルト7を介して加えられる力の方向と一致する。このため、第1ガイド部材50及び第2ガイド部材55の取り付け状態はより安定する。これにより、第1ガイド部材50及び第2ガイド部材55は、期待された機能を安定して発揮し続けることができる。
【0053】
さらに、本実施の形態によれば、第3ガイド部材60は、上パネル37に取り付けられている。すなわち、上パネル37に取り付けられた第3ガイド部材60が、前後方向における後方に延び出している。例えば、車両の衝突時のように車両の急減速時には、ペット収容具10を前方に移動させる慣性力が働く。このとき、シートベルト7を保持した第3ガイド部材60には、後方に引く力が働く。つまり、上パネル37に取り付けられた第3ガイド部材60には、上パネル37に対して後方にずらす力(剪断力)が働き、上パネル37の法線方向に沿った力(引き剥がし力)は、働かない。したがって、第3ガイド部材60の取り付け状態は安定する。これにより、第3ガイド部材60は、期待された機能を安定して発揮し続けることができる。
【0054】
さらに、本実施の形態によれば、第3ガイド部材60を上パネル37に取り付けるための縫い目63の少なくとも一部分63aが、前パネル38及び後パネル39を結ぶ方向、つまり、前後に延びている。したがって、第3ガイド部材60を上パネル37に取り付けるための縫い目63の少なくとも一部分63aは、車両の急減速時にシートベルト7を介して第3ガイド部材60に加えられる力の方向と一致する。このため、第3ガイド部材60の取り付け状態はより安定する。これにより、第3ガイド部材60は、期待された機能を安定して発揮し続けることができる。
【0055】
さらに、本実施の形態によれば、第3ガイド部材60は、収容具本体20に取り付けられたベルト材61と、ベルト材61に把持されたガイド材65と、を有している。ガイド材65は、肩ベルト7bが通過可能な通過空間66を画成し、且つ、通過空間66に通じるスリット67を有している。このような第3ガイド部材60によれば、腰ベルト7a及び肩ベルト7bが第1ガイド部材50及び第2ガイド部材55を通過した状態において、第3ガイド部材60のガイド材65の通過空間66に肩ベルト7bを容易に通すこと或いは通過空間66から肩ベルト7bを容易に取り外すことができる。すなわち、車両の座席5へのペット収容具10の取り付けおよび車両の座席5からのペット収容具10の取り外しをより容易に行うことができる。
【0056】
ところで、車両の急減速時、例えば車両の衝突時には、ペット収容具およびペット収容具内に収容されたペットには慣性力が働く。したがって、車両の急減速時、例えば車両の衝突時に、ペット収容具は車両内で変形または移動しようとする。
【0057】
具体的には、
図14に示されているように、ペット収容具は、前後方向(車両の進行方向)における前方に移動する又は延び出す。とりわけ、
図14に示された従来のペット収容具90では、シートベルト95は、後壁部91とストラップ92との間を通過している。そして、ストラップ92は、その上端92a及び下端92bの間において、後壁部91から離間し後壁部91に接続されていない。したがって、
図14の従来のペット収容具90では、車両の急減速時に、ストラップ92が後壁部91から離間して前後方向に大きく延び出すようになる。ストラップ92の変形にともなって、ペット収容具90は、高さ方向に潰れて、前方への変形量がより大きくなる。また、ストラップ92と後壁部91との間において、シートベルト97は十分に拘束されていない。このため、シートベルト97によって、ペット収容具90の座席95上での移動を十分に規制することができない。
【0058】
ペット収容具90が前方に大きく移動又は変形すると、ペット収容具90及び当該ペット収容具90内のペットが人や車両の各部位にぶつかってしまうといった不都合が生じる。すなわち、ペット収容具によって本来解決すべき課題が、従来のペット収容具90では有効に解決され得ないことがあった。
【0059】
一方、本実施の形態によれば、座席5の背部5bに対面するようになる後パネル39に金属製補強材75が支持されている。すなわち、金属製補強材75によって後パネル39の変形が効果的に抑制される。とりわけ、金属製補強材75によって、ペット収容具10が高さ方向に潰れることを効果的に規制することができる。したがって、車両の急減速時、例えば車両の衝突時に、ペット収容具10の変形を効果的に防止することができる。この結果、ペット収容具90及び当該ペット収容具90内のペットが、車両の急減速時に、車両内の人や車両の各部位にぶつかってしまうことを効果的に防止することができる。また、金属製補強材75は、後パネル39に支持されている。したがって、車両の急減速時等に、金属製補強材75が、車両内の人やペット収容具10内のペットにぶつかることを効果的に抑制することができる。
【0060】
また、本実施の形態では、第1ガイド部材50及び第2ガイド部材55が、横方向に離間して配置され、シートベルト7の腰ベルト7a及び肩ベルト7bの両方を保持する。したがって、第1ガイド部材50及び第2ガイド部材55を用いることにより、シートベルト7の腰ベルト7a及び肩ベルト7bを安定して保持することができる。これにより、シートベルト7を利用して、ペット収容具10を車両の座席5に安定して固定することができる。また、一つの長いガイド部材を設けることと比較して、シートベルトをガイド部材に通す作業を、大幅に容易に行うことができる。加えて、シートベルト7の腰ベルト7a及び肩ベルト7bの両方を保持する第1ガイド部材50及び第2ガイド部材55とは別途に、肩ベルト7bのみを支持する第3ガイド部材60が設けられている。したがって、各ガイド部材50,55,60が、安定してシートベルト7を保持することができる。この結果、シートベルト7を利用して、ペット収容具10を車両の座席5により安定して固定することができる。
【0061】
また、本実施の形態では、金属製補強材75は、横方向において第1ガイド部材50と第2ガイド部材55との間となる領域に少なくとも位置し、且つ、第1ガイド部材50及び第2ガイド部材55よりも上方で第3ガイド部材60よりも下方となる領域に少なくとも位置している。このような本実施の形態では、金属製補強材75によって、ガイド部材50,55,60が所定の相対位置関係により安定して維持されるようになる。これにより、シートベルト7を利用して、ペット収容具10を車両の座席5により安定して固定することができる。この結果、車両の急減速時等におけるペット収容具10の移動を効果的に抑制することができる。
【0062】
さらに、本実施の形態では、金属製補強材75は、四角形形状の輪郭に沿って延びる金属棒である。このような金属製補強材75は、軽量且つ高剛性となる。したがって、車両の急減速時における、ペット収容具10に加わる慣性力を大きく増大させることなく、ペット収容具10の移動および変形を有効に規制することができる。
【0063】
さらに、本実施の形態では、金属製補強材75は、後パネル39に支持された状態において、横方向よりも高さ方向に長くなっている。このような金属製補強材75は、重量化を回避しながら、車両の急減速時等にペット収容具10が高さ方向に潰れることを効果的に回避することができる。したがって、車両の急減速時における、ペット収容具10に加わる慣性力を大きく増大させることなく、ペット収容具10の移動および変形を有効に規制することができる。
【0064】
さらに、本実施の形態では、金属製補強材75は、後パネル39の布状材32の座席5の背部5bに対面する側に形成された支持部40に支持されている。このようなペット収容具10によれば、金属製補強材75が、ペット収容具10内に収容されたペットに直接接触することを回避することができる。
【0065】
さらに、本実施の形態では、支持部40は、横方向に開口したポケットである。このような支持部40によれば、車両の急減速時等に、ペット収容具10を高さ方向に潰すような力が加えられたとしても、金属製補強材75が、当該支持部40から意図せず出て脱落してしまうことを回避することができる。すなわち、この支持部40によれば、金属製補強材75を安定して支持することができ、これにより、金属製補強材75が、期待された作用効果を安定して奏することができる。
【0066】
以上、本発明を図示する一実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、この他にも種々の態様で実施可能である。