(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
鞘の遠位端が、眼内インプラントの近位端を受けること若しくは眼内インプラントの近位端と隣接することの、少なくとも一つを行い、ガイドワイヤが近位方向に引っ込む際に眼内インプラントが近位方向にスライドするのを防ぐ、請求項1に記載のデリバリデバイス。
湾曲の構成が、中心角が20〜40度の範囲である1.0795〜1.3335cm(0.425〜0.525インチ)の範囲の曲率半径を含む、請求項1に記載のデリバリデバイス。
保持機構が、ガイドワイヤの長手方向に沿って相互の間にて0.0254〜0.0508cm(0.0100〜0.0200インチ)の範囲で間隔が空けられた湾曲の構成を含む、請求項1に記載のデリバリデバイス。
ガイドワイヤが、ガイドワイヤの内腔とガイドワイヤの周囲のエリアとの間で流体連絡を提供する、ガイドワイヤの長手方向沿いの少なくとも一つの開口を含む、請求項8に記載のデリバリデバイス。
インプラントが、インプラントの内腔と眼内インプラントの周囲のエリアとの間で流体連絡を提供する、眼内インプラントの長手方向沿いの少なくとも一つのホールを含む、請求項10に記載のデリバリデバイス。
デリバリデバイスが、流体のソースから眼内インプラント若しくは眼のうちの少なくとも一つへ流体を供給する少なくとも一つの流体デリバリ機構を含む、請求項1に記載のデリバリデバイス。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、眼の前房及び後房を示す、眼の一部の断面斜視図である。インプラント105の概略表示は眼内に配置されており、近位端110は前房115内に位置し、遠位端120は睫毛上腔若しくは(脈絡外隙と称されることもある)脈絡膜上腔と連絡し、及び/又は、は睫毛上腔若しくは脈絡膜上腔の中に若しくは近傍に位置する。当然ながら、本願の
図1及び他の図面は概略のものであり、現実の眼組織のサイズ及び相対位置に関して必ずしも原寸に比例するわけではない。
【0014】
インプラント105は、前房115から、睫毛上腔の中へ更には脈絡膜上腔に向かっての、流体経路を提供する。インプラント105は、睫毛上腔若しくは脈絡膜上腔の中に配置し得る遠位端120を有する。インプラント105は、毛様体と強膜の間に少なくとも一部配置され得、又は、強膜と脈絡膜の間に少なくとも一部配置され得る。インプラント105の遠位端120は、脈絡膜と強膜との間に必ずしも配置されるわけではない。
【0015】
実施の形態では、インプラント105は、房水が前房115から睫毛上腔内に流れ得る一つ以上の内腔を有する細長要素である。インプラント105は、その全体長に沿って実質的に一様な内径を有し得る。但し、インプラント105の形状は、後で説明するように、(インプラントの挿入の前に若しくは後に)長手に沿って変動し得ることもある。更に、インプラント105は、(円、楕円若しくは矩形などの)様々な断面形状を有してよく、長手に沿って移動しつつ断面形状が変動してもよい。断面形状は、眼内への容易な挿入を促進するように選択されてもよい。次の出願は例示のインプラントを記載する。米国特許公開第2007−0191863号(特許文献1)、及び第2009−0182421号(特許文献2)。これらの出願は参照の上全体として組み込まれる。
【0016】
図2は、人間の眼の一部の断面図である。眼は概略球状であり、強膜Sにより外側を覆われる。(図示しない)網膜は、眼の内部後半にラインを引く。網膜は光を残し、視神経を介して脳に信号を送る。眼の大半は、クリアなゼリー状の物質である、硝子体により充填され指示される。弾性レンズLは、眼の前面知覚に配置される。レンズLは焦点の調整を提供し、毛様体CBから水晶体嚢バッグ内部に吊下される。毛様体は眼の焦点長を変動させる筋肉を含む。レンズLの前のボリュームは、虹彩Iにより二つに分割され、虹彩Iはレンズのアパチャと、網膜を打つ光量とを制御する。瞳孔は、光が通過する、虹彩Iの中心のホールである。虹彩IとレンズLの間のボリュームは、後房PCである。虹彩Iと角膜の間のボリュームは、前房ACである。両方の房は、房水として知られる透明液体で充填される。
【0017】
毛様体CBは、血管からの分泌により後房PC内で房水を連続して形成する。房水は、レンズL及び虹彩Iの周囲を前房内へ流れ、虹彩Iの角及び眼球壁に位置するふるい状構造の小柱網を介して眼から出ていく(角は虹彩角膜角として知られている。)。房水の一部は、虹彩基部近くの小柱網を介して、眼球静脈内に流れ出る小チャネルであるシュレム管内に、濾過される。毛様体を通過し最終的には強膜を通過した(ブドウ強膜ルート)後、より小さい部位は静脈循環に再び加わる。
【0018】
インプラント105の内腔は、直接に前房から睫毛上腔若しくは脈絡膜上腔に向かう若しくは中への、インプラント105を介する房水の流れのための通路として作用する。更に、インプラント105の内腔は、後でより詳細に説明するように、インプラント105をデリバリデバイス上に搭載するためのアクセスロケーションとして用いられ得る。内腔は、かんがい流体や粘弾性物質などの流体を、前房をフラッシュする若しくは圧を維持するために眼内に流すための通路として、又は、脈絡膜上腔への若しくは内部での切開平面の切開、視覚化若しくは水圧形成におけるアシストのための流体を用いる通路として、用いられ得る。
【0019】
流体は、例えば、デリバリカヌーラを介して、若しくはシャントの内腔を介して、睫毛上腔若しくは脈絡膜上腔に向かって若しくは内に、流され得る。流体は、睫毛上腔若しくは脈絡膜上腔内へ若しくは内部にて、切開平面を形成するのに十分な圧力により、眼内へ流され得る。流体は、湖を形成すべく眼内部にためられ得る。概略、水力切開、若しくは粘弾性物質などの流体の注入は、強膜から毛様体を分離して、デバイスにより若しくはデバイス無しで、強膜からの毛様体の分離のエリアを拡大するのに用いられ得る。
【0020】
図3は、眼内へインプラント105を供給するのに用いられ得るデリバリシステム305の実施形態を示す。或る実施形態では、インプラント105は、埋め込まれた状態の間、前房と脈絡膜上腔若しくは睫毛上腔に向かう間の、流体連絡を提供し得る。当然ながら、これらのデリバリシステム305は例示であり、構造、形状及び動作におけるデリバリシステム305の変形例は可能である。デリバリシステム305は、近位ハンドルコンポーネント310及び遠位デリバリコンポーネント312を、含み得る。近位ハンドルコンポーネント310は、デリバリコンポーネント312から眼内のターゲット位置内へのインプラントのリリースをコントロールする、ボタンなどのアクチュエータ420を含み得る。アクチュエータ420は、構造上変動可能でありボタンに限定されない。
【0021】
デリバリコンポーネント312の実施形態は、ガイドワイヤ515、及びガイドワイヤ515を覆って同軸上に配置された「ストッパ」即ち鞘510の形状での、細長アプライヤを含む。ガイドワイヤ515は、インプラント105の内腔を介して長手方向に挿入され得、インプラント105を挿入してターゲット位置内に配置する助けとなり得る。鞘510は、デリバリコンポーネント312から眼内のターゲット位置内へのインプラント105のリリースの助けとなり得る。更に、アクチュエータ420は、ガイドワイヤ515及び/若しくは鞘510の、移動若しくは相対移動をコントロールするのに用いられ得る。例えば、鞘510は、ハンドルコンポーネント310に対して固定可能であり、アクチュエータ420の作動に際してガイドワイヤ515がインプラント105から近位に引き下げられてもインプラント105が近位方向に動かなくすることができる、ストッパとして動作し得る。
【0022】
例えば、第1の状態では、ガイドワイヤ515は、鞘510の遠位端に対して遠位に伸長し得る。アクチュエータ420を押すことなどによる、アクチュエータ420の動作により、ガイドワイヤ515は近位にスライド可能であり、又は、鞘510内に格納可能である。このことにより、ガイドワイヤ515の遠位端からインプラント105を実効的に離すことができ、更に制御しつつインプラント105をターゲット位置内へ解放することができる。ガイドワイヤ515の遠位端からインプラント105を制御しつつ離すことは、ターゲット位置の範囲内でインプラント105の位置取りを維持することを保証する助けとなり得る。
【0023】
図4は、デリバリシステム305のデリバリコンポーネント312上に搭載されるインプラント105の実施形態を示す。特に、インプラント105は、
図4に示すように、ガイドワイヤ515の遠位領域上に搭載され得る。更に、鞘510は、インプラント105の近位端を受ける若しくは近位端と隣接するように、サイズ決めされ形状付けされ得る。この実施形態では、アクチュエータ420の動作時に、ガイドワイヤ515は、近位方向(矢印P)へ鞘510の中へスライドし、このことにより、インプラント105の近位端が鞘510の遠位端に隣接してインプラント105が近位方向にスライドするのを防ぐことができる。このようにして、インプラント105はガイドワイヤ515の遠位端から実効的に離れて、眼内部のターゲット位置内に制御しつつ解放され得る。
【0024】
ある実施形態では、アクチュエータ420は、ばね駆動メカニズムと結合するプッシュボタンであってもよい。アクチュエータ420上に力を加える際、ばねメカニズムは、鞘510に向かって及び/又は鞘510内にガイドワイヤ515を格納でき、これにより、インプラント105はガイドワイヤ515から解放され得る。ガイドワイヤ515を鞘510内に引き込むことができるメカニズムは、ばね駆動アセンブリでも、アクチュエータの動作の際ガイドワイヤ515を格納できるどんな種類のメカニズムでも、よい。
【0025】
図5は、インプラント105がガイドワイヤ515上にロードされた、デリバリシステム305の一部の実施形態を断面にて示す。デリバリシステム305は、ガイドワイヤ515を配置する助けとなり得るフロントばね550を含み得る。例えば、フロントばね550は圧縮若しくはチャージ可能であり、このことにより、ガイドワイヤ515はハンドル310に対して伸展状態で配置され得る。ガイドワイヤ515が伸展状態にあるとき、ガイドワイヤ515は
図5に示すようにインプラント105をロードし得る。
【0026】
デリバリシステム305は、ガイドワイヤ515を配置する助けとなる様々なメカニズムを含み得る。例えば、デリバリシステム305は、アクチュエータ420がガイドワイヤ515を配置する助けとなり得るように、アクチュエータ420と相互作用し得る機構を含み得る。例えば、ガイドワイヤ515は、デテントラッチ555を有するピストン560に近位端にて取り付けられ得る。デテントラッチ555はアクチュエータ420と相互作用し、アクチュエータ420の動作の際には、デテントラッチ555はピストン560を固定位置から解放して動かすことができる。例えば、ピストン560が動くことが許容されると、フロントばね550は、近位方向などの一方向にピストンを動かすように強いることができ、このことにより、ガイドワイヤ515が近位方向に動くようにすることができる。ガイドワイヤ515の近位方向への動きにより、ガイドワイヤ515の遠位端上にロードされたインプラント105はガイドワイヤ515から解放されることが可能になる。
【0027】
或る実施形態では、ユーザにより作動される若しくは押し下げられると、ピストン560のデテントラッチ555が下方に固定され、これによりフロントばね550が解放されるように、アクチュエータ420は構成され得る。ピストン560がガイドワイヤ515と共に近位に動くと、インプラント105はストッパチューブ510の遠位端に接してガイドワイヤ515から解放され得る。
図6は、フロントばね550が展開状態でありインプラント105がガイドワイヤ515から完全に解放された、格納状態のデリバリシステム305の実施形態を示す。
【0028】
インプラント105が完全に解放された後にのみ、ガイドワイヤ515が近位方向で完全な停止を達成するように、ピストン560の運動距離は定義され得る。更に、インプラント105がストッパチューブ510に対して様々な角度に配置されるとき、フロントばね550の力により、インプラント105からガイドワイヤ515を引き出すことができる。例えば、インプラント105がストッパチューブ510に対して45度に在るとき、フロントばね550の力により、インプラント105からガイドワイヤ515を引き出すことができ、このようなことは、インプラント105が睫毛上腔に配備されているときに、生じ得る。
【0029】
或る実施形態では、例えば、フロントばね550は、圧縮若しくはチャージ構成にて概略1.0〜2.0ポンドフォースを提供でき、このことによりガイドワイヤ515はインプラント105から引き出されることが可能であり、これらの場合にはインプラント105がストッパチューブ510に対して約45度の角度に配置される場合が含まれる。しかしながら、フロントばね550は、様々なばね力を提供でき、このことにより、ガイドワイヤ515は、少なくともストッパチューブ510に対して様々な角度で配置されるインプラント105を解放できる。
【0030】
或る実施形態では、フロントばね550は、約2.0〜10.0ポンドフォースを生成できる。例えば、フロントばね550のより大きいばね力により、ガイドワイヤ515は様々な条件で格納され得る。更に、0.10〜1.0ポンドフォースなどの、フロントばねのより小さいばね力により、格納の速度、及び、システムを再ロードするのに要求される力を、下げることができる。様々なフロントばね550が、デリバリシステム305に実装され得る。
【0031】
グリース565などの、抑制要素が、ピストン560と、ハンドル310の壁の内側との間に、配置されてもよく、このことにより、ガイドワイヤ515のより遅い格納を提供する助けとなり得る。ガイドワイヤ515のより遅い格納により、ピストン560の運動距離の端部を含む、ユーザの手中でのデリバリシステム305の痙動を防ぐ、又は少なくすることができる。この抑制グリース565は、グリースが25−30kグレイの生産レベルe−ビーム滅菌線量に影響されないように、シリコングリースであればよい。更に、グリース565以外の他の抑制要素が用いられてもよい。低、中、若しくは高の粘度のフッ化炭素が用いられて装備の抑制及び速度を変更してもよい。これらの部材が、より大きい受入可能なe−ビーム滅菌範囲を有してもよい。
【0032】
或る実施形態では、ガイドワイヤ515のばね駆動引き戻し(格納)により、睫毛上腔若しくは脈絡膜上腔インプラントのデリバリが改良され得る。例えば、眼内インプラントを埋め込む最新のツールには、インプラントを解放するために、約0.280インチの運動距離の範囲などでのユーザの指のスライド動作を要求するものがある。外科医にとって、同時にデリバリツールの遠位端をしっかりと保持しつつ、スライド動作を実現することは困難である。対照的に、ばね駆動プッシュボタンメカニズムを含む、本開示のばね駆動メカニズムにより、ユーザの指のより小さくより人間工学に適う動きがガイドワイヤ515の引き戻し(格納)を駆動することができ、このことにより、更に、ユーザはデリバリコンポーネント312の遠位端を安定した位置で維持することができる。更に、本開示のばね駆動メカニズムにより、より迅速に、且つ、ガイドワイヤの保持の間にインプラント105の望ましくない遠位の動きが生じること無く、埋め込みを行うことができる。
【0033】
ガイドワイヤ515をインプラント105の内腔へ且つ内腔を介してスライドさせて、インプラント105がガイドワイヤ515上にロードされ得るように、ガイドワイヤ515の外径は、インプラント105の内径より小さくし得る。或る実施形態では、ガイドワイヤ515は、
ガイドワイヤ515上でインプラント105を保持するように作用し得る保持機構を含み得る。例えば、ガイドワイヤ515は、インプラント105がガイドワイヤ515から不用意にスライドしてしまうのを防ぐために、鈍的切開及び埋め込みの間にガイドワイヤ515上にインプラント105を保持する助けとなり得る保持機構を含み得る。
【0034】
インプラント105がガイドワイヤ515から解放されて眼内部のターゲット位置に埋め込まれる前に、その配置を調整するために、インプラント105を遠位にも近位にも動かすことができる。このことにより、インプラント105に軸方向の力が加えられ、インプラント105がガイドワイヤ515上で十分に保持されていないならばガイドワイヤ515からスリップさせ得る。従って、或る実施形態では、ガイドワイヤ515は、ターゲット位置内部にインプラント105を配置することを含む、インプラント105の配置の間にガイドワイヤ515上にインプラント105を保持する助けとなり得る機構を含み得る。
【0035】
図7は、ガイドワイヤ515の長手方向に沿って湾曲する構成520を含む、少なくとも一つの保持機構を有する、ガイドワイヤ515の実施形態を含む。或る実施形態では、ガイドワイヤ515の湾曲した構成は、睫毛上腔内へのインプラント105のエントリを促進する助けとなり得る。更に、ガイドワイヤ515の湾曲は、インプラント105がガイドワイヤ515の湾曲した形状に従うことにより、インプラント105の形状を変更し得るのであり、このことは、睫毛上腔が強膜壁沿いに湾曲することからインプラント105を睫毛上腔内に配置する助けとなり得る。ガイドワイヤ515の湾曲した構成520を含む、湾曲半径若しくはアークは変動し得、中心角を約20度から約40度としつつ、約0.425〜0.525インチの範囲にあり得る。
【0036】
更に、ガイドワイヤ515のどの部分も、ガイドワイヤ515の遠位端若しくは全体長のいずれをも含んで、湾曲の構成520
を有してよい。更に、ガイドワイヤ515は、直線及び湾曲の構成の両方を含む、種々の構成を有する中で、変動してもよい。例えば、ガイドワイヤ515は、自然状態にて湾曲の構成を有し、デリバリシステム305のハンドル310を通過するなどの場合には直線通路に従うものであってもよい。従って、ガイドワイヤ515は、直線通路に従い、直線通路を通過した後には湾曲の構成に戻るものであってもよい。
【0037】
或る実施形態では、ガイドワイヤ515の長手方向沿いに一つ以上のカットパターンを有してもよく、このことにより、ガイドワイヤはガイドワイヤ515が含む部材よりも、より可撓性を有することができる。例えば、ガイドワイヤ515の遠位端若しくは先端は、らせんカットパターンを含み、このことにより、ガイドワイヤ515の先端はガイドワイヤ515の長手軸に対して一つ以上の様々な方向に歪み若しくは曲がり得る。更に、らせんカットパターンにより、ガイドワイヤ515の遠位端若しくは先端は、らせんカットパターン無しでガイドワイヤ515が到達できるよりも、より大きい角度まで歪み若しくは曲がり得る。これらのカットパターンは、更に、ガイドワイヤ515内に注入され(インプラントや眼の何れをも含む)ガイドワイヤの周りのエリアに解放される物質の通路を提供する流体管として機能し得る。
【0038】
図8は、ガイドワイヤ515の長手方向沿いの正弦曲線若しくはSカーブの構成を含む少なくとも一つの保持機構を有するガイドワイヤ515の実施形態を示す。正弦曲線若しくはSカーブの
構成は、ガイドワイヤ515の長手方向沿いの少なくとも一つの湾曲の領域524などにより、ガイドワイヤ515上へインプラント105を保持する助けとなり得る。少なくとも一つの湾曲した機構は、突起、隆起などを含み得る。例えば、湾曲した機構524は、ガイドワイヤ515とインプラント105の内腔との間に締まりばめを提供するように構成され得る。
【0039】
或る実施形態では、保持機構はガイドワイヤ515の長手方向沿いにS形状のカーブを含み得る。S形状のカーブは一つ以上の丸みのある湾曲した機構524を有し、
図8に示すようなベンドやピークを含む。更に、湾曲した機構524などの、個々の保持機構は、インプラント105の内腔とガイドワイヤ515との間にコンタクトのポイントを形成し得る。ガイドワイヤのSカーブの湾曲した機構は、ガイドワイヤがインプラント105から解放される際、インプラント105の内腔を損傷するリスクを減少することもできる。更に、保持機構は、ガイドワイヤ515とインプラント105との間に、インプラント105からのガイドワイヤ515の除去の際を含めて、穏やかな相互作用及び保持を提供し得る。ガイドワイヤ515の保持機構は、ガイドワイヤ515の長手方向の少なくとも一部沿いの隆起若しくは他の構造の形状内を含んで、型打ちされ、曲げを加えられ、若しくは形状設定されたものであってもよい。
【0040】
一つの実施形態では、インプラント105の、二つ以上の保持機構若しくは湾曲した機構の間のピークからピークまでの距離により、保持力の量が定義され得る。例えば、二つ以上の湾曲した機構524の間のより大きいピークからピークまでの距離はより高い保持力を生成し得、より小さいピークからピークまでの距離はより低い保持力を生成し得る。ピークからピークまでの距離があまりに大きいと、ガイドワイヤ515が除去の際に内腔沿いの部材をスクラップすることなどから、インプラント105に損傷を生じ得る。例えば、ピークからピークまでの距離は、約0.0100〜0.0200インチの範囲であればよく、約0.0120〜0.01500インチの範囲であってもよい。更に、約0.050〜0.200ポンドフォースの、ガイドワイヤ515によりポリイミドインプラントなどのインプラント105に作用する保持力は、ターゲット位置内への埋め込みの前にインプラント105を操作する際ガイドワイヤ515沿いにインプラント105を保持するのに十分である。
【0041】
別途の実施形態では、ガイドワイヤ515の部材は、ステンレス鋼若しくはエルギロイを含む金属、及びペバックス、シリコン、ウレタンなどのポリマを含む、更に、部材の様々な組み合わせを含む、一つ以上の可撓性のある部材で構成され得る。或る実施形態では、ガイドワイヤ515は、例えば、挿入の間インプラント105の曲率を小さくするため、0.425インチより小さい曲率半径若しくはアークを有してもよい。切開とターゲット位置との間のアクセスが、0.425インチ以下の小さい半径によりターゲット位置内にインプラント105が導入されることを要求するような場合には、この構成は有益である。
【0042】
一方で、ガイドワイヤ515の曲率半径若しくはアークは、0.525インチより大きくてもよい。指定されたターゲット位置内へのインプラント105の最も良い挿入を提供するために、ガイドワイヤ515の様々な曲率半径若しくはアークが、デリバリシステム305内に実装されてもよい。例えば、ガイドワイヤ515の曲率半径若しくはアークは、睫毛上腔への挿入の間強膜壁に抗してインプラント105が曲げられるようなものであってもよい。更に、ガイドワイヤ515の保持機構は変動可能であり、ガイドワイヤ515の長手方向沿いに一つ以上の様々な形状及びサイズを含んでもよい。例えば、保持機構は、らせん形状、三角ピークなどを含むように構成され得る。更に、保持機構は、相互に対して直交して配置される平面内に延在する一つ以上の保持機構を含み、一つ以上の種々の平面沿いに延在し得る。
【0043】
更に、ガイドワイヤ515の長手方向沿いにいくつの保持機構が配置されてもよい。例えば、五以上若しくは十以上を含む、少なくとも二つの、保持機構が、ガイドワイヤ515の長手方向沿いに配置され得る。更に、個々の保持機構は、ガイドワイヤ515沿いの位置にインプラント105を固定する、同じ若しくは種々の異なる量の保持機構を提供し得る。或る実施形態では、保持機構間のピークからピークまでの距離はインプラント105の内径より大きくてもよく、インプラント105に損傷を与えないように0.015インチより大きい寸法であってもよい。
【0044】
デリバリシステム305の或る実施形態では、インプラント105の保持を提供するためにガイドワイヤ515を利用する代わりに、デリバリシステム305の更なる機構若しくはデバイスが、ガイドワイヤ515上へのインプラント105の必要な保持を提供するために、用いられてもよい。このことは、例えば、ガイドワイヤ515沿いに、インプラント105の内径より少なくとも大きい幅を形成するために、ガイドワイヤ515の一部上に結合される、ペバックス部材を含み得る。例えば、ペバックス部材は、ガイドワイヤに圧着され、アクチュエータ420の動作後など、インプラント105がデリバリシステム305から解放されるまで、ガイドワイヤ515に対してインプラント105を保持し得る。
【0045】
図3及び
図4に示すように、デリバリシステム305は、インプラント105の埋め込みの間若しくは埋め込み後、インプラント若しくは眼の少なくとも一つに流体を供給するように構成された、少なくとも一つの流体供給機構を含み得る。供給される流体は変動可能であり、粘弾性、薬物、幹細胞、若しくはそれらの組み合わせを含み得る。更に、供給は、網膜若しくは黄斑治療と組み合わせられてもよい。
【0046】
少なくとも一つの流体供給機構は、少なくとも一つの内腔を有する伸長チューブ370を含んでもよい。伸長チューブ370は、ハンドル310から外部へ伸展しうる。更に、伸長チューブ370は,ハンドル310を通過して伸長し得る。更に、伸長チューブ370は、ガイドワイヤ515の内腔と連絡する内腔を有してもよい。
【0047】
或る実施形態では、ガイドワイヤ515は、スロット541(
図4)などの、一つ以上のアウトレット開口部を含んでもよく、それらは、ガイドワイヤ515の遠位領域沿いなど、ガイドワイヤ515の長手方向に配置され得る。スロット541は、ガイドワイヤ515の内腔とガイドワイヤ515周りのエリアとの間の、流体連絡を可能にする。更に、アウトレット開口部若しくはスロット541は、伸長チューブ370の少なくとも内腔と流体連絡してもよい。
【0048】
或る実施形態では、伸長チューブ370は、近位端にて(ルア(Luer)接続などを介して)流体のソースに接続し得る。流体のソースは、伸長チューブ370の少なくとも一つの内腔に流体を供給し、該流体は、デリバリシステム305、インプラント105若しくは眼のうちの少なくとも一つの内部の、種々の場所に供給され得る。例えば、流体のソースにより供給される流体の一部は、伸長チューブ370を通過し、スロット541を介してガイドワイヤ515を出て眼内に供給される。
【0049】
伸長チューブ37とガイドワイヤ5150の少なくとも一つの内腔のサイズは変動し得る。或る実施形態では、伸長チューブ37とガイドワイヤ5150とのいずれかの内腔は、直径約0.001〜0.010インチの範囲内にあり、又は、直径約0.005〜0.009インチの範囲内にある。更に、内腔のサイズは、伸長チューブ37とガイドワイヤ5150とのいずれかの外径のサイズ制約に依存する。
【0050】
或る実施形態では、インプラント105の埋め込みの間若しくはその後を含めて、ガイドワイヤ515の遠位スロット541により、少なくとも流体のソースからインプラント105の遠位端にまで流体が供給され得る更に、流体のソースからの流体は、水湖を形成すべく、又は、インプラント105の少なくとも一部の周りに若しくはインプラント105の近傍にテント効果を形成すべく、インプラントの遠位端近傍のエリアに供給され得る。スロット541のサイズ及び位置は、種々の流体供給効果を形成するために、ガイドワイヤ515に沿って寸法取りされ、形状付けされ及び位置取りされ得る。例えば、少なくとも二つのスロット541は、ガイドワイヤ515の遠位端に対して対称的に構成され、このことにより、流体はインプラントの周り若しくは近傍にて対称的に供給され得る。
【0051】
一つの実施形態では、流体のソースからの流体の流率は、約1mg/秒〜10mg/秒の範囲内、若しくは、約2mg/秒〜5mg/秒の範囲内であればよい。更に、流体デリバリ機構を含む、デリバリシステム305の破裂圧力は、デリバリシステム305とインプラント105の内腔を介して流体を注入する圧力に十分耐える大きさであればよい。
【0052】
或る実施形態では、デリバリシステム305の破裂圧力は、流体が少なくともデリバリシステム305を介して流れるのに要求される圧力よりも大きければよい。例えば、破裂圧力は、約400psi〜1500psiであればよく、若しくは、約600psi〜1200psiであればよい。更に、ヒーロン(Healon)5の粘弾性流に要求される破裂圧力は、約100psi〜500psiであればよく、若しくは、約200psi〜300psiであればよい。
【0053】
或る実施形態では、流体のソースからの流体は、インプラント105の軸長沿いの一つ以上のセクションに供給され得る。例えば、(
図4に示すように)インプラント105の長手方向沿いの一つ以上のホールは、流体がガイドワイヤ515から供給され得るのに十分に大きく構成され得る。例えば、ロードされたインプラント105下方などの、ガイドワイヤ515の長手方向沿いに配置される一つ以上のスリット514により、流体は、インプラント105の長手方向沿いに少なくとも一つのホールを通過し眼の中にまで、進み得る。例えば、流体は、(インプラントが配置されている場所及びインプラントの長さに依存するが、)インプラントの長手方向沿いに一つ以上のホールから流出し、インプラント105の本体周りの睫毛上腔若しくは脈絡膜上腔内にまで流れる。インプラント105の長手方向沿いに少なくとも一つのホールを通過して流体が解放されることにより、インプラント周りに更なるスペースを形成する助けとなり、このことがテント効果を改良し得る。
【0054】
ガイドワイヤ515の軸長沿いの一つ以上のホールを通過して、一つ以上の薬物がインプラント105の内腔に供給され得る。一方で若しくは更に、ガイドワイヤ515の遠位端に若しくはその近傍に配置されるガイドワイヤ515スロット541を介して、薬物が供給され得る。該スロット541は、ガイドワイヤ515の引き戻しの前か最中かのいずれかに、流体を分配し得る。ある例では、このことは、インプラント105に対する周辺組織の繊維性反応を減少し得る。更に、流体の供給は、インプラント105を保持しない独立のコンポーネントを介して投与され得る。例えば、独立のチューブがインプラント105と並んで眼内に挿入され、該独立のチューブは薬物若しくは粘弾性物を、例えば、インプラント105の遠位端に供給し得る。
【0055】
システムは、眼内の他の位置への、流体の切り出し供給のために用いられてもよい。
図9は、例えば、睫毛上腔から網膜下腔まで延在するのに十分な長さを有するガイドワイヤ515を示す。眼の網膜下部内の流体供給は有益である。というのは、そのことにより、加齢に伴う変性(AMD)若しくは糖尿病性網膜症などの、疾病のための黄斑へ直接に薬物を供給できるからである。抗血管内皮細胞増殖因子処置などを含んで、様々な薬物が網膜下腔に供給され得る。あるいは、幹細胞治療を含む他の流体が、ガイドワイヤ515を通過して網膜下腔若しくは黄斑下腔内に供給されてもよい。これらは、緑内障、AMD、及び糖尿病性網膜症などの疾病を治療するのに用いられ得る。
【0056】
更に、流体は、眼を含む種々の解剖構造に供給されてもよい。例えば、シュレム管などの解剖構造に流体が供給されてもよい。更なる例により、ガイドワイヤ515は、切り出し処置などの、小柱網を通過し、粘弾性物質が注入され得るシュレム管内に到り得る。粘弾性物質は、数時間目の周囲を進むが、これによりシュレム管を拡張し得る。別の実施形態では、ガイドワイヤ515は、ガイドワイヤ515の先端を結膜の直下に置いて、強膜を通過して挿入され得る。続いて粘弾性物質などの流体が注入されて結膜下腔を形成し、このことによりろ過細が作成され得る。
【0057】
ニチノールから作られるものなどの、増大した剛性を有するガイドワイヤ515アセンブリは、適宜サイズ取りされて切り出しアプローチを介して供給される。ペバックス、シリコン、及びウレタンを含む可塑性ポリマも、用いられ得る。切り出し処置は患者に対して合併症の大幅な減少をもたらすものであり、結膜炎を含む、現在の切り込み処置と関連するリスクももたらす。
【0058】
眼内に眼用インプラント105を供給し埋め込む例示の方法は、デリバリシステム305上に一つ以上のインプラント105をロードし、切り出し処置によりインプラント105を埋め込むことを含む。インプラント105は、前房と睫毛上腔若しくは脈絡膜上腔との間に流体連絡を提供できるように、埋め込まれればよい。続いてインプラント105は、前房と睫毛上腔若しくは脈絡膜上腔との間に恒常的な流体連絡を提供するように、眼内に固定される。
【0059】
角膜の縁などに沿って前房にアクセスするべく、小さい角膜切開を介してインプラント105鞘510が貫通するように、ガイドワイヤ515はデリバリシステム305上に配置され得る。実施形態では、縁のレベル若しくはクリアな角膜内における縁から2mmの範囲内の何れかにおいて、切開が縁に非常に近接してよい。ガイドワイヤ515が切開を作成するのに用いられてもよく、又は、独立のカットデバイスが用いられてもよい。例えば、ナイフが先端に付いたデバイス、若しくはダイヤモンドナイフが、
当初角膜内に入るのに用いられ得る。
【0060】
角膜切開は、少なくともインプラント105の通過を許容する十分なサイズを有すればよい。一つの実施形態では、切開は約1mmのサイズであればよい。別の実施形態では、切開は約2.85mmより大きいサイズであればよい。別の実施形態では、切開は約2.85mmより大きくはないが、約1.5mmより大きければよい。
【0061】
切開を介しての挿入後、ガイドワイヤ515は、通路に沿って前房内に前進し、このことによりインプラント105はある位置に供給され得、よってインプラント105は前房から睫毛上腔に向かう流れ通路を提供し得る。ガイドワイヤ515は更に眼内に前進し、ガイドワイヤ515の鈍的遠位端及び/又はインプラント105は、虹彩基部IR、若しくは、毛様体CBの領域、又は、強膜棘を伴う組織ボーダの近傍における毛様体の虹彩基部部分によって、設置され、更にそれらを貫通する。
【0062】
ガイドワイヤ515は、配備位置と同じ前房の側から虹彩基部にアプローチし、ガイドワイヤ515が虹彩を横切って前進する必要がないものとする。一方で、ガイドワイヤ515は前房を横切ってから位置にアプローチし、ガイドワイヤ515は、虹彩及び/又は前房を横切り反対の虹彩基部に向かって前進する。ガイドワイヤ515は、様々な経路に沿って眼及び虹彩にアプローチできる。例えば、ガイドワイヤ515は、前房を介して前進するが、眼の光学軸と交差しないようにする。言い換えれば、角膜切開、及び、インプラント105が虹彩基部で埋め込まれる位置は、(眼を正面から眺めた上で四つの四分円に分けた場合の)同じ四分円内であればよい。
【0063】
図10は、前房AC、角膜C、虹彩I、及び強膜Sを示す眼の前領域の拡大図を示す。更に、
図10は、ガイドワイヤ515上にロードされて前房ACから睫毛上腔若しくは脈絡膜上腔にアプローチするインプラント105を示す。ガイドワイヤ515上に搭載されたインプラント105は、経路沿いに移動し、これにより、ガイドワイヤ515の遠位先端の切開エントリポイントは、強膜棘SSpとの接合部近くの虹彩基部IR、若しくは毛様体CBの虹彩基部部分、又は他の所望の位置に、貫通し得る。外科医は、以下に更に詳細に説明するように、ガイドワイヤ515の遠位先端のための適切なアプローチ軌跡を取得するために、デリバリシステム305のハンドル310を回転し若しくは再配置できる。
【0064】
インプラント105が配備されたガイドワイヤ515は、角膜の透明ゾーンを介して眺められ得る前房の領域から、角膜の不透明ゾーンにより覆い隠され得る前房チャンバの領域へ、前進されられ得る。虹彩基部IR、毛様体若しくは毛様体の虹彩基部部分の近傍の位置にて、抵抗が感じられデリバリデバイスが固定されるまで、ガイドワイヤ515とインプラント105は角膜Cを介して進められ得る。続いてガイドワイヤ515は更に進められ、ガイドワイヤ515及びそれにロードされたインプラント105は、強膜棘SSPと毛様体CBの間の繊維性アタッチメントのエリアを貫通し得る。この繊維性アタッチメントのエリアは約1mmの長さであればよい。ガイドワイヤ515の遠位先端が貫通し、この繊維性アタッチメントを過ぎて付勢されると、ガイドワイヤ515が強膜Sの内側曲線に追随し睫毛上腔に入り込むにつれて、ガイドワイヤ515により強膜Sは、毛様体CB場合によっては脈絡膜をより容易に剥がし、さもなければ、毛様体CB場合によっては脈絡膜からより容易に分離し得る。ガイドワイヤの先端形状、材料、材料特性、直径、柔軟性、弾性コンプライアンス、コーティング、予めの湾曲などの組み合わせにより、強膜の内壁の湾曲を映し出し強膜−毛様体間、強膜脈絡膜間などの組織の層の間にある埋め込み経路を追随することが、より容易なものとなり得る。
【0065】
ガイドワイヤ515とインプラント105の切開平面は、内側強膜壁の曲線に追随するものであり、よって、ガイドワイヤ515上に搭載されたインプラント105が強膜棘SSpと毛様体CBの間の境界を直接切開して、インプラントの遠位領域が睫毛上腔内に延在するものであってもよい。例えば、ガイドワイヤ515若しくはインプラント105のいずれかが虹彩基部若しくは毛様体の虹彩基部部分を貫通した後、ガイドワイヤ515及びインプラント105により、切開平面が形成されてもよい。一つの実施形態では、インプラント105は、脈絡膜に十分到達する若しくは十分接触する程、強膜棘SSPを過ぎて前方に延在しないように、配置されてもよい。更に、或る実施形態では、インプラント105の遠位端は、脈絡膜に到達せず、接触できない。別の実施形態では、インプラント105は、強膜棘SSPを十分に過ぎて延在し、強膜と脈絡膜(脈絡膜上腔)の組織境界の間に配置され得る。
【0066】
或る実施形態では、(長手方向沿いに)インプラントの約1〜2mmが前房ACに残る。インプラント105は、インプラント105の一部が毛様体CBの頂部に位置するように、配置され得る。インプラントは実際には脈絡膜上腔に入り込めないが、インプラント105の一端が脈絡膜上腔に向かって若しくは脈絡膜上腔内に飛び出すためのプラットフォームとして、毛様体CB作用し得る。インプラント105は、強膜Sを外部へリフト若しくは「テント張り」でき、これによりテント張りされた房がインプラント105の遠位端周りに形成される。当然ながら、組織のテント張りされた領域の実際の輪郭は実際の生体構造で異なり得る。或る実施形態では、インプラント105の遠位端は、脈絡膜に到達する程には延在しない。別の実施形態では、インプラント105の遠位端は脈絡膜に到達し脈絡膜に接触し得る。
【0067】
適切に配置されると、続いてインプラント105は、ガイドワイヤ515から解放され得る。インプラント105は、例えば、ガイドワイヤ515を引き抜くことにより解放され得、このことによりインプラント105は、前述のように、鞘510の助けによりガイドワイヤ515の先端から制御されつつ実効的に解放され得る。
【0068】
インプラント105は、その気に領域近傍にて、眼内のターゲット位置にインプラント105をアンカーする若しくは保持する助けとなる一つ以上の構造上の機構を含み得る。構造上の機構は、フランジ、突起、ウイング、歯、プロングなどを含み、それらは、インプラント105を適所に保持しインプラント105が更に脈絡膜上腔SchS内に移動するのを防ぐために、周辺眼構造内にとどまることができる。
【0069】
様々な処置を完遂するために、デリバリシステム305は任意の数のデバイス及びシステムと組み合わせて用いられ得る。例えば、デリバリシステム305は、眼の虹彩角膜角を含む、眼の一つ以上の解剖学的特徴を計測するように構成され調整された直接可視化(DV)システムと共に用いられ得る。DVシステムは、例えば、眼内に埋め込むために適切に寸法取りされたインプラントをユーザが決定できる、計測値をユーザに提供し得る。更に、計測値は、前述のインプラント105を含む、インプラントをユーザが眼内に適宜配置し埋め込む助けとなり得る。特に、デリバリシステム305は、適切に寸歩取りされたインプラントをデリバリシステム305が適宜配置し埋め込む助けとなるために、DVシステムにより取得された一つ以上の計測値を利用できる。
【0070】
図11は、伸長ハンドル14に動作自在に結合されたDVワイヤ12を有するハンドヘルドツールで構成されるDVシステムの実施形態の斜視図を示す。DVワイヤ12の少なくとも一部は、ハンドル14の遠位端19に固定されたストッパチューブ16内でスライド自在に且つ軸方向に配置され得る。ストッパチューブ16とDVワイヤ12の両方は、ハンドル14の遠位端19から外部に延在し得る。ハンドル14は、ユーザの片手で保持できるサイズ及び形状とされていてもよい。更に、ハンドル14は、DVシステム10が片手で操作され得るように構成されていてもよい。更に、ハンドル14は、人間
工学的改良及び保持の容易さのために、リッジやカットアウトなどの一つ以上のグリップ機構18を有してもよい。
【0071】
DVワイヤ12は、ハンドル14内部でスプリング30と結合してもよく、該スプリング30により、DVワイヤ12は、DVシステム10の長手軸沿いに、ハンドル14及びストッパチューブ16に対して内方及び外方に動かすことができる。スプリング30は、DVワイヤ12の遠位端に対して加える力で、DVワイヤ12を近位のハンドル14内に引っ込める助けとなる、スプリング力を提供し得る。スプリング30のばね定数は、力が加えられるとDVワイヤ12が容易に相対的に動くように、相対的に小さいものでもよい。一つの形態では、ばね定数は、DVワイヤ12の遠位先端が眼組織に抗して押されるとDVワイヤ12が引っ込み眼組織が損傷しないように、十分に小さいものであってもよい。更に、(
図13に示すように)ハンドル14内部のハンドルプラグ32は、DVワイヤ12がストッパチューブ16及びハンドル14内に引っ込むことができる距離を限定し得る、DVワイヤ12のためのハードストップを提供できる。
【0072】
或る実施形態では、ストッパチューブ16は、ハンドル14から真っ直ぐに且つハンドル14と同じ長手方向軸沿いに、延在し得る。しかしながら、或る実施形態では、ストッパチューブ16は、湾曲してもよく、様々な他の構成で延在してもよい。例えば、ストッパチューブ16は、虹彩角膜角の基部などの、眼の特定の生体構造部分により容易にアクセスできるように、湾曲していてもよい。ストッパチューブ16の遠位端は、使用時に眼組織への損傷を回避する助けとなり得る、丸い縁を有してもよい。更に、ストッパチューブ16は、任意の数の医療グレード材料を含む、ステンレス鋼、チタン、プラスチック若しくは他の等価な材料などの、種々の材料から作成されてよい。
【0073】
図12は、DVワイヤ12及びストッパチューブ16の遠位領域の拡大図を示す。DVワイヤ12は、眼組織に抗して押されるように構成され得る遠位接触先端20を有してもよい。接触先端20は、眼組織に抗して押されたとき接触先端20による組織損傷を無くす若しくは減少させるように、丸められ若しくは鈍くされていてもよい。更に、一つ以上のインジケータ若しくはマーク22が、DVワイヤ12の長手沿いに配置されていてもよい。或る実施形態では、一つ以上のインジケータ22が、DVワイヤ12若しくはストッパチューブ16のいずれかの長手に沿って、配置されていてもよい。インジケータ22は、ユーザが眼の一つ以上の解剖学的特徴の計測値を獲得する助けとなり得る。例えば、DVワイヤ12の遠位端は、ユーザが虹彩角膜角の深さを判別できるように、眼の虹彩角膜角の基部に抗して配置されてもよい。
【0074】
インジケータ22は、計測の標準形式、即ち、ミリメートル、1インチの分数などに対応するように、DVワイヤ12沿いに構成され得る。そのような実施形態では、眼の特別の解剖学的特徴を含む、特定の計測値を取得するように、DVワイヤ12を利用し得る。或る実施形態では、インジケータ22は計測の標準形式と関連が無く、DVワイヤ12沿いの単なる参照ポイントでしかない。いずれかの実施形態では、ユーザは眼内にDVワイヤ12を配置して、眼内の種々の解剖学的特徴に対する参照ポイントとしてインジケータ22のどれでも使用し得る。以下でより詳細に説明するように、参照インジケータ22は、眼のための適切に寸法取りされたインプラントを決定することを含む、後続の処置をユーザが行う助けとなり、更に、デリバリシステム305によることを含む、眼内へインプラントを
正確に挿入する助けとなり得る。
【0075】
DVワイヤ12は、任意の数の医療グレード材料を含む、ステンレス鋼、チタン、プラスチック若しくは他の等価な材料などの、種々の材料から作成されてよい。更に、DVワイヤ12は、以下で説明する計測機構などの、一つ以上の部品を、接触先端20の範囲内を含むDVワイヤ12の範囲内で保持し得るように、少なくとも部分的に、管状若しくは中空であってもよい。
【0076】
接触先端20は、眼組織に外傷を与えないように、及び/又は、予想外の毛様体乖離を生じないように、十分な表面エリアを提供するように構成され得る。DVワイヤ12がストッパチューブ16から伸長するとき、インジケータ22は角膜を介して医者に視覚可能である。更に、インジケータ22は視覚可能であり、このことにより、虹彩角膜角の深さを判別するためにゴニオレンズは必要とされない。更に、DVシステム10は、処置を行うのにゴニオレンズが必要とされないように、十分な計測を行うことができる。ゴニオレンズが処置を行う必要を取り除くことにより、処置時間及び効率性の両方が向上し得る。
【0077】
眼内に挿入される間にユーザが見えるインジケータ22を提供するために、DVワイヤ12は、スタンプされても、化学的にエッチングされても、又は、任意のパターン技術でマークされても、いずれでもよい。インジケータ22は、種々の度合いの暗さ、コントラスト、サイズ、形状及び色彩と共に、付番及びパターン機構の組み合わせを示し得る。
【0078】
或る実施形態では、接触先端20は、接触先端20が眼組織と接触するとき更なる減衰を与え得るループ24を含み得る。更に、接触先端20は、減衰効果を与えるために、柔らかい若しくは柔軟性のある材料などの、ループ24が変形し得る材料で作成されてもよい。ループ24は、DVワイヤ12の残りの部分と同じ材料で作成されても、異なる材料で作成されてもよく、又は、ループ24は、柔軟性のある若しくは柔らかい材料などの材料でコートされてもよい。
【0079】
或る実施形態では、接触先端20若しくはループ24の変形は、接触先端20若しくはループ24などのDVワイヤ12の遠位端が組織と接触しているという視覚上の合図をユーザに与える助けとなり得る。例えば、接触先端20は、小さい力での動きの視覚的識別を可能にする、スパイラルカットや任意の数の種々のループパターンを有する、一つ以上の機構を含んでもよい。更に、ループ24の変形は、ループ24が組織に接触している際などにユーザに視覚上の合図を与え得る変形可能素子として作用し得る。
【0080】
形状は変動し得るが、DVワイヤ12の断面は矩形であってもよい。例えば、DVワイヤ12は、DVワイヤ12の長手方向に沿って、円形、楕円形、又は任意の一つ以上の種々の断面のいずれを有してもよい。更に、DVワイヤ12の縁は、組織への損傷を回避するために、円滑な且つ鋭利な縁が無いものであればよい。DVワイヤ12の近位端は、適所にスプリング30を保持するリッジ、及び、スプリング30が近位端からスライドして離れるのを防ぐハードストップを有し得る。
【0081】
図13は、ハンドル14の遠位端19を含む、DVシステム10の一部の断面図を示す。DVシステム10のDVワイヤ12は、近位端にてスプリング30に結合してよく、該スプリング30は、ハンドル14に対してDVワイヤ12を遠位の外方向に向かって伏せ付勢し得る。更に、スプリング30は、DVワイヤ12の近位方向の(即ち、ハンドル14内への)動きに抗するものであり、DVワイヤを遠位方向へ(即ち、ハンドル14外へ)付勢し得る。
【0082】
スプリング30は、低力ばね(即ち、0.001〜0.100ニュートンの範囲のばね定数)であればよい。スプリング30は、ニチノール、ステンレス鋼、チタン、プラスチック、若しくは他の等価の材料で形成されてよく、歪み誘起変形を示すのがよい。更に、スプリング30は、テンションスプリング、圧縮スプリング、トーションスプリング、リーフスプリング、ベルビルワッシャ、一定力スプリング、若しくはウレタンスプリングのうちの、少なくとも一つであってもよい。より高い感度のための超低力スプリング(即ち、0.001ニュートン以下のもの)でも、房水の摩擦粘性力を克服するためのより高力のスプリングでもよい。
【0083】
意図する利用法(即ち、使い捨てや再利用可能など)に基づいて、一つ以上の機構がDVシステム10に加えられてもよいし除去されてもよい。例えば、DVシステム10の安定化及び再利用を可能にするために、ハンドル14及びハンドルプラグ32を通過する一つ以上のホールがシステム内に含まれてもよい。DVシステム10の特別の若しくは改良された利用のために、他の機構が実装されてもよい。
【0084】
図14は、眼内に挿入されるDVシステム10の遠位領域の一部の例を示す。DVシステム10は、角膜の切開若しくは角膜縁の切開を介して眼の前房115内に挿入され得、このことにより、DVワイヤ12は、強膜棘124の下であり虹彩122の上であるなどの、虹彩角膜角の基部に向かって(切り出しアプローチに従って)前房15に亘り通過し得る。接触先端20などの、DVワイヤ12の遠位端が、
図14の例に示すように、眼組織に抗して圧される。
【0085】
DVワイヤ12は眼組織に対して力を与えることができ、一方で、ハンドル14及びストッパチューブ16は継続して眼の方向に進む。スプリング30により、DVワイヤ12の近位端はハンドルプラグ32に向かって移動し、一方でハンドル14及びストッパチューブ16は継続して眼の方向に移動する。或る実施形態では、DVワイヤ12は、DVワイヤ12の近位端がハンドルプラグ32に隣接するまで、ハンドル14内に後退し続ける。ストッパチューブ16及びハンドル14内へのDVワイヤ12の後退は、DVワイヤ12の接触先端20が適切に配置され、よって、DVワイヤ12の遠位端が虹彩角膜角の基部に抗して配置されていることを、ユーザに示し得る。このことは、DVワイヤ12を眼内に適切に配置しようとするときにユーザが必要以上の力を加えることを回避することで、眼組織への損傷を少なくとも最小限にする助けとなる。
【0086】
DVワイヤ12が適切に配置されていることに医師が気づくと、続いて医師は眼の虹彩角膜角などについて適切な計測を行う。例えば、眼に関する一つ以上の解剖学的特徴に対する、DVワイヤ12沿いのインジケータ22を参照して、計測は行われ得る。計測が行われた後、続いて医師は、DVシステム10の遠位端を眼から後退させてもよい。前述のデリバリシステム305などを用いての、眼内インプラントの挿入などを含む、任意の数の処置が、DVシステム10の除去に続いてもよい。
【0087】
図15は、DVワイヤ12を含む、DVシステムの遠位端20を示し、インプラントデリバリアプライヤ30の遠位端に沿って整列されている。インプラントデリバリアプライヤ30は伸長ボディ32を有し、アダプテーション機構34が伸長ボディ32の遠位端36に設けられている。アダプテーション機構34は、
図15に示すように、インプラントデリバリアプライヤ30の遠位端36に、一つ以上の眼内インプラント50を適合するように構成され得る。インプラントデリバリアプライヤ30のボディ32は、更に
図15に示すようにDVワイヤ12沿いのインジケータ22と調和する、インジケータ若しくはマークを含み得る。インプラントデリバリアプライヤ30とDVワイヤ12とに沿う対応するインジケータにより、眼の解剖学的特徴に対するDVワイヤ12の計測及び配置は、後でより詳細に説明するように、インプラントデリバリアプライヤ30により容易に複製され得る。
【0088】
更に、前述のデリバリシステム305はインプラントデリバリアプライヤ30の一つ以上の機構を含み得、このことにより、デリバリシステム305が本明細書に記載するインプラントデリバリアプライヤ30と同様に用いられ得る。例えば、デリバリシステム305は、DVワイヤ12沿いの一つ以上のインジケータ22と調和する一つ以上のインジケータを含み得る。しかしながら、本明細書に開示され若しくは示唆されたインプラントデリバリアプライヤ30に関する任意の機能若しくは機構は、デリバリシステム305内に含まれてもよい。同様に、本明細書に開示され若しくは示唆されたデリバリシステム305に関する任意の機能若しくは機構は、インプラントデリバリアプライヤ30内に含まれてもよい。
【0089】
図16〜
図19は、眼内にインプラントを適宜挿入するための、夫々、対応するマーク38、22を有する、DVシステム10のインプラントデリバリアプライヤ30及びDVワイヤ12の利用の例示方法を示す。図示される方法は、例えば、少なくとも、眼の一つ以上の計測値を獲得し、適切な寸法のインプラントを判別し、前述のインプラント105などの適切な寸法のインプラントを眼内に埋め込むのに、用いられ得る。更に、この方法は、処置の時間及び実効性を改良し得るゴニオレンズを利用すること無く、完了され得る。
【0090】
図16に示すように、ユーザは先ず、角膜の切開若しくは角膜縁の切開を介してDVワイヤ12の遠位端を挿入し、(切り出しアプローチに従って)眼の前房に亘ってDVワイヤ12の遠位端を進める。粘弾性物質若しくは平衡塩類溶液が、眼の前房を維持し虹彩角膜角の一部を含むスペースを空けるのに、用いられてもよい。切開は長さ約0.08mm〜2.0mmであればよく、DVワイヤ12若しくは独立の器具のいずれによって形成されてもよい。更に、切開は長さ約1.2mm〜1.7mmであればよい。
【0091】
虹彩角膜角の深さを計測するために、ユーザはDVシステム10を進めて、強膜棘124と虹彩122との間など、眼組織に抗してDVワイヤ12の遠位端を配置してもよい。DVワイヤ12のスプリング30ロード機構は、DVワイヤ12の、ループ若しくは接触先端20などの、遠位端が、いつ眼組織に接触するかユーザが判別する助けとなり得る。例えば、ユーザが、ストッパチューブ16がDVワイヤ12を亘って移動するのを観察し始めるまで、ユーザは継続してDVシステム10を進めることができる。DVワイヤ12に対するストッパチューブ16の動きは、DVワイヤ12の遠位端が眼内部の眼組織に抗して配置されていることを警告することができる。
【0092】
DVワイヤ12の遠位端が、膜棘124と虹彩122との間などの、眼の虹彩角膜角の基部に抗して配置されているとユーザが判別すると、ユーザは、DVワイヤ12を用いて眼の計測値を得ることができる。例えば、ユーザは、DVワイヤ12沿いのインジケータ22を用いて、眼の虹彩角膜角の深さを含む、眼の或る解剖学的特徴の計測値を取得できる。
図17に示すように、DVワイヤ12の遠位端が虹彩角膜角の基部に抗して配置されたときにどのインジケータ22が眼の一つ以上の解剖学的特徴と合致するかを観察するために、ユーザは、概略垂直視線40に沿ってDVワイヤ12を眺めることができる。例えば、ユーザは、垂直視線40に沿ってDVワイヤ12を眺めて、どのインジケータ22が、例えば、虹彩122の内側縁と合致するかを観察することができる。DVワイヤ12沿いにインジケータ22を用いて任意の数の解剖学的特徴を計測しても、本発明の範囲から乖離するものでは無い。
【0093】
更に、ユーザが、どのインジケータ22が眼の或る解剖学的特徴と合致するかを判別することの、助けとなるために、ストッパチューブ16などの、DVシステム10の機構を、ユーザは進めることができる。
図17は、虹彩角膜角の深さを計測すべく虹彩角膜角の基部に抗してDVワイヤ12の遠位端を配置した際、どのインジケータ22若しくはDVワイヤ12の部分が虹彩122の内側縁と合致するかをユーザが判別する助けとなるのに用いられる、ストッパチューブ16の例を示す。前述のように、眼の虹彩角膜角内部の眼組織に抗してDVワイヤ12の遠位端を配置した後、継続してDVシステム10を進めることのみにより、ストッパチューブ16はDVワイヤ12に亘って進められ得る。
【0094】
ユーザが適切な計測値を取得すると、ユーザは、眼からDVワイヤ12を除去し得る。インプラントデリバリアプライヤ30、若しくはデリバリシステム305に結合されたインプラント50は、続いて眼内に挿入され得る。DVワイヤ12を挿入するのに用いられたのと同じ切開は、インプラントデリバリアプライヤ30及びインプラント50を挿入するのに用いられ得る。更に、インプラント50は、同じ若しくは類似の軌跡に沿って眼を亘って進められ得、このことにより、インプラント50の遠位端は、計測を行う間にDVワイヤ12の遠位端が従前接触していた、強膜棘124と虹彩122との間の眼組織と概略同じエリアに、接触する。
【0095】
図18及び
図19に示すように、インプラントデリバリアプライヤ30は、インプラント50が睫毛上腔若しくは脈絡膜上腔内に挿入され得るように、進められ得る。ユーザは、インプラントデリバリアプライヤ30沿いの一つ以上のインジケータ38が眼の一つ以上の解剖学的特徴と合致するまで、睫毛上腔若しくは脈絡膜上腔内へ、インプラント50を継続して進め得る。特に、DVワイヤ12の遠位端が虹彩角膜角の基部と接触した際にDVワイヤ12沿いのインジケータが合致したのと同様に(例えば、
図17、
図19参照)、インプラントデリバリアプライヤ30沿いの同じインジケータ38が虹彩122と合致するまで、ユーザはインプラントデリバリアプライヤ30を進めることができる。
【0096】
図19に示すように、DVワイヤ12の遠位端が虹彩角膜角の基部に接触したときなどに、特定の解剖学的特徴と従前合致した、DVワイヤ12沿いのインジケータ22に対応する、インプラントデリバリアプライヤ30沿いのインジケータ38と、眼の同じ特定の解剖学的特徴が合致するのを、ユーザが観察するまで、ユーザはインプラントデリバリアプライヤ30を進めることができる。インプラントデリバリアプライヤ30上のこの対応するインジケータ38が、眼の特定の解剖学的特徴と合致すると、恒久的な埋め込みのためにインプラント50を適切に位置づけることを、ユーザは決定できる。例えば、恒久的な埋め込みのために眼内に適切に位置づけることは、眼への不快感や苛立ちを生じること無しに、インプラントが、前房と、睫毛上腔若しくは脈絡膜上腔との間の、流体連絡を提供するように、インプラントを位置づけることを含む。従って、ユーザがインプラントデリバリアプライヤ30沿いの適切なインジケータ38を特定の解剖学的特徴と合致させると、続いてユーザはインプラントデリバリアプライヤ30からインプラント50を解放して、インプラントデリバリアプライヤ30を眼から除去することができる。
図20に示すように、続いてインプラント50は埋め込み位置に恒久的に若しくは所望の期間、残余できる。
【0097】
DVワイヤはインプラントデリバリアプライヤと合致し、このことにより、インプラント50がインプラントデリバリアプライヤ30に結合されたときDVワイヤの遠位端がインプラント50のヘッドの長手沿いの位置と合致し得る。インプラントデリバリアプライヤ30に結合するインプラント50のヘッドに対する、DVワイヤ12の遠位端の合致は、インプラント50がその恒久的な埋め込み位置に在るときの眼の前房に対するヘッドの所望の配置に依存して、変動し得る。例えば、
図20の例により示されるように、インプラント50のヘッドの少なくとも一部を眼の前房内に延在させることが有益である。このことは、インプラント50が前房と、睫毛上腔若しくは脈絡膜上腔との間の流体経路を提供することを保証する助けとなり得る。
【0098】
図21A〜
図21Bは、インプラントデリバリアプライヤ30と結合する若しくは含む、フィードバックメカニズム52の実施形態を示す。フィードバックメカニズム52は、鞘54を含み、該鞘54は近位端にてスプリング56に結合する。この実施形態にて、スプリングがロードされた鞘54は、深さを示すのに、又は、或るランドマークにいつ到達したかを認識するのに、用いられ得る。例えば、鞘54の遠位端が、インプラントデリバリアプライヤ30に付属するインプラント50を超えた距離に伸びるように、鞘54は配置され得る。眼内にインプラント50を埋め込むに当たり、インプラント50が眼内の所与の深さに埋め込まれると鞘54は近位方向に押され、即ち、後退し得る。鞘54の後退は、ユーザに対して、鞘54が眼組織などの硬い停止部をヒットしたこと、及び、インプラント50が適切に埋め込まれたことを示し得る。適切なインプラントの位置付けが決定されると、続いてインプラント50は恒久的な埋め込みのために解放され得る。
【0099】
更に、フィードバックメカニズム52は、インプラント50の近位端が、埋め込み状態にある眼の前房と直接連絡するように、インプラント50をユーザが配置する助けとなり得る。このことは、インプラント50が眼の前房から睫毛上腔若しくは脈絡膜上腔などの眼の別の部位へ流体経路を提供し得、更に眼内の流体流を改善し得ることを保証し得る。
【0100】
更に、DVシステム10は、種々の外科的処置のために利用され得る。例えば、DVシステムは、小柱網やシュレム管などの、種々の解剖学的構造に関する、正確な配置や計測値の取得に用いられ得る。DVシステム10により取得される種々の計測値は、少なくとも小柱網やシュレム管を含む、一つ以上の解剖学的構造内へインプラントを正確に配置するために用いられ得る。
【0101】
更に、或る実施形態では、DVワイヤ12の遠位端などの、DVシステム10の遠位端は、眼内の一つ以上の計測値若しくは距離を判別するための、非接触計測機構を含み得る。例えば、DVワイヤ12の遠位端は、超音波、赤外線、光コヒーレンストモグラフィなどを含み得る、一つ以上の計測機構を含み得る。或る実施形態では、計測機構は、遠位端などの、DVワイヤ12の一部に対する眼の解剖学的特徴の相対距離を計測する助けとなり得る。更に、DVワイヤ12は、圧力及び温度センサなどの、ユーザに
情報を提供する助けとなり得る種々の他の機構を含み得る。
【0102】
或る実施形態では、DVシステム10の計測機構などにより、DVシステム10により計測される一つ以上のパラメータをユーザに示し得るディスプレイを、ハンドルが含んでもよい。ディスプレイ上に表示される情報は、例えば、DVワイヤ12の遠位端と解剖学的特徴との間で計測される距離、解剖学的特徴の計測値、組織に抗してDVワイヤ12の遠位端により発揮される圧力、眼内の圧力、若しくは温度のうちの、少なくとも一つ以上を含み得る。
【0103】
少なくとも一部の眼インプラントは小さく、ミリメートルのオーダの長さや幅などを有するものであり、従って、ユーザがインプラントを操作することは困難である。特に、ユーザが、ロードのためにインプラントを準備し、更に、前述のインプラントデリバリアプライヤ30やデリバリシステム305などのデリバリデバイス上にインプラントをロードすることは、困難である。従って、デリバリデバイス上にロードするに先立ち、本明細書に開示のインプラント105及び50を含むインプラントを、保護する助けとなり得るデバイスを有することは有益である。更に、デリバリデバイス上にインプラントをロードする助けとなり得るデバイスを有することは有益である。更に、インプラントを損傷すること無くデリバリデバイス上にインプラントを適切にロードすることを保証する助けとなり得るデバイスを有することは有益である。
【0104】
本開示は、格納の間、及びデリバリデバイス上へインプラントをロードする間を含んで、インプラントを保護する助けとなり得るペンキャップインプラントローダを含む。更に、ペンキャップインプラントローダは、デリバリデバイス上にインプラントをロードして、インプラントを損傷すること無くデリバリデバイス上にインプラントを適切にロードすることを保証する助けとなり得る。従って、本明細書に開示されるペンキャップインプラントローダの実施形態は、手術時間を改善し、外科処置を合理化し、更に、少なくともインプラントロードに関する要素を最小限にし得る。
【0105】
図22及び
図23は、インプラントハウジング202及びデリバリデバイスアダプタ204を含むペンキャップインプラントローダ200の実施形態を示す。インプラントハウジング202は、デリバリデバイス上へのインプラントのロードに先立ち、若しくはロードの間の、少なくともいずれかにてインプラントを収容するように構成され得る。更に、インプラントハウジング202は、本明細書に開示するインプラント105及び50を含む、種々の一つ以上のインプラントを収容するように構成され得る。
【0106】
デリバリデバイスアダプタ204は、前述のインプラントデリバリアプライヤ30及びデリバリシステム305を含む、任意の数のインプラントデリバリデバイスに適合するように構成され得る。或る実施形態では、デリバリデバイスアダプタ204は、ペンキャップインプラントローダ200に相対する位置にデリバリデバイスを握持し固定し得る保持機構208を有し得る保持アーム206のペアを、含み得る。例えば、保持アーム206及び保持機構208は、ペンキャップインプラントローダ200に対してデリバリデバイスを保持し得、このことにより、デリバリデバイスは、デリバリデバイス上に、インプラントハウジング202内に含まれるインプラントを、実効的に且つ効率よくロードできる。更に、保持アーム206及び保持機構208はデリバリデバイスを固定し得、このことにより、デリバリデバイスのインプラントロード機構はインプラントハウジング202と合致し、ガイドワイヤなどのインプラントロード機構はインプラントに損傷を与えること無く正確にインプラントをロードできることになる。
【0107】
或る実施形態では、デリバリデバイスアダプタ204は、
図22に示すように、少なくとも一つの、スプリングがロードされた保持アーム206を含み得る。スプリングがロードされた保持アーム206により、ユーザは、デリバリデバイスをペンキャップインプラントローダ200と結合したり分断したりするべく、保持アーム20を搾ることになる。更に、保持機構208は、ペンキャップインプラントローダ200とデリバリデバイスとの間の結合を固定するために、デリバリデバイスに沿う機構と固く結合することになる。
【0108】
保持アーム206は、デリバリデバイスを結合し更に分断するために保持アーム206にスプリングロードを与える部材を含む、種々の部材から作成され得る。しかしながら、保持アーム206は、一つ以上の種々の部材から作成され得る。更に、保持アーム206は、ハンドルの長手沿いのリッジを含む、一つ以上のグリップ機構222を含み得る。グリップ機構222は、
ユーザがペンキャップインプラントローダ200を握持し操作する助けとなり得る。
【0109】
或る実施形態では、ペンキャップインプラントローダ200は、デリバリデバイスの遠位端がペンキャップインプラントローダ200内に押し込まれることなど無くペンキャップインプラントローダと結合し得る助けとなり得るレリーフ220を、含み得る。更に、レリーフ220は、保持アーム206を更に動かすことなどにより保持アーム206がデリバリデバイスと結合し更に分断できる助けとなり得る。
【0110】
ペンキャップインプラントローダ200は、ステンレス鋼、チタン、プラスチック、又は、任意の医療グレード若しくは類似の部材を含む、任意の数の種々の部材から作成され得る。更に、ペンキャップインプラントローダ200は、ペンキャップインプラントローダ200の少なくとも一部を通過して延在する通路210を含み得る。通路210によって、インプラントはインプラントハウジング202内にロードでき、加えて、デリバリデバイスのガイドワイヤ若しくは他のコンポーネントはペンキャップインプラントローダ200内に進むことができ、よって、インプラントをデリバリデバイス上にロードできる。
【0111】
或る実施形態では、通路210は、一つ以上の内径を含み得る。例えば、通路の遠位セグメント212は、通路210の長手沿いに最小の直径を有してよく、この最小の直径は、ガイドワイヤを通すように寸法取りされ形状取りされてもよい。更に、インプラントハウジング202は、通路210の中間の第2のセグメントを含んでよく、この中間の第2のセグメントは、インプラント及びガイドワイヤを挿入させるように寸法取りされ形状取りされてもよい。しかしながら、遠位セグメント212は、ガイドワイヤのみを通させインプラントを通すのを妨げるように、寸法取りされ形状取りされるのがよい。このことは、インプラントがインプラントハウジング202内部に適切に包含されインプラントハウジング202よりも遠位に動くことがない、ということを保証し得る。
【0112】
更に、通路210は、少なくともインプラントとガイドワイヤを通過させるために、遠位セグメント212若しくはインプラントハウジング202のいずれかよりも大きい径を有し得る近位の第3のセグメント214を含んでもよい。第3のセグメント214は、デリバリデバイスの遠位部が少なくともある距離を第3のセグメント214内に挿入し得るように寸法取りされ形状付けされてもよい。例えば、第3のセグメント214により、インプラントデリバリアプライヤ30のストッパチューブ510の少なくとも一部がある距離を第3のセグメント214内に挿入し得てもよい。
【0113】
以下に説明するように、ペンキャップインプラントローダ200の或る実施形態は、ペンキャップインプラントローダ200及びデリバリデバイスの格納の間などに、インプラントデリバリアプライヤ30などのデリバリデバイスと結合するように構成され得る。従って、デリバリデバイスが、拡張期間、ペンキャップインプラントローダ200に開放自在に結合し得るように、通路の少なくとも一つのセグメントは、デリバリデバイスの少なくとも一部がペンキャップインプラントローダ200に結合し得るように構成されてもよい。
【0114】
ペンキャップインプラントローダ200の利用の例の方法は、インプラントハウジング202内に含まれる少なくとも一つのインプラントを有するペンキャップインプラントローダ200をデリバリデバイスに結合するステップを、含む。ペンキャップインプラントローダ200をデリバリデバイスに結合した構成はパッケージ化され、ユーザによる後の利用のために格納される。利用の際には、ユーザは、パッケージからペンキャップインプラントローダ200及びデリバリデバイスを結合した構成を外し、デリバリデバイスからペンキャップインプラントローダ200を離すようにしてもよい。離す際には、デリバリデバイスは、眼内への埋め込みのためにデリバリデバイス上にロードされた、インプラントハウジング内部に含まれていた、少なくとも一つのインプラントを含んでもよい。
【0115】
或る実施形態では、デリバリデバイスからペンキャップインプラントハウジング200を離すに先立ち、ユーザは、ガイドワイヤなどの、インプラントデリバリ機構をインプラントハウジング202内に伸展させ、少なくとも一つのインプラントをインプラントデリバリ機構上にロードさせてもよい。インプラントデリバリ機構がインプラントハウジング内に十分に進み、このことにより、インプラントがインプラントデリバリ機構上にロードされると、ペンキャップインプラントローダ200はデリバリデバイスから離され得る。
【0116】
或る実施形態では、ペンキャップインプラントローダ200は一つ以上のインプラントがロードされ、利用に先立ち、デリバリデバイスに結合されること無く、格納されてもよい。従って、利用時には、ユーザは、ペンキャップインプラントローダ200内に含まれる少なくとも一つのインプラントをデリバリデバイス上にロードするために、ペンキャップインプラントローダ200をデリバリデバイスに、手作業で結合してもよい。
【0117】
図24及び
図25は、インプラントハウジング202とデリバリデバイスアダプタ204を含む、ペンキャップインプラントローダ300の別の実施形態を示す。ペンキャップインプラントローダ300は、遠位の第1のセグメント212と近位の第3のセグメント214を含む、ペンキャップインプラントローダ200に関して前述したのと同じ機構の、一つ若しくはそれ以上を含み得る。更に、デリバリデバイスアダプタ204は、前述の保持アーム206と同じ機能を提供するねじり保持機構230を含む。
【0118】
ねじり保持機構230は、ペンキャップインプラントローダ300をデリバリデバイスに結合する助けとなり得る、少なくとも一つの保持ピン機構232を含んでもよい。或る実施形態では、デリバリデバイスからペンキャップインプラントローダ300を離すために、ユーザは、
図24及び
図25に示す矢印234の方向などにペンキャップインプラントローダ300をねじればよい。ペンキャップインプラントローダ300をねじると、保持ピン機構232は、ペンキャップインプラントローダ300とデリバリデバイスの間の結合をねじり保持機構が解放する助けとなり得る。
【0119】
或る実施形態では、ペンキャップインプラントローダ200及び300は、デリバリデバイスへのペンキャップインプラントローダの再キャップを、防ぐ又は許容する何れかの機構を含んでもよい。更に、ペンキャップインプラントローダ200及び300は、ロードの間インプラントを近位にバイアスし更に正確な位置にバイアスし得るばね機構を含んでもよい。
【0120】
この明細書は多数の具体例を含むが、これらは、請求項に記載される、若しくは請求項に記載され得ることに関する発明の範囲の限定として構成されるべきものではなく、特定の実施形態に固有の特徴の記載として構成されるべきものである。独立の実施形態として本明細書に記載した特徴は、単体の実施形態の組み合わせに実装され得る。その逆に、単体の実施形態として記載した種々の特徴は、複数の実施形態で独立して、若しくは、任意の適切な下位の組み合わせとして、実装され得る。更に、特徴は、或る実施形態で作用するものとして更にはそのように当初請求項に記載するものとして、上記のように記載し得るが、ある場合には請求項の組み合わせにおける一つ以上の特徴が、その組み合わせから削除されてもよく、請求項の組み合わせが下位の組み合わせや下位の組み合わせの変形に向けられてもよい。同様に、動作は図面において特定の順序で記述されているが、このことは、記述の特定の順序で若しくは順次の順番でそれら動作が実行されること、又は、例示の動作の全ては所望の結果を達成するために実行されることを、要求するものとして理解されるべきではない。少数の例示及び実装が開示されているに過ぎない。記載した実施例及び実装に対する、変形、修正、及び拡張、並びに、他の実装は、開示内容に基づいて、為されうるものである。