特許第6339021号(P6339021)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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6339021負荷、特にはLEDユニットの電流の影響を補償する電気装置及び方法、並びに負荷、特にはLEDユニットを駆動するドライバ装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6339021
(24)【登録日】2018年5月18日
(45)【発行日】2018年6月6日
(54)【発明の名称】負荷、特にはLEDユニットの電流の影響を補償する電気装置及び方法、並びに負荷、特にはLEDユニットを駆動するドライバ装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 37/02 20060101AFI20180528BHJP
【FI】
   H05B37/02 J
【請求項の数】13
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-550786(P2014-550786)
(86)(22)【出願日】2013年1月2日
(65)【公表番号】特表2015-506559(P2015-506559A)
(43)【公表日】2015年3月2日
(86)【国際出願番号】IB2013050020
(87)【国際公開番号】WO2013102853
(87)【国際公開日】20130711
【審査請求日】2015年12月25日
(31)【優先権主張番号】61/583,707
(32)【優先日】2012年1月6日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】フィリップス ライティング ホールディング ビー ヴィ
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】特許業務法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】レイダーマヘー ハラルド ジョセフ ギュンター
(72)【発明者】
【氏名】デ ブリュイッカー パトリック アロウイシウス マルティナ
(72)【発明者】
【氏名】マリナ ドミトロ ヴィクトロヴィッチ
【審査官】 松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2007/0182347(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0164406(US,A1)
【文献】 米国特許第09380659(US,B2)
【文献】 国際公開第2011/045372(WO,A1)
【文献】 特開2012−138428(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 37/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各半サイクルにおいてオフフェーズ、オンフェーズ及び切断フェーズで動作する位相カット調光器と組み合わせて動作する電気装置であって、前記位相カット調光器は、外部電源によって供給される交流電源電圧を受け、1以上のLEDを備えたLEDユニットを有する負荷を給電するための供給電圧を供給し、前記位相カット調光器は、トライアックと前記交流電源電圧に応じて前記トライアックをオンするためのタイミングコンデンサとを有し、前記電気装置は、
前記外部電源の前記位相カット調光器電気的に接続する入力端子と、
前記切断フェーズを有する第1期間の間に前記タイミングコンデンサを充電する前記負荷の漏れ電流を監視する監視装置と、
前記入力端子に接続された信号コントローラであって、前記第1期間の間に前記監視装置により監視された前記漏れ電流に基づいて、前記切断フェーズを有する半サイクルの次の半サイクルのオフフェーズを有する第2期間の間に前記入力端子に電気的補償信号を供給する信号コントローラと、
を有し、前記電気的補償信号は、前記第1期間の間に前記漏れ電流により前記タイミングコンデンサに蓄積された電荷を補償する、電気装置。
【請求項2】
前記監視装置が、前記漏れ電流を測定する測定装置又は前記漏れ電流に対応する信号を入力する受信部を有する、請求項1に記載の電気装置。
【請求項3】
前記電気的補償信号が、前記タイミングコンデンサを少なくとも部分的に充電又は放電させるための電流である、請求項1又は請求項2に記載の電気装置。
【請求項4】
前記信号コントローラが、コンデンサを有し、前記切断フェーズを有する第1期間の間に前記漏れ電流に応じて前記コンデンサが充電され、前記電気的補償信号が、前記コンデンサからの充電電流である、請求項1に記載の電気装置。
【請求項5】
前記信号コントローラが、前記第2期間において前記充電電流を供給するための定められた電流経路を形成するインピーダンス経路を有する、請求項4に記載の電気装置。
【請求項6】
前記信号コントローラが、前記第2期間において前記充電電流を制御するために前記インピーダンス経路の抵抗値を変化させる抵抗を有する、請求項5に記載の電気装置。
【請求項7】
前記信号コントローラが、前記第2期間において前記インピーダンス経路の抵抗値を連続的に又は段階的に減少させる、請求項6に記載の電気装置。
【請求項8】
前記電流経路が前記電源電圧の零交差の前及び後に設けられるように、前記第2期間が前記電源電圧の該零交差に対して調整される、請求項6に記載の電気装置。
【請求項9】
前記第1期間から前記第2期間への移行が前記電源電圧の零交差の近くに調整される、請求項1ないし7の何れか一項に記載の電気装置。
【請求項10】
1以上のLEDを備えたLEDユニットである負荷を駆動するドライバ装置であって、
外部電源から入力電圧を受ける入力端子と、
前記負荷に給電するための負荷電流を供給する出力端子と、
請求項1に記載の電気装置と、
前記入力端子又は前記出力端子の少なくとも1つに接続されて、前記切断フェーズを有する第1期間における前記負荷の漏れ電流を監視する前記電気装置の前記監視装置と、
前記入力端子又は前記出力端子の少なくとも1つに接続されて、前記監視装置により監視された前記漏れ電流に基づいて、前記切断フェーズを有する半サイクルの次の半サイクルのオフフェーズを有する第2期間の間に前記入力端子又は前記出力端子の少なくとも1つに電気的補償信号を供給する前記電気装置の信号コントローラと、
を有し、前記電気的補償信号は、前記第1期間の間に前記漏れ電流により前記タイミングコンデンサに蓄積された電荷を補償する、ドライバ装置。
【請求項11】
第1電流経路及び第2電流経路を更に有し、前記第1及び第2電流経路は整流ユニットの一部を形成し、前記第1電流経路及び前記第2電流経路の各々は監視装置及び信号コントローラを有し、前記監視装置は対応する前記第1電流経路又は前記第2電流経路における電流を監視するために設けられ、前記信号コントローラは前記電気的補償信号を供給する、請求項10に記載のドライバ装置。
【請求項12】
前記電気的補償信号が、前記タイミングコンデンサを少なくとも部分的に充電又は放電させるための電流である、請求項10又は請求項11に記載のドライバ装置。
【請求項13】
各半サイクルにおいてオフフェーズ、オンフェーズ及び切断フェーズで動作する位相カット調光器を制御する方法であって、前記位相カット調光器は、外部電源の交流電源電圧から1以上のLEDを備えたLEDユニットを有する負荷を給電するための供給電圧を供給し、前記位相カット調光器は、トライアックと前記交流電源電圧に応じて前記トライアックをオンするためのタイミングコンデンサとを有し、
入力端子により電気装置を前記位相カット調光器に接続するステップと、
前記切断フェーズを有する第1期間において前記タイミングコンデンサに充電される前記負荷の漏れ電流を監視するステップと、
前記第1期間において監視された前記漏れ電流に基づいて、前記切断フェーズを有する半サイクルの次の半サイクルのオフフェーズを有する第2期間の間に前記入力端子に電気的補償信号を供給するステップと、
を有し、前記電気的補償信号は、前記第1期間の間に前記漏れ電流により前記タイミングコンデンサに蓄積された電荷を補償する、方法。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、負荷の電流の影響を補償する電気装置及び特には1以上のLEDを有するLEDユニット等の負荷の電流の影響を補償するための対応する方法に関する。更に、本発明は特には1以上のLEDを有するLEDユニット等の負荷を駆動するドライバ装置にも関する。
【背景技術】
【0002】
レトロフィットランプ等のオフライン用途のためのLEDドライバの分野では、関連する他のフィーチャのなかでも、高効率、高電力密度、長寿命、高力率及び低コストに対処するための解決策が要求される。実際的に全ての既存の解決策はどちらかの要件を有しているが、提案されるドライバ回路は主電源エネルギの形態をLEDにより必要とされる形態に適切に調整する一方、現在及び将来の主電源規則に対する準拠を維持することが必須である。更に、斯かるドライバ回路は既存の電力調整手段(例えば、調光器等)に準拠し、該ドライバ回路がLEDユニットを含むレトロフィットドライバ装置として汎用的に使用することができるようにすることが必要とされる。
【0003】
ドライバ回路は全ての種類の調光器に対応(準拠)しなければならず、特に該ドライバは好ましくは低電力損失で主電源を調整するために使用される位相カット調光器に対応しなければならない。フィラメント式電球に供給される主電源エネルギを調整するために通常使用される調光器は、位相カットタイミングを調整するためのタイミング回路動作電流のために低インピーダンス経路を必要とする。この経路を連続的に設ける代わりに、該経路を主電源電圧サイクルの特定の部分に対して開閉することも、安定した動作を生じさせることができる。この低インピーダンス経路の形成は、主電源電圧の零交差に対して調整されなければならない。更に、正しいタイミング回路動作を行わせるために、負荷の高インピーダンス状態を設けなければならない。何故なら、LEDユニットの負荷電流は、通常、調光器がオンされた後に急速に減少するからである。この高インピーダンスフェーズの間において、負荷の漏れ電流はタイミング回路の動作に影響を与え、調光器の早い切り換えの原因となり得る。調光器の負荷が、各々が個々の漏れ電流を有する並列状態の複数のレトロフィットランプからなる場合、全漏れ電流はそれに応じて増加し、タイミング回路の動作の許容できない誤差を生じさせ得、調光範囲を制限することになる。
【0004】
国際特許出願公開第2011/073865A1号公報は、固体ランプ用のドライバ装置であって、電流検出器が整流ユニットに接続されると共に、電荷バッファ装置が組み込まれたドライバ装置を開示している。上記電荷バッファ装置は適切な駆動電流を発生するために設けられ、上記電流検出器はランプに供給される上記駆動電流を調整するための電流発生ユニットを駆動するために設けられる。
【0005】
このドライバ装置は、LEDユニットにとり望まれるように上記駆動電流を調整するために設けられるが、このドライバ装置はLEDユニットの漏れ電流に起因するタイミング回路の誤差を防止することはない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、負荷の電流の影響を補償する電気装置、負荷の電流の影響を補償するための対応する方法、及び特には1以上のLEDを有するLEDユニット等の負荷を駆動するドライバ装置を提供し、異なる電源ユニットに対する(特には、位相カット調光器に対する)調光可能な負荷の互換性を実現して、斯かる電源ユニットの適切な動作を少ない技術的努力で保証することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、負荷(特には1以上のLEDを有するLEDユニット)の電流の影響を補償する電気装置が設けられ、該電気装置は、
前記負荷に給電するために電源電圧を供給する外部電源に、当該電気装置を電気的に接続する接続エレメントと、
第1期間の間に前記負荷の電流を監視する監視装置と、
前記接続エレメントに接続され、前記監視装置により監視された前記電流に基づいて第2期間の間に前記接続エレメントに電気的補償信号を供給する信号コントローラと、
を有する。
【0008】
本発明の他の態様によれば、負荷(特には1以上のLEDを有するLEDユニット)を駆動するドライバ装置が提供され、該ドライバ装置は、
外部電源から入力電圧を受ける入力端子と、
前記負荷に給電するために負荷電流を供給する出力端子と、
前記入力又は出力端子の少なくとも1つに接続されて、第1期間における電流を監視する監視装置と、
前記入力端子又は前記出力端子の少なくとも1つに接続されて、前記監視装置により監視された前記電流に基づいて第2期間の間に前記入力端子又は前記出力端子の少なくとも1つに電気的補償信号を供給する信号コントローラと、
を有する。
【0009】
本発明の更に他の態様によれば、負荷(特には1以上のLEDを有するLEDユニット)の電流の影響を補償する方法が提供され、該方法は、
接続エレメントにより電気装置を電源に接続するステップと、
第1期間において前記電流を監視するステップと、
前記第1期間において監視された前記電流に基づいて、第2期間の間に前記接続エレメントに電気的補償信号を供給するステップと、
を有する。
【0010】
本発明によれば、前記監視装置は、前記電流を検出し若しくは該電流に対応するデータを入力するか、又は前記電流全般に関する情報を異なる方法で得るように設けられる。
【0011】
本発明の好ましい実施態様は、従属請求項に記載されている。請求項に記載された方法は、請求項に記載され且つ従属請求項に記載された装置と同様の及び/又は同一の好ましい実施態様を有すると理解されるべきである。
【0012】
本発明は、電気装置を、電源及び調光可能な負荷に接続可能であって、上記負荷及び調光装置を含む電源の互換性を提供すると共に、該調光装置のタイミング回路の正しい動作を保証する追加装置として設けるという考えに基づいている。上記タイミング回路の正しい動作を達成するために、当該電気装置は該タイミング回路の動作を、それに応じて該動作に影響を与えるような電気信号を供給することにより制御する。タイミング回路の誤差は、通常、電源電圧のデューティサイクルの第1期間において発生する例えば漏れ電流等の電流に起因し、この期間の後に誤差を生じさせるので、該タイミング回路の誤差の根本原因を形成する電流が第1期間の間に監視され、該誤差を補償するために第2期間において補正信号が供給される。かくして、電源の又は接続される調光器のタイミング回路の誤差は、少ない技術的努力により補正することができ、当該調光装置に対する負荷の互換性を達成することができる。
【0013】
上記誤差の完全な補正の代わりに、斯かる誤差は一定値に安定化させることができ、当該システムの制御特性においてオフセットとしてのみ認識され、例えば調光器当たりの異なる数のランプに伴い又は設置毎に変化しないようにする。
【0014】
好ましい実施態様によれば、前記電流は負荷の漏れ電流である。このことは、当該調光装置の動作に対して最も大きな影響を有する電気的パラメータを監視するための1つの可能性である。
【0015】
他の好ましい実施態様によれば、前記監視装置は、前記電流を測定する測定装置又は該電流に対応する信号を入力する受信部を有する。この構成は、少ない技術的努力で、前記電流を検出し又は対応する信号を入力する簡単な解決策を提供する。
【0016】
好ましい実施態様において、前記補償信号は、前記漏れ電流により生じる影響を補償するために前記電源と当該電気装置との間で交換される充電電流である。この構成は、調光装置のタイミング回路におけるタイミングコンデンサの電圧を調整し、上記漏れ電流により生じる該タイミング回路の誤差を補正する簡単な解決策を提供する。
【0017】
好ましい実施態様において、前記補償信号は、前記負荷に対して直列に供給される電圧である。この構成は、前記漏れ電流に起因する誤差を補正するために上記タイミング回路のタイミングコンデンサを充電又は放電させるための追加の電流を生起させる簡単な解決策である。
【0018】
好ましい実施態様において、前記信号コントローラは、前記第2期間において前記充電電流を供給するための定められた電流経路を形成するインピーダンス経路を有する。この構成は、前記タイミング回路のタイミングコンデンサを充電又は放電し、前記漏れ電流により生じた上記タイミングコンデンサの電圧を減少させる簡単な解決策である。
【0019】
好ましい実施態様によれば、前記信号コントローラは、前記第2期間において前記充電電流を制御するために前記インピーダンス経路の抵抗値を変化させる抵抗を有する。この構成は、当該電気装置により前記タイミング回路のタイミングを制御するために該タイミング回路のタイミングコンデンサの電荷を所望のレベルに調整するための簡単な解決策である。
【0020】
他の実施態様によれば、前記信号コントローラは、前記第2期間において前記インピーダンス経路の抵抗値を連続的に又は段階的に減少させるように構成される。かくして、上記タイミングコンデンサに蓄積される電荷を少ない技術的努力により正確に調整することができる。
【0021】
他の実施態様によれば、前記第2期間は、前記電流経路が前記電源電圧の零交差の前及び後に設けられるように、該電源電圧の零交差に対して調整される。この構成は、前記タイミングコンデンサの電圧を所定のレベルに少ない技術的努力により調整するための簡単な可能性である。
【0022】
他の好ましい実施態様において、前記第1期間から前記第2期間への移行点は、前記電源電圧の零交差の近くに調整され、好ましくは該零交差の周りの2msのタイムフレーム内に設けられる。この構成は、前記タイミングコンデンサの蓄積電荷を調整するための更なる自由度を提供する。
【0023】
他の好ましい実施態様によれば、前記信号コントローラは前記第2期間において前記充電電流を供給するコンデンサを有し、前記監視装置は前記第1期間において該コンデンサを充電するように構成される。この構成は、漏れ電流に起因するタイミングコンデンサの誤差を補正するために、該漏れ電流を監視し、上記コンデンサに対応する電荷を蓄積し、該蓄積された電荷を第2期間の間に供給するための簡単な自己調整型の可能な構成例である。更に、この構成は、付属される負荷とは独立に個別に漏れ電流を検出し、それに応じて上記タイミングコンデンサの充電及び電圧を調整する簡単な解決策である。
【0024】
前記ドライバ装置の好ましい実施態様において、該ドライバ装置は、第1電流経路及び第2電流経路を有し、これら第1及び第2電流経路は整流ユニットの一部を形成し、これら第1電流経路及び第2電流経路の各々は監視装置及び信号コントローラを有し、前記監視装置は対応する電流経路の電流を監視するために設けられ、前記信号コントローラは前記電気的補償信号を供給するために設けられる。この構成は、各電流経路が単極動作のために設けられるので、上記監視装置及び信号コントローラを当該ドライバ装置に少ない技術的努力で統合する簡単な解決策である。
【0025】
当該ドライバ装置の他の好ましい実施態様において、前記入力端子の少なくとも一方は前記外部電源に接続された電圧変換器に接続され、該電圧変換器はタイミングコンデンサを含み、前記補償信号は該タイミングコンデンサを少なくとも部分的に充電又は放電するために上記電圧変換器に供給される充電電流である。この構成は、調光可能な負荷の漏れ電流により生じる上記タイミングコンデンサの誤差を調整するための効果的な解決策を提供する。
【0026】
上述したように、本発明は調光可能な負荷(特には、1以上のLEDを有するLEDユニット)を電源に適合させると共に、タイミング回路が、接続された負荷に影響されずに所望のように動作するような、調光装置を含む電源に対する負荷の互換性を保証するための簡単で効果的な解決策を提供する。このことは、特には負荷の漏れ電流等の電気信号を測定すると共に、好ましくは負荷の漏れ電流によりタイミング回路のタイミングコンデンサに蓄積された電荷を補償するために当該調光装置と交換される電流等の補償信号を供給することにより達成される。かくして、調光装置の適切な動作を少ない技術的努力により達成することができると共に、調光装置を含む既存の電源に、及び更には既存の調光可能な負荷(特には、LEDユニット)にレトロフィットエレメントとして組み込むことができる。
【0027】
本発明の上記及び他の態様は、後述する実施態様から明らかとなり、斯かる実施態様を参照して解説されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1図1は、白熱電球に接続される既知の調光装置の概略ブロック図を示す。
図2図2は、調光装置により供給される電圧を図示した概要図を示す。
図3図3は、外部電源及び調光可能な負荷に接続された電気装置の第1実施態様の概略ブロック図を示す。
図4図4は、外部電源及び調光可能な負荷に接続された電気装置の第2実施態様を示す。
図5図5は、電気装置の機能を説明するために、調光装置により供給される電圧のタイミング図を示す。
図6図6は、本発明の一実施態様の概略的な等価回路図を示す。
図7図7は、図3の電気装置の詳細なブロック図を示す。
図8図8は、外部電源に接続された、調光可能な負荷を駆動するためのドライバ装置の詳細なブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1は、符号10により全体的に示された調光装置の概略ブロック図を示す。調光装置10は外部電圧源12に接続され、該外部電圧源は好ましくは電源電圧V10を供給する主電源である。調光装置10は前縁位相カットを持つ変更された入力電圧V12及び負荷電流Iを負荷14に供給する。負荷14は白熱電球であり得る。
【0030】
調光装置10は、外部電圧源12を負荷14に接続するトライアック16を有している。該トライアックと並列に、タイミング回路18が接続されている。該タイミング回路18は、タイミングコンデンサ20、可変抵抗22、及びトライアック16に接続されたダイアック24を有している。タイミングコンデンサ20の電圧は、トライアック16を切り換えるダイアック24に供給される。該タイミングコンデンサ20の電荷が所定のレベルに到達すると、ダイアック24がオンされ、電源電圧V10が負荷14に供給される。トライアック16がオフされると、電源電圧V10はタイミング回路18に供給される。従って、タイミング回路18のタイミングコンデンサ20が所定の電圧レベルまで充電されると、これはダイアックをスイッチさせる。該所定の電圧に到達するやいなや、トライアック16は再びオンされ、タイミングコンデンサ20はダイアック24の順方向電圧まで放電される。
【0031】
トライアック16がオンしているフェーズの間においては、タイミング回路18の両端間の電圧は零に近く、タイミングコンデンサ20は充電されない。トライアック16は、該トライアック16を経る電流、従って負荷電流Iが該トライアック16の保持電流より低くなるまで、外部電圧源12を負荷14に接続する。次いで、該トライアックがオフされると、タイミングコンデンサ20の充電が再び開始する。
【0032】
負荷14が大電力白熱電球である場合、トライアック16は入力電圧V10の零交差まで又は零交差の直前まで導通状態を維持する。負荷14のインピーダンスは、零交差までのトライアック16の導通を確かなものとするのに十分な大きな負荷電流Iを保証するほど十分に小さい。
【0033】
負荷14がLEDユニットである場合、白熱電球との動作(白熱電球的動作)に匹敵する通常動作は、トライアック電流、即ち負荷電流Iがトライアック16の保持電流より大きい場合にのみ保証され得る。このことは、対応した負荷電流Iを持つ対応する電力レベル(例えば、40W)に対してのみ達成することができる。SSLレトロフィットランプの殆どは、斯かるレベルより下で動作される。従って、以下に説明するように零交差の前にトライアック16をオフすることが不可避である。
【0034】
図2には、調光装置10により供給される入力電圧V12の図が概略示されている。電源電圧V10(点線)の各半サイクルは3つの異なるフェーズを有している。第1フェーズは、トライアック16がオフされ、入力電圧V12が零であるオフフェーズToffである。第2フェーズは、上記オフフェーズToffに続くオンフェーズTonであり、トライアック16は導通し、入力電圧V12(実線)は基本的に電源電圧V10と同一となる。オンフェーズTonの後に、トライアック16がオフされる切断フェーズTdiscが設けられる。この切断フェーズTdiscにおいて、負荷インピーダンスはタイミングコンデンサ20の充電を回避すると共にダイアック16の早い切り換えを防止するために増加されねばならない。この切断フェーズTdiscの間において、負荷14のインピーダンスはタイミング(タイマ)回路18のインピーダンスより大きくなければならない。好ましくは、切断フェーズTdiscの間における負荷14のインピーダンスは、少なくとも2Mオームでなければならない。零交差tの後、当該電源電圧V10の後続の半サイクルのオフフェーズToffが開始する。このオフフェーズToffの間において、負荷14のインピーダンスは、通常の動作に匹敵するようにタイミングコンデンサ20を充電すべく低くなければならない。従って、負荷14のインピーダンスは、電源電圧V10の正確に零交差tにおいて高インピーダンス状態から低インピーダンス状態へ切り換えられなければならない。
【0035】
切断フェーズTdiscの間においては開回路が調光装置10に接続されねばならないが、接続された負荷14はToffの間に低インピーダンス状態に切り換えるために入力電圧V12を監視しなければならないので、該負荷14の入力端子間に測定回路を使用することができる。この測定回路は、切断フェーズTdiscの間に、ここでは漏れ電流と称する入力電流を有するであろう。この漏れ電流は調光装置10にも供給され、タイミングコンデンサ20を充電する。次のオフフェーズToffが開始し、低インピーダンス経路が調光装置10に接続される場合、タイミングコンデンサ20は望まない電荷を有している。言い換えると、該タイミングコンデンサ20は予備充電されている。従って、タイミングコンデンサ20の充電は、後続のオフフェーズToffの間において、ダイアック24を切り換える所定の電圧に、異なる時点に到達する。トライアック16の切り換わり時点の好ましくない変化は、切断フェーズTdiscの間における上記漏れ電流の結果である。調光装置10に1つの負荷14が接続される場合は、該切り換わり時点の変化は通常は小さいが、調光装置10に複数の負荷14が並列に接続される場合、調光装置10の切り換わり時点は強く影響を受ける。
【0036】
図3には、電気装置の一実施態様が概略図示され、全体として符号30により示されている。該電気装置30は電気回路内に組み込まれて図解的に示されている。電気装置30は調光装置10に接続され、該調光装置10から入力電圧V12を入力する。外部電圧源12が調光装置10に電源電圧V10を供給する。電気装置30も外部電圧源12に直接接続されるか、又は中立点に接続される。電気装置30は、LED32を駆動するドライバ装置から形成された負荷34に接続される。負荷電流Iは調光装置10から電気装置30を介して負荷34に供給され、上記ドライバ装置は駆動電流をLED32に供給する。該駆動電流は負荷電流Iとは相違することができる。負荷34も前記外部電圧源12に接続されるか又は中立点に接続される。電流Iが調光装置10と交換される。電気装置30は該電流Iに補償電流I(潜在的に可変振幅及び極性の)を加算し、該電流Iは、以下に説明するように少なくとも1つの異なる時点における負荷34の漏れ電流を補償するために特定の期間において調光装置10と交換される。
【0037】
前述したように、切断フェーズTdiscの間において負荷34は漏れ電流を有し、該漏れ電流は調光装置10にも供給され、タイミングコンデンサ20を充電する。該漏れ電流を補償するために、電気装置30はオフフェーズToffの間において又は切断フェーズTdiscが終了した後に調光装置10に対し電流Iに加えて補償電流Iを供給する。
【0038】
上記補償電流Iを供給するために、電気装置30は切断フェーズTdiscの間に上記漏れ電流を測定し、該切断フェーズTdiscの後に補償電流Iを供給する。
【0039】
図4には、電気装置30の代替実施態様が概略図示されており、該電気装置は電気回路に組み込まれている。該電気装置30は、調光装置10をドライバ装置34に接続する電気接続部36に接続されている。負荷34は外部電源12に又は中立点に接続されている。電気装置30は切断フェーズTdiscの間に生じる漏れ電流の値を必要とするので(監視する、評価する、推定する等により)、該電気装置30は負荷34にも接続され、切断フェーズTdiscの間に漏れ電流に対応する電気信号38を入力する。入力された漏れ電流情報に基づいて、電気装置30は該漏れ電流を補償するために当該切断フェーズTdiscが終了した後に調光装置10と補償電流Iを交換する。
【0040】
漏れ電流の測定及び調光装置10との補償電流Iの交換は、以下に説明するように種々異なる態様で行われる。
【0041】
図5は、入力電圧V12と同期した電気装置30の機能を説明するために、調光装置10により供給される入力電圧V12のタイミング図を示す。
【0042】
前述したように、電源電圧V10の零交差tは電気装置30により検出され、該電気装置30はタイミングコンデンサ20の充電を開始するために高インピーダンスの切断フェーズTdiscから低インピーダンス状態、オフ状態Toffに切り換える。コンデンサ20における残留電圧は後続の充電期間における最終充電段階とは異なる極性を有するので、タイミングコンデンサ20の間の電圧は、最初は減少する。これは、意図する動作である。前述したように、切断フェーズTdiscの間の漏れ電流はタイミングコンデンサ20の間の電圧を増加させるので、一方向への充電は過度に高いレベルで開始し、従って漏れ電流がない場合より長い時間が掛かる。漏れ電流によりタイミングコンデンサ20に蓄積された電荷を補償するために、電気装置30は、検出される零交差tよりも僅かに前のtにおいて高インピーダンス状態から低インピーダンス状態へ切り換える。tにおける入力電圧V12はタイミングコンデンサ20の間の電圧よりも低いので、該タイミングコンデンサ20は期間TDCの間に一層早く放電され得、該タイミングコンデンサの電圧の減少は一層早く開始するので上記漏れ電流による誤差を相殺することができる。電気装置30は測定された漏れ電流に依存して切り換え時点tを決定し、それに応じて上記漏れ電流の影響を補償することができる。切り換え時点tの可能な移動は、タイミングコンデンサ20内の(残存)電圧の値に対する電源電圧V10の値の関係により制限されるので、この補償方法は、好ましくは、小さな漏れ電流を有する単一ランプシステムのために使用されるものとする。
【0043】
更に、漏れ電流による誤差を安定化させるために、中間の抵抗状態を導入することもできる。零交差tの検出の後に、電気装置30は期間TIRの間に中間抵抗経路により中間抵抗状態に切り換える。従って、タイミングコンデンサ20の充電は、元の低インピーダンス状態Toffと比較して減少される。該中間抵抗状態の期間TIRの後に、電気装置30はオフフェーズToffの間に低インピーダンス状態に切り換える。このことは、調光装置10の切り換え時点を遅らせるであろう。しかしながら、この遅れは電気装置30の完全なる制御の下であるから、トライアック16がオンされる切り換え時点は、当該抵抗が中間抵抗状態TIRから低インピーダンス状態Toffへ切り換えられる時点tにより決定することができる。従って、当該調光装置の切り換え時点はタイミングコンデンサ20の一層遅い充電により僅かに遅延されるが、該調光装置10の切り換え時点の遅延は、電気装置30により中間抵抗状態TIRから低インピーダンス状態Toffへ切り換える切り換え時点tを決定することにより決定することができる。
【0044】
従って、電気装置30は調光装置10から供給される負荷電流Iを検出する。測定された負荷電流I及び測定された漏れ電流に基づいて、電気装置30は並列に接続された負荷14(例えば、ランプ)の数を推定し、それに応じて調光装置10の切り換え時点のずれを補償すべく切り換え時点tを零交差に一層近づくように移動させることができる。
【0045】
好ましい実施態様によれば、電気装置30の中間抵抗経路の抵抗値は、中間抵抗状態期間TIRの間において例えばプログラム可能な電圧制御された電流シンク(吸収)により連続的に減少される。
【0046】
他の実施態様によれば、切断フェーズTdiscの間において電気装置30の入力端子にコンデンサが接続される。切断フェーズTdiscの間において調光装置10を経る如何なる電流も、タイミングコンデンサ20を介して流れ、それに応じて該タイミングコンデンサ20を充電する。この漏れ電流は電気装置30を介しても流れ、それに応じて上記コンデンサを少なくとも部分的に充電する。言い換えると、切断フェーズTdiscの間において電気装置30のコンデンサに蓄積される充電(電荷)は、タイミングコンデンサ20における電荷と関係がある。零交差tの後のオフフェーズToffの間において、電気装置30のコンデンサに蓄積された電荷は補償電流Iとして調光装置10に供給され、タイミングコンデンサ20に蓄積された電荷を少なくとも部分的に相殺する。かくして、接続された各ランプに関して漏れ電流を測定することができ、それに応じて調光装置10に補償電流Iを供給することができる。従って、漏れ電流の別途の測定は必要とされない。この方法の主たる利点は、複数の接続されたランプがサポートされ、それに応じて補償電流Iが当該漏れ電流に適応化されることである。
【0047】
図6は、切断フェーズTdiscの間における単極動作に簡略化された電気装置30の一実施態様の概要図を示す。調光装置10は中立点及び外部電源12に接続される一方、電気装置30は該調光装置10及び該外部電圧源12に接続されている。図6において、負荷34は図示されていない。電気装置30は、切断フェーズTdiscからオフフェーズToffへの切り換えをシミュレーションするためのダイオード44に並列に接続された、入力電圧V12を感知する感知抵抗42を有している。該感知抵抗42は、漏れ電流Iを生じさせる負荷34及び電気装置30の構成部品も表している。感知抵抗42及びダイオード44に対して直列に、コンデンサ46及びツェナーダイオード48の並列接続が設けられている。コンデンサ46は切断フェーズTdiscの間に漏れ電流Iにより充電される。オフフェーズ(図示略)の間において、該コンデンサ46内に蓄積された電荷は解放され、調光装置10に供給される。図6に示された回路の利点は、別途の測定が不要であり、コンデンサ64に蓄積された電荷が、それに応じて、調光装置10に供給されるということである。漏れ電流Iは、タイミングコンデンサ20の好ましくない充電につながる。オフフェーズToffの間においてコンデンサ46が放電される場合、タイミングコンデンサ20の両端間の電圧は該低インピーダンス状態Toffの間に充電動作の通常の開始点まで減少される。コンデンサ46は、好ましくは、10nFの容量を有する。感知抵抗42、従って負荷34の等価入力インピーダンスは2Mオームの抵抗値を有することができる。
【0048】
図7には、双極動作のための電気装置30の実施態様が概略図示されている。該電気装置30は、調光装置10、負荷34及び中立点に接続されている。電気装置30は、コンデンサ52、及び該コンデンサ52に並列に接続された保護装置54を有している。電気装置30は、更に、低抵抗経路56、可変抵抗経路58及び抵抗経路60を有している。電気装置30は、更に、当該電気装置30の部品54〜60を該電気装置30の入力端子66及び出力端子68,70に接続するための第1及び第2スイッチングエレメント62,64も有している。スイッチングエレメント62,64は、好ましくは、半導体デバイスから形成される。期間Ton、Tdisc、Toff及びTDCの間の異なる状態を実現するために、スイッチングデバイス62,64は低抵抗経路56、可変抵抗経路58及び/又は抵抗経路60を入力端子66と、出力端子68,70の一方とに接続する。漏れ電流Iを測定するために、コンデンサ52は切断フェーズTdiscの間において該コンデンサ52を充電するために第1スイッチング位置で入力端子66及び出力端子68に接続することができる一方、零交差tの後に、該コンデンサ52の極性は第2スイッチング位置72により反転されて、収集された電荷を補償電流Iとして調光装置10に供給する。
【0049】
かくして、調光装置10を所望のように動作させるべく漏れ電流Iの影響を補償するために図6に示した電気装置30により前述した異なる状態を設けることができる。
【0050】
図8には、負荷81を駆動するためのドライバ装置80が概略図示されている。該ドライバ装置80は2つの電気装置82,82’、及び該電気装置82,82’を制御するための制御ユニット84を有している。
【0051】
ドライバ装置80は、該ドライバ装置80を電圧源12及び調光装置10に接続する2つの入力端子86,88を有している。ドライバ装置80は2つの電流経路90,92を有し、各電流経路は整流ユニットを形成する2つのダイオード94,96を有している。電気装置82,82’の各々は、対応する経路90,92における漏れ電流Iを測定すると共に補償電流Iを供給するために、電流経路90,92の一方に組み込まれている。電気装置82,82’の各々は、コンデンサ98、低抵抗経路100、可変抵抗経路102及び電流源104を有している。電気装置82,82’の各々は、これら構成部品98〜104を対応する電流経路90,92に接続するためのスイッチングデバイス106を有している。制御ユニット84は、上記電気装置82,82’の各々に接続され、これら電気装置82,82’の各々から測定信号108を入力する。該測定信号108に依存して、制御ユニット84はスイッチングデバイス106を制御信号110により制御し、異なる構成部品98〜104を対応する電流経路90,92に接続して、補償電流Iを調光装置10に供給する。かくして、上記電流経路90,92の各々に対して、対応する電流経路90,92における漏れ電流Iを測定すると共に対応する補償電流Iを供給するための単極動作の電気装置82,82’を設けることができる。制御ユニット84は、電流経路90,92の一方における漏れ電流Iを測定すると共に補償電流Iを同一の又は他方の電流経路90,92に供給するように構成することができる。スイッチングデバイス106は、好ましくは、半導体デバイスにより形成される。
【0052】
以上、本発明を図面及び上記記載において詳細に図示及び説明したが、斯かる図示及び説明は解説的又は例示的なものであり限定するものではないと見なされるべきである。即ち、本発明は開示された実施態様に限定されるものではない。当業者によれば、請求項に記載された本発明を実施するに際して、図面、開示内容及び添付請求項の精査から、開示された実施態様の他の変形例を理解し実施することができる。
【0053】
尚、請求項において、“有する”なる文言は他の構成要素又はステップを排除するものではなく、単数形は複数を排除するものではない。また、単一の構成要素又は他のユニットは、請求項に記載された幾つかの項目の機能を果たすことができる。また、特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これら手段の組み合わせが有利に使用することができないということを示すものではない。
また、請求項における如何なる符号も、当該範囲を限定するものと見なしてはならない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8