(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
最初に、本開示の例示的な実施形態の構成を列記して説明する。本開示の実施形態による、動画コンテンツの提示方法およびプログラムは、以下のような構成を備えてもよい。
【0009】
〔形態1〕形態1によれば、コンピュータによって実装される、動画コンテンツの提示方法が提供される。かかる方法は、第1ユーザによる操作に応じて、第1レイヤ・コンテンツとして動画の再生を開始するステップと、動画の再生における所定のタイミングで、該タイミングに関連付けられた、第1コメントを有する第2レイヤ・コンテンツを、第1レイヤ・コンテンツの上に所定の期間重畳させて表示するステップであって、第1コメントが第1ユーザに関連付けられる情報に基づいて動的に生成される、ステップとを含む。
【0010】
〔形態2〕形態2によれば、形態1の方法において、第1コメントは、第1ユーザによって動画に対して登録された試行回数に基づいて生成される。
【0011】
〔形態3〕形態3によれば、形態1または2の方法であって、更に、所定のタイミングで、該タイミングに関連付けられた、所定の第2コメントを有する第3レイヤ・コンテンツを、第1レイヤ・コンテンツの上に重畳させて表示するステップを含む。
【0012】
〔形態4〕形態4によれば、形態3の方法において、第3レイヤ・コンテンツが、キャラクタ・アイコン画像を含み、第3レイヤ・コンテンツが、動画に関連付けられた第2ユーザに関連付けられる。
【0013】
〔形態5〕形態5によれば、形態3または4の方法であって、更に、第3レイヤ・コンテンツが重畳されると、動画の再生を中断するステップを含み、第3レイヤ・コンテンツに更に含まれるボタン・アイコンに対する命令に応じて、中断された動画の再生が再開される。
【0014】
〔形態6〕形態6によれば、形態1から5の何れかの方法をコンピュータに実行させるプログラムが提供される。
【0015】
以下に、本開示に係る動画コンテンツの提示方法およびプログラムの実施形態を添付図面とともに説明する。添付図面において、同一または類似の要素には同一または類似の参照符号が付され、各実施形態の説明において同一または類似の要素に関する重複する説明は省略することがある。また、各実施形態で示される特徴は、互いに矛盾しない限り他の実施形態にも適用可能である。
【0016】
図1は、情報処理システム1000の全体概要図である。情報処理システム1000は、サーバ100と、複数のユーザ端末200,300と、を備える。サーバ100は、ネットワーク400を介してユーザ端末200,300に接続される。説明を簡単にするために、
図1ではユーザ端末を2台だけ示しているが、これに限定されず、ユーザ数に応じて3台以上としてもよい。また、ユーザ端末200,300の具体的な機器は、図示したパーソナルコンピュータおよびスマートフォンに限定されず、これ以外にも、例えば、フィーチャーフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、またはタブレット端末等の電子機器としてもよい。
【0017】
以下では、これに限定されないが、ユーザ端末200は、主に、サービス提供側の指導者ユーザ(以下、「指導者」ということもある。)が用いる端末を、また、ユーザ端末300は、主に、サービス利用側のユーザ(以下、「一般ユーザ」または「視聴ユーザ」ということもある。)が用いる端末を想定する。例えば、指導者は主に、自身で指導用の動画を作成して動画コンテンツをサーバ100にアップロードするためにユーザ端末200を使用する。また、一般ユーザは主に、動画コンテンツを視聴するためにユーザ端末300を使用する。
【0018】
ユーザ端末200,300には、インスタント・メッセージング(IM)サービス用のアプリケーションがインストールされ、指導者および一般ユーザによって利用されてもよい。当該IMアプリケーションでは、一般ユーザと指導者との間でアカウントを連携、リンクさせる(「友達」になる)ことにより、専用の仮想空間(「トークルーム」)を介して、メッセージングをすることができる。他にも、SNS(Social Networking Service)またはブログ(Blog)等、複数のユーザのアカウント間を連携させて、アカウント間でメッセージング(即ち、メッセージ・データの送受信)を行うことができる任意のアプリケーションやWebサービスが利用可能である。
【0019】
図2および
図3を参照して、サーバ100およびユーザ端末200,300のハードウェア構成の概要について説明する。
図2に示されるサーバ100は、アプリケーションを通じてサービスを提供するための情報処理装置であり、例えばワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、或いはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。サーバ100は、プロセッサ10、メモリ11、ストレージ12、通信インタフェース(IF)13、および入出力部14等を備え、これらはバス15を通じて相互に電気的に接続される。
【0020】
プロセッサ10は、サーバ100全体の動作を制御し、各要素間におけるデータの送受信の制御、およびアプリケーションの実行に必要な情報処理等を行う演算装置である。例えばプロセッサ10はCPU(Central Processing Unit)であり、ストレージ12に格納されメモリ11に展開されたプログラム等を実行して各情報処理を実施する。
【0021】
メモリ11は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性記憶装置で構成される主記憶と、フラッシュメモリやHDD(Hard Disc Drive)等の不揮発性記憶装置で構成される補助記憶と、を含む。メモリ11は、プロセッサ10のワークエリア等として使用され、また、サーバ100の起動時に実行されるBIOS(Basic Input / Output System)、および各種設定情報等を格納する。ストレージ12は、アプリケーション・プログラム、およびユーザの認証プログラム等の各種プログラムを格納する。アプリケーションの各処理に用いられるデータを格納したデータベースがストレージ12に構築されてもよい。
【0022】
通信インタフェース13は、サーバ100をネットワーク400に接続し、ユーザ端末200,300との間で通信を行う。入出力部14は、マウスやキーボード等の情報入力機器、およびディスプレイ等の出力機器である。バス15は、上記各要素に共通に接続され、例えば、アドレス信号、データ信号および各種制御信号を伝達する。
【0023】
図3に示されるユーザ端末200(300)の例は、主に、タッチパネルを有するスマートフォン(300)を想定している。ユーザ端末200(300)は、プロセッサ20、メモリ21、ストレージ22、通信インタフェース23、撮像部24、タッチパネル25、および検知部26等を備え、バス29を介して相互に電気的に接続される。
【0024】
プロセッサ20は、ユーザ端末200(300)の動作を制御し、各要素間におけるデータの送受信の制御、およびプリケーションの実行に必要な処理等を行う演算装置である。例えばプロセッサ20はCPUおよび/またはGPU(Graphical Processing Unit)等であり、ストレージ22に格納され、メモリ21に展開されたプログラム等を実行することによって必要な各情報処理を実施する。
【0025】
メモリ21は、RAMなどの揮発性記憶装置で構成される主記憶と、フラッシュメモリやHDD等の不揮発性記憶装置で構成される補助記憶と、を含む。メモリ21はプロセッサ20のワークエリア等として使用され、また、ユーザ端末200(300)の起動時に実行されるBIOS、および各種設定情報等が格納される。ストレージ22には、アプリケーション・プログラム等が格納される。アプリケーション・プログラムは通信インタフェース23を通じてダウンロードすることによりストレージ22に格納される。
【0026】
通信インタフェース23は、ユーザ端末200(300)をネットワーク400に接続し、サーバ100と通信を行う。また、通信インタフェース23は、Bluetooth(登録商標)およびBLE(Bluetooth Low Energy)の近距離通信インタフェースを含んでもよい。撮像部24は、静止画および動画の撮像機能を有し、ユーザによって撮像された画像をストレージ22に格納する。特に、撮像部24を用いて、指導者は指導用の動画を撮像することができる。
【0027】
タッチパネル25は、入力部251および表示部252を構成する。タッチパネルの入力部251は、ユーザによるタッチパネル25への操作があったことを検知する。入力部251は、圧力検出方式、抵抗膜方式、静電容量方式、または電磁誘導方式等を採用することができる。そして、タッチパネル上の任意の位置で操作(タッチパネルに対する、タッチ操作、スライド動作、スワイプ操作、及びタップ操作等の物理的接触操作)による入力を受けると、その位置における押圧、電気抵抗、電気容量、または弾性波のエネルギー等の変化量が検知され、対応する接触位置座標が特定される。タッチパネルの表示部252は通常、液晶ディスプレイ等で構成される。
【0028】
検知部26は、内蔵型センサとして、これに限定されないが、加速度センサ、振動センサ、ジャイロセンサ、地磁気センサ、近接センサ、照度センサ、圧力センサ、およびGPS等を含む。検知部26は、一例として、ユーザの歩数、移動距離および行動範囲等を含む活動情報やライフログ情報を測定および取得する活動量計として機能する。また、活動情報は、外部のウェアラブル・デバイス(非図示)と連携して、通信インタフェース23を通じて受け取ってもよい。外部のウェアラブル・デバイスを使用することにより、ECG(electrocardiogram)センサや筋電センサのようなより詳細な生体情報を取得可能である。これ以外にも気象センサ等からの各種データも取得可能としてもよい。バス29は、上記の各要素に共通に接続され、例えば、アドレス信号、データ信号、および各種制御信号を伝達する。
【0029】
これより
図4を参照して情報処理システム1000の機能構成について説明する。
図4は、サーバ100、およびユーザ端末200(300)にそれぞれ実装される機能を中心に示した例示のブロック図である。サーバ100は、通信部110と、アプリケーション部170と、記憶部190とを含み、相互に作用する。アプリケーション部170は、更に、一般ユーザに対して初期サーベイを実施する初期サーベイ部171と、登録される動画についてハッシュタグとも称されるタグを設定するタグ設定部173と、ユーザ端末300に動画コンテンツを配信する動画配信部175とを含む。記憶部190は、更に、一般ユーザ関連情報192と、動画コンテンツ情報194と、アプリケーション関連情報196とを含む。
【0030】
記憶部190において、各種情報を例えばテーブル形式でデータベースにてレコード管理するのがよい。また、記憶部190は、これらの情報以外にも、各種データ・ファイルと、IMアプリケーションや動画再生用アプリケーションを実装したプログラムと、一実施形態による動画コンテンツの提示方法を実装したプログラムとを含むコンピュータ・プログラムとを含むことができる。
【0031】
ユーザ関連情報192は、一例として、一般ユーザ情報や指導者情報を含む。一般ユーザ情報は、一般ユーザ全般に関する情報である。一例として、アカウント情報と、一般ユーザの基本登録情報(性別、年齢、住所、連絡先等)と、一般ユーザのアイコン画像とを含む。また、アプリケーション部170の初期サーベイ部171によって、ユーザ端末300の入力部240との相互作用を通じてユーザ端末300から取得した初期サーベイ情報(一般ユーザの生活情報、嗜好情報、および健康情報等)を含んでもよい。更に、ユーザ端末300の検知部26で取得した各種行動情報やライフログ情報を含んでもよい。加えて、その一般ユーザが視聴した動画コンテンツの視聴履歴情報(視聴動画コンテンツ、視聴日時、視聴回数、試行回数等)を含んでもよい。一方、指導者情報は、指導者全般に関する情報である。一例として、アカウント情報と、指導者の基本登録情報(性別、年齢、住所、連絡先等)と、指導者のアイコン画像とを含む。
【0032】
動画コンテンツ情報194は、動画コンテンツ全般に関する情報である。一例として、動画ファイル情報と、動画ファイルの再生時にユーザ端末の出力部250に表示されるコメント情報と、コメントの表示に関するルールおよびパターン等の設定情報と、動画ファイルに関連付けられるタグ情報とを含む。なお、設定情報はコメント・テーブルとしてテーブル形式でレコード管理してもよい(後述)。動画コンテンツ情報194は主に、指導者のユーザ端末200によって登録される。或いは、例えばタグ情報のように、動画コンテンツを視聴した一般ユーザのユーザ端末300によって、フィードバックとして登録されてもよい。更に、動画コンテンツ情報194は、一般ユーザによって視聴された特定の動画コンテンツの視聴履歴情報(視聴動画コンテンツ、視聴日時、視聴回数、試行回数等)を含んでもよい。
【0033】
アプリケーション関連情報196は、アプリケーション全般に関する情報である。一例として、IMアプリケーションを通じて一般ユーザと指導者を関連付けるためのアカウント関連付け情報と、IMアプリケーションにおいて提供されるトークルーム情報およびトークルーム内のメッセージング履歴とを含む。また、動画コンテンツの登録および配信に関する動画アプリケーションに関する情報も含む。なお、IMアプリケーションは動画アプリケーションと連携可能であり、例えば、IMアプリケーション起動中に動画アプリケーションと連携して動画コンテンツを再生可能としてもよい。
【0034】
一方、ユーザ端末200(300)は、通信部210と、記憶部220と、入力部240と、出力部250と、アプリケーション部270とを含み、相互に作用する。入力部240は、一例では、一般ユーザがサーバ100の初期サーベイ部と相互作用して、ユーザ関連情報192を入力する。また、指導者が動画コンテンツ情報194に含まれるコメント情報を入力する。出力部250は、一例では、サーバ100の動画配信部175から配信された動画コンテンツを表示する。アプリケーション部270は、動画コンテンツ用のアプリケーションを含む。具体的には、撮像部24で自ら生成した動画コンテンツを動画コンテンツ情報196としてサーバ100に登録する動画登録部271と、サーバ100に登録された動画コンテンツを再生するための動画再生部273とを含む。また、アプリケーション部270は、IMサービスを通じてユーザのアカウント間でメッセージングを行うIMアプリケーションを含む。これにより、複数のユーザ端末200(300)間で、各通信部210がネットワーク400を介してサーバ100の通信部110およびアプリケーション部170と連携し、メッセージングに係るデータの送受信を行う。
【0035】
図2および
図3に示した上記のサーバ100およびユーザ端末200(300)の各ハードウェア構成における各要素、並びに
図4に示した各機能ブロックは一例に過ぎず、これらに限定されない。特に、
図4に示した各機能ブロックは、ハードウェアの一部として実装されても、および/またはソフトウェアの一部として実装されてもよい。また、
図4に示したサーバ100の各機能ブロックの少なくとも一部は、ユーザ端末200(300)が有するように構成してもよい。ユーザ端末200(300)の各機能ブロックの少なくとも一部も、サーバ100が有するように構成してもよい。つまり、一実施形態によるコンテンツ提示方法およびプログラムは、サーバ100およびユーザ端末200(300)から任意に選択される情報処理装置が実行できるものである。加えて、上述した例示の各種情報やコンピュータ・プログラムは、図示されるテーブル構成、データ種別、データ項目、および格納場所に限定されないことが認められる。つまり、記憶部190に格納されるのに加えて、或いは記憶部190に格納されるのに代えて、ユーザ端末の記憶部220に格納されてもよい。
【0036】
図5および
図6を参照して、一実施形態による動画コンテンツの提示方法に関連し、指導者のユーザ端末200を用いた動画コンテンツの登録処理について説明する。
図5は、ユーザ端末200の動画登録部271によって動画コンテンツを登録する処理フロー図を示す。
図6は、登録された動画コンテンツについて、その再生時に、ユーザ端末300の出力部250に表示され、一般ユーザに閲覧される画面イメージの例をその概念と共に示す。
【0037】
動画コンテンツの登録処理は、指導者のユーザ端末300による動画ファイルのアップロードによってトリガされ、サーバ100と相互作用することで実施される。即ち、動画登録部271は、作成した動画ファイルをサーバ100の記憶部190に動画コンテンツ情報194の一部としてアップロードする。そして、その動画コンテンツ情報194を動画レイヤL1に関連付けることにより、動画レイヤ・コンテンツを生成する(S11)。画面イメージD1の例では、指導者により、「腹式呼吸」に関するガイダンス動画ファイルをサーバ100にアップロードされている。動画レイヤ(L1)コンテンツには、動画再生時の指導者画像TRが含まれている。動画コンテンツ情報194には、指導者によって併せて登録されるタグ情報が動画ファイルに関連付けて含まれてもよい。
【0038】
次いで、動画登録部271は、動画の所定のタイミングにおける表示画像の解説情報を解説コメントとして登録し、解説レイヤ(L2)に関連付ける。これにより、解説レイヤ(L2)コンテンツを生成する(S13)。画面イメージD1の例では、テキスト「1.リラックスした状態でまっすぐ立ちます」が解説コメントC11に相当し、解説レイヤ(L2)コンテンツに含まれる。
【0039】
更に、動画登録部271は、動画の所定のタイミングにおける表示画像に関し、アイコン画像から一般ユーザに供給するための情報をアイコン・コメントとして登録し、アイコン・レイヤ(L3)に関連付ける。これにより、アイコン・レイヤ(L3)コンテンツを生成する(S15)。その際、アイコン・コメンに関するパターンおよび該パターンの選択ルールと共にコメント・テーブルにレコード登録するのがよい(後述)。画面イメージD1の例では、テキスト「太郎さん、3回目の腹式呼吸ですね!1日10回を目標に頑張って下さいね!」がアイコン・コメントC12に相当し、アイコン・レイヤ(L3)コンテンツに含まれる。また、一例では、キャラクタ・アイコン画像CH、「OK」ボタンOB、および試行ボタンTBもアイコン・レイヤ(L3)コンテンツに含まれてもよい。キャラクタ・アイコン画像CHは、動画に関連付けられた画像、例えば動画ファイルを登録した指導者のアイコン画像としてもよく、これにより、一般ユーザと指導者のインタラクティブ性を向上させることができる。
【0040】
動画コンテンツの再生時、上記の所定のタイミングにおいて、ユーザ端末300の出力部250に表示される画面イメージD1は、
図6に示すようになる。ここでは、最下層の動画レイヤL1と、動画レイヤL1の上の解説レイヤL2と、解説レイヤL2の上のアイコン・レイヤL3とを重畳させることにより生成される。つまり、各レイヤL1,L2,L3の各コンテンツを重畳させることにより、配信されることになる動画コンテンツが生成される。その際、解説レイヤL2およびアイコン・レイヤL3の各コンテンツは所定の透過率で透過処理されるのがよい。透過率は任意の方法で決定することができる。このように、コンテンツをマルチ・レイヤ化することにより、動画作成に関する専門知識を有しないユーザであっても、動的に生成されるコメントを付加可能な動画コンテンツを手軽に生成することができるようになる。
【0041】
アイコン・レイヤ(L3)が動画レイヤ(L1)に重畳されたときは、動画レイヤ(L1)コンテンツである動画ファイルの再生を中断するようにしてもよい。この場合、一般ユーザが、タッチ操作により「OK」ボタンOBを押下した場合に、それを動画ファイルの再開命令に変換し、当該再開命令に応じて中断された動画ファイルの再生を再開してもよい。また、試行ボタンTBの横には、特定の一般ユーザが動画コンテンツの内容を試行した回数、即ち、動画に対して登録された試行回数が表示される(画面イメージD1の例では「2回」既に登録している。)。一般ユーザが試行ボタンTBをタッチ操作により押下する毎に、この試行回数が明示的にインクリメントされる。つまり、一般ユーザは、その動画コンテンツを閲覧した際に、それにしたがい自身で試行した総回数を登録しておくことができる。D1の試行回数「2」の値は、例えばコメントC12に含まれる「3回目」の値を動的に計算するときに用いることができる。
【0042】
次に、
図7を参照して、一実施形態による動画コンテンツの提示方法について説明する。
図7は、一実施形態による動画コンテンツの提示方法の処理フロー図を示す。一実施形態による動画コンテンツの提示方法は、主に、サーバ100によって実装される。そして、サーバのアプリケーション部170が有する動画配信部175と、ユーザ端末のアプリケーション部270が有する動画再生部273との協働によって処理される。
【0043】
一実施形態による動画コンテンツの提示方法は、ユーザ端末300の入力部240を通じた一般ユーザによる操作(例えばタッチ操作)をトリガにする(S31)。一般ユーザによる操作受けると、動画再生部273は、指定された動画コンテンツの再生をサーバに指示する。それに応じて、動画再生部175は動画ファイルの再生を開始する。特に、動画コンテンツに関し、登録済みの動画レイヤ(L1)コンテンツをユーザ端末300の出力部250に表示する(S32)。なお、動画ファイルの再生は、ストリーミング形式としてもダウンロード形式としてもよい。ダウンロード形式とした場合は、ユーザ端末300(クライアント)側で以降の動画配信処理を完結してもよい。
【0044】
動画配信部175は、動画ファイルの再生において所定のタイミングを検出する(S33)。この例では、所定のタイミングに解説レイヤ(L2)コンテンツおよびアイコン・レイヤ(L3)コンテンツが関連付けられている場合(後述)を想定するが、これに限定されない。例えば、1つのタイミングに対し解説レイヤ(L2)コンテンツおよびアイコン・レイヤ(L3)コンテンツの一方のみが関連付けられてもよい。更に、複数のタイミングに対し各レイヤ・コンテンツが別個に関連付けられてもよい。動画配信部175は、所定のタイミングにおいて、動画レイヤ(L1)の上に解説レイヤ(L2)を重畳させる。つまり、所定のタイミングに関連付けられる解説レイヤ(L2)コンテンツを、動画レイヤ(L1)コンテンツの上に重畳する。重畳されたコンテンツは、ユーザ端末300の出力部250に、所定の期間表示させる(S34)。解説レイヤ(L2)コンテンツの表示期間は、所定のタイミングに関連付けられて予め設定される。
【0045】
次いで、動画配信部175は、所定のタイミングに関連付けられるアイコン・レイヤ(L3)コンテンツを決定する(S35)。アイコン・レイヤ(L3)コンテンツには動的に生成されるコメントが含まれる。具体的には、当該コメントは、所定のルールに基づいて決定されるパターンを用いて、ユーザに関する情報(例えば、関連情報192)に基づいて動的に生成される。引き続き、動画配信部175は、解説レイヤ(L2)の上にアイコン・レイヤ(L3)を重畳させる。つまり、所定のタイミングに関連付けられるアイコン・レイヤ(L3)コンテンツを、解説レイヤ(L2)コンテンツの上に重畳する。重畳されたコンテンツはユーザ端末300の出力部250に所定の期間表示させる(S36)。アイコン・レイヤ(L3)コンテンツの表示期間は、所定のタイミングに関連付けられて予め設定される。動画ファイルの再生中は、S33からS36の処理が繰り返し実施される。
【0046】
図8および
図9を参照して、一実施形態による動画コンテンツの提示方法に関する例示の動画コンテンツの提示態様を示す。
図8は、動画コンテンツの全体概要を概念的に示し、
図9は、
図8に対応する具体的な画面イメージの遷移図を示す。
図8に示すように、動画レイヤ(L1)コンテンツは、「腹式呼吸」に関する3分間の動画ファイルに関し、タイミングとして#1(0:00),#2(0:52),#3(2:10)の3つが設定されていることを想定する。このように、動画レイヤ(L1)コンテンツに関するタイミングに、解説レイヤ(L2)コンテンツおよび/またはアイコン・レイヤ(L3)コンテンツが関連付けられている。
【0047】
タイミング#1に関連し、次のタイミング#2まで、動画レイヤ(L1)コンテンツの上に解説レイヤ(L2)コンテンツが重畳して表示される。解説レイヤ(L2)コンテンツは、予め設定された「1.リラックスした状態でまっすぐ立ちます」である。また、タイミング#1の時点で、解説レイヤ(L2)コンテンツの上に更にアイコン・レイヤ(L3)コンテンツが重畳される。アイコン・レイヤ(L3)コンテンツは、コンテンツ・テーブルに規定されるパターン1の#1001.txt(「“ユーザ名”さん、“X”回目の腹式呼吸ですね!1日“Y回”を目標に頑張ってくださいね!」)に基づいて動的に生成される。
【0048】
ここでは、コンテンツ・テーブル(
図8下部)を参照し、予め設定されたタイミング#1に対応するルールに基づいて、画面イメージD1に表示された回数(即ち、動画に対して登録された回数)に応じてパターンが決定される。具体的には、パターン1の#1001.txtが採用される。なお、回数「2」は、Xの値としても使用される。また、ユーザ名として、一般ユーザのユーザ情報を使用するのがよい。更に、この一般ユーザに関連付けられる初期サーベイからのユーザ情報(例えば、ユーザの属性や嗜好情報)に基づいて、腹式呼吸を毎日頻繁に意識して行うべきユーザであると判定されるような場合に、Yの値として「10」が動的に設定されてもよい。
【0049】
これにより、一般ユーザの基本属性や嗜好といった基本情報に基づいて動画上のコメントを動的に生成することができ、一般ユーザ向けにカスタマイズされた動画コンテンツを生成することができる。加えて、ユーザに関連した情報以外にも、タグ設定部173によって、動画ファイルに関連付けられるタグ情報を用いてルールやパターンが規定されてもよい。タグ情報は、指導者が動画ファイルを初期登録するときに、その指導者によって登録されてもよいし、或いは、不特定多数の一般ユーザによって動画コンテンツが視聴される都度フィードバックとして登録されてもよい。これにより、他の一般ユーザによる視聴状況にしたがい、世の中の状況を適切に反映してカスタマイズされた動画コンテンツを生成することができる。
【0050】
また、タイミング#1では、
図9の画面イメージD1(
図6)のように、アイコン・レイヤ(L3)コンテンツの一部として「OK」ボタンOBが表示され、タッチ操作を受けない限り、動画レイヤ(L1)コンテンツの動画ファイルの再生が中断される。「OK」ボタンOBへのタッチ操作を受けると、アイコン・レイヤ(L3)が除去され、動画レイヤ(L1)コンテンツの上に解説レイヤ(L2)コンテンツが重畳して表示された表示状態として、動画レイヤ(L1)コンテンツの動画ファイルが再生される。
【0051】
タイミング#1の次のタイミング#2に関連し、タイミング#2から35秒の間、動画レイヤ(L1)コンテンツの上に解説レイヤ(L2)コンテンツが重畳して表示される。解説レイヤ(L2)コンテンツは、予め設定された「2.鼻から息を吸い、口から息を吐きましょう」である。同じく、タイミング#2から35秒の間、解説レイヤ(L2)コンテンツの上に更にアイコン・レイヤ(L3)コンテンツが重畳される。アイコン・レイヤ(L3)コンテンツは、コンテンツ・テーブルに規定されるパターン1#2001.txt(「“ユーザ名”さんの場合は、10秒以上鼻から息を吸うことを特に心がけてくださいね〜!!」)に基づいて動的に生成される。
【0052】
ここでは、コンテンツ・テーブルを参照し、予め設定されたタイミング#2に対応するルールに基づいて、パターン1の#2001.txtが決定される。具体的には、この一般ユーザに関連付けられる初期サーベイからのユーザ情報(例えば、ユーザの属性や嗜好情報)に基づいて、この一般ユーザの「初期症状」が「動悸息切れ」に該当すると判断され、上記パターン1の#2001.txtが決定される。このようにして生成されたタイミング#2での画面表示は、画面イメージD2に示される。
【0053】
タイミング#2の次のタイミング#3に関しても同様である。つまり、タイミング#3から動画の終了まで間、動画レイヤ(L1)コンテンツの上に解説レイヤ(L2)コンテンツが重畳して表示される。解説レイヤ(L2)コンテンツは、予め設定された「3.細く長い呼吸を意識しながら繰り返します」である。同じく、タイミング#3から動画の終了までの間、解説レイヤ(L2)コンテンツの上に更にアイコン・レイヤ(L3)コンテンツが重畳される。アイコン・レイヤ(L3)コンテンツは、コンテンツ・テーブルに規定されるパターン1#3001.txt(「しっかり伸ばすと、“ユーザ名”さんが“気にしている症状”にも効きますよっ!!!!」に基づいて動的に生成される。
【0054】
ここでは、コンテンツ・テーブルを参照し、予め設定されたタイミング#3に対応するルールに基づいて、パターン1の#3001.txtが決定される。具体的には、この一般ユーザに関連付けられて日頃取得される、ライフログとも称されるユーザの行動情報(歩数、移動距離、移動範囲、運動パターン等)から、この一般ユーザに関する「気になる症状」が動的に決定される。そして、「気になる症状」が「猫背」に該当する場合には、アイコン・レイヤ(L3)コンテンツとしてパターン1の#3001.txtが採用され、その値が使用されて表示される。このようにして生成されたタイミング#3での画面表示は、画面イメージD3に示される。
【0055】
一実施形態によれば、動画に対し、関連するコメントを視聴ユーザ向けに動的に生成およびカスタマイズしてマルチ・レイヤ化して表示することにより、視聴ユーザにとってよりインタラクティブ性の高い動画コンテンツを提示することができる。特に、動画配信において、視聴ユーザの基本属性、嗜好およびライフログ、並びに他の視聴ユーザによる視聴状況(タグ情報の付与状況)にしたがい、状況を適切に反映したコメントを提供可能とするコンテンツ提示方法およびプログラムを実現することができる。
【0056】
上述した実施形態は、本発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良することができると共に、本発明にはその均等物が含まれることは言うまでもない。
【解決手段】一実施形態によれば、第1ユーザによる操作に応じて、第1レイヤ・コンテンツとして動画の再生を開始するステップと、動画の再生中の所定のタイミングで、該タイミングに関連付けられた、第1コメントを有する第2レイヤ・コンテンツを、第1レイヤ・コンテンツの上に所定の期間重畳させて表示するステップであって、第1コメントが第1ユーザに関連付けられる情報に基づいて動的に生成される、ステップとを含む、方法が提供される。