(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6339291
(24)【登録日】2018年5月18日
(45)【発行日】2018年6月6日
(54)【発明の名称】膨張黒鉛(expanded graphite)及び膨潤性粘土(swelling clay)を利用して軽量化された吸音耐火断熱材(insulation panel)及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
G10K 11/162 20060101AFI20180528BHJP
C01B 32/225 20170101ALI20180528BHJP
C01B 33/40 20060101ALI20180528BHJP
G10K 11/16 20060101ALI20180528BHJP
C04B 35/536 20060101ALI20180528BHJP
C08K 3/04 20060101ALI20180528BHJP
C08K 7/00 20060101ALI20180528BHJP
C08L 29/04 20060101ALI20180528BHJP
C08L 71/02 20060101ALI20180528BHJP
C08L 1/08 20060101ALI20180528BHJP
C08K 3/40 20060101ALI20180528BHJP
C08K 3/36 20060101ALI20180528BHJP
【FI】
G10K11/162
C01B32/225
C01B33/40
G10K11/16 120
C04B35/536
C08K3/04
C08K7/00
C08L29/04 A
C08L71/02
C08L1/08
C08K3/40
C08K3/36
【請求項の数】21
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2017-523757(P2017-523757)
(86)(22)【出願日】2015年12月24日
(65)【公表番号】特表2017-530422(P2017-530422A)
(43)【公表日】2017年10月12日
(86)【国際出願番号】KR2015014256
(87)【国際公開番号】WO2016105159
(87)【国際公開日】20160630
【審査請求日】2017年1月18日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0189142
(32)【優先日】2014年12月24日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】517019924
【氏名又は名称】コー,ヨン・シン
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】コー,ヨン・シン
【審査官】
北原 昂
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−31801(JP,A)
【文献】
特開2004−263053(JP,A)
【文献】
特開2006−45492(JP,A)
【文献】
国際公開第97/02412(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10K 11/162
C01B 32/225
C01B 33/40
C04B 35/536
C08K 3/04
C08K 3/36
C08K 3/40
C08K 7/00
C08L 1/08
C08L 29/04
C08L 71/02
G10K 11/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粘着力を与える粘結剤;
膨張黒鉛; 及び
粘土の層間距離が20〜50倍に膨張されるハニカム構造(honeycomb)の形の層状構造として層間に水分子を含めて、粒子サイズは50μm〜200μmである膨潤性粘土;
を含むことことを特徴する軽量化された吸音耐火断熱材。
【請求項2】
第1項において、
前記膨潤性粘土100重量部に対して前記膨張黒鉛10〜100重量部を含めることを特徴とする軽量化された吸音耐火断熱材。
【請求項3】
第1項において、
前記膨潤性粘土と前記膨張黒鉛を合わせた重量100重量部に対して前記粘結剤30〜200
重量部を含めることを特徴とする軽量化された吸音耐火断熱材。
【請求項4】
第1項において、
前記膨潤性粘土はベットナイト(bentonite)、バーミキュライト(vermiculite)、 モンモリロナイト(montmorillonite)、 クロライト(chlorite)、 セビオライト(sepiolite)、 アタビルジャイト(attapulgite)、サポナイト(saponite)、 ヘクトライト(hectorite)、 バイデライト(beidellite)、 ハロイセイト(halloysite)、 ソコナイト(sauconite)及びノントロナイト(nontronite) 中から選択された1種以上の物質で成り立つことを特徴とする軽量化された吸音耐火断熱材。
【請求項5】
第1項において、
前記粘結剤はポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールまたメチルセルロース中から選択された1種以上の物質であることを特徴とする軽量化された吸音耐火断熱材。
【請求項6】
第1項において、
前記膨張黒鉛及び前記膨潤性粘土の合わせた重量100重量部に対して10〜200重量部の難熱性組成物をもっと含めて、前記難熱性組成物はアルカリ金属成分が除去された水ガラスのガラス成分またはシリカゾル(silica sol)であることを特徴とする軽量化された吸音耐火断熱材。
【請求項7】
第1項において、
前記膨潤性粘土は、層間に水分子と一緒に交換性陽イオンが含有された層状構造で成り立つことを特徴とする軽量化された吸音耐火断熱材。
【請求項8】
第1項において、
前記膨潤性粘土は、層間にある水分子が有機物として一部交換され粘土-有機物複合体を形成する層状粘土で成り立つことを特徴とする軽量化された吸音耐火断熱材。
【請求項9】
第1項において、吸音耐火断熱材の厚さは5〜50mmであることを特徴とする軽量化された吸音耐火断熱材。
【請求項10】
第1項において、
吸音耐火断熱材の熱伝導度が0.1 - 0.3 W/mKであることを特徴とする軽量化された吸音耐火断熱材。
【請求項11】
第1項において、
吸音耐火断熱材の外観密度が0.1-0.5g/cm3であることを特徴とする軽量化された吸音耐火断熱材。
【請求項12】
黒鉛を酸で1次膨張させた後、熱処理して2次膨張させる膨張黒鉛の製造段階;
粘土を円型に粉砕した後、400〜600℃で加熱させて前記粘土の層間の距離を20〜50倍に膨張させる後前記膨張された粘土の粒子サイズが50μmから200μmまでになるように粉砕させた膨潤性粘土の製造段階; 及び
粘結剤に前記膨張黒鉛及び前記膨潤性粘土を混合する段階;を含めて、
前記膨潤性粘土はハニカム(honeycomb)の形で層間に水分子を含める層状構造であることを特徴とする軽量化された吸音耐火断熱材の製造方法。
【請求項13】
第12項において、
前記膨潤性粘土100重量部に対して、前記膨張黒鉛は10〜100重量部を混合して、
前記膨潤性粘土と前記膨張黒鉛の全体含量100重量部に対して、前記 粘結剤は30〜200重量部を混合することを特徴とする軽量化された吸音耐火断熱材の製造方法。
【請求項14】
第12項において、
前記粘結剤はポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールまたメチルセルロース中から選択された1種以上の物質であることを特徴とする軽量化された吸音耐火断熱材の製造方法。
【請求項15】
第12項において、
前記吸音耐火断熱材の熱伝導度が0.1〜0.3W/mKで製造することを特徴とする軽量化された吸音耐火断熱材の製造方法。
【請求項16】
第12項において、
吸音耐火断熱化の外観密度が0.1〜0.5g/cm3で製造することを特徴とする軽量化された吸音耐火断熱材の製造方法。
【請求項17】
第12項において、
前記膨張黒鉛及び前記膨潤性粘土の全体含量100重量部に対して難熱性組成物を10〜200重量部をもっと含めて、
前記難熱性組成物はアルカリ金属成分が除去された水ガラスまたシリカゾル(silica sol)中から選択された1種以上の物質であることを特徴とする軽量化された吸音耐火断熱の製造方法。
【請求項18】
第12項において、
前記膨張黒鉛及び前記膨潤性粘土の全体含量100重量部に対して、水またエタノール中から選択された1種以上の物質10〜100重量部をもっと混合することを軽量化された吸音耐火断熱材の製造方法。
【請求項19】
第12項において、
前記膨潤性粘土は層間に水分子と一緒に交換性陽イオンが含有された層状構造であることを特徴とする軽量化された吸音耐火断熱材の製造方法。
【請求項20】
第12項において、
前記膨潤性粘土は層間にある水分子が有機物で一部交換されて粘土-有機物複合体を形成する層状構造で成り立つことを特徴とする軽量化された吸音耐火断熱材の製造方法。
【請求項21】
第12項において、
前記膨潤性粘土はベットナイト、バーミキュライト、モンモリロナイト、 クロライト、セビオライト、アタビルジャイト、サポナイト、ヘクトライト、バイデライト、ハロイセイト、ソコナイト及びノントロナイト中から選択された1種以上の層状の粘土で成り立つことを特徴とする軽量化された吸音耐火断熱材の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は膨張黒鉛を利用して軽量化された吸音耐火断熱材及びその製造方法に関することで、さらに詳細には膨張黒鉛と膨潤性粘土を利用するので軽量化されて、吸音性能、断熱性、耐火性及び難燃性が優れ、焼成工程を経ずに製造が可能で工程が単純して生産単価を下げる軽量化された吸音耐火断熱材及びその製造方法に関することである。
【背景技術】
【0002】
住居環境などの改善のために防音材と断熱材の需要が急騰している。建築用の断熱材また防音材の用度に使用される発砲スチロールは軽くて断熱及び防音効果が良好であるが、耐久性が弱く、発火及び引火をよくし、火事発生時には有毒ガスを発生するので人命被害が大きい短所があり、最近にはその使用が制限されています。
【0003】
また、建築用の断熱材や防音材などで多く使用されるガラス繊維(glass fiber)などは火事などの危険からは安全ですが、大気中に露出される場合ガラス繊維の磨耗で人体に有害な埃が発生する可能性があり、施工時に有害な埃が発生して施行中に作業者の健康に悪い影響を与える恐れがあり、材質の老化による発生する粉塵などが人体に有害であることが判明し、その使用が段々減っている。
【0004】
また、廢木材を活用した木材は環境的で長所であるが、火事に弱いし、何よりも吸音材または断熱材として性能が落ちる問題があり、廢木材の需給の円滑性に支障がある。
【0005】
また、アルミニウム(Al)と同じ金属材があるが、このような金属材は高価なので価格及び資源の浪費的な要所が存在する。
【0006】
また、セメントコンクリート素材を吸音材として適用する場合もあるが、セメントコンクリート材質の吸音材は比重が大きくて製品が重いし、施工性が悪く、吸音性能が十分ではない問題がある。
【0007】
このような従来の吸音材また断熱材の問題点を改善するために新しい素材の開発が要求されている。
【発明の概要】
【0008】
本発明が解決しようとする課題は膨張黒鉛と膨潤性粘土を利用するので軽いし、吸音性能、断熱性、耐火性及び難熱性が優れ、焼成工程を経ずに製造が可能し工程が単純して生産単価を下げられる軽量化された吸音耐火断熱材及びその製造方法を提供することにある。
【0009】
本発明は粘着力を付与する粘結剤; 膨張黒鉛; 及び膨潤性粘土を含め、前記膨潤性粘土は粘土の層間の距離が20〜50倍に膨張し、層間に水分子を含めているハニカム構造(honeycomb)の層状粘土で成り立って粒子サイズが 50〜200μmであることを特徴とする軽量化された吸音耐火断熱材を提供する。
【0010】
前記膨潤性粘土100重量部に対して、前記膨張黒鉛10〜100重量部を含めることができる。
【0011】
前記膨潤性粘土は層間に水分子を含める層状構造で成り立つことができる。
【0012】
前記膨潤性粘土と前記膨張黒鉛を合わせた重量100重量部に対して、前記粘結剤30〜200重量部を含めることができる。
【0013】
前記膨潤性粘土はベットナイト、バーミキュライト、モンモリロナイト、 クロライト、セビオライト、アタビルジャイト、サポナイト、ヘクトライト、バイデライト、ハロイセイト、ソコナイト及びノントロナイト中から選択された1種以上の膨潤性粘土で成り立つことができる。
【0014】
前記粘結剤はポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールまたメチルセルロース中から選択された1種以上の物質である。
【0015】
前記膨張黒鉛及び前記膨潤性粘土の合わせた重量100重量部に対して 10〜200重量部の難燃性組成物をもっと含めて、前記難燃性組成物はアルカリ金属成分が逝去された水ガラスのガラス成分またはシリカゾル(silica sol)である。
【0016】
前記膨潤性粘土は層間に水分子と一緒に交換性陽イオンが含まれた層状構造で成り立つことができる。
【0017】
前記膨潤性粘土は層間にある水分子が有機物として一部交換され粘土-有機物複合体を形成する層状構造で成り立つことができる。
【0018】
前記吸音耐火断熱材は5〜50mmの厚さを有するパネル形態で成っている。
【0019】
前記吸音耐火断熱材は熱伝導度(thermal conductivity)が0.1〜0.3W/mKである。
【0020】
前記吸音耐火断熱材は 見掛け密度(apparent density)が0.1〜0.5g/cm
3である。
【0021】
本発明は、黒鉛を酸及び熱処理して膨張させる膨張黒鉛製造段階;
【0022】
粘土を円型で粉砕した後400〜600℃で加熱させて前記粘土の層間の距離を20〜50倍に膨張させた後膨張した粘土の粒子サイズが 50μmから200μmで粉砕する膨潤性粘土の製造段階;及び前記膨張黒鉛に粘結剤及び膨潤性粘土を混合する段階;を含めて、前記膨潤性粘土はハニカム構造(honeycomb)の形の層間に水分子を含める層状構造であることを特徴とする軽量化された吸音耐火断熱材の製造方法を提供する。
【0023】
前記粘結剤はポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールまたメチルセルロース中から選択された1種以上の物質である。
【0024】
前記膨潤性粘土100重量部に対して、前記膨張黒鉛10〜100重量部を混合して、前記粘結剤は前記膨潤性粘土と前記膨張黒鉛の全体含量100重量部に対して30〜200重量部を混合できる。
【0025】
前記粘結剤はポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールまたメチルセルロース中から選択された1種以上の物質である。
【0026】
前記軽量化された吸音耐火断熱材は熱伝導度が0.1〜0.3W/mKである。
【0027】
前記軽量化された吸音耐火断熱材は見掛け密度が0.1〜0.5g/cm
3である。
【0028】
前記膨張黒鉛及び前記膨潤性粘土の全体含量100重量部に対して難熱性組成物を10〜200重量部をもっと含めて、前記難熱性組成物はアルカリ金属成分が除去された水ガラスまたシリカゾル(silica sol)中から選択された1種以上である。
【0029】
前記膨張黒鉛及び膨潤性粘土の全体含量100重量部に対して水またエタノール中から選択された1種以上の物質10〜100重量部をもっと混合できる。
【0030】
前記膨潤性粘土は層間に水分子と一緒に交換性陽イオンが含有された層状構造の粘土である。
【0031】
前記膨潤性粘土は層間にある水分子が有機物として一部交換されて粘土-有機物複合体を形成される層状粘土で成る。
【0032】
前記膨潤性粘土はベットナイト、バーミキュライト、モンモリロナイト、クロライト、セビオライト、アタビルジャイト、サポナイト、ヘクトライト、バイデライト、ハロイセイト、ソコナイト及びノントロナイト中から選択された1種以上の層状粘土で成ることができる。
【発明の効果】
【0033】
本発明の軽量化された吸音耐火断熱材によると、膨張黒鉛と膨潤性粘土を利用するので軽量して吸音性能が優れ、耐火性及び難熱性が優れ、焼成工程を経ずに製造が可能し工程が単純して生産単価を下げられることができる。
【0034】
本発明によって製造した軽量化された吸音耐火断熱材は優れた吸音及び断熱の特徴を表して、既存の断熱材とは違って不熱性なので火事時有毒ガスが発生しない。
【0035】
また、本発明によって製造した軽量化された吸音耐火断熱材は火によく燃えない難熱性として人体に無害な無機質系原料で成り、原料が安くて製造費用が下がって大量生産が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1a-1c】
図1a乃至
図1cは実施例1から使用された膨張黒鉛の熱処理前の姿を見せてくれる走査電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope ; SEM)の写真である。
【0037】
【
図2a-2c】
図2a乃至
図2aは実施例1で使用された膨張黒鉛の熱処理後の姿を見せてくれる走査電子顕微鏡(SEM)の写真である。
【0038】
【
図3】
図3は実施例1で使用された膨張黒鉛を熱処理後に成分を分析した結果を見せてくれる図面である。
【0039】
【
図4】
図4a乃至
図4eは実施例1によって製造した軽量耐火吸音断熱材を見せてくれる図面である。
【0040】
【
図5a】
図5aは実施例1によって製造した本発明によって軽量化された吸音耐火断熱材の吸音効果に対する試験データである。
【
図5b】
図5bは実施例1によって製造した本発明によって軽量化された吸音耐火断熱材の吸音効果に対する試験データである。
【0041】
以下、添付された図面を参照して本発明による望ましい実施例を詳細に説明する。 しかしながら以下の実施例はこの技術分野で通常的な知識を持った者に本発明が十分に理解できるように提供することで様々な違う形態に変形できるし、本発明の範囲が次のように技術される実施例に限定することではない。
【0042】
従来の吸音材また断熱材は重かったり、火事に脆弱したり、人体に有害したり、吸音効果が良くないなど少なくとも一つ以上の欠陥を持っているし、本発明はこのような問題点を解決できる軽くて断熱性及ぶ吸音性が優れた吸音性が優れた吸音断熱材を提示する。
【0043】
吸音断熱材の軽くて断熱性及び吸音性を向上させるために、膨張黒鉛と膨潤性粘土を主原料として使用する。
【0044】
本発明の望ましい実施例による軽量耐火吸音断熱材は、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールまたメチルセルロース中から選択された1種以上の物質である粘結剤(binder)、膨張黒鉛(expanded graphite)及び膨潤性粘土(swelling clays)を含めて、前記膨潤性粘土は層間に水分子を含める層状粘土で成り、各層はハニカム構造で、前記膨張黒鉛は前記膨潤性粘土100重量部に対して10〜100重量部を含めて、前記粘結剤は前記膨潤性粘土と熱処理された前記膨張黒鉛の全体含量100 重量部に対して30〜200重量部を含有され、5〜50mmの厚さを有するパネル形態で成る。前記膨潤性粘土は、400〜600℃に粘土を加熱させ前記粘土の層間距離を20〜50倍に膨張させたものでハニカム構造(honeycomb)の層状構造で粒子サイズが 50μmから200μmまでである。
【0045】
黒鉛(graphite)を水で精製した後硫酸で処理して1次膨張(expandable graphite)をさせた後、再び精製水で精製して黒鉛に熱を加熱して2次膨張するので、硫酸及び熱処理を通じて最初の黒鉛は数十乃至数百倍で膨張するので、このように製造された黒鉛を特別に膨張黒鉛(expanded graphite)と言う。
【0046】
膨脹黒鉛の一般的な製造方法をみると、天然鉱山から黒鉛を採掘した後、粉砕及び水分供給工程を経て黒鉛(graphite)を作り、この黒鉛を硫酸と同じ強酸を利用して1次膨脹(expandable graphite)させて高温及びアルカリ状態で焼結した後に洗浄工程を経て純度99.5%の黒鉛を作り、このように洗浄された黒鉛を余熱を通じて黒鉛を2次膨脹させて最終の膨脹黒鉛(expanded graphite)を製造する。
【0047】
膨脹黒鉛(expanded graphite)は高上層を形成する難燃材として膨脹されたカーボン層が絶縁層へ作用して熱の移動を障害する。このような膨脹黒鉛は非ハロゲンタイプの低発煙性の新環境難燃材として適用できる。膨脹黒鉛が熱処理によって膨脹になると、層を成す面に対して垂直方向に断熱性が優れた特性がある。
【0048】
このような黒鉛膨脹が毒性がなく、軽いし、ハロゲン成分を含有しないし、水に不溶性で、有毒ガスを発生しないなどの長所を有する。
【0049】
一方、膨潤性粘土(swelling clay)は成形工程中可塑性が向上され、軽量化された吸音断熱材の製造が可能である。
【0050】
膨潤性粘土は、粘土結晶らが弱いファンデルワールス力(van der waals force)によって維持される微粒子形状(形態)を有する層状粘土である。このような膨潤性粘土は一般的に水分を良く吸収して吸収された水分が蒸発しながら収縮して気孔を形成できる要因を提供する。
【0051】
前記膨潤性粘土は、一般粘土を円型に粉砕する段階、約400℃〜600℃に加熱させて粘土の層間距離を20〜50倍に膨張させる段階、膨張された前記粘土の粒子サイズが50μm〜200μmになるように粉砕する段階を経て製造される。
このような粉砕過程、加熱過程、膨脹過程及び粉砕過程を経た膨潤性粘土はハニカム構造(honeycomb)の形になり、このようなハニカム構造の各層がいくつか形成された層状構造を成る。水を吸水して膨張される膨潤性粘土には、層間に水分子が入っている層状粘土ばかりではなく、層間に水と一緒に交換性陽イオン(一般的にアルカリイオンであるNa+, Li+ など)と入った状態の層状粘土、そして層間にある水分子が有機物と一部交換され粘土-有機物複合体を形成する層状粘土などが使用できる。ハニカム構造(honeycomb)の層状構造のせいで、膨潤性粘土を利用した断熱材が騒音を吸収する能力を向上させる。
【0052】
層間に水分子が交換性陽イオンと一緒に入った状態の膨潤性粘土は、基本的には水分子が交換性陽イオンに配位して水分子の相互間及び底面の酸素との間に水素結合をして規則的に配列している。一方このような層間水の量、即ち水分子の枚数は回りの湿度及び層間に入った交換性陽イオンの種類によって段階的に変り、これによって層間の間隔が変るようになる。交換性陽イオンを含むこのような膨潤性粘土は固有の陽イオン交換の特徴により層間陽イオンが異なる無機クラスター陽イオンや陽イオンの表面電化を有するコロイド粒子と表面置き換え反応が起き、いわゆる架橋化粘土(cross linked c1ays)を形成する特徴がある。このような架橋化粘土は無機酸化物が層間に架橋役割をしながら存在するので安定な気孔が形成できる。
【0053】
層間にある水分子が有機物で一部交換され粘土-有機物複合体を形成する膨潤性粘土は、層間に存在する交換性陽イオンと有機陽イオンなどとのイオン交換反応によってあるいは極性有機分子の吸着によって層間に有機物が混入されることである。例えば、エチルレングルリコルグリセロールと同じ中性分子やアルキルアンモニウムと有機陽イオンが入ることができる。
【0054】
このような膨潤性粘土はベットナイト(bentonite)、バーミキュライト(vermiculite)、 モンモリロナイト(montmorillonite)、 クロライ(chlorite)、 セビオライト(sepiolite)、 アタビルジャイト(Attapulgite)、サポナイト(saponite)、 ヘクトライト(hectorite)、 バイデライト(beidellite)、 ハロイセイト(halloysite)、 ソコナイト(sauconite)及びノントロナイト(nontronite) 中から選択された1種以上の膨潤性粘土で成り立つことができる。
【0055】
膨潤性粘土中のベットナイト(bentonite)は粘力が強くて膨潤性及び陽イオン交換性が大きい。
【0056】
膨潤性粘土中のモンモリロナイト(montmorillonite)は水溶液中から層間イオンの水化反応によって特有の膨潤特性を表す。モンモリロナイト(montmorillonite)は陽イオン交換性が大きくて水溶液中から膨潤による格子剥離化が容易に起きる。Na+ またLi+を交換性陽イオンを有するモンモリロナイト(montmorillonite)の場合には、水中で40-140Å程度まで階間距離が測定されていて、これは粘土が水中で階間に水を吸着して膨張(膨潤swelling)なる現象だ。
【0057】
膨潤性粘土中のハルロイサイト(halloy site)は湿潤な状態で階間に水分子が階間水で入っているが、交換性陽イオンは含まれていない。 このようなハルロイサイトでは階間水は乾燥させば、容易に脱水されて、階間の間隔は10Å程度で7.4―7.5Å程度に縮小される。
【0058】
このような膨張性粘土は可塑性を良くして軽量化を具現できるようにし、また遮水材(または止水材)の役割を果たし、水がこれ以上軽量耐火吸音断熱材を通過しないようにする役割をしたりもする。
【0059】
上述したような吸音耐火断熱材は熱伝導率が0.1〜0.3W/Mkである。
【0060】
上述したような吸音耐火断熱材の見掛け密度が0.1〜0.5g/cm
3である。
【0061】
前記の熱伝導率は25℃で測定された値として、吸音耐火断熱材の熱伝導率が0.1W/mK未満であれば断熱性は向上するが吸音性が低下することがあり、0.3W/mK超過すると断熱性が低下することがある。
【0062】
また、前記見掛け密度は最適の吸音性と断熱性を考慮して0.1〜0.5g/cm
3であり、前記見掛け密度はKS M 6962に規定された方法によって測定できる。 見掛け密度が0.1g/cm
3以下であれば、過度に軽量化されて吸音性が急激に劣ることを確認できたし、0.5g/cm
3以上の場合、吸音性は向上するが、断熱材の重さが重くなっていることを確認できる。
【0063】
また、本発明の望ましい実施例による軽量耐火吸音断熱材はポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールやメチルセルロースの中から選択された1種以上の物質を含む。 ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールやメチルセルロースの中から選択された1種以上の物質は粘着剤として、膨張黒鉛と膨潤性粘土の粒子の間に粘着力を付与して成形時に吸音断熱材の強度を有し、施工性を向上させる役割をして吸音断熱材の弾性を増加させる役割もできる。 前記ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールやメチルセルロースの中から選択された1種以上の物質は、前記膨潤性粘土と熱処理された前記膨張黒鉛の全体の含量100重量部に対して30〜200重量部を含有することが望ましい。
【0064】
また、本発明の望ましい実施例による軽量化された耐火吸音断熱材は難燃性を補完するためにNaのようなアルカリ金属成分が除去された水ガラスのガラス成分またはシリカゾル(silica sol)中から一つをさらに含むことができる。前記アルカリ金属成分が除去された水ガラスを製造する方法は多様だが、例えばSi02とNa2C03を混合溶融して急冷(quenching)して水ガラスを得た次に樹脂に吸着させアルカリ金属成分(例えば、Na)を除去して得られる。 前記シリカゾル(silica sol)は前記製造された水ガラスに水またエタノールを分散媒をもっと追加して、前記 分散媒に珪酸(SiO
2・nH
2O)の未粒子が分散されて流動性を増加させたコロイド状の粒子を意味する。
【0065】
アルカリ金属成分が除去された前記の水ガラスのガラス成分または流動性が増加されたシリカゾル(silica sol)の中の一つの物質を追加で含まれるようにすれば膨張黒鉛の難燃性を補完して与えることができるため、吸音断熱材の難燃性が改善されるし、膨張黒鉛の酸化を防止して耐火性及び断熱性を増進することができる。従って、前記アルカリ金属成分が除去された水ガラスのガラス成分またはシリカゾル(silica sol)の中の一つ以上の物質である難燃材が、熱処理された前記膨張黒鉛や前記膨潤性粘土の全体の含量100重量部について10〜200重量部含有されることが望ましい。
【0066】
以下で、本発明の望ましい実施例による軽量耐火になって断熱性と吸音性が向上した吸音耐火断熱材の製造方法を具体的に説明している。
【0067】
膨張黒鉛を電気炉のようなファーネス(furnace)に装入して熱処理工程を遂行する。 前記膨張黒鉛は使用する化学品(例えば、硫黄化合物、窒素化合物)によって膨張黒鉛の膨張開始温度が決まるが望ましくは前記の熱処理工程は比較的低温である500℃〜900℃程度の温度で10秒〜12時間程度行うのが望ましい。 熱処理する間にファーネス内部の圧力は一定に維持することが望ましい。
【0068】
前記の熱処理は500〜900℃範囲の温度で行われることが望ましい。 熱処理温度が500℃未満の場合には膨張黒鉛が不完全に熱処理され吸音断熱材の特性がよくなく、900℃を超過する場合にはエネルギーの消耗が多いので、非経済的かもしれない。
【0069】
前記熱処理温度までは1〜50℃/minの昇温速度で上昇させることが望まれますが、昇温速度が遅すぎた場合には時間が長くかかるため生産性が落ちるし昇温速度があまりにも速い場合には急激な温度の上昇によって熱的ストレスが加えられる恐れがあるため前記範囲の昇温速度で温度を上げることが望ましい。
【0070】
また、前記の熱処理は熱処理温度で10秒〜12時間くらい維持することが望ましい。 熱処理時間が12時間以上で長すぎる場合にはエネルギーの消耗が多いので非経済的であるだけでなくこれ以上の熱処理効果を期待しにくいし、熱処理の時間が10秒以下で短い場合には不完全な熱処理で膨張黒鉛の十分な膨張が起きない。また、前記の熱処理は酸化雰囲気(例えば、空気(air)または酸素(O
2)雰囲気)で実施することが望ましい。
【0071】
熱処理工程を遂行した後、ファーネス温度を下降させて熱処理された膨張黒鉛をアンローディングする。 前記ファーネス冷却はファーネス電源を遮断して自然な状態で冷却されるようにしたり、任意的に温度の下降率(例えば、10℃/min)を設定し、冷却されるようにすることもできる。 ファーネス温度を下降させている間にもファーネス内部の圧力は一定に維持することが望ましい。
【0072】
出発原料として 粘決剤、熱処理された膨張黒鉛や膨潤性粘土を混合して軽量化された吸音耐火断熱材用の造成物を形成する。熱処理された前記膨張黒鉛は前記膨潤性粘土100重量部に対して10〜100重量部混合することが望ましい。前記ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールやメチルセルロースの中から選択された1種以上の物質として粘結剤は前記膨潤性粘土と熱処理された前記膨張黒鉛の全体の含量100重量部に対して30〜200重量部を混合することが望ましい。
【0073】
前記出発原料を混合して軽量化された吸音耐火断熱材用の造成物を形成する際、熱処理された前記膨張黒鉛や前記膨潤性粘土の全体の含量100重量部に対して水やエタノールの中から選択された1種以上の物質10〜100重量部をさらに混合することができる。
水やエタノールの中から選択された1種以上の物質を追加する理由は膨潤性粘土のハニカム構造の形の層間に 水やエタノールをもっと多く含有させるし、前記水やエタノールはシリカゾル製造時分散媒の役割ができるからである。
【0074】
また、前記出発原料を混合して軽量化された吸音断熱材用の造成物を形成する際、熱処理された前記膨張黒鉛や前記膨潤性粘土の全体の含量100重量部に対してアルカリ金属成分が除去された水ガラスやシリカゾル(silica sol)の中から選択された1種以上の物質を難燃材として10〜200重量部をさらに混合することができる。 アルカリ金属成分が除去された水ガラスやシリカゾル(silica sol)中で選択された1種以上の物質を 難燃材として添加することになれば膨張黒鉛の難燃性がもっと向上できるし膨張黒鉛の酸化を防止して耐火性及び断熱性を増進できる効果がある。
【0075】
前記軽量化された吸音耐火断熱材用の造成物を成形して軽量化された吸音耐火断熱材を形成する。 ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールやメチルセルロースの中から選択された1種以上の物質、膨張黒鉛や膨潤性粘土が含まれた吸音耐火断熱材用の造成物をモールに注入していろいろな形で成形する。 前記成形体はパネルの形で行われて5〜50mmの厚さを有することが望ましい。 前記の成形は多様な方法で行われことができる。 例えば、前記成形体は平らなパネルタイプで形成することができ、前記の成形は所定の圧力(例えば、1〜10トン)で一軸加圧(uniaxial pressing)したり、両軸加圧(biaxial pressing)して実行したり、押出機(extruder)を利用することもできる。
【0076】
成形した結果物を乾燥する。 前記の乾燥は前記の水の沸騰点以下の温度、例えば、40℃〜100℃程度の温度で行われることが望まれますが、40℃未満の場合には十分な乾燥が行われないことができ、100℃を超過すれば、必要な設備費用とエネルギーコストが過度に所要されこれは結局軽量耐火吸音断熱材の製造原価の上昇につながる恐れがある。 前記の乾燥工程により前記シリカゾル(silica sol)はシリカゲル(silica gel)と変化した後、シリカ(silica)になるようになる。 また、前記の乾燥工程により前記アルカリ金属成分が除去された水ガラスで水の成分が除去され、ガラス成分が残ることになる。
【0077】
本発明によって製造した軽量化された吸音耐火断熱材は吸音率がNRC(Noise reduction coefficient)基準0.5以上に吸音素材または断熱素材としてさまざまな分野に応用でき、従来のコンクリート材の吸音断熱材またはガラス繊維材質の吸音断熱材とは違って、施工過程中の利便性が大きく改善される効果を持つ。
【0078】
また、本発明の軽量化された吸音耐火断熱材は既存の吸音断熱材と比較して大幅に軽量化されることにより、本発明の軽量化された吸音耐火断熱材が適用される場合に各種の構造物の負荷を軽減することができる。
【0079】
また、本発明の軽量化された吸音耐火断熱材は難燃性が画期的に改善され、発泡スチロール、木材の材質などのような可燃性素材の吸音断熱材に比べて火災に対する安定性が非常に優れている。
【0080】
以下で、本発明による実施例を具体的に提示し、次に提示する実施例により本発明が限られることはない。
【0082】
黒鉛(graphite)を水で精製した後、硫酸で処理して1次膨張をさせた後、これを再び精製水で精製した膨張黒鉛(expandable graphite)を電気炉で装入して熱処理工程を遂行して膨張黒鉛を2次膨張させた。 前記の熱処理工程は600℃の温度で1時間にわたり遂行した。 熱処理温度までは5℃/minの昇温速度で上昇させ、前記の熱処理は空気(air) 雰囲気で実施しており、熱処理工程を遂行した後ファーネス温度を自然冷却し最終膨張黒鉛(expanded graphite)を製造した。
【0083】
ベントナイト(bentonite)を選択し前記ベントナイトを原形で粉砕した後約400℃〜600℃に加熱させて粘土(ベントナイト)の層間の距離を20〜50倍に膨張させて、前記膨張されたベントナイトの粒子サイズが50μm〜200μmになるように粉砕する段階を経て膨潤性粘土としてベントナイトを製造する。 このような粉砕の過程、加熱過程、膨張過程や粉砕過程を経た膨潤性粘土としてベントナイトはハニカム構造(honeycomb)の形の層状構造を成る。
【0084】
出発原料としてポリビニルアルコール(粘結剤)、熱処理された膨張黒鉛やベントナイト(膨潤性粘土)を混合して軽量化された吸音耐火断熱材用の造成物を形成した。 前記ベントナイトと熱処理された前記膨張黒鉛は9:1の重量比で混合しており、前記ポリビニルアルコールは前記ベントナイトと熱処理された前記膨張黒鉛の全体の含量100重量部に対して30〜143重量部を混合した。
【0085】
前記軽量化された吸音耐火断熱材用の造成物を成形して軽量化された吸音耐火断熱材を形成した。 ポリビニルアルコール熱処理された膨張黒鉛やベントナイトが含まれた軽量化された
吸音断熱材用の造成物をモールに注入し、約3トン(ton)の圧力で一軸加圧して成形した。 前記成形された軽量化された吸音耐火断熱材は4mm、10mmおよび15mmの厚さでそれぞれ切断した。
【0086】
前記形成された結果物を乾燥して軽く吸音性及び断熱性が優れた軽量化された吸音耐火断熱材を形成した。 前記の乾燥は70℃程度の温度で24時間にわたって行われた。
【0087】
図1a乃至
図1cは実施例1で使用された膨張黒鉛の熱処理前の姿を見せてくれる走査型電子顕微鏡(scanning electron microscope;SEM)の写真で、
図2a乃至
図2cは実施例1で使用された膨張黒鉛の熱処理後の姿を見せてくれる走査型電子顕微鏡(SEM)の写真であり、
図3は、実施例1で使用された膨張黒鉛を熱処理後に成分分析した結果を示す図面である。
【0088】
図1a乃至
図3を参照すると、膨張黒鉛は熱処理後に膨張されており、熱処理後に炭素(C)が主成分をなして酸素(0)、黄(S)及び鉄(Fe)成分が含まれていることを知ることができる。 硫黄(S)成分が含まれていたことから膨張黒鉛の階間に硫黄化合物(例えば、硫酸)が、化学品として挿入(intercalation)があったと判断される。
【0089】
図4a乃至
図4eは実施例1によって製造した軽量化された吸音耐火断熱材を示す図面である。
図4aはベントナイト(膨潤性粘土)と熱処理された膨張黒鉛の全体の含量100重量部に対してポリビニルアルコール143重量部を混合して製造し軽量化された吸音耐火断熱材を15mmの厚さで製作した場合に対するもので、
図4bはベントナイト(膨潤性粘土)と熱処理された膨張黒鉛の全体の含量100重量部に対してポリビニルアルコール84重量部を混合して製造し軽量化された吸音耐火断熱材を4mmの厚さで製作した場合に対したものであり、
図4cはベントナイト(膨潤性粘土)と熱処理された膨張黒鉛の全体の含量100重量部に対してポリビニルアルコール88重量部を混合して製造し軽量化された吸音耐火断熱材を4mmの厚さで製作した場合に対したもので、
図4dはベントナイト(膨潤性粘土)と熱処理された膨張黒鉛の全体の含量100重量部に対してポリビニルアルコール54重量部を混合して製造し軽量化された吸音耐火断熱材を10mmの厚さで製作した場合に対したものであり、
図4eはベントナイト(膨潤性粘土)と熱処理された膨張黒鉛の全体の含量100重量部に対してポリビニルアルコール71重量部を混合して製造し軽量化された吸音耐火断熱材を10mmの厚さで製作した場合に対したものである。
【0090】
図4a乃至
図4eを参照すれば、軽量化された吸音耐火断熱材の厚さが4mmで薄い場合にはひび割れ現象が発生し、軽量化された吸音耐火断熱材の厚さが10mm以上の場合には部分的分裂する現象が現れた。
【0091】
図5aと
図5bは本発明による高周波での吸音効果についての実験データである。 実施例1の方法によって製造された本発明の軽量化された吸音耐火断熱材の吸音効果がはるかに優れていることを知ることができる。
【0093】
実施例1と同じ製造方法で膨潤性粘土(expanded graphite)を製造した。
【0094】
実施例1と同じ製造方法で膨潤性粘土であるベントナイトを製造した。
【0095】
出発原料としてポリビニルアルコール、熱処理された膨張黒鉛や膨潤性粘土であるベントナイトを混合して軽量化された吸音耐火断熱材の造成物を形成した。 前記ベントナイトと熱処理された前記膨張黒鉛は8:2、7:3の重量比でそれぞれ混合しており、前記ポリビニルアルコールは前記ベントナイトと熱処理された前記膨張黒鉛の全体の含量100重量部に対して71重量部を混合した。
【0096】
前記軽量化された吸音耐火断熱材用の造成物を成形して軽量化された吸音耐火断熱材を形成した。 ポリビニルアルコール、熱処理された膨張黒鉛やベントナイトが含まれた軽量化された吸音耐火断熱材の造成物をモールに注入し、約3トン(ton)の圧力で一軸加圧して成形した。前記軽量化された吸音耐火断熱材は10mmの厚さで形成した。 前記形成された結果物である軽量化された吸音耐火断熱材を乾燥して吸音性と断熱性に優れた軽量化された吸音耐火断熱材を形成した。 前記の乾燥は70℃程度の温度で24時間にわたって行われた。 実施例2によって製造し軽量化された吸音耐火吸音断熱材はひび割れや亀裂が発生しなかった。吸音性が優れた。
【0098】
実施例1と同じような製造方法で膨張黒鉛(expanded graphite)や膨潤性粘土であるベットナイトを製造した。
【0099】
出発原料としてポリビニルアルコール(粘結剤)、熱処理された膨張黒鉛、膨潤性粘土であるベントナイトやシリカゾル(silica sol)を混合して軽量化された吸音耐火断熱材の造成物を形成した。 前記ベントナイトと熱処理された前記膨張黒鉛は7:3の重量比で混合しており、前記ポリビニルアルコールは前記ベントナイトと熱処理された前記膨張黒鉛の全体の含量100重量部に対して71重量部を混合し、前記シリカゾル(silica sol)は前記ベントナイトと熱処理された前記膨張黒鉛の全体の含量100重量部に対して100重量部を混合した。
【0100】
前記軽量化された吸音耐火断熱材の造成物を成形して軽量化された吸音耐火断熱材を形成した。 ポリビニルアルコール、熱処理された膨張黒鉛、ベントナイトやシリカゾル(silica sol)が含まれた軽量化された吸音耐火断熱材用の造成物をモールに注入し、約4.5トン(ton)の圧力で二軸加圧(biaxial pressing)して成形した。 前記軽量化された吸音耐火断熱材は10mmの厚さで形成した。
【0101】
前記成形された結果物を乾燥して軽量化された吸音耐火吸音断熱材を形成した。 前記の乾燥は70℃程度の温度で24時間にわたって行われた。
【0102】
実施例3によって製造し軽量化された吸音耐火吸音断熱材はひび割れや亀裂が発生せず、吸音性が優れている。
【0104】
実施例1と同じ製造方法で膨張黒鉛(expanded graphite)及び膨潤性粘土であるベントナイトを製造した。
【0105】
出発原料としてポリビニルアルコール(粘結剤)、熱処理された膨張黒鉛、膨潤性粘土であるベントナイトや水を混合して軽量化された吸音耐火断熱材の造成物を形成した。 前記ベントナイトと熱処理された前記膨張黒鉛は5:5の重量比で混合しており、前記ポリビニルアルコールは前記ベントナイトと熱処理された前記膨張黒鉛の全体の含量100重量部に対して38重量部、63重量部を混合し、前記水は前記ベントナイトと熱処理された前記膨張黒鉛の全体の含量100重量部に対して75重量部を混合した。
【0106】
前記の吸音断熱材用の造成物を成形して軽量化された吸音耐火断熱材を形成した。 ポリビニルアルコール、熱処理された膨張黒鉛、ベントナイトや水が含まれた吸音断熱材用の造成物をモールに注入し、約5トン(ton)の圧力で一軸加圧して成形した。 前記形成された吸音断熱材を10mmの厚さに切断した。
【0107】
前記形成された結果物である乾燥して軽量化された吸音耐火断熱材を形成した。 前記の乾燥は70℃程度の温度で24時間にわたって行われた。
【0108】
実施例4によって製造し軽量化された吸音耐火断熱材は小さな大きさの粒子が結集し泥のようについている形態を有しており、実施例1乃至実施例3によって製造し軽量化された吸音耐火吸音断熱材に比べて強度が優れているだけでなく吸音性が優れている。
【0110】
実施例1と同じ製造方法で膨張黒鉛(expanded graphite)及び膨潤性粘土であるベントナイトを製造した。
【0111】
出発原料としてポリビニルアルコール(粘結剤)、熱処理された膨張黒鉛、膨潤性粘土であるベントナイト及びエタノールを混合して軽量化された吸音耐火断熱材用の造成物を形成した。 前記ベントナイトと熱処理された前記膨張黒鉛は5:5の重量比で混合しており、前記ポリビニルアルコールは前記ベントナイトと熱処理された前記膨張黒鉛の全体の含量100重量部に対して38重量部、63重量部を混合し、前記エタノールは前記ベントナイトと熱処理された前記膨張黒鉛の全体の含量100重量部に対して75重量部を混合した。
【0112】
前記の吸音断熱材用の造成物を成形して軽量化された吸音耐火断熱材を形成した。 ポリビニルアルコール、熱処理された膨張黒鉛、ベントナイト及びエタノールが含まれた吸音耐火断熱材用の造成物をモールに注入し、約5トン(ton)の圧力で一軸加圧して成形した。前記成形された吸音断熱材は10mmの厚さに切断した。 前記成形された結果物を乾燥して軽量化された吸音耐火断熱材を 形成した。 前記の乾燥は70℃程度の温度で24時間にわたって行われた。
【0113】
実施例5によって製造し軽量化された吸音耐火断熱材用の造成物は成形性に優れているが、しかし実施例5によって製造し軽量化された吸音耐火断熱材は実施例4によって製造し軽量化された吸音耐火断熱材に比べて強度が低いことが明らかになった。
【0115】
実施例1と同じ製造方法で膨張黒鉛(expanded graphite)及び膨潤性粘土であるベントナイトを製造した。
【0116】
出発原料としてポリビニルアルコール(粘結剤)、熱処理された膨張黒鉛、膨潤性粘土であるベントナイトやシリカゾル(silica sol)を混合して軽量化された吸音耐火断熱材の造成物を形成した。 前記ベントナイトと熱処理された前記膨張黒鉛は5:5の重量比で混合しており、前記ポリビニルアルコールは前記ベントナイトと熱処理された前記膨張黒鉛の全体の含量100重量部に対して38重量部を混合し、前記シリカゾル(silica sol)は前記ベントナイトと熱処理された前記膨張黒鉛の全体の含量100重量部に対して75重量部を混合した。
【0117】
前記の吸音断熱材用の造成物を成形して軽量化された吸音耐火熱材を形成した。 ポリビニールアルコール、熱処理された膨張黒鉛、ベントナイトやシリカゾル(silica sol)が含まれた軽量化された吸音耐火断熱材用の造成物をモールドに注入し、約5トン(ton)の圧力で一軸加圧して成形した。 前記成形された吸音断熱材は10mmの厚さで形成した。
【0118】
前記成形された結果物を乾燥して軽量化された吸音耐火断熱材を形成した。 前記の乾燥は70℃程度の温度で24時間にわたって行われた。
【0119】
実施例6によって製造された吸音断熱材用の造成物は実施例5によって製造された吸音断熱材用の造成物に比べて成形性が少し落ち、実施例6によって製造された軽量化された吸音耐火断熱材は実施例5によって製造し軽量化された吸音耐火断熱材に比べて強度が高いことが分かった。
【0121】
実施例1と同じ製造方法で膨張黒鉛(expanded graphite)及び膨潤性粘土であるベントナイトを製造した。
【0122】
出発原料としてポリビニルアルコール、熱処理された膨張黒鉛、膨潤性粘土であるベントナイト、水、エタノールやシリカゾル(silica sol)を混合して軽量化された吸音耐火断熱材用の造成物を形成した。
【0123】
前記ベントナイトと熱処理された前記膨張黒鉛は5:5の重量比で混合しており、前記ポリビニルアルコールは前記ベントナイトと熱処理された前記膨張黒鉛の全体の含量100重量部に対して63重量部を混合し前記水は前記ベントナイトと熱処理された前記膨張黒鉛の全体の含量100重量部に対して38重量部を混合しており、前記エタノールは前記ベントナイトと熱処理された前記膨張黒鉛の全体の含量100重量部に対して50重量部を混合し、前記シリカゾル(silica sol)は前記ベントナイトと熱処理された前記膨張黒鉛の全体の含量100重量部に対して75重量部を混合した。
【0124】
前記の吸音断熱材用の造成物を成形して軽量化された吸音耐火断熱材を形成した。 ポリビニルアルコール、熱処理された膨張黒鉛、ベントナイト、水、エタノールやシリカゾル(silica sol)が含まれた軽量化された吸音耐火断熱材用の造成物をモールに注入し、約5トン(ton)の圧力で一軸加圧して成形した。 前記成形し軽量化された吸音耐火断熱材を10mmの厚さに切断した。
【0125】
成形された結果物を乾燥して軽量化された吸音耐火断熱材を形成した。 前記の乾燥は70℃程度の温度で24時間にわたって行われた。
【0126】
実施例7によって製造し軽量化された吸音耐火断熱材用の造成物は成形性に優れており、実施例7によって製造し軽量化された吸音耐火断熱材は実施例5によって製造し軽量化された吸音耐火断熱材に比べて強度が高いことが分かった。
【0128】
実施例1と同じ製造方法で膨張黒鉛(expanded graphite)及び膨潤性粘土であるベントナイトを製造した。
【0129】
出発原料としてポリビニルアルコール、熱処理された膨張黒鉛、膨潤性粘土であるベントナイト、水やシリカゾル(silica sol)を混合して軽量化された吸音耐火断熱材用の造成物を形成した。 前記ベントナイトと熱処理された前記膨張黒鉛は5:5の重量比で混合して、前記ポリビニルアルコールは前記ベントナイトと熱処理された前記膨張黒鉛の全体の含量100重量部に対して50重量部を混合し、前記水は前記ベントナイトと熱処理された前記膨張黒鉛の全体の含量100重量部に対して30重量部を混合して、前記シリカゾル(silica sol)は前記ベントナイトと熱処理された前記膨張黒鉛の全体の含量100重量部に対して30重量部を混合した。
【0130】
前記軽量化された吸音耐火断熱材用の造成物を成形して軽量化された吸音耐火断熱材を形成した。 ポリビニルアルコール熱処理された膨張黒鉛、ベントナイト、水やシリカゾル(silica sol)が含まれた吸音断熱材用の造成物をモールに注入し、約6トンの圧力と一軸加圧して成形した。 前記成形し軽量化された吸音耐火断熱材を10mmの厚さに切断した。
【0131】
成形された結果物を乾燥して軽量化された吸音耐火断熱材を形成した。 前記の乾燥は70℃程度の温度で24時間にわたって行われた。
【0132】
実施例8によって製造された吸音断熱材用の造成物は成形性が優れていることが分かった。
【0134】
実施例1と同じ製造方法で膨張黒鉛(expanded graphite)及び膨潤性粘土であるベントナイトを製造した。
【0135】
出発原料としてポリビニルアルコール、熱処理された膨張黒鉛、膨潤性粘土であるベントナイト、水やシリカゾル(silica sol)を混合して軽量化された吸音耐火断熱材用の造成物を形成した。 前記ベントナイトと熱処理された前記膨張黒鉛は5:5の重量比で混合しており、前記ポリビニルアルコールは前記ベントナイトと熱処理された前記膨張黒鉛の全体の含量100重量部に対して50重量部混合し、前記水は前記ベントナイトと熱処理された前記膨張黒鉛の全体の含量100重量部に対して10重量部を混合しており、前記シリカゾル(silica sol)は前記ベントナイトと熱処理された前記膨張黒鉛の全体の含量100重量部に対して30重量部を混合した。
【0136】
前記軽量化された吸音断熱材用の造成物を成形して吸音断熱材を形成した。 ポリビニルアルコール、熱処理された膨張黒鉛、ベントナイト水やシリカゾル(silica sol)が含まれ、軽量化された吸音断熱材用の造成物をモールに注入し、約6トン(ton)の圧力で一軸加圧して成形した。 前記成形し軽量化された吸音断熱材を10mmの厚さに切断した。
【0137】
前記成形された結果物を乾燥して軽量化された吸音耐火断熱材を形成した。 前記の乾燥は70℃程度の温度で24時間にわたって行われた。
【0138】
実施例9によって製造し軽量化された吸音耐火断熱材は成形性が優れていることが分かった。
【0140】
実施例1乃至実施例9でそれぞれ製造し軽量化された吸音耐火断熱材について、下記のような方法で熱伝導率及び見掛け密度を測定し、その結果を表1に記載した。
【0141】
熱伝導率:熱伝導率測定器(HFM436Lambda、Netzsch)を使用して
Heat Flow Method(ASTM C518)方法で測定した。
【0142】
見掛け密度:KS M 6962規定により測定した。
【0144】
表1に現れたとおり実施例1乃至実施例9で製造し軽量化された吸音耐火断熱材は熱伝導率が0.1〜0.3W/mKで、見掛け密度が0.1〜0.5g/cm
3として、断熱材として適合した物性を示すことを知ることができる。
【0145】
また、実施例1で製造し軽量化された吸音耐火断熱材について800〜5000Hzの高周波領域での吸音係数を測定した結果、吸音係数が0.22〜0.46として吸音特性も優秀なことを知ることができる (
図5a)。
【0146】
また、膨張黒鉛(expanded graphite)ではない一般的な黒鉛(graphite)と膨潤性粘土(swelling clay)を利用し残りの条件は実施例1と同じ条件で製造された断熱材(13A)及び膨脹黒鉛(expanded graphite)と一般粘土(clay)を利用して残りの条件は実施例1と同じ条件で製造した断熱材(13B)を比較して吸音係数を測定した結果、実施例1で製造し軽量化された吸音耐火断熱材の吸音特性が優秀なことを知ることができる (
図5b)
【0147】
実施例2乃至実施例9の方法で製造し軽量化された吸音断熱材らも5aと同じ条件で吸音係数を測定した結果、実施例1とほぼ類似した吸音特性(0.25〜0.43)を示した。
【0148】
また、膨潤性粘土としてベントナイト代わりにボミクルライトを使用して残りの条件は前記実施例1乃至9と同じ方法で軽量化された吸音耐火断熱材を製造した結果、熱伝導率及び見掛け密度は表1の数値範囲内にあり、
図5aと同じ条件で吸音係数を測定した結果、実施例1とほぼ類似した吸音特性(0.26〜0.40)を示した。
【0149】
膨潤性粘土としてベントナイト代わりにモンモリロナイト、クロライト、セピオライト、アタプルツァイト、サポナイト、ヘクトライト、バイデライト、ハルロイサイト、ソコナイトやノントロナイトをそれぞれ使用することだけを変えて他の条件は実施例1乃至実施例9まで同一の条件で製造し軽量化された吸音耐火断熱材の熱伝導度及び見掛け密度は表1の数値範囲内にあり、
図5aと同じ条件で吸音係数を測定した結果実施例1とほぼ類似した吸音特性(0.26〜0.40)をすべて示した。
【0150】
以上、本発明の望ましい実施例を挙げて詳細に説明したが、本発明は前記実施例に限られることはなく、本発明の技術的思想の範囲内で該当の分野で通常の知識を持った者によってさまざまな変形が可能である。