(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
演算装置と、記憶装置と、表示装置とを備え、複数のレコードを管理する連携元アプリケーションと、連携先アプリケーションとを連携させるためのアプリケーション連携システムにおいて、
前記記憶装置は、連携元アプリケーション、前記連携元アプリケーションのレコード表示ウィンドウであって連携時に項目値が取得される連携時項目取得ウィンドウ、当該連携時項目取得ウィンドウ内に表示される項目であって連携時に項目値が取得される、前記連携時項目取得ウィンドウ内での前記項目値の表示位置情報を含む連携時取得項目、連携先アプリケーション、及び前記連携元アプリケーションに連携して前記連携先アプリケーションを起動させるための連携起動コマンド形式の情報を含む連携ルールを記録する連携ルール記憶部を有し、
連携時に、前記表示装置に表示された前記連携時項目取得ウィンドウ内の前記連携時取得項目の項目値を前記表示位置情報に基づいて取得する項目値取得部と、
連携時に、前記連携起動コマンド形式に基づき、前記項目値取得部が取得した項目値を起動パラメータとして含む連携起動コマンドを生成する連携起動コマンド生成部と、を備え、
前記項目値取得部は、ウィンドウハンドル又はHTMLデータを用いて項目値を取得しており、前記表示位置情報は、ウィンドウハンドルの値又はHTMLデータの前記連携時取得項目のタグの値であると共に、
連携時に前記連携起動コマンドを実行することで、前記項目値取得部が取得した項目値を起動パラメータとしながら前記連携先アプリケーションを起動させる連携起動を実行することを特徴とするアプリケーション連携システム。
前記連携ルール記憶部に記録されている連携ルールは、前記連携元アプリケーションから前記連携先アプリケーションにデータを連携して受け渡しするための連携受渡プロトコル形式の情報をさらに含み、
連携時に、前記連携受渡プロトコル形式に基づき、前記項目値取得部が取得した項目値を受渡データとして含む連携受渡プロトコルを生成する連携受渡プロトコル生成部をさらに備え、
連携時に前記連携受渡プロトコルを実行することで、前記連携元アプリケーションから前記連携先アプリケーションに前記項目値取得部が取得した項目値を受け渡す連携受渡を実行すると共に、
前記連携ルール記憶部に記録されている連携ルールは、複数の連携先アプリケーションについての設定情報を含んでおり、前記連携先アプリケーション毎に連携時に前記連携起動又は前記連携受渡の何れかを行うかの設定情報をさらに含んでいることを特徴とする請求項1記載のアプリケーション連携システム。
前記連携ルール記憶部に記録されている連携ルールは、複数の連携元アプリケーションについての設定情報を含んでおり、前記連携ルール記憶部には、前記連携元アプリケーション毎に前記連携ルールが記録されていることを特徴とする請求項1又は2記載のアプリケーション連携システム。
演算装置と、記憶装置と、表示装置とを備えるコンピュータに、複数のレコードを管理する連携元アプリケーションと、連携先アプリケーションとを連携させる処理を行わせるアプリケーション連携プログラムにおいて、
連携元アプリケーション、前記連携元アプリケーションのレコード表示ウィンドウであって連携時に項目値が取得される連携時項目取得ウィンドウ、当該連携時項目取得ウィンドウ内に表示される項目であって連携時に項目値が取得される、前記連携時項目取得ウィンドウ内での前記項目値の表示位置情報を含む連携時取得項目、連携先アプリケーション、及び前記連携元アプリケーションに連携して前記連携先アプリケーションを起動させるための連携起動コマンド形式の情報を含む連携ルールを前記記憶装置に記録する連携ルール記録ステップと、
連携時に、前記表示装置に表示された前記連携時項目取得ウィンドウ内の前記連携時取得項目の項目値を前記表示位置情報に基づいて取得する項目値取得ステップであって、ウィンドウハンドル又はHTMLデータを用いて項目値を取得しており、前記表示位置情報は、ウィンドウハンドルの値は又はHTMLデータの前記連携時取得項目のタグの値である項目値取得ステップと、
連携時に、前記連携起動コマンド形式に基づき、前記項目値取得ステップで取得した項目値を起動パラメータとして含む連携起動コマンドを生成する連携起動コマンド生成ステップと、
連携時に前記連携起動コマンドを実行することで、前記項目値取得ステップで取得した項目値を起動パラメータとしながら前記連携先アプリケーションを起動させる連携起動ステップと、を前記コンピュータに実行させることを特徴とするアプリケーション連携プログラム。
演算装置と、記憶装置と、表示装置とを備えるコンピュータにおいて、複数のレコードを管理する連携元アプリケーションと、連携先アプリケーションとを連携させるアプリケーション連携方法において、
連携元アプリケーション、前記連携元アプリケーションのレコード表示ウィンドウであって連携時に項目値が取得される連携時項目取得ウィンドウ、当該連携時項目取得ウィンドウ内に表示される項目であって連携時に項目値が取得される、前記連携時項目取得ウィンドウ内での前記項目値の表示位置情報を含む連携時取得項目、連携先アプリケーション、及び前記連携元アプリケーションに連携して前記連携先アプリケーションを起動させるための連携起動コマンド形式の情報を含む連携ルールを前記記憶装置に記録する連携ルール記録ステップと、
連携時に、前記演算装置が、前記表示装置に表示された前記連携時項目取得ウィンドウ内の前記連携時取得項目の項目値を前記表示位置情報に基づいて取得する項目値取得ステップであって、ウィンドウハンドル又はHTMLデータを用いて項目値を取得しており、前記表示位置情報は、ウィンドウハンドルの値は又はHTMLデータの前記連携時取得項目のタグの値である項目値取得ステップと、
連携時に、前記演算装置が、前記連携起動コマンド形式に基づき、前記項目値取得ステップで取得した項目値を起動パラメータとして含む連携起動コマンドを生成する連携起動コマンド生成ステップと、
連携時に、前記演算装置が前記連携起動コマンドを実行することで、前記項目値取得ステップで取得した項目値を起動パラメータとしながら前記連携先アプリケーションを起動させる連携起動ステップと、を備えることを特徴とするアプリケーション連携方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態であるアプリケーション連携システムについて詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係るアプリケーション連携システムの構成を概略的に示す模式図である。
図2は、本実施形態に係る連携ルールの構成を示す図である。
【0013】
図1に示すように、本実施形態に係るアプリケーション連携システム1は、コンピュータ本体10と、コンピュータ本体10からの出力情報を表示する表示装置であるディスプレイ20と、コンピュータ本体10に情報を入力するためのキーボードやマウス等の入力装置22とを備える。
【0014】
なお、本実施形態では、医療用のアプリケーションA〜Cを連携させる連携システムを例に挙げて説明する。また、本実施形態では、アプリケーションA〜Cは、カルテ情報や診断画像情報等の患者レコードを管理するアプリケーションであり、アプリケーションAが連携元アプリケーション、アプリケーションB,Cが連携先アプリケーションとして説明する。
【0015】
コンピュータ本体10は、各種演算を行うためのCPU(Central
Processing Unit)等の演算装置11と、各種情報を記憶するためのHDD(Hard Disc
Drive)や演算処理のワークエリアとして使用されるRAM(Random Access Memory)等の記憶装置12とを備えている。
【0016】
記憶装置12は、アプリケーション連携プログラムや、アプリケーションA〜C等の実行プログラム等、所定の処理を実行するための各種プログラムを格納しておくプログラム格納部121と、アプリケーション間の連携処理を実行するための設定ルールである連携ルールを記録しておく連携ルールDB(データベース)122と、アプリケーションAが管理するレコードを記録しておくアプリA−DB125と、アプリケーションBが管理するレコードを記録しておくアプリB−DB126と、アプリケーションCが管理するレコードを記録しておくアプリケーションC−DB127とを備えている。
【0017】
連携ルールDB122に記録されている連携ルールの構成について、
図2を参照しながら説明する。
図2に示すように、連携ルールは、大きく分けて連携元アプリケーションに関する設定情報と、連携先アプリケーションに関する設定情報を備えている。本実施形態では、アプリケーションAが連携元アプリケーション、アプリケーションB,Cが連携先アプリケーションである。
【0018】
まず、連携元アプリケーションの連携ルールとしては、連携元アプリケーションの名称、項目取得ウィンドウの名称、取得項目の項目名、及び各取得項目の項目取得ウィンドウ内での位置情報が登録されている。
【0019】
項目取得ウィンドウとは、連携元アプリケーションのレコード表示ウィンドウのうち、連携時に項目値(オブジェクト)が取得されるウィンドウである。取得項目は、項目取得ウィンドウ内に表示される項目のうち、連携時に項目値が取得される項目である。
【0020】
項目値を取得するためには、項目取得ウィンドウ内での各項目の位置を把握する必要があるため、連携ルールには、取得項目の項目名とその位置情報がセットになって登録されている。本実施形態では、取得項目の位置情報としてウィンドウハンドルの値が登録されている。
【0021】
また、連携先アプリケーションの連携ルールとしては、連携先アプリケーションの名称と、当該連携先アプリケーションを連携起動させるための連携起動設定として、連携起動コマンドの形式(連携起動コマンド形式)と、当該連携先アプリケーションに連携データを受け渡すための連携受渡設定として、連携受渡プロトコルの形式(連携受渡プロトコル形式)と、連携モードと、が設定登録されている。
【0022】
連携起動コマンドは、連携元アプリケーションから取得した項目値を連携先アプリケーションに渡しながら、連携先アプリケーションを連係先の特定項目条件で連携起動させるためのコマンドであり、例えば、「(フルパス)アプリA.exe -n 患者番号」が設定登録される。このように、連携先アプリケーションの起動パラメータとして、連携元アプリケーションから取得した患者番号を設定しておくと、連携先アプリケーションを起動する際に、連携元アプリケーションにおいて表示されているレコードと同じ患者番号のレコードを表示させながら起動させるといった連携起動を実現できる。
【0023】
連携受渡プロトコルは、連携元アプリケーションから取得した項目値を連携先アプリケーションに受渡データとして渡すためのプロトコルであり、連携先アプリケーションのデータ受領条件に合わせた項目順、タグによる項目名称の定義、データ形式、受渡方法を満たすように構成されたプロトコルである。
【0024】
このような連携受渡プロトコルの実行により、連携先アプリケーションが連携元アプリケーションから取得した項目値を受け取ると、そのまま連携先アプリケーションのレコードとして記録するといった連携受渡(新規登録や同期)が実現できる。
【0025】
連携モードは、上述した連携起動と連携受渡の何れを連携時に行うかが設定されている。もちろん、連携ルールDB122に記録されている連携ルールは適宜書き換え可能であり、連携モードの設定も随時変更可能である。なお、連携時に、連携起動設定又は連携受渡設定の何れかだけを行う連携先アプリケーションであってもよく、その場合には、連携ルールには、連携起動設定又は連携受渡設定の何れかについてだけ設定される。また、アプリケーションの名称やウィンドウの名称ではなく、これらを特定できる識別子を連携ルールに登録するようにしても良い。
【0026】
次に、上記連携ルールの設定方法について、
図3〜
図7を参照しながら説明する。
図3は、本実施形態に係る連携ルールの設定手順を示すフローチャートである。
図4は、本実施形態に係る連携ルールの連携元アプリケーションの設定手順を示すフローチャートである。
図5は、本実施形態に係る連携ルールの連携先アプリケーションの設定手順を示すフローチャートである。
【0027】
図6は、本実施形態に係るアプリケーション連携プログラムの連携元アプリケーションの設定画面を示す図である。
図7は、本実施形態に係る連携ルール設定時の連携元アプリケーションの表示画面を示す図である。なお、本実施形態では、連携元アプリケーションの設定は、ディスプレイ20の画面上でGUI(Graphical User Interface)により行い、連携先アプリケーションの設定は、設定ファイルを直接編集することで行っている。もちろん、連携ルールの設定は、どのような手法で行っても良い。
【0028】
図3に示すように、連携ルールの設定にあたっては、まず、S11において、アプリケーション連携プログラムを起動させる。具体的には、演算装置11がプログラム格納部121に格納されているアプリケーション連携プログラムを読み出して実行する。
【0029】
続いて、S12では、連携元アプリケーションに関する連携ルールの設定を行う。具体的には、
図4に示すように、まず、S21において、アプリケーション連携プログラムを連携元アプリケーションの設定モードにし、アプリケーション連携プログラムの連携先アプリケーション設定画面を開く。
図6は、本実施形態に係るアプリケーション連携プログラムの連携元アプリケーションの設定画面を示す図である。なお、
図6では、連携元アプリケーションを起動元アプリケーションと表示している。
【0030】
続いて、S22で連携元アプリケーションであるアプリケーションAを起動する。このとき、連携元アプリケーションが管理しているレコードを表示するレコード表示ウィンドウがディスプレイ20に表示されるように起動する。なお、アプリケーションAにおいて、レコード表示ウィンドウが複数種類ある場合には、連携時に連携させたい項目が表示されているレコード表示ウィンドウを起動させる。
図7は、本実施形態に係る連携ルール設定時のアプリケーションAの表示画面を示す図である。
【0031】
このようにして、
図6及び
図7に示したウィンドウがディスプレイ20に表示された状態で、S23では、まず、連携元アプリケーションとして、アプリケーションAを設定する。これにより、上述した連携ルールDB122に記録さる連携ルールの連携元設定の連携元アプリ名の欄にアプリケーションAの名称が登録されることになる。
【0032】
具体的には、
図6に示す設定画面の「起動元アプリケーション情報」の下の「アプリケーション名」の横のボタン「選択」をマウスポインタで選択した後に、マウスポインタでアプリケーションAのウィンドウ枠(
図7で、「メディカル介護システム(居宅サービス)」と表示されている枠)を選択すると、アクティブとなったアプリケーションAのアプリケーション名が自動的に設定画面の「アプリケーション名」の横の欄に表示され(
図6参照)、連携ルールに設定登録される。
【0033】
続いて、S24では、連携元アプリケーションのレコード表示ウィンドウのうち、連携時に項目値(オブジェクト)が取得されるウィンドウである項目取得ウィンドウの登録を行う。これにより、連携ルールDB122に記録される連携ルールの連携元設定の項目取得ウィンドウ名の欄にアプリケーションAの項目取得ウィンドウの名称が登録されることになる。
【0034】
具体的には、
図6に示す設定画面の「起動元アプリケーション情報」の下の「画面名」の横のボタン「選択」をマウスポインタで選択した後に、マウスポインタでアプリケーションAのレコード表示ウィンドウのウィンドウ枠(
図7で「患者情報 基本1」と表示されている枠)を選択すると、アクティブとなった当該レコード表示ウィンドウのウィンドウ名が自動的に設定画面の「画面名」の横の欄に表示され(
図6参照)、連携ルールに登録される。
【0035】
続いて、S25では、上記項目取得ウィンドウ内の項目のうち、連携時に項目値が取得される取得項目の設定を行う。これにより、連携ルールDB122に記録される連携ルールの連携元設定の取得項目の欄に、S25で選択された項目名が登録されることになる。
【0036】
具体的には、ここでは、
図6に示す設定画面の「患者基本情報」の下の「患者番号」、「氏名」、「カナ」、「性別」、「生年月日」、同設定画面の「その他の患者情報」の下の「郵便番号」、「住所1」、「住所2」、「電話番号」等の項目を取得項目として設定している。もちろん、上記設定画面に示した取得項目の項目名は例示であり、設定画面の内容は適宜変更可能である。
【0037】
設定にあたって、ユーザは、設定画面の上記各項目の横のボタン「選択」をマウスポインタで選択した後に、
図7のレコード表示ウィンドウ(項目取得ウィンドウ)内の各項目に対応する項目値が表示されている表示欄をマウスポインタで順次選択していく。
【0038】
そうすると、連携時に連携元アプリケーションのレコードから取得される取得項目の項目名と、当該取得項目の項目取得ウィンドウ内の位置を特定する項目位置情報(ウィンドウハンドル)とが順次連携ルールの取得項目の欄に登録される。
【0039】
なお、取得項目の設定中には、設定画面の各項目に対応して項目取得ウィンドウ内の項目値表示欄が正しく選択されているかどうか分かるように、設定画面には選択した項目値(患者番号:0000140025、氏名:松山 花子、等)が、順次、ボタン「選択」の横に表示されている(
図6参照)。
【0040】
ここで、本実施形態では、連携時の項目取得をウィンドウハンドルにより行っており、連携ルールに登録される取得項目の位置情報として、ウィンドウハンドルの値が記録されている。
【0041】
但し、連携元アプリケーションの項目取得ウィンドウが、ウィンドウハンドルにより項目値取得を行うことが出来ない場合もあるため、本実施形態では、項目取得ウィンドウを構成するHTML(Hyper Text Markup Language)データから項目値を抽出して取得したり、項目取得ウィンドウの取得項目欄をOCR(光学文字認識)処理することで項目値を取得したりすることもできる。
【0042】
項目値取得に、ウィンドウハンドル、HTMLデータ、OCR処理の何れを採用するかは、連携元アプリケーションの設定時に項目取得ウィンドウのタイプに応じて、連携元アプリケーション毎に設定しておけば良い。
【0043】
HTMLデータから項目値取得を行う場合には、連携ルールの項目位置情報として、各取得項目のタグの値が記録され、OCR処理により項目値取得を行う場合には、連携ルールの項目位置情報として、OCR処理を行う領域、すなわち、各取得項目の項目取得ウィンドウ内での領域座標情報が記録される。
【0044】
続いて、S13において、連携先アプリケーションに関する連携ルールの設定を行う。具体的には、
図5に示すように、まず、S31において、連携先アプリケーションの設定モードにする。具体的には、連携先アプリケーションに関する連携ルールの設定ファイルを編集モードで開く。
【0045】
上述した連携元アプリケーションの設定は、設定画面を用いてGUIにより行ったが、ここでは、連携先アプリケーションに関する設定ファイルを直接編集して行う。そのため、アプリケーション連携プログラムが連携時に参照する連携ルールのうち、連携先アプリケーションに関する設定が記述されている連携先設定ファイルを編集可能な状態で開く。
【0046】
続いて、S32では、連携先アプリケーションの登録を行う。例えば、設定ファイルに連携先アプリケーションのアプリケーション名及びその実行プログラムのパスを記述して登録する。
【0047】
また、S33では、その連携先アプリケーションを連携起動する際に使用する連携起動コマンドの形式の登録を行う。連携起動コマンド形式の登録も当該コマンド形式を設定ファイルに記述すれば良い。
【0048】
続いて、S34では、連携先アプリケーションに連携元アプリケーションから取得したデータを受け渡しする際に使用する連携受渡プロトコルの形式の登録を行う。連携受渡プロトコル形式の登録も当該プロトコル形式を設定ファイルに記述すれば良い。
【0049】
S32〜S34により、連携先アプリケーションの設定が完了するが、本実施形態のように、複数の連携先アプリケーションを設定する場合には、S32〜S34を繰り返し行えば良い。以上により、連携ルールの設定が完了する。
【0050】
続いて、
図8を参照しながら、アプリケーション連携システム1の機能について説明する。同図に示すように、アプリケーション連携システム1は、項目値取得部31と、連携起動コマンド生成部32と、連携受渡プロトコル生成部33とを備えている。これらの機能は、演算装置11がプログラム格納部121に格納されているアプリケーション連携プログラムを実行することで実現される。
【0051】
項目値取得部31は、連携時に、連携ルールDB122に記録されている連携ルールに基づいて、ディスプレイ20上に表示されている連携元アプリケーションの項目取得ウィンドウから取得項目の項目値を取得する。
【0052】
この項目値の取得は、連携元アプリケーションを起動し、項目取得ウィンドウがディスプレイ20の画面上に表示されている状態であれば、アプリケーション連携プログラムを起動して随時行うことが可能である。
【0053】
本実施形態では、連携元アプリケーションのレコード表示ウィンドウからの項目値の取得を、レコード表示ウィンドウをディスプレイ20に表示させた状態で、取得項目のウィンドウハンドル、レコード表示ウィンドウを構成するHTMLデータ又は取得項目のOCR処理により行っているため、連携元アプリケーションを改造することなく、手軽に項目値の取得を行うことができる。
【0054】
連携起動コマンド生成部32は、連携ルールに基づき、項目値取得部31が取得した項目値を起動パラメータとして含む連携先アプリケーションの起動コマンドを生成する。例えば、起動パラメータとして、取得した項目値である患者番号と共に当該患者番号のレコードを開く引数を入れておけば、その起動コマンドが実行されると、当該患者番号のレコードを開いた状態で連携先アプリケーションが起動するという連携起動が実現される。
【0055】
例えば、連携元アプリケーションが患者のカルテを管理するアプリケーションAであり、連携先アプリケーションが患者の診断画像を編集・管理するアプリケーションBであったとすると、連携元アプリケーションである患者のカルテを見ているときに、当該患者の診断画像を表示しようとする場合、その患者の患者番号を連携先アプリケーションに渡しつつ連携起動することで、手軽に素早く診断画像を表示させることができる。
【0056】
連携受渡プロトコル生成部33は、連携ルールに基づき、項目値取得部31が取得した項目値を連携先アプリケーションに渡すために、当該項目値を含む連携受渡プロトコルを生成する。連携受渡プロトコルは、連携先アプリケーションのデータ受領形式に合わせたプロトコルであり、データ受渡プロトコルが実行されると、連携先アプリケーションから取得した項目値が連携先アプリケーションのレコードとして記録されるという連携受渡が実現される。
【0057】
例えば、連携元アプリケーションが患者のカルテを管理するアプリケーションAであり、連携先アプリケーションが患者の診断画像を編集・管理するアプリケーションBであったとすると、アプリケーションAの患者の情報をアプリケーションBに新規に登録したり、アプリケーションAの患者の住所等が変更された場合に、アプリケーションBの患者情報も同期更新させたりといった連携受渡を実現できる。
【0058】
続いて、
図9〜
図11を参照しながら、アプリケーションの連携処理の流れを説明する。
図9は、本実施形態に係るアプリケーションの連携処理の流れを示すフローチャートである。
図10は、本実施形態に係るアプリケーション連携時のアプリケーション連携プログラムの表示画面を示す図である。
図11は、本実施形態に係るアプリケーション連携時の連携先アプリケーションの表示画面を示す図である。
【0059】
まず、S41において、ユーザがアプリケーション連携プログラムを起動しログインする。ここで、アプリケーション連携プログラムのログインID及びパスワードを連携先アプリケーションのログインID及びパスワードと同じにしておけば、連携起動コマンドの起動パラメータに、ログイン時に取得したログインID及びパスワードを含めることで、連携先アプリケーション起動時のログイン入力を省略することができる。
【0060】
アプリケーション連携プログラムが起動すると、ディスプレイ20には、
図10に示すランチャーが起動される。ランチャーに表示されているボタン(
図10では、「Claio」、「DocuMaker」等のボタン)には、連携のトリガーとなる連携ボタンが含まれている。
【0061】
続いて、S42において、連携元アプリケーションの起動を行い、S43では、連携時に項目値が取得される項目取得ウィンドウを表示させる。このとき、項目取得ウィンドウには、連携先アプリケーションと連携させたいレコードを表示させておく。
【0062】
S44では、ユーザが、
図10のランチャーに表示されているボタンをクリックすることで、連携先アプリケーションを選択する。連携先アプリケーションが選択されると、S45以降で連携処理が実施される。
【0063】
S45では、連携ルールDB122内に記録されている連携ルールのうち、S42で起動した連携元アプリケーションを連携元として登録している連携ルールを参照し、項目値取得部31による項目値取得が行われる。
【0064】
S45の次は、連携ルールを参照して、S44で選択された連携先アプリケーションの連携モードの設定に従い、S50の連携受渡、又はS55の連携起動が行われる。連携モードが連携受渡に設定されている場合には、S50に進み、連携受渡プロトコル生成部33により連携受渡プロトコルが生成され、S45で連携元アプリケーションから取得した項目値が連携先アプリケーションに受け渡される連携受渡が実行される。そして、S51では、連携先アプリケーションのレコードとして、受渡データが登録される。
【0065】
また、連携モードが連携起動に設定されている場合には、S55に進み、連携起動コマンド生成部32により連携起動コマンドが生成され、S45で連携元アプリケーションから取得した項目値を起動パラメータとして、連携先アプリケーションが連携起動される。そして、S56では、例えば、連携元アプリケーションで表示されていたレコードと同じ識別子(患者番号等)を持つレコードを表示した状態で、連携先アプリケーションが起動される。
【0066】
以上、本実施形態について詳細に説明したが、本実施形態に係る連係システムによれば、連携元アプリケーション、連携先アプリケーションに手を加えることなく、連携元アプリケーションのレコード表示ウィンドウをディスプレイ20に表示させた状態で連携先アプリケーションと連携させることで、手軽に連携起動や連携受渡を実現することができる。
【0067】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の実施の形態は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内でさらに種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、単一のコンピュータでアプリケーション連携システムを実現しているが、複数のコンピュータによる分散処理で実現しても良い。
【0068】
また、上記実施形態では、連携元アプリケーションが一つの場合について説明したが、もちろん、複数の連携元アプリケーションの連携ルールを登録しておき、複数の連携元アプリケーションを一つ又は複数の連携先アプリケーションと連携させても良い。この場合には、連携元アプリケーション毎に連携ルールが記録されることになる。また、上記実施形態では、連携元アプリケーションの項目取得ウィンドウとして一つのレコード表示ウィンドウを登録しているが、複数のウィンドウを項目取得ウィンドウとして登録しても良い。
【0069】
また、上記実施形態では、連携先アプリケーションも複数のレコードを管理するアプリケーションとして説明したが、連携先アプリケーションは、レコード管理アプリケーションでなくても良い。例えば、連携先アプリケーションが患者の保険申請書を作成するアプリケーションの場合、連携元アプリケーションから患者情報を連携受渡することで、申請書の作成を簡略化することができる。