(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】Webページ変換システム1の構成の一例を示す図である。
【
図2】要素変換ルールファイルのフォーマットの一例を示す図である。
【
図3】要素変換ルールファイルの具体例を示す図である。
【
図4】プレ処理のルール定義の一例を示す図である。
【
図5】ポスト処理のルール定義の一例を示す図である。
【
図6】属性削除ルールのルール定義の一例を示す図である。
【
図7】
図6に示される属性削除ルールを用いたWebページデータの変換の一例を示す図である。
【
図8】属性削除ルールのルール定義の他の例を示す図である。
【
図9】
図8に示される属性削除ルールを用いたWebページデータの変換の一例を示す図である。
【
図10】属性追加ルールのルール定義の一例を示す図である。
【
図11】
図10に示される属性追加ルールを用いたWebページデータの変換の一例を示す図である。
【
図12】属性追加ルールのルール定義の他の例を示す図である。
【
図13】
図12に示される属性追加ルールを用いたWebページデータの変換の一例を示す図である。
【
図14】要素非表示ルールのルール定義の一例を示す図である。
【
図15】
図14に示される要素非表示ルールを用いたWebページデータの変換の一例を示す図である。
【
図16】要素追加ルールのルール定義の一例を示す図である。
【
図17】
図16に示される要素追加ルールを用いたWebページデータの変換の一例を示す図である。
【
図18】要素追加ルールのルール定義の他の例を示す図である。
【
図19】
図18に示される要素追加ルールを用いたWebページデータの変換の一例を示す図である。
【
図20】要素置換ルールのルール定義の一例を示す図である。
【
図21】
図20に示される要素置換ルールを用いたWebページデータの変換の一例を示す図である。
【
図22】要素置換ルールのルール定義の他の例を示す図である。
【
図23】
図22に示される要素置換ルールを用いたWebページデータの変換の一例を示す図である。
【
図24】独自処理ルールのルール定義の一例を示す図である。
【
図25】
図24に示される独自処理ルールを用いたWebページデータの変換の一例を示す図である。
【
図26】組込処理ルールのルール定義の一例を示す図である。
【
図27】
図26に示される組込処理ルールを用いたWebページデータの変換の一例を示す図である。
【
図28】Webページ表示処理の一例を示すフローチャートである。
【
図29】Webページ表示処理の一例を示すフローチャートである。
【
図30】要素変換処理の一例を示すフローチャートである。
【
図31】要素変換処理を経ていないWebページの表示例を示す図である。
【
図32】
図31に示されるWebページに適用される要素変換ルールファイルの一例を示す図である。
【
図33】
図32に示される要素変換ルールファイルが、
図31に示されるWebページに適用された場合に表示されるWebページの例を示す図である。
【
図34】
図31に示されるWebページに適用される要素変換ルールファイルの一例を示す図である。
【
図35】
図34に示される要素変換ルールファイルが、
図31に示されるWebページに適用された場合に表示されるWebページの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
1.実施形態
1−1.構成
1−1−1.Webページ変換システム1
図1は、本発明の一実施形態に係るWebページ変換システム1の構成の一例を示す図である。このWebページ変換システム1は、同図に示されるように、Webアプリケーションサーバ2と、モバイルデバイス3とを有する。Webアプリケーションサーバ2とモバイルデバイス3とは、インターネットや移動体通信網等により構成されるネットワーク4により接続される。
【0017】
1−1−2.Webアプリケーションサーバ2
Webアプリケーションサーバ2は、本発明に係る「ウェブページ提供システム」の一例である。Webアプリケーションサーバ2は、
図1に示されるように、大略、制御部21と、記憶部22と、通信部23とを備える。
【0018】
制御部21は、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置である。制御部21は、
図1に示されるように、Webページ提供部211と、属性情報取得部212と、要素変換ルール提供部213という機能を備える。これらの機能は、制御部21により、記憶部22に記憶されるプログラムが実行されることにより実現される。これらの機能については後述する。
【0019】
記憶部22は、ハードディスク等の記憶装置である。記憶部22は、制御部21により実行されるプログラムを記憶する。また、記憶部22は、複数のWebページデータと、複数の要素変換ルールのファイルとを記憶する。
【0020】
通信部23は、例えばネットワークカードである。通信部23はWebアプリケーションサーバ2をネットワーク4に接続する。
以下、記憶部22に記憶される要素変換ルールファイルについて説明する。
【0021】
要素変換ルールファイルは、専用のデザインツールを用いて事前に作成されて、記憶部22に記憶される。各要素変換ルールファイルは、それぞれWebページの画面番号と、後述するモバイルデバイス3の画面サイズ種別と、後述するテーマとに対応づけて作成される。
【0022】
図2は、要素変換ルールファイルのフォーマットの一例を示す図である。同図に示される要素変換ルールファイルはJSON(JavaScript(登録商標) Object Notation)形式である。同ファイルでは各要素変換ルールを表すオブジェクトが縦方向に配列され、上から順番に各要素変換ルールとプレ処理及びポスト処理がWebページに適用される。なお、同ファイルの形式は、XML(Extensible Markup Language)形式であってもよい。
【0023】
図3は、要素変換ルールファイルの具体例を示す図である。同図に示される要素変換ルールファイルを用いてWebページに対して後述する要素変換処理が実行された場合、Webページに対しては、プレ処理、要素非表示ルール、属性削除ルール、属性追加ルール、要素追加ルール、要素置換ルール、ポスト処理の順に適用される。
次に、各要素変換ルールとプレ処理及びポスト処理について説明する。
【0024】
(1)プレ処理及びポスト処理
プレ処理は、Webページに対して後述する要素変換処理が実行される前に行われる処理であって、例えば、要素変換処理が完了するまでformを一旦非表示にするという処理である。ポスト処理は、Webページに対して後述する要素変換処理が実行された後に行われる処理であって、例えば、formを再表示して、html要素を初期化する処理である。プレ処理とポスト処理のルールフォーマットを表1に示す。
【0026】
図4は、プレ処理のルール定義の一例を示す図である。同図に示されるルール定義は、要素変換処理が完了するまでformを一旦非表示にする処理を定義している。
図5は、ポスト処理のルール定義の一例を示す図である。同図に示されるルール定義は、id=mapviewの要素をXXXマップの要素として初期化する処理を定義している。
【0027】
(2)属性削除ルール
属性削除ルールは、元の要素(例えば、html要素。以下同じ。)の属性で、指定した属性を削除するためのルールである。または、元の要素の属性で、指定した属性以外を削除するためのルールである。属性削除ルールは、元の要素の属性で、モバイルデバイス3において不要となる属性値を取り除くために使用される。具体的には、style属性に指定される位置指定やサイズ(具体的には、absolute, top, left, bottom, right, width, height等のスタイル)等の属性値や、classに指定される一部のクラス名を削除するために使用される。属性削除ルールのルールフォーマットを表2に示す。
【0029】
図6は、属性削除ルールのルール定義の一例を示す図である。
図7は、
図6に示される属性削除ルールを用いたWebページデータの変換の一例を示す図である。
図7(a)は変換前のWebページデータを示し、
図7(b)は変換後のWebページデータを示す。これら
図6及び7に示される例は、id=usernameの要素で、type、name、id、class='class1' style='text-align|display'以外の属性を削除する場合について示している。
【0030】
図8は、属性削除ルールのルール定義の他の例を示す図である。
図9は、
図8に示される属性削除ルールを用いたWebページデータの変換の一例を示す図である。
図9(a)は変換前のWebページデータを示し、
図9(b)は変換後のWebページデータを示す。これら
図8及び9に示される例は、表示状態のすべてのinput要素で、class='ui-*'、data-*の属性を削除する場合について示している。
【0031】
(3)属性追加ルール
属性追加ルールは、使用しているライブラリが定義している独自の属性や、通常のhtml属性を追加するためのルールである。具体的には、classの追加、data-*属性の追加や、初期値の追加等を行うために使用される。属性追加ルールのルールフォーマットを表3に示す。
【0033】
図10は、属性追加ルールのルール定義の一例を示す図である。
図11は、
図10に示される属性追加ルールを用いたWebページデータの変換の一例を示す図である。
図11(a)は変換前のWebページデータを示し、
図11(b)は変換後のWebページデータを示す。これら
図10及び11に示される例は、id=usernameの要素に、class='mobile' data-must-input='1'の属性を追加する場合について示している。
【0034】
図12は、属性追加ルールのルール定義の他の例を示す図である。
図13は、
図12に示される属性追加ルールを用いたWebページデータの変換の一例を示す図である。
図13(a)は変換前のWebページデータを示し、
図13(b)は変換後のWebページデータを示す。これら
図12及び13に示される例は、表示状態のすべてのinput要素に、class='ui-custom'の属性を追加する場合について示している。
【0035】
(4)要素非表示ルール
要素非表示ルールは、指定された要素を非表示にするためのルールである。具体的には、モバイルデバイス3に適していないイメージ、長い説明文言、簡潔でないラベル等を非表示にするために使用される。要素非表示ルールのルールフォーマットを表4に示す。
【0037】
図14は、要素非表示ルールのルール定義の一例を示す図である。
図15は、
図14に示される要素非表示ルールを用いたWebページデータの変換の一例を示す図である。
図15(a)は変換前のWebページデータを示し、
図15(b)は変換後のWebページデータを示す。これら
図14及び15に示される例は、すべてのp、span、img要素を非表示にする場合について示している。
【0038】
(5)要素追加ルール
要素追加ルールは、新しい要素を指定した位置に追加するためのルールである。追加のパターンとしては、親要素としての追加、子要素としての追加、直前に追加、直後に追加のパターンがある。追加する要素としては、例えば、ラベル、イメージ、ヘルプへのリンクがある。要素追加ルールのルールフォーマットを表5に示す。
【0040】
図16は、要素追加ルールのルール定義の一例を示す図である。
図17は、
図16に示される要素追加ルールを用いたWebページデータの変換の一例を示す図である。
図17(a)は変換前のWebページデータを示し、
図17(b)は変換後のWebページデータを示す。これら
図16及び17に示される例は、id=usernameの要素の直前に、<label for='username'>ユーザ名</label>要素を追加する場合について示している。
【0041】
図18は、要素追加ルールのルール定義の他の例を示す図である。
図19は、
図18に示される要素追加ルールを用いたWebページデータの変換の一例を示す図である。
図19(a)は変換前のWebページデータを示し、
図19(b)は変換後のWebページデータを示す。これら
図18及び19に示される例は、すべての表示状態のinput要素の親要素として、<fieldset/>要素を追加する場合について示している。
【0042】
(6)要素置換ルール
要素置換ルールは、指定した要素をDOM(Document Object Model)から削除して、削除した位置に新たな要素を追加するためのルールである。または、指定した要素を非表示にして、元の要素の位置に新たな要素を追加するためのルールである。新たな要素は基本的には元の属性を引き継ぐが、属性追加ルールと属性削除ルールに従って属性の追加及び削除が行われる。要素置換ルールのルールフォーマットを表6に示す。
【0044】
図20は、要素置換ルールのルール定義の一例を示す図である。
図21は、
図20に示される要素置換ルールを用いたWebページデータの変換の一例を示す図である。
図21(a)は変換前のWebページデータを示し、
図21(b)は変換後のWebページデータを示す。これら
図20及び21に示される例は、id="acount-type"の要素をselect要素に変換する場合について示している。
【0045】
図22は、要素置換ルールのルール定義の他の例を示す図である。
図23は、
図22に示される要素置換ルールを用いたWebページデータの変換の一例を示す図である。
図23(a)は変換前のWebページデータを示し、
図23(b)は変換後のWebページデータを示す。これら
図22及び23に示される例は、name='acount-type'のinput type="radio"の要素をselect要素に変換する場合について示している。変換対象の要素がradioのように選択候補をもつ場合には、その選択要素がselectの選択要素として構成される。
【0046】
(7)独自処理
独自処理ルールは、指定したスクリプトを実行するためのルールである。スクリプトからは、頻繁に使用する要素変換ルールとして予め用意している関数を呼び出すことも可能である。スクリプトでは、任意の要素変換処理や属性の変更処理を行うことができる。独自処理ルールのルールフォーマットを表7に示す。
【0048】
図24は、独自処理ルールのルール定義の一例を示す図である。
図25は、
図24に示される独自処理ルールを用いたWebページデータの変換の一例を示す図である。
図25(a)は変換前のWebページデータを示し、
図25(b)は変換後のWebページデータを示す。これら
図24及び25に示される例は、id=account-typeの要素で、配下のoption要素でvalue=12の要素を、初期状態で選択状態とする場合について示している。
【0049】
(8)組込処理
組込処理ルールは、頻繁に使用する要素変換ルールや装飾処理ルールをまとめて、利用しやすくするためのルールである。具体的には、以下のような組込処理がある。
・input要素に対してlabel要素を設定し、fieldset要素でグループ化し、絶対位置指定等の不要な属性を取り除く処理。
・select要素をinput type=''radio"要素に変換する処理。
・select要素をjQuery Mobileのリストビューに変換する処理。
・住所入力用のinput要素に対して、地図表示と地点選択を実現する要素を直前に埋め込み、地図からの地点選択でinput要素に住所が反映されるスクリプトを埋め込む処理。
組込処理ルールのルールフォーマットを表8に示す。
【0051】
図26は、組込処理ルールのルール定義の一例を示す図である。
図27は、
図26に示される組込処理ルールを用いたWebページデータの変換の一例を示す図である。
図27(a)は変換前のWebページデータを示し、
図27(b)は変換後のWebページデータを示す。これら
図26及び27に示される例は、labeled処理を使って、id=amountの要素に"入金金額"のラベルを付けて、全体をfieldset要素でまとめる場合について示している。
次に、制御部21の各機能について説明する。
【0052】
Webページ提供部211は、ユーザインタフェース要素を含むウェブページをモバイルデバイス3に対して提供する。ここで、Webページ(又は、ウェブページ)は、例えばHTMLやXHTML(Extensible HTML)等のマークアップ言語により記述される文書である。
【0053】
また、本発明に係る「ユーザインタフェース要素」とは、ユーザが情報を選択するためのユーザインタフェース要素と、ユーザが情報を入力するためのユーザインタフェース要素と、ユーザに情報を通知するためのユーザインタフェース要素の総称である。ここで、ユーザインタフェースとは、より具体的にはGUI(Graphical User Interface)である。
【0054】
ユーザが情報を選択するためのユーザインタフェース要素とは、具体的には、チェックボックスや、コマンドボタンや、コマンドリンクや、コンボボックスや、グループボックスや、リストボックスや、リストビューや、ラジオボタンや、スライダや、スピンコントロール等である。
【0055】
ユーザが情報を入力するためのユーザインタフェース要素とは、具体的には、検索ボックスや、テキストボックス等である。
ユーザに情報を通知するためのユーザインタフェース要素とは、具体的には、バルーンや、プログレスバーや、ステータスバーや、タブ等である。
【0056】
属性情報取得部212は、モバイルデバイス3の属性を示す属性情報を取得する。ここで、属性情報とは、本実施形態において、モバイルデバイス3により表示される画面のサイズを示す情報である。具体的には、属性情報取得部212は、本実施形態において、モバイルデバイス3から送信される、要素変換ルールファイルのファイル名情報を取得して、要素変換ルール提供部213に引き渡す。
【0057】
要素変換ルール提供部213は、Webページ提供部211により提供されるウェブページに対して、ユーザインタフェース要素の追加、置換又は非表示化を行うための処理が実行される際に参照されるルールであって、前記属性情報取得部212により取得された属性情報に対応するルールをモバイルデバイス3に提供する。ここで、ユーザインタフェース要素の追加、置換又は非表示化を行うための処理は、後述する要素変換処理(特に、要素追加、要素置換又は要素非表示の処理)に相当する。また、当該ルールは、本実施形態において要素変換ルール(特に、要素追加ルール、要素置換ルール又は要素非表示ルール)に相当する。
【0058】
1−1−3.モバイルデバイス3
モバイルデバイス3は、本発明に係る「通信装置」の一例である。モバイルデバイス3は、具体的には、スマートフォンやタブレット端末等の携帯端末である。モバイルデバイス3は、
図1に示されるように、大略、制御部31と、記憶部32と、タッチパネル33と、通信部34とを備える。
【0059】
制御部31は、CPU等の演算処理装置である。制御部31は、
図1に示されるように、Webページ取得部311と、画面サイズ種別特定部312と、テーマ特定部313と、ファイル名決定部314と、要素変換ルール取得部315と、要素変換部316と、表示制御部317という機能を有する。これらの機能は、制御部31により、記憶部32に記憶されるプログラム(具体的には、Webブラウザ)が実行されることにより実現される。これらの機能については後述する。
【0060】
記憶部32は、フラッシュメモリ等の記憶装置である。記憶部32は、制御部31により実行されるプログラム(具体的には、Webブラウザ)を記憶する。また、記憶部32は、jQuery Mobile等のライブラリと、各種プラグインとを記憶する。jQuery Mobile等のライブラリと各種プラグインとは、Webアプリケーションサーバ2からダウンロードされて記憶部32に記憶される。
【0061】
タッチパネル33は、本発明に係る「表示部」の一例である。タッチパネル33は、液晶ディスプレイと、液晶ディスプレイ上に配置されたタッチセンサとを備え、Webページを表示するとともに、ユーザからの入力操作を受け付ける。
通信部34は、例えばネットワークカードである。通信部34はモバイルデバイス3をネットワーク4に接続する。
次に、制御部31の各機能について説明する。
【0062】
Webページ取得部311は、ユーザインタフェース要素を含むウェブページを取得する。
【0063】
画面サイズ種別特定部312は、モバイルデバイス3により表示される画面のサイズを示す情報を取得する。具体的には、画面サイズ種別特定部312は、Webページ取得部311により取得されたWebページにその識別情報が記述されているプログラムを実行することにより、当該情報を取得する。
【0064】
テーマ特定部313は、モバイルデバイス3のユーザが所望するユーザインタフェース要素の種類を示すテーマを特定する。
【0065】
ファイル名決定部314は、Webページ取得部311により取得されたWebページの画面番号と、画面サイズ種別特定部312により特定された画面サイズ種別と、テーマ特定部313により特定されたテーマとに基づいて、要素変換ルールファイルのファイル名を決定する。
【0066】
要素変換ルール取得部315は、画面サイズ種別特定部312により特定された画面サイズ種別に対応するルールを取得する。より具体的には、ファイル名決定部314により決定されたファイル名を有する要素変換ルールファイルを取得する。
【0067】
要素変換部316は、要素変換ルール取得部315により取得されたルールに従って、Webページ取得部311により取得されたウェブページに対して、ユーザインタフェース部品の追加、置換又は非表示化を行うための処理を実行する。ここで、当該ルールは、本実施形態において要素変換ルール(特に、要素追加ルール、要素置換ルール又は要素非表示ルール)に相当する。また、ユーザインタフェース要素の追加、置換又は非表示化を行うための処理は、後述する要素変換処理(特に、要素追加、要素置換又は要素非表示の処理)に相当する。
【0068】
なお、要素変換部316によりウェブページに含まれる一のユーザインタフェース要素が他のユーザインタフェース要素に変換される場合、当該一のユーザインタフェース要素に対してすでに入力されている入力値は、他のユーザインタフェース要素に引き継がれてもよい。
【0069】
また、ユーザインタフェース要素の追加、置換又は非表示化を行うための処理は、ウェブページのダウンロード時に限らず、モバイルデバイス3に表示される画面のサイズが変更されるごとに実行されてもよい。
【0070】
表示制御部317は、要素変換部316により処理を実行されたウェブページをタッチパネル33を制御して表示させる。
【0071】
1−2.動作
次に、Webページ変換システム1の動作について説明する。具体的には、モバイルデバイス3がWebアプリケーションサーバ2からWebページをダウンロードして表示するWebページ表示処理について説明する。
【0072】
図28及び29は、Webページ表示処理の一例を示すフローチャートである。本処理のステップS1においてモバイルデバイス3のWebページ取得部311は、Webアプリケーションサーバ2からWebページをダウンロードして取得する。
【0073】
次に、モバイルデバイス3の画面サイズ種別特定部312は、Webページ取得部311により取得されたWebページにそのリンクが埋め込まれているスクリプトを実行して、画面サイズ種別を特定する(ステップS2)。具体的には、画面サイズ種別特定部312は、CSSのMedia Queryのwindow.matchMediaメソッドを利用して、画面サイズ種別を特定する。画面サイズ種別は、例えば「横幅≦480px」の場合はカテゴリAに分類され、「480px<横幅≦800px」の場合はカテゴリBに分類され、「800px<横幅」の場合はカテゴリCに分類される。
【0074】
次に、モバイルデバイス3のテーマ特定部313は、Cookie又はローカルストレージに保存されている情報に基づいて、ユーザが所望するテーマを特定する(ステップS3)。
【0075】
次に、モバイルデバイス3のファイル名決定部314は、Webページ取得部311により取得されたWebページの画面番号と、画面サイズ種別特定部312により特定された画面サイズ種別と、テーマ特定部313により特定されたテーマとに基づいて、要素変換ルールファイルのファイル名を決定する(ステップS4)。例えば、画面番号が「0001」であり、画面サイズ種別が「カテゴリA」であり、テーマが「A」である場合には、要素変換ルールファイルのファイル名は「page0001/categoryA/themeA.json」となる。
【0076】
次に、モバイルデバイス3の要素変換ルール取得部315は、ファイル名決定部314により決定されたファイル名を有する要素変換ルールファイルをWebアプリケーションサーバ2に対して要求する(ステップS5)。
【0077】
Webアプリケーションサーバ2の要素変換ルール提供部213は、このモバイルデバイス3からの要求を受けて(ステップS6)、当該要求に係る要素変換ルールファイルをモバイルデバイス3に対して提供する(ステップS7)。
【0078】
モバイルデバイス3の要素変換ルール取得部315は、当該要素変換ルールファイルをWebアプリケーションサーバ2からAjaxでダウンロードして取得する(ステップS8)。
【0079】
次に、モバイルデバイス3の要素変換部316は、要素変換ルール取得部315により取得された要素変換ルールファイルを読み込み(ステップS9)、当該ファイルに記述されているプレ処理を実行する(ステップS10)。例えば、要素変換部316は、formを一旦非表示にする。
【0080】
次に、要素変換部316は、この要素変換ルールファイルに記述されている各要素変換ルールに従ってWebページに対して要素変換処理を実行する(ステップS11〜S13)。
【0081】
図30は、要素変換処理の一例を示すフローチャートである。本処理のステップS121において要素変換部316は、要素変換ルールで指定されているセレクタに基づいて変換対象の要素を選択する。
【0082】
次に、要素変換部316は、要素変換ルールで指定されている変換の種類を特定し(ステップS122)、その種類が「属性削除」である場合には(ステップS122:「属性削除」)、要素変換ルールで指定されている属性を削除する(ステップS123)。
【0083】
特定された種類が「属性追加」である場合には(ステップS122:「属性追加」)、要素変換部316は、要素変換ルールで指定されている属性を追加する(ステップS124)。特定された種類が「要素非表示」である場合には(ステップS122:「要素非表示」)、要素変換部316は、要素変換ルールで指定されている要素を非表示にする(ステップS125)。
【0084】
特定された種類が「要素追加」である場合には(ステップS122:「要素追加」)、要素変換部316は、要素変換ルールで指定されている要素の直後に新たな要素を追加する(ステップS126)。特定された種類が「要素置換」である場合には(ステップS122:「要素置換」)、要素変換部316は、要素変換ルールで指定されている要素を他の要素で置換する(ステップS127)。
【0085】
特定された種類が「独自処理」である場合には(ステップS122:「独自処理」)、要素変換部316は、要素変換ルールにおいて独自処理として指定されているスクリプトを実行することにより要素の編集を行う(ステップS128)。特定された種類が「組込処理」である場合には(ステップS122:「組込処理」)、要素変換部316は、要素変換ルールにおいて定義されている組込処理を実行する(ステップS129)。
【0086】
要素変換ルールファイルに記述されるすべての要素変換ルールに従って要素変換処理が実行されると、次に要素変換部316は、当該ファイルに記述されているポスト処理を実行する(ステップS14)。例えば、要素変換部316は、formの非表示を解除する。
【0087】
次に、要素変換部316は、利用しているライブラリで初期化イベントが必要なものについて初期化イベントをトリガする(ステップS15)。
【0088】
次に、表示制御部317は、要素変換部316による要素変換処理等を経たWebページをタッチパネル33を制御して表示させる(ステップS16)。
以上がWebページ表示処理の説明である。
【0089】
以上説明したWebページ表示処理によれば、Webページが提供されるモバイルデバイス3に対して当該デバイスの画面サイズ種別に対応する要素変換ルールファイルが提供され、その要素変換ルールファイルに基づいて当該Webページに対する要素変換処理が実行される。すなわち、モバイルデバイス3の画面サイズに応じたWebページの要素及び属性の変換が可能となる。
以下、このWebページ表示処理の効果について具体例を挙げて説明する。
【0090】
図31は、上記の要素変換処理を経ていないWebページの表示例を示す図である。
図32は、モバイルデバイス3の画面が比較的小さい場合(例えば、モバイルデバイス3がスマートフォンである場合)に、
図31に示されるWebページに適用される要素変換ルールファイルの一例を示す図である。
図33は、
図32に示される要素変換ルールファイルが、
図31に示されるWebページに適用された場合に表示されるWebページの例を示す図である。
図31乃至33によれば、特に、
図32に示される独自処理ルール3がWebページに適用されることにより、
図31に示されるテキストボックスTBが、
図33においてラジオボタンRBに変更されていることがわかる。
【0091】
これに対して、
図34は、モバイルデバイス3の画面が比較的大きい場合(例えば、モバイルデバイス3がタブレット端末である場合)に、
図31に示されるWebページに適用される要素変換ルールファイルの一例を示す図である。
図35は、
図34に示される要素変換ルールファイルが、
図31に示されるWebページに適用された場合に表示されるWebページの例を示す図である。
図31、34及び35によれば、特に、
図34に示される独自処理ルール6がWebページに適用されることにより、
図31に示されるテキストボックスTBが、
図33に示される場合とは異なり、
図35においてセレクトボックスSBに変更されていることがわかる。
【0092】
2.変形例
上記の実施形態は、以下のように変形してもよい。また、以下の変形例は互いに組み合わせてもよい。
【0093】
2−1.変形例1
上記の実施形態においてWebアプリケーションサーバ2の属性情報取得部212は、モバイルデバイス3により表示される画面のサイズを示す情報に代えて、モバイルデバイス3が備える機能の種類を示す情報を属性情報として取得してもよい。具体的には、音声入力機能の有無を示す情報を取得してもよい。
【0094】
また、属性情報取得部212は、モバイルデバイス3の属性情報に代えて、モバイルデバイス3のユーザの属性情報を取得してもよい。具体的には、当該ユーザの性別や、当該ユーザのモバイルデバイス3の操作の熟練度を示す情報を取得してもよい。
【0095】
2−2.変形例2
上記の実施形態又は変形例1に係るWebアプリケーションサーバ2の制御部21により実行されるプログラムは、コンピュータ装置が読み取り可能な記録媒体を介して提供されてもよい。ここで、記録媒体とは、例えば、磁気テープや磁気ディスクなどの磁気記録媒体や、光ディスクなどの光記録媒体や、光磁気記録媒体や、半導体メモリ等である。また、このプログラムは、インターネット等のネットワークを介して提供されてもよい。
【0096】
同様に、上記の実施形態又は変形例1に係るモバイルデバイス3の制御部31により実行されるプログラムは、コンピュータ装置が読み取り可能な記録媒体を介して提供されてもよい。また、同プログラムはネットワークを介して提供されてもよい。
【0097】
同プログラムによれば、例えば、ユーザインタフェース要素を含むウェブページを取得するウェブページ取得部と、自装置の属性又は自装置のユーザの属性を示す属性情報を取得する属性情報取得部と、前記属性情報取得部により取得された属性情報に対応するルールを取得するルール取得部と、前記ルール取得部により取得されたルールに従って、前記ウェブページ取得部により取得されたウェブページに対して、ユーザインタフェース部品の追加、置換又は非表示化を行うための処理を実行する処理実行部と、前記処理実行部により処理を実行されたウェブページを表示部を制御して表示させる表示制御部とを備える通信装置が実現される。
【0098】
2−3.その他の変形例
上記の実施形態において、モバイルデバイス3に代えて、据え置き型のコンピュータを採用してもよい。
また、上記の実施形態において、Webアプリケーションサーバ2は、複数のサーバにより構成されるサーバシステムであってもよい。
【0099】
また、上記の実施形態に係るWebページ表示処理において、モバイルデバイス3の側で要素変換ルールファイルのファイル名を決定してWebアプリケーションサーバ2に通知せず、Webアプリケーションサーバ2の側でモバイルデバイス3から通知される画面番号と画面サイズ種別とテーマとに基づいて要素変換ルールファイルのファイル名を特定するようにしてもよい。この際、モバイルデバイス3は、画面番号や画面サイズ種別やテーマといった情報をGETメソッドやPOSTメソッドによりWebアプリケーションサーバ2に通知してもよい。