特許第6339079号(P6339079)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6339079点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6339079
(24)【登録日】2018年5月18日
(45)【発行日】2018年6月6日
(54)【発明の名称】点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステム
(51)【国際特許分類】
   G16H 10/00 20180101AFI20180528BHJP
   A61M 5/142 20060101ALI20180528BHJP
【FI】
   G06Q50/24
   A61M5/142 530
【請求項の数】15
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2015-531238(P2015-531238)
(86)(22)【出願日】2013年9月6日
(65)【公表番号】特表2015-534166(P2015-534166A)
(43)【公表日】2015年11月26日
(86)【国際出願番号】US2013058532
(87)【国際公開番号】WO2014039835
(87)【国際公開日】20140313
【審査請求日】2016年8月22日
(31)【優先権主張番号】61/697,648
(32)【優先日】2012年9月6日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591013229
【氏名又は名称】バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BAXTER INTERNATIONAL INCORP0RATED
(73)【特許権者】
【識別番号】501453189
【氏名又は名称】バクスター・ヘルスケヤー・ソシエテ・アノニム
【氏名又は名称原語表記】Baxter Healthcare S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ドゥダール,トーマス エドワード
(72)【発明者】
【氏名】ジェプソン,スティーブン クラレンス
【審査官】 加舎 理紅子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−284855(JP,A)
【文献】 特開2001−333979(JP,A)
【文献】 特開平09−218887(JP,A)
【文献】 特開2006−309300(JP,A)
【文献】 特開2003−271732(JP,A)
【文献】 特開2009−273502(JP,A)
【文献】 特開2006−092247(JP,A)
【文献】 特開2011−048443(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00 − 80/00
A61M 5/142
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者情報ソフトウエアシステム(10)であって、
少なくとも点滴マッピング命令を保存するメモリー(14)と、
前記点滴マッピング命令を実行することによって、患者に関する電子医療記録(30、32、34)の少なくとも一部分を表示する表示機能、前記電子医療記録を受信し、前記患者に投与される全ての静注薬剤を示して各薬剤に対する薬剤投与ルートをさらに図示する点滴マップ(38)を生成する図式化機能、ユーザーに点滴マップ(38)の変更を許可する指示実施機能、及び変更された点滴マップに対応する前記電子医療記録に注記する記録更新機能を含む処理を実行するプロセッサー(16)と、を具備し、
前記指示実施機能は、
前記点滴マップ(38)を変更する新たな指示に対する指示情報(32)を受信し、
前記新たな指示情報(32)の前記点滴マップ(38)との適合性を決定し、
前記新たな指示情報(32)で指定されたように前記点滴マップ(38)を更新する機能をさらに含み、
前記更新は、
コード読取機(18)からバーコード情報を受信し、
どの器具がスキャンされたかを決定するために前記受信したバーコード情報を器具データベースと比較し、
前記スキャンされた器具を含むように前記点滴マップ(38)を更新することを特徴とする患者情報ソフトウエアシステム。
【請求項2】
前記点滴マップ(38)は、患者の静脈内に投与される薬剤のリストを模式的に表現し、投与される各薬剤に対して、少なくとも前記薬剤が患者の身体に入るカテーテル・ポート及び前記薬剤を前記カテーテル・ポートに接続する配管の指示を保存することを特徴とする請求項1に記載の患者情報ソフトウエアシステム。
【請求項3】
前記適合性の決定は、
前記受信した指示情報(32)を前記患者に関する電子医療記録に保存された患者のアレルギー情報と比較し、
前記受信した指示情報と前記点滴マップ(38)との間に何らかの物理的配合禁忌がないか否かを決定し、
前記受信した指示情報(32)中に質量流量バランスエラーがないかをチェックすることを特徴とする請求項に記載の患者情報ソフトウエアシステム。
【請求項4】
前記更新は、前記受信した指示情報(32)に基づいて、前記点滴マップ(38)に対する1つ以上の変更を自動的に生成することを特徴とする請求項に記載の患者情報ソフトウエアシステム。
【請求項5】
前記更新は、
前記新たな指示情報(32)と共に使用される1つ以上の構成要素のリスト(74、76、78)を生成し、
ユーザーに前記1つ以上の構成要素のリスト(74、76、78)を提示し、
前記1つ以上のリストアップされた構成要素の中からユーザーが選択した構成要素を受信し、
前記選択された構成要素を含むように前記点滴マップ(38)を更新することを特徴とする請求項に記載の患者情報ソフトウエアシステム。
【請求項6】
点滴マッピング方法であって、
患者情報ソフトウエアシステムが、
患者に関する電子医療記録(30、32、34)の少なくとも一部分を検索して表示するステップと、
前記検索された電子医療記録に基づいて前記患者に投与される全ての静注薬剤を模式的に表示して模式図により各薬剤に対する投与ルートを図示する点滴マップ(38)を生成するステップと、
前記点滴マップ(38)を変更する新たな指示情報(32)を受信するステップと、
変更された点滴マップに対応する前記電子医療記録を更新するステップと、を有し、
前記点滴マップ(38)は、投与される各薬剤に対して、少なくとも前記薬剤が患者の身体に入るカテーテル・ポート及び前記薬剤を前記カテーテル・ポートに接続するよう関連付けられた器具に関する情報を保存し、
前記更新するステップは、
各器具別に識別コードを付与して複数の器具を保存するデータベースを維持するステップと、
コード読取機(18)から入力データを受信するステップと、
前記受信したデータを前記データベースに保存された複数の識別コードと比較するステップと、
前記受信したデータと前記識別コードとのマッチングに基づいて1つの器具を選択するステップと、
前記選択された器具を前記点滴マップ(38)に付加するステップと、を含むことを特徴とする点滴マッピング方法。
【請求項7】
前記患者情報ソフトウエアシステムが、
前記受信した新たな指示情報(32)の前記点滴マップ(38)との適合性をチェックするステップをさらに含み、
前記受信した新たな指示情報(32)と前記点滴マップ(38)との間に適合性の問題が存在しないと決定された場合に前記更新が実行されることを特徴とする請求項に記載の点滴マッピング方法。
【請求項8】
前記新たな指示情報(32)は、前記患者に投与される薬剤を特定する新たな指示情報及び前記薬剤を前記患者に接続するための器具を含み、
前記更新するステップは、前記受信した新たな指示情報に基づいて前記点滴マップに器具を付加するステップを含むことを特徴とする請求項に記載の点滴マッピング方法。
【請求項9】
前記新たな指示情報(32)は、前記患者に投与される薬剤を特定する新たな指示情報を含み、
前記更新するステップは、
器具のリスト(74、76、78)を作成するステップと、
前記リストから1つ以上の器具を選択するユーザー入力を受信するステップと、
前記選択された1つ以上の器具を前記点滴マップに付加するステップを含むことを特徴とする請求項に記載の点滴マッピング方法。
【請求項10】
前記新たな指示情報(32)が中止すべき薬剤を特定する新たな指示情報を含み、
前記更新するステップは、前記点滴マップ(38)から前記薬剤及び前記関連付けられた器具を削除するステップを含むことを特徴とする請求項に記載の点滴マッピング方法。
【請求項11】
前記検索するステップは、病院情報システムから前記患者に関する電子医療記録(30、32、34)の少なくとも一部分を検索することを特徴とする請求項に記載の点滴マッピング方法。
【請求項12】
病院情報システム(10)であって、
複数の患者の電子医療記録を維持する電子医療記録サーバー(24)と、
前記電子医療記録サーバーと通信する点滴マッピング・デバイス(12)と、を備え、
前記点滴マッピング・デバイスは、
前記患者に投与される静注薬剤を特定する部分及び前記薬剤の投与に関連する病院器具を含む前記複数の患者の電子医療記録(30、32、34)の少なくとも1つ以上の部分を検索し、
前記1つ以上の検索された医療記録の各々に対し、前記投与される静注薬剤を特定する部分及び前記関連する病院器具を模式的に表現する点滴マップ(38)を表示し、
前記点滴マップ(38)を変更し、
前記変更された点滴マップに基づいて前記電子医療記録を更新し、
前記更新された電子医療記録を前記電子医療記録サーバーに保存する動作を実行し、
点滴マッピング・デバイスは、指示情報(32)を受信する動作をさらに実行し、
前記指示情報は、少なくとも患者に投与される薬剤に関する情報を含み、
前記点滴マップ(38)の変更は、
前記受信した指示情報に基づいてコード読取機(18)からバーコード情報を受信し、
どの器具がスキャンされたかを決定するために前記受信したバーコード情報を器具データベースと比較し、
前記スキャンされた器具を含むように前記点滴マップ(38)を変更することを特徴とする病院情報システム。
【請求項13】
前記電子医療記録サーバー(24)に保存された各患者の電子医療記録に対するアクセスは1つ以上のユーザー名の特定セットに対して許可され、
点滴マッピング・デバイスは、少なくともユーザー名及びパスワードを受信する動作をさらに実行し、
前記検索は、アクセスが許可された前記受信したユーザー名の医療記録のみを検索することを特徴とする請求項12に記載の病院情報システム。
【請求項14】
前記点滴マッピング・デバイス(12)は、無線通信インターフェースを用いて前記電子医療記録サーバーと通信することを特徴とする請求項12に記載の病院情報システム。
【請求項15】
前記点滴マッピング・デバイスは、さらにトレーニング及び使用説明コンテンツ(112)に対するアクセスを容易にすることを特徴とする請求項12に記載の病院情報システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者情報ソフトウエアに関し、より詳しくは、患者別の、インタラクティブでリアルタイムな点滴システムマップを表示するためのソフトウエアに関する。
【背景技術】
【0002】
現在の薬剤送達システムは、入院患者への投薬に関与する関係者の数が制限される点と、全関係者に提供される情報が完全で一貫したものでないという点において限界がある。
一般的には、医師が患者のために処方箋を書く。薬剤師は、当該患者の点滴のセットアップについての知識を持たずに調剤を行う(処方された種々の薬品の投与ルートは、特に指定されていないか指定されていてもあいまいであることが多い)。看護師は医師と薬剤師の指示に従って処方された薬剤の投与を担当する。このため看護師は点滴のセットアップと薬剤投与に関して重大な決定を行なうことになり、ミスが生じる可能性がある。具体的には、前述のワークフローにおいては特に、薬物配合禁忌に気づかない、不注意による大量投与、過度の時間遅延、薬剤投与の「5つの正確」(正しい患者、正しい薬剤、正しい用量、正しい時間、正しい投与ルートの保証)を誤りなく行えない、といったことが起こりうる。
【0003】
薬剤師は投与担当看護師が作製した物理的な点滴システムを見ることができない。従って、薬剤師は処方箋をチェックし調剤を行なう場合には患者の医療記録に依存することになる。看護師は手作業で種々の点滴ラインを計画し、ラインに標識を付け、ラインをトレースする。看護師はまた、点滴によって送達される新たに追加された薬剤のためのルート、ポート、カテーテルハブを選定し、この情報を患者の医療管理記録(MAR)に手で記録する。一般的には、一人の看護師が一回のシフトで多くの患者を担当し、常時患者を受け入れ、退院させ、転院させる。このため医療記録が、望ましくない薬物相互作用がないということを薬剤師が十分に確かめるために必要な特異性を含んでいないことがあり得る。
【0004】
従って、医療従事者がリアルタイムで正確に表示された患者の点滴マップ見ることのできるシステムが求められている。同様に、臨床医が自身の医療記録に患者の点滴マップを正確に記録するうえで助けとなるシステムが求められている。同様に、臨床医の投薬過誤を減らし、かつ時間の節約をはかるうえで、臨床医の意思決定と執行を援助するシステムが求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、正確で最新の各患者の点滴マップを表示し、表示されたマップを臨床医が容易に変更することを可能にする患者情報ソフトウエアシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様による患者情報ソフトウエアシステムは、、少なくとも点滴マッピング命令を保存するメモリーと、保存された命令を実行するプロセッサーを具備する。プロセッサーが点滴マッピング命令を実行すると、点滴マップシステムは、患者に関する電子医療記録の少なくとも一部分を表示する表示機能、及び電子医療記録を受信して患者に投与される全ての静注薬剤を表示する点滴マップを生成する図式化機能を実行する。各薬剤に対して、点滴マップはさらに、薬剤投与のためのルートを図示する。システムにより実行される指示管理機能は、ユーザーに点滴マップを変更することを許可し、変更された点滴マップに対応する電子医療記録に注記する記録更新機能を具備する。
【0007】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様による点滴マッピング方法は、患者に関する電子医療記録の少なくとも一部分を検索し表示するステップと、検索された電子医療記録に基づいて前記患者に投与される全ての静注薬剤を模式的に表示した点滴マップを生成するステップを具備する。各薬剤に対して、模式図は各薬剤の投与ルートを図示する。本方法はさらに点滴マップを変更する新たな指示を受信するステップと、変更された点滴マップに対応する前記電子医療記録を更新するステップとを有する
【0008】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様による病院情報システムは、複数の患者の電子医療記録をメンテナンスする電子医療記録サーバーと、前記電子医療記録サーバーと通信する点滴マッピング・デバイスとを含む。点滴マッピング・デバイスは、患者に投与される静注薬剤を特定する部分と前記薬剤の投与に関連した病院器具を含む複数の患者電子医療記録の少なくとも1つ以上の部分を検索する処理を実行する。1つ以上の検索された医療記録のために、点滴マッピング・デバイスは、静注薬剤を特定する部分及び関連する病院器具の概略図を示す点滴マップを表示する。本デバイスは点滴マップを変更し、変更された点滴マップに基づいて電子医療記録を更新する。最後に、本デバイスは、更新された電子医療記録を前記電子医療記録サーバーに保存する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、各患者の点滴マップを臨床医が容易に変更することを可能にし、点滴マップになされた変更を反映して患者の電子医療記録を更新する記録管理業務をアシストする。さらに、臨床医が患者に薬剤を投与する前に点滴のセットアップを確認することを支援し、医師のミスの減少と時間の節約することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムの概要図である。
図2図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
図3図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
図4図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
図5図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
図6】本実施形態によるシステムが容易に可能とする種々の薬剤送達ワークフローのスクリーンショットの一例を示す。
図7】本実施形態によるシステムが容易に可能とする種々の薬剤送達ワークフローのスクリーンショットの一例を示す。
図8】本実施形態によるシステムが容易に可能とする種々の薬剤送達ワークフローのスクリーンショットの一例を示す。
図9】本実施形態によるシステムが容易に可能とする種々の薬剤送達ワークフローのスクリーンショットの一例を示す。
図10】本実施形態によるシステムが容易に可能とする種々の薬剤送達ワークフローのスクリーンショットの一例を示す。
図11図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
図12図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
図13図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
図14図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
図15図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
図16図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
図17図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
図18図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
図19図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
図20図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
図21図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
図22図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
図23図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
図24図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
図25図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
図26図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
図27図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
図28図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
図29図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
図30図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
図31図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
図32図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
図33図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
図34図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
図35図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
図36図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
図37図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
図38図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
図39図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
図40図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
図41図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
図42図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
図43図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
図44図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
図45図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
図46図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態の具体例を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0012】
まず、本発明の一実施形態による患者情報ソフトウエアシステムについて詳しく説明する。図1は、点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムの概略図である。
【0013】
図1を参照すると、点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムは、一般には符号10で示される。システム10は、少なくともメモリー14、プロセッサー16、入力デバイス18、ネットワーク24との通信インターフェース20、ディスプレー22、及び電源(図示せず)を有するコンピューター化された装置12を具備する。
【0014】
メモリー14は、好ましくは、非一時的なコンピューター読み取り可能な記録媒体であり、例えば読み出し専用メモリー(ROM)、ランダムアクセスメモリー(RAM)、ハードディスク、不揮発性フラッシュメモリーまたは他の電子的に消去可能でプログラム可能な読み出し専用メモリー(EEPROM)、あるいは光学または磁気光学記憶媒体である。メモリー14は、実行時に、点滴マッピングを行なう命令を保存する。
【0015】
また、コンピューター化された装置12は、プロセッサー16を具備し、プロセッサー16は、例えば、メモリー14に保存された命令を実行することができるマイクロプロセッサーまたはその他の中央処理装置である。
【0016】
ディスプレー22は、液晶表示装置、陰極線管、プラズマディスプレイのような装置であり、あるいはユーザーによって容易に識別可能な方法でメモリー14及びプロセッサー16からのデータを出力することができる他の装置である。
【0017】
ネットワークとの通信インターフェース20は、コンピューター化された装置12をローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、及び/又はインターネットなどのネットワーク24に接続可能にする。通信インターフェース20は、例えば米国電気電子学会(IEEE)により策定されたIEEE 802.3規格を使用した有線接続、もしくはIEEE 802.11 a/b/g/n/ac規格を使用した無線接続、またはこれらに代わる新たに開発された規格を介してネットワーク24に接続する。また、ネットワークとの通信インターフェース20は、LTE(登録商標)、WiMAX(登録商標)、GSM(登録商標)、cdmaOne(登録商標)やCDMA2000(登録商標)のような符号分割多元接続(CDMA)規格、高速パケットアクセス(HSPA)、進化型HSPA(HSPA+)、汎用パケット無線サービス(GPRS)などの規格及びプロトコルを使用した1つ以上のセルラーデータ・ネットワークに接続できる。
【0018】
コンピューター化された装置12は、ラップトップまたはデスクトップコンピュータ、複数の場所(例えば、薬局、ナースステーション、救急科、臨床ラボ、医師のオフイスなど)でのアクセスが可能な病院情報システムに統合されたクライアントコンピュータ、またタブレット、スマートフォン、PDA(personal digital assistant)、可動機器搭載コンピューターなどの移動可能デバイス等の多様な形態を取ることができる。さらに、コンピューター化された装置は、点滴ポンプ及び/又は患者監視装置などのベッドサイド装置に一体化することもできる。
【0019】
システム10上のメモリー14は、現在の個々の患者について記載した複数の記録を含む患者リストを、患者ID情報(ID番号、生年月日、病院内部屋番号など)、点滴マップ、患者の点滴システムに関連した保留中の作業のリスト、点滴システムに関連した過去の作業のリストと共に保存し、更に必要に応じて患者の記録を見ることを許可された職員のリストと共に保存する。患者リストは、好ましくは、点滴マッピングシステムの全ユーザーがアクセス可能な中央記憶場所でメンテナンスされる。
【0020】
各点滴マップは、処方された薬剤及び/又は患者の静脈内に投与された薬剤のリストを保存する。この情報をメンテナンスするための1つの簡便な方法は、本システムを、一般的には病院の薬局で集中管理される、当該施設のコンピューター化された処方指示エントリー(CPOE:Computerized Prescription Order Entry)システム又は他の同様の施設システムに統合することである。好ましくは、各薬剤は、少なくとも薬剤の1回分の投薬量(濃度)、その薬剤が拡散された液体の量、その液体が患者に投与される速度、投与を促進するために使用される特定のポンプ(使用されるのであれば)、薬剤が患者の血流に入るカテーテル・ポート、及びどの管が薬剤容器をカテーテルに接続しているかの表示、との組合せで保存される。なお、当業者には、本発明の技術的範囲から逸脱することなく、より多くの異なる情報が点滴マップの一部として保存され得ることが認識されよう。
【0021】
ユーザーがコンピューター化された装置12を介してシステム10と対話する場合、ユーザーに対してログイン・プロンプトが表示され、システムに認証資格情報を入力することが求められる。資格情報には、固有のユーザー名、パスワード、及び/又は指紋、音声サンプル、顔画像などの生体認証が含まれるが、これに限定されない。
【0022】
システム10は、入力されたログイン資格情報を認証し、システムがユーザーを認証すると、システムはユーザー名をスクリーンに表示する、そのためユーザーは自分が正しくログインしたことを容易に確認でき、自分のデバイスを他の類似のデバイスからたやすく弁別することができる。システム10はまた、データ入力及び行われた作業を文書化するときにこのユーザー名を使用する。
【0023】
ユーザーがシステム10にログインすると、図2に示すように、システムは患者リスト26を表示する。あるいは、患者リストに代えて又は患者リストに加えて、ユーザーには、患者の作業量に対応する必要作業のトリアージ・リストが表示される。患者リスト26を表示するために、システム10は患者テーブルから患者名のリストを検索し、図2に示すように現在の患者リストを表示する。
【0024】
患者テーブルが特定ユーザーに対して患者記録へのアクセスを制限する場合、システムはログインしたユーザーのユーザーIDと患者テーブルに保存された患者記録を見ることを許可された職員のリストとを比較し、ログインしたユーザーが見ることを許可されている記録に対応する患者の名前のみを表示する。さらに患者リスト26は、好ましくは患者に対する作業が必要なことを表示する通知アイコン28を含む。図2に示す例では、感嘆符アイコンは、患者「ジョン・ドウ」に対する作業が必要なことを表示している。
【0025】
その後、ユーザーは表示された患者リストから一人の患者を選択する。例えば、ユーザーは、患者リスト26から「ジョン・ドウ」を選択する。図3に示すように、ある患者が選択されると、選択された患者の点滴ステータスが患者テーブルから検索されて、ユーザーに読みやすいように表示される。表示された点滴ステータスには、患者識別情報30、患者に必要なすべての保留中アクションのリスト32、本患者に対して以前に記録されたすべてのアクションのリスト34、本患者に関連した点滴マップを見るためのリンク36が含まれる。
【0026】
図4に示すように、ユーザーが患者の点滴マップへのリンク36を選択すると、システムは、保存された点滴マップを検索して、そのマップ38のグラフィック表示を作製し、これによって現在患者に対し静脈内に投与されている種々の薬剤が図式的に示され、ユーザーに表示される。点滴マップ38は、好ましくは患者に接続された個々の点滴薬剤を示し、同時に各薬剤に関連した諸情報をグラフィカルに表示する。具体的には、各薬剤において、一般的に名前、濃度、量(volume)及び/又は総量(amount)、薬剤の点滴が終了するまでの残存時間、点滴を行っている特定のポンプを示す表示(そのようなポンプがあれば)、ポンプに設定される速度、及び薬剤が接続される患者の身体の部位が表示される。一例として、図4は、ジョン・ドウ氏がフェニレフリン(Phenylephrine)を投与されていることを示し、総量は40mg/250mlであり、フェニレフリンの点滴が終了するまでの残存時間は3時間5分であり、薬剤は1チャネルの大容量点滴ポンプによって点滴されており、ポンプの速度は1時間当たり37mlに設定されており、薬剤は患者の右側の末梢血管用中心静脈カテーテル(PICC)に接続されている。図4に見られるように、各薬剤には同様の表示が付されている。
【0027】
システム10は、点滴マップ上に表示される各要素に関して、追加情報を保存し表示できる。例えばPICCが選択されると、図5に示すように、当該要素に関連した追加情報40が表示される。表示された情報には、カテーテルに接続された薬剤のリスト、各薬剤の点滴速度、カテーテルの合計点滴速度が含まれる。また、この情報には、いつカテーテルが挿入されたか、またベスト・プラクティス・ガイドラインあるいは病院の決めたガイドラインに従って、いつカテーテルが交換されるべきかということに関するデータが含まれる。追加情報パネルを閉じると、ユーザーは点滴マップ表示にもどる。
【0028】
図6図10は、本システムが容易に可能とする種々の薬剤送達ワークフローのスクリーンショットの一例を示す。図6に示すように、患者は保留中アクション項目をリスト32に保有し、リスト32は、医師及び/又は薬剤師がこの患者のために指示をリピートしたことを示す。ユーザーが指示をリピートするという保留中アクションを選択すると、図7に示すように、システムはこの指示で特定される薬剤を含む患者点滴マップ38の少なくとも一部分を表示する。さらに、リピート指示に関連した指示情報42が表示される。指示情報42には、好ましくは、指示を出した医師名、薬剤の総量、溶液の総量、点滴速度などを含む投与情報、この指示が現行点滴マップとの適合性があるかどうかを示す適合性情報が含まれる。なお、当業者には、本発明の技術範囲から逸脱することなく、異なる及び/又は追加的な情報が提供され得ることを認識されよう。
【0029】
適合性情報を提供するために、システム10は、薬剤適合性の少なくとも4つの態様に関して薬剤適合性チェックを行なう。まずシステム10は、薬剤と患者との間の適合性を決定するためのチェックを行なう。特に、本システムは、患者が、医療記録に記された投与される薬剤に関連するアレルギーを有するかどうかを決定する。さらに、システム10は、患者に処方される薬剤間の物理的配合禁忌(例えば、析出相互作用)がないかどうかをチェックする。最後にシステム10は、患者の組織内への薬剤の流量において異常がないかどうかチェックするための質量流量バランスモデルを具備する。質量流量バランス異常は、一般的には患者の点滴システム内での薬剤の間違った配置、複数の点滴ポンプ間の予期しないあるいは見過ごされた相互作用、あるいはその他の薬剤投与に使用される物理的機器に関する問題により生じる。そうした異常としては、例えば、不注意による大量瞬時投与(患者の血流中の薬剤濃度を急激に増加させる流量の意図しない増大)や不注意による遅延(投与の意図しない遅れあるいは薬剤の流量減少)が含まれる。この適合性チェックの結果は、ユーザーに提供される適合性情報を構成する。
【0030】
システム10はまた、指示にとって推奨されるコンフィギュレーションを強調表示する44。推奨は、例えば指示を出す医師または薬剤師によって行われ得る。図7に示すように、システム10は、現在のインスリン点滴バッグを新しいバッグと交換するよう勧める。システム10はその後、ユーザーに、推奨されたコンフィギュレーションを承認して薬剤を投与する46、推奨されたコンフィギュレーションを変更する48、キャンセルする50、のいずれかを選択するよう促す。コンフィギュレーションを承認する46というユーザーの指示に対応して、図8に示すように、システムはユーザーに、指示が実行されたことを確認する52よう促す。
【0031】
図8に示すように、ユーザー確認は、好ましくはユーザーに提示される確認ボタン52を1回クリックすることを含む。あるいは、またはこの確認に加えて、別の方法で薬品投与の確認をユーザーに要求することができる。例えば、投与された薬剤に対応するバーコードをスキャンするよう、ユーザーに要求することができる。これにより、指示が正しく実施されたことを追加的に確認することができる。指示が正常に実施されたことをユーザーが示すと、システム10は、図9に示すように、リピート指示が正常に実施されたことを示す確認ダイアログボックス54を表示する。さらに、図9に示す確認ダイアログボックス54内に記されているように、アクションが正常に実施されると、システム10は、患者の電子医療記録に、指示が実施された時間と指示を実施したユーザーを示す注記を自動的に加える。図9に示すように、ユーザーがOKをクリックすると、システム10は、図10に示す患者点滴ステータス・スクリーンに戻る。このスクリーンは更新された患者の履歴34を示し、保留中アクション項目は除かれている。
【0032】
システム10はまた、図11図15に示すように、新規の指示を取り扱うことができる。好ましくは、点滴システムは患者のための到来する指示に関し、ユーザーの管理によるリアルタイムの更新を可能にする。図11に示すように、患者ジョン・ドウのための新規の指示を受け取ると、ユーザーに対し告知56が表示される。ユーザーには、告知を却下する58オプションと、ジョン・ドウの患者プロファイルをオープンする60オプションが与えられる。
【0033】
ユーザーが新規指示告知ダイアログボックスから「オープン」60を選択すると、システムは好ましくはこの指示によるオープンを行なう。図12は、新規指示スクリーンを示す。前述したように、スクリーンには、指示を出した医師名、指示された薬剤(例えば指示された薬剤の単位数、点滴される液体の量、点滴速度など)、及び指示された薬剤が現在の患者点滴マップと適合性があることを示す適合性チェック情報、に関する指示情報42が含まれる。システムはまた、少なくとも、患者点滴マップ38の一部分と、指示された薬剤の投与のための強調表示された推奨コンフィギュレーション44を表示する。再度、ユーザーは、推奨されたコンフィギュレーションを承認して指示された薬剤を投与する46、コンフィギュレーションを変更する48、またはキャンセルする50というオプションを提示される。
【0034】
ユーザーがコンフィギュレーションを承認する46と、図13に示すように、点滴マップ38は、推奨されたコンフィギュレーションを含むように更新される。次いでシステムは、指示が実施されたということを確認する52ようユーザーを促す。次いでユーザーは、図14に示すように、投薬が成功裡に実施されたということを示す告知ダイアログボックス54を受け取る。システム10はまた、図14の告知ダイアログボックス54によって示されるように、指示が実施された時間と指示を実施したユーザー名を示す患者の電子医療記録をアップデートする。図15は、患者の電子医療記録の更新された履歴34を反映した、患者ジョン・ドウの更新された点滴ステータス・スクリーンを示す。
【0035】
図16図25に示すように、システム10はまた、新たな指示を受け取ったとき、追加的なコンフィギュレーションのオプションを実行可能とする。ユーザーがユーザーリストから別の患者を選択すると、図16に示すように、その患者に対応する点滴ステータス・スクリーンが表示される。点滴ステータス・スクリーンは、新規指示のために保留中アクション32をリストアップする。ユーザーが保留中アクション32を選択すると、システムは、点滴マップと新規指示情報を示すスクリーンを表示する。
【0036】
図17に示すように、新規指示情報42には、指示を出した医師、投与される薬剤、点滴される液体の量、及び点滴速度が含まれる。しかしながら薬剤投与のために、医師または薬剤師によるコンフィギュレーションの推奨はない。したがって、ユーザーには、システムにより推奨されたコンフィギュレーションを検索する62か、手作業で点滴のコンフィギュレーションを行なう64か、バーコード・スキャナーを使用して薬剤点滴のコンフィギュレーションを行なう66か、というオプションが提示される。
【0037】
ユーザーが項目62を選択すると、システム10は1つ以上のコンフィギュレーションを推奨できる。システム10は、新規指示情報42と現在の点滴マップ38に基づく適合性チェックを使用して、現在の点滴マップと適合性のある、新規に指示された薬剤を接続できそうないくつかの方法を決定し、ユーザーに1つ以上の適合性のあるコンフィギュレーションを推奨する。
【0038】
あるいは、ユーザーは、項目64を選択することによって手作業でセットアップのコンフィギュレーションを行なうことができる。ユーザーが手作業によるコンフィギュレーションを選択すると、システム10はまず68で、点滴をカテーテルまたはアクセスポイントのどちらに接続するのかを選択するようユーザーを促す。
【0039】
図18に示すように、現在のカテーテルとアクセスポイントを含む候補となるアクセスポイントが、ユーザーのアクセスポイント選択の支援となるよう、点滴マップ38に強調表示される70。あるいは、ユーザーは、新たなカテーテルを選択できる72。
【0040】
次に、図19に示すように、ユーザーは、薬剤とともに使用されるエクステンション・セットのリスト74を提示される。再度、候補となるロケーション70が点滴マップ38に強調表示され、どこにエクステンション・セットを配置すべきかが示される。
【0041】
同様に、図20は、使用可能なチューブ・セットのリスト76と点滴マップ38内の候補となるロケーション70がユーザーに提示されることを示し、図21は、薬剤とともに使用される使用可能な点滴ポンプのリスト78と、ポンプを配置できる位置として強調表示されたロケーション70がユーザーに提示されることを示す。各リスト(74、76、78)において、ユーザーの選択を容易にするために、システム10は、説明書きと代表的画像をともなった適切な器具オプションのリストを提示する。システム10は好ましくは、特定の病院で利用可能な器具のみ、あるいはその病院の特定の病棟で利用可能な器具のみを表示する。
【0042】
ユーザーが薬剤のためのコンフィギュレーションを選択すると、図22に示すように、システム10は好ましくは、そのコンフィギュレーションが現在の点滴マップ38と適合性があることを前記の適合性チェックを使用して確認し、あらたにコンフィギュレーションされた部分を強調表示した80点滴マップ38を示し、ユーザーに、コンフィギュレーションを確認して承認する82か、コンフィギュレーションを変更するか84を選択するよう促す。
【0043】
次いで、図23に示すように、システム10は、アップデートされた点滴マップ38を表示し、投薬が行われたことを確認する86ようユーザーを促す。図24に示すように、システムは、確認ダイアログボックス88を介して指示が実施されたことを確認し、時間と指示を実施したユーザー名を加えて患者の医療記録を更新する。図25は、患者の点滴ステータス・スクリーンが更新され、履歴リスト34に新規の指示が含まれていることを示す。
【0044】
さらに、図26図30に示すように、システム10によって指示を中止することもできる。
【0045】
図26に示すように、患者ジョン・ドウのための指示を中止するという保留中アクションが、患者の点滴ステータス・スクリーンのアクション・リスト32に示される。ユーザーが、保留中アクションを選択すると、点滴マップ38が表示され、システムは中止指示によって影響をうけるマップの部分を強調表示する90。さらに、指示情報42が表示され、指示を出した医師名と指示テキストが示される。
【0046】
図27に示す例においては、指示テキストには「バンコマイシン(Vancomycin)1g/250mL中止」と書かれている。さらに、前述の他の指示においてと同様に、好ましくは、指示情報42には、指示が現在の点滴マップと適合性があるということを示す適合性情報も含まれる。ユーザーは、新しいコンフィギュレーションを承認して92、指示テキストで示されるように、薬剤の投与を中止することを促される。
【0047】
図28に示すように、システム10は、投薬が中止されたことを確認する94ようユーザーを促す。ユーザーが投薬が中止されたことを確認すると、図29に示すように、システムは、医師の指示が実行された時間と指示の実行を担当したユーザー名を示す患者の医療記録をアップデートし、ユーザーに提示される確認ダイアログボックス96を通して中止指示が正常に実行されたことを示す。患者点滴ステータス・スクリーンがアップデートされ、図30に示すように、履歴リスト34は現在の医療記録情報を含む。
【0048】
好ましくは、病院使用器具の各アイテムと各薬剤コンテナは、点滴マッピングシステム10によってアクセス可能なデータベースに登録された固有識別コード98を有する。ここで、識別コード98は、従来の平行ラインバーコード、QRコード(登録商標)のような視覚的表示あるは他の既知のシステムなどのあらゆる機械可読型のデータ表示であり得る。あるいは、識別コード98は、RFIDタグのような電子的手段を介して、保存され、読み込まれ得る。
【0049】
図31図42に示すように、システム10はまた好ましくは、ユーザーが、指示を実施するために使用される薬剤コンテナと器具に対応する1つ以上の識別コード98に基いて、点滴マップ38の一部分のコンフィギュレーションを行うことができるようにする。さらに、患者とユーザーもともに固有識別コードを所有し、患者とユーザーもまたシステムによって識別され得るようにする。
【0050】
図31は、新規指示のための保留中アクションが、患者点滴ステータス・スクリーンの新規指示リスト32に現れていることを示す。この場合、患者は、既存の点滴コンフィギュレーションを有さない新規患者である。
【0051】
図32に示すように、新規指示のためのコンフィギュレーションは特定されていない。従って、システム10は新規指示に関連した指示情報32を表示し、いくつかのコンフィギュレーションのためのオプション、すなわちシステム推奨のコンフィギュレーション及び/又は薬剤師あるいは医師指定のコンフィギュレーションを含む推奨コンフィギュレーション62、前述のような候補リスト選択を使用した看護師による手作業のコンフィギュレーション64、あるいはバーコード・スキャナーを使用したコンフィギュレーション66をユーザーに提示して選択を促す。ユーザーが「バーコード・スキャナーでコンフィギュレーション」66を選択すると、システムは、入力デバイス18を使用して適切な病院用器具に付けられたバーコードをスキャンするようユーザーを促す。入力デバイス18は、好ましくはあらゆる既知のバーコード・スキャナー入力デバイスである。
【0052】
非限定的な例として、入力デバイス18は、ラップトップコンピューター、PDA、タブレット・コンピューターなどに統合されたカメラ、スマートフォン、または独立したスキャニング・デバイスであり得る。各バーコードがスキャンされると、図34〜38に示すように、対応する器具が点滴マップ38に現れ、システム10はスキャンされた器具を特定し、正しい器具がスキャンされたことを確認する100ようユーザーを促し、追加の器具をスキャンする102ようユーザーを促す。図の例ではバーコードを使用しているが、前述したように、本発明の範囲から逸脱するのでなければ、あらゆる既知の識別コード(例えばQRコード(登録商標)、RFIDチップなど)を使用できる。
【0053】
コンフィギュレーションが完了するまでスキャンされると、図39に示されるように、システムはコンフィギュレーションが適合的であることを確認し、新規に追加された器具を強調表示106した点滴マップ38を表示し、コンフィギュレーションを承認する104ようユーザーを促す。
【0054】
次いでシステム10は、図40に示すように、薬剤が投与され始めたことを確認する108ようユーザーを促す。指示が実行された時間と指示を実施した人のユーザーネームが含まれるように、患者記録がアップデートされる。
【0055】
図41に示すように、この情報は確認ダイアログボックス110でユーザーに提示される。最後に、図42に示すように、患者点滴ステータス・スクリーンは、指示が履歴リスト34の患者の記録に成功裡に入力されたことを表示するように更新される。
【0056】
図43図46に示すように、システムはまた、静脈薬剤投与に使用される器具に関連したトレーニング及び使用説明に関する情報を提供する。好ましくは、複数のトレーニング及び仕様説明用のアイテムが、例えばビデオ、説明マニュアル等の複数のフォーマットで利用可能である。それらのアイテムは、ユーザーのデバイスにローカルに(例えばユーザーのタブレットやスマートフォンなどのメモリーに)保存され得るし、あらゆるシステムデバイスによりアクセス可能なように中央のサーバー(例えば病院のデータサーバー)に保存され得るし、あるいはトレーニング及び仕様説明用のアイテムがインターネットを介して利用可能なように遠隔的に保存され得る。
【0057】
図43に示すように、システム10はユーザーに、トレーニング及び使用説明に使用するコンテンツを表示する選択用メニュー112を提供する。ユーザーがビデオコンテンツのアイテムを選択すると、これに対応してシステムは既知の方法により選択されたビデオを検索し(例えば、メモリーからの再生、プログレッシブダウンロード、ストリーミングなど)、図44に示すように、再生を開始する。ビデオが終了すると、あるいはユーザーとのインタラクションに対応して、図45に示すように、システムはトレーニング及び使用説明メニューに戻る。図46は、テキストベースの使用説明アイテムの一例を表示する。テキストベースのアイテムは例えば、器具メーカーから提供を受けたスキャンされたドキュメントでもよく、また検索可能なドキュメントであることが好ましい。
【0058】
さらに、点滴マップ システム10は選択的に、静脈注射でない投与薬剤についての注記、ラボテストの指示とテスト結果の注記、追加の医師の指示と取られたアクションなどの、より高度な医療記録機能を有する。システム10はさらに選択的に、より高度な患者カルテ記載機能を有する。
【0059】
さらに、システム10は選択的に、医療施設に現存する在庫管理システムや請求システムなどの、これらに限定されないが、他の医療情報システムに統合される。この統合により、有利には在庫と請求における正確さが高められ、同時に病院スタッフとヘルスケア提供業者による、在庫に供される薬剤の記録と請求目的についての重複作業を減らすことができる。
【0060】
さらに本システムは、選択的に割り当てられた患者と患者の指示に基づいて看護スケジュールの策定をする「パーソナル看護アシスタンス」(PNA)を具備する。これによって望ましくは、看護師にとって、患者のニーズに応えるための時間が十分取れるようなスケジュール管理が可能となり、また病院管理のためのスケジューリングに要する時間を減らすことができる。この機能は好ましくは、患者の状態、投薬の緊急度、その他の競合する指示のような複数の要因に従って、看護師に向けた指示をアレンジするスマート・トリアージ機能を具備する。
【0061】
システム10はまた、患者モニター・告知システムと統合され得る。この統合によって、ユーザーは、器具アラーム作動のような告知を受けたとき、トリアージ・アクション項目を入手できる。
【0062】
以上、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明したが、例示した実施態様は単なる例であって、当業者に対し、本発明の実施態様を実施するための簡便なロードマップを提供するものである。本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。
【符号の説明】
【0063】
10 (患者情報ソフトウエア)システム
12 コンピューター化された装置
14 メモリー
16 プロセッサー
18 入力デバイス
20 通信インターフェース
22 ディスプレー
24 ネットワーク
26 患者リスト
28 通知アイコン
30 患者識別情報
32 (保留中アクション/新規指示)リスト(指示情報)
34 (患者)履歴リスト
36 リンク
38 (点滴)マップ
40 追加情報
42、68 指示情報
44、80、90、106 強調表示
46、82、92、104 「コンフィギュレーションを承認&投与」ボタン
48、84 「コンフィギュレーションを変更」ボタン
50 キャンセル
52、86、108 「投薬実行を確認」ボタン
54、56、88、96、110 (確認/告知)ダイアログボックス
58 「却下」ボタン
60 「オープン」ボタン
62 「推奨されたコンフィギュレーション」ボタン
64 「手作業でコンフィギュレーション」ボタン
66 「バーコード・スキャナーでコンフィギュレーション」ボタン
70 (強調表示された)ロケーション
72 「新カテーテル」ボタン
74、76、78 器具オプションリスト
94 「投薬中止を確認」ボタン
98 識別コード
100 「コンポーネント(器具)を承認」ボタン
102 「再度スキャン」ボタン
112 選択用メニュー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図9
図10
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