特許第6338975号(P6338975)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6338975
(24)【登録日】2018年5月18日
(45)【発行日】2018年6月6日
(54)【発明の名称】射出成形機
(51)【国際特許分類】
   B29C 45/64 20060101AFI20180528BHJP
   B22D 17/22 20060101ALI20180528BHJP
   B22D 17/26 20060101ALI20180528BHJP
【FI】
   B29C45/64
   B22D17/22 A
   B22D17/26 H
【請求項の数】9
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-174243(P2014-174243)
(22)【出願日】2014年8月28日
(65)【公開番号】特開2016-49636(P2016-49636A)
(43)【公開日】2016年4月11日
【審査請求日】2016年11月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002107
【氏名又は名称】住友重機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】森谷 知寛
(72)【発明者】
【氏名】楊 丹
【審査官】 今井 拓也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−162103(JP,A)
【文献】 特開2010−111018(JP,A)
【文献】 国際公開第2005/084909(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 45/00 − 45/84
B29C 33/00 − 33/76
B22D 17/22
B22D 17/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金型が取り付けられるプラテンを備える、射出成形機であって、
前記金型と前記プラテンとの間に配設される中間部材と、
型開閉方向視において、前記金型の外周よりも内側に配設される中央連結部材と、
型開閉方向視において、前記中央連結部材の周りに配設される周辺連結部材とを備え、
前記中央連結部材および前記周辺連結部材は、それぞれ、前記中間部材と前記プラテンとの間、および前記金型と前記中間部材との間の少なくとも一方に配設され、
前記金型は、前記中間部材、前記中央連結部材、および前記周辺連結部材を介して前記プラテンに取り付けられ、
前記金型は固定金型であって、前記プラテンは固定プラテンであって、
前記中間部材と前記固定プラテンとの間に配設され前記固定プラテンに接触する前記中央連結部材は、型開閉方向に対して垂直な断面での外周が前記固定プラテン側から前記固定金型側にかけて大きくなるテーパ形状を有する、射出成形機。
【請求項2】
前記周辺連結部材は複数である、請求項に記載の射出成形機。
【請求項3】
複数の前記周辺連結部材は、型開閉方向視において対称配置される、請求項に記載の射出成形機。
【請求項4】
複数の前記周辺連結部材は、型開閉方向視において、前記金型の中心線を中心に点対称に配設される、請求項に記載の射出成形機。
【請求項5】
複数の前記周辺連結部材は、型開閉方向視において2本のタイバーの間の線を基準に対称配置される、請求項またはに記載の射出成形機。
【請求項6】
複数の前記周辺連結部材は、型開閉方向視において2本の各タイバーの中心を結ぶ線を基準に対称配置される、請求項のいずれか1項に記載の射出成形機。
【請求項7】
金型が取り付けられるプラテンを備える、射出成形機であって、
前記金型と前記プラテンとの間に配設される中間部材と、
型開閉方向視において、前記金型の外周よりも内側に配設される中央連結部材と、
型開閉方向視において、前記中央連結部材の周りに配設される周辺連結部材とを備え、
前記中央連結部材および前記周辺連結部材は、それぞれ、前記中間部材と前記プラテンとの間、および前記金型と前記中間部材との間の少なくとも一方に配設され、
前記金型は、前記中間部材、前記中央連結部材、および前記周辺連結部材を介して前記プラテンに取り付けられ、
前記周辺連結部材は、1つであり、環状に形成される、射出成形機。
【請求項8】
前記周辺連結部材は、前記中間部材と前記プラテンとの間に配設され、型開閉方向視において、前記金型の外周よりも外側に配設される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の射出成形機。
【請求項9】
型締力に応じて伸びるタイバーを複数有し、
前記周辺連結部材は、型開閉方向視において、複数の前記タイバーの間に配設される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の射出成形機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、射出成形機に関する。
【背景技術】
【0002】
射出成形機は、金型装置の型閉、型締、型開を行う型締装置、金型装置内に成形材料(例えば樹脂)を充填する射出装置、金型装置から成形品を突き出すエジェクタ装置などを有する(例えば、特許文献1参照)。型締装置は、固定金型が取り付けられる固定プラテンと、可動金型が取り付けられる可動プラテンとを有する。固定金型と可動金型とで金型装置が構成される。以下、固定金型と可動金型とを区別しない場合、単に金型と称する。また、固定プラテンと可動プラテンとを区別しない場合、単にプラテンと称する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2005/068155号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、金型装置内への成形材料の充填時に、成形材料の圧力によって金型装置の中央部が僅かに開き、成形品の厚みムラやバリなどの不具合が生じることがあった。
【0005】
成形材料の圧力は金型の中央部に集中するため、金型の中央部を集中的に押し返す部材が金型とプラテンとの間に配設されることがある。
【0006】
この部材は、金型の中央部のみを支持する。そのため、金型とプラテンとの平行度の確保が難しく、また、取り付け用のボルトなどの設置スペースが狭く、金型の取り付け性が低下する問題があった。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、金型の中央部を集中的に押し返すことができ、且つ、金型の取り付け性を向上することができる、射出成形機の提供を主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の一態様によれば、
金型が取り付けられるプラテンを備える、射出成形機であって、
前記金型と前記プラテンとの間に配設される中間部材と、
型開閉方向視において、前記金型の外周よりも内側に配設される中央連結部材と、
型開閉方向視において、前記中央連結部材の周りに配設される周辺連結部材とを備え、
前記中央連結部材および前記周辺連結部材は、それぞれ、前記中間部材と前記プラテンとの間、および前記金型と前記中間部材との間の少なくとも一方に配設され、
前記金型は、前記中間部材、前記中央連結部材、および前記周辺連結部材を介して前記プラテンに取り付けられ、
前記金型は固定金型であって、前記プラテンは固定プラテンであって、
前記中間部材と前記固定プラテンとの間に配設され前記固定プラテンに接触する前記中央連結部材は、型開閉方向に対して垂直な断面での外周が前記固定プラテン側から前記固定金型側にかけて大きくなるテーパ形状を有する、射出成形機が提供される。



【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様によれば、金型の中央部を集中的に押し返すことができ、且つ、金型の取り付け性を向上することができる、射出成形機が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態による射出成形機の型閉完了時の状態を示す図である。
図2】本発明の一実施形態による射出成形機の型開完了時の状態を示す図である。
図3図2のIII−III線に沿った断面図であって、型開閉方向視における固定プラテン、固定金型、およびこれらの間に配設される部材の位置関係を示す図である。
図4図3のIV−IV線に沿った断面図であって、側方視における固定プラテン、固定金型、およびこれらの間に配設される部材の位置関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明するが、各図面において、同一の又は対応する構成については同一の又は対応する符号を付して説明を省略する。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態による射出成形機の型閉完了時の状態を示す図である。図2は、本発明の一実施形態による射出成形機の型開完了時の状態を示す図である。図1および図2に示すように、射出成形機は、フレームFr、型締装置10、射出装置40、エジェクタ装置70を有する。
【0013】
型締装置10は、金型装置30の型閉、型締、型開を行う。金型装置30は、固定金型32と、可動金型33とで構成される。
【0014】
型締装置10は、固定プラテン12、可動プラテン13、リヤプラテン15、タイバー16、トグル機構20、型締モータ21および運動変換機構25を有する。以下、型閉時の可動プラテン13の移動方向(図1および図2中右方向)を前方とし、型開時の可動プラテン13の移動方向(図1および図2中左方向)を後方として説明する。
【0015】
固定プラテン12は、フレームFrに対して固定される。固定プラテン12における可動プラテン13との対向面に固定金型32が取り付けられる。固定金型32は、中間部材51、中央連結部材52、および周辺連結部材53などを介して固定プラテン12に取り付けられる。
【0016】
可動プラテン13は、フレームFr上に敷設されるガイド(例えばガイドレール)17に沿って移動自在とされ、固定プラテン12に対して進退自在とされる。可動プラテン13における固定プラテン12との対向面に可動金型33が取り付けられる。可動金型33は、固定金型32と同様に、中間部材61、中央連結部材62、および周辺連結部材63などを介して可動プラテン13に取り付けられる。
【0017】
固定プラテン12に対して可動プラテン13を進退させることにより、可動金型33が固定金型32に対し進退し、金型装置30の型閉、型締、型開が行われる。
【0018】
リヤプラテン15は、複数本(例えば4本)のタイバー16を介して固定プラテン12と連結され、フレームFr上に型開閉方向に移動自在に載置される。尚、リヤプラテン15は、フレームFr上に敷設されるガイドに沿って移動自在とされてもよい。リヤプラテン15のガイドは、可動プラテン13のガイド17と共通のものでもよい。
【0019】
尚、本実施形態では、固定プラテン12がフレームFrに対して固定され、リヤプラテン15がフレームFrに対して型開閉方向に移動自在とされるが、リヤプラテン15がフレームFrに対して固定され、固定プラテン12がフレームFrに対して型開閉方向に移動自在とされてもよい。
【0020】
タイバー16は、型開閉方向に平行とされ、型締力に応じて伸びる。少なくとも1本のタイバー16には型締力検出器が設けられる。型締力検出器は、歪みゲージ式であってよく、タイバーの歪みを検出することによって型締力を検出する。
【0021】
尚、型締力検出器は、歪みゲージ式に限定されず、圧電式、容量式、油圧式、電磁式などでもよく、その取り付け位置もタイバー16に限定されない。
【0022】
トグル機構20は、可動プラテン13とリヤプラテン15との間に配設される。トグル機構20は、クロスヘッド20a、複数のリンク20b、20cなどで構成される。一方のリンク20bは可動プラテン13に揺動自在に取り付けられ、他方のリンク20cはリヤプラテン15に揺動自在に取り付けられる。これらのリンク20b、20cは、ピンなどで屈伸自在に連結される。クロスヘッド20aを進退させることにより、複数のリンク20b、20cが屈伸され、リヤプラテン15に対して可動プラテン13が進退される。
【0023】
型締モータ21は、リヤプラテン15に取り付けられ、クロスヘッド20aを進退させることにより、可動プラテン13を進退させる。型締モータ21とクロスヘッド20aとの間には、型締モータ21の回転運動を直線運動に変換してクロスヘッド20aに伝達する運動変換機構25が設けられる。
【0024】
型締装置10は、型閉工程において、型締モータ21を駆動して可動プラテン13を前進させる。可動金型33と固定金型32とが接触することにより、型閉工程が完了する。その後、型締工程では、型締モータ21をさらに駆動して型締モータ21による推進力にトグル倍率を乗じた型締力を生じさせる。型締時に可動金型33と固定金型32との間にキャビティ空間34が形成される。射出装置40がキャビティ空間34に液状の成形材料を充填させる。キャビティ空間34内の成形材料が固化した後、型開工程が行われる。型開工程では、型締装置10が型締モータ21を駆動して可動プラテン13を後退させる。型開完了後、エジェクタ装置70が可動金型33から成形品を突き出す。
【0025】
尚、本実施形態の型締装置10は、駆動源として、型締モータ21を有するが、型締モータ21の代わりに、油圧シリンダを有してもよい。また、型締装置10は、型開閉用にリニアモータを有し、型締用に電磁石を有してもよい。
【0026】
次に、図3および図4を参照して、固定金型32と固定プラテン12との間に配設される部材51〜53について説明する。尚、可動金型33と可動プラテン13との間に配設される部材61〜63は同様の構成であるので、説明を省略する。
【0027】
図3は、図2のIII−III線に沿った断面図であって、型開閉方向視における固定プラテン、固定金型、およびこれらの間に配設される部材の位置関係を示す図である。図4は、図3のIV−IV線に沿った断面図であって、側方視における固定プラテン、固定金型、およびこれらの間に配設される部材の位置関係を示す図である。
【0028】
固定金型32と固定プラテン12との間には、図4に示すように、中間部材51、中央連結部材52、および周辺連結部材53が配設される。固定金型32は、中間部材51、中央連結部材52、および周辺連結部材53を介して固定プラテン12に取り付けられる。取り付けには、ボルトまたはクランプなどが用いられる。
【0029】
中間部材51は、図4に示すように、固定金型32と固定プラテン12との間に配設される。中間部材51の中央部分および外周部分は、固定プラテン12に対しボルトなどで連結される。中間部材51は例えば板状に形成され、中間部材51の前面および後面は型開閉方向に対して垂直とされる。
【0030】
中間部材51の四隅には、図3に示すように、タイバー16の干渉を避けるため、切り欠きが形成されてよい。尚、切り欠きの代わりに、タイバー16が挿通される挿通穴が形成されてもよい。
【0031】
中間部材51の中央部には、図4に示すように、固定金型32との位置合わせ用の貫通穴が形成されてよい。中間部材51の中心線と、固定金型32の中心線とは、同一直線上にあってよい。
【0032】
尚、中間部材51の中央部に形成される貫通穴は、射出装置40のノズル41が通過するためのものでもよい。ノズル41は、固定プラテン12の中央部に形成されるノズル通過穴12aを通過し、固定金型32にタッチされる。
【0033】
中央連結部材52は、図3に示すように、型開閉方向視において、固定金型32の外周よりも内側に配設され、例えば円形状に形成される。尚、中央連結部材52の形状は、楕円形状、矩形状などの多角形状でもよく、特に限定されない。中央連結部材52の中心線と、固定金型32の中心線とは同一直線上にあってよい。
【0034】
中央連結部材52は、図4に示すように、例えば板状に形成され、中間部材51と固定プラテン12との間に配設され、中間部材51と固定プラテン12とを連結する。中央連結部材52は、図4では中間部材51と一体に形成されるが、固定プラテン12と一体に形成されてもよいし、中間部材51および固定プラテン12と別に形成されてもよい。
【0035】
尚、本実施形態の中央連結部材52は、中間部材51と固定プラテン12との間に配設され中間部材51と固定プラテン12とを連結するが、中間部材51と固定金型32との間に配設され中間部材51と固定金型32とを連結してもよい。この場合、中央連結部材52は、中間部材51と一体に形成されてもよいし、固定金型32と一体に形成されてもよいし、中間部材51および固定金型32と別に形成されてもよい。中央連結部材52は、中間部材51と固定金型32との間、および中間部材51と固定プラテン12との間の両方にそれぞれ配設されてもよい。
【0036】
中央連結部材52の中央部には、図4に示すように、ノズル41が通過する貫通穴が形成されてよい。
【0037】
周辺連結部材53は、図3に示すように、型開閉方向視において、周辺連結部材53の周りに配設され、例えば円形状に形成される。尚、周辺連結部材53の形状は、楕円形状、矩形状などの多角形状でもよく、特に限定されない。周辺連結部材53は、型開閉方向視において、固定金型32の外周よりも外側に配設されてよい。また、周辺連結部材53は、型開閉方向視において、複数のタイバー16の間に配設されてよく、例えば複数のタイバー16のそれぞれの中心を結ぶ線上に配設されてよい。
【0038】
周辺連結部材53は、図4に示すように、例えば板状に形成され、中間部材51と固定プラテン12との間に配設され、中間部材51と固定プラテン12とを連結する。周辺連結部材53は、図4では中間部材51と一体に形成されるが、固定プラテン12と一体に形成されてもよいし、中間部材51および固定プラテン12と別に形成されてもよい。
【0039】
尚、本実施形態の周辺連結部材53は、中間部材51と固定プラテン12との間に配設され中間部材51と固定プラテン12とを連結するが、中間部材51と固定金型32との間に配設され中間部材51と固定金型32とを連結してもよい。この場合、周辺連結部材53は、中間部材51と一体に形成されてもよいし、固定金型32と一体に形成されてもよいし、中間部材51および固定金型32と別に形成されてもよい。
【0040】
尚、本実施形態の周辺連結部材53は、型開閉方向視において、固定金型32の外周よりも外側に配設されるが、固定金型32の外周よりも内側に配設されてもよい。この場合、中央連結部材52は、中間部材51と固定金型32との間、および中間部材51と固定プラテン12との間の両方にそれぞれ配設されてもよい。
【0041】
周辺連結部材53は、図3に示すように、複数であってよく、型開閉方向視において、固定金型32の中心線L0を中心に点対称に配設されてよい。図3では点対称に配設される一対の周辺連結部材53が複数組用いられるが、一組用いられてもよい。
【0042】
複数の周辺連結部材53は、型開閉方向視において、2本のタイバー16の間の線を基準に対称配置されてよい。例えば、複数の周辺連結部材53は、型開閉方向視において、上側のタイバー16と下側のタイバー16の間の線L1を基準に対称配置されてよい。この線L1は、上側のタイバー16と下側のタイバー16とから等距離の線であってよい。また、複数の周辺連結部材53は、型開閉方向視において、左側のタイバー16と右側のタイバー16の間の線L2を基準に対称配置されてよい。この線L2は、左側のタイバー16と右側のタイバー16とから等距離の線であってよい。
【0043】
また、複数の周辺連結部材53は、型開閉方向視において、2本の各タイバー16の中心を結ぶ線を基準に対称配置されてよい。例えば、複数の周辺連結部材53は、左上側のタイバー16の中心と右下側のタイバー16の中心とを結ぶ線L3を基準に対称配置されてよい。また、複数の周辺連結部材53は、左下側のタイバー16の中心と右上側のタイバー16の中心とを結ぶ線L4を基準に対称配置されてよい。
【0044】
尚、本実施形態の周辺連結部材53は、複数であるが、1つでもよい。1つの周辺連結部材53は、環状に形成されてよく、例えば円環状、四角環状などに形成されてよい。
【0045】
以上説明したように、本実施形態によれば、中央連結部材52は、型開閉方向視において、固定金型32の外周よりも内側に配設され、固定金型32よりも小さい。よって、金型装置30内の成形材料の圧力に抗して固定金型32の中央部を集中的に押し返すことができ、成形品の厚みムラやバリなどの不具合の発生を抑制することができる。また、本実施形態によれば、型開閉方向視において、中央連結部材52の周りに周辺連結部材53が配設される。周辺連結部材53がない場合に比べて、固定金型32と固定プラテン12との平行度の確保が容易であり、また、取り付け用のボルトなどの設置スペースが広く、固定金型32の取り付け性が向上できる。
【0046】
また、本実施形態によれば、周辺連結部材53は、型開閉方向視において、固定金型32の外周よりも外側に配設される。よって、金型装置30内の成形材料の圧力に抗して固定金型32の中央部をさらに集中的に押し返すことができ、成形品の厚みムラやバリなどの不具合の発生をさらに抑制することができる。
【0047】
さらに、本実施形態によれば、周辺連結部材53は、複数であって、型開閉方向視において対称配置される。これにより、固定金型32と固定プラテン12との平行度の確保がさらに容易である。また、固定金型32の応力分布のバランスが良い。
【0048】
尚、本実施形態では、型開閉方向視において、複数の周辺連結部材53の中心線は、固定金型32の中心線を中心とする同一円上にないが、同一円上にあってもよい。この場合、固定金型32の応力分布のバランスがさらに向上できる。
【0049】
また、本実施形態によれば、周辺連結部材53は、型開閉方向視においてタイバー16を基準に配設される。これにより、型締時のバランスがさらに向上できる。
【0050】
中央連結部材52は、型開閉方向視において、中央連結部材52の外周よりも内側にキャビティ空間34のゲートが入るように形成されてよい。ゲートの近傍において成形材料の圧力が高い傾向にあるためである。
【0051】
尚、上記実施形態の中央連結部材52の外周面は、図4に示すように型開閉方向に平行とされるが、型開閉方向に対して斜めとされてもよい。換言すれば、中央連結部材52は、その型開閉方向に対して垂直な断面が固定プラテン側(前側)から固定金型側(後側)にかけて大きくなるテーパ形状を有してよい。テーパは、直線テーパ、曲線テーパのいずれでもよい。上記テーパ形状を中央連結部材52が有することで、固定プラテン12の撓み変形を相殺することができる。
【0052】
以上、射出成形機の実施形態等について説明したが、本発明は上記実施形態等に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、改良が可能である。
【0053】
また、上記実施形態の型締装置10は、型開閉方向が水平方向の横型であるが、型開閉方向が鉛直方向の竪型でもよい。竪型の型締装置は、固定プラテンとしての下プラテン、可動プラテンとしての上プラテンなどを有する。下プラテンには下金型が取り付けられ、上プラテンには上金型が取り付けられる。下金型と上金型とで金型装置が構成される。下金型は、ロータリーテーブルを介して下プラテンに取り付けられてもよい。竪型の型締装置は、下プラテンに対して上プラテンを昇降させることにより、金型装置の型閉、型締、型開を行う。射出装置のノズルは、上プラテンのノズル通過穴を通過して、上金型にタッチされる。
【符号の説明】
【0054】
10 型締装置
12 固定プラテン
13 可動プラテン
30 金型装置
32 固定金型
33 可動金型
51 中間部材
52 中央連結部材
53 周辺連結部材
61 中間部材
62 中央連結部材
63 周辺連結部材
図1
図2
図3
図4