(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
(B)(3)は、前記抽出されたデータからアブストラクト化することであって、それにより、前記第1のワークフロー出力内にアブストラクト化データを生成することを含む、請求項1に記載の方法。
非一時的なコンピュータ可読媒体であって、非一時的なコンピュータ可読媒体上に記憶されたコンピュータプログラム命令を有し、前記コンピュータプログラム命令は、方法を実施するため少なくとも1つのコンピュータプロセッサによって実行可能であり、前記方法は、
(A)ワークフロー定義のトリガー条件定義によって定義されるトリガー条件が満たされたと判定すること、
(B)(A)における判定に応答して、
(B)(1)前記ワークフロー定義に関連するデータ抽出プロセス定義によって定義されるプロセスを使用することであって、それにより、少なくとも1つのデータソースから、前記ワークフロー定義に関連するデータ定義によって定義されるデータを抽出すること、
(B)(2)前記抽出されたデータを第1のエビデンスシート内に記憶することと、
(B)(3)前記ワークフロー定義に関連するワークフロープロセス定義によって定義されるステップを前記抽出されたデータに適用することであって、それにより、第1のワークフロー出力を生成することと、
(B)(4)前記少なくとも1つのデータソースから前記データ定義によって定義される更なるデータを抽出することと、
(B)(5)前記抽出された更なるデータを第2のエビデンスシート内に記憶することと、
(B)(6)前記更なるデータに応答して、前記ワークフロー定義の前記ワークフロープロセス定義によって定義されるステップを修正することと、
(B)(7)前記修正されたステップを前記更なるデータに適用することであって、それにより、第2のワークフロー出力を生成することと、及び
(B)(8)第1のエビデンスシートからの前記抽出されたデータと、第2のエビデンスシートからの前記抽出された更なるデータとを組合すことであって、それにより、第3のワークフロー出力を生成し、第3のワークフロー出力は第1のワークフロー出力と第2のワークフロー出力の組合せであることと、
を含む、非一時的なコンピュータ可読媒体。
前記少なくとも1つのデータソースは、少なくとも1つの非構造化データソース及び少なくとも1つの構造化データソースを含む、請求項8に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
(B)(3)は、前記抽出されたデータからアブストラクト化することであって、それにより、前記第1のワークフロー出力内にアブストラクト化データを生成することを含む、請求項7に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【発明を実施するための形態】
【0007】
いろいろでかつ多数のソースから情報を抽出するのが困難である理由の1つは、データソースが種々の形式をとり得ることである。例えば、EHR等の幾つかのデータソースは、データが、「手術タイプ(Surgery Type)」、「手術日(Surgery Date)」、及び「現在の薬(Current Medications)」等のディスクリートフィールドに記憶される構造化データの形式をとり得る。非構造化データソース(自由形式の医師のメモ等)に比べて、こうした構造化データソースから情報を抽出することがより容易であり得る。その理由は、構造化データが、コンピュータによって理解される可能性がある形成で既に記憶されているからである。しかし、構造化データソースに関する1つの困難さは、構造化データが、請求書を生成するのに最も適する形式で記憶されない場合があることである。例えば、手術後の患者の滞在の長さは、患者のEHRに直接記憶されない場合がある。代わりに、非常に簡単な例として、患者の到着日及び出発日が、患者のEHRに記憶される場合があり、その場合、出発日から到着日を差し引くことによって患者の滞在の継続期間を計算する必要がある場合がある。別の例として、その人の年齢ではなく患者の誕生日が、患者のEHRに記憶される場合があり、その場合、患者の年齢を取得することは、現在日からその人の誕生日を差し引くことを必要とする場合がある。更に別の例として、患者に提供される薬の量は、複数のレコードから計算される必要がある場合があり、複数のレコードのそれぞれは、患者に提供される薬の特定の量を示す。実際には、既存の構造化データに関して、ずっと複雑な処理が実施されて、請求書を生成するためのワークフロー等の特定のワークフロー内でそのデータを処理する必要がある場合がある。この例の目的は、単に、構造化データの意味(meaning)がコンピュータによって容易に理解され得るときでも、特定のワークフローの要件を満たすため、既存のディスクリートデータ要素が、互いに組合され、他の方法で処理される必要が依然としてある場合があることを示すことである。
【0008】
医師のタイプ打ちされた又は転記された(transcribe)メモ等の幾つかのデータソースは、英語又は別の自然言語で書かれた自由形式テキスト等の非構造化データの形式をとり得る。従って、請求書を生成するか又は他のワークフローを実施するために使用され得る形式でこうしたソースからデータを抽出することは特に難しい場合がある。請求書を生成するか又は別のワークフローを実施するために使用され得る構造化データを生成するため、こうした非構造化データに関して自然言語処理(Natural Language Processing)(NLP)及び/又は他の処理を最初に適用することが必要である場合がある。転記された文書から構造化データを抽出するために使用され得る技法の例は、例えば、「Automated Extraction of Semantic Content and Generation of a Structured Document from Speech」という名称の、2009年9月1日に発行された米国特許第7,584、103号、及び、「Verification of Extracted Data」という名称の、2010年5月11日に発行された米国特許第7,716,040号に見出され得る。
【0009】
構造化及び/又は非構造化医療データに基づいて請求書を生成するプロセスは、ヘルスケア産業において実施され得るワークフローの一例に過ぎない。いろいろなヘルスケアワークフローは、いろいろなソースに記憶されたデータを抽出し解析しなければならないプロセスを含む。
【0010】
本発明の実施形態は、上述したヘルスケアワークフロー等のワークフローをシステム化し自動化するためのシステムを対象とする。例えば、本発明の実施形態は、そのそれぞれが、対応するワークフローを定義する1つ又は複数のコンピュータ可読ワークフロー定義を生成し、記憶し、処理するために使用され得る。
図1を参照すると、本発明の一実施形態によるワークフロー自動化システム100のデータフロー図が示される。
図2を参照すると、本発明の一実施形態による
図1のシステム100によって実施される方法200のフローチャートが示される。
【0011】
図1のワークフロー自動化システム100は、複数のワークフロー定義102a〜102nを含む。ここで、nは任意の数であり得る。ワークフロー定義102a〜102nのそれぞれは、対応するワークフローを定義する。換言すれば、ワークフロー定義102aは第1のワークフローを定義し、ワークフロー定義102bは第2のワークフローを定義し、ワークフロー定義102nは、複数のワークフロー内の第nのワークフローを定義する。
【0012】
ワークフロー定義は、例えば、
・対応するワークフローによって要求されるデータを定義する要求される(required)データ定義。手術請求書生成ワークフローの例では、要求データ定義(required data definition)は、例えば、手術請求書生成ワークフローが、データの中でもとりわけ、手術のタイプ、手術に関与した医師の数、及び患者の滞在の長さを示すデータを要求することを指定する。要求データ定義は、キーワード、コード、データベースフィールド名、及びフォーミュラ(formulas)のうちの任意の1つ又は複数を参照すること等による、種々の方法の任意の方法で、対応する要求データを定義し得る。要求データ定義は、任意の数のソース(例えば、1つ、2つ、又はそれより多い数のソース)から、また、非構造化及び構造化データソースの任意の組合せから引出される(draw)任意の数のデータのユニット(unit)を定義し得る。
・対応する要求データ定義によって定義されるデータを(例えば、1つ又は複数の構造化及び/又は非構造化データソースから)抽出するためのプロセスを定義するデータ抽出プロセス定義。手術請求書生成ワークフローの例では、データ抽出プロセス定義は、例えば、手術のタイプが患者のEHRレコードの「手術タイプ」フィールドから抽出されること、及び、患者に処方される薬が、手術後に口述された医師のメモから抽出されることを指示(indicate)し得る。データ抽出プロセス定義によって定義されるデータ抽出プロセスを実施する結果は、「エビデンスシート(evidence sheet)」と本明細書で呼ばれるデータのセットである。要求データ定義及びデータ抽出プロセス定義が別個の定義として実装され得るが、代替的に、要求データ定義及びデータ抽出プロセス定義は、種々の方法で互いに統合され得る。例えば、データ抽出プロセス定義は、要求データ定義に内在的(implicit)であり得る。
・対応するデータ抽出プロセスによって抽出されるエビデンスシートデータに関して実施され、それにより、ワークフロー出力(例えば、請求書)を生成するステップのセットを定義するワークフロープロセス定義。ワークフロープロセス定義は、各ステップを、指定された1つ又は複数のアクタに割当て、ワークフロープロセス内の異なるステップは、異なるアクタに割当てられ得る。手術請求書生成ワークフローの例では、抽出されたデータを検討(review)するステップは、1人の人に割当てられ、請求書を保険会社(insurance company)に送信するステップは、異なる人に割当てられ得る。
・対応するワークフロー内のステップが、その下で引受けられる必要がある条件を定義するトリガー条件定義104d。例えば、手術の終了は、手術請求書生成ワークフローの始動をトリガーするトリガー条件であり得る。トリガー条件を満たし得るデータの種類の例は、例えば、患者及び/又は患者が受ける(receive)医療ケアの以下の特性、すなわち、人口統計(demographics)、患者の特徴(characteristics)、症状(symptom)、診断、薬、デバイス、プロシージャ、実験所(lab)、及びバイタル(vital)、に関連するデータを含む。トリガー条件は、例えば、こうしたデータの任意の組合せに適用されるルールとして実装され得る。
【0013】
ワークフロー定義102aは、要求データ定義104a、データ抽出プロセス定義104b、ワークフロープロセス定義104c、及びトリガー条件定義104dを含むものとして
図1に示されるが、他の方法でデータ104a〜104dに関連し(associated with)得る。例えば、ワークフロー定義102aは、データ104a〜104dの任意の1つ又は複数に対するポインタを含み得る。データ104a〜104dが、ワークフロー定義102a内に含まれても、ワークフロー定義102aに対して指し示されても(すなわち、ワークフロー定義102aによって参照されても)、又は、その組合せであっても、データ104a〜104dは、ワークフロー定義102aに「関連する(associated with)」と本明細書で言われる。
【0014】
再び
図1を参照すると、特定の対応するワークフローを定義するワークフロー定義102aは、要求データ定義104a、データ抽出プロセス定義104b、ワークフロープロセス定義104c、及びトリガー条件定義104dを含み得る。要求データ定義104aは、ワークフロー定義102aによって定義されるワークフローによって要求されるデータを定義する。データ抽出プロセス定義104bは、対応する要求データ定義104aによって定義されるデータを抽出するためのプロセスを定義する。ワークフロー定義102aは、エビデンスシート110a内のデータに関して実施されるステップのセットを定義するワークフロープロセス定義104cを更に含む。ワークフロー定義102aは、或る条件を定義するトリガー条件定義104dを更に含み、その条件を満たすことは、データ抽出プロセス定義104bによって定義されるデータ抽出プロセスに、エビデンスシート110aを生成するよう実施させ、それが、次に、ワークフロープロセス定義104cによって定義されるワークフロープロセスを、エビデンスシート110aに適用させ、それにより、ワークフロー出力114aを生成する。
【0015】
図1のシステム100がどのように作用し(operate)得るかについての特定の例として、システム100がワークフロー定義102aにどのように適用され得るかについての以下の説明を考える。同じプロセスが他のワークフロー定義102b〜102nに適用され得ることが理解されるべきである。システム100は、入力として、要求データ定義104a(
図2、オペレーション202)及びデータ抽出プロセス定義104b(
図2、オペレーション204)を受信し得るデータ抽出モジュール108を含み得る。
【0016】
システム100は、入力としてトリガー条件定義104dを受信し得るトリガーモジュール106を含み得る。トリガーモジュール106は、トリガー条件定義104dによって定義されるトリガーが満たされるかどうかを判定し得る(
図2、オペレーション206)。トリガー条件定義104dによって定義されるトリガーが満たされたと判定することに応答して、トリガーモジュール106は、データ抽出モジュール108に、データ抽出プロセス定義104bによって定義されるデータ抽出プロセスを実施させ、それにより、1つ又は複数のデータソース110(構造化データソース及び/又は非構造化データソースを含み得る)からデータを抽出して、ワークフロー定義102aによって定義されるワークフローによって要求されるデータを含むエビデンスシート112aを生成し得る(
図2、オペレーション208)。データソース110は、例えば、臨床メモ、医師/看護師のメモ、薬許可レコード、実験所の結果、構造化文書(例えば、CCD文書)、EHRレコード、診断的画像化レポート、病理レポート、麻酔科レポート、循環器科レポート、放射線科レポート、腎臓病学レポート、神経内科レポート、及び任意の他の規範中心の(discipline−centric)レポート、のうちの任意の1つ又は複数を含み得る。
【0017】
データ抽出モジュール108は、本明細書に開示される機能を自動的に(すなわち、人間の介入無しで)実施する、ハードウェア及び/又はソフトウェアで実装されるモジュール等の完全自動化モジュールであり得る。しかし、データ抽出モジュール108によって実施されるとして本明細書で開示される機能は、部分的に又はもっぱら(solely)手動で実施され得る。例えば、人間のオペレータは、データソース110の検査、及び、データソース110が或る意味で欠陥がある(deficient)という手動(manual)判定に基づいてエビデンスシート112aを手動で生成し得る。こうした場合、人間のオペレータは、エビデンスシート112a内の欠陥の性質(例えば、特定の患者の受診(encounter)に関連する特定のタイプのデータが、データソースから抜けていること)を指示し得る。本明細書で開示される技法の任意の技法は、こうした手動生成されるエビデンスシートに関連して実施され得る。エビデンスシートを手動で生成することの1つの利益は、そうすることによって、ワークフロー処理モジュール116によってエビデンスシート112a上で実施されるワークフローを、人間のオペレータが利用することが可能になることである。
【0018】
データ抽出プロセス定義104bによって定義され、データ抽出モジュール108によって実施される抽出プロセスは、抽出されたデータの一部又は全てをアブストラクト化することを含み得る。結果として、エビデンスシート112aは、データソース110からデータ抽出モジュール108によって抽出されるデータの全てを含まない場合がある。むしろ、エビデンスシート112aは、データ抽出モジュール108が、データソース110からアブストラクト化することによって生成したアブストラクト化データを含み得る。例えば、特定の入院(hospitalization)が肺炎を有する患者に関係する場合を考える。患者の入院に関連するデータソース110内のデータは、語「肺炎(pneumonia)」及び患者の肺炎に言及する他のデータの多数のインスタンスを含み得る。データ抽出モジュール108は、「肺炎」という概念のこの多数のインスタンスからアブストラクト化し、エビデンスシート112a内に、患者が肺炎を有するという1つ又は少数の指示(indication)のみを含み得る。システム100は、システム100のユーザが、こうしたエビデンスを閲覧しようと決める場合に、患者が肺炎を有するという結論を正当化する抽出済みデータの全てを閲覧することを可能にし得る。
【0019】
システム100は、入力として、ワークフロープロセス定義104cを受信し(
図2、オペレーション210)、エビデンスシート112aを受信する(
図2、オペレーション212)ワークフロー処理モジュール116をも含み得る。トリガー条件定義104dによって定義されるトリガー条件が満たされたと判定することに応答して、トリガーモジュール106は、ワークフロー処理モジュール116に、ワークフロープロセス定義104cによって定義されるワークフロープロセスをエビデンスシート112a内のデータに適用させ、それにより、ワークフロー出力114a(例えば、請求書)を生成し得る(
図2、オペレーション214)。方法200は、ワークフローが反復して(例えば、連続して)作用し(operate)続けるように、オペレーション206に自動的に戻り得る。
【0020】
ワークフロープロセス定義104cによって定義されるワークフロープロセスを適用する行為(act)は、ワークフロー処理モジュール116がワークフロープロセス内の1つ又は複数のステップを自動的に実施することを含み得る。しかし、更に又は代替的に、ワークフロー内の1つ又は複数のステップは、対応する人間エージェント(agent)に関連し得る。ワークフロープロセス内の特定のステップを処理するため、ワークフロー処理モジュール116は、ワークフローステップが割当てられる人間エージェントと相互作用し得る。例えば、課金コーダ(billing coder)に割当てられる特定のワークフローステップを処理することは、エビデンスシート112aからの或る指定された情報を示す出力を課金コーダに提示すること、及び、エビデンスシート112aからの情報(課金コード又は課金コードの確認)に応答して、課金コーダから入力を受信することを含み得る。
【0021】
ワークフローは静的又は動的であり得る。例えば、ワークフロープロセス定義104cは、ワークフロープロセス定義104cによって定義されるワークフロープロセスによって実施されるステップの固定セットを含むワークフロープロセスを定義し得る。しかし、代替的に、ワークフロープロセス定義104cは、動的である、すなわち、エビデンスシート112a内のデータ等の入力に応答して変化し得るワークフロープロセスを定義し得る。例えば、「文書欠陥(document deficiency)」ワークフローでは、新しい文書の導入は、新しい文書の導入によって証明される(evidence)文書欠陥に対処するステップを、異なるどの人が割当てられるかに応じてワークフローに付加させる場合がある。
【0022】
更に、データ抽出モジュール108が、データソース110から要求されるデータを抽出するデータ抽出プロセスを一回で(single time)実行するものとして上述されるが、これは、例に過ぎず、本発明の制限とならない(constitute a limitation)。代替的に、例えば、データ抽出モジュール108は、データソース110からデータを反復して(例えば、連続して)抽出して、データソース110内のデータに対する変更(例えば、追加、削除、又は修正)に応答してエビデンスシート112aを反復して(例えば、連続して)更新し得る。同様に、ワークフロー処理モジュール116は、エビデンスシート112a内のデータが変化するときに、エビデンスシート112aに作用し得る。換言すれば、ワークフロー処理モジュール116は、エビデンスシート112a内の変化によって反映されるデータソース110内の変化に応答するように、ワークフロープロセス定義104cによって定義されるワークフロープロセスを実施し得る。結果として、ワークフロー処理モジュール116は、動的でデータ駆動型(data−driven)のワークフローを実装し得る。
【0023】
更に、
図1が単一のエビデンスシート112aだけを示すが、
図1のシステム100は、本明細書で開示される技法を使用して任意の数のエビデンスシートを生成し得る、かつ/又は任意の数のエビデンスシートに作用し得る。例えば、データ抽出モジュール108は、ワークフロー定義102aを使用して、エビデンスシート112aを生成し、ワークフロー定義102bを使用して、第2のエビデンスシート(図示せず)を生成し、ワークフロー定義102nを使用して、第nのエビデンスシート(図示せず)を生成し得る。
【0024】
本発明の実施形態は、エビデンスシート内で及び/又は複数のシートにわたってデータを最適化し得る。例えば、本発明の実施形態は、複数のエビデンスシートを組合せて、複数のエビデンスシートに元々記憶されたデータの一部又は全てを含む単一のエビデンスシートを生成し得る。例えば、複数のエビデンスシートが特定の患者の受診に関連するデータを含む場合、複数のエビデンスシートからのデータの一部又は全ては、複数のエビデンスシートの全てを組合せて、単一のエビデンスシートを生成すること等によって、互いに組合され得る。例えば、第1のエビデンスシートが、心不全文書欠陥ワークフローに関連するエビデンスを含み、第2のエビデンスシートが、心不全品質尺度ワークフローに関連するエビデンスを含む場合、こうしたエビデンスシートは、患者の受診に関連するこうしたエビデンスシートが共に心不全を含むと判定することに応答して互いに組合され得る。結果として得られる組合されたエビデンスシートは、複数のワークフロー(上述の心不全文書欠陥ワークフロー及び心不全品質尺度ワークフロー等)を駆動するために依然として使用され得る。2つのエビデンスシートが共に組合されると、各ソースエビデンスシートからのデータは、そのデータに関連するワークフローを指定するデータによってタグ付けされるか又はその他の方法で関連付けされるため、2つのソースエビデンスシートからのデータは、エビデンスシートが共に組合されても、これらのエビデンスシートに関連する2つのワークフローを駆動するために使用され続け得る。
【0025】
複数のエビデンスシートが組合されると、これらのエビデンスシートに関連するワークフローもまた組合され得る。例えば、患者の肺炎のエビデンスを含むエビデンスシートが、同じ患者の心不全のエビデンスを含むエビデンスシートと組合される場合、こうしたエビデンスシートの両方に関連する文書欠陥ワークフローは、単一ワークフローになるよう組合され得る。結果として、組合されたワークフローは、実行されると、組合されたエビデンスシート内のデータに適用される。こうした実施形態は、或る組織(organization)が、単一の患者に関連する全ての文書欠陥に同時に(すなわち、同じワークフローの一部として)対処することを可能にする。
【0026】
エビデンスシート112aが臨床文書改善(Clinical Documentation Improvement)(CDI)ワークフローをサポートするように設計される場合を考える。こうしたエビデンスシート112aは、(データソース110内の)既存の文書内の欠陥を指し示す(point to)エビデンスを含み得る。ワークフロー処理モジュール116は、病院内での患者の処置と同時に、ワークフロープロセス定義104cによって定義されるワークフロープロセスを実行し得る。結果として、ワークフロー処理モジュールがCDIワークフローを実行している間に、患者に関連する新しい文書が生成され、データソース110に付加され得る。データソース110に付加される文書の任意のピースは、新しい欠陥を、(例えば、ワークフロー処理モジュール116によって)エビデンスシート112a内で識別させ得る。こうした欠陥の識別は、次に、ワークフロー処理モジュール116によるワークフローの実行をトリガーすることができ、その場合、作業者(worker)が、欠陥を調査し訂正するために割当てられる。その後、前に識別された欠陥をなくす更なる新しい文書が、データソース110に付加され得る。応答して、データ抽出モジュール108は、エビデンスシート112aを更新して、欠陥がなくなったことを反映し得る。エビデンスシート112aのこの更新に応答して、ワークフロー処理モジュール116は、欠陥の識別に応答して前に始動された欠陥の調査を取消し(cancel)得る。
【0027】
ワークフロー定義102aのコンテンツだけが、例証を容易にするため
図1に示されるが、ワークフロー定義102b及び102n等の他のワークフロー定義は、ワークフロー定義102aと同じか又は同様の構造を有し得る。しかし、他のワークフロー定義(ワークフロー定義102b及び102n等)のコンテンツは、ワークフロー定義102aのコンテンツと異なり得る。例えば、
・ワークフロー定義102bは、ワークフロー定義102aの要求データ定義104aと異なるデータを定義する要求データ定義を含むことができ、
・ワークフロー定義102bは、ワークフロー定義102aのデータ抽出プロセス定義104bと異なるデータ抽出プロセスを定義するデータ抽出プロセス定義を含むことができ、
・ワークフロー定義102bは、ワークフロー定義102aのワークフロープロセス定義104cと異なるワークフロープロセスを定義するワークフロープロセス定義を含むことができ、
・ワークフロー定義102bは、ワークフロー定義102aのトリガー条件定義104dと異なるトリガー条件を定義するトリガー条件定義を含むことができる。
【0028】
上述した或る例は、手術用の請求書を生成するためのワークフローを参照する。これは、ワークフローの一例に過ぎず、本発明の制限とならない。より一般的には、本発明の実施形態は、種々のワークフローの任意のワークフローに適用され得る。
【0029】
本発明の実施形態を使用して実装され得るワークフローの別の例は、品質尺度ワークフローである。例えば、患者が心臓発作で入院する(admitted to a hospital)場合、品質尺度ワークフローは、患者に関連するデータソースから、以下の情報、すなわち、患者の滞在中に処方された薬、患者の退院時に処方された薬、心臓の状態に特有である実験所の結果、及び喫煙に関連する患者に与えられる任意の助言(counseling)が抽出されるべきであることを指定し得る。品質尺度ワークフローはまた、適切なケアが患者に与えられたかどうかを判定するため、抽出された情報に適用されるべきである或るプロセスステップを指定し得る。
【0030】
本発明の実施形態を使用して実装され得るワークフローの別の例は、臨床文書改善ワークフローである。例えば、患者が心不全になったと患者の状態が指示する場合、臨床文書改善ワークフローは、患者が心不全を有すると診断するのに医師が頼ったエビデンスが、医師によって指定されるデータソースから抽出されるべきであること、抽出されたエビデンスが、患者が心不全になったという結論を正当化するかどうかを判定するために解析されるべきであること、及び、医師が頼ったエビデンスが、患者が心不全になったという結論について十分なサポートを提供しない場合、以下の情報、すなわち、心不全を示す実験所の結果、心不全について提供される処置を示す薬、並びに、心不全に関連する症状及び診断が、全ての利用可能なデータソースから抽出されるべきであることを指定し得る。この更なる抽出データは、その後、解析され、患者の心不全のエビデンスに関する更なる情報によって文書化を補完することによって、患者の心不全の状態の医師の文書化を改善するために使用され得る。
【0031】
本発明の実施形態は種々の利点を有する。例えば、一般に、本発明の実施形態は、医療ワークフロー内で使用するため、構造化ソースと非構造化ソースの両方を含むいろいろなソースからデータが自動的に抽出されることを可能にする。本発明の実施形態は、特定のワークフローで使用するためどの情報が自動的に抽出されるべきか、及び、抽出されたデータをワークフロー内で解析するため自動的に適用されるプロセスを指定する体系的でかつ簡単な方法を提供する。本発明の実施形態は、自由形式テキスト文書内に埋められる(bury)情報であって、通常、ワード処理文書として記憶され、従って、コンピュータソフトウェアによって普通なら容易に処理可能でない、情報を自動的に抽出するのに特に有用である。換言すれば、本発明の実施形態は、非構造化データソースから、こうしたソースから普通なら手動でかつ長々しく(tediously)抽出される必要があることになると思われるデータを自動的に抽出するためにコンピュータを使用することを可能にする。更に、本発明の実施形態は、抽出されたこうした情報(こうした情報が自動的に抽出されても、手動で抽出されても)が、抽出されたデータに関連して定義されるワークフローの一部として自動的に又は半自動的に処理されることを可能にする。
【0032】
本発明が特定の実施形態によって上述されたが、先の実施形態は、例証としてだけ提供され、本発明の範囲を制限又は規定しないことが理解される。限定はしないが以下を含む種々の他の実施形態もまた、特許請求の範囲内にある。例えば、本明細書で述べる要素及びコンポーネントは、更に、同じ機能を実施するために、更なるコンポーネントに分割され得る、又は、少数のコンポーネントを形成するため共に結合され得る。
【0033】
本明細書で開示される機能の全ては、これらの機能を実施するための手段を使用して実装され得る。こうした手段は、以下に述べるコンピュータ関連コンポーネント等、本明細書で開示するコンポーネントの任意のコンポーネントを含むが、それに限定されない。
【0034】
上述した技法は、例えば、ハードウェア、1つ又は複数のコンピュータ可読媒体上に有形に記憶される1つ又は複数のコンピュータプログラム、ファームウェア、又は、その任意の組合せで実装され得る。上述した技法は、任意の数の以下のもの、すなわち、プロセッサ、プロセッサによって読出し可能な及び/又は書込み可能な記憶媒体(例えば、揮発性及び不揮発性のメモリ及び/又は記憶素子)、入力デバイス、及び出力デバイス、の任意の組合せを含むプログラム可能なコンピュータ上で実行される(又はプログラム可能なコンピュータによって実行可能な)1つ又は複数のコンピュータプログラムで実装され得る。プログラムコードは、入力デバイスを使用してエントリされる入力に適用されて、述べる機能を実施し、出力デバイスを使用して出力を生成し得る。
【0035】
添付特許請求の範囲内の各コンピュータプログラムは、アセンブリ言語、機械語、高水準手続き型プログラミング言語(high−level procedural programming language)、オブジェクト指向プログラミング言語、関数型プログラミング言語、又は任意の他の高水準言語等の任意のプログラミング言語で実装され得る。プログラミング言語は、例えば、コンパイル式又はインタープリト式プログラミング言語であり得る。
【0036】
こうした各コンピュータプログラムは、コンピュータプロセッサが実行するため機械可読記憶デバイスにおいて有形に具現化されるコンピュータプログラム製品に実装され得る。本発明の方法ステップは、入力に作用し、出力を生成することによって本発明の機能を実施するため、コンピュータ可読媒体上に有形に具現化されるプログラムを実行する1つ又は複数のコンピュータプロセッサによって実施され得る。適したプロセッサは、例として、汎用と専用の両方のマイクロプロセッサを含む。一般に、プロセッサは、メモリ(読出し専用メモリ及び/又はランダムアクセスメモリ等)から命令及びデータを受取り(読出し)、命令及びデータをメモリに書込む(記憶する)。コンピュータプログラム命令及びデータを有形に具現化するのに適した記憶デバイスは、例えば、EPROM、EEPROM、及びフラッシュメモリデバイスを含む半導体メモリデバイス、内部ハードディスク及び取外し可能ディスク等の磁気ディスク、光磁気ディスク、並びにCD−ROM等の、全ての形態の不揮発性メモリを含む。上記のうちの任意のものは、特別に設計されたASIC(特定用途向け集積回路)又はFPGA(フィールドプログラム可能ゲートアレイ)によって補完され得る、又は、その中に組込まれ得る。コンピュータはまた、一般に、内部ディスク(図示せず)又は取外し可能ディスク等の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体から、プログラム及びデータを受取る(読出す)ことができ、また、そこにプログラム及びデータを書込む(記憶する)ことができる。これらの要素はまた、従来のデスクトップ又はワークステーションコンピュータ並びに本明細書で述べる方法を実装するコンピュータプログラムを実行するのに適した他のコンピュータにおいて見出されることになり、任意のデジタルプリントエンジン又はマーキングエンジン、ディスプレイモニタ、又は、用紙、フィルム、ディスプレイスクリーン、又は他の出力媒体上にカラー又はグレイスケールピクセルを生成することが可能な他のラスター出力デバイスと連携して使用され得る。
【0037】
本明細書で開示される任意のデータは、例えば、非一時的なコンピュータ可読媒体上に有形に記憶される1つ又は複数のデータ構造で実装され得る。こうしたデータは、ワークフロー定義102、データソース110、エビデンスシート112a、及びワークフロー出力114aを含むが、それに限定されない。本発明の実施形態は、こうしたデータをこうしたデータ構造(複数可)に記憶し、こうしたデータ構造(複数可)からこうしたデータを読出す。