(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記点滴マップ(38)は、患者の静脈内に投与される薬剤のリストを模式的に表現し、投与される各薬剤に対して、少なくとも前記薬剤が患者の身体に入るカテーテル・ポート及び前記薬剤を前記カテーテル・ポートに接続する配管の指示を保存することを特徴とする請求項1に記載の患者情報ソフトウエアシステム。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムの概要図である。
【
図2】
図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
【
図3】
図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
【
図4】
図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
【
図5】
図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
【
図6】本実施形態によるシステムが容易に可能とする種々の薬剤送達ワークフローのスクリーンショットの一例を示す。
【
図7】本実施形態によるシステムが容易に可能とする種々の薬剤送達ワークフローのスクリーンショットの一例を示す。
【
図8】本実施形態によるシステムが容易に可能とする種々の薬剤送達ワークフローのスクリーンショットの一例を示す。
【
図9】本実施形態によるシステムが容易に可能とする種々の薬剤送達ワークフローのスクリーンショットの一例を示す。
【
図10】本実施形態によるシステムが容易に可能とする種々の薬剤送達ワークフローのスクリーンショットの一例を示す。
【
図11】
図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
【
図12】
図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
【
図13】
図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
【
図14】
図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
【
図15】
図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
【
図16】
図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
【
図17】
図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
【
図18】
図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
【
図19】
図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
【
図20】
図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
【
図21】
図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
【
図22】
図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
【
図23】
図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
【
図24】
図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
【
図25】
図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
【
図26】
図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
【
図27】
図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
【
図28】
図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
【
図29】
図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
【
図30】
図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
【
図31】
図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
【
図32】
図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
【
図33】
図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
【
図34】
図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
【
図35】
図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
【
図36】
図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
【
図37】
図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
【
図38】
図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
【
図39】
図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
【
図40】
図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
【
図41】
図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
【
図42】
図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
【
図43】
図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
【
図44】
図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
【
図45】
図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
【
図46】
図1の点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムのスクリーンショットの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態の具体例を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0012】
まず、本発明の一実施形態による患者情報ソフトウエアシステムについて詳しく説明する。
図1は、点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムの概略図である。
【0013】
図1を参照すると、点滴マップを具備する患者情報ソフトウエアシステムは、一般には符号10で示される。システム10は、少なくともメモリー14、プロセッサー16、入力デバイス18、ネットワーク24との通信インターフェース20、ディスプレー22、及び電源(図示せず)を有するコンピューター化された装置12を具備する。
【0014】
メモリー14は、好ましくは、非一時的なコンピューター読み取り可能な記録媒体であり、例えば読み出し専用メモリー(ROM)、ランダムアクセスメモリー(RAM)、ハードディスク、不揮発性フラッシュメモリーまたは他の電子的に消去可能でプログラム可能な読み出し専用メモリー(EEPROM)、あるいは光学または磁気光学記憶媒体である。メモリー14は、実行時に、点滴マッピングを行なう命令を保存する。
【0015】
また、コンピューター化された装置12は、プロセッサー16を具備し、プロセッサー16は、例えば、メモリー14に保存された命令を実行することができるマイクロプロセッサーまたはその他の中央処理装置である。
【0016】
ディスプレー22は、液晶表示装置、陰極線管、プラズマディスプレイのような装置であり、あるいはユーザーによって容易に識別可能な方法でメモリー14及びプロセッサー16からのデータを出力することができる他の装置である。
【0017】
ネットワークとの通信インターフェース20は、コンピューター化された装置12をローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、及び/又はインターネットなどのネットワーク24に接続可能にする。通信インターフェース20は、例えば米国電気電子学会(IEEE)により策定されたIEEE 802.3規格を使用した有線接続、もしくはIEEE 802.11 a/b/g/n/ac規格を使用した無線接続、またはこれらに代わる新たに開発された規格を介してネットワーク24に接続する。また、ネットワークとの通信インターフェース20は、LTE(登録商標)、WiMAX(登録商標)、GSM(登録商標)、cdmaOne(登録商標)やCDMA2000(登録商標)のような符号分割多元接続(CDMA)規格、高速パケットアクセス(HSPA)、進化型HSPA(HSPA+)、汎用パケット無線サービス(GPRS)などの規格及びプロトコルを使用した1つ以上のセルラーデータ・ネットワークに接続できる。
【0018】
コンピューター化された装置12は、ラップトップまたはデスクトップコンピュータ、複数の場所(例えば、薬局、ナースステーション、救急科、臨床ラボ、医師のオフイスなど)でのアクセスが可能な病院情報システムに統合されたクライアントコンピュータ、またタブレット、スマートフォン、PDA(personal digital assistant)、可動機器搭載コンピューターなどの移動可能デバイス等の多様な形態を取ることができる。さらに、コンピューター化された装置は、点滴ポンプ及び/又は患者監視装置などのベッドサイド装置に一体化することもできる。
【0019】
システム10上のメモリー14は、現在の個々の患者について記載した複数の記録を含む患者リストを、患者ID情報(ID番号、生年月日、病院内部屋番号など)、点滴マップ、患者の点滴システムに関連した保留中の作業のリスト、点滴システムに関連した過去の作業のリストと共に保存し、更に必要に応じて患者の記録を見ることを許可された職員のリストと共に保存する。患者リストは、好ましくは、点滴マッピングシステムの全ユーザーがアクセス可能な中央記憶場所でメンテナンスされる。
【0020】
各点滴マップは、処方された薬剤及び/又は患者の静脈内に投与された薬剤のリストを保存する。この情報をメンテナンスするための1つの簡便な方法は、本システムを、一般的には病院の薬局で集中管理される、当該施設のコンピューター化された処方指示エントリー(CPOE:Computerized Prescription Order Entry)システム又は他の同様の施設システムに統合することである。好ましくは、各薬剤は、少なくとも薬剤の1回分の投薬量(濃度)、その薬剤が拡散された液体の量、その液体が患者に投与される速度、投与を促進するために使用される特定のポンプ(使用されるのであれば)、薬剤が患者の血流に入るカテーテル・ポート、及びどの管が薬剤容器をカテーテルに接続しているかの表示、との組合せで保存される。なお、当業者には、本発明の技術的範囲から逸脱することなく、より多くの異なる情報が点滴マップの一部として保存され得ることが認識されよう。
【0021】
ユーザーがコンピューター化された装置12を介してシステム10と対話する場合、ユーザーに対してログイン・プロンプトが表示され、システムに認証資格情報を入力することが求められる。資格情報には、固有のユーザー名、パスワード、及び/又は指紋、音声サンプル、顔画像などの生体認証が含まれるが、これに限定されない。
【0022】
システム10は、入力されたログイン資格情報を認証し、システムがユーザーを認証すると、システムはユーザー名をスクリーンに表示する、そのためユーザーは自分が正しくログインしたことを容易に確認でき、自分のデバイスを他の類似のデバイスからたやすく弁別することができる。システム10はまた、データ入力及び行われた作業を文書化するときにこのユーザー名を使用する。
【0023】
ユーザーがシステム10にログインすると、
図2に示すように、システムは患者リスト26を表示する。あるいは、患者リストに代えて又は患者リストに加えて、ユーザーには、患者の作業量に対応する必要作業のトリアージ・リストが表示される。患者リスト26を表示するために、システム10は患者テーブルから患者名のリストを検索し、
図2に示すように現在の患者リストを表示する。
【0024】
患者テーブルが特定ユーザーに対して患者記録へのアクセスを制限する場合、システムはログインしたユーザーのユーザーIDと患者テーブルに保存された患者記録を見ることを許可された職員のリストとを比較し、ログインしたユーザーが見ることを許可されている記録に対応する患者の名前のみを表示する。さらに患者リスト26は、好ましくは患者に対する作業が必要なことを表示する通知アイコン28を含む。
図2に示す例では、感嘆符アイコンは、患者「ジョン・ドウ」に対する作業が必要なことを表示している。
【0025】
その後、ユーザーは表示された患者リストから一人の患者を選択する。例えば、ユーザーは、患者リスト26から「ジョン・ドウ」を選択する。
図3に示すように、ある患者が選択されると、選択された患者の点滴ステータスが患者テーブルから検索されて、ユーザーに読みやすいように表示される。表示された点滴ステータスには、患者識別情報30、患者に必要なすべての保留中アクションのリスト32、本患者に対して以前に記録されたすべてのアクションのリスト34、本患者に関連した点滴マップを見るためのリンク36が含まれる。
【0026】
図4に示すように、ユーザーが患者の点滴マップへのリンク36を選択すると、システムは、保存された点滴マップを検索して、そのマップ38のグラフィック表示を作製し、これによって現在患者に対し静脈内に投与されている種々の薬剤が図式的に示され、ユーザーに表示される。点滴マップ38は、好ましくは患者に接続された個々の点滴薬剤を示し、同時に各薬剤に関連した諸情報をグラフィカルに表示する。具体的には、各薬剤において、一般的に名前、濃度、量(volume)及び/又は総量(amount)、薬剤の点滴が終了するまでの残存時間、点滴を行っている特定のポンプを示す表示(そのようなポンプがあれば)、ポンプに設定される速度、及び薬剤が接続される患者の身体の部位が表示される。一例として、
図4は、ジョン・ドウ氏がフェニレフリン(Phenylephrine)を投与されていることを示し、総量は40mg/250mlであり、フェニレフリンの点滴が終了するまでの残存時間は3時間5分であり、薬剤は1チャネルの大容量点滴ポンプによって点滴されており、ポンプの速度は1時間当たり37mlに設定されており、薬剤は患者の右側の末梢血管用中心静脈カテーテル(PICC)に接続されている。
図4に見られるように、各薬剤には同様の表示が付されている。
【0027】
システム10は、点滴マップ上に表示される各要素に関して、追加情報を保存し表示できる。例えばPICCが選択されると、
図5に示すように、当該要素に関連した追加情報40が表示される。表示された情報には、カテーテルに接続された薬剤のリスト、各薬剤の点滴速度、カテーテルの合計点滴速度が含まれる。また、この情報には、いつカテーテルが挿入されたか、またベスト・プラクティス・ガイドラインあるいは病院の決めたガイドラインに従って、いつカテーテルが交換されるべきかということに関するデータが含まれる。追加情報パネルを閉じると、ユーザーは点滴マップ表示にもどる。
【0028】
図6〜
図10は、本システムが容易に可能とする種々の薬剤送達ワークフローのスクリーンショットの一例を示す。
図6に示すように、患者は保留中アクション項目をリスト32に保有し、リスト32は、医師及び/又は薬剤師がこの患者のために指示をリピートしたことを示す。ユーザーが指示をリピートするという保留中アクションを選択すると、
図7に示すように、システムはこの指示で特定される薬剤を含む患者点滴マップ38の少なくとも一部分を表示する。さらに、リピート指示に関連した指示情報42が表示される。指示情報42には、好ましくは、指示を出した医師名、薬剤の総量、溶液の総量、点滴速度などを含む投与情報、この指示が現行点滴マップとの適合性があるかどうかを示す適合性情報が含まれる。なお、当業者には、本発明の技術範囲から逸脱することなく、異なる及び/又は追加的な情報が提供され得ることを認識されよう。
【0029】
適合性情報を提供するために、システム10は、薬剤適合性の少なくとも4つの態様に関して薬剤適合性チェックを行なう。まずシステム10は、薬剤と患者との間の適合性を決定するためのチェックを行なう。特に、本システムは、患者が、医療記録に記された投与される薬剤に関連するアレルギーを有するかどうかを決定する。さらに、システム10は、患者に処方される薬剤間の物理的配合禁忌(例えば、析出相互作用)がないかどうかをチェックする。最後にシステム10は、患者の組織内への薬剤の流量において異常がないかどうかチェックするための質量流量バランスモデルを具備する。質量流量バランス異常は、一般的には患者の点滴システム内での薬剤の間違った配置、複数の点滴ポンプ間の予期しないあるいは見過ごされた相互作用、あるいはその他の薬剤投与に使用される物理的機器に関する問題により生じる。そうした異常としては、例えば、不注意による大量瞬時投与(患者の血流中の薬剤濃度を急激に増加させる流量の意図しない増大)や不注意による遅延(投与の意図しない遅れあるいは薬剤の流量減少)が含まれる。この適合性チェックの結果は、ユーザーに提供される適合性情報を構成する。
【0030】
システム10はまた、指示にとって推奨されるコンフィギュレーションを強調表示する44。推奨は、例えば指示を出す医師または薬剤師によって行われ得る。
図7に示すように、システム10は、現在のインスリン点滴バッグを新しいバッグと交換するよう勧める。システム10はその後、ユーザーに、推奨されたコンフィギュレーションを承認して薬剤を投与する46、推奨されたコンフィギュレーションを変更する48、キャンセルする50、のいずれかを選択するよう促す。コンフィギュレーションを承認する46というユーザーの指示に対応して、
図8に示すように、システムはユーザーに、指示が実行されたことを確認する52よう促す。
【0031】
図8に示すように、ユーザー確認は、好ましくはユーザーに提示される確認ボタン52を1回クリックすることを含む。あるいは、またはこの確認に加えて、別の方法で薬品投与の確認をユーザーに要求することができる。例えば、投与された薬剤に対応するバーコードをスキャンするよう、ユーザーに要求することができる。これにより、指示が正しく実施されたことを追加的に確認することができる。指示が正常に実施されたことをユーザーが示すと、システム10は、
図9に示すように、リピート指示が正常に実施されたことを示す確認ダイアログボックス54を表示する。さらに、
図9に示す確認ダイアログボックス54内に記されているように、アクションが正常に実施されると、システム10は、患者の電子医療記録に、指示が実施された時間と指示を実施したユーザーを示す注記を自動的に加える。
図9に示すように、ユーザーがOKをクリックすると、システム10は、
図10に示す患者点滴ステータス・スクリーンに戻る。このスクリーンは更新された患者の履歴34を示し、保留中アクション項目は除かれている。
【0032】
システム10はまた、
図11〜
図15に示すように、新規の指示を取り扱うことができる。好ましくは、点滴システムは患者のための到来する指示に関し、ユーザーの管理によるリアルタイムの更新を可能にする。
図11に示すように、患者ジョン・ドウのための新規の指示を受け取ると、ユーザーに対し告知56が表示される。ユーザーには、告知を却下する58オプションと、ジョン・ドウの患者プロファイルをオープンする60オプションが与えられる。
【0033】
ユーザーが新規指示告知ダイアログボックスから「オープン」60を選択すると、システムは好ましくはこの指示によるオープンを行なう。
図12は、新規指示スクリーンを示す。前述したように、スクリーンには、指示を出した医師名、指示された薬剤(例えば指示された薬剤の単位数、点滴される液体の量、点滴速度など)、及び指示された薬剤が現在の患者点滴マップと適合性があることを示す適合性チェック情報、に関する指示情報42が含まれる。システムはまた、少なくとも、患者点滴マップ38の一部分と、指示された薬剤の投与のための強調表示された推奨コンフィギュレーション44を表示する。再度、ユーザーは、推奨されたコンフィギュレーションを承認して指示された薬剤を投与する46、コンフィギュレーションを変更する48、またはキャンセルする50というオプションを提示される。
【0034】
ユーザーがコンフィギュレーションを承認する46と、
図13に示すように、点滴マップ38は、推奨されたコンフィギュレーションを含むように更新される。次いでシステムは、指示が実施されたということを確認する52ようユーザーを促す。次いでユーザーは、
図14に示すように、投薬が成功裡に実施されたということを示す告知ダイアログボックス54を受け取る。システム10はまた、
図14の告知ダイアログボックス54によって示されるように、指示が実施された時間と指示を実施したユーザー名を示す患者の電子医療記録をアップデートする。
図15は、患者の電子医療記録の更新された履歴34を反映した、患者ジョン・ドウの更新された点滴ステータス・スクリーンを示す。
【0035】
図16〜
図25に示すように、システム10はまた、新たな指示を受け取ったとき、追加的なコンフィギュレーションのオプションを実行可能とする。ユーザーがユーザーリストから別の患者を選択すると、
図16に示すように、その患者に対応する点滴ステータス・スクリーンが表示される。点滴ステータス・スクリーンは、新規指示のために保留中アクション32をリストアップする。ユーザーが保留中アクション32を選択すると、システムは、点滴マップと新規指示情報を示すスクリーンを表示する。
【0036】
図17に示すように、新規指示情報42には、指示を出した医師、投与される薬剤、点滴される液体の量、及び点滴速度が含まれる。しかしながら薬剤投与のために、医師または薬剤師によるコンフィギュレーションの推奨はない。したがって、ユーザーには、システムにより推奨されたコンフィギュレーションを検索する62か、手作業で点滴のコンフィギュレーションを行なう64か、バーコード・スキャナーを使用して薬剤点滴のコンフィギュレーションを行なう66か、というオプションが提示される。
【0037】
ユーザーが項目62を選択すると、システム10は1つ以上のコンフィギュレーションを推奨できる。システム10は、新規指示情報42と現在の点滴マップ38に基づく適合性チェックを使用して、現在の点滴マップと適合性のある、新規に指示された薬剤を接続できそうないくつかの方法を決定し、ユーザーに1つ以上の適合性のあるコンフィギュレーションを推奨する。
【0038】
あるいは、ユーザーは、項目64を選択することによって手作業でセットアップのコンフィギュレーションを行なうことができる。ユーザーが手作業によるコンフィギュレーションを選択すると、システム10はまず68で、点滴をカテーテルまたはアクセスポイントのどちらに接続するのかを選択するようユーザーを促す。
【0039】
図18に示すように、現在のカテーテルとアクセスポイントを含む候補となるアクセスポイントが、ユーザーのアクセスポイント選択の支援となるよう、点滴マップ38に強調表示される70。あるいは、ユーザーは、新たなカテーテルを選択できる72。
【0040】
次に、
図19に示すように、ユーザーは、薬剤とともに使用されるエクステンション・セットのリスト74を提示される。再度、候補となるロケーション70が点滴マップ38に強調表示され、どこにエクステンション・セットを配置すべきかが示される。
【0041】
同様に、
図20は、使用可能なチューブ・セットのリスト76と点滴マップ38内の候補となるロケーション70がユーザーに提示されることを示し、
図21は、薬剤とともに使用される使用可能な点滴ポンプのリスト78と、ポンプを配置できる位置として強調表示されたロケーション70がユーザーに提示されることを示す。各リスト(74、76、78)において、ユーザーの選択を容易にするために、システム10は、説明書きと代表的画像をともなった適切な器具オプションのリストを提示する。システム10は好ましくは、特定の病院で利用可能な器具のみ、あるいはその病院の特定の病棟で利用可能な器具のみを表示する。
【0042】
ユーザーが薬剤のためのコンフィギュレーションを選択すると、
図22に示すように、システム10は好ましくは、そのコンフィギュレーションが現在の点滴マップ38と適合性があることを前記の適合性チェックを使用して確認し、あらたにコンフィギュレーションされた部分を強調表示した80点滴マップ38を示し、ユーザーに、コンフィギュレーションを確認して承認する82か、コンフィギュレーションを変更するか84を選択するよう促す。
【0043】
次いで、
図23に示すように、システム10は、アップデートされた点滴マップ38を表示し、投薬が行われたことを確認する86ようユーザーを促す。
図24に示すように、システムは、確認ダイアログボックス88を介して指示が実施されたことを確認し、時間と指示を実施したユーザー名を加えて患者の医療記録を更新する。
図25は、患者の点滴ステータス・スクリーンが更新され、履歴リスト34に新規の指示が含まれていることを示す。
【0044】
さらに、
図26〜
図30に示すように、システム10によって指示を中止することもできる。
【0045】
図26に示すように、患者ジョン・ドウのための指示を中止するという保留中アクションが、患者の点滴ステータス・スクリーンのアクション・リスト32に示される。ユーザーが、保留中アクションを選択すると、点滴マップ38が表示され、システムは中止指示によって影響をうけるマップの部分を強調表示する90。さらに、指示情報42が表示され、指示を出した医師名と指示テキストが示される。
【0046】
図27に示す例においては、指示テキストには「バンコマイシン(Vancomycin)1g/250mL中止」と書かれている。さらに、前述の他の指示においてと同様に、好ましくは、指示情報42には、指示が現在の点滴マップと適合性があるということを示す適合性情報も含まれる。ユーザーは、新しいコンフィギュレーションを承認して92、指示テキストで示されるように、薬剤の投与を中止することを促される。
【0047】
図28に示すように、システム10は、投薬が中止されたことを確認する94ようユーザーを促す。ユーザーが投薬が中止されたことを確認すると、
図29に示すように、システムは、医師の指示が実行された時間と指示の実行を担当したユーザー名を示す患者の医療記録をアップデートし、ユーザーに提示される確認ダイアログボックス96を通して中止指示が正常に実行されたことを示す。患者点滴ステータス・スクリーンがアップデートされ、
図30に示すように、履歴リスト34は現在の医療記録情報を含む。
【0048】
好ましくは、病院使用器具の各アイテムと各薬剤コンテナは、点滴マッピングシステム10によってアクセス可能なデータベースに登録された固有識別コード98を有する。ここで、識別コード98は、従来の平行ラインバーコード、QRコード(登録商標)のような視覚的表示あるは他の既知のシステムなどのあらゆる機械可読型のデータ表示であり得る。あるいは、識別コード98は、RFIDタグのような電子的手段を介して、保存され、読み込まれ得る。
【0049】
図31〜
図42に示すように、システム10はまた好ましくは、ユーザーが、指示を実施するために使用される薬剤コンテナと器具に対応する1つ以上の識別コード98に基いて、点滴マップ38の一部分のコンフィギュレーションを行うことができるようにする。さらに、患者とユーザーもともに固有識別コードを所有し、患者とユーザーもまたシステムによって識別され得るようにする。
【0050】
図31は、新規指示のための保留中アクションが、患者点滴ステータス・スクリーンの新規指示リスト32に現れていることを示す。この場合、患者は、既存の点滴コンフィギュレーションを有さない新規患者である。
【0051】
図32に示すように、新規指示のためのコンフィギュレーションは特定されていない。従って、システム10は新規指示に関連した指示情報32を表示し、いくつかのコンフィギュレーションのためのオプション、すなわちシステム推奨のコンフィギュレーション及び/又は薬剤師あるいは医師指定のコンフィギュレーションを含む推奨コンフィギュレーション62、前述のような候補リスト選択を使用した看護師による手作業のコンフィギュレーション64、あるいはバーコード・スキャナーを使用したコンフィギュレーション66をユーザーに提示して選択を促す。ユーザーが「バーコード・スキャナーでコンフィギュレーション」66を選択すると、システムは、入力デバイス18を使用して適切な病院用器具に付けられたバーコードをスキャンするようユーザーを促す。入力デバイス18は、好ましくはあらゆる既知のバーコード・スキャナー入力デバイスである。
【0052】
非限定的な例として、入力デバイス18は、ラップトップコンピューター、PDA、タブレット・コンピューターなどに統合されたカメラ、スマートフォン、または独立したスキャニング・デバイスであり得る。各バーコードがスキャンされると、
図34〜38に示すように、対応する器具が点滴マップ38に現れ、システム10はスキャンされた器具を特定し、正しい器具がスキャンされたことを確認する100ようユーザーを促し、追加の器具をスキャンする102ようユーザーを促す。図の例ではバーコードを使用しているが、前述したように、本発明の範囲から逸脱するのでなければ、あらゆる既知の識別コード(例えばQRコード(登録商標)、RFIDチップなど)を使用できる。
【0053】
コンフィギュレーションが完了するまでスキャンされると、
図39に示されるように、システムはコンフィギュレーションが適合的であることを確認し、新規に追加された器具を強調表示106した点滴マップ38を表示し、コンフィギュレーションを承認する104ようユーザーを促す。
【0054】
次いでシステム10は、
図40に示すように、薬剤が投与され始めたことを確認する108ようユーザーを促す。指示が実行された時間と指示を実施した人のユーザーネームが含まれるように、患者記録がアップデートされる。
【0055】
図41に示すように、この情報は確認ダイアログボックス110でユーザーに提示される。最後に、
図42に示すように、患者点滴ステータス・スクリーンは、指示が履歴リスト34の患者の記録に成功裡に入力されたことを表示するように更新される。
【0056】
図43〜
図46に示すように、システムはまた、静脈薬剤投与に使用される器具に関連したトレーニング及び使用説明に関する情報を提供する。好ましくは、複数のトレーニング及び仕様説明用のアイテムが、例えばビデオ、説明マニュアル等の複数のフォーマットで利用可能である。それらのアイテムは、ユーザーのデバイスにローカルに(例えばユーザーのタブレットやスマートフォンなどのメモリーに)保存され得るし、あらゆるシステムデバイスによりアクセス可能なように中央のサーバー(例えば病院のデータサーバー)に保存され得るし、あるいはトレーニング及び仕様説明用のアイテムがインターネットを介して利用可能なように遠隔的に保存され得る。
【0057】
図43に示すように、システム10はユーザーに、トレーニング及び使用説明に使用するコンテンツを表示する選択用メニュー112を提供する。ユーザーがビデオコンテンツのアイテムを選択すると、これに対応してシステムは既知の方法により選択されたビデオを検索し(例えば、メモリーからの再生、プログレッシブダウンロード、ストリーミングなど)、
図44に示すように、再生を開始する。ビデオが終了すると、あるいはユーザーとのインタラクションに対応して、
図45に示すように、システムはトレーニング及び使用説明メニューに戻る。
図46は、テキストベースの使用説明アイテムの一例を表示する。テキストベースのアイテムは例えば、器具メーカーから提供を受けたスキャンされたドキュメントでもよく、また検索可能なドキュメントであることが好ましい。
【0058】
さらに、点滴マップ システム10は選択的に、静脈注射でない投与薬剤についての注記、ラボテストの指示とテスト結果の注記、追加の医師の指示と取られたアクションなどの、より高度な医療記録機能を有する。システム10はさらに選択的に、より高度な患者カルテ記載機能を有する。
【0059】
さらに、システム10は選択的に、医療施設に現存する在庫管理システムや請求システムなどの、これらに限定されないが、他の医療情報システムに統合される。この統合により、有利には在庫と請求における正確さが高められ、同時に病院スタッフとヘルスケア提供業者による、在庫に供される薬剤の記録と請求目的についての重複作業を減らすことができる。
【0060】
さらに本システムは、選択的に割り当てられた患者と患者の指示に基づいて看護スケジュールの策定をする「パーソナル看護アシスタンス」(PNA)を具備する。これによって望ましくは、看護師にとって、患者のニーズに応えるための時間が十分取れるようなスケジュール管理が可能となり、また病院管理のためのスケジューリングに要する時間を減らすことができる。この機能は好ましくは、患者の状態、投薬の緊急度、その他の競合する指示のような複数の要因に従って、看護師に向けた指示をアレンジするスマート・トリアージ機能を具備する。
【0061】
システム10はまた、患者モニター・告知システムと統合され得る。この統合によって、ユーザーは、器具アラーム作動のような告知を受けたとき、トリアージ・アクション項目を入手できる。
【0062】
以上、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明したが、例示した実施態様は単なる例であって、当業者に対し、本発明の実施態様を実施するための簡便なロードマップを提供するものである。本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。