特許第6339300号(P6339300)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6339300固体照明モジュール、照明回路、及び照明制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6339300
(24)【登録日】2018年5月18日
(45)【発行日】2018年6月6日
(54)【発明の名称】固体照明モジュール、照明回路、及び照明制御方法
(51)【国際特許分類】
   H05B 37/02 20060101AFI20180528BHJP
【FI】
   H05B37/02 J
【請求項の数】15
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-555376(P2017-555376)
(86)(22)【出願日】2016年4月20日
(86)【国際出願番号】EP2016058718
(87)【国際公開番号】WO2016169961
(87)【国際公開日】20161027
【審査請求日】2017年10月20日
(31)【優先権主張番号】15177862.8
(32)【優先日】2015年7月22日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2015/077404
(32)【優先日】2015年4月24日
(33)【優先権主張国】IB
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】フィリップス ライティング ホールディング ビー ヴィ
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】特許業務法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】オエプトス ウーター
(72)【発明者】
【氏名】チャオ ハーイボー
(72)【発明者】
【氏名】リ ドゥオ エル
【審査官】 杉浦 貴之
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/111041(WO,A1)
【文献】 特開2013−136298(JP,A)
【文献】 特開2011−138716(JP,A)
【文献】 特開2011−181295(JP,A)
【文献】 特開2011−233637(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 37/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体光源と、
抵抗器回路の出力抵抗が、前記固体光源に印加されるべき所望の電力に関する情報を、接続されたドライバに伝達する前記抵抗器回路と、
外部構成デバイスから構成情報を受け取る制御インターフェイスと、
受け取った前記構成情報に応答して前記出力抵抗を設定するように前記抵抗器回路の構成を制御する制御回路と
を備える、固体照明モジュール。
【請求項2】
前記抵抗器回路の前記出力抵抗は、前記固体光源に電力供給するための、前記接続されたドライバからの光源駆動信号とは無関係であり、前記制御インターフェイスは、NFCアンテナ及びNFC受信回路を備えるNFC受信器を備える、請求項1に記載の固体照明モジュール。
【請求項3】
前記接続されたドライバから受信される光源駆動信号から、前記制御回路用の供給電力を生成する電源回路をさらに含む、請求項1又は2に記載の固体照明モジュール。
【請求項4】
前記電源回路は、
前記光源駆動信号に結合される出力トランジスタと、前記出力トランジスタの出力電圧を前記供給電力として設定するように前記出力トランジスタの制御端子に付与される閾値素子と、を有するトランジスタ回路、
スイッチモード電源回路、又は
特定の数の固体光源と並列な電圧ラインであって、前記特定の数の固体光源の順方向電圧が前記供給電力としての出力電圧に対応する、固体前記電圧ライン、を含む、請求項3に記載の固体照明モジュール。
【請求項5】
前記NFC受信器は、前記外部構成デバイスから受信した無線信号から、前記制御インターフェイス用の供給電力を生成するための電力ハーベスト回路を備える、請求項2に記載の固体照明モジュール。
【請求項6】
前記出力抵抗は、
前記固体照明モジュールの接地端子と、前記抵抗器回路の出力端子との間、又は
前記固体照明モジュールの光源端子と、前記抵抗器回路の前記出力端子との間で規定される、請求項1乃至5の何れか一項に記載の固体照明モジュール。
【請求項7】
前記抵抗器回路は、直列に接続された抵抗器及びスイッチをそれぞれの抵抗分岐が備える一組の抵抗器分岐を備え、前記抵抗器分岐は並列に接続され、前記制御回路は、前記スイッチの設定を制御することによって前記抵抗器回路の前記構成を規定する、請求項1乃至6の何れか一項に記載の固体照明モジュール。
【請求項8】
前記抵抗器回路は、前記ドライバに接続するための第1の端子及び第2の端子を備え、前記抵抗器回路は、
前記第1の端子と前記第2の端子との間を流れる電流を感知する電流センサと、
前記第1の端子と前記第2の端子との間の電圧を感知する電圧センサと
を備え、
前記制御回路は、
感知した前記電圧及び感知した前記電流に従って前記抵抗器回路の等価抵抗を計算するユニットと、
前記第1の端子と前記第2の端子との間にあり、前記構成情報及び計算された前記等価抵抗を用いて前記等価抵抗を制御するスイッチング回路と
を備える、請求項1乃至6の何れか一項に記載の固体照明モジュール。
【請求項9】
前記抵抗器回路は、前記ドライバに接続し、電圧を受け取るための第1の端子及び第2の端子を備え、前記抵抗器回路は、
前記第1の端子と前記第2の端子との間を流れる電流を感知する電流センサと、
前記構成情報及び感知した前記電流のフィードバックを用いて、前記抵抗器回路を通る電流を制御する電流制御ユニットを備える前記制御回路と
を備える、請求項1乃至6の何れか一項に記載の固体照明モジュール。
【請求項10】
前記固体照明モジュールは、
温度を感知する温度センサをさらに備え、
前記制御回路は、感知した前記温度にさらに応答して、前記出力抵抗を設定するように前記抵抗器回路の前記構成を制御する、請求項1乃至9の何れか一項に記載の固体照明モジュール。
【請求項11】
前記制御インターフェイスは、前記固体照明モジュールが、前記接続されたドライバによって駆動される前に前記構成情報を受け取る、請求項1に記載の固体照明モジュール。
【請求項12】
請求項1乃至11の何れか一項に記載の固体照明モジュールと、
構成情報を前記固体照明モジュールの制御インターフェイスに送ることによって、前記固体照明モジュールの所望の電力設定を構成デバイス内に書き込む前記構成デバイスと
を備える、照明モジュールシステム。
【請求項13】
前記所望の電力は、前記固体照明モジュールの定格電力を含む、請求項12に記載の照明モジュールシステム。
【請求項14】
請求項1乃至11の何れか一項に記載の固体照明モジュールと、
ドライバと
を備える照明回路であって、前記ドライバは、
前記固体照明モジュールに電力を供給する電源ユニットと、
前記抵抗器回路に結合されて出力抵抗を検出する感知ユニットと、
検出した前記出力抵抗によって伝達される前記所望の電力に関する情報に応じて、前記電源ユニットによって前記固体照明モジュールに印加される電力を制御する制御器と
を備える、照明回路。
【請求項15】
前記ドライバは、
前記固体照明モジュールへ前記電源ユニットによって供給された実際の光源駆動信号を感知し、感知した前記光源駆動信号を前記制御器に供給するための、前記抵抗器回路とは独立したフィードバックループを備え、
前記ドライバの前記制御器は、前記電源ユニットによって供給される前記光源駆動信号を、前記固体照明モジュールの定格電力及び感知した前記光源駆動信号に従って制御する、請求項14に記載の照明回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明ユニットの制御に関する。
【背景技術】
【0002】
LED照明は、照明産業に変化をもたらしつつあり、照明製品はもはや単なるオン/オフデバイスではなく、より精巧な制御の選択肢を備えた高度なデバイスとなってきており、こうした変化は、LEDの制御のしやすさによって可能となってきた。
【0003】
ドライバ回路によって供給すべき要求電流は、照明ユニット/モジュールごとに、また照明ユニットの構成ごとに異なる。最新のLEDドライバ回路は、多種多様な照明ユニットに、また様々な数の照明ユニットに使用できるよう十分なフレキシビリティを有するように設計されている。この目的で、照明システムの設計にこのフレキシビリティを持たせることができるように、今日では、LED照明器具内のインテリジェント電子ドライバ回路(しばしば「バラスト」と呼ばれる)が、照明モジュール自体とは別個とされることが多い。
【0004】
ドライバ回路は、いわゆる「動作窓(operating window)」内で動作することが知られている。動作窓は、ドライバ回路によって送達することができる出力電圧と、出力電流との関係を規定する。特定の照明負荷の要件がこの動作窓内に含まれる場合、ドライバ回路は、その特定の照明負荷で使用されるように構成することができ、それによってドライバ回路に所望のフレキシビリティが与えられる。このことは、要求される電流設定及び電圧設定がその動作窓に当てはまれば、様々な製造業者による様々な設計の、多様なアプリケーション向けのLEDユニットに、ドライバ回路を使用することができることを意味する。また、上記によって、ドライバ回路を変えずに、照明世代(lighting generation)をアップグレードすることが可能となる。
【0005】
ドライバ回路は、その動作窓内で所望のレベルに設定された出力電流を有する必要がある。このことは、ドライバ回路が特定の電流を送達するように、ドライバ回路をプログラミングすることによって実現することができる。
【0006】
しかし、ユーザにとってインターフェイスがそれほど複雑でないようにすることが可能な代替策として、ドライバ回路の外部に、抵抗器などの設定構成要素を用いて電流設定を行うことがある。こうした抵抗器は、例えば、ドライバ回路とLED端子との間のインターフェイスとなるPCBに配置することができ、又は抵抗器は、接続ケーブル又はコネクタユニットの一部として組み込むこともできる。抵抗の値が、ドライバ回路の出力のその後の制御のために検出される。
【0007】
電流設定抵抗器(又は他の構成要素)の値は、ドライバ回路の挙動に影響を及ぼすものであり、この値を用いて、ドライバ回路の出力をそれに応じて構成することができ、したがって出力電流はこの抵抗値によって決まることになる。電流が一旦設定された後は、ドライバ回路によって送達される電圧は、(LEDは電流駆動式であるため)そこに設けられる負荷に応じて変動することになるが、ドライバ回路はこの電圧を動作窓内に維持することになる。
【0008】
この種の照明モジュールは、アナログモジュールと呼ばれ、アナログインターフェイスがあり、こうした照明モジュールは、その電力要件を示す値を備えた受動構成要素を有する。平均LED電流が制御され、LED電流は継続的に維持される。ドライバ回路は、例えば、スイッチモード電力変換器アーキテクチャに基づく。
【0009】
この既知のシステムでは、最終ユーザが、照明モジュールの電流(及び出力光束)を変えることができない。異なる電流が必要となる場合、設定抵抗器を改変する必要がある。典型的には、照明モジュールの電流設定抵抗器は、顧客が変えることはできない。
【0010】
顧客が照明モジュールを用いて照明設備(luminaire)を構築する際、固定の光出力、温度、又は電力に制限されずに、照明設備を顧客の好みに合わせて最適化させたいというニーズが多い。例えば、ある光設計では、照明モジュールからの光出力が少量でよい場合がある。或いは、ヒートシンクが小型化されてきているので、電流設定抵抗器の初期設定では、照明モジュールが動作時に高温になりすぎることがあり、したがって電力の低減が必要となる。
【0011】
したがって、顧客によって、出力電流をフレキシブルに設定できるようにしたいというニーズがある。既知の一解決策として、顧客がドライバ内に適切な電流設定抵抗器を適用することがある。ドライバは、この構成要素を用いて出力電流を規定する。
【0012】
ドライバ内に設定抵抗器を配置することの代替策として、駆動電流を遠隔的に設定可能とすることがあり、この策では、ドライバをプログラミングするためにドライバと無線通信を行う。この場合、ドライバによって駆動電流が設定され、照明モジュールに追加の構成要素を設ける必要がない。
【0013】
この手法の欠点は、ドライバのポートフォリオをアップグレードする必要があるという点である。このポートフォリオは、多種のドライバ(出力固定型、調光型、DALI調光型、多様なハウジング、多様な電力)からなる。
【0014】
これはすなわち、システム改良の実施には時間がかかり、且つコストもかかることを意味する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
既存の照明インフラストラクチャに最小限で手を加える形で、例えば確立されたドライバポートフォリオ/設備に影響を及ぼすことなく実施することができる、フレキシブルなドライバ設定を実現できると有利である。この実現に対処するために、本発明は特許請求の範囲によって規定される。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の一態様による例は、
固体光源と、
抵抗器回路の出力抵抗が、固体光源に印加されるべき所望の電力に関する情報を、接続されたドライバに伝達する抵抗器回路と、
外部構成デバイスから構成情報を受け取る制御インターフェイスと、
受け取った構成情報に応答して出力抵抗を設定するように抵抗器回路の構成を制御する制御回路と
を備える、固体照明モジュールを提供する。
【0017】
この手法は、構成機能をドライバではなく照明モジュールに組み込むものである。出力抵抗を照明モジュール内で適合させることができ、その場合出力抵抗は、既存のドライバアーキテクチャによって、これを改変することなく決定することができ、それと同時に、ユーザがそれぞれのニーズに合わせて個々の照明モジュールを調整することが可能となる。したがって、ドライバのポートフォリオを変更する必要がない。
【0018】
抵抗器回路の出力抵抗は、固体光源に電力供給するための、接続されたドライバからの光源駆動信号とは無関係である。したがって、この抵抗器回路は、ドライバをフィードバック制御するための電力(又は電流)感知構成の一部ではない。この抵抗器回路は、フィードバック情報を供給するためではなく、所望の電力レベルに関する情報を伝達するために使用される。この抵抗器回路は、光源に送達される実際の電力に関する情報を伝達するものではなく、LEDモジュールの製造業者設計による、又はユーザの好みによる所望の電力に関する情報を伝達するためのものである。
【0019】
この制御インターフェイスは、NFCアンテナ及びNFC受信回路を備えるNFC受信器を備える。したがって、この照明モジュールは、最終顧客のNFC構成デバイスによって無線で構成することができる。
【0020】
制御回路は通常、能動スイッチなどの能動構成要素を備えた能動回路であるので、電力を必要とする。この要件を満たすために、接続されたドライバから受信される光源駆動信号から、制御回路用の供給電力を生成する電源回路が設けられる。したがって、照明モジュールには、専用の電源は必要なく、要求されるいかなる電力も照明信号(すなわち駆動電流)から取り出すことができる。
【0021】
電源回路は、例えば、出力トランジスタと、出力トランジスタの制御端子に付与され、出力トランジスタの出力電圧を設定する閾値素子とを有するトランジスタ回路を備える。これは、リニアな手法を規定するものであり、この手法は、照明ユニット電圧(例えば、LEDストリング電圧)が制御インターフェイスに要求される供給電圧よりも大きい場合に使用される。この例の利点は、リニア電源が単純であるため低コストですむという点である。
【0022】
電源回路の別の例は、スイッチモード電源回路である。この電源回路もやはり、照明ユニット端子からタップされた電流入力から、供給電圧を生成することができる。この例の利点は、スイッチモード電源によって、高効率、且つ低電力損失が実現される点である。
【0023】
電源回路の別の例は、特定の数の固体光源と並列な電圧ラインであり、この例では、前記特定の数の固体光源の順方向電圧が、電源としての出力電圧に対応する。この例の利点は、固体光源によって、その端子間で安定した順方向電圧が供給されるので、高効率でありながら低コストですむという点である。
【0024】
NFC受信器は、外部構成デバイスから受信した無線信号から、制御インターフェイス用の供給電力を生成するように設けられた電力ハーベスト回路を備える。したがって、外部構成デバイスは、要求電力を無線で供給することができる。
【0025】
出力抵抗は、
固体照明モジュールの接地端子と、抵抗器の出力端子との間、又は
固体照明モジュールの光源端子と、抵抗器の出力端子との間で規定される。
【0026】
これらは、電流設定抵抗器の異なる構成(本業界ではRSET2及びRSET3として知られる)向けの2つの選択肢を与える。第1の選択肢では、出力抵抗を伝達するインターフェイスは、光源を駆動する電力インターフェイスとは全く異なる。第2の選択肢では、出力抵抗は、共通の接地端子を使用するなど、光源の1つの端子を共用する。
【0027】
第1の例では、抵抗器回路は、直列に接続された抵抗器及びスイッチをそれぞれが備える一組の抵抗器分岐を備え、抵抗器分岐は並列に接続され、制御回路は、スイッチの設定を制御し、それによって抵抗器回路の構成を規定するように適合される。
【0028】
このように、電子制御された可変抵抗器が、不連続の数の(a discrete number of)抵抗器設定を用いて規定される。
【0029】
第2の例では、抵抗器回路は、ドライバに接続するための第1の端子及び第2の端子を備え、抵抗器回路は、
第1の端子と第2の端子との間を流れる電流を感知する電流センサと、
第1の端子と第2の端子との間の電圧を感知する電圧センサと
を備え、制御回路は、
感知した電圧及び感知した電流に従って抵抗器回路の等価抵抗を計算するユニットと、
第1の端子と第2の端子との間にあり、構成情報及び計算された等価抵抗を用いて等価抵抗を制御するスイッチング回路と
を備える。
【0030】
上記によって、生成される有効抵抗を制御するフィードバック機構が規定され、すなわちこの機構は、有効抵抗値を有する抵抗器を模したものである。このスイッチング回路は、リニア制御モードで動作するトランジスタを備える。感知した電圧及び電流に従って、トランジスタのベース(又はゲート)が動的に調節される。これによって、等価抵抗が所望のレベルに設定される。
【0031】
第3の例では、抵抗器回路は、ドライバに接続し、電圧を受け取るための第1の端子及び第2の端子を備え、抵抗器回路は、第1の端子と第2の端子との間を流れる電流を感知する電流センサを備え、
制御回路は、構成情報及び感知した電流のフィードバックを用いて、抵抗器回路を通る電流を制御する電流制御ユニットを備える。
【0032】
この回路は電流源として機能し、送達された電流が、ドライバによって分析される。ここでもやはり、送達される電流を制御することによって、生成される有効抵抗を制御するフィードバック機構が規定される。
【0033】
この制御方法は、アナログ制御に基づいても、デジタル制御に基づいてもよい。
【0034】
しかし、NFC機能向けのマイクロコントローラがあるので、いくつかのデジタル信号処理は、追加のコストを生じずにマイクロコントローラによって実施することができる。
【0035】
固体照明モジュールは、温度を感知する温度センサをさらに備え、制御回路は、感知した温度にさらに応答して、出力抵抗を設定するように抵抗器回路の構成を制御するように適合される。
【0036】
このように、熱機能を照明モジュールに組み込むことができる。これによって、例えば、最高温度よりも低く保たれる(最低限の寿命に等しい)ように、照明モジュールをプログラミングすることが可能である。
【0037】
ドライバは、例えば、電流設定抵抗器を継続的に測定することになり、したがって電流設定抵抗器の値が変わるといつでも、ドライバはその出力電流を変更することによって応答することになる。
【0038】
制御インターフェイスは、固体照明モジュールが、接続されたドライバによって駆動される前に構成情報を受け取るように適合される。こうすることによって、この照明モジュールを工場で、又は設置中に構成することが可能となる。
【0039】
本発明はまた、
上記で定義した照明モジュールと、
構成情報を照明モジュールの制御インターフェイスに送り、それによって照明モジュールの所望の電力設定をその中に書き込む構成デバイスと
を備える、照明モジュールシステムを提供する。
【0040】
この構成デバイスは、最終ユーザが照明モジュールをどのように使用するかを決定する際に使用される。
【0041】
所望の電力には、例えば、照明モジュールの定格電力が含まれる。この定格電力は、照明モジュールによって要求される通常の電流/電力を規定する。この照明モジュールには、定格電力を規定する電流、又は電流窓が必要である。
【0042】
本発明はまた、
上記で定義した照明モジュールと、
ドライバと
を備え、ドライバは、
照明モジュールに電力を供給する電源ユニットと、
抵抗器回路に結合されて出力抵抗を検出する感知ユニットと、
検出した出力抵抗によって伝達される所望の電力に関する情報に応じて、電源ユニットによって照明モジュールに印加される電力を制御する制御器と
を備える、照明回路を提供する。
【0043】
ドライバは、
照明モジュールへ電源ユニットによって供給された実際の光源駆動信号を感知し、感知した光源駆動信号を制御器に供給するための、抵抗器回路網とは独立したフィードバックループを備え、
ドライバの前記制御器は、電源ユニットによって供給される光源駆動信号を、照明モジュールの定格電力及び感知した光源駆動信号に従って制御するようにさらに適合される。
【0044】
本発明はまた、固体光源と、抵抗器回路の出力抵抗が、固体光源に印加されるべき所望の電力に関する情報を、接続されたドライバに伝達する抵抗器回路とを備える固体照明モジュールを制御する方法であって、方法は、
構成情報を構成デバイスから固体照明モジュールに送るステップと、
固体照明モジュール内で、受け取った構成情報に応答して出力抵抗を設定するように抵抗器回路の構成を制御するステップと
を含む、方法を提供する。
【0045】
固体照明モジュールは、
上記で定義した制御する方法を用いて固体照明モジュールを制御すること、
固体照明モジュールに接続されたドライバを用いて出力抵抗を求めること、及び
ドライバを用いて、求められた出力抵抗に応じて、固体照明モジュールに印加される電力を制御すること
によって、駆動される。
【0046】
次に、本発明の例を添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1】LEDモジュール、及びLEDモジュール内の電流設定抵抗器を用いたドライバの既知の例を示す図である。
図2】LEDモジュール及びドライバを、外部インターフェイスデバイスとともに示す第1の例の図である。
図3】LEDモジュール及びドライバの第2の例を示す図である。
図4】電源回路の第1の例を示す図である。
図5】電源回路の第2の例を示す図である。
図6】抵抗器回路の第1の例を示す図である。
図7】抵抗器回路の第2の例を示す図である。
図8】抵抗器回路の第3の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
本発明は、固体光源と、抵抗器回路の出力抵抗が、固体光源に印加されるべき所望の電力に関する情報を、接続されたドライバに伝達する抵抗器回路とを備える固体照明モジュールを提供する。外部構成デバイスから構成情報を受け取る制御インターフェイスが設けられ、制御回路が、受け取った構成情報に応答して出力抵抗を設定するように抵抗器回路を構成する。この手法は、構成機能をドライバではなく照明モジュールに組み込むものである。出力抵抗は、既存のドライバアーキテクチャによってこれを改変することなく決定することができ、それと同時に、ユーザがそれぞれのニーズに合わせて個々の照明モジュールを調整することが可能となる。
【0049】
ダウン照明、及びアクセント照明のソリューションは、典型的にはLEDモジュールに基づき、各モジュールは、LED光エンジンとLEDドライバとを組み合わせている。光エンジンは、例えば、チップオンボード(CoB:Chip on Board)LEDに基づく。CoB LEDを取り付けるためにホルダが使用され、ケーブルがホルダからドライバまで通じている。したがって、システム全体は、ドライバ、ケーブル、及び光エンジンからなる。
【0050】
上述のように、ドライバのフレキシビリティとは、同じ光エンジンを駆動するのに、多様なドライバが可能であることを意味する。例えば、出力電流固定ドライバ、調光ドライバ、及びプログラマブルドライバがある。また、ハウジングの種類も様々なものがある。
【0051】
小型PCBをホルダの一部として組み込むことが提案されてきており、このPCBは受動的な電流設定構成要素を含むことができる。
【0052】
異なる光エンジンによって、要求される動作電流がそれぞれ異なる。例えば、PCBは、ドライバがモジュールの温度を感知することを可能とし、且つドライバが正しい電流を知り、正しい電流を設定するために使用する設定抵抗器を有する回路を提供する。
【0053】
この機能の簡単な概略を図1に示す。LEDモジュール10は、光エンジン12(すなわちLEDストリング)、電流設定抵抗器14、及び熱保護回路16を備える。このモジュール10は、3つの端子だけを用いてドライバ18に接続している。端子LED+及び端子LED−が、LEDストリング12の各端部に接続しており、第3の端子LEDsetが測定電流Isetを注入することによって、ドライバ18により電流設定抵抗器14の抵抗を測定することを可能としている。LEDモジュール内の電流設定抵抗器の抵抗が特定の抵抗であると、この設定抵抗器の両端間で特定の電圧が生じ、この電圧はドライバ18によって検出され、ドライバ18は、次いでこのLEDモジュールにどれだけの電流/電力が要求されるかを把握する。
【0054】
この構成では、最終ユーザが光モジュール10の電流(したがって、出力光束)を変えることができない。異なる電流が必要となる場合、設定抵抗器14を改変する必要がある。
【0055】
このモジュールを用いて照明設備を構築する顧客は、固定の光出力、温度、又は電力に制限されずに、照明設備の光出力を顧客の好みに合わせて最適化させたいと望む。例えば、顧客自身による光設計では、モジュールからの光出力が少量でよい場合がある。或いは、小型のヒートシンクを使用しているため、モジュールが高温になりすぎるのを防ぐように、電力の低減が望まれる場合もある。
【0056】
顧客によって、出力電流をフレキシブルに設定できるようにしたいという要望が認められてきている。例えば、顧客がドライバに設定抵抗器を組み込むことがある。ドライバは、この設定抵抗器を用いて出力電流を規定する。
【0057】
ドライバ内に電流設定抵抗器を配置することの代替策として、駆動電流を遠隔的に設定可能とすることがある。例えば、近距離通信(NFC:near field communication)を用いることにより、NFCリーダを用いてドライバをプログラミングすることができる。Philips(商標)は、このように動作するシステムを「SimpleSet(商標)」レンジと名付けて発売している。この無線プログラミング技術では、照明設備製造業者が、製造工程中のいかなる段階でも、商用電源(mains power)に接続することなく、迅速且つ容易にLEDドライバをプログラミングすることが可能であり、したがって高いフレキシビリティが得られる。
【0058】
この「SimpleSet」システムを用いると、ドライバを介して駆動電流が設定され、モジュールに追加の構成要素を設ける必要がない。したがって、この手法は、新しくアップグレードされたドライバ設計に基づくものであり、そのため新しい照明設備に特に適している。
【0059】
既存のドライバタイプ(出力固定型、調光型、DALI調光型、多様な電力レベル、など)が数多くある。既存の設備に既存のドライバを用いて、出力光束の制御を簡単に、例えばドライバを変更するのではなく、照明モジュールを変更することによって実施することができると望ましい。
【0060】
本発明は、構成の機能性を(ドライバではなく)照明モジュールに組み込むことに基づく。例えば、PCBがLEDホルダの一部として設けられ、NFCアンテナ及びNFCチップを実現する。
【0061】
図2は、第1のインターフェイス形式を用いた、ドライバ22に結合された照明モジュールの第1の例を示す。このドライバインターフェイスは、LEDストリング用の端子LED+及び端子LED−と、光モジュール内の外部電流設定抵抗器を測定するための別個の端子対RSET2及びSGNDとを備える。この構成は、RSET2インターフェイスとして知られる。
【0062】
ドライバ22は、照明モジュールに電力を供給する電源ユニット220と、出力抵抗を検出するために抵抗器回路に結合される感知ユニット222とを有する。
【0063】
制御器224が、電源ユニット220によって照明モジュールに印加される電力を、検出された出力抵抗によって伝達される所望の電力に応じて制御するように使用される。より詳細には、制御器224は、所望の電力に関する情報を、電源ユニット220の動作挙動を決定する基準として採用し、その所望の電力に従って実際の電力を供給しなければならない。さらに詳細には、ドライバが閉ループフィードバックドライバである場合、制御器224は、電源ユニットによって供給される実際の電力を感知し、その実際の電力を所望の電力と比較しなければならず、次いでそれらの電力間の誤差を用いて、この誤差が減少するように電源ユニット220を調整することができる。
【0064】
この目的で、ドライバの制御器は、電源ユニット220によって照明モジュールに供給された実際の光源駆動信号を感知し、その感知した光源駆動信号を制御器224に供給するための、抵抗器回路網とは独立したフィードバックループを備える。このフィードバック経路は、電流センサ226を光モジュール内に、或いはドライバ内に含む。この場合、ドライバの制御器224は、電源ユニット220によって供給される光源駆動信号を、照明モジュールの定格電力及び感知した光源駆動信号に従って制御するようにさらに適合される。
【0065】
こうして、照明モジュールに送達される供給電力の調節を行う。
【0066】
これらの要素は、従来のドライバの標準部品であり、実際に、本発明のモジュールは、従来のドライバに接続可能とするものである。
【0067】
LEDモジュール20は、マイクロプロセッサ24用の電力を供給する電源23を備える。この電源は、LEDストリングからタップされている。電源からの電力損失を最小限に抑えるために、LEDストリングの一部分のみからタップされる。或いは、この電源は、より複雑なスイッチモード電源でも、単純なリニア電源でもよい。
【0068】
マイクロプロセッサ24は、近距離通信集積回路(IC)、特にNFCリーダを含み、このNFCリーダは、NFCコマンドを、抵抗器回路26を制御する信号に変換する。マイクロプロセッサ24はまた、出力抵抗を設定するように抵抗器回路26の構成を制御する制御回路としても機能する。出力抵抗は、モジュールの接地端子SGNDと、抵抗器の出力端子RSET2との間で規定される。近距離通信信号は、アンテナ28を用いて受信される。
【0069】
抵抗器回路26は、電流設定用のLEDドライバによって使用される物理的抵抗器をシミュレートするために使用される電子回路である。この抵抗器回路の出力抵抗は、接続されているドライバ22に伝達され、LEDストリングに印加されるべき所望の電力に関する情報を符号化する。
【0070】
このモジュールは、任意選択で温度センサ29を含み、この温度センサは、最高温度を設定するために、又はモジュールの寿命を制御するために使用され、これについては後述する。
【0071】
NFC ICは、外部構成デバイス30から構成情報を受け取る制御インターフェイスとして機能する。外部構成デバイスは、構成情報を供給し、この情報はマイクロプロセッサ24によって受け取られる。図示のように、外部構成デバイス30は、NFC IC32、特にNFC送信器、及びアンテナ34を備える。ユーザインターフェイス36によって、ユーザは、所望の出力光束を選択することができ、この出力光束は、抵抗器回路26によってシミュレートされることになる抵抗器の対応する値に変換される。
【0072】
抵抗器回路網の出力抵抗は、接続されたドライバ22からの、LEDストリングへの電力供給に使用される光源駆動信号とは無関係となる。所望の出力とは、この照明モジュールの定格電力である。
【0073】
制御インターフェイス(すなわち、マイクロプロセッサ24のNFC受信器)は、接続されたドライバによってモジュールが駆動される前に、外部構成デバイス30から構成情報を受け取るように適合される。この受取りは、照明システムを設置する前に、顧客が実行することができる。NFC通信により、外部構成デバイス30からの無線電力伝送を用いて、モジュールに対して他に電力を供給することなく、制御器24に所望の照明光束を設定することができる。
【0074】
実際の実施では、NFCリーダは、LEDモジュールがドライバによって電力供給される前でも、NFCコマンドを受信するのに十分なエネルギーを取得し、その信号を不揮発性RAMに記憶するための、電力ハーベスト回路を備える。LEDモジュールがドライバによって電力供給されると、マイクロコントローラはRAMの信号を読み取り、抵抗器回路の出力抵抗を設定する。この場合、ドライバに電力供給されたときだけ、抵抗器回路を制御すればよい。
【0075】
図3は、第2のインターフェイス形式を用いた、ドライバ22に結合された照明モジュールの第2の例を示す。モジュール20は、図2と同じ構成要素を含み、それらの構成要素には同じ参照番号が付されている。唯一の相違点は、電流設定抵抗器とLEDストリング12とが、接地端子などを共通端子として共用している点である。温度センサは図示せず、また、外部構成要素もやはり図3では省略されている。
【0076】
LEDストリングは、端子LED+と端子LED−との間にあり、設定抵抗器は、光源の端子LED−と抵抗器の出力端子RSET3との間にある。この構成は、RSET3インターフェイスとして知られる。端子LED−は、抵抗器回路26の接地端子として働く。
【0077】
同一のモジュールを、RSET2ドライバを用いても、RSET3ドライバを用いても機能させることができる。例えば、4つの出力端子を有する図2のモジュールを、LED−端子及びSGND端子を単に一緒に接続する、すなわちLEDモジュール接続部のうちの2つの接続部をドライバの単一のLED−接続部に接続するだけで、図3のRSET3ドライバにも使用することができる。
【0078】
LEDモジュール回路は、LEDホルダによって設けられる小空間に実装することができる。
【0079】
この回路を用いて、電流設定抵抗器を模することができる。その場合、このモジュールは、電流設定抵抗器の所望値を用いてプログラミングされ、RSET2又はRSET3の機能性を有するいかなるドライバにも接続することができる。
【0080】
本発明によって、光エンジンの所望の出力をユーザが簡単に設定することを可能としながら、既存のドライバポートフォリオを使用することが可能となる。
【0081】
このモジュールはまた、温度センサを含めることによって、熱機能を実施するものであり、この温度センサは、シミュレートされた抵抗値を温度レベルに応じて適合させるように使用される。この値を用いてモジュールをプログラミングし、このモジュールを最高温度よりも低く保つ、すなわち例えば最低限の寿命の実現を可能とするように、モジュールの所望の電力を低減させることができる。
【0082】
次に、モジュールに使用される構成単位(building block)について、さらに詳細に説明する。
【0083】
電源23は、LED+及びLED−のモジュール入力から、又はLEDストリングの一部分から、制御回路24用の5Vなどの供給電力を生成するために使用される。様々な回路が使用可能である。
【0084】
図4は、光源駆動信号に結合される出力トランジスタ40と、出力トランジスタ40の制御端末に付与され、出力トランジスタの出力電圧を前記供給電力として設定する、ダイオードの形の閾値素子42とを有するトランジスタ回路を備える第1の例を示す。このトランジスタは、オンになると、出力コンデンサ46を充電するように、ダイオード44を介して電流を送達し、この電流は、出力電圧が、閾値素子電圧に対応する値に達するまで送達され、この閾値素子電圧は、ベース−エミッタ電圧降下未満である。本実施形態は、典型的なリニア電源である。他の種類のリニア電源もやはり適用可能であることを理解されたい。
【0085】
図5は、スイッチモード電源回路に基づいた第2の例を示す。この回路は、スイッチングトランジスタ、インダクタ52、及びダイオード54を備え、この例では、バックコンバータを形成している。出力は、出力コンデンサ56に供給される。ブーストコンバータ、及びバックブーストコンバータなどの他の種類のスイッチモード電源もやはり適用可能であることを理解されたい。
【0086】
第3の例は、特定の数の固体光源と並列な電圧ラインに基づく。この場合、設定された数の固体光源の順方向電圧が、供給電力として、所望の出力電圧に対応する。例えば、直列に接続された2つの3.3VのLEDを用いて、制御器用の6.6V電源とする。
【0087】
この抵抗器回路は、接続されているドライバに応じて、制御可能な出力抵抗を生成するために使用される電子回路を備える。抵抗器回路には様々な選択肢があり、そのいくつかについて後述する。
【0088】
図6は、抵抗器回路26が、直列に接続された抵抗器60a、62a、64a、及びスイッチ60b、62b、64bをそれぞれが備える一組の抵抗器分岐60、62、64を備える第1の例を示す。これらの分岐は、並列である。制御回路24は、各スイッチの設定を制御し、それによって抵抗器回路の構成を規定するように適合される。
【0089】
図6の例では、8つの抵抗器設定が実施可能である。
【0090】
図7は、抵抗器回路が、ドライバに接続するための第1の端子70及び第2の端子72を備える第2の例を示し、この例では、抵抗器回路は、第1の端子と第2の端子との間を流れる電流を(感知抵抗器75の両端間の電圧に基づいて)感知する電流センサ74と、第1の端子と第2の端子との間の電圧を感知する電圧センサ76とを備える。制御回路24は、感知した電圧及び感知した電流に従って抵抗器回路の等価抵抗を計算するユニットを有する。
【0091】
抵抗器回路は、第1の端子と第2の端子との間にスイッチング素子78を有し、このスイッチング素子は、構成情報及び計算した等価抵抗を用いて等価抵抗を制御するものである。このスイッチング素子は、その出力抵抗が動的に制御されるトランジスタである。制御器24は、その中にプログラミング済みの電流設定値に基づいて所望の抵抗値80を供給し、比較器82を用いて、この値を、ユニット84によって生成された値と比較し、フィードバック制御を行う。
【0092】
この手法は、物理的抵抗器の特性をシミュレートすることに基づく。スイッチング素子78は、等価抵抗が、予想される物理的抵抗器に等しくなるように、電流レベル及び電圧レベルの動的制御を行う。
【0093】
ユニット84は、電圧/電流(すなわち抵抗)の値を供給する機能を有する除算素子である。デジタル法では、このユニットはマイクロコントローラによって実施することができ、したがってユニット84が別個の構成要素として必要となることはない。
【0094】
図8は、抵抗器回路が、ドライバに接続し、電圧を受け取るための第1の端子90及び第2の端子92を備える第3の例を示し、この例では、この抵抗器回路は、第1の端子と第2の端子との間を流れる電流を(感知抵抗器95の両端間の電圧に基づいて)感知する電流センサ94を備える。この制御回路は、構成情報及び感知した電流のフィードバックを用いて、抵抗器回路を通る電流を制御する電流制御ユニットを備える。電流は、トランジスタ96の形のスイッチング素子を用いて制御される。
【0095】
上記は、制御可能な電流源を実現し、具体的にはRSET3インターフェイスによって要求される入力である。このトランジスタは、その電流が、物理的抵抗器がドライバのRSET3ポートに注入する電流に等しくなるように動的に制御される。
【0096】
このモジュールは、既存の種類の温度過負荷保護とともに使用することができる。この場合、熱構成要素(負の温度係数(NTC:negative temperature coefficient))が、NFC ICに接続される。高温の場合には、この回路は、モジュールが高温になりすぎたことをドライバに知らせることになり、ドライバを弱める(dim)、又は運転を停止することができる。
【0097】
上述のように、温度感知も用いると、モジュールの寿命の制御が可能となる。ある温度を超えると、寿命が50,000時間(50khr)未満となることが予測される。このモジュールを用いて照明設備を構築する顧客が、ヒートシンクが制限された照明設備にこのモジュールを適用したい場合、電力(電流)を、この温度を満たすように低減させなければならない。広範にわたる試験を実施するのではなく、NFCチップを50,000時間(50khr)などの特定の寿命にプログラミングするだけでよい。その場合、この回路は、閾値を、搭載された熱構成要素と内部的に比較し、その温度が最高温度を超える場合、より低い駆動電流をドライバに通信することができる。
【0098】
本発明は、多種多様な照明アプリケーションに使用される。この照明モジュールは、屋内の点光源、ダウン照明ユニット、又はスポット照明ユニットである。本発明はまた、リニアLEDアプリケーション(事務所で用いられるもの)にも、また道路及び街路用の屋外照明にも使用することができる。ダウン照明、及びオフィスシステムでは、明確に規定された光束が必要となることが多く、光束を容易に設定できることが強く望まれている。
【0099】
本発明について、LED照明構成に関して説明してきた。しかし、本発明は他の種類の照明技術のドライバ構成にも応用することができる。本発明は、ドライバ回路構成を制御するために外部感知抵抗器と通信するように適合されたいかなるドライバにも応用することができる。例えば、他の固体照明技術を用いてもよい。
【0100】
上記の例では、NFCシステムを用いて、所望の設定を照明モジュールに通信している。上記では、ユーザにとって便利な無線動作を行う。開示の実施形態に対する他の変更が、図面、本開示、及び添付の特許請求の範囲を学べば、特許請求する本発明を実施する当業者によって理解され、実現することができる。特許請求の範囲では、用語「備える(comprising)」は、他の要素又は工程を排除するものではなく、また、不定冠詞「1つの(a又はan)」は複数を排除するものではない。ある手段が互いに異なる従属請求項に記載されている場合も、これらの手段の組合せを有利に使用することができないことを示唆するものではない。特許請求の範囲のいかなる参照符号も、その範囲を限定するものと理解すべきでない。
【要約】
固体照明モジュールは、光源と、抵抗器回路の出力抵抗が、固体光源に印加されるべき所望の電力に関する情報を、接続されたドライバに伝達する抵抗器回路とを備える。制御インターフェイスが、外部構成デバイスから構成情報を受け取るように設けられ、制御回路が、受け取った構成情報に応答して出力抵抗を設定するように抵抗器回路を構成する。この手法は、構成機能をドライバではなく、照明モジュールに組み込むものである。出力抵抗は、既存のドライバアーキテクチャによって、これを改変することなく決定することができ、それと同時に、ユーザがそれぞれのニーズに合わせて個々の照明モジュールを調整することが可能となる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8