(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6339622
(24)【登録日】2018年5月18日
(45)【発行日】2018年6月6日
(54)【発明の名称】可搬遠隔制御装置のためのループアンテナ
(51)【国際特許分類】
H01Q 7/00 20060101AFI20180528BHJP
H01Q 1/38 20060101ALI20180528BHJP
H04B 1/3827 20150101ALI20180528BHJP
【FI】
H01Q7/00
H01Q1/38
H04B1/3827 110
【請求項の数】9
【外国語出願】
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-99177(P2016-99177)
(22)【出願日】2016年5月18日
(65)【公開番号】特開2016-220205(P2016-220205A)
(43)【公開日】2016年12月22日
【審査請求日】2016年7月13日
(31)【優先権主張番号】14/714,963
(32)【優先日】2015年5月18日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】599094510
【氏名又は名称】リア・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】Lear Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100114915
【弁理士】
【氏名又は名称】三村 治彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120363
【弁理士】
【氏名又は名称】久保田 智樹
(74)【代理人】
【識別番号】100125139
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 洋
(72)【発明者】
【氏名】リヤド ガブラ
(72)【発明者】
【氏名】チャディ シャヤ
(72)【発明者】
【氏名】フランク ブチナ
【審査官】
佐藤 当秀
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−109609(JP,A)
【文献】
特開2009−290267(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0148573(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/12
H01Q 1/38
H01Q 7/00
H04B 1/3827
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1及び第2の外面を有する印刷回路基板(PCB)と、
前記PCBの前記第1の面の印刷金属トレースの形態の第1のループアンテナ部であって、前記第1のループアンテナ部は第1及び第2の端部を有する、第1のループアンテナ部と、
前記PCBの前記第2の面の立設金属壁の形態の第2のループアンテナ部であって、前記第2のループアンテナ部は第1及び第2の端部を有し、前記第2のループアンテナ部の前記第1及び第2の端部の間の前記立設金属壁の少なくとも第1の部分は、前記PCBの前記第2の面に直接接触し、かつ前記PCBの前記第2の面から離れ出るように立設される、第2のループアンテナ部と
を備え、前記第1及び第2のループアンテナ部の前記第1の端部が前記PCBを介して接続され、前記第1及び第2のループアンテナ部の前記第2の端部が前記PCBを介して接続されることにより、前記第1及び第2のループアンテナ部が直列接続されて完全に閉じられたループアンテナを形成する、フォブ。
【請求項2】
前記第2のループアンテナ部が前記PCBに垂直である、請求項1に記載のフォブ。
【請求項3】
前記第1のループアンテナ部が前記PCBに平行な平面上で前記ループアンテナの周縁の第1の部分を形成し、前記第2のループアンテナ部が前記PCBに平行な前記平面上に投影された前記ループアンテナの前記周縁の第2の部分を形成し、前記第1及び第2のループアンテナ部によって形成された前記ループアンテナの前記周縁の前記第1及び第2の部分が相互に対応して前記ループアンテナの完全に閉じられた周縁を形成する、請求項1に記載のフォブ。
【請求項4】
前記第2のループアンテナ部の前記第1及び第2の端部の間の前記立設金属壁の第2の部分は前記PCBの前記第2の面から離れ出るように立設され、前記立設金属壁の前記第2の部分と前記PCBの前記第2の面との間に隙間がある、請求項1に記載のフォブ。
【請求項5】
前記PCBの前記第1の面が、前記第1の面上に、前記PCBの前記第1の面上の印刷金属トレースの形態でループアンテナを収容するには前記PCBの前記第1の面の表面領域が充分とはならないような、構成部材を含む、請求項1に記載のフォブ。
【請求項6】
前記PCBの前記第1の面が、立設金属壁の形態のループアンテナ部が前記PCBの前記第1の面上に存在することを可能とするには不充分な量のクリアランスを有する、請求項1に記載のフォブ。
【請求項7】
前記PCBの前記第1及び第2の面間において前記PCB内に配置されたグランド層をさらに備え、
グランド層のいずれも、前記第1及び第2のループアンテナ部によって形成された前記ループアンテナのループ領域内に介在しない、請求項1に記載のフォブ。
【請求項8】
基地局と、
第1及び第2の外面を有する印刷回路基板(PCB)、前記PCBの前記第1の面の印刷金属トレースの形態の第1のループアンテナ部、及び前記PCBの前記第2の面の立設金属壁の形態の第2のループアンテナ部を含む可搬遠隔制御装置であって、前記第1のループアンテナ部は第1及び第2の端部を含み、前記第2のループアンテナ部は第1及び第2の端部を含み、前記第2のループアンテナ部の前記第1及び第2の端部の間の前記立設金属壁の少なくとも第1の部分は、前記PCBの前記第2の面に直接接触し、かつ前記PCBの前記第2の面から離れ出るように立設され、前記第1及び第2のループアンテナ部の前記第1の端部が前記PCBを介して接続され、前記第1及び第2のループアンテナ部の前記第2の端部が前記PCBを介して接続されることにより、前記第1及び第2のループアンテナ部が直列接続されて完全に閉じられたループアンテナを形成する、可搬遠隔制御装置と
を備え、前記可搬遠隔制御装置が、前記ループアンテナを介して前記基地局と無線で通信するように構成された、システム。
【請求項9】
前記システムがリモート・キーレス・エントリ(RKE)システムである、請求項8に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、可搬遠隔制御装置のアンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
可搬遠隔制御装置は無線通信のためのアンテナを含むことがある。キーフォブ(フォブ(fob))は、そのような可搬遠隔制御装置の一例である。リモート・キーレス・エントリ(RKE)システムは、フォブ及び基地局を含む。フォブはユーザによって携帯され、基地局はターゲットにある。フォブは、そのアンテナを介して基地局と無線で通信してターゲットを遠隔制御する。
【0003】
フォブなどの可搬遠隔制御装置のアンテナの要件は、実装上の制約を満たしつつも満足な性能を提供することを含む。
【発明の概要】
【0004】
フォブなどの遠隔制御装置は、第1及び第2の外面を有する印刷回路基板(PCB)、PCBの第1の面の第1のループアンテナ部、及びPCBの第2の面の第2のループアンテナ部を含む。ループアンテナ部は、互いに異なる形態のものであり、相互に結合されてループアンテナを形成する。
【0005】
第1のループアンテナ部はPCBの第1の面上の印刷金属トレースの形態であればよく、第2のループアンテナ部はPCBの第2の面上の立設(raised)金属構造体の形態であればよい。この場合、第1のループアンテナ部はPCBに平行な面にあり、第2のループアンテナ部はPCBに垂直な面にある。第1のループアンテナ部はループアンテナの周縁の一部分を形成し、第2のループアンテナ部はループアンテナの周縁の残余部分を形成する。第1及び第2のループアンテナ部によって形成されたループアンテナの周縁の上記部分は、相互に対応してループアンテナの完全に閉じられた周縁を形成する。
【0006】
第1のループアンテナ部は第1及び第2の端部を含み、第2のループアンテナ部は第1及び第2の端部を含む。ループアンテナ部の第1の端部が相互に接続されるとともにループアンテナ部の第2の端部が相互に接続されてループアンテナを形成する。
【0007】
第2のループアンテナ部は、第2のループアンテナ部の第1及び第2の端部間に本体部をさらに含む。第2のループアンテナ部の第1及び第2の端部がPCBの第2の面に取り付けられ、第2のループアンテナ部の本体部が、第2のループアンテナ部の本体部とPCBの第2の面との間に隙間がある状態で、PCBの第2の面から離れて立設されている。
【0008】
PCBの第1の面はその面上に、PCBの第1の面上の印刷金属トレースの形態で全ループアンテナを収容するにはPCBの第1の面の表面領域が充分とはならないように、構成部材を含んでいてもよい。
【0009】
PCBの第1の面は、立設金属構造体の形態のループアンテナ部をPCBの第1の面上に収容することを可能とするには不充分な量のクリアランスを有し得る。
【0010】
PCBの第1及び第2の面間においてPCB内に配置されたグランド層が配置されていてもよい。グランド層は、ループアンテナ部によって形成されたループアンテナのループ領域内にグランド層が介在しないように配置される。
【0011】
他の遠隔制御装置は、PCBの第1の面上の印刷金属トレースの形態の第1のループアンテナ部、及びPCBの第2の面上の立設金属構造体の形態の第2のループアンテナ部を含む。ループアンテナ部は、PCBを介して相互に接続されてループアンテナを形成する。
【0012】
他の遠隔制御装置は、PCBの第1の面上の立設金属構造体の形態の第1のループアンテナ部、及びPCBの第2の面上の立設金属構造体の形態の第2のループアンテナ部を含む。ループアンテナ部は、相互に接続されてループアンテナを形成する。
【0013】
リモート・キーレス・エントリ(RKE)などのシステムは、基地局及び可搬遠隔制御装置を含む。可搬遠隔制御装置は、第1及び第2の外面を有するPCB、PCBの第1の面の第1のループアンテナ部並びにPCBの第2の面の第2のループアンテナ部を含む。ループアンテナ部が互いに異なる形態のものであり、相互に接続されてループアンテナを形成する。可搬遠隔制御装置が、ループアンテナを介して基地局と無線で通信するように構成される。
【0014】
可搬遠隔制御装置は、ループアンテナを介して基地局と遠隔エンジン始動及び/又は停止制御機能を無線で通信するように構成されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、可搬遠隔制御装置を有する例示の無線遠隔制御システムのブロック図を示す。
【
図2A】
図2Aは、遠隔制御装置の印刷回路基板(PCB)の上面の模式図を示し、PCBの上面には印刷金属トレースの形態のループアンテナ部がある。
【
図2B】
図2Bは、PCBの下面の模式図を示し、PCBの下面には立設金属構造体の形態の対応のループアンテナ部がある。
【
図2D】
図2Dは、PCBの上面と下面の間のPCBの中間面の模式図を示し、PCBの中間面にはグランド層がある。
【
図2E】
図2Eは、PCBの上面、中間面及び下面の重ね図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の詳細な実施形態がここに開示されるが、開示される実施形態は、種々の代替の形態で具現され得る発明の単なる例示であることが理解される。図面は必ずしも寸法通りではなく、構成によっては誇張又は最小化されて特定の構成部材の詳細を示すこともある。したがって、ここに開示される具体的な構造的及び機能的な詳細は、限定としてではなく、単に、本発明を様々に採用するように当業者を教示するための代表的な基礎として解釈されるべきである。
【0017】
ここで
図1に、例示の無線遠隔制御システム10のブロック図を示す。システム10は、可搬遠隔制御装置12及び基地局14を含む。遠隔制御装置12は、ユーザに携帯されるために可搬(ポータブル)である。遠隔制御装置12は、キーフォブ(フォブ(fob))、スマートフォン、タブレット、スマートウォッチのようなウェアラブル装置などであればよい。基地局14はターゲット16にある。基地局14は、ターゲット16の機能を制御することができるように構成される。ターゲット16は、乗り物、家、車庫、門、建造物、ドア、照明システムなどであればよい。遠隔制御装置12及び基地局14は、電磁(例えば、無線周波数(RF))信号を相互に無線で送信/受信して遠隔制御装置が基地局を介してターゲット16を遠隔制御することができるように動作可能である。
【0018】
遠隔制御装置12は、遠隔制御装置が信号を基地局14に対して無線で送信/受信してターゲットを遠隔制御するアンテナ18を含む。基地局14も対応のアンテナ(不図示)を含む。
【0019】
無線遠隔制御システム10の一例は、リモート・キーレス・エントリ(RKE)システムでのその使用である。RKEシステムでは、例えば、遠隔制御装置12はユーザに携帯されるフォブの形態を有し、ターゲット16は車両である。RKE機能は、フォブ12がユーザによるフォブのボタンなどの作動に応じて車両の種々の機能を遠隔制御することを可能とする。一例として、基地局14は、フォブ12からの車両ドア開錠コマンドを受信すると、車両ドアを開錠する。フォブ12は、フォブの対応のユーザ作動に応じて車両ドア開錠コマンドを基地局14に送信する。
【0020】
RKEシステムの他の制御機能は、二方向遠隔エンジン始動/停止制御機能を含む。二方向遠隔エンジン始動制御機能について、フォブ12は、ユーザによるフォブの適切なボタンの作動に応じてエンジン始動コマンドを送信する。すると、基地局14は、車両のエンジンを始動し、エンジン始動状態アップデートをフォブ12に送信する。フォブ12のユーザは、エンジン始動状態アップデートから、エンジンが始動したことを知る。二方向遠隔エンジン停止制御機能は、エンジンを停止してそれをユーザに通知するように同様に動作する。上述したように、二方向遠隔エンジン始動/停止制御機能は、フォブ及び基地局の双方が信号を相互に送信/受信するようにフォブ12と基地局14の間の「二方向」通信を伴う。
【0021】
望まれる点は、二方向遠隔エンジン始動/停止制御機能を実行するために、フォブ12が500メートル以上のオーダの通信範囲を有することである。すなわち、フォブ12は、フォブが基地局から通信範囲内のどこにある場合でも二方向遠隔エンジン始動/停止制御機能を実行するために基地局14と通信できる必要がある。したがって、フォブ12のアンテナ18は、アンテナが満足な放射性能(例えば、利得、指向性など)を与え、フォブが所望の通信範囲で基地局と通信する電気的要件(例えば、電力消費、効率、FCC動作規制など)を満たす構成を有しているべきである。
【0022】
問題は、アンテナ18も実装上の制約を受けることである。実装上の制約は、アンテナ18がフォブ12の比較的小さな実装スペース内に入ることを要する。実装上の制約はまた、アンテナ18が、フォブ12の他の構成部材を有する印刷回路基板(PCB)の限られた表面積しか占めないことを要する。
【0023】
標準的なRKEシステムでは、フォブ12及び基地局14は、超高周波(UHF)帯域で信号を通信する。例えば、UHF動作周波数範囲は、300MHzから1GHzの動作範囲及び315MHzの動作周波数を含む300MHzから3GHzの間にある。
【0024】
したがって、フォブ12のアンテナ18は、上記の実装上の制約及び選択されたUHF動作周波数に対応付けられる比較的長い波長のために、電気的に短い。アンテナ18が実装上の制約を満たすように短くなるにつれて、アンテナの効率及びインピーダンスは悪くなるとともに管理が難しくなる。そのような制限的な構成は、フォブ12の所望の通信範囲の達成をこれまで困難としてきた放射効率の減少に起因するアンテナ損失をもたらし得る。
【0025】
本開示によるフォブなどの可搬遠隔制御装置は、アンテナが上記の実装上の制約を満たしつつ満足な放射性能を与えて電気的要件を満たす構成においてループアンテナを含む。このように、本開示による可搬遠隔制御装置は、二方向遠隔エンジン始動/停止制御機能などの制御機能を実行するための所望の通信範囲(例えば、500メートル以上のオーダ)で基地局と通信することができる。
【0026】
ここで
図2A、2B、2C、2D及び2Eを参照して、本開示によるフォブなどの可搬遠隔制御装置20を説明する。遠隔制御装置20は、PCB22及びループアンテナ24を含む。ループアンテナ24は、第1のループアンテナ部26及び第2のループアンテナ部28を含む。第1及び第2のループアンテナ部26及び28は、ともにループアンテナ部24を構成する。すなわち、第1及び第2のループアンテナ部26及び28は、相互に直列接続されてループアンテナ24を形成する。第1のループアンテナ部26はPCB22の一方の面(例えば、上面30)に対応付けられ、第2のループアンテナ部28はPCBの反対側の面(例えば、下面32)に対応付けられる。
【0027】
図2Aは、PCB22の上面30の模式図を示す。第1のループアンテナ部26は、PCB22の上面30の印刷金属トレースの形態である。したがって、第1のループアンテナ部26を形成するトレースは、PCB22に平行な平面にある。トレースは、PCB22の一部として作製される。トレースは、第1及び第2の端部34及び36とその間に延在する本体部38とを含む。これにより、
図2Aに示すように、トレースは、PCB22に平行な平面でループアンテナ24の周縁の一部分を形成する。
【0028】
図2B及び2Cは、PCB22の下面32の模式図及び斜視図をそれぞれ示す。第2のループアンテナ部28は、PCB22の下面32の立設(raised)金属構造体の形態である。第2のループアンテナ部28を形成する立設構造体は、PCB22の下面32から離れて延出する。例えば、立設構造体は、PCB22の下面32から離れて垂直に延出する。したがって、立設構造体はPCB22に略垂直な面にある。
【0029】
第2のループアンテナ部28を形成する立設構造体は、第1及び第2の端部40及び42とその間に延在する本体部44とを含む。立設構造体の第1及び第2の端部40及び42は、PCB22の下面32に取り付けられる。立設構造体の本体部44は、PCB22の下面32から離れて立設される。
図2Bに示すように、これにより、立設構造体は、PCB22に平行な平面上に突出したループアンテナ24の周縁の残余部分を形成する。
【0030】
立設構造体の本体部44がPCB22の下面32から離れて立設されているので、隙間46が立設構造体の本体部44とPCB22の下面32との間にある。所望であれば(例えば、調整を可能とするために)、立設構造体の本体部44の任意の部分がPCB22の下面32に取り付けられてもよい。例えば、
図2Cに示すように、立設構造体の本体部44の中央部分48がPCB22の下面32に取り付けられる。
【0031】
第1のループアンテナ部26の第1の端部34と第2のループアンテナ部28の第1の端部40とは、PCB22を介して(例えば、PCBを貫通するビアを介して)相互に電気的に接続される。第1のループアンテナ部26の第2の端部36と第2のループアンテナ部28の第2の端部42とは、PCBを介して(例えば、PCBを貫通する他のビアを介して)相互に電気的に接続される。このように、第1及び第2のループアンテナ部26及び28は直列に接続され、それによりループアンテナ24を形成する。
【0032】
特に、第1のループアンテナ部26は(
図2Aに示すように)PCB22に平行な平面上でループアンテナ24の周縁の一部分を形成し、第2のループアンテナ部28は(
図2Bに示すように)PCB22に平行な平面上に突出したループアンテナの周縁の残余部分を形成する。第1及び第2のループアンテナ部26及び28によって形成されるループアンテナ24の周縁の両部分は(
図2Eに示すように)相互に対応してループアンテナ24の完全に閉じられた周縁を形成する。ループアンテナ24のループ領域は、ループアンテナ24の周縁内の領域である。
【0033】
図2A、2B及び2Cに示すように、PCB22は、遠隔制御装置の構成部材を含む。構成部材は、例えば、プロセッサ回路、送受信機回路、発光ダイオード(LED)、スイッチ及びバッテリを含む。例えば、
図2Aに示すように、PCB22の上面30は、プロセッサ回路及び送受信機回路のための電子チップ、LED並びにスイッチを含む構成部材を収容する。この構成部材は、全般に符号54で指定される。これに対応して、
図2B及び2Cに示すように、PCB22の下面32は、バッテリを含む構成部材を収容する。この構成部材は、全般に符号56で指定される。
【0034】
図2Aに示すように、構成部材54は、PCB22の上面30の比較的大きな表面領域を占める。結果として、印刷トレースの形態での完全なループアンテナをPCB22の上面30上に収容することはできない。PCB22の上面30の残余の表面領域は、印刷トレースを全ループレイアウトに展開してPCBの上面にループアンテナを完全に形成するには充分に広くない。したがって、本開示によると、完全なループアンテナの一部のみ(すなわち、第1のループアンテナ部26のみ)がPCB22の上面30にある。
図2Aに示すように、構成部材54に占められていないPCB22の上面30の残余の表面領域は、第1のループアンテナ部26が展開するのに充分に広い。
【0035】
一変形例では、ループアンテナ構成部材を含む構成部材を収容するためのPCB22の上面30上の高さは厳密に制限される。結果として、PCB22の上面30上の利用可能な高さは、立設構造体の形態を有するループアンテナ部を収容するには充分に高くない。したがって、立設構造体はPCB22の上面30の最小表面領域を占めることになるが、印刷トレースは、実質的に平坦でPCBの上面の利用可能な表面領域内に入るので、PCBの上面の第1のループアンテナ部26として使用される。
【0036】
一方、同変形例では、ループアンテナ構成部材を含む構成部材を収容するために、PCB22の下面32上の比較的大きな高さが利用可能となる。したがって、第2のループアンテナ部28は、トレースと反対側の立設構造体の形態となる。PCB22の下面32の第2のループアンテナ部28を形成する立設構造体は、ループアンテナ24を形成するPCBの上面30の第1のループアンテナ部26を形成する印刷トレースとの組合せにおいて、PCBのそれぞれの面の対応する一対の印刷トレースによって形成された場合のループアンテナよりも良いアンテナ性能を与える。
【0037】
ループアンテナ構成部材を含む構成部材を収容するためのPCB22の上面30上の高さが制限されない他の変形例では、第1のループアンテナ部26を形成する印刷トレースが第2の立設構造体に置き換えられてもよい。
【0038】
図2Dは、PCB22の中間面50の模式図を示す。PCB22の中間面50は、PCBの上面30と下面32の間においてPCBの内部にある。グランド層52はPCB22の中間面50上にある。
図2Dに示すように、グランド層52は、中間面50の表面領域の一部を覆う。グランド層52は、PCB22の上面30の第1のループアンテナ部26とPCBの下面32の第2のループアンテナ部28との間に挟まれる中間面50の表面領域上には配置されない。結果として、第1のループアンテナ部26と第2のループアンテナ部28の間にグランド面はない。また、中間面50のグランド層52は、グランド層と、第1及び第2のループアンテナ部26及び28間に介在する中間面の表面領域に隣接する中間面50の表面領域との間にスペースができるように配置される。
【0039】
図2Eは、PCB22の上面30、中間面50及び下面32の重ね図を示す。
図2Eの重ね図は、ループアンテナ24及びグランド層52の配置を強調する簡略化された図である。図示するように、ループアンテナ24は、相互に直列接続された第1のループアンテナ部26及び第2のループアンテナ部28からなる。特に、第1及び第2のループアンテナ部26及び28のそれぞれ第1の端部34及び40はPCBを介して相互に電気的に接続され、第1及び第2のループアンテナ部のそれぞれ第2の端部36及び42はPCBを介して相互に電気的に接続される。第1及び第2のループアンテナ部26及び28は、
図2Eに示すように、相互に積層されたループアンテナ部(例えば、PCBに平行な平面上の第1のループアンテナ部26(
図2A参照)及びPCBに平行な平面上に突出した第2のループアンテナ部28(
図2B参照))がループアンテナ24を形成するように、PCB22の上面及び下面30及び32のそれぞれの位置にある。
【0040】
図2Eにさらに示すように、グランド層52には第1のループアンテナ部26と第2のループアンテナ部28の間に介在する部分がない。グランド層52は、第1及び第2のループアンテナ部26及び28によって形成されるループアンテナ24のループから全体として離隔されている。
【0041】
上述したように、本開示による可搬遠隔制御装置は、第1及び第2のループアンテナ部の組合せによって形成されたループアンテナを含む。第1のループアンテナ部はPCBの上面及び下面の一方(例えば、上面)に対応付けられ、第2のループアンテナ部はPCBの上面及び下面の他方(例えば、下面)に対応付けられる。第1のループアンテナ部は、PCBの上面の印刷金属トレースの形態である。第2のループアンテナ部は、PCBの下面から立ち上がる固い金属構造体の形態である。立設構造体の本体部とPCBの下面との間には隙間がある。PCBは、ループと交差する実質的なグランドがないように、かついずれかのループアンテナ部に近いグランド平面がないように設計される。
【0042】
本開示によって対処された問題は、PCB上の非常に制限されたスペースにループアンテナを形成する能力である。本開示によるループアンテナは、この問題を、PCBのそれぞれの面上の第1及び第2のループアンテナ部の組合せによって形成されていることによって解決する。
【0043】
第1及び第2のループアンテナ部によって形成されるループアンテナは、要求範囲が500メートルのオーダとなる広域二方向遠隔エンジン始動/停止アプリケーションにおける使用のための小型UHFアンテナとなり得る。限られた利用可能なスペースにもかかわらず、そのループアンテナは、要求範囲を実現するのに充分なループ領域を有する。
【0044】
一般に、ループアンテナは、特定の最小(好ましくは最適)ループ領域を有して最小要求アンテナ利得及びパターンを実現すべきである。ループ領域が狭すぎる場合には、充分な利得とはならない。ループ領域が広すぎる場合には、ループを共振させるのに必要な容量値が非現実的に低くなるので共振させることができなくなる。本開示によるループアンテナは、これらの要因を考慮して要求範囲を実現する。
【0045】
例示の実施形態を上述したが、これらの実施形態は本発明の全ての可能な形態を記載するものではない。逆に、明細書で使用される文言は限定ではなく説明の文言であり、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく種々の変化がなされ得ることが理解される。さらに、種々の実施による実施形態の構成は、本発明の更なる実施形態を形成するように組み合わせられ得る。