(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の処理部は、前記乳腺密度指標の大きさに応じて、前記被検者情報ごとの前記乳腺密度指標を少なくとも2段階に判定する第1の判定部を含むことを特徴とする請求項2に記載の医用検査管理装置。
前記割当処理部は、前記第3の判定部による判定結果を受け、前記予測検査時間が所定閾値未満の場合は、前記検者情報に既に割り当てられている被検者情報の総数が最も少ない検者情報に当該被検者情報を割り当て、前記予測検査時間が前記所定閾値以上の場合は、検者情報に既に割り当てられた、前記予測検査時間が前記所定閾値以上であった前記被検者情報の数が最も少ない検者情報に当該被検者情報を割り当てる
ことを特徴とする請求項5に記載の医用検査管理装置。
前記割当部は、前記検者情報に前記被検者情報を割り当てることを停止する信号を受けたとき、当該検者情報に前記被検者情報を割り当てることを停止することを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか1つに記載の医用検査管理装置。
【発明を実施するための形態】
【0008】
〈医用検査管理装置の実施形態〉
[構成]
図1は、この実施形態の医用検査管理装置1の構成を表すブロック図である。医用検査管理装置1は、複数の被検者に対し、先に行われる検査である第1の検査と後に行われる検査である第2の検査とを順次行う集団検査を管理する。本明細書では、第1の検査がマンモグラフィ検査であり、第2の検査が超音波検査である例について説明する。医用検査管理装置1は、読出部2と、割当部3と、報知部4とを有する。
【0009】
(読出部2)
読出部2は、マンモグラフィ検査装置MGから、検査データ及び当該被検者情報を読み出す。検査データは、例えば、マンモグラフィ画像である。被検者情報は、被検者を識別可能なID情報である。読出部2は、マンモグラフィ画像を当該被検者情報とともに第1の処理部31及び第2の処理部32へ順次出力する。なお、読出部2は、マンモグラフィ画像が撮影されたときの圧迫板の間隔をマンモグラフィ検査装置MGから読み出し、第2の処理部32へ出力する。なお、読出部2は、マンモグラフィ画像として、トモシンセシス(Tomosynthesis)画像を読出し、第1の処理部31及び第2の処理部32へ出力してもよい。
【0010】
(割当部3)
割当部3は、第1の検査により順次取得された検査データに基づいて、第2の検査に係る検者への負荷となる要素の大きさの程度を指標として求め、指標に基づいて、検者を表す検者情報に被検者を表す被検者情報が割り当てられた割当情報を生成する。割当部3は、第1の処理部31と、第2の処理部32と、第3の処理部33と、割当処理部34とを有する。
【0011】
(第1の処理部31)
第1の処理部31は、第1の算出部311と第1の判定部312とを有する。第1の算出部311は、指標として、乳腺密度の大きさの程度を表す乳腺密度指標を被検者情報ごとに算出する。第1の算出部311は、検査データとしてのマンモグラフィ画像を読出部2から受ける。
【0012】
図2は、マンモグラフィ画像MPの概略を表す模式図である。マンモグラフィ画像MPにおいて、乳腺組織は高い輝度で描出され、脂肪組織は、乳腺組織よりも低い輝度で描出され、非乳房領域は、脂肪組織よりも低い輝度で表される。なお、
図2のマンモグラフィ画像MPは、説明のため、輝度が反転されている。第1の算出部311は、脂肪組織を表す輝度と非乳房領域を表す輝度との間の輝度値を閾値とした輝度マスクによって、マンモグラフィ画像MPのうち、乳腺組織及び脂肪組織が描出された領域を特定する。なお、該閾値は、適宜設定及び変更可能である。特定された領域は乳房を表す乳房領域A1に相当する。例えば、第1の算出部311は、乳房領域A1を半楕円形とみなし、乳房領域A1の長径R1と短径R2とを求め、乳房領域A1の面積を求める。
【0013】
第1の算出部311は、乳腺組織を表す輝度と脂肪領域を表す輝度との間の輝度値を閾値とした輝度マスクによって、マンモグラフィ画像MPのうち、乳腺組織が描出された領域を特定する。なお、該閾値は、適宜設定及び変更可能である。特定された領域は乳腺組織を表す乳腺領域A2に相当する。乳腺領域A2が特定されたことにより、例えば、第1の算出部311は、この乳腺領域A2に含まれる画素数を求めることができる。この画素数は、マンモグラフィ画像MPにおける乳腺領域A2の面積を表す。
【0014】
第1の算出部311は、乳房領域A1の面積及び乳腺領域A2の面積に基づいて、乳房領域A1に占める乳腺領域A2の割合を乳腺密度として算出する。第1の算出部311は、例えば、乳房領域A1の面積と乳腺領域A2の面積との除算によって乳腺密度指標を算出する。第1の算出部311は、被検者情報ごとに順次乳腺密度指標を算出し、算出した乳腺密度指標を当該被検者情報とともに第1の判定部312へ出力する。
【0015】
第1の判定部312は、乳腺密度指標の大きさに応じて、被検者情報ごとの乳腺密度指標を少なくとも2段階に判定する。例えば、第1の判定部312は、乳腺密度指標についての第1の閾値を予め記憶し、算出された乳腺密度指標が第1の閾値以上か否かを被検者情報ごとに判定する。第1の閾値は、例えば、集団検診開始前に、適宜設定される。第1の判定部312は、第1の算出部311から受けた乳腺密度指標と第1の閾値とを比較し、乳腺密度指標が第1の閾値以上か否かを判定する。このように、第1の判定部312は、被検者情報を、乳腺密度指標が第1の閾値以上である被検者情報と、乳腺密度指標が第1の閾値以上でない被検者情報との2段階に判定する。第1の判定部312は、例えば、この判定結果を表す2値情報を当該被検者情報に付帯する。第1の判定部312は、判定結果が付帯された被検者情報を第3の処理部33へ出力する。
【0016】
第1の判定部312がこのような判定を行うことは、集団検診を受診する複数の被検者のうち、高密度乳腺(デンス)である被検者を特定することに相当する。高密度乳腺の被検者に対する超音波検査は、高密度乳腺でない被検者に対する超音波検査よりも、慎重かつ長時間の検査が行われる。それにより、検者は、高密度乳腺の被検者に対する超音波検査をする場合、高密度乳腺でない被検者に対する超音波検査をする場合よりも疲労を感じる。高密度乳腺であると判定された被検者を表す被検者情報には、第1の閾値以上であるとの判定結果を表す2値情報が付帯され、第3の処理部33へ出力される。一方、高密度乳腺でないと判定された被検者を表す被検者情報には、第1の閾値以上でないとの判定結果を表す2値情報が付帯され、第3の処理部33へ出力される。第1の判定部312は、被検者情報ごとに順次この判定を行ない、判定結果を表す2値情報を付帯して被検者情報を第3の処理部33へ出力する。
【0017】
(第2の処理部32)
第2の処理部32は、第2の算出部321と第2の判定部322とを有する。第2の算出部321は、指標として、乳房サイズの大きさの程度を表すサイズ指標を被検者情報ごとに算出する。第2の算出部321は、検査データとしてのマンモグラフィ画像MP及び該マンモグラフィ画像MPが撮影されたときの圧迫板の間隔を読出部2から受ける。
【0018】
第2の算出部321は、脂肪組織を表す輝度と非乳房領域を表す輝度との間の輝度値を閾値とした輝度マスクによって、マンモグラフィ画像MPのうち、乳房が描出された領域を特定する。なお、該閾値は、適宜設定及び変更可能である。例えば、第2の算出部321は、乳房領域A1を半楕円形とみなす。第2の算出部321は、乳房領域A1の長径R1と短径R2とを求め、次式によって乳房サイズ指標を算出する。
【0019】
[数1]
乳房サイズ指標S=長径R1×短径R2×π×0.5×圧迫板の間隔d・・・・(1)
【0020】
第2の算出部321は、被検者情報ごとに順次サイズ指標を算出し、算出したサイズ指標を当該被検者情報とともに第2の判定部322へ出力する。
【0021】
第2の判定部322は、サイズ指標の大きさに応じて、被検者情報ごとのサイズ指標を少なくとも2段階に判定する。例えば、第2の判定部322は、サイズ指標についての第2の閾値を予め記憶し、算出されたサイズ指標が第2の閾値以上か否かを被検者情報ごとに判定する。第2の閾値は、例えば、集団検診開始前に、適宜設定される。第2の判定部322は、第2の算出部321から受けたサイズ指標と第2の閾値とを比較し、サイズ指標が第2の閾値以上か否かを判定する。このように、第2の判定部322は、被検者情報を、サイズ指標が第2の閾値以上である被検者情報と、サイズ指標が第2の閾値以上でない被検者情報との2段階に判定する。第2の判定部322は、例えば、この判定結果を表す2値情報を当該被検者情報に付帯する。第2の判定部322は、判定結果が付帯された被検者情報を第3の処理部33へ出力する。
【0022】
第2の判定部322がこのような判定を行うことは、集団検診を受診する複数の被検者のうち、乳房のサイズが大きい被検者を特定することに相当する。乳房サイズが大きい被検者に対する超音波検査は、超音波による走査範囲が広くなる。それにより、乳房サイズが大きい被検者に対する超音波検査は、乳房サイズが大きくない被検者に対する超音波検査よりも長時間となる。それにより、検者は、乳房サイズが大きい被検者に対する超音波検査をする場合、乳房サイズが大きくない被検者に対する超音波検査をする場合よりも疲労を感じる。乳房のサイズが大きいと判定された被検者を表す被検者情報には、第2の閾値以上であるとの判定結果を表す2値情報が付帯され、第3の処理部33へ出力される。一方、乳房のサイズが大きくないと判定された被検者を表す被検者情報には、第2の閾値以上でないとの判定結果を表す2値情報が付帯され、第3の処理部33へ出力される。第2の判定部322は、被検者情報ごとに順次この判定を行ない、判定結果を表す2値情報を付帯して被検者情報を第3の処理部33へ出力する。
【0023】
(第3の処理部33)
第3の処理部33は、第3の算出部331と第3の判定部332とを有する。第3の算出部331は、第1の判定部312により判定された乳腺密度指標と第2の判定部322により判定されたサイズ指標との組み合わせに応じて、第2の検査の予測検査時間を負荷として被検者情報ごとに算出する。第3の算出部331は、デンス係数、サイズ係数、デンス連続係数及び基本時間を予め記憶する。例えば、第3の算出部331は、次式によって予測検査時間を算出する。
【0024】
[数2]
予測検査時間T1=基本時間T2×デンス係数C1×サイズ係数C2×デンス連続係数C3^(デンス連続人数N−1)・・・・(2)
【0025】
デンス係数の値として、第1の判定部312による判定結果に応じた第1のデンス係数値又は第2のデンス係数値が採用される。例えば、第3の算出部331は、第1の判定部312によって、第1の閾値以上であると判定された被検者情報の予測検査時間の算出に採用するデンス係数の値(第1のデンス係数値)として「1.5」を予め記憶する。第3の算出部331は、第1の判定部312によって第1の閾値以上でないと判定された被検者情報の予測時間の算出に採用するデンス係数の値(第2のデンス係数値)として「1.0」を予め記憶する。
【0026】
サイズ係数の値として、第2の判定部322による判定結果に応じた第1のサイズ係数値又は第2のサイズ係数値が採用される。例えば、第3の算出部331は、第2の判定部322によって、第2の閾値以上であると判定された被検者情報の予測検査時間の算出に用いるサイズ係数の値(第1のサイズ係数値)として「1.3」を予め記憶する。第3の算出部331は、第2の判定部322によって第2の閾値以上でないと判定された被検者情報の予測時間の算出に用いるサイズ係数の値(第2のサイズ係数値)として「1.0」を予め記憶する。
【0027】
デンス連続係数の値は、予め設定される。例えば、第3の算出部331は、デンス連続係数の値として「1.1」を予め記憶する。デンス連続人数は、第1の判定部312によって、一の検者情報に既に割り当てられた被検者情報のうち、第1の閾値以上であると判定された被検者情報が連続して割り当てられた最新の被検者情報の数である。第3の算出部331は、既に割り当てられた被検者情報を読み出すことによって、デンス連続人数を特定する。第3の算出部331は、特定したデンス連続人数を[数2]へ代入する。
【0028】
なお、基本時間は、予め適宜設定される値である。第3の算出部331は、設定された基本時間を予め記憶する。
【0029】
第3の算出部331は、被検者情報に付帯された第1の判定部312による判定結果を読み出す。第3の算出部331は、読み出した判定結果に応じて、第1のデンス係数値又は第2のデンス係数値を[数2]のデンス係数へ代入する。第3の算出部331は、読み出した判定結果が、第1の閾値以上であるとの判定結果であったとき、第1のデンス係数値を[数2]のデンス係数へ代入する。一方、第3の算出部331は、読み出した判定結果が、第1の閾値以上でないとの判定結果であったとき、第2のデンス係数値を[数2]のデンス係数へ代入する。
【0030】
第3の算出部331は、被検者情報に付帯された第2の判定部322による判定結果を読み出す。第3の算出部331は、読み出した判定結果に応じて、第1のサイズ係数値又は第2のサイズ係数値を[数2]のデンス係数へ代入する。第3の算出部331は、読み出した判定結果が、第2の閾値以上であるとの判定結果であったとき、第1のサイズ係数値を[数2]のサイズ係数へ代入する。一方、第3の算出部331は、読み出した判定結果が、第2の閾値以上でないとの判定結果であったとき、第2のサイズ係数値を[数2]のサイズ係数へ代入する。
【0031】
第3の算出部331は、被検者情報ごとに順次予測検査時間を算出し、算出した予測検査時間を当該被検者情報とともに第3の判定部332へ出力する。
【0032】
第3の判定部332は、予測検査時間の長さに応じて、被検者情報ごとの予測検査時間を2段階に判定する。第3の判定部332は、予測検査時間についての所定閾値を予め記憶し、算出された予測検査時間が所定閾値以上か否かを被検者情報ごとに判定する。所定閾値は、例えば、集団検診開始前に、適宜設定される。第3の判定部332は、第3の算出部331から受けた予測検査時間と所定閾値とを比較し、予測検査時間が所定閾値以上か否かを判定する。第3の判定部332は、例えば、この判定結果を表す2値情報を当該被検者情報に付帯する。第2の判定部322は、判定結果が付帯された被検者情報を割当処理部34へ出力する。
【0033】
(割当処理部34)
割当処理部34は、予測検査時間が所定閾値未満の場合は、検者情報に既に割り当てられている被検者情報の総数が最も少ない検者情報に当該被検者情報を割り当てる。割当処理部34は、予測検査時間が所定閾値以上の場合は、検者情報に既に割り当てられた、予測検査時間が所定閾値以上であった被検者情報の数が最も少ない検者情報に当該被検者情報を割り当てる。割当処理部34は、第3の判定部332から受けた被検者情報に付帯された2値情報を読み、第3の判定部332による判定結果を特定する。例えば、割当処理部34は、検者情報のうち、第3の判定部332によって予測検査時間が所定閾値以上であると判定された被検者情報が既に割り当てられた数が最も少ない検者情報に、第3の判定部332によって予測検査時間が所定閾値以上であると判定された被検者情報を割り当てることによって割当情報を生成する。このように割当情報が生成されることにより、予測検査時間が所定閾値以上であると判定された被検者情報、つまり、第2の検査における負荷が多いと判定された被検者情報が、分散されて検者情報に割り当てられる。
【0034】
なお、割当処理部34は、第3の判定部332によって予測検査時間が所定閾値以上でないと判定された被検者情報を、既に割り当てられた被検者情報の総数が最も少ない検者情報に割り当てることによって割当情報を生成する。
【0035】
割当処理部34は、生成した割当情報を報知部4へ出力する。例えば、割当処理部34は、一の被検者情報を検者情報に割り当てる度に、割当情報を報知部4へ出力する。なお、割当処理部34は、複数所定数の被検者情報を検者情報に割り当てる度に、割当情報を報知部4へ出力してもよい。
【0036】
図3A及び
図3Bは、割当情報の概略を表す模式図である。
図3Aは、検者情報に割り当てられる前の被検者情報D1〜D4,E1〜E6を表す。
図3Bは、各検者情報C1,C2の右側に、割り当てられた被検者情報D1〜D4,E1〜E6を表す。一の検者情報に割り当てられた被検者情報D1〜D4,E1〜E6は、左から右への順序で第2の検査が行われることを表している。一点鎖線で表された被検者情報D1〜D4は、第3の判定部332によって予測検査時間が所定閾値以上であると判定された被検者情報である。実線で表された被検者情報E1〜E6は、第3の判定部332によって予測検査時間が所定閾値以上でないと判定された被検者情報である。
【0037】
(報知部4)
報知部4は、割当部3により割り当てられた割当情報を報知する。例えば、報知部4は、液晶ディスプレイ等のモニタ41を有する。報知部4はモニタ41に割当情報を表示する。被検者は、表示された割当情報を視認することによって、自身の被検者情報が割り当てられた検者情報を把握することができる。検者は、表示された割当情報を視認することによって、自身の検者情報に割り当てられた被検者情報を把握することができる。なお、報知部は、割当情報として、検者情報の検者が待機する超音波検査のブースを表す情報を検者情報に替えて報知してもよい。
【0038】
[動作]
図4A〜
図4Cは、医用検査管理装置1の動作を表すフローチャートである。
【0039】
(ステップS001)
読出部2は、マンモグラフィ検査装置MGから、検査データとしてのマンモグラフィ画像MP及び当該被検者情報を読み出す。読出部2は、マンモグラフィ画像MPを当該被検者情報とともに第1の処理部31及び第2の処理部32へ出力する。なお、読出部2は、マンモグラフィ画像MPが撮影されたときの圧迫板の間隔をマンモグラフィ検査装置MGから読み出し、第2の処理部32へ出力する。
【0040】
(ステップS002)
第1の算出部311は、検査データとしてのマンモグラフィ画像MP及び当該被検者情報を読出部2から受ける。第1の算出部311は、受けたマンモグラフィ画像MPに基づいて、乳腺密度指標を算出する。第1の算出部311は、算出した乳腺密度指標を第1の判定部312へ出力する。
【0041】
(ステップS003)
第1の判定部312は、第1の算出部311から受けた乳腺密度指標と第1の閾値とを比較し、乳腺密度指標が第1の閾値以上か否かを判定する。第1の判定部312は、判定結果が付帯された被検者情報を第3の算出部331へ出力する。
【0042】
(ステップS004)
第3の算出部331は、被検者情報に付帯された第1の判定部312による判定結果を読み出すことによって、第1の判定部312による判定結果に応じたデンス係数の値を定める。
【0043】
(ステップS005)
第2の算出部321は、検査データとしてのマンモグラフィ画像MP、該マンモグラフィ画像MPが撮影されたときの圧迫板の間隔及び当該被検者情報を読出部2から受ける。第2の算出部321は、受けたマンモグラフィ画像MP及び該マンモグラフィ画像MPが撮影されたときの圧迫板の間隔に基づいて、サイズ指標を算出する。第2の算出部321は、算出したサイズ指標を第2の判定部322へ出力する。
【0044】
(ステップS006)
第2の判定部322は、第2の算出部321から受けたサイズ指標と第2の閾値とを比較し、サイズ指標が第2の閾値以上であるか否かを判定する。第2の判定部322は、判定結果が付帯された被検者情報を第3の算出部331へ出力する。
【0045】
(ステップS007)
第3の算出部331は、被検者情報に付帯された第2の判定部322による判定結果を読み出すことによって、第2の判定部322による判定結果に応じたサイズ係数の値を定める。
【0046】
なお、
図4Aでは、ステップS002〜ステップS004のステップ群と、ステップS005〜ステップS007のステップ群とが並列処理として表されている。但し、ステップS002〜ステップS004のステップ群と、ステップS005〜ステップS007のステップ群とが直列処理されてもよい。このとき、ステップS002〜ステップS004のステップ群の処理の後に、ステップS005〜ステップS007のステップ群の処理が行なわれてもよく、ステップS005〜ステップS007のステップ群の処理の後に、ステップS002〜ステップS004のステップ群の処理がおこなわれてもよい。
【0047】
(ステップS008)
第3の算出部331は、デンス係数、サイズ係数、デンス連続係数及び基本時間に基づいて、予測検査時間を算出する。第3の算出部331は、算出した予測検査時間を第3の判定部332へ出力する。
【0048】
(ステップS009)
第3の判定部332は、第3の算出部331から受けた予測検査時間と所定閾値とを比較し、予測検査時間が所定閾値以上か否かを判定する。第3の判定部332は、判定結果が付帯された被検者情報を割当処理部34へ出力する。
【0049】
(ステップS010)
割当処理部34は、第3の判定部332から受けた被検者情報に付帯された2値情報を読み、第3の判定部332による判定結果を特定する。割当処理部34によって、被検者情報が、第3の判定部332によって予測検査時間が所定閾値以上であると判定された被検者情報であると特定されたとき(ステップS010;Yes)、ステップS011へ進む。割当処理部34によって、被検者情報が、第3の判定部332によって予測検査時間が所定閾値以上でないと判定された被検者情報であると特定されたとき(ステップS010;No)、ステップS012へ進む。
【0050】
(ステップS011)
割当処理部34は、検者情報のうち、第3の判定部332によって予測検査時間が所定閾値以上であると判定された被検者情報が既に割り当てられた数が最も少ない検者情報に、被検者情報を割り当てる。割当処理部34は、割当情報を報知部4へ出力する。
【0051】
(ステップS012)
割当処理部34は、検者情報のうち、既に割り当てられた被検者情報の総数が最も少ない検者情報に被検者情報を割り当てる。割当処理部34は、割当情報を報知部4へ出力する。
【0052】
(ステップS013)
報知部4は、割当情報を報知する。
【0053】
(ステップS014)
次の被検者情報について割り当てを行うとき(ステップS014;Yes)、ステップS001へ戻る。次の被検者情報について割り当てを行わないとき(ステップS014;No)、動作を終了する。
【0054】
図4Bは、第1の判定部312の動作を表すフローチャートである。
【0055】
(ステップS101)
第1の判定部312は、第1の算出部311から受けた乳腺密度指標と第1の閾値とを比較し、乳腺密度指標が第1の閾値以上か否かを判定する。乳腺密度指標が第1の閾値以上であるとき(ステップS101;Yes)、ステップS102へ進む。乳腺密度指標が第1の閾値以上でないとき(ステップS101;No)、ステップS103へ進む。
【0056】
(ステップS102)
第1の判定部312は、乳腺密度が第1の閾値以上であるとの判定結果を表す2値情報を被検者情報に付帯する。
【0057】
(ステップS103)
第1の判定部312は、乳腺密度が第1の閾値以上でないとの判定結果を表す2値情報を被検者情報に付帯する。
【0058】
図4Cは、第2の判定部322の動作を表すフローチャートである。
【0059】
(ステップS201)
第2の判定部322は、第2の算出部321から受けた乳腺密度指標と第2の閾値とを比較し、乳腺密度指標が第2の閾値以上か否かを判定する。乳腺密度指標が第2の閾値以上であるとき(ステップS201;Yes)、ステップS202へ進む。乳腺密度指標が第1の閾値以上でないとき(ステップS201;No)、ステップS203へ進む。
【0060】
(ステップS202)
第2の判定部322は、乳腺密度が第2の閾値以上であるとの判定結果を表す2値情報を被検者情報に付帯する。
【0061】
(ステップS203)
第2の判定部322は、乳腺密度が第2の閾値以上でないとの判定結果を表す2値情報を被検者情報に付帯する。
【0062】
[効果]
この実施形態の医用検査管理装置1の効果について説明する。医用検査管理装置1は、複数の被検者に対し、先に行われる検査である第1の検査と後に行われる第2の検査とを順次行う集団検査を管理する。医用検査管理装置1は、割当部3と、報知部4とを有する。割当部3は、第1の検査により順次取得された検査データに基づいて、第2の検査における被検者ごとの検査負荷を分散して被検者情報を検者情報に割り当てる。報知部4は、割当部3により割り当てられた割当情報を報知する。また、第1の検査は、マンモグラフィ検査を含む。第2の検査は、超音波検査を含む。また、割当部3は、第1の算出部311と、第1の判定部312を含む。第1の算出部311は、検査データに基づいて、乳腺密度を被検者情報ごとに算出する。第1の判定部312は、乳腺密度についての第1の閾値を予め記憶し、算出された乳腺密度が第1の閾値以上か否かを被検者情報ごとに判定する。また、割当部3は第2の算出部321と、第2の判定部322とを含む。第2の算出部321は、検査データに基づいて、乳房サイズを表すサイズ指標を被検者情報ごとに算出する。第2の判定部322は、サイズ指標についての第2の閾値を予め記憶し、算出されたサイズ指標が第2の閾値以上か否かを被検者情報ごとに判定する。また、割当部3は、第3の算出部331を有する。第3の算出部331は、検査データに基づいて、第2の検査の予測検査時間を被検者情報ごとに算出する。割当処理部34は、算出された予測検査時間を分散して被検者情報を検者情報に割り当てる。このように、医用検査管理装置1は、乳腺密度が高い被検者の被検者情報や、乳房サイズが大きい被検者の被検者情報が一の検者情報に偏って割り当てられることを防ぎ、複数の検者情報について分散して被検者情報を割り当てる。それにより、集団検診おいて、検者への負担を均一化することを図る医用検査管理装置1を提供することができる。
【0063】
〈変形例1〉
図5は、この変形例の医用検査管理装置1の構成を表すブロック図である。以下、第1の実施形態の医用検査管理装置1と異なる構成について特に説明する。
【0064】
割当部3は、第1の記憶部35を含む。第1の記憶部35は、被検者情報ごとの重み付け値を予め記憶する。重み付け値は、被検者の既往歴等に基づいて予め設定される値である。第1の記憶部35は、手術後の経過観察が必要な被検者や、被検者自身の自己申告により超音波検査を詳細に行うことが想定される被検者の被検者情報について、予め重み付け値の入力を被検者情報ごとに受け、記憶する。
【0065】
第3の算出部331は、検査データとしてのマンモグラフィ画像MPと重み付け値とに基づいて、予測検査時間を算出する。このとき、第3の算出部331は、第1の記憶部35から重み付け値を読み出す。例えば、第3の算出部331は、次式によって予測検査時間を算出する。
【0066】
[数3]
予測検査時間T1=重み付け値C4×基本時間T2×デンス係数C1×サイズ係数C2×デンス連続係数C3^(デンス連続人数N−1)・・・・(3)
【0067】
第3の算出部331は、[数2]で算出される値に重み付け値C4を乗算することにより、手術後の経過観察が必要な被検者や、被検者自身の自己申告により超音波検査を詳細に行うことが想定される被検者の被検者情報について、超音波検査に要する検査時間を長く算出する。例えばこの場合、第1の記憶部35は、重み付け値C4の値として「1.1」を予め記憶する。なお、第3の算出部331は、次式によって予測検査時間を算出してもよい。
【0068】
[数4]
予測検査時間T1=重み付け値C4+{基本時間T2×デンス係数C1×サイズ係数C2×デンス連続係数C3^(デンス連続人数N−1)}・・・・(4)
【0069】
第3の算出部331は、[数2]で算出される値に重み付け値C4を加算することにより、手術後の経過観察が必要な被検者や、被検者自身の自己申告により超音波検査を詳細に行うことが想定される被検者の被検者情報について、超音波検査に要する検査時間を長く算出する。例えばこの場合、第1の記憶部35は、重み付け値C4の値として「10」を予め記憶する。
【0070】
この変形例の医用検査管理装置1によれば、事前に記憶された重み付け値によって、マンモグラフィ画像MPによるデータ以外の要因によって入念な超音波検査が必要な被検者の被検者情報についても、検査負荷が大きい被検者情報として割り当てることができる。
【0071】
〈変形例2〉
図6は、この変形例の医用検査管理装置1の構成を表すブロック図である。以下、第1の実施形態の医用検査管理装置1と異なる構成について特に説明する。
【0072】
割当部3は、第2の記憶部36と変更部37とを含む。第2の記憶部36は、検者情報ごとの担当能力を表す所定値を予め記憶する。第2の記憶部36は、予め所定値の入力を検者情報ごとに受け、記憶する。所定値は、検者の技量に応じて、当該検者の検者情報ごとに入力される。このとき、検者の検査経験が長い検者の検者情報ほど、大きな値の所定値が入力される。例えば、検査経験3か月未満の検者の検者情報について、所定値として「20」が入力される。検査経験3か月以上1年未満の検者の検者情報について、所定値として「25」が入力される。検査経験1年以上の検者の検者情報について、所定値として「35」が入力される。なお、第2の記憶部36は、全ての検者情報について、同一の値の所定値を記憶してもよい。
【0073】
変更部37は、第3の判定部332によって予測検査時間が所定閾値以上であると判定された被検者情報が検者情報に割り当てられるごとに、当該検者情報の所定値を変更する。例えば、変更部37は、被検者情報が検者情報に割り当てられたとき、当該検者情報の所定値を所定の変更量分減算する。なお、この変更量は、検者情報ごとに異なる値が設定されてもよい。例えば、検査経験が長い検者の検者情報ほど、小さな値の変更量が設定される。
【0074】
割当処理部34は、第3の判定部332によって予測検査時間が所定閾値以上であると判定された被検者情報を割り当てるとき、そのときの所定値が大きい検者情報に、該被検者情報を割り当てる。
【0075】
なお、割当部3は、第3の記憶部38を含んでもよい。第3の記憶部38は、所定値を初期化するための所定期間を予め記憶する。この所定期間は、予め適宜第3の記憶部38に入力され、記憶される。例えば、割当処理部34は、第2の検査としての超音波検査開始時からの時間を計時し、所定期間が経過する度に検者情報の所定値を初期化する。なお、所定期間としては、例えば、「1週間」「1日」「半日」など、適宜設定される。なお、集団検診における超音波検査の検者に、所定の休憩取得時間が設けられている場合は、この休憩取得時間が所定期間として設定されてもよい。
【0076】
この変形例の医用検査管理装置1によれば、検者の技量に応じて、被検者情報の割り当てを行うことができる。
【0077】
〈変形例3〉
図7は、この変形例の医用検査管理装置1の構成を表すブロック図である。以下、第1の実施形態の医用検査管理装置1と異なる構成について特に説明する。
【0078】
割当部3は、検者情報に被検者情報を割り当てることを停止する信号を受けたとき、当該検者情報に被検者情報を割り当てることを停止する。
【0079】
停止端末5は、検者ごとに設けられる。停止端末5は、ボタン等のスイッチを有する。停止端末5は、ボタンの押下等のスイッチ操作を受けたとき、当該検者の検者情報に被検者情報を割り当てることを停止する制御信号を割当処理部34へ出力する。
【0080】
割当処理部34は、停止端末5からの制御信号を受けたとき、当該検者情報に被検者情報を割り当てることを停止する。そして、割当処理部34は、被検者情報の割当を停止した検者情報以外の検者情報に、被検者情報を割り当てる。
【0081】
なお、割当処理部34は、所定の停止期間を予め記憶してもよい。割当処理部34は、一の検者情報について被検者情報の割当を停止した後に、停止期間が経過したとき、当該検者情報について被検者情報の割当の停止を解除する。
【0082】
この変形例の医用検査管理装置1によれば、検査負荷により疲労した検者の検者情報への割り当てを停止し、疲労の少ない検者の検者情報へ被検者情報を割り当てることができる。
【0083】
〈医用画像診断装置10の実施形態〉
図8は、実施形態の医用画像診断装置10の構成を表すブロック図である。医用検査管理装置1の構成をマンモグラフィ検査装置MGなどの第1の検査装置としての医用画像診断装置10の内部に実装することも可能である。医用画像診断装置10は、第1の検査に用いられる。医用画像診断装置10は、検査部100を有する。検査部100は、マンモグラフィ検査装置MGと同様の機能を有する。それにより、第1の検査を行なう医用画像診断装置10によって、第2の検査の検者への負担を均一化する割り当てを行うことができる。
【0084】
なお、検査部100は、X線診断装置、X線CT装置、MRI装置等、その他の医用画像診断装置の機能を有してもよい。
【0085】
〈医用検査システム20の実施形態〉
図9は、実施形態の医用検査システム20の構成を表すブロック図である。医用検査システム20は、第2の検査装置としての複数の超音波診断装置USを有する。超音波診断装置USは、第2の検査としての超音波検査に用いられる。超音波診断装置USは、医用検査管理装置1と通信可能に接続される。医用検査管理装置1には、例えば、第1の検査装置としてのマンモグラフィ検査装置MGが接続されている。超音波診断装置USは、例えば報知部4を備える。超音波診断装置USは、医用検査管理装置から割当情報を受け、受けた割当情報を報知部4によって報知する。このような構成の医用検査システム20によっても、第2の検査の検者への負担を均一化する割り当てを行うことができる。また、第2の検査の検者は、一般的に、超音波診断装置の近くに待機しているので、第2の検査の検者に視認され易く割当情報を報知することができる。
【0086】
この発明の実施形態を説明したが、上記の実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。