【課題を解決するための手段】
【0003】
この課題は、請求項1に記載の特徴を有するデバイスおよび請求項13に記載の特徴を有する方法によって解決される。有利な構成および派生例は従属請求項に示されている。
【0004】
本発明が提示するセンサデバイスは、1つの第1のセンサ素子および1つの第2のセンサ素子を備える。この第1のセンサ素子およびこの第2のセンサ素子は、このセンサデバイスの1つの共通なハウジング内に収容されている。このセンサデバイスは、さらに、1つの電極パターンおよびこの電極パターンから分離された1つの接続パターンを備えた、1つの導体パターンを備える。この接続パターンは、上記の第1のセンサ素子と電気的に導通して接続されている。この電極パターンは、上記の第2のセンサ素子に属するものである。有利には、本発明が提示するセンサデバイスによって、1つの複合センサデバイスが提示され、これはたとえばただ1つのセンサ素子またはただ1つのセンサを有するセンサデバイスに対して、種々の測定値を検出することを可能とし、また複数の個々のセンサデバイスのものに対して小さな設置スペースを有する1つのコンパクトな形状を可能とする。さらに本発明が提示するデバイスは、上記の第1のセンサ素子および/または上記の第2のセンサ素子を上記のハウジング内に取り付けるためのプロセス技術的な手間を有利に小さくすることを可能とする。
【0005】
1つの好ましい構成においては、本発明によるセンサデバイスは気象センサデバイスである。この構成は、上記の第1のセンサ素子および上記の第2のセンサ素子を共通のハウジング内に組み込むことを有利なものとするが、これはこれら2つのセンサ素子が環境またはこのセンサデバイスを包囲する媒体、たとえば空気との同等なコンタクト部、あるいは同等な接点を必要とし得るからである。たとえば上記の第1のセンサ素子および上記の第2のセンサ素子は、大気圧を測定するための1つの圧力センサであってよく、そしてもう1つのセンサ素子は大気湿度の測定用の1つの湿度センサであってよい。この気象センサデバイスとしての構成は、さらにこのセンサデバイスを有利にコンパクトな形状とする。
【0006】
1つの構成においては、上記の接続パターンは、上記の電極パターンから離間している。この構成によって、上記の接続パターンおよび上記の電極パターンを、このセンサデバイスの動作において異なる目的に用いることを可能とする。
【0007】
1つの構成においては、上記の接続パターンは、1つの外部接続部を備える。この外部接続部は、上記の接続パターンと電気的に導通して接続されている。この外部接続部は、好ましくはこのセンサデバイスの接続パターンへの1つの電気的な外部接続部となっている。この外部接続部は、このセンサデバイスの外部からアクセス可能とするために、このセンサデバイスのハウジングを貫通してよい。この外部接続部を介して、上記の第1のセンサ素子の測定値をこのセンサデバイスから出力することができる。
【0008】
1つの構成においては、上記の電極パターンは、上記の電極パターンと電気的に導通して接続されている1つの外部接続部を備える。この電極パターンの外部接続部は、たとえば上記の第2のセンサ素子の測定値を出力するために、上記の接続パターンの外部接続部と同様に形成されていてよい。
【0009】
1つの好ましい構成においては、上記の第1のセンサ素子は、第1の測定値たとえば環境圧または大気圧、あるいはこの環境圧または大気圧を取得することができる1つの値を検出するように形成されている。
【0010】
1つの好ましい構成においては、上記の第2のセンサ素子は、第2の測定値たとえば相対湿度または大気湿度、あるいはこの相対湿度または大気湿度を取得することができる1つの値を検出するように形成されている。
【0011】
代替として、上記の第2のセンサ素子は、上記の第2の測定値が、たとえばこのセンサデバイスの環境またはガス雰囲気におけるガス濃度またはガスのパーセント量となるように形成されていてよい。
【0012】
1つの好ましい構成においては、上記の電極パターンは、上記のセンサ素子の一部である。この構成によれば、この第2の測定値は、有利に上記の電極パターンの電気的特性によって取得することができる。
【0013】
1つの好ましい構成においては、上記の電極パターンには1つのコーティング部が設けられている。さらに上記の第2のセンサ素子の測定原理は、上記の電極パターンの、このコーティング部との相互作用に基づいている。有利にこのコーティング部によって、上記の電極パターンの電気的特性が、好ましくは大気湿度によって変化され得る。
【0014】
1つの構成においては、上記の電極パターンは、交互に
噛み合った、電気的に互いに分離された電極を備える。さらに上記の第2のセンサ素子の測定原理は、静電容量の測定原理である。好ましくはこのセンサデバイスの動作においては、上記の交互に
噛み合った異なる電極は、異なる極性に属している。この際上記の第2の測定値は、好ましくは、たとえばこの交互に
噛み合った電極間に測定用電圧を印
加された後に生成される、上記の静電容量の変化によって検出される。上述の測定用電圧は、たとえばこの電極パターンの外部接続部を介してこの電極パターンに印加することができる。
【0015】
好ましくは、上記のコーティング部は、上記の交互に
噛み合った電極によって形成されたコンデンサの誘電体を形成するために、ポリマーたとえばポリイミドを含む。このコーティング部を取り付けた後には、これらの電極の間およびこれら電極の上に誘電体を形成するための目的に適ったコーティング部が存在している。
【0016】
このコーティング部は、好ましくは相対湿度,周辺湿度,または大気湿度すなわち大気または環境からの湿気を吸収あるいは放出し、こしてこのコンデンサの静電容量が変化する。この際このコーティング部は、大気または環境の湿度のべき乗に従って湿気を吸収または放出することができる。静電容量の変化によって、さらにたとえば環境湿度または大気湿度の変化を1つの電子ユニットによって取得することができる。
【0017】
1つの構成においては、さらに上記の第2のセンサ素子の測定原理は、抵抗の測定原理である。この構成によれば、上記の電極パターンは、目的に合わせて連続した、あるいはただ1つの電極によって形成されている。ここで上記の第2の測定値は、好ましくは上記の電極パターンの電気抵抗の変化によって検出される。この電気抵抗および/または導電率の変化は、さらにたとえば環境湿度または大気湿度の変化に関して上記の電子ユニットによって取得することができる。
【0018】
上述の電子ユニットは、センサデバイスの信号処理ユニットまたは外部のユニットであってよく、この外部ユニットには、たとえば上記の電極パターンの外部接続部および/または上記の接続構造の外部接続部を介して上記の第1の測定値および/または第2の測定値が供給される。
【0019】
1つの好ましい構成においては、上記のハウジングは、内側の平面(複数)を有する内側の空間を画定し、ここで上記の接続パターンおよび上記の電極パターンは、同一の内側の平面上または異なる内側の平面上に配設されている。この構成によれば、上記の接続パターンおよび上記の電極パターンは、このセンサデバイスの動作中において外部の影響に対し有利に保護することができる。内側の平面とは、好ましくはこのハウジングの内側にある面を意味する。
【0020】
1つの好ましい構成においては、上記のセンサデバイスは、1つの第1のハウジング部分と1つの第2のハウジング部分とを備え、これらは上記のセンサデバイスのハウジングを形成するために結合されている。この構成によって、たとえば上記の第1のセンサ素子をこのハウジングに取り付けることを、有利に容易とすることができる。このようにして、さらにこのセンサデバイスの製造全体が簡単となる。
【0021】
上記の第1のハウジング部分は、1つのハウジング本体であってよく、上記の第2のハウジング部分は、1つのハウジング蓋であってよく、あるいはこの逆であってよい。
【0022】
1つの好ましい構成においては、上記の第1のハウジング部分および/または上記の第2のハウジング部分は、1つの通気開口部を備える。この通気開口部を介して、この第1のハウジング部分および/または第2のハウジング部分の環境、特にこのセンサデバイスを取り巻く空気またはガス雰囲気へのコンタクト部を有利に形成することができる。これは、本発明によるセンサデバイスの1つの構成では特に気象センサデバイスとして目的に適うものである。
【0023】
1つの好ましい構成においては、上記の第1のハウジング部分および上記の第2のハウジング部分は、それぞれ1つの多層セラミックを備える。この構成によれば、本発明によるセンサデバイスは、このセンサデバイスの動作において上記の接続パターンによっておよび/または上記の電極パターンによって生成された熱、たとえばジュール熱を有利に放散できるように、有利にこの接続パターンおよび電極パターンが設けられている。この多層セラミック(複数)を有する構成によるセンサデバイスは、さらに、とりわけコンパクトに製造することができ、またたとえば外部の電場に対してシールドすることができる。
【0024】
1つの好ましい構成によれば、上記の第1のハウジング部分は、ハイブリッドセラミックまたは回路基板を備え、上記の第2のハウジング部分は、金属特性を備え、あるいはこれらの逆となっている。好ましくはこの構成による第1のハウジング部分または第2のハウジング部分は、金属から成っており、または金属を含んでいる。さらにこの第1のハウジング部分および第2のハウジング部分は、金属特性を有する1つの材料で製造されていてよい。この際このハウジング部品は、そのセンサデバイスの1つのキャップまたは1つの蓋を形成してよく、これに対し上記のハイブリッドセラミックまたは回路基板を備えるハウジング部分は、好ましくは1つのハウジング本体となっていてよい。
【0025】
1つの好ましい構成においては、上記の第1のハウジング部分および上記の第2のハウジング部分は、それぞれ1つの射出成型材料を含んでよい。
【0026】
この第1のハウジング部分および第2のハウジング部分の射出成型された構成に対して、上記の多層セラミックの第1のハウジング部材および第2のハウジング部材は、そのセンサデバイスがコンパクトな形状であるという利点を有する。
【0027】
1つの構成においては、上記の接続パターンおよび/または上記の電極パターンは平坦に形成されている。1つの構成においては、上記の導体パターンは、平坦に形成されている。
【0028】
1つの構成においては、上記の接続パターンおよび/または上記の電極パターンは、3次元的に形成されている。
【0029】
上記の多層セラミックあるいは上記の射出成型材料を含む第1のハウジング部分および第2のハウジング部分の実施形態は、この第1のハウジング部分および/または第2のハウジング部分の3次元的な回路基板または3次元的な回路の実装を有利に可能とする。
【0030】
1つの好ましい構成においては、本発明によるセンサデバイスは、1つの信号処理ユニットを備え、この信号処理ユニットは、上記の第1の測定値および/または第2の測定値から導出された1つの値、たとえば水蒸気分圧または湿度分圧を取得するように構成されている。もう1つの導出される値は、空気密度であってよい。この信号処理ユニットは、既に上記の第1の測定値および/または上記の第2の測定値を取得するように、またはこの取得に寄与するように、代替としてまたは追加的に形成されていてよい。
【0031】
この信号処理ユニットをセンサデバイスに組み込むことによって、上記の導出された値は有利に直接このセンサデバイスが出力することができ、こうして外部の電子ユニットまたはこのセンサデバイスから分離されたさらなる信号処理システムを不要とすることができる。この信号処理ユニットは、上記の電極パターンおよび上記の接続パターンと同様に、1つの外部接続部を備え、こうして、導出された値をこのセンサデバイスからこれらの外部接続部を介して出力することができる。この信号処理ユニットは、この信号処理ユニットを設ける際に、上記の電極パターンおよび上記の接続パターンを不要とすることができるように、有利に上記の接続パターンおよび上記の電極パターンと電気的に導通して接続されている。
【0032】
1つの好ましい構成においては、本発明によるセンサデバイスは、たとえば環境温度の測定用の1つの温度センサを備える。この温度センサは、上記の信号処理ユニットと電気的に導通して接続されていてよい。さらに、こうしてこの温度センサによって測定された温度、たとえば環境温度は、この信号処理ユニットに供給されてよい。好ましくはこの信号処理ユニットは、上記の第1の測定値および/または上記の第2の測定値から導出される値の取得に用いるように適合されている。
【0033】
上記の温度センサは、上記の信号処理ユニットの一部として実装されていてもよい。さらにこの温度センサは、1つのダイオードであってよい。
【0034】
1つの好ましい構成においては、上記の導体パターンは、上記の第1のハウジング部分または上記の第2のハウジング部分に、上記の電極パターンおよび上記の接続パターンが設けられるように形成されている。この構成によれば、たとえば上記の電極パターンおよび上記の接続パターンが設けられていないいずれのハウジング部分も、上記の信号処理ユニット用の十分なスペースを備えており、これよりセンサデバイスのコンパクトな形状を達成することができる。
【0035】
1つの構成においては、上記の導体パターンは、上記の第1のハウジング部分に上記の電極パターンが設けられ、上記の第2のハウジング部分に上記の接続パターンが設けられるように、あるいはこの逆となるように、形成されている。この構成によって、同様にセンサデバイスのコンパクトな形状を可能とすることができるが、これはこの構成によれば上記の接続パターンおよび上記の電極パターンが1つの同一のハウジング部分に設けられているからである。
【0036】
この構成によれば、本発明によるセンサデバイスは、好ましくは、上記の接続パターンが設けられているハウジング部分上に配設されている。
【0037】
さらに本発明はセンサデバイスの製造方法を提示する。本方法は上記の第1のハウジング部分および上記の第2のハウジング部分を準備するステップを備え、ここでこの第1のハウジング部分および第2のハウジング部分が形成され、このセンサデバイスのハウジングが形成される。さらに本方法は、この第1のハウジング部分または両方のハウジング部分に上記の導体パターンを設けるステップを備える。この際この第1のハウジング部分または両方のハウジング部分には、たとえば同じリソグラフィーステップによって、または1つの共通な蒸着処理によって上記の導体パターンが設けられる。この導体パターンは、上記の電極パターンおよびこの電極パターンから電気的に分離された接続パターンを備える。この際上記の第1のセンサ素子および上記の第2のセンサ素子を上記の導体パターンと電気的に導通して接続するために、1つの方法ステップにおいて、第1のハウジング部分には上記の電極パターンおよび接続パターンが設けられるか、あるいは1つの方法ステップにおいて、上記のハウジング部分には上記の接続パターンが設けられ、上記の第2のハウジング部分には上記の電極パターンが設けられる。さらに本方法は、このハウジングに第1のセンサ素子を取り付けるステップを備える。さらに本方法はこのセンサデバイスを完成するステップを備える。このセンサデバイスを完成するステップは、上記の第1のハウジング部分および上記の第2のハウジング部分の取り付けおよび/または組み立てのステップを備える。
【0038】
本方法の1つの構成においては、上記の第1のセンサ素子および上記の第2のセンサ素子を上記の導体パターンと電気的に導通して接続するために、上記の第1のハウジング部分および上記の第2のハウジング部分には、上記の電極パターンおよび上記の接続パターンが設けられる。
【0039】
1つの構成においては、上記の第1のセンサ素子および上記の第2のセンサ素子を上記の導体パターンと電気的に導通して接続するために、上記の第1のハウジング部分には上記の接続パターンが設けられ、上記の第2のハウジング部分には上記の電極パターンが設けられ、あるいはこの逆となっている。
【0040】
本発明が提示する方法の利点は、上記のハウジングを1つの同一の方法ステップにおいて、上記の電極パターンおよび上記の接続パターンを含む導体パターンを設けることができることである。
【0041】
本発明によるセンサデバイスは、好ましくはここに記載する方法を用いて製造することが可能であり、あるいは製造される。特に、本方法について開示されているすべての特徴は、本発明によるセンサデバイスについても開示されるものであり、逆もまた同様である。
【0042】
本方法の1つの好ましい構成においては、上記の接続パターンが設けられているいずれのハウジング部分にも上記の第1のセンサ素子が取り付けられている。この構成により、上記の第1のセンサ素子と上記の接続パターンとの間の電気的に導通した接続を極めて容易に生成することができる。
【0043】
本方法の1つの好ましい構成においては、上記の電極パターンには、上記の第2のセンサ素子を形成するためのコーティング部が設けられている。
【0044】
1つの好ましい構成においては、本発明によるセンサデバイスあるいはハウジングは、2.5mm〜5mmの長さを有する。
【0045】
1つの好ましい構成においては、本発明によるセンサデバイスあるいはハウジングは、2.5mm〜5mmの幅を有する。
【0046】
1つの好ましい構成においては、本発明によるセンサデバイスあるいはハウジングは、0.2mm〜2mmの高さを有する。
【0047】
本発明のさらなる利点,有利な構成,および有用性が、以下に説明する、図に関連した実施形態例で示される。