特許第6339523号(P6339523)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6339523
(24)【登録日】2018年5月18日
(45)【発行日】2018年6月6日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20180528BHJP
【FI】
   A63F7/02 326Z
   A63F7/02 304D
   A63F7/02 320
【請求項の数】2
【全頁数】55
(21)【出願番号】特願2015-84408(P2015-84408)
(22)【出願日】2015年4月16日
(62)【分割の表示】特願2013-259631(P2013-259631)の分割
【原出願日】2013年12月16日
(65)【公開番号】特開2015-147088(P2015-147088A)
(43)【公開日】2015年8月20日
【審査請求日】2015年4月16日
【審判番号】不服2017-10390(P2017-10390/J1)
【審判請求日】2017年7月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000161806
【氏名又は名称】京楽産業.株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117503
【弁理士】
【氏名又は名称】間瀬 ▲けい▼一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100121784
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 稔
(72)【発明者】
【氏名】谷口 信行
(72)【発明者】
【氏名】峰野 雅史
(72)【発明者】
【氏名】山田 裕
【合議体】
【審判長】 瀬津 太朗
【審判官】 櫻井 茂樹
【審判官】 樋口 宗彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−232056(JP,A)
【文献】 特開2010−17398(JP,A)
【文献】 特開2010−253079(JP,A)
【文献】 特開2009−213705(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技盤と、
遊技球が入賞可能な始動入賞口装置と、
前記遊技盤の開口部を臨むようにその裏面側から設けられる表示パネルを有して、当該表示パネルにて図柄変動表示を行う画像演出装置と、
格納位置から前記表示パネルの前側における演出位置への間にて作動する可動演出装置とを備える遊技機において、
遊技球が前記始動入賞口装置に入賞することに基づき大当たり抽選を行うとともに前記図柄変動表示のための図柄変動時間を含む情報を決定する主制御手段と、
当該主制御手段により決定された前記情報に対応する演出パターンを選択する副制御手段とを備えて、
当該副制御手段により選択された演出パターンが、前記始動入賞装置への一の始動入賞に基づく図柄変動にて擬似連変動を互いに異なる時期から開始するように構成された複数の特定の演出パターンのいずれかの特定のパターンであるとき、前記副制御手段は、前記一の始動入賞に基づく前記図柄変動中に、前記いずれかの特定の演出パターンに基づく擬似連変動に伴う表示を前記画像演出装置に前記表示パネルにて行わせる制御をするとともに、前記可動演出装置を、前記擬似連変動に伴い前記格納位置から前記表示パネルの前側における前記演出位置への間で作動させた後、前記格納位置へ復帰作動させる制御をするようになっており、
前記副制御手段は、前記一の始動入賞に基づく図柄変動における擬似連変動に伴う前記可動演出装置の復帰作動を、前記複数の特定の演出パターンのうちの最も早く次の擬似連変動を開始する特定の演出パターンの当該次の擬似連変動の開始時期の到来までに終了すべく制御するようになっており、
前記一の始動入賞に基づく図柄変動における擬似連変動に伴う前記可動演出装置の復帰作動が、不測の事態に起因して、前記複数の特定の演出パターンのうちの次の擬似連変動に伴う前記可動演出装置の演出作動の開始時期が最も早いこととなる特定の演出パターンの当該次の擬似連変動の開始時期よりも遅れたときには、前記副制御手段は、前記可動演出装置の復帰作動を終了し前記次の擬似連変動及びその後の各擬似連変動に伴う前記可動演出装置の各演出作動を行わない制御をすることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記副制御手段は、演出制御手段、画像制御手段及び可動演出装置制御手段を備えており、
前記演出制御手段は、前記主制御手段により決定された前記情報に対応する演出パターンを選択するようになっており、
前記画像制御手段は、前記演出制御手段による制御のもと、前記演出パターンに基づく図柄変動表示を前記画像演出装置に前記表示パネルにて行わせるべく制御するようになっており、
前記可動演出装置制御手段は、前記演出制御手段による制御のもと、前記可動演出装置を前記格納位置から前記表示パネルの前側における前記演出位置への間にて作動させるべく制御するようになっており、
前記演出制御手段により選択された前記演出パターンが前記いずれかの特定の演出パターンであるとき、前記画像制御手段が、前記演出制御手段による制御のもと、前記一の始動入賞に基づく前記図柄変動中に前記いずれかの特定の演出パターンに基づく擬似連変動に伴う表示を前記画像演出装置に前記表示パネルにて行わせるべく制御するようになっており、
前記可動演出装置制御手段は、前記演出制御手段による制御のもと、前記一の始動入賞に基づく図柄変動における擬似連変動に伴う前記可動演出装置の復帰作動を、前記複数の特定の演出パターンのうちの最も早く次の擬似連変動を開始する特定の演出パターンの当該次の擬似連変動の開始時期の到来までに終了すべく制御するようになっており、
前記一の始動入賞に基づく図柄変動における擬似連変動に伴う前記可動演出装置の復帰作動が、不測の事態に起因して、前記複数の特定の演出パターンのうちの次の擬似連変動に伴う前記可動演出装置の演出作動の開始時期が最も早いこととなる特定の演出パターンの当該次の擬似連変動の開始時期よりも遅れたときには、前記可動演出装置制御手段は、前記可動演出装置の復帰作動を終了し前記次の擬似連変動及びその後の各擬似連変動に伴う前記可動演出装置の各演出作動を行わない制御をすることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機、アレンジボール遊技機や回胴式遊技機等の遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の遊技機においては、例えば、下記特許文献1に記載のパチンコ遊技機がある。当該パチンコ遊技機は、遊技盤と、当該遊技盤に設けた画像表示装置及び役物装置とを備えている。
【0003】
ここで、画像表示装置は、遊技盤の中央開口部に設けられており、当該画像表示装置は、パチンコ遊技機による遊技に伴い各種の演出画像を表示するようになっている。
【0004】
また、役物装置は、画像表示装置の直上に位置するように遊技盤の上部に設けられており、当該役物装置は、原状態である格納状態にあるとき、その演出部材にて、遊技盤の上部にその盤面側から設けた目隠し板の奥に格納されている。このとき、演出部材は、目隠し板により遮断されて、遊技者には視認されない。
【0005】
また、当該役物装置は、格納状態から演出状態に移行する際には、演出部材にて、目隠し板の奥から画像表示装置の表示画面の前まで落下するように駆動される。このとき、演出部材は、遊技者から視認される。
【0006】
しかして、当該パチンコ遊技機による遊技において、遊技球が順次発射されて遊技盤の遊技領域に案内されて遊技盤の盤面に沿い下方へ転動していくものの、役物装置は、上述のごとく格納状態にあって演出部材を目隠し板の奥に位置させる状態にあるものとする。
【0007】
このような状態において、遊技球が、遊技盤の盤面に沿い下方へ転動して、例えば始動入賞口に入賞すると、大当たり抽選が行われる。これに伴い、画像表示装置が、上記大当たり抽選の結果を表示するために、図柄変動表示を行う。
【0008】
そして、この画像表示装置による図柄変動表示の変動開始時に選択される演出パターンがスーパーリーチ等の特定の演出パターンであるとき、この特定の演出パターンを表す図柄変動表示が画像表示装置により開始された後の所定のタイミングにおいて、役物装置は、駆動されて、その格納状態から演出状態に移行し、演出部材を画像表示装置の表示画面の前まで落下させる。
【0009】
このように、スーパーリーチ等の特定の演出パターンを表す図柄変動表示が画像表示装置により開始された後の所定のタイミングにおいて役物装置の演出部材が画像表示装置の表示画面の前まで落下するという役物装置の演出状態を、当該画像表示装置によるスーパーリーチ等の特定の演出パターンの図柄変動表示にあわせて視認することで、画像表示装置による図柄変動表示が大当たりに当選するかも知れないという期待感を遊技者に抱かせる。
【0010】
また、役物装置が上述のように特定の演出パターンを表す図柄変動表示の開始に連動して演出部材を落下させた後、画像表示装置が役物装置をその演出状態から通常状態に復帰させるに要する特定の図柄変動表示を行うのにあわせて、役物装置は、その演出部材を上昇させて、再び目隠し板の奥に格納するように駆動される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2009−268750号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところで、上述したパチンコ遊技機においては、格納状態にある役物装置を演出状態に移行させた後、当該役物装置を再び格納状態に復帰させるにあたって、役物装置が格納状態に復帰するように演出部材にて駆動される。
【0013】
このように役物装置が格納状態に復帰するための演出部材に対する駆動には、時間を要する。特に、画像表示装置の表示画面が大画面化する傾向にある近年においては、画像表示装置に対する役物装置の演出部材をその落下位置から目隠し板の奥まで復帰させる距離が長いため、役物装置が演出状態から格納状態に復帰するに要する時間が長時間に亘ってしまう傾向にある。
【0014】
ここで、上述したごとく役物装置を演出状態から格納状態に復帰するように演出部材を駆動するには時間を要する。このため、画像表示装置による図柄変動表示中に行われている演出部材の復帰駆動は、当該図柄変動表示が終了した後も継続してしまうおそれがある。
【0015】
例えば、当該図柄変動表示の終了直前に役物装置の演出状態から格納状態への復帰がなされる場合には、演出部材に対する復帰駆動が、当該図柄変動表示の終了後に亘り継続され易い。
【0016】
従って、画像表示装置が、上述のように図柄変動表示を終了した後に、後続して、新たな図柄変動表示を開始するという事態が発生した場合、役物装置は、上述した演出部材に対する復帰駆動をいまだ継続しているにもかかわらず、演出状態に移行すべく演出部材にて画像表示装置の前に落下するように駆動されることとなる。
【0017】
これでは、演出部材を落下させる駆動が、演出部材に対する復帰駆動に干渉してしまうという事態が発生する。このため、演出部材の復帰動作と演出部材の落下動作とが互いに制御的に干渉し合い、役物装置が、演出部材の正しい位置を維持する動作や円滑な或いは正常な動作をなし得ない可能性があるのは勿論のこと得ず、故障その他の動作不良に至るおそれもある。
【0018】
以上のようなことは、画像演出装置が、その図柄変動表示においていわゆる擬似連による複数の図柄変動表示を行うようにする場合において、当該複数の図柄変動表示の各々ごとに役物装置が演出部材による格納状態から演出状態への移行を行うにあたり、当該擬似連による一図柄変動表示中にされている演出部材に対する復帰駆動が、当該一図柄変動表示の終了後、この一図柄変動表示に後続する図柄変動表示が画像表示装置により開始されても、継続してしまうおそれがある。
【0019】
このため、画像演出装置が擬似連による複数の図柄変動表示を行うにあたっても、演出部材の目隠し板の奥まで復帰する動作と演出部材を画像表示装置の前まで落下させる動作とが制御的に互いに干渉し合い、役物装置が、演出部材の正しい位置を維持する動作や円滑な或いは正常な動作をなし得ない可能性があるのは勿論のこと、故障その他の動作不良に至るおそれもある。
【0020】
そこで、本発明は、上述したことに対処するため、一の始動入賞における演出パターンに基づく図柄変動において擬似連変動をも行う場合には、当該擬似連変動に伴う可動演出装置の演出位置から格納位置への復帰作動が次の擬似連変動の最も早い開始時期の到来までに終了し、また、可動演出装置の復帰作動は、不測の事態に起因して、複数の特定の演出パターンのうちの次の擬似連変動に伴う可動演出装置の演出作動の開始時期が最も早いこととなる特定の演出パターンの当該次の擬似連変動の開始の時期よりも遅れたときには、可動演出装置の復帰作動を終了し次の擬似連変動及びその後の各擬似連変動に伴う可動演出装置の演出作動を行わないようにした遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記課題の解決にあたり、本発明に係る遊技機は、請求項1の記載によれば、
遊技盤(Ba)と、
遊技球が入賞可能な始動入賞口装置(50、60)と、
遊技盤の開口部を臨むようにその裏面側から設けられる表示パネルを有して、当該表示パネルにて図柄変動表示を行う画像演出装置(190)と、
格納位置から上記表示パネルの前側における演出位置への間にて作動する可動演出装置(200)とを備える。
【0022】
当該遊技機において、
遊技球が始動入賞口装置に入賞することに基づき大当たり抽選を行うとともに上記図柄変動表示のための図柄変動時間(TCi)を含む情報を決定する主制御手段(300)と、
当該主制御手段により決定された上記情報に対応する演出パターン(Pi)を選択する副制御手段(400)とを備えて、
当該副制御手段により選択された演出パターンが、始動入賞装置への一の始動入賞に基づく図柄変動にて擬似連変動を互いに異なる時期から開始するように構成された複数の特定の演出パターンのいずれかの特定のパターンであるとき、副制御手段は、上記一の始動入賞に基づく上記図柄変動中に、上記いずれかの特定の演出パターンに基づく擬似連変動に伴う表示を画像演出装置に上記表示パネルにて行わせる制御をするとともに、可動演出装置を、上記擬似連変動に伴い上記格納位置から上記表示パネルの前側における上記演出位置への間で作動させた後、上記格納位置へ復帰作動させる制御をするようになっており、
副制御手段は、上記一の始動入賞に基づく図柄変動における擬似連変動に伴う可動演出装置の復帰作動を、上記複数の特定の演出パターンのうちの最も早く次の擬似連変動を開始する特定の演出パターンの当該次の擬似連変動の開始時期の到来までに終了すべく制御するようになっており、
上記一の始動入賞に基づく図柄変動における擬似連変動に伴う可動演出装置の復帰作動が、不測の事態に起因して、上記複数の特定の演出パターンのうちの次の擬似連変動に伴う可動演出装置の演出作動の開始時期が最も早いこととなる特定の演出パターンの当該次の擬似連変動の開始時期よりも遅れたときには、副制御手段は、可動演出装置の復帰作動を終了し上記次の擬似連変動及びその後の各擬似連変動に伴う可動演出装置の各演出作動を行わない制御をすることを特徴とする。
【0023】
上述のように、一の始動入賞に基づく図柄変動における擬似連変動に伴う可動演出装置の演出位置から格納位置への復帰作動が、複数の特定の演出パターンのうちの最も早く次の擬似連変動を開始する特定の演出パターンの当該次の擬似連変動の開始時期の到来までに終了する場合には、擬似連変動や当該擬似連変動の表示が逸早く行われ、その結果、遊技者による遊技の促進につながる。
また、一の始動入賞に基づく図柄変動における擬似連変動に伴う可動演出装置の復帰作動が、不測の事態に起因して、複数の特定の演出パターンのうちの次の擬似連変動に伴う可動演出装置の演出作動の開始時期が最も早いこととなる特定の演出パターンの当該次の擬似連変動の開始時期よりも遅れたときには、可動演出装置は、その復帰作動を終了し上述した次の擬似連変動及びその後の各擬似連変動に伴う可動演出装置の各演出作動を行わない制御をする。従って、可動演出装置が格納位置に戻っていない状態で表示パネルの前側における演出位置に向けて作動し始めるように制御されることによる制御上の干渉や、当該干渉に起因した可動演出装置が正しい位置を維持する作動や正常な動作をなし得ない可能性ないしは故障その他の作動不良に至る等の不具合の発生を未然に防止することができる。
【0024】
また、本発明は、請求項2の記載によれば、請求項1に記載の遊技機において、
副制御手段は、演出制御手段(400b)、画像制御手段(400c)及び可動演出装置制御手段(400d)を備えており、
演出制御手段(400b)は、主制御手段により決定された上記情報に対応する演出パターン(Pi)を選択するようになっており、
画像制御手段(400c)は、演出制御手段による制御のもと、上記演出パターンに基づく図柄変動表示を画像演出装置に行わせるべく制御するようになっており、
可動演出装置制御手段(400d)は、演出制御手段(400b)による制御のもと、可動演出装置(200)を上記格納位置から上記表示パネルの前側における上記演出位置への間にて作動させるべく制御するようになっており、
演出制御手段(400b)により選択された上記演出パターンが上記いずれかの特定の演出パターンであるとき、画像制御手段(400c)が、演出制御手段による制御のもと、上記一の始動入賞に基づく上記図柄変動中に上記いずれかの特定の演出パターンに基づく擬似連変動に伴う表示を画像演出装置に上記表示パネルにて行わせるべく制御するようになっており、
可動演出装置制御手段は、演出制御手段による制御のもと、上記一の始動入賞に基づく図柄変動における擬似連変動に伴う可動演出装置の復帰作動を、上記複数の特定の演出パターンのうちの最も早く次の擬似連変動を開始する特定の演出パターンの当該次の擬似連変動の開始時期の到来までに終了すべく制御するようになっており、
上記一の始動入賞に基づく図柄変動における擬似連変動に伴う可動演出装置の復帰作動が、不測の事態に起因して、上記複数の特定の演出パターンのうちの次の擬似連変動に伴う可動演出装置の演出作動の開始時期が最も早いこととなる特定の演出パターンの当該次の擬似連変動の開始時期よりも遅れたときには、可動演出装置制御手段は、可動演出装置の復帰作動を終了し上記次の擬似連変動及びその後の各擬似連変動に伴う可動演出装置の各演出作動を行わない制御をすることを特徴とする。
【0025】
このように、演出制御手段、画像制御手段及び可動演出装置制御手段が、副制御手段の各種制御を分担することにより、一の始動入賞に基づく図柄変動における擬似連変動に伴う可動演出装置の復帰作動を、複数の特定の演出パターンのうちの最も早く次の擬似連変動を開始する特定の演出パターンの当該次の擬似連変動の開始時期の到来までに終了するようにし、また、一の始動入賞に基づく図柄変動における擬似連変動に伴う可動演出装置の復帰作動が、不測の事態に起因して、複数の特定の演出パターンのうちの次の擬似連変動に伴う可動演出装置の演出作動の開始時期が最も早いこととなる特定の演出パターンの当該次の擬似連変動の開始時期よりも遅れたときには、可動演出装置制御手段は、可動演出装置の復帰作動を終了し次の擬似連変動及びその後の各擬似連変動に伴う可動演出装置の各演出作動を行わない制御をするようにしたので、請求項1の記載の作用効果がより一層具体的に達成され得る。
【0026】
なお、請求項1或いは請求項2において、前記一の始動入賞に基づく図柄変動における擬似連変動のうちの最も早い擬似連変動の開始時期の到来までに終了するという記載に代えて、最初の擬似連変動の仮停止に伴う可動演出装置の復帰作動が、当該最初の擬似連変動に後続する再度の擬似連変動の開始に対応して開始するべき可動演出装置の演出作動のうち、当該演出作動が、上述した可動演出装置の復帰作動の終了後に開始されるようにしてもよい。この場合、上述した可動演出装置の復帰作動の終了が、再度の擬似連変動の開始時期よりも前であるか後であるかは問わない。
【0027】
これによれば、可動演出装置の復帰作動制御が当該可動演出装置の演出作動制御と干渉し合うことがない。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、一の始動入賞に基づく図柄変動における擬似連変動に伴う可動演出装置の演出位置から格納位置への復帰作動が、複数の特定の演出パターンのうちの最も早く次の擬似連変動を開始する特定の演出パターンの当該次の擬似連変動の開始時期の到来までに終了する場合には、擬似連変動や当該擬似連変動の表示が逸早く行われ、その結果、遊技者による遊技の促進につながる。
また、一の始動入賞に基づく図柄変動における擬似連変動に伴う可動演出装置の復帰作動が、不測の事態に起因して、複数の特定の演出パターンのうちの次の擬似連変動に伴う可動演出装置の演出作動の開始時期が最も早いこととなる特定の演出パターンの当該次の擬似連変動の開始時期よりも遅れたときには、可動演出装置は、その復帰作動を終了し上述した次の擬似連変動及びその後の各擬似連変動に伴う可動演出装置の各演出作動を行わない制御をする。従って、可動演出装置が格納位置に戻っていない状態で演出位置に向けて作動し始めるように制御されることによる制御上の干渉や、当該干渉に起因した可動演出装置が正しい位置を維持する作動や正常な動作をなし得ない可能性ないしは故障その他の作動不良に至る等の不具合の発生を未然に防止することができる。
【0029】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明に係るパチンコ遊技機の一実施形態を示す前面図である。
図2図1のパチンコ遊技機の遊技盤を可動演出装置の格納位置との関係にて示す前面図である。
図3図1のパチンコ遊技機の遊技盤を可動演出装置の演出位置との関係にて 示す前面図である。
図4図2或いは図3の遊技盤における普通図柄表示器、第1及び第2の特別図柄表示器、普通図柄保留表示器並びに第1及び第2の特別図柄保留表示器の配置構成を示す拡大前面図である。
図5図1のパチンコ遊技機の遊技盤を可動演出装置の格納位置との関係にて示す斜視図である。
図6図2の可動演出装置を格納位置の関係にて示す前面図である。
図7図2の可動演出装置を格納位置の関係にて示す背面図である。
図8図2の可動演出装置を演出位置の関係にて示す前面図である。
図9図2の可動演出装置を演出位置の関係にて示す背面図である。
図10図6の星形状可動役物の前面図である。
図11図6の星形状可動役物の背面図である。
図12】当該パチンコ遊技機の電子制御システムのうちの主制御装置の詳細構成をセンサ群及び第1被駆動素子群との関係において示すブロック図である。
図13】当該パチンコ遊技機の電子制御システムのうちの副制御装置の詳細構成を第2被駆動素子群との関係において示すブロック図である。
図14図12の主制御装置のCPUにより実行されるタイマー割り込みプログラムを表すフローチャートである。
図15図13の副制御装置における演出制御部のCPUにより実行される演出制御プログラムを表すフローチャートである。
図16図15にて示す図柄変動処理ルーチンを示す詳細フローチャートの一部である。
図17図15にて示す図柄変動処理ルーチンを示す詳細フローチャートの一部である。
図18図15にて示す図柄変動処理ルーチンを示す詳細フローチャートの一部である。
図19図15にて示す図柄変動処理ルーチンを示す詳細フローチャートの一部である。
図20図15にて示す図柄変動処理ルーチンを示す詳細フローチャートの一部である。
図21図15にて示す図柄変動処理ルーチンを示す詳細フローチャートの一部である。
図22図15にて示す図柄変動処理ルーチンを示す詳細フローチャートの一部である。
図23】上記実施形態における演出パターンの一例を示す模式図である。
図24】上記実施形態における第1の特定演出パターンを可動演出装置の作動パターンとともに示す模式的に示す時期チャートである。
図25】上記実施形態における第2の特定演出パターンを可動演出装置の作動パターンとともに示す模式的に示す時期チャートである。
図26】上記実施形態における第3の特定演出パターンを可動演出装置の作動パターンとともに示す模式的に示す時期チャートである。
図27】上記実施形態における第4の特定演出パターンを可動演出装置の作動パターンとともに示す模式的に示す時期チャートである。
図28】上記実施形態における第5の特定演出パターンを可動演出装置の作動パターンとともに示す模式的に示す時期チャートである。
図29】上記実施形態における第6の特定演出パターンを可動演出装置の作動パターンとともに示す模式的に示す時期チャートである。
図30】上記実施形態において図柄変動表示が行われる場合に主制御装置から副制御装置の演出制御部に入力されるコマンドを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0032】
図1は、本発明が適用されるパチンコ遊技機の一実施形態を示している。当該パチンコ遊技機は、パチンコホール内の島に立設されるもので、このパチンコ遊技機は、機枠(図示しない)と、この機枠に対し前後方向に開閉可能に支持される遊技機本体B及び前扉FDとにより構成されている。なお、当該パチンコ遊技機は、いわゆるデジパチ型のパチンコ遊技機である。
【0033】
遊技機本体Bは、図2にて示すごとく、遊技盤Baを備えており、この遊技盤Baは、遊技機本体Bの枠体(図示しない)に嵌装されている。なお、遊技機本体Bは、上記枠体にて、上記機枠に対し前後方向に開閉可能に支持されている。
【0034】
当該遊技盤Baは、遊技板10と、ガイドレール20、環状センター構造物30及び遊技釘群40を備えている。ガイドレール20は、遊技板10の前面11(以下、遊技盤Baの盤面11ともいう)に沿い配設されており、このガイドレール20は、内側レール部21及び外側レール部22でもって構成されている。
【0035】
ここで、内側レール部21は、外側レール部22の内周側に位置するように、当該外側レール部22と共に、遊技盤Baの盤面11の外周部に沿い配設されており、当該ガイドレール20は、その内周側において、遊技板10の盤面11上に遊技領域12を特定する。
【0036】
しかして、ガイドレール20は、ハンドルH(図1参照)の回動操作により、球発射装置(図示しない)から発射される遊技球を内側レール部21と外側レール部22との間を通し案内して、遊技領域12(図2参照)内に転動させる。なお、アウト口は、ガイドレール20の下端部直上にて、遊技盤Baの盤面11に形成されており、このアウト口は、遊技盤Baの盤面11に沿い入賞することなく下方へ転動する遊技球を遊技盤Baの背面側へ排出する排出口である(図2参照)。
【0037】
本実施形態において、上記球発射装置は、遊技機本体Bの上記枠体の右下部に配設されている。また、ハンドルHは、上記球発射装置の一構成部品として、前扉FDの右下部にその前面から設けられている。しかして、前扉FDが遊技機本体Bに対し閉じた状態にあるとき、遊技者がハンドルHを回動するように操作すると、上記球発射装置は、ハンドルHの回動角度に応じた打球力でもって、遊技球をガイドレール20の内側レール部21と外側レール部22との間を介して遊技盤Baの盤面11に向けて所定の時間間隔にて順次打ち出すようになっている。
【0038】
センター構造物30は、図2或いは図3にて示すごとく、遊技板10の中央開口部13(遊技盤Baの中央開口部13ともいう)の外周部に盤面11側から組み付けられている。遊技釘群40は、多数の遊技釘41からなるもので、これらの各遊技釘41は、ガイドレール20の内側において、センター構造物30の左側から下側にかけて、遊技盤Baにその盤面11側から分散して打ち込まれている。しかして、遊技釘群40によれば、ガイドレール20から遊技領域12内に転動する遊技球が、遊技盤Baの盤面11に沿い、各遊技釘41との衝突を経て、下方へ転動する。
【0039】
また、当該遊技盤Baは、スタートチャッカー50、電動チューリップ60、スルーゲート70、風車80、複数の普通入賞口90、アタッカー100及び複数の星形状盤ランプ110を備えており、スタートチャッカー50、電動チューリップ60、スルーゲート70、風車80、各普通入賞口90、アタッカー100及び各星形状盤ランプ110は、図2にて示す各位置にて、遊技盤Baの盤面11に遊技領域12内にて組み付けられている。
【0040】
スタートチャッカー50は、図2或いは図3にて示すごとく、センター構造物30の下縁中央部の直下に位置している。このスタートチャッカー50は、始動入賞口51(以下、第1始動入賞口51ともいう)を備えており、当該スタートチャッカー50は、第1始動入賞口51への遊技球の入賞に基づき、大当たり抽選(大当たりか否かの抽選)の機会を提供するとともに、所定数の賞球を払い出すようになっている。なお、スタートチャッカー50は、第1始動入賞口装置ともいえる。
【0041】
電動チューリップ60は、図2或いは図3にて示すごとく、普通電動役物としての役割を果たすべく、スタートチャッカー50の直下に位置しており、この電動チューリップ60は、始動入賞口61(以下、第2始動入賞口61ともいう)を備えている。本実施形態では、電動チューリップ60は、その両羽根部材にて、遊技板10にその裏面側から設けた電チューアクチュエータ62(図12参照)により開閉駆動される。なお、電動チューリップ60は、第2始動入賞口装置ともいえる。
【0042】
しかして、当該電動チューリップ60は、その両羽根部材の閉鎖状態(図2或いは図3にて示す状態)にて、スタートチャッカー50の周辺から下方へ転動する遊技球の第2始動入賞口61への入賞を規制し、また、その両羽根部材の開放状態にて、スタートチャッカー50の周辺から下方へ転動する遊技球の第2始動入賞口61への入賞を容易にして、当該入賞に基づき所定数の賞球の払い出しの契機を与えるとともに、スタートチャッカー50と同様に大当たり抽選の機会を提供する。
【0043】
つまり、第2始動入賞口61或いは第1始動入賞口51に対する遊技球の入賞に伴い、大当たり乱数を含む各種乱数が遊技データとして取得され、このように取得した遊技データに基づき大当たり抽選が行われる。そして、この大当たり抽選に伴い、第2或いは第1の特別図柄表示器140或いは130(後述する)において第2或いは第1の特別図柄の変動表示が開始されるとともに、画像演出装置190において装飾図柄の変動表示が開始される。また、このような装飾図柄の変動表示の開始とともに、色々のキャラクタの出現等による各種の予告演出等も画像演出装置190においてなされる。
【0044】
なお、遊技球のスルーゲート70に対する通過(後述する)でもってなされる普通図柄の抽選において当選になると、当該電動チューリップ60は、その両羽根部材を、所定の解放時間ずつ、所定回数、開放するようになっている。
【0045】
また、後述のごとく、第1或いは第2の特別図柄は、遊技球の第1始動入賞口51への入賞に対する第1始動入賞口センサS1(図12参照)の検出出力或いは遊技球の第2始動入賞口61への入賞に対する第2始動入賞口センサS2(図12参照)の検出出力に基づき、第2或いは第1の特別図柄表示器140或いは130において変動表示される。
【0046】
また、遊技球がスタートチャッカー50或いは電動チューリップ60に入賞しても、第1或いは第2の特別図柄表示器130或いは140による特別図柄の変動表示中或いは大当たり遊技中等のために、特別図柄の新たな変動表示が不可能である場合には、第1或いは第2の特別図柄保留表示器160或いは170における保留表示が、後述のごとく、なされる。
【0047】
スルーゲート70は、図2にて示すごとく、センター構造物30の左縁中央部の左側に位置しており、このスルーゲート70は、その直上から遊技盤Baの盤面11に沿い下方へ転動する遊技球に対し通過する機会を与える。これにより、当該スルーゲート70は、その遊技球の通過に基づき、普通図柄抽選を開始する。
【0048】
風車80は、スルーゲート70の下方に位置しており、この風車80は、遊技盤Baの盤面11に沿いスルーゲート70或いはその周囲から下方へ転動する遊技球により衝突されたとき、回転しつつ当該遊技球を下方へ転動させる。
【0049】
複数(3つ)の普通入賞口90は、図2にて示すごとく、スタートチャッカー50の左右両側に位置しており、左側の両普通入賞口90は、その直上から下方へ転動する遊技球に対し入賞する機会を与える。また、右側の普通入賞口90は、その直上から下方へ転動する遊技球に対し入賞する機会を与える。しかして、各普通入賞口90は、その遊技球の入賞に伴い、所定数の賞球を払い出すようになっている。
【0050】
アタッカー100は、図2或いは図3にて示すごとく、電動チューリップ60の直下に位置しており、このアタッカー100は、大入賞口扉101により大入賞口102を開くことによって、遊技盤Baの盤面11に沿いスタートチャッカー50の近傍へ転動する遊技球に対し大入賞口102に入賞する機会を与える。また、当該アタッカー100は、大入賞口扉101により大入賞口102を閉鎖することによって、遊技球の大入賞口102への入賞を規制する。本実施形態において、アタッカー100は、大入賞口扉101にて、遊技盤Baにその裏面から設けた大入賞口アクチュエータ103(図12参照)により、開閉駆動される。
【0051】
しかして、遊技球が第1始動入賞口51或いは第2始動入賞口61への入賞を条件として行われる大当り抽選において大当たり或いは小当たりに当選すると、アタッカー100は、上述の当たりの種類に応じて、大入賞口扉101により大入賞口102を開閉する。
【0052】
特に、大当たりに当選した場合には、大入賞口扉101により大入賞口102を開放する1回あたりの開放時間が長くなるので、遊技者は、その間に多数の遊技球を大入賞口102に入賞させることが可能となり、これにより、多数の賞球を獲得することができる。従って、大当たりに当選した場合には、遊技者の遊技状態は有利な遊技価値を付与される遊技状態であり、遊技者は、そのような多数の賞球を獲得し得る大当たりを期待して遊技を行う。
【0053】
複数の星形状盤ランプ110は、図2或いは図3にて示すごとく、左側の両普通入賞口90の間及び右側の普通入賞口90の右側に、2つずつ、位置しており、当該複数の星形状盤ランプ110は、その各点滅により、所定の演出を行う。
【0054】
また、当該遊技盤Baは、図2にて示すごとく、普通図柄表示器120、第1及び第2の特別図柄表示器130、140、普通図柄保留表示器150並びに第1及び第2の特別図柄保留表示器160、170を備えている。これら普通図柄表示器120、第1及び第2の特別図柄表示器130、140、普通図柄保留表示器150並びに第1及び第2の特別図柄保留表示器160、170は、図2図4から分かるように、ガイドレール20の右下側にて、遊技盤Baの盤面11の右下隅角部に配設されている。
【0055】
普通図柄表示器120は、スルーゲート70を通過する遊技球に対する図柄抽選の結果に基づき、当たり図柄或いはハズレ図柄を表示する。具体的には、当たり図柄は「○」により表示され、ハズレ図柄は、「×」により表示される(図4参照)。
【0056】
この普通図柄表示器120は、当たり図柄用7セグメント発光ダイオード(図4にて符号121参照)及びハズレ図柄用7セグメント発光ダイオード(図4にて符号122参照)でもって、所定時間の間、普通図柄の抽選に伴い、当たり図柄及びハズレ図柄を交互に変動表示して、上記所定時間の経過後、上記普通図柄の抽選結果に応じて当たり図柄或いはハズレ図柄を停止表示し、遊技状態に応じて電動チューリップ60を所定時間の間所定回数開放させる。
【0057】
なお、例えば、時短遊技状態の場合、普通図柄の変動表示時間は3(秒)程度であり、普通図柄の抽選に当選した場合の電動チューリップ60の開放時間は、3.5(秒)程度である。一方、非時短遊技状態の場合、普通図柄の変動表示時間は29(秒)程度であり、普通図柄の抽選に当選した場合の電動チューリップ60の開放時間は、0.2(秒)程度である。
【0058】
第1特別図柄表示器130は、7セグメント表示素子からなるもので、この特別図柄表示器130は、後述のごとく、遊技球の第1始動入賞口51への入賞に対する第1始動入賞口センサS1の検出出力に基づきなされる大当たり抽選に応じて、第1特別図柄を所定時間の間変動表示した後、当該大当たり抽選の結果に応じた第1特別図柄を停止表示する。例えば、大当たり抽選の結果が当たりであれば、第1特別図柄表示器130は、当該当たりに対応した第1特別図柄を停止表示して、アタッカー100による大入賞口102の開放の契機を提供する。
【0059】
第2特別図柄表示器140は、7セグメント表示素子からなるもので、この第2特別図柄表示器140は、後述のごとく、遊技球の第2始動入賞口61への入賞に対する第2始動入賞口センサS2の検出出力に基づきなされる大当たり抽選に応じて、第2特別図柄を所定時間の間変動表示した後、当該大当たり抽選の結果に応じた第2特別図柄を停止表示する。例えば、大当たり抽選の結果が当たりであれば、第2特別図柄表示器140は、当該当たりに対応した第2特別図柄を停止表示して、アタッカー100による大入賞口102の開放の契機を提供する。 なお、上述した特別図柄は、各通常図柄(図示しない)、各確変図柄(図示しない)、小当たり図柄(図示しない)及びハズレ図柄(図示しない)のいずれかからなる所定の図柄をいう。
【0060】
本実施形態では、上述した第1及び第2の特別図柄表示器130、140による特別図柄の新たな変動表示は、第1及び第2の特別図柄表示器130、140のいずれか一方の変動表示中にはなされない。また、第1及び第2の特別図柄表示器130、140の一方による特別図柄の変動表示中においては、画像演出装置190が、表示パネル191により、複数の装飾図柄の変動表示でもって、例えばリーチ演出や予告演出を行う。また、大当たり抽選の結果が当選である場合には、複数の装飾図柄が、例えば、「111」或いは「777」等の同一数字の並びでもって停止表示されて、遊技者に対し当たりを報知する。なお、後述する装飾図柄の図柄変動表示は、第1或いは第2の特別図柄表示器130、140による特別図柄の図柄変動に対応する。
【0061】
普通図柄保留表示器150は、図4にて明らかに示すごとく、4つの保留ランプ151からなるもので、この普通図柄保留表示器150は、各保留ランプ151を、普通図柄の変動中或いは電動チューリップ60の作動中にスルーゲート70を通過する遊技球に対するゲートセンサS3の検出回数(遊技球の通過数)に応じて、順次、点灯させる。
【0062】
具体的には、1個目の遊技球がスルーゲート70を通過するとき、左端側の普通図柄保留ランプ151が点灯する。2個目〜4個目の各遊技球が、順次、上記1個目の遊技球に続いてスルーゲート70を通過するとき、左端側から2番目〜4番目の各普通図柄保留ランプ151が順次点灯する。なお、普通図柄保留ランプ151の点灯は、普通図柄の変動中或いは電動チューリップ60の作動中に遊技球のスルーゲート70に対する通過をゲートセンサS3(図12参照)により検出した場合にこの検出に基づく普通図柄の変動表示を、先の普通図柄の変動表示の終了まで保留するためである。
【0063】
第1特別図柄保留表示器160は、4つの保留ランプ161からなるもので、当該第1特別図柄保留ランプ160は、第1及び第2の特別図柄表示器130、140のいずれか一方による特別図柄の変動表示中の場合において、遊技球の第1始動入賞口51への入賞に対する第1始動入賞口センサS1の検出出力毎に特別図柄の変動表示を保留するために、各保留ランプ161を順次点灯する。
【0064】
具体的には、1個目の遊技球が第1始動入賞口51に入賞するとき、左端側の特別図柄保留ランプ161が点灯する。2個目〜4個目の各遊技球が、順次、上記1個目の遊技球に続いて第1始動入賞口51に入賞するとき、左端側から2番目〜4番目の各特別図柄保留ランプ161が順次点灯する。これは、遊技球の始第1始動入賞口51への先の入賞による大当たり抽選に基づきなされた特別図柄の変動表示が第1及び第2の特別図柄表示器130、140の一方によりなされている場合に、その後の特別図柄の変動表示の保留を、第1特別図柄保留ランプ160における保留ランプ161の点灯により表示するためである。
【0065】
第2特別図柄保留表示器170は、4つの保留ランプ171からなるもので、当該第2特別図柄保留表示器170は、第1及び第2の特別図柄表示器130、140のいずれか一方による特別図柄の変動表示中の場合において、遊技球の第2始動入賞口61への入賞に対する第2始動入賞口センサS2の検出出力毎に特別図柄の変動表示を保留するために、各保留ランプ171を順次点灯する。
【0066】
具体的には、1個目の遊技球が第2始動入賞口61に入賞するとき、左端側の特別図柄保留ランプ171が点灯する。2個目〜4個目の各遊技球が、順次、上記1個目の遊技球に続いて第2始動入賞口61に入賞するとき、左端側から2番目〜4番目の各特別図柄保留ランプ171が順次点灯する。
【0067】
これは、遊技球の第2始動入賞口61への先の入賞による大当たり抽選に基づきなされた特別図柄の変動表示が第1及び第2の特別図柄表示器130、140の一方によりなされている場合に、その後の特別図柄の変動表示の保留を、第2特別図柄保留表示器170における保留ランプ171の点灯により表示するためである。なお、後述のごとく、画像演出装置190においても、第1及び第2の特別図柄保留表示器160、170による各保留が、表示されるようになっている。
【0068】
また、当該遊技機本体Bは、図2及び図3にて示すごとく、装飾図柄保留表示器180、画像演出装置190及び可動演出装置200を備えている。
【0069】
装飾図柄保留表示器180は、センター構造物30の内周中央下部に設けられている。当該装飾図柄保留表示器180は、第1特別図柄保留表示器160に対応するもので、この装飾図柄保留表示器180は、4つの保留ランプ181でもって構成されている。しかして、当該装飾図柄保留表示器180は、第1特別図柄保留表示器160の各保留ランプ161の点灯或いは消灯に伴い、各保留ランプ181を点灯或いは消灯するように、役物制御部400d(後述する)により制御されるようになっている。
【0070】
ここで、装飾図柄保留表示器180において、4つの保留ランプ181のうちの図2にて左端側に位置する保留ランプ181が、4つの保留ランプ161のうちの図4にて左端側に位置する保留ランプ161に対応する。また、装飾図柄保留表示器180において上述の左端側保留ランプ181から順次右側に位置する各保留ランプ181が、それぞれ、第1特別図柄保留表示器160において上述の左端側保留ランプ161から順次右側に位置する各保留ランプ161に対応する。このことは、装飾図柄保留表示器180が第1特別図柄保留表示器160の特別図柄の変動表示の保留に対応して装飾図柄の変動表示の保留を表示することを意味する。
【0071】
画像演出装置190は、図2図3及び図13のいずれかにて示すごとく、表示パネル191と、表示駆動回路192とを備えている。表示パネル191は、液晶パネルからなるもので、この表示パネル191は、環状の裏ケーシングC(図5参照)の中央穴部を通して遊技板10の中央開口部13を臨むように、裏ケーシングCにその裏面側から組み付けられている。
【0072】
しかして、画像演出装置190は、遊技の進行に伴い、表示駆動回路192による駆動に基づき、表示パネル191により、例えば、大当たり抽選の結果を、1〜9等の数字を付した複数の装飾図柄でもって表示したり、キャラクタの登場やアイテムの出現による予告演出を表示したり、或いは、リーチ演出として各種の動画像を表示する等の演出のための色々な演出画像を表示するようになっている。
【0073】
本実施形態において、上述した環状の裏ケーシングCは、その外周部にて、遊技板10の裏面にその外周部にて固着されており、当該裏ケーシングCは、その外周部から後方に向け凸な縦断面形状でもって環状に延出するように構成されている。これにより、当該裏ケーシングCは、遊技板10の裏面側にてこの遊技板10との間に環状空所を形成してなり、この裏ケーシングCの中央穴部は、遊技板10の中央開口部13に同軸的に対向している。
【0074】
しかして、上述のように構成した画像演出装置190においては、表示パネル191が、遊技の進行に伴い、後述する画像制御部400c(図13参照)による制御のもとに、表示駆動回路192により駆動されて、例えば、大当たり抽選の抽選結果に応じて複数の装飾図柄を変動表示したり、或いはキャラクタの登場による予告演出を変動表示する等の種々の演出表示を行う。
【0075】
可動演出装置200は、役物装置の1種であって、画像演出装置190による各種の表示演出に連動して作動するように構成されている。当該可動演出装置200は、図2或いは図3にて示すごとく、センター構造物30の右側部に後述のごとく配設されており、当該可動演出装置200は、図2図3図6図9及び図13のいずれかにより示すごとく、主可動装飾部材200aと、副可動装飾部材200bと、両モータ駆動回路200c、200d(図13参照)とによって構成されている。
【0076】
主可動装飾部材200aは、図3図6或いは図8から分かるように、図示右側へ緩やかに凸な湾曲形状に形成されており、当該主可動装飾部材200aは、その上端部にて、環状センター構造物30の右端上部にその前面側から左右方向に傾動可能に支持されている。
【0077】
当該主可動装飾部材200aは、図6にて示すごとく、湾曲状基体210と、星形状可動役物220及び3つの星形状固定役物230〜250とを備えており、湾曲状基体210は、図6或いは図7にて示すごとく、湾曲状下板211及び湾曲状装飾板212でもって構成されている。
【0078】
湾曲状下板211は、図7或いは図9にて示すごとく、図示左側へ緩やかに凸な湾曲形状に形成されており、当該湾曲状下板211は、その上端部にて、ピン211a(図7或いは図9参照)により、左右方向に傾動可能に、環状センター構造物30の右端上部にその前面側から支持されている。このことは、上述したごとく、主可動装飾部材200aが、その上端部にて、環状センター構造物30の右端上部に左右方向に傾動可能に支持されていることを意味する。
【0079】
湾曲状装飾板212は、湾曲状下板211にその表面に沿うように湾曲状に形成されており、当該湾曲状装飾板212は、主可動装飾部材200aに装飾効果を発揮させる役割を果たす。
【0080】
星形状可動役物220及び3つの星形状固定役物230〜250は、図6或いは図8にて示すごとく、湾曲状基体210の湾曲状装飾板212の長手方向に沿いその表面側から順次配設されている。ここで、これら星形状可動役物220及び3つの星形状固定役物230〜250は、星形状可動役物220から星形状固定役物250にかけて、湾曲状装飾板212の表面にその下端部から上端部に向け順に配設されている。
【0081】
星形状可動役物220の役物本体220a(後述する)及び3つの星形状固定役物230〜250は、役物本体220aから星形状固定役物250にかけて、互いに相似な表面形状にて、順次、小さくなるように形成されている。
【0082】
星形状可動役物220は、図10或いは図11にて示すごとく、役物本体220aと、回転駆動機構220bとによって構成されている。
【0083】
役物本体220aは、表裏両側星形板221、222からなるもので、この役物本体220aは、図7或いは図9にて示すごとく、湾曲状基体210の下端部から斜め下方へ延出するように、裏側星形板222の一部にてその裏面側から湾曲状装飾板212の下端部を介し湾曲状下板211の下端部に固着されている。ここで、表面側星形板221は、裏側星形板222の表面側(遊技盤Baの盤面側)に位置して、後述のごとく、星形板222にその表面側から回転可能に重畳的に支持されている。
【0084】
回転駆動機構220bは、図7図9或いは図11にて示すごとく、役物本体220aにその裏面側から取り付けられており、この回転駆動機構220bは、図11にて示すように、被動歯車223、中間歯車224、駆動歯車225及びステップモータ226でもって構成されている。
【0085】
被動歯車223は、役物本体220aの星形板222の中央穴部222a内にて、星形板221の表面から中央穴部222a内に同軸的に突出する支持軸221aに同軸的に支持されてワッシャ221bにより抜け止めされている。これにより、星形板221は被動歯車223と一体的に回転可能となっている。なお、中央穴部222aは、星形板222の中央部に貫通状に形成されている。
【0086】
中間歯車224は、大径歯車部224a及び小径歯車部224bからなるもので、これら大径歯車部224a及び小径歯車部224bは、カバー222dの内面から星形板222の円弧状切り欠き穴部222b内に同軸的に突出する支持軸222cに回動自在に支持されている。
【0087】
ここで、大径歯車部224aは、星形板222の円弧状切り欠き穴部222bよりも星形板222の表面側に位置するように、支持軸222cに同軸的に支持されており、一方、小径歯車部224bは、被動歯車223に噛合するように、円弧状切り欠き穴部222b内にて支持軸222cに同軸的に支持されている。
【0088】
これにより、中間歯車224は、その回転に伴い、小径歯車部224bと噛合する被動歯車223を、図11にて図示矢印Arで示す方向に回転させる。本実施形態において、円弧状切り欠き穴部222bは、湾曲状基体210の下端部の下方にて星形板222の中央穴部222aの外周部を円弧状に切り欠くことで形成されている(図11参照)。また、カバー222dは、中間歯車224を円弧状切り欠き穴部222b内に被覆するように星形板222にその表面側から取り付けられている(図9及び図11参照)。
【0089】
駆動歯車225は、図11にて示すごとく、ウォーム歯車からなるもので、この駆動歯車225は、中間歯車224の大径歯車部224aと噛合するように、取り付け板227を介しステップモータ226の出力軸に同軸的に支持されている。
【0090】
取り付け板227は、中空状着座部227aを有しており、この中空状着座部227aは、図11にて示すごとく、星形板222の表面のうち、中央穴部222a及び円弧状切り欠き穴部222bの図示左側面部位に装着されている。当該取り付け板227は、フランジ部227bを有しており、このフランジ部227bは、中空状着座部227aのうち中央穴部222a及び円弧状切り欠き穴部222b側の端部から星形板222の前方へ延出している。
【0091】
ステップモータ226は、図11にて示すごとく、そのモータ本体226aにて取り付け板227の中空状着座部227a側からフランジ部227bに支持されており、当該ステップモータ226の出力軸は、モータ本体226aからフランジ部227bを通り延出して駆動歯車225を同軸的に支持している。
【0092】
これにより、ステップモータ226は、モータ駆動回路200cによる駆動のもと、その回転に伴い駆動歯車225を同一方向に回転させて、大径歯車部224aを回転する。詳細には、駆動歯車225がステップモータ226の一回転方向(或いは他回転方向)への回転に伴い当該一回転方向(或いは他回転方向)に回転すると、大径歯車部224aは、小径歯車部224bと共に、図11にて図示矢印Arの方向(或いはその逆方向)に回転する。
【0093】
なお、図7或いは図9にて、符号228及び229は、それぞれ、カバーを示しており、カバー228は、駆動歯車225及び被動歯車223を被覆するように星形板222にその表面側から中央穴部222aの外周部に装着されている。また、カバー229は、ステップモータ226のモータ本体226aを被覆するように、取り付け板227の中空状着座部227aに固着されている。
【0094】
副可動装飾部材200bは、図7或いは図9にて示すごとく、L字状基体260と、回動駆動機構270を備えている。L字状基体260は、L字状中板261と、表裏両側L字状装飾板262、263でもって構成されている。L字状中板261は、長手状板部261aと、この長手状板部261aの下端部からL字状に延出する扇状板部261bとを有しており、長手状板部261aの上端部には、長孔部261cが、長手状板部261aの長手方向に沿い長手状に形成されている。
【0095】
扇状板部261bは、扇状歯車であるセクター歯車部(以下、セクター歯車部261bともいう)として構成されている。このセクター歯車部261bの延出端側外周部には、一連の歯からなる円弧状歯部261dが、図8或いは図9にて示すごとく形成されている。
【0096】
表裏両側L字状装飾板262、263のうち、表側L字状装飾板262は、L字状中板261の表面に沿い形成されており、一方、裏側L字状装飾板263は、L字状中板261の裏面に沿い形成されている。
【0097】
これにより、表裏両側L字状装飾板262、263は、副可動装飾部材200bに対し装飾効果を発揮させる。なお、表裏両側L字状装飾板262、263のL字状中板261の長孔部261cに対応する各部位には、各長孔部が長孔部261cに対し重畳的に形成されている。なお、L字状中板261の長孔部261c及び表裏両側L字状装飾板262、263の各長孔部を一体として副可動装飾部材200bの長孔部261cともいう。
【0098】
しかして、このように構成した副可動装飾部材200bは、セクター歯車部261bの基部261e及び表裏両側L字状装飾板262、263の当該基部261eに重畳的に対する各対応部(以下、当該各対応部及び基部261eを一体として副可動装飾部材200bの基部261eともいう)にて、環状のセンター構造物30の右側下部にその前側からピン264を介し左右方向に傾動可能に支持されている。
【0099】
また、当該副可動装飾部材200bは、長孔部261cにて、主可動装飾部材200aに形成した半円弧状連結部211b(図9参照)の中央頂部にピン211cを介し相対移動自在に連結されている。ここで、半円弧状連結部211bは、主可動装飾部材200aの湾曲状下板211の下部から湾曲側へ半円弧状に突出するように形成されている。なお、ピン211cは、半円弧状連結部211bの中央頂部からその裏面側へ突出されている。
【0100】
これにより、副可動装飾部材200bが、図7及び図9にて示すごとく、ピン211cを基準として左方向(或いは右方向)に傾動すると、主可動装飾部材200aが、連結部211bにて、ピン211cを介し、副可動装飾部材200bの長孔部261cとの間で相対移動して、ピン211cを基準として左方向(或いは右方向)へ傾動する。
【0101】
回動駆動機構270は、図8にて示すごとく、ステップモータ270aと、ピニオン歯車270bとを備えている。ステップモータ270aは、そのステータの軸方向背部271(図8或いは図9参照)にて、セクター歯車261bにその歯部261d側にて隣接するように、環状のセンター構造物30の下部に装着されている。これにより、ステップモータ270aは、その出力軸272にて、上記ステータから前方へ突出している。しかして、当該ステップモータ270aは、モータ駆動回路200dによる駆動のもと、図6にて図示時計方向或いは図示時計方向に回転する。
【0102】
ピニオン歯車270bは、セクター歯車部261bの歯部261dと噛合するように、ステップモータ270aの出力軸272に同軸的に支持されている。これにより、ピニオン歯車270bは、ステップモータ270aの図6にて図示時計方向或いは図示反時計方向への回転に伴い、当該ステップモータ270aと同一方向に回転する。このことは、ピニオン歯車270bは、図6にて図示時計方向或いは図示反時計方向への回転に伴い、セクター歯車部261bとの噛合のもとに当該セクター歯車部261bを図示反時計方向或いは図示時計方向に回転させることを意味する。
【0103】
以上のように構成した可動演出装置200によれば、主可動装飾部材200aが、図2或いは図5にて示す位置にあるとき、当該主可動装飾部材200aは、副可動装飾部材200bとともに、遊技盤Baの盤面11のうち、表示パネル191に右側に位置する。このとき、副可動装飾部材200bは、主可動装飾部材200aに対し、図6にて示す位置にある。
【0104】
換言すれば、主可動装飾部材200a及び副可動装飾部材200bが、図6にて示す状態にて、遊技盤Baの盤面11のうち、表示パネル191に右側に位置するとき、可動演出装置200が格納位置にあるという。このとき、可動演出装置200は、表示パネル191の前面側に位置しないことから、遊技者は、可動演出装置200の状態を意識しない。
【0105】
一方、主可動装飾部材200aが、副可動装飾部材200bとともに、図3にて示す位置にあるとき、これら主可動装飾部材200a及び副可動装飾部材200bは、表示パネル191の前面に位置する。このとき、可動演出装置200が演出位置にあるという。なお、可動演出装置200が演出位置から格納位置に達するには、所定の時間(後述する所定の復帰作動時間)を要する。
【0106】
このように可動演出装置200が演出位置にあることで、遊技者は、演出位置にある可動演出装置200を表示パネル191とともに重畳的に視認することとなる。このため、可動演出装置200が、後述のように、画像演出装置190の表示パネル191による大当たり演出表示等に連動して、格納位置から演出位置へ作動することで、遊技者に対し、大当たりになるかも知れないという期待感を大きく与えることができる。
【0107】
前扉FDは、遊技機本体Bの枠体とともに、前後方向に開閉可能に上記機枠に支持されており、この前扉FDは、図1にて示すごとく、前枠FD1の中空部に透明の窓ガラスFD2を嵌め込んで構成されている。従って、遊技者は、窓ガラスFD2を通して、遊技盤Baの盤面11のうち少なくとも遊技領域12を視認可能である。
【0108】
当該前扉FDは、上述したハンドルHに加え、演出ボタンスイッチSW、枠ランプFL及び両スピーカSPを備えている。演出ボタンスイッチSWは、前枠FD1の中空部の下縁部に配設されており、この演出ボタンスイッチSWは、画像演出装置190に所定の演出表示を要求するとき、遊技者により押動操作される。枠ランプFLは、前枠FD1の内周部に沿い配設されており、この枠ランプFLは、所定の遊技状態に対応して点滅パターンや異なる発光色等でもって種々の演出を行う。両スピーカSPは、前枠FD1の左右両側上部に埋設されており、当該両スピーカSPは、楽曲、音声や効果音等を発する種々の演出を行う。
【0109】
次に、当該パチンコ遊技機の電子制御システムについて説明すると、当該電子制御システムは、図12或いは図13にて示すごとく、センサ群S、第1被駆動素子群DRV1、第2被駆動素子群DRV2、主制御装置300及び副制御装置400を備えている。
【0110】
センサ群Sは、図12にて示すごとく、第1始動入賞口センサS1、第2始動入賞口センサS2、ゲートセンサS3、各普通入賞口センサS4、大入賞口センサS5、格納位置センサS6及び演出位置センサS7でもって構成されている。
【0111】
第1始動入賞口センサS1は、スタートチャッカー50の第1始動入賞口51内に設けられており、この第1始動入賞口センサS1は、第1始動入賞口51内に入賞する遊技球毎に当該遊技球の入賞を検出する。
【0112】
第2始動入賞口センサS2は、電動チューリップ60の第2始動入賞口61内に設けられており、この第2始動入賞口センサS2は、電動チューリップ60を介しその第2始動入賞口61に入賞する遊技球毎に当該遊技球の入賞を検出する。
【0113】
ゲートセンサS3は、スルーゲート70内に設けられており、このゲートセンサS3は、スルーゲート70を通過する遊技球毎に当該遊技球の通過を検出する。各普通入賞口センサS4は、各対応の普通入賞口90内に設けられており、当該各普通入賞口センサS4は、それぞれ、各対応の普通入賞口90内に入賞する遊技球毎に、当該各遊技球の入賞を検出する。
【0114】
大入賞口センサS5は、アタッカー100の大入賞口102内に設けられており、この大入賞口センサS5は、大入賞口102内への遊技球の入賞毎に当該遊技球の入賞を検出する。
【0115】
格納位置センサS6及び演出位置センサS7は、共に、フォトインタラプタでもって構成されている。格納位置センサS6は、可動演出装置200の格納位置に対応して位置する主可動装飾部材200aのセクター歯車部261bの図6にて図示時計方向側外縁部(以下、格納位置側外縁部ともいう)を検出するように、環状のセンター構造物30の前面に設けられている。ここで、格納位置センサS6は、その発光部と、この発光部から光を受光する受光部とにより、セクター歯車部261bの上記時計方向回転端部を介し対向し得るように設けられている。
【0116】
しかして、セクター歯車部261bが上記格納位置側外縁部にて可動演出装置200の格納位置に対応して位置するとき、格納位置センサS6は、セクター歯車部261bの上記格納位置側外縁部を、可動演出装置200の格納位置として検出し、検出出力を発生する。なお、当該格納位置センサS6は、上記格納位置側外縁部を検出しなければ、可動演出装置200の格納位置を検出せず、検出出力を発生しない。
【0117】
演出位置センサS7は、可動演出装置200の演出位置に対応して位置する主可動装飾部材200aのセクター歯車部261bの図7にて図示反時計方向端側外周突出部t(以下、演出位置側外周突出部tともいう)を検出するように、環状のセンター構造物30の前面に設けられている。
【0118】
ここで、演出位置センサS7は、その発光部と、この発光部から光を受光する受光部とにより、セクター歯車部261bの外周突出部tを介し対向し得るように設けられている。なお、外周突出部tは、図7にて示すごとく、セクター歯車部261bの外周部のうち長手状板部261aとの境界部から半径方向に突出形成されている。
【0119】
しかして、セクター歯車部261bがその外周突出部tにて可動演出装置200の演出位置に対応して位置するとき、演出位置センサS7は、セクター歯車部261bの外周突出部t(図7参照)を、可動演出装置200の演出位置として検出し、検出出力を発生する。なお、当該演出位置センサS7は、セクター歯車部261bの外周突出部tを検出しなければ、可動演出装置200の演出位置を検出せず、検出出力を発生しない。
【0120】
主制御装置300は、図12及び図13から分かるように、センサ群S、第1被駆動素子群DRV1、普通図柄表示器120、第1特別図柄表示器130、第2特別図柄表示器140、普通図柄保留表示器150、第1特別図柄保留表示器160及び第2特別図柄保留表示器170と、副制御装置400との間に接続されている。
【0121】
当該主制御装置300は、マイクロコンピュータからなるもので、この主制御装置300は、図12にて示すごとく、バスライン310と、このバスライン310を介し相互に接続してなる入力側インターフェース320、各出力側インターフェース330、340、350、CPU360、ソフトタイマー370、ROM380及びRAM390を備えている。なお、本実施形態において、以下、入力側インターフェースは、I/Fといい、また、出力側インターフェースは、O/Fという。
【0122】
しかして、主制御装置300は、CPU360により、ソフトタイマー370からのパルス信号の発生ごとに、図14にて示すフローチャートに従いタイマー割り込みプログラムを実行する。
【0123】
このタイマー割り込みプログラムの実行中において、主制御装置300は、CPU360により、センサ群Sからの出力に基づき、第1被駆動素子群DRV1、普通図柄表示器120、第1特別図柄表示器130、第2特別図柄表示器140、普通図柄保留表示器150、第1特別図柄保留表示器160及び第2特別図柄保留表示器170並びに副制御装置400の制御に要する種々の演算処理を行う。
【0124】
例えば、主制御装置300は、第1始動入賞口センサS1、第2始動入賞口センサS2、各普通入賞口センサS4及び大入賞口センサS5の各検出出力に基づき、副制御装置400の払い出し制御部400a(後述する)に対し賞球コマンドを出力する。
【0125】
また、主制御装置300は、上述した普通図柄抽選や大当たり抽選を行う。当該主制御装置300は、例えば、ゲートセンサS3の検出出力に基づき、電動チューリップ60を開閉するための普通図柄抽選を行い、この普通図柄抽選で当選したとき、電チューアクチュエータ62を介して電動チューリップ60を駆動して所定時間の間所定回数開閉する。
【0126】
また、主制御装置300は、第1始動入賞口センサS1或いは第2始動入賞口センサS2の検出出力に基づき第1始動入賞口51或いは第2始動入賞口61への遊技球の入賞に対応する大当たり抽選を行い、第1特別図柄表示器130或いは第2特別図柄表示器140における特別図柄の変動表示を開始する。また、主制御装置300は、第1特別図柄表示器130或いは第2特別図柄表示器140における特別図柄の変動表示の開始に伴い、当該変動表示の停止までの間に、副制御装置400の演出制御部400b(後述する)に対し大当たり抽選の結果に応じた演出を行うようにコマンドその他の信号を出力する。
【0127】
本実施形態において、当該コマンドその他の信号のうち、コマンドとしては、例えば、変動開始コマンドや図柄確定コマンドが挙げられる。変動開始コマンドは、第1特別図柄表示器140、第2特別図柄表示器や画像演出装置190による装飾図柄の図柄変動表示の開始時期を特定するコマンドをいう。また、図柄確定コマンドは、画像演出装置190による装飾図柄の図柄変動表示中に可動演出装置200を作動させるための特定の演出パターンに基づく演出表示の終了の際に図柄を確定するためのコマンドをいう。
【0128】
また、第1始動入賞口センサS1或いは第2始動入賞口センサS2が第1始動入賞口51或いは第2始動入賞口61への遊技球の入賞を検出したとき、特別図柄の変動表示中であれば、主制御装置300は、第1始動入賞口51或いは第2始動入賞口61への遊技球の入賞に伴う特別図柄の変動表示を保留して、当該保留を表示するように第1特別図柄保留表示器160或いは第2特別図柄保留表示器170を制御する。
【0129】
そして、先の特別図柄の変動表示が停止すると、主制御装置300は、保留しておいた遊技データを読み出して大当たりの抽選を行い、その保留に基づく特別図柄の変動表示を開始するように第1特別図柄保留表示器160或いは第2特別図柄保留表示器170を制御するとともに、副制御装置400の演出制御部400b(後述する)に対し画像演出装置190における装飾図柄の図柄変動表示を開始するようにコマンドその他の信号を出力する。
【0130】
このように、遊技球が第1始動入賞口51或いは第2始動入賞口61に対し連続的に入賞する場合には、主制御装置300は、先の特別図柄の図柄変動表示の停止まで次回の特別図柄の図柄変動表示を保留し、先の特別図柄の図柄変動表示の終了に伴い、当該特別図柄の図柄変動表示の保留を順次消化するように第1特別図柄保留表示器160或いは第2特別図柄保留表示器170を制御する。
【0131】
また、主制御装置300は、大当たり抽選の結果、大当たり或いは小当たりに当選している場合には、特別図柄の図柄変動表示を所定時間行った後に当該特別図柄を停止するように、第1特別図柄保留表示器160或いは第2特別図柄保留表示器170を制御する。そして、特別図柄を当選図柄で停止させる場合には、主制御装置300は、当該当たりの種別に対応したアタッカー100の開閉遊技に移行し大入賞口アクチュエータ103による駆動のもとにアタッカー100を開閉するように制御する。これに伴い、主制御装置300は、その当たりの種類に応じたアタッカー100の開閉遊技中の演出を行うように、コマンドその他の信号を副制御装置400に出力する。
【0132】
以上述べたような演算処理の過程において、主制御装置300は、CPU360にて、ROM380の記憶データ、RAM390内の一時的記憶データ、或いはI/F320を介するセンサ群Sからの検出出力を、バスライン310を通し入力されて、種々の演算処理を行い、各O/F330〜350を介する第1被駆動素子群DRV1、普通図柄表示器120、第1特別図柄表示器130、第2特別図柄表示器140、普通図柄保留表示器150、第1特別図柄保留表示器160及び第2特別図柄保留表示器170及び副制御装置400への出力処理をする。なお、ソフトタイマー370は、当該パチンコ遊技機の電源投入に伴う主制御装置300の作動開始と同時にリセットされて計時を開始し、この開始後、4(ms)の経過毎に、上記パルス信号を発生し、バスライン310を介してCPU360に出力する。
【0133】
ROM380には、上述したタイマー割り込みプログラムがCPU360により読み出し可能に予め記憶されている。また、ROM380には、大当たり乱数データ、大当たり図柄乱数データ、リーチ乱数データ、変動パターン乱数データ、当たり乱数データ及び初期値乱数データが、CPU360により読み出し可能に予め記憶されている。本実施形態において、上記大当たり乱数データは、第1始動入賞口51或いは第2始動入賞口61への遊技球の入賞に伴う大当たり抽選(大当たり、小当たり或いはバズレか否かの抽選)に用いられる乱数であり、上記大当たり図柄乱数データは、大当たり抽選で大当たりになったときのこの大当たりの種類(大当たりか小当たりかの種類)を判定するために用いられる図柄乱数であり、また、上記リーチ乱数データは、大当たり抽選でハズレとなったときにリーチ演出をするか否かを判定するために用いられる乱数である。
【0134】
さらに、ROM380には、大当たり乱数テーブル、大当たり図柄乱数テーブル、リーチ乱数テーブル及び当たり乱数テーブルが、CPU360により読み出し可能に予め記憶されている。
【0135】
また、第1被駆動素子群DRV1は、図12にて示すごとく、上述した電チューアクチュエータ62及び大入賞口アクチュエータ103でもって構成されている。
【0136】
副制御装置400は、図13にて示すごとく、払い出し制御部400a、演出制御部400b、画像制御部400c及び役物制御部400dでもって構成されており、当該副制御装置400は、主制御装置300と、第2被駆動素子群DRV2、各スピーカSP、枠ランプFL、各星型盤ランプ110、装飾図柄保留表示器180演出ボタンスイッチSWとの間に接続されている。ここで、第2被駆動素子群DRV2は、払い出しモータMを駆動するモータ駆動回路Ma、表示パネル191を駆動する表示駆動回路192、ステップモータ226を駆動するモータ駆動回路200c及びステップモータ270aを駆動するモータ駆動回路200dでもって構成されている。
【0137】
払い出し制御部400aは、マイクロコンピュータからなるもので、この払い出し制御部400aは、バスライン410と、このバスライン410を介し相互に接続してなるI/F411、O/F412、CPU413、ROM414及びRAM415を備えている。
【0138】
しかして、当該払い出し制御部400aは、CPU413により、ROM414に予め記憶済みの所定の払い出し制御プログラムを、所定のフローチャート(図示しない)に従い実行し、この実行中において、I/F411及びバスライン410を介する主制御装置300からの払い出しコマンド制御のもとに、モータ駆動回路Ma(図13参照)を介する払い出しモータMの駆動制御を行う。例えば、当該払い出し制御部400aは、主制御装置300から賞球コマンドを入力されて、当該賞球コマンドに対応する入賞口に対応して所定数の遊技球を賞球として払い出すように制御する。
【0139】
これに伴い、払い出しモータMは、モータ駆動回路Maによる駆動のもと、遊技機本体Bの球タンク(図示しない)から球払い出し系統(図示しない)内に進入する遊技球を、所定個数ずつ払い出すように回転する。なお、払い出しモータMは、上記球払い出し系統内に配設されている。
【0140】
演出制御部400bは、主制御装置300からのコマンドのもとに、画像制御部400cを介し、表示駆動回路192及び両スピーカSPを共に或いは選択的に駆動制御し、また、役物制御部400dを介し、枠ランプFL、各星形状盤ランプ110、装飾図柄保留表示器180及び各モータ駆動回路200c、200dを共に或いは選択的に駆動制御するものである。
【0141】
当該演出制御部400bは、マイクロコンピュータからなるもので、この演出制御部400bは、バスライン420と、このバスライン420を介し相互に接続してなるI/F421、I/F422、I/O/F423、O/F424、CPU425、ROM426、RAM427及びリアルタイムクロック48(RTC428)を備えている。なお、I/O/F423は、入出力側インターフェースを表す。
【0142】
しかして、当該演出制御部400bは、CPU425により、演出制御プログラムを、図15図22にて示すフローチャートに従い実行する。この実行中において、当該演出制御部400bは、I/F421及びバスライン420を介する主制御装置300からのコマンドその他の信号や、I/F422を介する演出ボタンスイッチSWの押動操作出力に基づき具体的な演出内容を決定し、I/O/F423やO/F424を介し画像制御部400cや役物制御部400dを制御するように種々の演算処理を行う。
【0143】
例えば、当該演出制御部400bは、主制御装置300から特別図柄の図柄変動の開始に伴い出力される変動開始コマンドを入力されると、画像演出装置190及び可動演出装置200等を利用して行う演出パターンを決定し、この決定演出パターンに基づき画像制御部400c及び役物制御部400dを制御することにより当該決定演出パターンに対応する演出のための演算処理を行う。
【0144】
ここで決定される演出パターンは、主制御装置300で決定される特別図柄の図柄変動時間(遊技球による第1或いは第2の始動入賞口装置への一の始動入賞に対応)に対応する装飾図柄の演出パターンとなる。そして、演出制御部400bは、主制御装置300から大当たり抽選の結果を示す確定図柄を画像演出装置190に表示させるための図柄確定コマンドを入力されると、当該演出制御部400bは、上述のように決定された演出パターンの実行を終了するとともに主制御装置300における大当たり抽選結果に対応した確定図柄で装飾図柄の図柄変動表示を停止するように、画像制御部400bを制御する。
【0145】
本実施形態では、上記演出制御プログラムは、CPU425により読み出し可能にROM426に予め記憶されている。また、複数の演出パターンPi(i=1、2、3、4、・・・)が、図23にて示すごとく、CPU425により読み出し可能にROM426に予め記憶されている。
【0146】
これら複数の演出パターンPiは、主制御装置300のROM390に予め記憶されている複数の図柄変動時間TCi(i=1、2、3、4、・・・)のそれぞれに対応するものであって、個々の特別図柄の図柄変動時間TCiに対応して行う装飾図柄の演出パターンとして予め設定されたものである。
【0147】
本実施形態において、複数の演出パターンPiのうちの特定の演出パターン(後述する)を除いた演出パターン(以下、演出パターンPjという)は、対応の図柄変動時間TCiの間において、図柄変動を行うように構成されている(図23参照)。従って、図柄変動は、当該演出パターンPjに基づき、上記対応の図柄変動時間TCiに亘り行われる。なお、本実施形態において、装飾図柄の図柄変動時間は、対応の特別図柄の図柄変動時間に一致するとともに、装飾図柄の図柄変動は、特別図柄の図柄変動に対応する。
【0148】
また、上述のような複数の演出パターンPiの中には、図柄変動時間TCiが同じであってもそれぞれ異なる図柄変動を行うための複数の演出パターンが含まれている。さらに、このような複数の演出パターンPiの中には、特定の演出パターン(以下、特定の演出パターンPkという)が少なくとも1つ以上含まれており、当該特定の演出パターンPkは、上記図柄変動時間の間、装飾図柄(特別図柄)の図柄変動を行うとともに当該図柄変動の開始後、擬似連変動を少なくとも1回行うように構成されている。なお、「擬似連変動」とは、一始動入賞に伴う一図柄変動中に複数回の図柄変動が行われたかのように見せることをいう。
【0149】
ここで、特定の演出パターンPkについて説明すると、本実施形態では、可動演出装置200が擬似連変動に伴い格納位置から演出位置へ作動するとともに演出位置から格納位置へ作動するようになっていることに対応して、特定の演出パターンPkは、次のように、第1から第6の特定の演出パターンPka〜Pkfとして、種々構成されている(図24から図29参照)。
(1)第1の特定の演出パターンPka
当該第1の特定の演出パターンPkaは、図24にて示すごとく、図柄変動を表す図柄変動部Pcと、擬似連変動を表す擬似連変動部Pdaとに基づき、図柄変動時間TCiの経過に伴い変動するように構成されている。
【0150】
ここで、当該特定の演出パターンPkaでは、図柄変動は、図柄変動時間TCiに亘り、図柄変動部Pcに基づき、時間T=T1にて開始し、T=T9にて終了するようになっている。また、擬似連変動は、T=T1における図柄変動部Pcに基づく図柄変動の開始後、擬似連変動部Pdaに基づき、T=T2にて開始し、T=T3にて仮停止し、T=T4にて再び開始し、T=T5にて仮停止し、然る後、T=T6にてさらに再び開始し、T=T7にて仮停止した後、T=T9よりも前のT=T8にて終了するようになっている。
【0151】
また、可動演出装置200を作動させるための作動パターンは、特定の演出パターンPkaの変動に連動するような作動パターンQa(図24参照)として構成されている。
【0152】
ここで、作動パターンQaでは、可動演出装置200が、T=T2にて格納位置から演出位置に向けて作動(以下、演出作動ともいう)し始め、T=T3にて演出位置に到達した後演出位置から格納位置への作動(以下、復帰作動ともいう)を開始し、T=T4にて格納位置に復帰するようになっている(図24参照)。さらに、当該作動パターンQaでは、可動演出装置200が、T=T4〜T5及びT=T5〜T6にて、それぞれ、T=T2〜T3及びT=T3〜T4における演出作動動及び復帰作動と同様の演出作動及び復帰作動を繰り返し、また、T=T6〜T7及びT=T7〜T8にて、それぞれ、T=T2〜T3及びT=T3〜T4における演出作動及び復帰作動と同様の演出作動及び復帰作動を繰り返すようになっている。当該作動パターンQaは、特定の演出パターンPkaと共に、CPU425により読み出し可能にROM426に予め記憶されている。
(2)第2の特定の演出パターンPkb
当該第2の特定の演出パターンPkbは、図25にて示すごとく、上述した特定の演出パターンPkaの図柄変動部Pcと、上述した特定の演出パターンPkaの擬似連変動部Pdaとは異なる擬似連変動部Pdbとに基づき、図柄変動時間TCiの経過に伴い変動するように構成されている。
【0153】
ここで、当該特定の演出パターンPkbでは、擬似連変動は、T=T1における図柄変動部Pcに基づく図柄変動の開始後、擬似連変動部Pdbに基づき、T=T2にて開始し、T=T3にて仮停止し、T=T31(<T4)にて再び開始し、T=T41(<T5)にて仮停止し、然る後、T=T6にてさらに再び開始し、T=T7にて仮停止した後、T=T8にて終了するようになっている。
【0154】
また、可動演出装置200を作動させるため作動パターンは、特定の演出パターンPkbの変動のうち擬似連変動における最初の図柄変動の開始に連動するような作動パターンQb(図25参照)として構成されている。
【0155】
ここで、当該作動パターンQbは、可動演出装置200の擬似連変動の最初の仮停止に伴う格納位置への復帰作動が、当該最初の擬似連変動に後続する再度の擬似連変動の開始後に亘り継続する場合を考慮して構成されたもので、当該作動パターンQbでは、可動演出装置200が、T=T2にて格納位置から演出位置に向けて作動し始め、T=T3にて演出位置に到達した後演出位置から格納位置へ復帰作動し始め、再度の擬似連変動のT=T31における開始後、T=T4(>T31)にて、格納位置に復帰するようになっている。当該作動パターンQbは、特定の演出パターンPkbと共に、CPU425により読み出し可能にROM426に予め記憶されている。
【0156】
なお、「可動演出装置200の擬似連変動の最初の仮停止に伴う格納位置への復帰作動が、当該最初の擬似連変動に後続する再度の擬似連変動の開始後に亘り継続する場合」とは「可動演出装置200の擬似連変動の最初の仮停止に伴う格納位置への復帰作動が、不測の事態、例えば、可動演出装置200が格納位置に戻っていない状態で演出位置に向けて作動し始めるように制御されることによる制御上の干渉や、当該干渉に起因して、可動演出装置200が、正しい位置を維持する作動や正常な作動をなし得なかったり、さらには、故障その他の作動不良に至ったり、可動演出装置200の上記復帰作動の開始の遅延や可動演出装置200の当該復帰作動の開始後における遅れにより、当該最初の擬似連変動に後続する再度の擬似連変動の開始後に亘って続く場合」をいう。
(3)第3の特定の演出パターンPkc
当該第3の特定の演出パターンPkcは図26にて示すごとく、上述した特定の演出パターンPkaの図柄変動部Pcと、上述した特定の演出パターンPkaの擬似連変動部Pdaとは異なる擬似連変動部Pdcとに基づき、図柄変動時間TCiの経過に伴い変動するように構成されている。
【0157】
ここで、当該特定の演出パターンPkcでは、擬似連変動は、T=T1における図柄変動部Pcに基づく図柄変動の開始後、擬似連変動部Pdcに基づき、T=T2にて開始し、T=T3にて仮停止し、T=T4にて再び開始し、T=T5にて仮停止し、然る後、T=T51(<T6)にてさらに再び開始し、T=T61(<T7)にて仮停止した後、T=T71(<T8)にて終了するようになっている。
【0158】
また、可動演出装置200を作動させるための作動パターンは、特定の演出パターンPkcの変動のうちの擬似連変動における最初の図柄変動及びこれに後続する擬似連変動の図柄変動に連動するような作動パターンQc(図26参照)として構成されている。
【0159】
ここで、当該作動パターンQcは、可動演出装置200の上記後続の図柄変動に基づく擬似連変動の仮停止に伴う格納位置への復帰作動が、当該後続の擬似連変動にさらに後続する擬似連変動の開始後に亘り継続する場合を考慮して構成されたもので、当該作動パターンQcでは、可動演出装置200が、作動パターンQaの場合と同様にT=T5にて演出位置に到達した後演出位置から格納位置へ復帰作動し始め、T=T6(>T51)後、即ち、さらに後続する擬似連変動のT51(>T5)における開始後、T=T6(>T51)にて、格納位置に到達するようになっている。当該作動パターンQcは、特定の演出パターンPkcと共に、CPU425により読み出し可能にROM426に予め記憶されている。
【0160】
なお、「可動演出装置200の上記後続の図柄変動に基づく擬似連変動の仮停止に伴う格納位置への復帰作動が、当該後続の擬似連変動にさらに後続する擬似連変動の開始後に亘り継続する場合」とは、「可動演出装置200の上記後続の図柄変動に基づく擬似連変動の仮停止に伴う格納位置への復帰作動が、不測の事態、例えば、可動演出装置200が格納位置に戻っていない状態で演出位置に向けて作動し始めるように制御されることによる制御上の干渉や、当該干渉に起因して、可動演出装置200が、正しい位置を維持する作動や正常な作動をなし得なかったり、さらには、故障その他の作動不良に至ったり、可動演出装置200の上記復帰作動の開始の遅延や可動演出装置の当該復帰作動の開始後における遅れにより、上記後続の擬似連変動にさらに後続する擬似連変動の開始後に亘って続く場合」をいう。
(4)第4の特定の演出パターンPkd
当該第4の特定の演出パターンPkdは、図27にて示すごとく、特定の演出パターンPkaの図柄変動部Pcと、特定の演出パターンPkaの擬似連変動部Pdaとは異なる擬似連変動部Pddとに基づき、図柄変動時間TCiの経過に伴い変動するように構成されている。
【0161】
ここで、当該特定の演出パターンPkdでは、擬似連変動は、T=T1における図柄変動部Pcに基づく図柄変動の開始後、擬似連変動部Pddに基づき、T=T2にて開始し、T=T3にて仮停止し、T=T42(>T4)にて再び開始し、T=T44(<T5)にて仮停止した後、T=T52(<T6)にてさらに再び開始し、T=T62(<T=T7)にて仮停止して、T=T72(<T8)にて終了するようになっている。なお、上述したT=T42(>T4)は、T=T42がT=T4よりも時間的に遅いことをいう(図27参照)。
【0162】
また、可動演出装置200を作動させるための作動パターンは、特定の演出パターンPkdの変動に連動するような作動パターンQd(図27参照)として構成されている。当該作動パターンQdは、擬似連変動部Pddに基づく擬似連変動の最初の仮停止に伴う可動演出装置200の格納位置への復帰作動が、当該擬似連変動に後続する再度の擬似連変動の開始前に終了する場合を考慮して構成されたもので、作動パターンQdでは、可動演出装置200が、T=T2にて格納位置から演出位置に向けて作動し始め、T=T3にて演出位置に到達した後演出位置から格納位置へ復帰作動し始め、T=T4(<T42)にて格納位置に到達するようになっている。
【0163】
さらに、当該作動パターンQdでは、可動演出装置200が、T=T42(>T4)にて、再び、格納位置から演出位置へ作動し始め、T=T44(<T5)にて演出位置へ達した後格納位置へ復帰作動し始め、T=T52(<T6)にて格納位置に達した後再び演出位置へ作動し始め、T=T62(<T7)にて演出位置に達した後格納位置へ復帰作動し始めT=T72(<T8)にて格納位置に達するようになっている。当該作動パターンQdは、特定の演出パターンPkdと共に、CPU425により読み出し可能にROM426に予め記憶されている。
(5)第5の特定の演出パターンPke
当該第5の特定の演出パターンPkeは、図28にて示すごとく、特定の演出パターンPkaの図柄変動部Pcと、特定の演出パターンPkaの擬似連変動部Pdaとは異なる擬似連変動部Pdeとに基づき、図柄変動時間TCiの経過に伴い変動するように構成されている。
【0164】
当該特定の演出パターンPkeでは、擬似連変動は、T=T1における図柄変動部Pcに基づく図柄変動の開始後、擬似連変動部Pdeに基づき、T=T2にて開始し、T=T3にて仮停止し、T=T43(T>T42)にて再び開始し、T=T5にて仮停止した後さらに再びT=T6にて開始し、T=T7にて仮停止し、然る後、T=T8にて終了するようになっている。
【0165】
また、可動演出装置200を作動させるための作動パターンは、特定の演出パターンPkeの変動に連動するような作動パターンQe(図28参照)として構成されている。
【0166】
当該作動パターンQeは、可動演出装置200の最初の擬似連変動の仮停止に伴う格納位置への復帰作動が、当該最初の擬似連変動に後続する再度の擬似連変動の開始前であって特定の演出パターンPkdに基づいた擬似連変動の開始時期T=T42よりも早い時期(T=T4<T=T42)にて終了する場合を考慮して構成されたもので、作動パターンQeでは、可動演出装置200が、T=T2にて格納位置から演出位置に向けて作動し始め、T=T3にて演出位置に到達した後格納位置へ復帰作動し始め、T=T42よりも前のT=T4にて、格納位置に到達するようになっている。
【0167】
さらに、当該作動パターンQeでは、可動演出装置200が、T=T43(>T42)にて、再び、格納位置から演出位置へ作動し始め、T=T5にて演出位置へ達した後格納位置へ復帰作動し始め、T=T6にて格納位置に達した後再び演出位置へ作動し始め、T=T7にて演出位置に達した後格納位置へ復帰作動し始めT=T8にて格納位置に達するようになっている。当該作動パターンQeは、特定の演出パターンPkeと共に、CPU425により読み出し可能にROM426に予め記憶されている。
(6)第6の特定の演出パターンPkf
当該第6の特定の演出パターンPkfは、図29にて示すごとく、特定の演出パターンPkaの図柄変動部Pcと、特定の演出パターンPkaの擬似連変動部Pdaとは異なる擬似連変動部Pdfとに基づき、図柄変動時間TCiの経過に伴い変動するように構成されている。
【0168】
当該特定の演出パターンPkfでは、擬似連変動は、T=T1における図柄変動部Pcに基づく図柄変動の開始後、擬似連変動部Pdfに基づき、T=T2にて開始し、T=T3にて仮停止し、T=T45(>T43)にて再び開始し、T=T53(>T5)にて仮停止した後さらに再びT=T63(>T6)にて開始し、T=T73(>T7)にて仮停止し、然る後、T=T81(>T8)にて終了するようになっている。
【0169】
また、可動演出装置200を作動させるための作動パターンは、特定の演出パターンPkfの変動に連動するような作動パターンQf(図29参照)として構成されている。
【0170】
当該作動パターンQfは、可動演出装置200の最初の擬似連変動の仮停止に伴う格納位置への復帰作動が、当該最初の擬似連変動に後続する再度の擬似連変動の開始前であって特定の演出パターンPkeに基づく擬似連変動の開始時期T=T42よりも遅く終了する場合を考慮して構成されている。
【0171】
ここで、作動パターンQfでは、可動演出装置200が、T=T2にて格納位置から演出位置に向けて作動し始め、T=T3にて演出位置に到達した後格納位置へ復帰作動し始め、T=T4にて格納位置に到達するようになっている。
【0172】
さらに、当該作動パターンQfでは、可動演出装置200が、T=T45(>T43)にて、再び、格納位置から演出位置へ作動し始め、T=T53(>T5)にて演出位置へ達した後格納位置へ復帰作動し始め、T=T63(>T6)にて格納位置に達した後再び演出位置へ作動し始め、T=T73(>T7)にて演出位置に達した後格納位置へ復帰作動し始めT=T81(>T8)にて格納位置に達するようになっている。当該作動パターンQfは、特定の演出パターンPkfと共に、CPU425により読み出し可能にROM426に予め記憶されている。
【0173】
また、本実施形態において、上述した各特定の演出パターンPka〜Pkfにおいては、図柄変動の開始後に擬似連変動が開始する時期及び当該擬似連変動の仮停止後開始する時期は、それぞれ、所定の時期(例えば、それぞれ、リーチ演出の到来時期等のチャンス目の到来時期)に対応する。
【0174】
また、擬似連変動は、特別図柄の一図柄変動(装飾図柄の一図柄変動)中において、上述の各所定の時期にて順次開始する。そして、各特定の演出パターンPka〜Pkfに応じて、当該擬似連変動の開始に伴い可動演出装置200を格納位置から演出位置へ作動させ、かつ、当該擬似連変動の開始後の仮停止に伴い可動演出装置200を演出位置から格納位置へ作動させるという作動を行うことで、一図柄変動時間中において、特定の演出パターンPka〜Pkfに基づく図柄変動及び擬似連変動に対応した画像演出装置200の図柄変動表示及び擬似連変動表示と相俟って、あたかも、ある特定の演出を複数回転に亘るように見せかけて、回転ごとに遊技者の期待感(例えば、大当たりに対する期待感)を順次向上させる。
【0175】
以上のように、特定の演出パターンPka〜Pkfに基づく装飾図柄(特定図柄)の図柄変動中において、当該図柄変動の開始後擬似連変動が、特定の演出パターンPka〜Pkfに応じた所定の時期毎に順次開始されて、可動演出装置200が擬似連変動の開始に伴う格納位置から演出位置への作動を行うとともに当該擬似連変動の開始後の仮停止に伴う演出位置から格納位置への作動を行うように役物制御部400dを介し演出制御部400bにより制御される。
【0176】
画像制御部400cは、マイクロコンピュータからなるもので、この画像制御部400cは、バスライン430と、このバスライン430を介し相互に接続してなるI/O/F431、O/F432、CPU433、ROM434、RAM435及びVRAM436を備えている。
【0177】
しかして、当該画像制御部400cは、CPU433により、ROM434に予め記憶した画像表示制御プログラムを、所定のフローチャート(図示しない)に従い実行し、この実行中において、演出制御部400bからのコマンド等に基づき、表示駆動回路192及び両スピーカSPを共に或いは選択的に駆動制御するに要する種々の演算処理をする。
【0178】
VRAM436は、画像演出装置190で表示するための各種画像を書き込む不揮発性メモリである。従って、当該画像制御部400cは、CPU433により、VRAM436に書き込んだ各種画像に基づき、背景画像表示処理、装飾図柄表示処理やキャラクタ画像表示処理等の各種処理を実行することにより、画像演出表示装置190に背景画像、装飾図柄表示処理、キャラクタ画像表示処理、キャラクタ画像等を重畳的に表示させるように制御する。
【0179】
また、画像制御部400cは、演出制御部400bで決定される演出パターンPiに対応した演出用画像を画像演出装置190に表示させるように制御する。このような画像制御部400cによる制御により、画像演出装置190において表示される演出用画像は、可動演出装置200の作動と連動した画像として表示することも可能である。
【0180】
役物制御部400dは、マイクロコンピュータからなるもので、この役物制御部400dは、バスライン440と、このバスライン440を介し相互に接続してなるI/F441、O/F442、CPU443、ROM444及びRAM445を備えている。
【0181】
しかして、当該役物制御部400dは、CPU443により、ROM444に予め記憶した役物制御プログラムを、所定のフローチャート(図示しない)に従い実行し、この実行中において、演出制御部400bからのコマンド等に基づき、枠ランプFL、各星形状盤ランプ110、装飾図柄保留表示器180及び各モータ駆動回路200c、200dを共に或いは選択的に駆動制御するに要する種々の演算処理をする。
【0182】
例えば、役物制御部400dは、演出制御部400bから出力される特定の演出パターンに基づいて上述した枠ランプFLなどを含む各種ランプを点灯させると共に、可動演出装置200を主可動装飾部材200a及び副可動装飾部材200bにて作動させるべく各モータ駆動回路200c、200dを駆動制御する。これに伴い、役物制御部400dは、各モータ駆動回路200c、200dを介し可動演出装置200を主可動装飾部材200a及び副可動装飾部材200bにて作動するように制御する。このため、可動演出装置200は、主可動装飾部材200a及び副可動装飾部材200bにて格納位置と演出位置との間で作動する。
【0183】
この場合、役物制御部400dは、演出制御部400bで決定される特定の演出パターンに基づいて可動演出装置200を主可動装飾部材200a及び副可動装飾部材200bにて駆動制御するため、主可動装飾部材200a及び副可動装飾部材200bの作動を、画像演出表示装置400cにて表示される演出画像と連動させることもできる。
【0184】
このようにして当該パチンコ遊技機では、第1始動入賞口51又は第2始動入賞口61に対する遊技球の入賞に伴い行われる特別図柄の変動表示中に各種の演出が行われるようになる。例えば、画像演出表示装置190では、第1或いは第2の特別図柄表示器130或いは140で行われる特別図柄の図柄変動表示に対応した装飾図柄の図柄変動表示が行われ、必要に応じてリーチ演出やキャラクタが登場する予告演出などが行われる。また、スピーカSPからは、画像演出表示装置190で表示される装飾図柄の図柄変動表示やリーチ演出、予告演出などと連動した音響演出が行われる。
【0185】
そして、当該パチンコ遊技機において特定の演出パターンに基づく図柄変動が実行されるときには、特別図柄及び装飾図柄の双方の図柄変動が開始されてから、上述のごとく、特定の演出パターンに応じた回数の所定の時期において、可動演出装置200が、主可動装飾部材200a及び副可動装飾部材200bにて、画像演出装置190の前面に進出して演出位置に向け上記所定の時期に応じた回数だけ作動することで、通常の演出とは異なる演出が行われる。このような演出は、例えば当該パチンコ遊技機におけるリーチ演出の際に行われる。
【0186】
以上のように構成した本実施形態において、当該パチンコ遊技機がその電源投入により遊技可能な作動状態になると、主制御装置300が、副制御装置400とともに、作動状態になる。これに伴い、主制御装置300のソフトタイマー370がリセットされて計時を開始し、この開始後4(ms)の経過毎に、パルス信号を発生する。このため、主制御装置300は、ソフトタイマー370からのパルス信号の発生毎に、CPU360により、図14のフローチャートに従い上記タイマー割り込みプログラムを繰り返し実行する。
【0187】
また、副制御装置400の作動開始に伴い、払い出し制御部400a、演出制御部400b、画像制御部400c及び役物制御部400dが、共に、作動し始める。すると、払い出し制御部400aは、そのCPU413により、上記払い出し制御プログラムの実行を開始し、演出制御部400bは、CPU425により、上記演出制御プログラムの実行を、図15図21のフローチャートに従い開始し、画像制御部400cが、CPU433により、上記画像表示制御プログラムの実行を開始し、さらに、役物制御部400dが、CPU443により、上記役物制御プログラムの実行を開始する。
【0188】
これに伴い、当該パチンコ遊技機は、遊技者による遊技の開始を待つ状態におかれる。しかして、ソフトタイマー370が上記電源投入に基づく主制御装置300の作動開始に伴いパルス信号を発生する毎に、上記タイマー割り込みプログラムの割り込みの実行が開始される。このことは、当該タイマー割り込みプログラムの実行が、主制御装置300の作動開始後4(ms)の経過毎に繰り返され、かつ、上記タイマー割り込みプログラムの実行のための時間が、4(ms)の間、維持されることを意味する。
【0189】
上述のようにタイマー割り込みプログラムの実行が図14のフローチャートに従い開始されると、主制御装置300が、そのCPU360により、乱数更新処理ルーチン500、第1始動入賞口ルーチン600、第2始動入賞口ルーチン6700、ゲート処理ルーチン800、センサ出力に基づく処理ルーチン900、賞球処理ルーチン900a、特別図柄処理ルーチン1000、普通図柄処理ルーチン2000、大入賞口処理ルーチン3000、電動チューリップ(電チュー)処理ルーチン4000及び出力処理ルーチン5000を順次実行する。
【0190】
そして、これら一連の処理ルーチンの実行が終了すると、その後は初期値乱数更新処理ルーチン6000が繰り返し実行される。ついで、このような実行時間が一定時間経過し、再びソフトタイマー370の計時結果に基づき上記タイマー割り込みプログラムの実行が開始されると、再び、乱数更新処理ルーチン500以降の処理が実行され、以後、上述した処理が繰り返される。
【0191】
即ち、まず、乱数更新処理ルーチン500においては、RAM103に記憶されている大当たり乱数データ、大当たり図柄乱数データ、リーチ乱数データ、変動パターン乱数データ及び当たり乱数データが、一定時間(例えば4ミリ秒)ごとに更新されることにより、第1始動入賞口51や第2始動入賞口61などに対する遊技球の入賞時期で遊技データとして取得される各種乱数値がその時期に応じて異なった値となる。
【0192】
次の第1始動入賞口処理ルーチン600の処理は、スタートチャッカー50の第1始動入賞口51への遊技球の入賞に基づく大当たりの抽選の機会を形成するために、次のようになされる。
【0193】
遊技球の第1始動入賞口51への入賞が第1始動入賞口センサS1により検出されると、ROM380に記憶されている大当たり乱数などの各種乱数が遊技データとして取得される。この処理で取得された遊技データは、RAM390の所定の記憶領域に設定される第1始動入賞口51に対応した保留記憶部に保留データ(第1特別図柄の変動表示を保留するデータ)として記憶される。
【0194】
ここで、当該保留記憶部には4つの保留データが記憶可能であり、この処理が行われるときに既に4つの保留データが上記保留記憶部に記憶されている場合には、第1始動入賞口センサS1が第1始動入賞口51への遊技球の入賞を検出していても、遊技データの取得は行われない。なお、上述の保留データ(第1特別図柄の変動表示を保留するデータ)として記憶する処理ごとに、第1特別図柄保留表示器160は、各保留ランプ161を左側の保留ランプ161から右側の保留ランプ161にかけて順次点灯する。
【0195】
上述のように第1始動入賞口処理ルーチン600の処理が終了すると、上記タイマー割り込みプログラムは、次の第2始動入賞口処理ルーチン700の処理に進む。この第2始動入賞口処理ルーチン700の処理は、電動チューリップ60の第2始動入賞口61への遊技球の入賞に基づく大当たりの抽選の機会を形成するためになされる。
【0196】
第2始動入賞口処理ルーチン700においては、第2始動入賞口61に対する遊技球の入賞が第2始動入賞口センサS2により検出されると、主制御装置300のRAM390に記憶されている大当たり乱数などの各種乱数を遊技データとして取得する処理がなされる。
【0197】
この処理で取得される遊技データは、RAM390の所定の記憶領域に設定される第2始動入賞口61に対応した保留記憶部に保留データ(第2始動入賞口61への遊技球の入賞に伴い第2特別図柄の変動表示を保留するデータ)として記憶される。
【0198】
ここで、当該保留記憶部には4つの保留データを記憶することが可能である。また、4つの保留データが既に保留記憶部に記憶されている場合には、第2始動入賞口センサS2が第2始動入賞口61に対する遊技球の入賞を検出しても、遊技データの取得は行われない。
【0199】
なお、上述の保留データ(第2特別図柄の変動表示を保留するデータ)として記憶処理ごとに、第2特別図柄保留表示器170は、各保留ランプ171を左側の保留ランプ171から右側の保留ランプ171にかけて順次点灯する。
【0200】
上述のような第2始動入賞口処理ルーチン700の処理の終了に伴い、上記タイマー割り込みプログラムは、次のゲート処理ルーチン800に進む。このゲート処理ルーチン800の処理は、普通図柄の抽選の機会を形成するためになされる。
【0201】
当該ゲート処理ルーチン800において、遊技球によるスルーゲート70の通過がゲートセンサS3により検出されると、主制御装置300のRAM390に記憶されている普通図柄の抽選のための普通図柄乱数などを遊技データとして取得する処理がなされる。
【0202】
この処理で取得される遊技データは、RAM390の所定の記憶領域に設定される普通図柄に対応した保留記憶部に保留データ(遊技球によるスルーゲート70の通過に対する普通図柄の変動表示を保留するデータ)として記憶される。
【0203】
ここで、当該保留記憶部には例えば4つの保留データを記憶することが可能である。また、4つの保留データが既に保留記憶部に記憶されている場合には、遊技球によるスルーゲート70の通過がゲートセンサS3により検出されても、遊技データの取得は行われない。
【0204】
なお、上述の保留データ(遊技球によるスルーゲート70の通過に対する普通図柄の変動表示を保留するデータ)として記憶処理ごとに、普通図柄保留表示器150は、各保留ランプ151を左側の保留ランプ151から右側の保留ランプ151にかけて順次点灯する。
【0205】
上述のようなゲート処理ルーチン800の処理の終了に伴い、上記タイマー割り込みプログラムは、次のセンサ出力に基づく処理ルーチン900に進む。この処理ルーチン900では、主制御装置300が、CPU360により、第1始動入賞口センサS1、第2始動入賞口センサS2、各普通入賞口センサS4及び大入賞口センサS5の検出出力に対する入力処理を行い、第1始動入賞口51、第2始動入賞口61、各普通入賞口90及び大入賞口102に対する遊技球の入賞数を計数する。
【0206】
上述のようなセンサ出力に基づく処理ルーチン900の処理の終了に伴い、上記タイマー割り込みプログラムは、次の賞球処理ルーチン900aに進む。この賞球処理ルーチン900aでは、主制御装置300が、CPU360により、第1始動入賞口51、第2始動入賞口61、各普通入賞口90及び大入賞口102に対する遊技球の入賞数に応じ副制御装置400の払い出し制御部400aに出力すべく賞球コマンドを設定する。
【0207】
ここで設定される賞球コマンドは、主制御装置300のRAM390に設定されるコマンド記憶領域に記憶され、後述する出力処理ルーチン5000の処理により、払い出し制御部400aに出力される。
【0208】
上述のように賞球処理ルーチン900aの処理が終了すると、上記タイマー割り込みプログラムは、次の特別図柄処理ルーチン1000に進む。この特別図柄処理ルーチン1000の処理は、大当たり抽選に基づき、第1特別図柄表示器130或いは第2特別図柄表示器140に特別図柄の変動表示を行わせるとともに、演出制御部400bに第1特別図柄表示器130或いは第2特別図柄表示器140における特別図柄の変動表示と連動して各種の演出を行わせるためになされる。
【0209】
この処理において、主制御装置300は、CPU360により、乱数更新処理ルーチン500又は第1或いは第2の始動入賞口ルーチン600或いは700でRAM390に記憶された保留データを読み出し、その保留データに基づいて大当たり抽選を行う。
【0210】
そして、主制御装置300は、CPU360により、当該大当たり抽選の結果に基づいて第1特別図柄表示器130或いは第2特別図柄表示器140に特別図柄の変動表示を行わせるための図柄変動時間を決定するとともに、当該図柄変動時間に基づいて1特別図柄表示器130或いは第2特別図柄表示器140を特別図柄の変動表示を開始するように制御する。
【0211】
また、主制御装置300は、CPU360により、第1特別図柄表示器130或いは第2特別図柄表示器140における特別図柄の変動表示の開始に伴い、図柄変動時間の経過まで大当たり抽選の結果に対応する演出制御を行うように、変動開始コマンド(後述する)を演出制御部400bに対し送出すべく設定する。
【0212】
ここで設定される変動開始コマンドは、RAM390に設定されるコマンド記憶領域に記憶され、後述する出力処理ルーチン5000の処理により、演出制御部400bに出力される。
【0213】
また、本実施形態では、第1特別図柄表示器130或いは第2特別図柄表示器140における特別図柄の変動表示は、上述した保留データ(第1或は第2の特別図柄の変動表示を保留するデータ)による保留を消化するごとになされるが、遊技者の興趣を高めるために、第2特別図柄の保留が第1特別図柄の保留に優先して消化されるようになっている。
【0214】
また、特別図柄処理ルーチン1000においては、主制御装置300が、CPU360により、上述のごとく第1特別図柄表示器130或いは第2特別図柄表示器140において特別図柄の変動表示を開始するように制御することに伴い、当該特別図柄の図柄変動時間のカウントを開始する。
【0215】
そして、当該図柄変動時間のカウントが終了する直前の時期にて、主制御装置300が、CPU360により、画像演出装置190に大当たり抽選の結果を示す確定図柄を表示させるための図柄確定コマンド(後述する)を設定するとともに、上記図柄変動時間のカウントが終了する時期にて、特別図柄の図柄変動表示を停止させて、上記確定図柄を表示するように第1特別図柄表示器130或いは第2特別図柄表示器140を制御する。
【0216】
ここで設定される図柄確定コマンドも、また、RAM390に設定されるコマンド記憶領域に記憶され、後述する出力処理ルーチン5000の処理により、上述の図柄変動時間のカウントの終了直前の時期にて、演出制御部400bに出力される。なお、当該パチンコ遊技機において大入賞口開放遊技が行われている間は、上述した特別図柄処理ルーチン1000の処理は行われない。
【0217】
上述のように特別図柄処理ルーチン1000の処理が終了すると、上記タイマー割り込みプログラムは、次の普通図柄処理ルーチン2000に進む。この普通図柄処理ルーチン2000の処理は、普通図柄の抽選を行うためになされる。この処理において、主制御装置300は、CPU360により、ゲート処理ルーチン800の処理でRAM390に記憶された保留データを読み出し、その保留データに基づいて普通図柄の抽選を行う。
【0218】
上述のように普通図柄処理ルーチン2000の処理が終了すると、上記タイマー割り込みプログラムは、次の大入賞口処理ルーチン3000に進む。当該大入賞口処理ルーチン3000の処理は、上述した特別図柄処理ルーチン1000における大当たり抽選で大当たり又は小当たりに当選した場合、当該パチンコ遊技機の遊技状態を大入賞口開放遊技へと移行させるとともに、大入賞口アクチュエータ103の駆動のもとに大入賞口102を所定時間間隔で所定回数開放させるためになされる。また、当該大入賞口処理ルーチン3000では、当該パチンコ遊技機の遊技状態を大入賞口開放遊技へと移行させることに伴い、それに応じた演出を行わせるべく、演出制御部400bに送出するためのコマンドが設定される。
【0219】
上述のように大入賞口処理ルーチン3000の処理が終了すると、上記タイマー割り込みプログラムは、次の電チュー処理ルーチン4000に進む。当該電チュー処理ルーチン4000では、上述した普通図柄処理ルーチン2000における普通図柄抽選に当選したとき、主制御装置300が、CPU360により、電チューアクチュエータ62の駆動のもとに、電動チューリップ60を第2始動入賞口61にて所定時間間隔で所定回数開放させる。
【0220】
上述のように電チュー処理ルーチン4000の処理が終了すると、上記タイマー割り込みプログラムは、次の出力処理ルーチン5000に進む。この出力処理ルーチン5000では、主制御装置300が、CPU360により、上述した第1始動入賞口ルーチン600〜電チュー処理ルーチン400の各処理においてRAM390のコマンド記憶領域に記憶されているコマンドを読み出し、そのコマンドを払出制御部400aや演出制御部400bに出力する処理を行う。
【0221】
ここで、主制御装置300が、CPU360により、上述のごとく第1或いは第2の始動入賞口51或いは61に対する遊技球の入賞に伴う大当たり抽選を行って、第1或いは第2の特別図柄表示器130或いは140において特別図柄の変動表示を開始する際には、変動開始コマンド(以下、変動開始コマンドCsともいう)が、図30にて示すごとく、主制御装置300から演出制御部400bに出力される。これにより、副制御装置400は、主制御装置300から出力される変動開始コマンドCsを入力されて、当該変動開始コマンドCsに対応した処理を実行する。
【0222】
本実施形態では、当該変動開始コマンドCsには、主制御装置300において上述のように決定される特別図柄の図柄変動時間(以下、図柄変動時間TCi(i=1、2、3、・・・)が含まれる(図30参照)。なお、主制御装置300において決定される図柄変動時間TCiは、予め設定されてROM390に記憶済みの複数の図柄変動時間TCiのうちの1つが、装飾図柄の演出内容に応じ選択されて決定されるものである。
【0223】
上述のように出力処理ルーチン5000の処理が終了すると、上記タイマー割り込みプログラムは、次の初期値乱数更新処理ルーチン6000に進む。この初期値乱数更新処理ルーチン6000では、大当たり乱数などの各種乱数の初期値が更新される。
【0224】
当該初期値は、乱数更新処理ルーチン500で逐次更新される各種の乱数が所定の値に達した場合に当該各種の乱数が復帰する初期値である。この初期値が初期値乱数更新処理ルーチン6000の処理で更新されることにより、各種の乱数が所定の値に達したときに次に復帰する値が異なるようになる。
【0225】
そして、この初期値乱数更新処理ルーチン6000の処理は、ソフトタイマー370の計時値に基づく上記タイマー割り込みプログラムの実行開始までの残余時間において繰り返し行われる。このような残余時間は、当該パチンコ遊技機の遊技状態によって毎回異なるので、各種の乱数の初期値は毎回不規則な値に更新される。そのため、大当たりを不正に発生させようとした場合でも大当たり乱数の初期値が不明なため、大当たり乱数が当選値となる時期を知ることはできず、これにより、不正を防止することができる。
【0226】
以上のような主制御装置300による上記タイマー割り込みプログラムの実行にあわせて副制御装置400による制御が行われる。当該副制御装置400においては、上述のような主制御装置300における上記タイマー割り込みプログラムの実行に伴い、主制御装置300から出力処理ルーチン5000にて出力されるコマンドが、演出制御部400bに対し各種演出制御を行うように入力される。すると、演出制御部400bは、図15のフローチャートに従う上記演出制御プログラムの実行のもと、主制御装置300からのコマンドに基づいて各種の演出制御を次のように行う。
【0227】
演出制御部400bが、CPU425にて、主制御装置300から変動開始コマンドCs(図30参照)を入力されると、当該演出制御部400bが、CPU425により、変動開始コマンドCsに含まれる図柄変動時間TCi(図30参照)を取得する。そして、演出制御部400bのROM426に記憶されている演出パターンPi=P1、P、P3、P4、・・・の中から、主制御装置300で決定される図柄変動時間TCi(i=1、2、・・・)に対応する一演出パターンを選択し、当該選択した一演出パターンに基づいて画像制御部400c及び役物制御部400dを制御する。
【0228】
これにより、画像演出装置190は、第1或いは第2の特別図柄表示器130或いは140による特別図柄の図柄変動に対応した装飾図柄の図柄変動表示を開始する。これに伴い、画像演出装置190、各スピーカSP、枠ランプFL及び各星型ランプ110が演出制御部400bにおいて選択された一演出パターンに基づく演出を行う。
【0229】
また、当該選択された一演出パターンが特定の演出パターンPka〜Pkf(図24図29参照)のいずれかである場合、当該特定の演出パターンのいずれかに基づく図柄変動に対応する第1或いは第2の特別図柄表示器130或いは140による特別図柄の図柄変動表示合わせて画像演出装置190において装飾図柄の図柄変動表示がなされる。また、上述した特定の演出パターンのいずれかに基づく図柄変動に伴い、当該特定の演出パターンのいずれかの擬似連変動部に基づく擬似連変動がなされる。
【0230】
このような特定の演出パターンのいずれかに基づく図柄変動及び擬似連変動に対応した画像演出装置190による装飾図柄の図柄変動表示の過程においては、可動演出装置200が、当該特定の演出パターンのいずれかの擬似連変動に合わせて、格納位置から演出位置に向けて作動し、その後の仮停止に合わせて演出位置から格納位置へ復帰する。なお、このような可動演出装置200の復帰作動中、特定の演出パターンに基づく擬似連変動、換言すれば、画像演出装置200による装飾図柄の変動表示は仮停止状態にある。
【0231】
そして、主制御装置300においてカウントされる特別図柄の図柄変動時間TCiが経過する直前に、図柄確定コマンド(以下、図柄確定コマンドCdともいう)が、図30にて示すように、主制御装置300から演出制御部400bに対し出力される。
【0232】
換言すれば、演出制御部400bが、CPU425により、画像演出装置190に上述のように特定の演出パターンのいずれかに基づく図柄変動及び擬似連変動の表示を繰り返させるように制御するとともに、これに合わせて可動演出装置200を上述のように作動させるべく役物制御部400dを制御する。
【0233】
そして、上述した特別図柄の図柄変動時間が経過する直前に、演出制御部400bが、CPU425により、主制御装置300からの図柄確定コマンドCdを入力されると、当該演出制御部400bは、CPU425により、画像制御部400cを制御することで、画像演出装置190に大当たりの抽選結果を示す確定図柄を表示させる。
【0234】
ここで、上述したごとく、特定の演出パターンのいずれかに基づく擬似連変動の開始に伴い可動演出装置200が演出位置に達した後、当該擬似連変動の仮停止に伴い、演出制御部400bは、役物制御部400dを制御することにより、可動演出装置200を格納位置へ復帰作動させる。
【0235】
そして、このような可動演出装置200の復帰作動が、上述した擬似連変動の仮停止後の後続の擬似連変動の再開時に終了する場合には、可動演出装置200が当該後続の擬似連変動の再開にあわせて格納位置から演出位置に向けて作動する。
【0236】
また、上述した可動演出装置200の復帰作動が、上述した擬似連変動の仮停止後の再開の際に未だ終了しない場合には、演出制御部400bは、可動演出装置200の復帰作動がその主可動装飾部材200a及び副可動装飾部材200bにて少なくとも格納位置へ復帰するまでの所定時間(以下、所定の復帰時間ともいう)の経過までは、可動演出装置200は、主可動装飾部材200a及び副可動装飾部材200bにて演出位置に向けて作動しない。
【0237】
また、上述した可動演出装置200の復帰作動が上述した擬似連変動の仮停止後の後続の擬似連変動の再開よりも前に終了する場合には、可動演出装置200は、当該後続の擬似連変動の最も早い開始時期の到来までに格納位置への復帰作動を終了する。
【0238】
以上述べた制御は、副制御装置400の演出制御部400bにより図15図22にて示すフローチャートに従い次のように行われる。
【0239】
演出制御部400bは、電源投入時や電源断時などの特殊な場合を除き、通常の作動時においては図15に示すフローチャートに従い演出制御プログラムを次のように繰り返し実行する。
【0240】
しかして、演出制御部400bが、そのCPU425により、図15のスタートステップにて、上記演出制御プログラムの実行を開始すると、ステップ7100において、コマンドありか否かが判定される。現段階において、主制御装置300からのコマンドが演出制御部400bに入力されていれば、当該ステップ7100においてYESと判定される。一方、主制御装置300からのコマンドが演出制御部400bに入力されていなければ、ステップ7100における判定はNOとなる。
【0241】
上述のようにステップ7100における判定がYESになると、次のステップ7200において、変動開始コマンドか否かが判定される。現段階において、ステップ7100においてYESとの判定の根拠となったコマンドが、主制御装置300からの変動開始コマンドCs(図30参照)であれば、当該ステップ7200においてYESと判定される。これに伴い、上記演出制御プログラムは、次の図柄変動処理ルーチン7300(図15図22参照)に進む。
【0242】
一方、ステップ7100においてYESとの判定の根拠となったコマンドが、主制御装置300からの変動開始コマンドCsでなければ、ステップ7200においてNOと判定される。これに伴い、上記演出制御プログラムは、次の図柄変動処理ルーチン7300に進むことなく、ステップ7400に進む。
【0243】
しかして、上述のように上記演出制御プログラムが図柄変動処理ルーチン7300に進むと、当該図柄変動処理ルーチン7300では、図16のステップ7301において、図柄変動時間取得処理がなされる。これに伴い、主制御装置300からの変動開始コマンドCs(図30参照)に含まれる図柄変動時間TCi(図30参照)が取得される。
【0244】
ついで、ステップ7302において、図柄変動時間に対応する演出パターン抽出処理がなされる。ここでは、図柄変動時間TCiに対応する演出パターンが、演出制御部400bのROM426に記憶されている複数の演出パターンPiの中から抽出される。
【0245】
このとき抽出される演出パターンPiは、図柄変動時間TCiに対応した時間長で行う演出に対応する演出パターンである。従って、ROM426において図柄変動時間TCiに対応する演出パターンPiが複数種類記憶されている場合、これら複数の演出パターンPiの全てがステップ7302において抽出される。また、ROM426において図柄変動時間TCiに対応する演出パターンPiが1つだけ記憶されている場合、当該1つの演出パターンがステップ7302において抽出される。
【0246】
然る後、ステップ7310において、複数の演出パターンPi(i=1、2、・・・)であるか否かが判定される。ここでは、ステップ7310にて抽出された演出パターンPiが複数であるか否かが判定される。現段階において、複数の演出パターンPiが、図柄変動時間TCiに対応する演出パターンとして抽出されている場合には、ステップ7310においてYESと判定される。一方、現段階において、1つの演出パターンPiが、図柄変動時間TCiに対応する演出パターンとして抽出されている場合には、当該ステップ7310における判定はNOとなる。これに伴い、上記演出プログラムは、ステップ7320に直接進む。
【0247】
しかして、上述のごとく、ステップ7310における判定がYESになると、次のステップ7311において実行対象となる演出パターンの選択処理がなされる。これに伴い、実行対象となる1つの演出パターンが、ステップ7311において、ステップ7302にて抽出された複数の演出パターンの中から選択される。
【0248】
然る後、ステップ7320において特定の演出パターンか否かが判定される。ここでは、ステップ7310にてNOとの判定の対象となった演出パターン或いはステップ7311で選択された演出パターンが特定の演出パターンでなければ、ステップ7320においてNOと判定される。このことは、ステップ7310にてNOとの判定の対象となった演出パターンが演出パターンPj(図23参照)であることを意味する。
【0249】
一方、ステップ7310にてNOとの判定の対象となった演出パターン或いはステップ7311選択された演出パターンが特定の演出パターンであれば、ステップ7320においてYESと判定される。
【0250】
然る後、ステップ7321において、第1の特定演出パターンか否かが判定される。現段階において、ステップ7320においてYESとの判定の対象となった特定の演出パターンが第1の特定演出パターンPka(図24参照)であれば、当該ステップ7321においてYESと判定される。なお、第1の特定演出パターンPkaは、ROM426に予め記憶済みの複数の演出パターンPiの中に含まれる。
【0251】
一方、ステップ7321における判定がNOとなるときには、次のステップ7322において第2或いは第3の特定の演出パターンか否かが判定される。現段階において、ステップ7320においてYESとの判定の対象となった特定の演出パターンが第2の特定の演出パターンPkb(図25参照)或いは第3の特定の演出パターンPkc(図26参照)であれば、ステップ7322における判定はYESとなる。なお、第2及び第3の特定の演出パターンPkb、Pkcは、ROM426に予め記憶済みの複数の演出パターンPiの中に含まれる。
【0252】
ついで、ステップ7323において第2の特定の演出パターンか否かが判定される。ここで、ステップ7322にてYESとの判定となった特定の演出パターンが第2の特定の演出パターンPkbであれば、ステップ7323においてYESと判定される。一方、ステップ7322にてYESとの判定となった特定の演出パターンが第3の特定の演出パターンPkcであれば、ステップ7323においてNOと判定される。
【0253】
また、上述したステップ7322における判定が、第2の特定の演出パターンPkb及び第3の特定の演出パターンPkcのいずれでもないために、NOとなる場合には、次のステップ7324において、第4、第5或いは第6の特定の演出パターンか否かが判定される。
【0254】
現段階において、ステップ7320においてYESとの判定の対象となった特定の演出パターンが第4、第5或いは第6の特定の演出パターンPkd、Pke或いはPkf(図27図29参照)であれば、当該ステップ7324においてYESと判定される。これに伴い、次のステップ7325において第4の特定の演出パターンか否かが判定される。なお、第4、第5及び第6の特定の演出パターンPkd、Pke及びPkfは、ROM426に予め記憶済みの複数の演出パターンPiの中に含まれる。
【0255】
現段階において、ステップ7320にてYESとの判定対象となった特定の演出パターンが第4の特定の演出パターンPkd(図27参照)であれば、ステップ7325においてYESと判定される。
【0256】
一方、ステップ7320にてYESとの判定対象となった特定の演出パターンが第4の特定の演出パターンPkdでなければ、当該判定対象となった特定の演出パターンは、第5或いは第6の特定の演出パターンPke或いはPkfであることから、ステップ7325にてNOと判定される。このことは、第4〜第6の特定の演出パターンPkd、Pke、Pkfのうち、第5及び第6の特定の演出パターンPke、Pkfは、選択されないことを意味する。なお、ここで、「演出パターンが選択されない」とは、結果的に選択されなければ目的が達成されることから、最初から第5及び第6の特定の演出パターンPke、Pkfが存在しないことも、「演出パターンが選択されない」という概念に含めてもよい。
【0257】
上述のようにステップ7320において複数の演出パターンでないことに基づきNOと判定されると、図17のステップ7326において、選択した演出パターンに基づく図柄変動開始処理がなされる。現段階では、各ステップ7320、7220におけるNOとの判断対象となる演出パターンが演出パターンPj(図23参照)であることから、当該演出パターンPjに基づく図柄変動処理が開始される。
【0258】
これに伴い、演出制御部400bは、CPU425により、演出パターンPjに基き図柄変動制御を開始する。すると、画像制御部400cが演出制御部400bによる当該図柄変動制御の開始に伴い演出パターンPjに基づく図柄変動を表示するように画像演出装置190を制御する。このため、当該画像演出装置190は、その表示パネル191により、演出パターンPjに基づく図柄変動を表示する。
【0259】
ステップ7326の処理後次のステップ7336(図17参照)において確定図柄セット処理がなされる。これに伴い、演出制御部400bが、CPU425により、主制御装置300から図柄確定コマンドTCiを入力されたときに表示するための確定図柄をセットする。ここで、当該確定図柄は、演出パターンPjに基づく図柄変動に対応する特別図柄の図柄変動に後続する後続の特別図柄の図柄変動のための変動開始コマンドCs(図30参照)に含まれる情報(図示しない)に基づいて、大当たり抽選の結果に対応した図柄としてセットされる。
【0260】
当該ステップ7336における処理後、図15のステップ7400において、図柄確定コマンドであるか否かが判定される。現段階において、ステップ7100(図15参照)においてYESとの判定の根拠となったコマンドが、主制御装置300からの図柄確定コマンドCd(図30参照)であれば、ステップ7400においてYESと判定される。
【0261】
すると、図15のステップ7410において確定図柄表示処理がなされる。当該確定図柄表示処理は、後続の特別図柄の図柄変動開始時に先立ちセットされた確定図柄を、今回の特別図柄の図柄変動表示に対応する装飾図柄の図柄変動表示において、大当たりの抽選結果として画像演出装置190に表示させる処理である。
【0262】
ステップ7410の処理後、次のステップ7500において図柄変動時間の経過か否かが判定される。ここで、現段階では、演出パターンPjに対応する図柄変動時間TCiが未だ経過していなければ、ステップ7500における判定はNOとなる。すると、次のステップ7510において、選択した演出パターン基づく図柄変動継続処理がなされる。このため、画像演出装置190が、演出制御部400bによる演出パターンに基づく図柄変動制御のもとに、画像制御部400cにより制御されて、演出パターンPjに基づく図柄変動表示を継続する。
【0263】
然る後、図柄変動時間TCiの経過に基づきステップ7500にてYESと判定されると、次のステップ7520において、選択した演出パターンに基づく図柄変動終了処理がなされる。これに伴い、画像演出装置190が、演出パターンPjに基づく演出制御部400bによる図柄変動制御の終了に伴い、画像制御部400cにより制御されて演出パターンPjに基づく図柄変動表示を終了する。
【0264】
また、上述のごとく、ステップ7321(図16参照)において、ステップ7320にてYESとの判定対象となった特定の演出パターンが第1の特定の演出パターンであるためにYESと判定された場合には、図17のステップ7327において、選択した第1の特定演出パターンに基づく図柄変動開始処理がなされる。即ち、第1の特定演出パターンPka(図24参照)に基づく図柄変動開始処理がなされる。
【0265】
これに伴い、演出制御部400bは、CPU425により、第1の特定演出パターンPkaに基づき図柄変動(第1或いは第2の特別図柄表示器130或いは140による特別図柄の図柄変動に伴う装飾図柄の変動)をT=T1(図24参照)にて開始する。
【0266】
すると、画像制御部400cが演出制御部400bによる当該図柄変動の開始に伴い第1の特定演出パターンPkaに基づく図柄変動を表示するように画像演出装置190を制御する。このため、当該画像演出装置190は、その表示パネル191により、T=T1にて、第1の特定演出パターンPkaに基づく図柄変動表示を開始する。
【0267】
上述のようなステップ7327における処理後、次のステップ7328(図17参照)において、図柄変動(装飾図柄の図柄変動)開始後の所定の時期、即ち、チャンス目か否かが判定される。現段階において、チャンス目が到来しておれば、ステップ7328にてYESと判定された後、ステップ7329において擬似連変動開始処理がなされる。
【0268】
これに伴い、演出制御部400bが、第1の特定演出パターンPkaの擬似連変動部Pdaに基づき擬似連変動をT=T2にて開始する。すると、画像制御部400bが、擬似連変動部Pdaに基づく擬似連変動の開始に応じて擬似連変動表示を画像演出装置190に開始させる。
【0269】
上記ステップ7329の処理後、次のステップ7330において可動演出装置の演出位置への駆動処理がなされる。すると、演出制御部400aが、可動演出装置200を格納位置から演出位置へ駆動させるように役物制御部400dを制御する。これに伴い、可動演出装置200が、役物制御部400dの制御のもと、主可動装飾部材200a及び副可動装飾部材200bにて演出位置に向け作動する(図24にて符号Qa参照)。然る後、ステップ7331において演出位置への到達か否かが判定される。現段階では未だ可動演出装置200が演出位置へ到達していなければ、ステップ7331における判定はNOとなる。
【0270】
ステップ7330、7331を循環する処理の過程において、可動演出装置200がT=T3(図24参照)にて演出位置に到達すると、演出位置センサS7の検出出力に基づき、ステップ7331においてYESと判定される。
【0271】
然る後、次のステップ7332において仮停止か否かが判定される。現段階にて、T=T3に達しており、擬似連変動部Pdaに基づく擬似連変動が仮停止していれば、ステップ7332における判定はYESとなる。なお、上記仮停止とは、図柄変動の停止状態或いは図柄変動の低速状態等をいう。
【0272】
また、上述のようにステップ7332にてYESと判定されると、次のステップ7333において可動演出装置の復帰処理がなされる。これに伴い、役物制御部400dが、演出制御部400aにより制御されて、可動演出装置200を格納位置へ復帰させるように制御する。これに伴い、可動演出装置200は、演出位置から格納位置に向け作動する。この作動は、両ステップ7333、7334の循環処理の繰り返し中において、可動演出装置200の格納位置への復帰まで継続する。
【0273】
しかして、T=T4にて可動演出装置200が格納位置に復帰すると、ステップ7334において、格納位置センサS6の検出出力に基づきYESと判定される。
【0274】
ついで、次のステップ7335において、チャンス目は3回に達しているか否かが判定される。現段階では、チャンス目は1回目であるから、ステップ7335における判定はNOとなる。
【0275】
然る後、ステップ7328において、再び、チャンス目か否かが判定される。この判定は、上記第1回目のチャンス目後のT=T4にて所定の時期、即ち、第2回目のチャンス目が到来したか否かを判定するものである。現段階において、第2回目のチャンス目が到来していれば、ステップ7328における判定がYESとなる。これに伴い、演出制御部400bがステップ7329における擬似連変動開始処理にて、擬似連変動部Pdaに基づく擬似連変動がT=T4にて再び開始し、画像演出装置190が、当該擬似連変動の再開に伴い、役物制御部400dにより制御されて、擬似連変動表示を再開する。
【0276】
ついで、ステップ7330における可動演出装置の演出位置への駆動処理に伴い、可動演出装置200が、役物制御部400dによる制御のもと、格納位置から演出位置に向けて作動する。然る後、ステップ7331〜ステップ7334の各処理過程において、T=T5にて、擬似連変動部Pdaに基づく擬似連変動が仮停止すると、可動演出装置200が再び格納位置に向けて復帰し始める。そして、T=T6に達すると、当該復帰が上述と同様に終了して、ステップ7334にYESと判定された後ステップ7335にてNOと判定される。
【0277】
然る後、ステップ7328において、再び、チャンス目か否かが判定される。この判定は、上記第2回目のチャンス目後のT=T6にて所定の時期、即ち、第3回目のチャンス目が到来したか否かを判定するものである。現段階において、第3回目のチャンス目が到来していれば、ステップ7328における判定がYESとなる。これに伴い、演出制御部400bがステップ7329における擬似連変動開始処理にて、擬似連変動部Pdaに基づく擬似連変動をT=T6にて再び開始し、画像演出装置190が、当該擬似連変動の再開に伴い、役物制御部400dにより制御されて、擬似連変動表示を再開する。
【0278】
ついで、ステップ7330における可動演出装置の演出位置への駆動処理に伴い、可動演出装置200が、役物制御部400dによる制御のもと、T=T6にて、格納位置から演出位置に向けて作動する。然る後、ステップ7331〜ステップ7334の各処理過程において、T=T7にて、擬似連変動部Pdaに基づく擬似連変動が仮停止すると、可動演出装置200が再び格納位置に向けて復帰し始める。そして、T=T8に達すると、当該復帰が上述と同様に終了して、ステップ7334にYESと判定される。なお、擬似連変動部Pdaに基づく擬似連変動及びその表示はT=T8にて終了するが、第1の特定演出パターンPkaに基づく図柄変動及びその表示は、T=T8の後も継続する。
【0279】
然る後、T=T3(図25参照)にて、可動演出装置200が演出位置に到達するとともに擬似連変動部Pdbが仮停止すると、両ステップ7341、7342にて、両ステップ7331、7332(図17参照)における処理と同様に順次YESと判定される。
【0280】
このようにセットされた後は、演出パターンPjの場合と同様に、図15の7400〜ステップ7520の処理がなされ、この処理中、T=T9に達して、図柄変動時間が経過すると、ステップ7500におけるYESと判定のもと、ステップ7520における選択した演出パターンに基づく図柄変動処理において、第1の特定の演出パターンPkaに基づく図柄変動及びその表示が終了する(図24にてT=T9参照)。
【0281】
このようなステップ7343の処理後、次のステップ7344において、第1の特定の演出パターンPkaの場合とは異なり、次のチャンス目前に復帰終了しないか否かが判定される。本実施形態では、演出制御部400bのROM426に予め記憶済みの第2の特定の演出パターンPkbにおいて、図25にて示すごとく、擬似連変動部Pdbに基づく擬似連変動がT=T3にて仮停止した後再開する時期が、T=T4(図24図25参照)よりも早くT=T31である。従って、可動演出装置200の復帰終了時期(T=T4)は、擬似連変動部Pdbに基づく擬似連変動の再開時期T31よりも遅い。
【0282】
従って、可動演出装置200が、T=T4にて復帰作動を終了するとともにT=T4にて演出位置への作動を開始したり、T=T6にて復帰作動を終了するとともにT=T6にて演出位置への作動を開始するように、役物制御部400dが可動演出装置200を制御しても、可動演出装置200の復帰作動と演出作動が制御上干渉し合うことがない。ここで、制御上干渉し合うとは、可動演出装置200の復帰作動(演出位置から格納位置への作動)のための制御と、演出作動(格納位置から演出位置へ作動)のための制御とが、互いに時間的に重複する制御をいう。なお、この制御には、例えば、可動演出装置200を微作動させるような制御は含まない。
【0283】
換言すれば、第1の特定演出パターンPkaの場合には、可動演出装置200は、第1の特定演出パターンPkaの擬似連パターン部Pdaの擬似連演出の各再開時期(T=T4、T=T6)において、その各直前の格納位置への各復帰作動との制御上の干渉や、当該干渉に起因した可動演出装置が正しい位置を維持する動作や正常な動作をなし得ない可能性ないしは故障その他の動作不良に至る等の不具合の発生を未然に防止しつつ当該各復帰作動の終了と同時に演出位置への各演出作動を円滑に開始することができる。
【0284】
次に、上述した図柄変動処理ルーチン7300における処理において、上述のごとく、ステップ7323(図16参照)にて、ステップ7320でYESとの判定対象となった特定の演出パターンが第2の特定の演出パターンPkbであるためにYESと判定された場合には、図18のステップ7336における選択した第2の特定演出パターンに基づく図柄変動開始処理において、第2の特定演出パターンPkb(図25参照)に基づく図柄変動開始処理がなされる。
【0285】
これに伴い、演出制御部400bは、第2の特定演出パターンPkbに基づき図柄変動をT=T1(図25参照)にて開始するとともに、画像演出装置190は、演出制御部400b及び役物制御部400dによる制御のもとに、T=T1にて、第2の特定演出パターンPkbに基づく図柄変動表示を開始する。
【0286】
然る後、ステップ7337及びステップ7338(図18参照)の処理が、ステップ7328及びステップ7329(図17参照)における処理と同様になされる。この処理過程においては、第2の特定演出パターンPkbの擬似連部Pdbに基づく擬似連変動が、第1の特定演出パターンPkaの場合と同様に、T=T2にて、演出制御部400bにより開始されるとともに、当該擬似連変動の表示が、画像演出装置190により開始される。
【0287】
ステップ7338(図18参照)の処理後、次のステップ7339において、可動演出装置の演出位置への駆動禁止か否かが判定される。現段階では、可動演出装置の演出位置への駆動禁止はなされていないことから、ステップ7339における判定はNOとなる。
【0288】
これに伴い、次のステップ7340における可動演出装置の演出位置への駆動処理において、ステップ7330(図17)における処理と同様に、可動演出装置200の格納位置から演出位置に向けての作動が、演出制御部400b及び役物制御部400dによる制御のもとに、T=T2(図25参照)にて、開始する(図25にて符号Qb参照)。
【0289】
然る後、T=T3(図25参照)にて、可動演出装置200が演出位置に到達するとともに擬似連変動部Pdbが仮停止すると、両ステップ7341、7342にて、両ステップ7331、7332(図17参照)における処理と同様に順次YESと判定される。
【0290】
これに伴い、次のステップ7343において、ステップ7333(図17参照)の処理と同様に、可動演出装置の復帰処理がなされる。このため、可動演出装置200が、演出制御部400b及び役物制御部400dによる制御のもと、演出位置から格納位置に向け作動し始める。
【0291】
このようなステップ7343の処理後、次のステップ7344において、第1の特定の演出パターンPkaの場合とは異なり、次のチャンス目前に復帰終了しないか否かが判定される。本実施形態では、演出制御部400bのROM426に予め記憶済みの第2の特定の演出パターンPkbにおいて、図25にて示すごとく、擬似連変動部Pdbに基づく擬似連変動がT=T3にて仮停止した後再開する時期が、T=T4(図24図25参照)よりも早くT=T31である。従って、可動演出装置200の復帰終了時期(T=T4)は、擬似連変動部Pdbに基づく擬似連変動の再開時期T31よりも遅い。
【0292】
このことは、可動演出装置200が次のチャンス目の到来(T=T31参照)前には復帰を終了し得ないことを意味する。従って、ステップ7344において、YESと判定される。
【0293】
これに伴い、ステップ7345において可動演出装置の演出位置への駆動禁止処理がなされる。この処理では、演出制御部400bは、可動演出装置200がその復帰作動中において演出位置への演出作動を開始しないように、役物制御部400dを介し当該可動演出装置200を制御する。このため、現段階における可動演出装置200の演出作動は禁止される。従って、可動演出装置200に対する復帰作動制御中に可動演出装置200に対する演出作動制御が行われることがなく、その結果、可動演出装置200が復帰作動中に演出作動する場合に生じがちな当該可動演出装置200の動作不良や故障の発生が未然に防止され得る。
【0294】
ステップ7345の処理後、次のステップ7346にて復帰終了か否かが判定される。ここでは、可動演出装置200の復帰作動は、擬似連変動部Pdbの擬似連変動の再開(T=T31参照)後も、継続する。従って、ステップ7346においてNOと判定される。
【0295】
すると、ステップ7337にて、チャンス目か否かが再び判定される。現段階において、T=T31(図25参照)にて、2回目のチャンス目の到来時期であれば、ステップ7337における判定はYESとなる。これに伴い、次のステップ7338における擬似連変動開始処理にて、擬似連変動部Pdbに基づく擬似連変動が演出制御部400bによる制御のもとに再開するとともに、当該擬似連変動の表示が、画像演出装置190により、演出制御部400b及び役物制御部400cによる制御のもとに再開される。
【0296】
然る後、次のステップ7339において可動演出装置の演出位置への駆動禁止か否かが判定される。現段階では、既にステップ7345にて可動演出装置200の演出位置への駆動禁止処理がなされているため、当該ステップ7339においてYESと判定される。
【0297】
これに伴い、ステップ7346において、復帰終了か否かが判定される。しかして、T=T3の経過後T=T4に達すると、可動演出装置200は、格納位置に復帰する。このため、格納位置センサS6の検出出力に基づき、ステップ7346にて、YESと判定される。
【0298】
然る後、ステップ7347にてチャンス目は3回に達しているか否かが判定される。現段階ではチャンス目は2回目であることから、ステップ7347における判定はNOとなる。そして、T=T6(図25参照)に達すると、第3回目のチャンス目の到来に基づき、ステップ7337におけるYESとの判定及びステップ7338における擬似連変動開始処理がなされる。これに伴い、T=T6にて、擬似連変動部Pdbに基づく擬似連変動が演出制御部400bによる制御のもとに再び開始するとともに、当該擬似連変動の表示が、画像演出装置190により、演出制御部400b、役物制御部400cによる制御のもとに再び開始される。
【0299】
ついで、現段階では、ステップ7345において可動演出装置の演出位置への駆動禁止処理がなされたままであることから、ステップ7339において再びYESと判定される。また、現段階では、可動演出装置200の復帰は上述のごとく終了のままであることから、ステップ7346にてYESと判定された後、現段階では、チャンス目は3回目に達していることから、ステップ7347において、YESと判定される。ついで、ステップ7348にて上述と同様に確定図柄セット処理がなされる。
【0300】
然る後は、第1の特定演出パターンPkaの場合と同様にステップ7400〜ステップ7520(図15参照)の処理がなされる。
【0301】
以上説明したように、選択した演出パターンが第2の特定演出パターンPkbである場合、当該第2の特定演出パターンPkbにおいては、図25にて示すごとく、可動演出装置200の格納位置への復帰時期(図25にてT=T4参照)が擬似連変動部Pdbに基づく擬似連変動の再開時期(図24にてT=T31参照)よりも遅くなる。
【0302】
このため、可動演出装置200の復帰作動が、T=T31の経過後にも継続中である場合には、擬似連変動部Pdbに基づく擬似連変動がT=T31にて再開しても、可動演出総理200がT=T31にて演出位置への作動を開始しないように演出制御部400bによって制御される。従って、可動演出装置200は、その復帰作動中であるにもかかわらず、演出制御部400bによる演出位置への作動制御を受けることがなく、その結果、演出制御部400bは、可動演出装置が正しい位置を維持する動作や正常な動作をなし得ない可能性ないしは故障その他の動作不良に至る等の不具合の発生を未然に防止しつつ、上記復帰作動を円滑に終了することができる。
【0303】
なお、ステップ7345で禁止処理した可動演出装置の演出位置への駆動処理は、可動演出装置200の復帰作動終了(T=T4参照)後擬似連変動部Pdbに基づく再度の擬似連変動の開始(T=T6参照)よりも前に解除するようにしてもよい。これによれば、可動演出装置200は、その作動禁止の解除のもと、T=T6にて演出位置への作動を開始することができる。
【0304】
次に、上述した図柄変動処理ルーチン7300における処理において、上述のごとく、ステップ7323(図16参照)にて、ステップ7320(図16参照)でYESとの判定対象となった特定の演出パターンが第3の特定の演出パターンであるためにNOと判定された場合には、図19のステップ7350における選択した第3の特定演出パターンに基づく図柄変動開始処理において、第3の特定演出パターンPkc(図26参照)に基づく図柄変動開始処理がなされる。
【0305】
これに伴い、演出制御部400bは、第3の特定演出パターンPkcに基づき図柄変動をT=T1(図26参照)にて開始するとともに、画像演出装置190は、演出制御部400b及び役物制御部400dによる制御のもとに、T=T1にて、第3の特定演出パターンPkcに基づく図柄変動表示を開始する。
【0306】
然る後、ステップ7351〜ステップ7357の処理が、第1の特定演出パターンPkaに代わる第3の特定演出パターンPkcに基づき、図17のステップ7328〜ステップ7334の処理と実質的に同様になされる。
【0307】
この処理過程においては、第3の特定演出パターンPkcの擬似連変動部Pdcに基づく擬似連変動がT=T2(図26参照)にて演出制御部400bによる制御のもとに開始されるとともに、当該擬似連変動部Pdcに基づく擬似連変動の表示が、画像演出装置190により上述と同様に開始される。これに伴い、可動演出装置200が、T=T2にて、上述と同様に、格納位置から演出位置に向けて作動し始める。
【0308】
ついで、上述と同様に、擬似連変動部Pdcに基づく擬似連変動がT=T3にて仮停止(ステップ7355参照)するとともに可動演出装置200がT=T3(図26参照)にて演出位置に達した後格納位置へ復帰作動(ステップ7356参照)を開始する。然る後、T=T4(図26参照)に達すると、可動演出装置200の復帰作動の終了に基づきステップ7357における判定はYESとなる。
【0309】
このようにステップ7357においてYESと判定されると、次のステップ7358において、次のチャンス目か否かが判定される。現段階において、T=T4にて次のチャンス目の到来になると、ステップ7358にてYESと判定される。これに伴い、ステップ7359における擬似連変動開始処理のもとに、擬似連変動部Pdcに基づく擬似連変動がT=T4(図26参照)にて再開するとともに、可動演出装置200がT=T4(図26参照)にて演出位置に向けて作動し始める。
【0310】
ステップ7359の処理後、ステップ7360〜ステップ7365の処理が、第2の特定演出パターンPkbに代わる第3の特定演出パターンPkcに基づき、図18のステップ7339〜ステップ7344の処理と実質的に同様になされる。この処理過程においては、ステップ7365において、次のチャンス目前に復帰終了しないか否かが判定される。本実施形態では、演出制御部400bのROM426に予め記憶済みの第2の特定の演出パターンPkbにおいて、図26にて示すごとく、擬似連変動部Pdcに基づく擬似連変動がT=T5にて仮停止した後、当該擬似連変動が再開する時期が、T=T6(図25図26参照)よりも早く、T=T51(図26参照)である。従って、可動演出装置200の復帰終了時期(T=T6)は、擬似連変動部Pdcに基づく擬似連変動の再開時期T51よりも遅い。
【0311】
このことは、可動演出装置200が次のチャンス目(3回目のチャンス目)の到来(T=T51参照)前には復帰を終了し得ないことを意味する。従って、ステップ7365において、YESと判定される。
【0312】
然る後、ステップ7366(図20参照)にて、ステップ7345(図18参照)における処理と同様に可動演出装置200の演出位置への駆動禁止処理がなされる。これに伴い、演出制御部400bは、上述と実質的に同様に、可動演出装置200がその復帰作動中において演出位置への演出作動を開始しないように、役物制御部400dを介し当該可動演出装置200を制御する。このため、現段階における可動演出装置200の演出作動は禁止される。従って、上述と実質的に同様に、可動演出装置200が復帰作動中に演出作動する場合に生じがちな当該可動演出装置200の動作不良や故障の発生が未然に防止され得る。
【0313】
ついで、ステップ7367(図20参照)において、ステップ7346(図18参照)における処理と同様に、復帰終了か否かが判定される。ここでは、可動演出装置200の復帰作動は、擬似連変動部Pdcの擬似連変動の再開(T=T51参照)後も、継続する。従って、ステップ7367においてNOと判定される。
【0314】
すると、再び、ステップ7358(図19参照)にて、次のチャンス目か否かが判定される。現段階において、T=T51(図26参照)にて、3回目のチャンス目の到来時期であれば、ステップ7358における判定はYESとなり、次のステップ7359における擬似連変動開始処理にて、擬似連変動部Pdcに基づく擬似連変動が演出制御部400bによる制御のもとに再開するとともに、当該擬似連変動の表示が、画像演出装置190により、演出制御部400b、役物制御部400cによる制御のもとに再開される。
【0315】
然る後、次のステップ7360において、ステップ7339(図18参照)における処理と同様に、可動演出装置の演出位置への駆動禁止か否かが判定される。現段階では、既にステップ7366にて可動演出装置200の演出位置への駆動禁止処理がなされているため、当該ステップ7360においてYESと判定される。
【0316】
然る後、可動演出装置200の復帰作動が、T=T51の経過後のT=T6にて終了すると、ステップ7367(図20参照)にてYESと判定される。ついで、ステップ7368にてチャンス目は3回に達しているか否かが判定される。現段階では、チャンス目は3回目であることから、当該ステップ7368における判定はYESとなる。従って、ステップ7369にて、ステップ7348(図18参照)における処理と同様に、確定図柄セット処理がなされる。然る後は、第1の特定演出パターンPkaの場合と同様にステップ7400〜ステップ7520(図15参照)の処理がなされる。
【0317】
以上説明したように、選択した演出パターンが第3の特定演出パターンPkcである場合、当該第3の特定演出パターンPkcにおいては、図26にて示すごとく、可動演出装置200の格納位置への復帰時期(図26にてT=T6参照)が擬似連変動部Pdcに基づく擬似連変動の再開時期(図26にてT=T51参照)よりも遅くなる。
【0318】
このため、可動演出装置200の復帰作動が、T=T51の経過後にも継続中である場合には、擬似連変動部Pdcに基づく擬似連変動がT=T51にて再開しても、可動演出総理200がT=T51にて演出位置への作動を開始しないように演出制御部400bによって制御される。従って、可動演出装置200は、その復帰作動中であるにもかかわらず、演出制御部400bによる演出位置への作動制御を受けることがなく、その結果、演出制御部400bは、その復帰作動と演出作動との制御上の干渉や、当該干渉に起因した可動演出装置が正しい位置を維持する動作や正常な動作をなし得ない可能性ないしは故障その他の動作不良に至る等の不具合の発生を未然に防止しつつ、上記復帰作動を円滑に終了することができる。
【0319】
次に、上述した図柄変動処理ルーチン7300における処理において、上述のごとく、ステップ7325(図16参照)にて、ステップ7320でYESとの判定対象となった特定の演出パターンが第4の特定の演出パターンであるためにYESと判定された場合には、図21のステップ7371における選択した第4の特定演出パターンに基づく図柄変動開始処理において、第4の特定演出パターンPkd(図27参照)に基づく図柄変動開始処理がなされる。
【0320】
これに伴い、演出制御部400bは、第4の特定演出パターンPkdに基づき図柄変動をT=T1(図27参照)にて開始するとともに、画像演出装置190は、演出制御部400b及び役物制御部400dによる制御のもとに、T=T1にて、第4の特定演出パターンPkdに基づく図柄変動表示を開始する。
【0321】
然る後、ステップ7372及びステップ7373(図21参照)の処理が、ステップ7328及びステップ7329(図17参照)における処理と同様になされる。この処理過程においては、第4の特定演出パターンPkdの擬似連部Pddに基づく擬似連変動が、第2の特定演出パターンPkbの場合と同様に、T=T2にて、演出制御部400bにより開始されるとともに、当該擬似連変動の表示が、画像演出装置190により開始される。
【0322】
上記ステップ7373の処理後、ステップ7274〜ステップ7377の処理が、ステップ7330〜7333(図17参照)における処理と同様になされる。この処理過程においては、可動演出装置200が、T=T2にて、演出制御部400a及び役物制御部400dの制御のもと、格納位置から演出位置に向け作動する(ステップ7374及び図27にて符号Qd参照)。ついで、T=T3にて、擬似連部Pddに基づく擬似連変動が仮停止するとともに、可動演出装置200が演出位置へ到達すると、当該可動演出装置200が、ステップ7377において、演出制御部400a及び役物制御部400dの制御のもと格納位置への復帰作動を開始する。
【0323】
このようにステップ7377の処理が終了すると、次のステップ7378(図21参照)にて、最も早いチャンス目前に復帰終了するか否かが判定される。本実施形態では、上述のごとく演出制御部400bのROM426に予め記憶されている第4、第5及び第6の特定演出パターンPkd、Pke及びPkfのうち、第4の特定の演出パターンPkdが、ステップ7311(図16参照)にて選択されていることが、ステップ7325におけるYESとの判定の根拠となっている。
【0324】
ここで、第4、第5及び第6の特定演出パターンPkd、Pke及びPkfにおいて、第4の特定の演出パターンPkdは、擬似連変動部Pddに基づく最初の擬似連変動の仮停止に伴う可動演出装置200の格納位置への復帰作動が終了した後、当該擬似連変動部Pddに基づく最初の擬似連変動に後続する再度の擬似連変動が、第5及び第6の特定演出パターンPke及びPkfの場合に比べて最も早く開始するようになっている(図27図29参照)。
【0325】
具体的には、上述した後続する再度の擬似連変動の開始時期T=T42(図27参照)、T=T43(図28参照)及びT=T45(図29参照)を対比したとき、T=T42が、T=T43及びT=T45に比べて、可動演出装置200の格納位置への復帰作動終了時期T=T4に時間的に最も接近している。
【0326】
このことは、第4の特定の演出パターンPkdの擬似連変動部Pddに基づく再度の擬似連変動の開始時期、即ち、次のチャンス目の到来時期が、第5及び第6の特定演出パターンPke及びPkfの場合に比べて最も早いことを意味する。
【0327】
しかして、現段階では、第4の特定の演出パターンPkdに基づき、可動演出装置200がT=T42にて到来するチャンス目、即ち、次の最も早いチャンス目前に復帰作動を終了することから、ステップ7378においてYESと判定される。
【0328】
ついで、ステップ7379における復帰継続処理において、可動演出装置200の復帰作動が、擬似連変動部Pddに基づく擬似連変動のT=T3における仮停止後も継続する。然る後、可動演出装置200が格納位置へ復帰すると、格納位置センサS6の検出出力に基づきYESと判定される。
【0329】
ステップ7380におけるYESとの判定後、図22のステップ7381〜ステップ7389の処理が、図17のステップ7328〜ステップ7336の処理と実質的に同様になされる。然る後は、第1の特定演出パターンPkaの場合と同様にステップ7400〜ステップ7520(図15参照)の処理がなされる。
【0330】
以上説明したように、選択した演出パターンが第4の特定演出パターンPkdである場合、当該第4の特定演出パターンPkdにおいては、擬似連変動部Pddに基づく擬似連変動が、図27図29の対比から分かるように、可動演出装置200の格納位置への復帰終了後、最も早く再開(図27にてT=T42参照)する。
【0331】
従って、擬似連変動部Pddに基づく最初の擬似連変動の仮停止に対応する可動演出装置200の復帰作動が、当該最初の擬似連変動に対する後続の擬似連変動の開始時期(T=T42)よりも早く終了するので、当該再度の擬似連変動の開始に伴う可動演出装置200の演出位置への作動と制御上の干渉や、当該干渉に起因した可動演出装置が正しい位置を維持する動作や正常な動作をなし得ない可能性ないしは故障その他の動作不良に至る等の不具合の発生を未然に防止しつつ、上記復帰作動を円滑に終了することができる。
【0332】
ここで、上述のごとく、擬似連変動部Pddの擬似連変動が、可動演出装置200の格納位置への復帰終了後、最も早く開始するので、第4の特定演出パターンPkdの擬似連変動部Pddに基づく擬似連変動、換言すれば、画像演出装置190により擬似連変動部Pddに基づく擬似連変動の表示が促進される。従って、遊技者は逸早く擬似連変動の表示の内容を視認することができ、遊技の促進化につながる。なお、上述した特定の演出パターンPkd、Pke、Pkfが全て存在することは、必須ではなく、例えば、特定の演出パターンPkd及びこれに対応する作動パターンQdのみが存在することであってもよい。
【0333】
ここで、上記実施形態では、図25にて示す特定の演出パターンPkb及び可動演出装置200の作動パターンQbのように、可動演出装置200の作動パターンQbに基づく復帰作動が、特定の演出パターンPkbにおける擬似連変動部Pdbに基づく最初の擬似連変動の仮停止に後続する後続擬似連変動の開始後まで継続する場合には、当該後続擬似連変動に対応する可動演出装置200の演出作動を開始させないようにしたが、これに限ることなく、次のように可動演出装置200の演出作動を開始させるようにしてもよい。
【0334】
例えば、上述した擬似連変動部Pdbに基づく後続擬似連変動に対応する可動演出装置200の複数の作動パターン(例えば、第1〜第3の作動パターン)を形成する。ここで、これら第1〜第3の作動パターンは、当該第1〜第3の作動パターンにかけて、当該各作動パターンに基づく可動演出装置200の演出作動の各開始時点を、それぞれ、例えば、上述した擬似連変動部Pdbに基づく後続擬似連変動の開始時期、これよりも遅い開始時期及びさらに遅い開始時期を有するように形成する。
【0335】
このような前提のもと、上述した作動パターンQbに基づく可動演出装置200の復帰作動が、例えば、上記第2の作動パターンに基づく可動演出装置200の演出作動の開示時期と上記第3の作動パターンに基づく可動演出装置200の演出作動の開示時期との間で終了することとなる場合には、上述した擬似連変動部Pdbに基づく後続擬似連変動に対応した作動パターンに基づく可動演出装置200の演出作動は、上記第3の作動パターンに基づく可動演出装置200の演出作動の開示時期から開始するように可動演出装置200の作動パターンを構成するようにしてもよい。
【0336】
これによれば、可動演出装置200の復帰作動と演出作動とが時間的に重複してなされるこがなく、可動演出装置200の作動が円滑に行われ得る。
【0337】
但し、上述した複数の作動パターン(第1〜第3の作動パターン)にように、可動演出装置200の演出作動の開示時期が異なる複数の作動パターンが存在することは必須ではない。
【0338】
なお、本発明の実施にあたり、上記実施形態に限ることなく、次のような種々の変形例が挙げられる。
(1)本発明の実施にあたり、上記実施形態においては、一例として、可動演出装置200が画像演出装置190の前面に出現する場合を説明したが、可動演出装置200が移動していく位置は、必ずしも画像演出装置190の前面には限られない。
(2)また、本発明の実施にあたり、上記実施形態では、特定の演出パターンに3回の擬似連パターンを含もうようにしたが、これに限らず、特定の演出パターンに含まれる擬似連パターンは、例えば、2回或いは4回の擬似連パターンであればよく、一般的には複数回の擬似連パターンを含めばよい。
(3)また、本発明の実施にあたり、パチンコ遊技機に限ることなく、アレンジボール遊技機や回胴式遊技機等の各種の遊技機に本発明を適用して実施してもよい。
(4)また、本発明の実施にあたり、球発射装置は、上記実施形態とは異なり、遊技盤Baの左上側隅角部に設けられていてもよい。この場合、ハンドルH(図2にて示す位置にある)の操作に伴い、当該球発射装置は、遊技球を、当該球発射装置の発射レールから、外側レール部22の左上側部位(球発射装置による遊技球の発射レールの発射方向に対する対応部位)に形成した案内口部を介し遊技領域12内に発射するようにすればよい。
【符号の説明】
【0339】
50…スタートチャッカー、60…電動チューリップ、
190…画像演出装置、200…可動演出装置、300…主制御装置、
400…副制御装置、400b…演出制御部、400c…画像制御部、
400d…役物制御部、Ba…遊技盤、Pi…演出パターン、
TCi…図柄変動時間。



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