特許第6339660号(P6339660)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6339660回転可能な部品取付けのためのヒンジ機構
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6339660
(24)【登録日】2018年5月18日
(45)【発行日】2018年6月6日
(54)【発明の名称】回転可能な部品取付けのためのヒンジ機構
(51)【国際特許分類】
   F16C 11/04 20060101AFI20180528BHJP
   F16C 11/10 20060101ALI20180528BHJP
   H05K 5/02 20060101ALI20180528BHJP
   G06F 1/16 20060101ALI20180528BHJP
【FI】
   F16C11/04 F
   F16C11/10 D
   H05K5/02 B
   G06F1/16 312F
【請求項の数】19
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2016-505516(P2016-505516)
(86)(22)【出願日】2014年3月24日
(65)【公表番号】特表2016-516952(P2016-516952A)
(43)【公表日】2016年6月9日
(86)【国際出願番号】US2014031531
(87)【国際公開番号】WO2014160620
(87)【国際公開日】20141002
【審査請求日】2017年3月8日
(31)【優先権主張番号】13/852,848
(32)【優先日】2013年3月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】314015767
【氏名又は名称】マイクロソフト テクノロジー ライセンシング,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】シディキ,カビール
【審査官】 渡邊 義之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−258774(JP,A)
【文献】 特開2012−182456(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3180297(JP,U)
【文献】 特開2007−279577(JP,A)
【文献】 特開2010−109589(JP,A)
【文献】 特開2009−222079(JP,A)
【文献】 特開2009−232326(JP,A)
【文献】 米国特許第3849834(US,A)
【文献】 特開2005−84255(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16C 11/00− 11/12
G06F 1/00
G06F 1/16− 1/18
H05K 5/00− 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ装置の背面に回転可能に取り付けられるように構成されたスタンドと;
該スタンドの一部を前記コンピュータ装置の背面に取り付ける少なくとも1つのヒンジであって、該ヒンジは、2つ以上の予め設定された開位置に保持されるように構成され、それによって、前記スタンドは、前記2つ以上の予め設定された開位置に従って前記コンピュータ装置に対して位置付け可能にされる、ヒンジと;を備えており、
前記ヒンジは、
前記スタンドに取り付けられ且つ前記スタンドと連動して回転可能であるヒンジリングと、
ヒンジリングフォロアであって、圧力を前記ヒンジリングに対して加えて前記ヒンジリングフォロアを前記ヒンジリングの表面上の1つ又は複数の切欠きに係合させ、前記ヒンジリングを前記2つ以上の予め設定された開位置のうちの予め設定された開位置に保持する、ヒンジリングフォロアと、
該ヒンジリングフォロアに対して位置付けされ且つ圧力を前記ヒンジリングフォロアに加えて、前記ヒンジリングフォロアによって圧力を前記ヒンジリングに加える、バネと、を含む、
機器。
【請求項2】
前記ヒンジは:
ヒンジフレームと;
該ヒンジフレーム内で少なくとも部分的に回転可能に配置されたリング支持体と;をさらに含み、
前記ヒンジリングは、前記リング支持体に対して回転可能に配置されており、それによって、前記リング支持体に対する特定の位置に前記ヒンジリングを回転することにより、前記ヒンジリングが、前記リング支持体と係合し、且つ前記ヒンジリングを前記特定の位置を越えて更に回転することにより、前記ヒンジフレームに対する前記リング支持体の対応する回転を生じさせる、
請求項1に記載の機器。
【請求項3】
前記ヒンジリングは、前記リング支持体内に少なくとも部分的に回転可能に配置される、
請求項2に記載の機器。
【請求項4】
前記ヒンジリングフォロアは、圧力を前記ヒンジリングの表面の切欠きに加えて、該ヒンジリングを前記2つ以上の予め設定された開位置のうちの少なくともいくつかに保持する、
請求項2に記載の機器。
【請求項5】
前記ヒンジは、圧力を前記リング支持体に加えて、該リング支持体を前記2つ以上の予め設定された開位置のうちの少なくともいくつかに保持するためのリング支持体フォロアを含む、
請求項2に記載の機器。
【請求項6】
前記ヒンジは、圧力を前記リング支持体に加えて、該リング支持体を前記2つ以上の予め設定された開位置のうちの他の位置に保持するためのリング支持体フォロアを含む、
請求項2に記載の機器。
【請求項7】
前記2つ以上の予め設定された開位置のうちの1つは、前記コンピュータ装置の背面に対して前記スタンドの180°回転に対応する、
請求項1に記載の機器。
【請求項8】
ヒンジフレームと;
該ヒンジフレーム内に少なくとも部分的に回転可能に配置されたヒンジリングであって、該ヒンジリングは、1つ又は複数の切欠きを含み、且つ部品に取り付け可能であり、前記ヒンジフレームに対して前記部品の回転を可能にする、ヒンジリングと、
前記ヒンジフレーム内に配置されるヒンジリングフォロア及びヒンジリングバネであって、該ヒンジリングバネは、圧力を前記ヒンジリングフォロアに加えて、それにより、前記ヒンジリングフォロアが前記ヒンジリングに対して押圧し、且つ前記ヒンジリングを前記ヒンジフレームに対して開位置に回転させたときに、前記ヒンジリングフォロアが前記ヒンジリングの前記1つ又は複数の切欠き内に圧力を加え、前記ヒンジリングがヒンジの1つ又は複数の予め設定された開位置を取るようにさせる、ヒンジリングフォロア及びヒンジリングバネと、を備え、
前記ヒンジは、コンピュータ装置に取り付けられており、
前記部品は、隣接面に対して前記コンピュータ装置の複数の姿勢を支持するように前記ヒンジを介して回転可能であるスタンドを含む、
ヒンジ。
【請求項9】
前記ヒンジフレーム内に少なくとも部分的に回転可能に配置されたリング支持体をさらに含み、
前記ヒンジリングは、前記リング支持体内で少なくとも部分的に回転可能に配置されており、それによって、前記リング支持体に対する特定の位置に前記ヒンジリングを回転することにより、前記ヒンジリングが前記リング支持体と係合し、且つ前記ヒンジリングを前記特定の位置を越えた開方向に更に回転することにより、前記ヒンジフレームに対する前記リング支持体の対応する回転を生じさせ、前記リング支持体が前記ヒンジの1つ又は複数の予め設定された他の開位置を取るようにさせる、
請求項8に記載のヒンジ。
【請求項10】
前記ヒンジは、コンピュータ装置に取り付けられており、
前記部品は、隣接面に対して前記コンピュータ装置の複数の姿勢を支持するように前記ヒンジを介して回転可能であるスタンドを含み、
前記複数の姿勢のうちの少なくともいくつかは、前記ヒンジの1つ又は複数の予め設定された開位置に対応する、
請求項8に記載のヒンジ。
【請求項11】
コンピュータ装置であって、当該コンピュータ装置は:
ハウジングと;
該ハウジング及びスタンドに取り付けられた少なくとも1つのヒンジであって、前記スタンドは、前記ヒンジを介して予め設定された位置に位置付け可能であり、隣接面に対して前記コンピュータ装置の複数の姿勢をサポートする、ヒンジと;を備えており、
該ヒンジは:
ヒンジフレームと;
該ヒンジフレーム内で少なくとも部分的に回転可能に配置されたヒンジリングであって、該ヒンジリングは、1つ又は複数の切欠きを含み、且つ前記スタンドに取り付けられており、それによって前記スタンドは、前記ハウジングに対して回転可能である、ヒンジリングと;
前記ヒンジフレーム内に配置されるヒンジリングフォロア及びヒンジリングバネであって、該ヒンジリングバネは、圧力を前記ヒンジリングフォロアに加えて、それにより、前記ヒンジリングフォロアが前記ヒンジリングに対して押圧し、且つ前記ヒンジリングを前記ヒンジフレームに対して開位置に回転させたときに、前記ヒンジリングフォロアが前記ヒンジリングの1つ又は複数の切欠き内に対して係合し、前記ヒンジリングが前記ヒンジの1つ又は複数の予め設定された開位置を取るようにさせる、ヒンジリングフォロア及びヒンジリングバネと;
を含む、
コンピュータ装置。
【請求項12】
前記ヒンジフレーム内に少なくとも部分的に回転可能に配置されたリング支持体をさらに含み、
前記ヒンジリングは、前記リング支持体内で少なくとも部分的に回転可能に配置されており、それによって、前記リング支持体に対する特定の位置に前記ヒンジリングを回転することにより、前記ヒンジリングが前記リング支持体と係合し、且つ前記ヒンジリングを前記特定の位置を越えて更に回転することにより、前記ヒンジフレームに対する前記リング支持体の対応する回転を生じさせ、前記リング支持体が前記ヒンジの1つ又は複数の予め設定された他の開位置を取るようにさせる、
請求項11に記載のコンピュータ装置。
【請求項13】
前記1つ又は複数の予め設定された開位置は、前記ハウジングに対する前記スタンドの180°回転を含む、
請求項11に記載のコンピュータ装置。
【請求項14】
前記ヒンジフレーム内に少なくとも部分的に回転可能に配置されたリング支持体であって、前記ヒンジリングは、前記リング支持体内で少なくとも部分的に回転可能に配置されており、それによって、前記リング支持体に対する特定の位置に前記ヒンジリングを回転することにより、前記ヒンジリングが前記リング支持体と係合し、且つ前記ヒンジリングを前記特定の位置を越えて更に回転することにより、前記ヒンジフレームに対する前記リング支持体の対応する回転を生じさせ、前記リング支持体が前記ヒンジの1つ又は複数の予め設定された他の開位置を取るようにさせる、リング支持体と、
圧力を前記リング支持体に加えて、該リング支持体を前記1つ又は複数の予め設定された他の開位置に保持するためのリング支持体フォロアと、をさらに含む、
請求項8に記載のヒンジ。
【請求項15】
圧力を前記リング支持体フォロアに加えて、該リング支持体フォロアによって圧力を前記リング支持体に加えるのを可能にするためのリング支持体バネをさらに含む、
請求項14に記載のヒンジ。
【請求項16】
前記ヒンジフレーム内に少なくとも部分的に回転可能に配置されたリング支持体であって、前記ヒンジリングは、前記リング支持体内で少なくとも部分的に回転可能に配置されており、それによって、前記リング支持体に対する特定の位置に前記ヒンジリングを回転することにより、前記ヒンジリングが前記リング支持体と係合し、且つ前記ヒンジリングを前記特定の位置を越えて更に回転することにより、前記ヒンジフレームに対する前記リング支持体の対応する回転を生じさせ、前記リング支持体が前記ヒンジの1つ又は複数の予め設定された他の開位置を取るようにさせる、リング支持体と、
圧力を前記リング支持体に加えて、該リング支持体を前記1つ又は複数の予め設定された他の開位置に保持するためのリング支持体フォロアと、をさらに含む、
請求項11に記載のコンピュータ装置。
【請求項17】
前記ヒンジは、圧力を前記リング支持体フォロアに加えて、該リング支持体フォロアによって圧力を前記リング支持体に加えるのを可能にするためのリング支持体バネをさらに含む、
請求項16に記載のコンピュータ装置。
【請求項18】
前記ヒンジリングは、前記スタンドに直接的に取り付けられたヒンジ取付け部分を含む、
請求項1に記載の機器。
【請求項19】
前記ヒンジリングは、前記スタンドの本体に直接的に取り付けられたヒンジ取付け部分を含む、
請求項11に記載のコンピュータ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転可能な部品取付けのためのヒンジ機構に関する。
【背景技術】
【0002】
モバイルコンピュータ装置は、モバイル設定においてユーザが利用可能な機能を高めるために開発されてきた。例えば、ユーザは、電子メールをチェックし、ネットサーフィンをし、文章を構成し、アプリケーションと対話等するために、携帯電話、タブレットコンピュータ、又は他のモバイルコンピュータ装置と対話することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、モバイルコンピュータ装置は、可動性を有するように構成されるので、この装置は、典型的には、ハンドヘルド方式で使用されるように設計される。(例えば、テーブル又は他の表面での)他の用途にモバイル装置を適応させる典型的な方法は、扱い難く、モバイル装置に関連するモバイル審美性を損なうきらいがある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この発明の概要は、以下の詳細な説明でさらに説明する、簡略化した形式の概念の選択を紹介するために提供される。この発明の概要は、特許請求の範囲に記載される主題の重要な特徴又は本質的な特徴を特定することを意図しておらず、ましてや特許請求の範囲に記載される主題の範囲を決定する際の助けに使用することを意図していない。
【0005】
回転可能な部品取付け用のヒンジ機構について説明する。少なくともいくつかの実装形態では、このヒンジ機構によって、支持部品を、コンピュータ装置等の機器に調整可能に取り付けることが可能になる。例えば、ヒンジ機構を用いて、スタンドをモバイルコンピュータ装置に回転可能に取り付けることができる。ヒンジ機構を介して様々な位置にスタンドを回転して、コンピュータ装置の様々な姿勢の支持を提供することができる。例えば、コンピュータ装置をタイピング姿勢に支持するようにスタンドを位置付けることができ、それによって、関連する入力装置を介して入力を提供することができる。別の例として、縦長(portrait)表示姿勢等の、視聴及び/又はコンピュータ装置との相互作用を可能にするようにスタンドを位置付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】1つ以上の実施形態に従った、本明細書で説明する技術を動作可能に用いるような、実装例の環境を示す図である。
図2図1の入力装置の実装例を示す図であり、1つ以上の実施形態に従った可撓性ヒンジをより詳細に示す。
図3】1つ以上の実施形態に従った、コンピュータ装置の表示装置を覆うような、コンピュータ装置に関連する入力装置の姿勢の一例を示す図である。
図4】1つ以上の実施形態に従った、タイピング姿勢を想定するような、コンピュータ装置に関連する入力装置の姿勢の一例を示す図である。
図5】1つ以上の実施形態に従った、コンピュータ装置102のハウジング背面を覆うとともにコンピュータ装置の表示装置を露出させるような、コンピュータ装置に関連する入力装置の姿勢の一例を示す図である。
図6】コンピュータ装置の背面を覆うように構成された部分を含むような入力装置の姿勢の一例を示す図であり、この例では、コンピュータ装置の背面は、1つ以上の実施形態に従った、コンピュータ装置のスタンドを支持するために使用される。
図7】1つ以上の実施形態に従った、図6の部分を含む入力装置を使用して、コンピュータ装置の前面及び背面の両方を覆うような姿勢の一例を示す図である。
図8】1つ以上の実施形態に従ったスタンドを含むコンピュータ装置の姿勢の一例を示す図である。
図9】1つ以上の実施形態に従ったスタンドを含むコンピュータ装置の姿勢の一例を示す図である。
図10】1つ以上の実施形態に従ったスタンドを含むコンピュータ装置の姿勢の一例を示す図である。
図11】1つ以上の実施形態に従ったスタンドを含むコンピュータ装置の姿勢の一例の背面図である。
図12】1つ以上の実施形態に従ったスタンドの内面の一例を示す図である。
図13】1つ以上の実施形態に従ったスタンドを含むコンピュータ装置の分解図の一例を示す図である。
図14】1つ以上の実施形態に従った例示的なヒンジ機構の部品を示す図である。
図15】1つ以上の実施形態に従ったヒンジリングの断面図である。
図16】1つ以上の実施形態に従ったリング支持体の断面図である。
図17】1つ以上の実施形態に従ったコンピュータ装置の部分断面図である。
図18】1つ以上の実施形態に従った閉位置にあるヒンジの断面図である。
図19】1つ以上の実施形態に従った開位置にあるヒンジの断面図である。
図20】1つ以上の実施形態に従った第1の開位置にあるヒンジの断面図である。
図21】1つ以上の実施形態に従った第1の開位置にあるヒンジの上面図である。
図22】1つ以上の実施形態に従った第2の開位置にあるヒンジの断面図である。
図23】1つ以上の実施形態に従った第2の開位置にあるヒンジの断面図である。
図24】1つ以上の実施形態に従った第2の開位置にあるヒンジの上面図である。
図25】1つ以上の実施形態に従った第3の開位置にあるヒンジの断面図である。
図26】1つ以上の実施形態に従った第3の開位置にあるヒンジの断面図である。
図27】1つ以上の実施形態に従った第3の開位置にあるヒンジの上面図である。
図28】1つ以上の実施形態に従った第4の開位置にあるヒンジの断面図である。
図29】1つ以上の実施形態に従った第4の開位置にあるヒンジの断面図である。
図30】1つ以上の実施形態に従った第4の開位置にあるヒンジの上面図である。
図31】1つ以上の実施形態に従ったヒンジリング及びリング支持体の背面図である。
図32】1つ以上の実施形態に従ったヒンジリング及びリング支持体の背面図である。
図33】1つ以上の実施形態に従ったヒンジリング及びリング支持体の背面図である。
図34】1つ以上の実施形態に従ったヒンジリング及びリング支持体の背面図である。
図35】本明細書で説明する技術の実施形態を実現するために図1図34を参照して説明する任意の種類のコンピュータ装置として実装することができるような、例示的な装置の様々な部品を含む例示的なシステムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
詳細な説明について、添付の図面を参照して説明する。図面において、参照符号の左端の数字(複数可)は、その参照符号が最初に現れる図面を特定する。別の例では、詳細な説明及び図面における同じ参照符号の使用は、同様又は同じアイテムを示してもよい。図面に示されたエンティティは、1つ以上のエンティティを示してもよく、こうして、参照を、議論中の単一又は複数の形態のエンティティに対して交換可能に行うことができる。
【0008】
概説
種々の異なる装置をモバイルコンピュータ装置に物理的に取り付けて、様々な機能を提供することができる。例えば、装置は、コンピュータ装置を損傷から保護するために、このコンピュータ装置の少なくとも表示装置用のカバーを提供するように構成することができる。他の装置も、入力装置(例えば、トラックパッドを有するキーボード)等のモバイルコンピュータ装置に物理的に取り付けて、入力をコンピュータ装置に提供することができる。また、これらの装置の機能を組み合わせて、カバー及び入力装置の組合せを提供することができる。
【0009】
回転可能な部品取付け用のヒンジ機構について、説明する。少なくともいくつかの実装形態では、ヒンジ機構によって、支持部品を、コンピュータ装置等の機器に調整可能に取り付けることが可能になる。例えば、このヒンジ機構を使用して、スタンドをモバイルコンピュータ装置に回転可能に取り付けることができる。ヒンジ機構を介してスタンドを様々な位置に回転して、コンピュータ装置の異なる姿勢の支持を提供することができる。例えば、コンピュータ装置をタイピング姿勢に支持するようにスタンドを位置決めすることができ、それによって、関連する入力装置に介して入力を提供することができる。別の例として、縦長表示姿勢等でコンピュータ装置を視聴及び/又はコンピュータ装置との対話を可能にするようにスタンドを位置付けることができる。
【0010】
少なくともいくつかの実施形態では、ヒンジ機構は、スタンドを予め設定した異なる位置に配置するのを可能にするような予め設定されたヒンジ位置を使用する。また、例示的なヒンジ機構は、スタンド及びコンピュータ装置の当接するエッジ部同士の間の継ぎ目と一致するような回転中心を含む。こうして、スタンドは、閉位置にあるときに、コンピュータ装置の輪郭に一致することができ、次にスタンドを開いたときに、この継ぎ目を維持することができる。
【0011】
以下の議論では、本明細書で説明する技術を用いる例示的な環境について、最初に説明する。本明細書で説明する実施形態は、例示的な環境に限定されるものではなく、この例示的な環境は、本明細書で説明する実施形態に限定されるものではない。次に、例示的な装置の姿勢について、1つ以上の実施形態に従って説明する。これに続いて、例示的なスタンドについて、1つ以上の実施形態に従って説明する。次に、スタンド取付け用の例示的なヒンジについて、1つ以上の実施形態に従って説明する。最後に、本明細書で説明する様々な技術を実現することができる例示的なシステム及び装置について、説明する。また、入力装置について本明細書で説明しているが、カバー等の入力機能を含まない他の装置も、企図されている。
【0012】
図1は、本明細書で説明する技術を動作可能に用いるような、実装例の環境100を示す。示される環境100は、可撓性ヒンジ106を介して入力装置104に物理的に且つ通信可能に結合されたコンピュータ装置102の例を含む。コンピュータ装置102は、様々な方法で構成することができる。例えば、コンピュータ装置102は、携帯電話、示されるようなタブレットコンピュータ等のモバイル用途に構成することができる。こうして、コンピュータ装置102は、かなりのメモリ及びプロセッサリソースを含むフルリソース装置から、限られたメモリ及び/又は処理リソースを含む低リソース装置までの範囲となり得る。コンピュータ装置102は、コンピュータ装置102に1つ以上の動作を実行させるようなソフトウェアに関連してもよい。コンピュータ装置102の実装例について、図35を参照して以下で説明する。
【0013】
コンピュータ装置102は、例えば、入力/出力モジュール108を含むように示される。入力/出力モジュール108は、コンピュータ装置102の入力処理及び出力レンダリングに関する機能を表す。ジェスチャーを識別し、入力装置104及び/又は表示装置110のタッチスクリーン機能等によって認識されるジェスチャーに対応する動作を実行するために、入力装置104のキー、表示装置110によって表示される仮想キーボードのキーに対応する機能に関する入力等の様々な異なる入力は、入力/出力モジュール108によって処理することができる。こうして、入力/出力モジュール108は、キーの押下、ジェスチャー等を含む入力の種類の間の区分を認識し且つ活用することで、様々な異なる入力技術をサポートすることができる。
【0014】
示される例では、入力装置104は、QWERTY配列のキーを有するキーボードやトラックパッドを含む入力部を有するように構成されるが、他の配列のキーも企図される。また、ゲームコントローラ、楽器等を模倣した構成等の他の非従来型の構成も企図される。こうして、入力装置104及びこの入力装置104により組み込まれたキーは、様々な異なる機能をサポートするために、種々の異なる構成を想定することができる。
【0015】
先に説明したように、入力装置104は、この例では、可撓性ヒンジ106を使用することにより、コンピュータ装置102に物理的及び通信可能に結合される。可撓性ヒンジ106は、このヒンジによってサポートされる回転運動が、ピンによってサポートされる機械的回転とは対照的に、ヒンジを形成する材料の屈曲性(例えば、曲げ)によって実現されるという意味でフレキシブル性を有しているが、ピンによってサポートされる実施形態も企図される。また、このフレキシブルな回転は、1つ以上の方向(例えば、図中の上下方向)の運動をサポートするが、コンピュータ装置102に対する入力装置104の横方向の運動等の他の方向の運動を制限するようにさらに構成することができる。これは、電力状態、アプリケーション状態等を変更するために使用されるセンサを整列する等の、コンピュータ装置102に対して入力装置104の一貫性のある整列をサポートするために使用される。
【0016】
可撓性ヒンジ106は、例えば、1つ以上の層からなる布を使用して形成され、入力装置104をコンピュータ装置102に及びその逆に通信可能に結合するような可撓性配線として形成された導体を含むことができる。この通信は、例えば、キー押下の結果をコンピュータ装置102に通信し、このコンピュータ装置から電力を受け取り、認証を実行し、補助電源をコンピュータ装置102に供給等するために使用することができる。可撓性ヒンジ106は、様々な方法で構成してもよく、更なる議論は、以下の図に関連して見出すことができる。
【0017】
図2は、図1の入力装置104の実装例200を示しており、可撓性ヒンジ106をより詳細に示す。この例では、入力装置104とコンピュータ装置102との間の通信及び物理的な接続を提供するように構成された、入力装置の接続部202が、示されている。示されるような接続部202は、コンピュータ装置102のハウジングのチャネル内に受容されるように構成された高さ及び断面を有するが、この構成は、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく逆にすることもできる。
【0018】
接続部202は、可撓性ヒンジ106を用いるキーを含む入力装置104の一部にフレキシブルに接続される。こうして、接続部202をコンピュータ装置に物理的に接続するときに、接続部202及び可撓性ヒンジ106の組合せは、本のヒンジと同様に、コンピュータ装置102に対する入力装置104の運動をサポートする。
【0019】
接続部202は、この例では、磁気結合装置204,206、機械的結合突起208,210、及び通信用接点212を含むように示されている。磁気結合装置204,206は、1つ以上の磁石を用いて、コンピュータ装置102の相補的な磁気結合装置に磁気的に結合するように構成される。このように、磁力を用いて、入力装置104をコンピュータ装置102に物理的に固定してもよい。
【0020】
接続部202は、入力装置104とコンピュータ装置102との間に機械物理的な接続を形成する機械的結合突起208,210も含む。通信用接点212が、示されるように装置同士の間に通信結合を形成するために、コンピュータ装置102の対応する通信用接点と接触するように構成される。
【0021】
装置の姿勢の例
可撓性ヒンジ106の回転運動によって、コンピュータ装置102に対する入力装置104の様々な異なる姿勢をサポートすることができる。例えば、回転運動は、入力装置104がコンピュータ装置102の表示装置110に接して配置されるように、可撓性ヒンジ106によって支持することができ、それによって、図3の例示的な姿勢300に示されるように、カバーとして機能する。こうして、入力装置104は、コンピュータ装置102の表示装置110を損傷から保護するように機能することができる。
【0022】
図4の例示的な姿勢400に示されるように、タイピング配置をサポートすることができる。この姿勢では、入力装置104は、表面に接して平らに置かれ、コンピュータ装置102は、例えばコンピュータ装置102の背面に配置されたスタンド402を用いて、表示装置110の視聴を可能にするように所定の角度で配置される。
【0023】
図5の例示的な姿勢500では、入力装置104は、コンピュータ装置102の裏面に接して、例えばコンピュータ装置102上の表示装置110とは反対側に配置された、コンピュータ装置102の背面ハウジングに接して配置されるように回転することができる。この例では、コンピュータ装置102に対する接続部202の姿勢(向き)によって、可撓性ヒンジ106は、接続部202に「巻き付け」られ、コンピュータ装置102の背面に入力装置104を位置付ける。
【0024】
この巻付けによって、コンピュータ装置102の背面の一部を露出したままにする。これは、この例示的な姿勢500において、コンピュータ装置102の背面のかなりの部分が入力装置104によって覆われている場合であっても、コンピュータ装置102の背面に位置付けされたカメラ502を使用することを可能にする等の様々な機能に利用することができる。コンピュータ装置102の片面を常に覆うような入力装置104の構成について上述したが、他の構成も企図される。
【0025】
図6の例示的な姿勢600では、入力装置104は、コンピュータ装置の背面を覆うように構成された部分602を含むように示される。この部分602は、可撓性ヒンジ604を使用して、接続部202にも接続される。
【0026】
図6の例示的な姿勢600は、入力装置104が表面に接して平らに置かれており、且つコンピュータ装置102が表示装置110の視聴を可能にするように所定の角度で配置されるようなタイピング配置を示す。これは、この例では部分602に接触するような、コンピュータ装置102の背面に配置されたスタンド402を用いて支持される。
【0027】
図7は、部分602を含む入力装置104が、コンピュータ装置102の前面(例えば、表示装置110)と背面(例えば、表示装置のハウジングの反対側)との両方を覆うために使用される例示的な姿勢700を示す。1つ以上の実装形態では、例えば閉じたときに補助電源を供給するために、電気的コネクタ及び他のコネクタをコンピュータ装置102及び/又は入力装置104の側面に沿って配置してもよい。
【0028】
当然のことながら、様々な他の姿勢もサポートされる。例えば、コンピュータ装置102及び入力装置104は、これらコンピュータ装置102及び入力装置104の両方が、図1に示されるように表面に接して平らに置かれるような配置を想定することができる。三脚配置、ミーティング配置、プレゼンテーション配置等の他の例も企図される。
【0029】
スタンド
説明するスタンドを使用して、コンピュータ装置102の様々な異なる姿勢を可能にする。例えば、様々な実施形態に従って、スタンドの以下の実装形態を検討する。
【0030】
図8は、姿勢300を示しており、閉位置にあるスタンド402を含む。閉位置では、スタンド402は、このスタンド402がコンピュータ装置102の表面輪郭に一致するようにコンピュータ装置102の背面802の一部を形成する。例えば、スタンド402が閉位置にあるとき、スタンド402は、コンピュータ装置102内に一体化され、背面802によって形成される平面から突出しない。
【0031】
図9は、コンピュータ装置102の背面802から離れて位置900にスタンド402を回転させることを示す。例えば、スタンド402は、ヒンジ機構を介して継ぎ目902に沿って、コンピュータ装置102に回転可能に取り付けることができる。このようなヒンジ機構の例について、以下で詳述する。
【0032】
少なくともいくつかの実装形態では、位置900は、スタンド402の予め設定された位置に対応する。例えば、ユーザが背面802から離れる方向にスタンド402に圧力を加えるときに、スタンド402を、位置900内にスナップ式に嵌め込むことができる。以下に詳述するように、スタンド402をコンピュータ装置102に取り付けるために用いるヒンジ機構は、スタンド402の予め設定された開位置を提供するために、バネ圧及び戻り止め設定を利用することができる。この例では、位置900は、コンピュータ装置102の背面とスタンド402との間の所定の角度904に関連する。例えば、角度904は、20度(20°)〜30度(30°)の範囲とすることができる。しかしながら、任意の適切な範囲の角度を用いてもよい。
【0033】
位置900でスタンド402を使用すると、コンピュータ装置102を、入力装置104から離れる方向に回転させ、且つ図4の姿勢400に示されるように、スタンド402によってサポートすることができる。こうして、位置900によって、表示装置110を視聴することができ、且つ入力装置104を介してコンピュータ装置102に入力を提供することが可能になる。
【0034】
図10は、スタンド402が、コンピュータ装置102の背面802から離れて位置1000に回転することを示す。例えば、スタンド402を、位置900を越えて位置1000までさらに回転させることができる。
【0035】
少なくともいくつかの実装形態では、位置1000は、スタンド402の予め設定された位置に対応する。例えば、ユーザが背面802から離れる方向にスタンド402に圧力を加えるときに、スタンド402を、位置1000にスナップ式に嵌め込むことができる。この例では、位置1000は、コンピュータ装置102の背面とスタンド402との間の所定の角度1002に関連する。例えば、角度1002は、65度(65°)〜75度(75°)の範囲とすることができる。しかしながら、任意の適切な範囲の角度を用いてもよい。また、位置1000までの回転中に、継ぎ目902(例えば、継ぎ目の幅)を維持することができる。
【0036】
位置1000でスタンド402を使用すると、コンピュータ装置102を、(例えば、縦長表示位置まで)横向きに回転させ、且つスタンド402を介して支持することができる。例えば、図11に示される姿勢1100について検討する。
【0037】
図11は、姿勢1100でのコンピュータ装置102の背面図を示しており、コンピュータ装置102を、図1に示された姿勢に対して90度(90°)等、縦長表示位置まで回転することを示す。また、スタンド402は、コンピュータ装置102が、後ろにもたれ掛かり、且つスタンド402により表面1102上に支持されるように位置1000に位置付けされる。ここでは図示していないが、コンピュータ装置102を姿勢1100に配置することによって、表示装置110の表示姿勢を縦長表示に回転することができる。
【0038】
図11では、コンピュータ装置102は、入力装置104無しで示されている。こうして、少なくともいくつかの実施形態では、入力装置104は、コンピュータ装置102が入力装置104とは独立した機能を有するようにコンピュータ装置102から分離することができる。例えば、可撓性ヒンジ106は、磁力を介して入力装置104をコンピュータ装置102に保持するような磁気取付け機構を用いることができる。こうして、ユーザは、コンピュータ装置102及び入力装置104を把握することができ、且つそれらコンピュータ装置102と入力装置104との間の磁力に打ち勝つように引っ張って2つに分離することができる。
【0039】
入力装置104から分離したときに、コンピュータ装置102は、様々な機能を提供することができる。例えば、ユーザは、コンピュータ装置102を介して、映画及び/又はストリーミングコンテンツ等のコンテンツを視聴することができる。また、ユーザは、表示装置110のタッチスクリーン機能と対話することができる。こうして、スタンド402を位置1000に配置することによって、ユーザがコンピュータ装置を縦長姿勢で配置して、このような姿勢で、コンピュータ装置を視聴し及び/又はコンピュータ装置との対話を可能にする。
【0040】
図11にさらに示されるように、コンピュータ装置102は、背面802と前面1106との間に面取りエッジ部1104を含む。この面取りエッジ部1104は、背面802の幅が前面1106の幅よりも狭くなるように角度が付けられている。スタンド402は、背面802内に一体化され、且つ背面802と実質的に同じ幅を有している。こうして、スタンド402は、前面1106よりも狭い幅を有している。
【0041】
従って、コンピュータ装置を姿勢1100に位置付けし、且つスタンド402を位置1000に配置したときに、コンピュータ装置102は、前面1106から離れる方向に後ろにもたれ掛かり、且つスタンド402のコーナー部1108に載置される。コーナー部1108は、表面1102上でのコーナー部1108の摺動を低減するいくつかの形態の緩衝材を用いて、表面1102とコンピュータ装置102との間の振動の伝達を低減することができる。
【0042】
図12は、1つ以上の実施形態に従った、スタンド402の内面1200の図を示す。この例では、スタンド402は、コンピュータ装置102の輪郭との関連で示されている。
【0043】
内面1200は、スタンド402が開位置にあるときに、面接触点として機能するような面接点1202a及び1202bを含む。面接点1202a,1202bは、様々な種類の滑り抵抗材料を使用して形成することができ、且つ内面1200の切欠き内に配置することができる。面接点1202a,1202bは、弾性材料から形成することができ、且つ実質的に蟻継ぎ形状にすることができ、それによって、これら面接点を、弾性圧力によって背面1200の切欠き内に保持することができる。追加的に又は代替的に、面接点1202a,1202bを、適切な接着剤によって内面1200に固定することができる。
【0044】
面接点1202a,1202bは、スタンド402の底部エッジに位置付けされており、それによって、スタンド402が開かれ且つ表面に載置されるときに、面接点1202a,1202bは、スタンド402とこの表面との間の絶縁体として機能する。例えば、面接点1202a,1202bによって、スタンド402と隣接表面との間の振動の伝達を低減することができる。また、面接点1202a,1202bによって、表面でのスタンド402の滑りを減らすことができる。例えば、面接点1202a,1202bは、様々な異なる表面上での滑りに抵抗するようなゴム引き材料から形成することができる。こうして、コンピュータ装置102が、スタンド402により(例えば、上述した姿勢400に)支持される場合に、面接点1202a,1202bは、コンピュータ装置102を安定化させるのに役立ち、且つスタンド402の振動によって表面に生じるノイズを低減することができる。
【0045】
さらに、安定板1204a及び安定板1204bが、内面1200に含められ、これら安定板は、内面1200の下部エッジに沿って配置され、且つ磁場に引き寄せられる材料(例えば、強磁性材料)から形成される。スタンド402が閉位置にあるときに、安定板1204a,1204bは、コンピュータ装置102の隣接エッジに沿って配置された磁石に引き付けられる。こうして、閉位置において、磁石によって安定板1204a,1204bに及ぼされる磁力は、スタンド402の下部エッジをコンピュータ装置102に対して保持するのに役立つ。
【0046】
内面1200は、スタンド402をコンピュータ装置102に取り付けるために用いられる、ヒンジ機構の装着点として機能するような周辺ヒンジ装着部1206a,1206bをさらに含む。ヒンジ機構の例について、以下で説明する。スタンド402とコンピュータ装置102との間で用いられる中央ヒンジに対する摺動可能な取付け部として機能する中央ヒンジキー1208も含められる。
【0047】
ダンパー1210a及びダンパー1210bが、(例えば、適切な接着剤を使用して)内面1200に固定され、スタンド402の振動を抑制するように機能する。例えば、ダンパー1210a,1210bは、スタンド402の振動を吸収及び/又は消散する材料から形成することができる。このような材料の例は、発泡ウレタン、ゴム、ネオプレン、シリコーン等が挙げられる。こうして、ダンパー1210a,1210bは、スタンド402を開閉するときに、スタンド402の振動によって生じるノイズを低減することができる。
【0048】
部品取付け用のヒンジ
種々の異なるヒンジ機構は、様々な実施形態に従って、様々な部品を取り付けるために用いることができる。いくつかの例示的なヒンジ機構及びヒンジ配置について、以下で説明する。
【0049】
図13は、コンピュータ装置102及びスタンド402の背面分解図1300を示す。周辺ヒンジ1302a及び1302bが、背面図1300に含められ、これら周辺ヒンジは、スタンド402をコンピュータ装置102に取り付けるために用いることができる。周辺ヒンジ1302a,1302bは、適切な取付け方法及び/又は装置を介してコンピュータ装置102の内部に設置されるように構成される。
【0050】
スタンド402は、図12を参照して上述した周辺ヒンジ装着部1206a,1206bを介して、周辺ヒンジ1302a,1302bの旋回部に取り付けることができる。こうして、周辺ヒンジ1302a,1302bへの取付けによって、スタンド402がコンピュータ装置102に関連する様々な位置の間で旋回するのが可能になる。
【0051】
中央ヒンジ1304がさらに示され、この中央ヒンジは、適切な取付け方法及び/又は装置を介してコンピュータ装置102の内部に設置されるように構成される。スタンド402の中央ヒンジキー1208を、中央ヒンジ1304に係合することができる。
【0052】
周辺ヒンジ1302a,1302b及び中央ヒンジ1304が、コンピュータ装置102に設置され、それによって、スタンド402をこれらヒンジ上で閉位置に回転するときに、これらヒンジは、視認されなくなり、スタンド402は、コンピュータ装置102のシャーシと滑らかな輪郭を形成する。例えば、図8を参照して図示され且つ説明される閉位置を確認されたい。
【0053】
また、面接点1202a,1202bが、背面図1300に示されている。上述したように、面接点1202a,1202bは、スタンド402が開位置にあり且つ表面上に載置されるときに、スタンド402及びコンピュータ装置102を安定化させることができる。少なくともいくつかの実施形態では、面接点1202a,1202bは、スタンド402の内面の溝に位置付けされており、それによって、面接点1202a,1202bは、スタンド402が閉位置にあるときに、外部から視認することができない。
【0054】
閉位置からスタンド402を開く際にユーザを支援するために、切欠き1306が、コンピュータ装置102のエッジに形成される。例えば、切欠き1306によって、ユーザが指の小さな部分を閉じた状態のスタンド402の背後に挿入することが可能になり、圧力を加えてスタンド402を開位置に回転させることができる。追加的又は代替的に、切欠きをスタンド402のエッジに形成して、スタンド402を開くのを補助することができる。
【0055】
図14は、1つ以上の実施形態に従った、例示的なヒンジ1400の部品を示す。ヒンジ1400は、例えば、上述した周辺ヒンジ1302a,1302bの実装形態を表すことができる。しかしながら、これは限定することを意図するものではなく、ヒンジ1400は、様々な異なる部品及び取付けシナリオのヒンジ機構として使用することができる。また、ヒンジ1400及びその様々な部品は、金属、プラスチック、ポリマー、合金等の任意の適切な材料を使用して形成することができる。
【0056】
ヒンジ1400の部品は、ヒンジ1400の様々な他の構成要素を配置することができるようなヒンジフレーム1402を含む。例えば、ヒンジフレーム1402は、装置(例えば、コンピュータ装置102)に装着することができ、ヒンジ1400の他の部品の支持構造体として機能する。
【0057】
ヒンジフレーム1402内に回転可能及び/又は移動可能に位置付けされるヒンジリング1404をさらに含む。少なくともいくつかの実施形態では、スタンド(例えば、スタンド402)を、ヒンジリング1404に結合することができる。ヒンジフレーム1402内のヒンジリング1404の動きによって、取り付けたスタンドを、取り付けた装置に対して様々な位置に配置することが可能になる。
【0058】
ヒンジリングフォロア(follower)1406及びヒンジリングバネ1408が、ヒンジリング1404に作動可能に関連付けられ、これらヒンジリングフォロア1406及びヒンジリングバネ1408は、ヒンジリング1404に圧力を加えるようにヒンジリング1404に対して位置付けることができる。以下で詳述するように、ヒンジリングバネ1408及びヒンジリングフォロア1406からの圧力によって、ヒンジリング1404(こうして、取り付けられたスタンド)が、取り付けた装置に対して予め設定された位置を維持することが可能になる。
【0059】
ヒンジ1400は、ヒンジフレーム1402内に移動可能に位置付けされるリング支持体1410をさらに含む。少なくともいくつかの実施形態では、リング支持体1410は、ヒンジリング1404のための構造的な支持を提供する。例えば、ヒンジリング1404を特定の位置に開くように旋回したときに、リング支持体1410は、ヒンジリング1404、従って取り付け部品、例えばスタンドを安定化することができる。リング支持体1410を介したヒンジリング1404の安定化について、以下でより詳細に説明する。
【0060】
リング支持体フォロア1412及びリング支持体バネ1414が、リング支持体1410に作動可能に関連付けられ、これらリング支持体フォロア1412及びリング支持体バネ1414は、リング支持体1410に圧力を加えるようにリング支持体1410に対して位置付けることができる。以下で詳述するように、リング支持体バネ1414及びリング支持体フォロア1412からの圧力によって、リング支持体1410及びヒンジリング1404を、取り付けた装置に対して予め設定された位置に維持することが可能になる。
【0061】
ヒンジ1400は、ヒンジキャップ1416を含んでおり、このヒンジキャップ1416は、ヒンジ1400の他の部品をヒンジフレーム1402内に固定するように、ヒンジフレーム1402に取り付けることができる。
【0062】
図15は、1つ以上の実装形態に従った、ヒンジリング1404の断面図を示す。ヒンジリング1404は、様々な部品を装着することができるヒンジリング装着部1500を含む。例えば、スタンド402を、ヒンジリング装着部1500に取り付けることができる。
【0063】
様々な取付け技術を利用して、部品をヒンジリング装着部1500に取り付けることができる。例えば、ヒンジリング装着部1500は、ねじ、ボルト、又は他のねじ留め具を受容するようにねじ山を形成することができる。スタンド402を参照すると、例えば、ねじ留め具を使用して、周辺ヒンジ装着部1206a,1206bのうちの1つをヒンジリング装着部1500に取り付けることができる。代替的又は追加的に、他の種類の取付け技術を使用してもよい。
【0064】
例えば、少なくともいくつかの実施形態では、磁力を用いて、周辺ヒンジ装着部をヒンジリング装着部1500に保持することができる。周辺ヒンジ装着部及びリング装着部1500は、例えば、磁石、強磁性体等の磁性材料を含むことができる。こうして、このような実施形態では、周辺ヒンジリングがリング装着部1500に整列するときに、磁力によって、周辺ヒンジ装着部をリング装着部1500に着脱可能に結合することができる。
【0065】
こうして、いくつかの実装形態において、磁石を用いて、スタンド402をヒンジアセンブリ(例えば、ヒンジ1400)に取り付け、それによって、スタンド402を関連する装置から着脱することができる。これによって、スタンド402を、異なる色の、異なるグラフィックの、異なる材料の異なるスタンドと交換等することにより、装置(例えば、コンピュータ装置102)を、様々な方法でカスタマイズすることが可能になる。
【0066】
ヒンジリング1404は、リング切欠き1502a,1502b,1502cをさらに含む。少なくともいくつかの実装形態では、リング切欠き1502a,1502b,1502cは、ヒンジリング1404の予め設定された位置に対応する。例えば、ヒンジリングをヒンジ1400内で回転するときに、ヒンジリングバネ1408からの圧力によって、ヒンジリングフォロア1406を、リング切欠き1502a,1502b,1502cのそれぞれの切欠きにキャッチさせることが可能になる。リング切欠き1502a,1502b,1502cは、例えば、スタンド402の予め設定された位置に対応することができる。ヒンジリング1404が、3つのリング切欠きを含むように示されているが、実際の実装形態は、特許請求の範囲に記載された実施形態に従って、任意の適切な数のリング切欠きを含むことができることを認識すべきである。ヒンジリング1404の更なる例示的な特徴について、以下で提示する。
【0067】
図16は、1つ以上の実施形態に従った、リング支持体1410の断面図を示す。リング支持体1410は、支持体切欠き1600a,1600b,1600cをさらに含む。少なくともいくつかの実装形態では、支持体切欠き1600a,1600b,1600cは、リング支持体1410の予め設定された位置に対応する。例えば、リング支持体1410がヒンジ1400内で回転するときに、リング支持体バネ1414からの圧力によって、リング支持体フォロア1412を支持体切欠き1600a,1600b,1600cのそれぞれの切欠きにキャッチさせることができる。支持体切欠き1600a,1600b,1600cは、例えば、スタンド402の予め設定された位置に対応することができる。
【0068】
リング支持体1410が、3つの支持体切欠きを含むように示されているが、実際の実施形態は、特許請求の範囲に記載された実施形態に従って、任意の適切な数の支持体切欠きを含むことができることを理解すべきである。リング支持体1410の更なる例示的な特徴について、以下で提示する。
【0069】
図17は、コンピュータ装置102の部分断面図を一般的に1700で示す。この図1700は、スタンド402が閉位置にある、ヒンジ1400の断面を含む。
【0070】
示されるように、スタンド402を、ねじ1702を使用してヒンジリング装着部1500に取り付けることができる。しかしながら、特許請求の範囲に記載された実施形態に従って多種多様な取付け技術を使用することができ、その例が上述されている。
【0071】
ヒンジリングフォロア1406がヒンジリング1404のリング切欠き1502c内に位置付けされることが、図1700にさらに示されている。リング切欠き1502cに対するヒンジリングフォロア1406からの圧力によって、ヒンジ1400、従ってスタンド402を閉位置に保持する。ユーザは、圧力をスタンド402に十分に加えて、ヒンジリングフォロア1406によってリング切欠き1502cに対して加えられる静止摩擦に打ち勝つことにより、スタンド402を開くことができる。
【0072】
図18は、図17を参照して示されるような閉位置にあるヒンジ1400の断面図1800を示す。閲覧を容易にするために、ヒンジ1400は、取り付けた装置及びスタンドとは別に示している。
【0073】
ヒンジフレーム1402、ヒンジリング1404、及びリング支持体1410が、図1800の一部として示されている。ヒンジリングバネ1408によって、圧力がヒンジリングフォロア1406に加えられ、次に圧力をリング切欠き1502cにおいてヒンジリング1404に加えられることがさらに示されている。上述したように、リング切欠き1502cの圧力によって、ヒンジ1400を閉位置に保持し、こうして、取り付け部品(例えば、スタンド402)を閉じた位置に保持する。
【0074】
図19は、開位置にあるヒンジ1400の断面図1900を示す。例えば、図1900は、コンピュータ装置102に対するスタンド402の開位置に対応する。閲覧を容易にするために、ヒンジ1400は、スタンド402を取り付けた状態で示しているが、コンピュータ装置102とは別に示している。
【0075】
また図1900では、ヒンジリングフォロア1406が、ヒンジリング1404のリング切欠き1502cから係合が解除されており、リング切欠き1502bと係合する。例えば、ユーザは、コンピュータ装置102から離れる方向に圧力をスタンド402に加えて、スタンド402を第1の開位置に移行することができる。こうして、ヒンジリングフォロア1406とリング切欠き1502bとの係合は、ヒンジ1400、従ってスタンド402の第1の開位置に対応することができる。ヒンジリングバネ1408によってヒンジリングフォロア1406に対して加えられた圧力によって、ヒンジリングフォロアをリング切欠き1502bに保持し、こうして、スタンド402を第1の開位置に保持する。
【0076】
少なくともいくつかの実施形態では、第1の開位置は、スタンド402及びコンピュータ装置102に関連する所定の角度1902に対応することができる。例えば、角度1902は、40°〜50°、例えば45°の角度に対応することができる。
【0077】
図20は、図19を参照して上述したような第1の開位置にあるヒンジ1400の断面図2000を示す。閲覧を容易にするために、ヒンジ1400は、関連する装置及びスタンドとは別に図2000に示している。
【0078】
図2000は、第1の開位置において、ヒンジリング1404を開位置に回転することを示す。しかしながら、リング支持体1410は、ヒンジフレーム1402内の閉位置に留まる。例えば、ヒンジ1400の第1の開位置において、リング支持体フォロア1412は、リング支持体1410の支持体切欠き1600cに係合したままである。
【0079】
図21は、図19及び図20を参照して上述したような第1の開位置にあるヒンジ1400の上面図2100を示す。閲覧を容易にするために、ヒンジ1400は、関連する装置及びスタンドとは別に図2100に示している。さらに、ヒンジフレーム1402を、点線によって示している。
【0080】
図2100は、ヒンジ1400の第1の開位置において、ヒンジリングフォロア1406が、ヒンジリング1404のリング切欠き1502bに係合することを示す。さらに、リング支持体フォロア1412が、リング支持体1410の支持体切欠き1600cに係合することが示される。
【0081】
図22は、第2の開位置にあるヒンジ1400の断面図2200を示す。例えば、図2200は、コンピュータ装置102に対するスタンド402の第2の開位置に対応する。閲覧を容易にするために、ヒンジ1400は、スタンド402を取り付けた状態で示しているが、コンピュータ装置102とは別に示している。
【0082】
また図2200では、ヒンジリングフォロア1406は、ヒンジリング1404のリング切欠き1502bから係合が解除されており、リング切欠き1502aと係合する。例えば、ユーザは、スタンド402に圧力を加えて、スタンド402を第2の開位置に移行することができる。こうして、ヒンジリングフォロア1406とリング切欠き1502aとの係合は、ヒンジ1400、従ってスタンド402の第2の開位置に対応することができる。ヒンジリングバネ1408によってヒンジリングフォロア1406に対して加えられた圧力によって、ヒンジリングフォロア1406をリング切欠き1502aに保持して、こうして、スタンド402を第2の開位置に保持する。
【0083】
少なくともいくつかの実施形態では、第2の開位置は、スタンド402及びコンピュータ装置102に関連する所定の角度2202に対応することができる。例えば、角度2202は、85°〜95°、例えば90°の角度に対応することができる。
【0084】
図23は、図22を参照して上述したような第2の開位置にあるヒンジ1400の断面図2300を示す。閲覧を容易にするために、ヒンジ1400は、関連する装置及びスタンドとは別に図2300に示している。
【0085】
図2300は、第2の開位置において、上述したように、ヒンジリング1404を第2の開位置に回転することを示す。第1の開位置と同様に、リング支持体1410は、ヒンジフレーム1402内の閉位置に留まる。例えば、ヒンジ1400の第2の開位置において、リング支持体フォロア1412は、リング支持体1410の支持体切欠き1600cに係合したままである。
【0086】
図24は、図22及び図23を参照して上述したような第2の開位置にあるヒンジ1400の上面図2400を示す。閲覧を容易にするために、ヒンジ1400は、関連する装置及びスタンドとは別に図2400に示している。さらに、ヒンジフレーム1402を、点線によって示している。
【0087】
図2400は、ヒンジ1400の第2の開位置において、ヒンジリングフォロア1406が、ヒンジリング1404のリング切欠き1502aに係合することを示す。リング支持体フォロア1412が、リング支持体1410の支持体切欠き1600cに係合することがさらに示される。こうして、第2の開位置において、リング支持体1410は、ヒンジフレーム1402内の閉位置に留まる。
【0088】
図25は、第3の開位置にあるヒンジ1400の断面図2500を示す。例えば、図2500は、コンピュータ装置102に対するスタンド402の第3の開位置に対応する。閲覧を容易にするために、ヒンジ1400は、スタンド402を取り付けた状態で示しているが、コンピュータ装置102とは別に示している。また図2500では、ヒンジリングフォロア1406は、ヒンジリング1404のリング切欠き1502aから係合が解除されており、スタンド402を第3の開位置に位置付けすることを可能にする。
【0089】
少なくともいくつかの実施形態では、第3の開位置は、スタンド402及びコンピュータ装置102に関連する所定の角度2502に対応することができる。例えば、角度2502は、130°〜140°、例えば135°の角度に対応することができる。
【0090】
図26は、図25を参照して上述したような第3の開位置にあるヒンジ1400の断面図2600を示す。閲覧を容易にするために、ヒンジ1400は、関連する装置及びスタンドとは別に図2600に示している。
【0091】
図2600は、第3の開位置において、上述したように、ヒンジリング1404を回転することを示す。また第3の開位置では、リング支持体1410が、ヒンジフレーム1402内で回転され、それによって、リング支持体フォロア1412が、支持体切欠き1600cから係合が解除されており、支持体切欠き1600bと係合する。例えば、ヒンジリング1404が第2の開位置から第3の開位置に回転すると、ヒンジリング1404のキャッチ機構が、リング支持体1410に係合し、リング支持体1410を、ヒンジフレーム1402内で第3の開位置に回転することができる。例示的なキャッチ機構について、図31及び図32を参照して以下で説明する。
【0092】
図27は、図25及び図26を参照して上述したような第3の開位置にあるヒンジ1400の上面図2700を示す。閲覧を容易にするために、ヒンジ1400は、関連する装置及びスタンドとは別に図2700に示している。さらに、ヒンジフレーム1402を、点線によって示している。
【0093】
図2700は、第3の開位置への移行において、ヒンジリング1404が、リング支持体1410をキャッチし、リング支持体1410をヒンジフレーム1402内で開位置に回転することを示す。その結果、リング支持体フォロア1412は、支持体切欠き1600cから係合が解除されており、支持体切欠き1600bと係合する。第3の開位置では、リング支持体1410は、ヒンジリング1404の安定化構造として機能する。こうして、取り付け部品(例えば、スタンド402)を第3の開位置で安定化することができる。
【0094】
図28は、第4の開位置にあるヒンジ1400の断面図2800を示す。例えば、図2800は、コンピュータ装置102に対するスタンド402の第4の開位置に対応する。閲覧を容易にするために、ヒンジ1400は、スタンド402を取り付けた状態で示しているが、コンピュータ装置102とは別に図2800に示している。また図2800では、ヒンジリング1404を回転して、スタンド402を第4の開位置に位置付けすることを可能にする。更に後述するように、第4の開位置に対するヒンジリング1404の回転によって、リング支持体1410をヒンジフレーム1402内でヒンジ1400の第4の開位置に回転させる。
【0095】
少なくともいくつかの実施形態では、第4の開位置は、スタンド402及びコンピュータ装置102に関連する所定の角度2802に対応することができる。例えば、角度2802は、180°とすることができる。第4の開位置において、例えば、スタンド402を、コンピュータ装置102の背面に接して位置付けることができる。
【0096】
図29は、図28を参照して上述したような第4の開位置にあるヒンジ1400の断面図2900を示す。閲覧を容易にするために、ヒンジ1400は、関連する装置及びスタンドとは別に図2900に示している。
【0097】
図2900は、第4の開位置において、ヒンジリング1404を、上述したように第4の開位置に回転することを示す。またリング支持体1410をヒンジフレーム1402内で第4の開位置に回転させ、それによって、リング支持体フォロア1412が、支持体切欠き1600bから係合が解除されており、支持体切欠き1600aと係合する。例えば、ヒンジリング1404が第3の開位置から第4の開位置に回転するときに、リング支持体1410に係合するようなヒンジリング1404上のキャッチ機構によって、リング支持体1410をヒンジフレーム1402内で第4の開位置に回転させる。例示的なキャッチ機構について、図31及び図32を参照して以下で説明する。
【0098】
図30は、図28及び図29を参照して上述したような第4の開位置にあるヒンジ1400の上面図3000を示す。閲覧を容易にするために、ヒンジ1400は、関連する装置及びスタンドとは別に図3000に示している。さらに、ヒンジフレーム1402を、点線によって示している。
【0099】
図3000は、第4の開位置への移行において、ヒンジリング1404上のキャッチ機構が、リング支持体1410を引っ張り、リング支持体1410をヒンジフレーム1402内で第4の開位置に回転させることを示す。その結果、リング支持体フォロア1412は、支持体切欠き1600bから係合が解除されており、支持体切欠き1600aと係合する。第4の開位置では、リング支持体1410は、ヒンジリング1404の安定化構造として機能する。こうして、取り付け部品(例えば、スタンド402)を第4の開位置で安定化させることができる。
【0100】
図31は、ヒンジリング1404及びリング支持体1410の背面図3100を示す。閲覧を容易にするために、ヒンジリング1404及びリング支持体1410は、ヒンジ1400の他の部品とは別に示している。少なくともいくつかの実施形態では、図3100は、ヒンジ1400が上述した第1の開位置又は第2の開位置のいずれかにある場合の、ヒンジリング1404及びリング支持体1410の位置を表す。上述したように、ヒンジ1400が、閉位置、第1の開位置、又は第2の開位置にあるときに、図3100に示されるように、リング支持体フォロア1412は、支持体切欠き1600cに係合する。
【0101】
図3100において、ヒンジリング1404は、支持体キャッチ3102を含み、この支持体キャッチは、ヒンジリング1404を特定の位置に回転させるときに、リング支持体1410と係合するためのキャッチ機構として機能する。支持体キャッチ3102は、リング支持体の支持体スロット3104内に摺動可能に配置される。特定の位置において、ヒンジリング1404は、例えば閉位置とヒンジ1400の第2の開位置との間で、リング支持体1410の動きを生じさせることなく、支持体スロット3104内で摺動することができる。
【0102】
図32は、ヒンジリング1404及びリング支持体1410の背面図3200を示す。閲覧を容易にするために、ヒンジリング1404及びリング支持体1410は、ヒンジ1400の他の部品とは別に示している。少なくともいくつかの実装形態では、図3200は、ヒンジ1400が、開位置、例えば上述した第3の開位置又は第4の開位置のいずれかにある場合の、ヒンジリング1404及びリング支持体1410の位置を表す。
【0103】
図3200において、ヒンジリング1404は、支持体キャッチ3102が支持体スロット3104内のスロット停止部3202に係合するように、支持体スロット3104内で摺動する。示されるように、スロット停止部3202は、支持体キャッチ3102よりも狭く、こうして、支持体キャッチ3102は、ヒンジ1400の特定の開位置においてスロット停止部3202と係合する。支持体キャッチ3102がスロット停止部3202と係合するような方向に、ヒンジリング1404をヒンジ1400内で回転するときに、その方向の更なる動きによって、リング支持体1410がヒンジ1400内で回転する。例えば、ユーザがヒンジリング1404に装着されたスタンドをスロット停止部3202で係合した支持体キャッチ3102と再位置付けした場合に、ヒンジリング1404の得られた回転によって、リング支持体1410が回転する。
【0104】
この特定の例では、図3200は、リング支持体フォロア1412とリング支持体1410の支持体切欠き1600aとが係合して示されるような、ヒンジ1400の第4の開位置を表す。こうして、支持体キャッチ3102によってスロット停止部3202に対して加えられた力によって、リング支持体1410が様々な位置の間で回転する。
【0105】
少なくともいくつかの実装形態では、リング支持体1410は、下部キャッチ機構も含み、それによって、ヒンジリング1404が(例えば、第4の開位置から)閉位置に向けて回転するときに、支持体キャッチ3102は、リング支持体1410がヒンジ1400内の閉位置に向けて対応して回転するように、その下部キャッチ機構と係合する。例えば、は、以下の実施形態を検討する。
【0106】
図33は、リング支持体1410及びヒンジリング1404の一部の背面図3300を示す。リング支持体1410の一部として取付けられる及び/又は形成されるリターンキャッチ3302が、さらに示される。リターンキャッチ3302は、支持体スロット3104内で内方に突起する。リターンキャッチ3302は、ゴム及び/又はその他の弾性変形可能な材料等の種々の材料から形成することができる。少なくともいくつかの実装形態では、リターンキャッチ3302は、リング支持体1410の一部として形成することができ、こうして、リング支持体1410と同じ材料から形成することができる。
【0107】
少なくともいくつかの実施形態では、ヒンジリング1404が、開位置に向けて(例えば、上述した第4の開位置に向けて)回転するときに、支持体キャッチ3102は、リターンキャッチ3302に係合する。例えば、リターンキャッチ3302に対する支持体キャッチ3102からの圧力によって、リターンキャッチ3302をわずかなに変形させ、それによって、支持体キャッチ3102が、リターンキャッチ3302を越えて摺動し、スロット停止部3202と係合することができる。例えば、以下の図を検討する。
【0108】
図34は、リング支持体1410及びヒンジリング1404の一部の背面図3400を示す。図3400では、ヒンジリング1404は、支持体スロット3104内でリターンキャッチ3302を超えて回転し、それによって、支持体キャッチ3102が、スロット停止部3202と係合する。上で言及したように、リターンキャッチ3302は、弾性材料から形成することができる。こうして、支持体キャッチ3102からの圧力によって、リターンキャッチ3302の弾性変形を生じさせ、それによって、支持体キャッチ3102が、リターンキャッチ3302を超えて回転することができる。図3400は、例えば、上述した第4の開位置にあるリング支持体1410及びヒンジリング1402の姿勢を表することができる。
【0109】
図3400に示されるように、リターンキャッチ3302は、リング支持体1410上に位置付けされ、それによって、支持体キャッチ3102がスロット停止部3202と係合すると、リターンキャッチ3302の後部エッジによって、圧力が支持体キャッチ3102に加えられる。従って、ヒンジリング1402が閉位置に向けて逆方向に回転すると、リターンキャッチ3302に対する支持体キャッチ3102からの圧力によって、リング支持体1410がヒンジ1400内で閉位置に向けて回転する。少なくともいくつかの実施形態では、これによって、リング支持体1410が完全な開位置(例えば、第4の開位置)から復帰することが可能になり、それによって、リング支持体1410が、ヒンジ1400の様々な位置で(上述した)リング支持体フォロア1412と係合することができる。
【0110】
こうして、本明細書で説明する実施形態は、取り付け部品(例えば、スタンド)を複数の予め設定された位置の間で調節可能にする安定したヒンジ機構を提供する。上述した例示的な装置の姿勢、スタンド位置、ヒンジ位置、ヒンジ停止部の位置等は、例を示す目的のためのみに提示されることを理解すべきである。こうして、本明細書で具体的に言及していない多種多様な別の装置の姿勢、スタンド位置、ヒンジ位置、ヒンジ停止部の位置等は、特許請求の範囲に記載された実施形態の精神及び範囲内で実現することができる。例えば、取付け機構を使用してスタンドをコンピュータ装置(例えば、上述した周辺ヒンジ)に取り付けることは、スタンドを様々な異なる位置に開いて、コンピュータ装置の様々な姿勢をサポートするのを可能にするような任意の数及び/又は構成の適切な停止位置を含むことができる。さらに、特許請求の範囲に記載される実施形態に従って、例示的なヒンジを、スタンド及び/又はコンピュータ装置の任意の適切な位置及び/又は一部に取り付けることができる。
【0111】
システム及び装置の例
図35は、本明細書に説明した様々な技術を実装する1つ以上のコンピュータシステム及び/又は装置を表す例示的なコンピュータ装置3502を含むような例示的なシステムを3500で示す。コンピュータ装置3502は、例えば、ユーザの1つ以上の手で把持して持ち運ぶように形成され且つサイズ決めされたハウジングを用いるモバイル構成を想定するように構成することができ、図示の例では、携帯電話、モバイルゲーム及び音楽装置、並びにタブレットコンピュータを含むが、他の実施例も企図される。
【0112】
示されるようなコンピュータ装置3502は、処理システム3504、1つ以上のコンピュータ可読媒体3506、及び互いに通信可能に結合される1つ以上のI/Oインターフェイス3508を含む。図示していないが、コンピュータ装置3502は、システムバス、又は互いに様々なコンポーネントを結合するような他のデータ及びコマンド転送システムをさらに含むことができる。システムバスは、メモリバス又はメモリコントローラ、周辺バス、ユニバーサルシリアルバス、及び/又は様々なバスアーキテクチャのいずれかを利用するプロセッサ又はローカルバス等の異なるバス構造のいずれか又は組合せを含むことができる。制御及びデータ線等の様々な他の例も企図される。
【0113】
処理システム3504は、ハードウェアを使用して1つ以上の動作を実行するための機能を表す。従って、処理システム3504は、プロセッサや機能ブロック等として構成されるハードウェア要素3510を含むように示される。これは、特定用途向け集積回路又は1つ以上の半導体を用いて形成された他の論理デバイスのようなハードウェアでの実装を含むことができる。ハードウェア要素3510は、それらハードウェア要素が形成される材料によって、又はそれらハードウェア要素で用いられるプロセス機構によって限定されるものではない。例えば、プロセッサは、半導体(複数可)及び/又はトランジスタ(例えば、電子集積回路(IC))から構成することができる。このような文脈において、プロセッサが実行可能命令は、電子的に実行可能な命令であってもよい。
【0114】
コンピュータ可読記憶媒体3506は、メモリ/記憶装置3512を含むように示されている。メモリ/記憶装置3512は、1つ以上のコンピュータ可読媒体に関連するメモリ/記憶容量を表す。メモリ/記憶部品3512は、(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)等の)揮発性媒体、及び/又は(読み取り専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、光ディスク、磁気ディスク等の)不揮発性媒体を含むことができる。メモリ/記憶部品3512は、(例えば、RAM、ROM、固定ハードドライブ等の)固定媒体だけでなく、(例えば、フラッシュメモリ、リムーバブルハードドライブ、光ディスク等の)リムーバブルメディアを含むことができる。コンピュータ可読媒体3506は、以下でさらに説明するような他の様々な方法で構成することができる。
【0115】
入力/出力インターフェイス(複数可)3508は、ユーザがコマンド及び情報をコンピュータ装置3502に入力できるようにする機能を表すものであり、様々な入力/出力装置を使用して、情報をユーザ及び/又は他の部品又は装置に提示することを可能にする。入力装置の例には、キーボード、カーソル制御装置(例えば、マウス)、マイクロフォン、スキャナ、タッチ機能(例えば、物理的接触を検出するように構成された容量センサ又は他のセンサ)、(タッチを含まないジェスチャー等の動きを認識するために、可視波長又は赤外線周波数等の非可視波長を用いる)カメラ等が挙げられる。出力装置の例には、表示装置(例えば、モニター又はプロジェクター)、スピーカー、プリンター、ネットワークカード、触覚応答装置等が挙げられる。こうして、コンピュータ装置3502は、ユーザとの対話をサポートするための様々な方法で構成することができる。
【0116】
コンピュータ装置3502は、コンピュータ装置3502から物理的及び通信可能に取り外し可能である入力装置3514に通信可能に及び物理的に結合されるようにさらに示されている。このように、多種多様な機能をサポートするために、様々な異なる入力装置を、多種多様な構成を有するコンピュータ装置3502に結合することができる。この例では、入力装置3514は、感圧キー、機械式スイッチキーと等して構成される1つ以上のキー3516を含む。
【0117】
入力装置3514は、様々な機能をサポートするように構成される1つ以上のモジュール3518を含むようにさらに示される。例えば、1つ以上のモジュール3518は、キー3516から受信したアナログ及び/又はデジタル信号を処理して、キーストロークが意図されているかどうか、入力がコンピュータ装置3502との動作のための入力装置3514のサポート認証等の静止圧を示しているかどうかを決定するように構成され得る。
【0118】
様々な技術について、ソフトウェア、ハードウェア要素、又はプログラムモジュールの一般的な文脈で本明細書で説明する。一般に、このようなモジュールは、特定のタスクを実行する又は特定の抽象データタイプを実装するような、ルーチン、プログラム、オブジェクト、要素、コンポーネント、データ構造等を含む。本明細書で使用される場合に、用語「モジュール」、「機能」、及び「コンポーネント」は、一般的にソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、又はこれらの組合せを表す。本明細書で説明する技術の特徴は、プラットフォームに依存しておらず、その技術は、様々なプロセッサを有する市販の様々なコンピュータ・プラットフォーム上に実装することができることを意味する。
【0119】
説明したモジュール及び技術の実装形態は、何らかの形のコンピュータ可読媒体上に格納されるか、又はコンピュータ可読媒体を介して送信することができる。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ装置3502によってアクセスされる様々な媒体を含んでもよい。一例として制限するものではないが、コンピュータ可読媒体は、「コンピュータ可読記憶媒体」及び「コンピュータ可読信号媒体」を含んでもよい。
【0120】
「コンピュータ可読記憶媒体」は、単なる信号送信、搬送波、又は信号それ自体とは対照的に、情報の永続的な記憶を可能にする媒体及び/又は装置を指すことができる。こうして、コンピュータ可読記憶媒体は、非信号搬送(bearing)媒体を指す。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、論理要素/回路、又は他のデータ等の情報を記憶するために適切な方法又は技術で実装される、揮発性及び不揮発性の、リムーバブル及び非リムーバブル媒体及び/又は記憶装置等のハードウェアを含む。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ又は他のメモリ技術、CD−ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)又は他の光記憶装置、ハードディスク、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置又は他の磁気記憶装置、或いは他の記憶装置、有形媒体、又は所望の情報を記憶するのに適し且つコンピュータによってアクセスできる製造物品が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0121】
「コンピュータ可読媒体信号」は、ネットワーク等を介して命令をコンピュータ装置3502のハードウェアに送信するように構成された信号搬送媒体を指す。信号媒体は、一般的に、搬送波、データ信号、又は他の移送機構等の変調されたデータ信号内に、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、又は他のデータを具現化することができる。信号媒体は、任意の情報配信媒体を含む。用語「変調データ信号」は、情報を信号にエンコードするような方法で設定又は変更された1つ又は複数の特性を有する信号を意味する。一例として、限定するものではないが、通信媒体は、有線ネットワーク又は直接有線接続等の有線媒体、及び音響、RF、赤外線、及びその他の無線媒体等の無線媒体を含む。
【0122】
前述のように、ハードウェア要素3510及びコンピュータ可読媒体3506は、いくつかの実施形態において、1つ以上の命令を実行する等の本明細書で説明した技術の少なくともいくつかの態様を実施するために用いられるモジュール、プログラム可能な装置のロジック及び/又はハードウェアの形で実装される固定装置のロジックを表す。ハードウェアは、集積回路又はオンチップ・システムのコンポーネント、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、結合プログラマブル論理回路(CPLD)、及びシリコン又は他のハードウェアの他の実装形態を含むことができる。この文脈では、ハードウェアは、ハードウェアによって具現化される命令及び/又はロジックによって規定されたプログラムタスクを実行するような処理装置だけでなく、例えば、前述したコンピュータ可読記憶媒体を実行するための命令を記憶するために利用されるハードウェアとして動作することができる。
【0123】
上述した組合せは、本明細書で説明した様々な技術を実施するために用いることもできる。従って、ソフトウェア、ハードウェア、又は実行可能モジュールは、何らかの形のコンピュータ可読記憶媒体上で及び/又は1つ以上のハードウェア要素3510によって具現化された1つ以上の命令及び/又はロジックとして実装することができる。コンピュータ装置3502を、ソフトウェア及び/又はハードウェアモジュールに対応する特定の命令及び/又は機能を実現するように構成することができる。従って、コンピュータ装置3502によってソフトウェアとして実行されるモジュールの実装形態は、例えばコンピュータ可読記憶媒体及び/又は処理システム3504のハードウェア要素3510を用いて、ハードウェア内で少なくとも部分的に達成される。命令及び/又は機能は、本明細書で説明した技術、モジュール、及び実施例を実現するために、1つ以上の製造物品(例えば、1つ以上のコンピュータ装置3502及び/又は処理システム3504)によって動作可能/実行可能にすることができる。
【0124】
結論
実装例について、構造的特徴及び/又は方法論的動作に特有の専門用語で説明してきたが、添付の特許請求の範囲に規定される実装形態は、必ずしも説明した特定の特徴又は動作に限定されるものではないことを理解すべきである。むしろ、特定の特徴及び動作は、特許請求の範囲に記載された特徴を実施する例示的な形態として開示されている。
図1
図2
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