(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明に係る流体混合装置について図面を参照しながら説明するが、その前にこの流体混合装置を具備する混合流体生成装置について図面を参照しながら説明する。
【0013】
[混合流体生成装置の説明]
図1に示すAは混合流体を生成する混合流体生成装置であり、混合流体生成装置Aは、本発明に係る流体混合装置Mを具備している。本実施形態では、連続相としての流体として水や海水等の処理水Wを採用し、また、分散相としての流体として空気、酸素ガス、窒素ガス等の気体を採用した気液混合流体の生成について説明する。すなわち、混合流体生成装置Aは、処理水Wを収容した上面開口箱型のタンクTの底部に循環パイプJの基端部を接続し、循環パイプJの先端部をタンクT内の処理水W中に挿入することで、タンクT内と循環パイプJ中で流体を循環させる循環流路Cyを形成している。循環パイプJの中途部には気体供給パイプK1を介して気体供給部K2を連通連結するとともに、気体供給部K2の下流側に位置させて流体混合装置Mを連通連結している。流体混合装置Mは、気体供給部K2から供給された気体と処理水Wの気液混相にせん断力を作用させることで、気体を超微細な気泡を有する気泡群となして処理水Wと混合するように構成している。
【0014】
タンクTの下流側に位置する循環パイプJの中途部には吸込ポンプPaと吐出ポンプPbとを直列的に隣接させて配設している。そして、上流側に配置した吸込ポンプPaの吐出口と下流側に配置した吐出ポンプPbの吸込口との間に位置する循環パイプJの部分に気体供給パイプK1を介して気体供給部K2を接続している。ここで、吸込ポンプPaの吐出圧は吐出ポンプPbの吸込圧以下に設定している。V1は気体供給パイプK1の中途部に設けた気体供給量調整弁、V2は循環パイプJの先端部に取り付けた圧力調整弁、WkはタンクT内に溶媒である処理水Wを随時供給可能とした処理水供給部である。
【0015】
上記した循環流路Cyには逆洗流路Bwを連通連結している。すなわち、流体混合装置Mの直上流側に位置する循環パイプJの部分に、上流側三方弁V3を介して逆洗用迂回パイプUの一側端部を連通連結する一方、流体混合装置Mの直下流側に位置する循環パイプJの部分に、下流側三方弁V4を介して逆洗用迂回パイプUの一側端部を連通連結している。逆洗用迂回パイプUの中途部には中途部三方弁V5を設けて、中途部三方弁V5を介して排水収容部Hを連結している。逆洗流路Bwは、上・下流側三方弁V3,V4を介して循環パイプJと逆洗用迂回パイプUを連通させることで形成される。そして、タンクT内に収容した洗浄水を吸込ポンプPa及び/又は吐出ポンプPbにより逆洗流路Bw内で所要回数だけ循環させることで、流体混合装置Mの下流側から上流側に洗浄水を逆流させて流体混合装置M内を洗浄(逆洗)処理することができる。逆洗処理後は、逆洗用迂回パイプUの中途部に設けた中途部三方弁V5を介して排水収容部Hに洗浄排水を排出することができる。その後は、各三方弁V3,V4,V5を復元操作することで循環流路Cyを復元するとともに、タンクT内に処理水Wを収容することで流体混合処理を再開することができる。
【0016】
このように構成した混合流体生成装置Aでは、吸込ポンプPaと吐出ポンプPbを協働させることで、それらの間に配設した気体供給部K2から供給される気体が、吸込ポンプPaの吐出口からの吐出圧を受けるとともに、吐出ポンプPbの吸込口からの吸引圧(エジェクタ効果)を受けて、円滑かつ安定して吸入される。その結果、処理水Wに混入される気体の量を一定に確保することができる。また、本実施形態では処理水Wと気体との混合流体の生成能力を確保したまま消費電力が小さい吸込ポンプPaと吐出ポンプPbを組み合わせて協働使用することができるので、混合流体生成装置Aの製造コストやランニングコストを低減させることができる。
【0017】
例えば、処理水Wと窒素ガスを循環流路Cy中に循環させる処理作業を所定循環回数ないしは所定時間行うことにより、処理水Wに溶存している酸素を放出させるとともに、窒素ガスを処理水W中に溶解させて処理水Wを窒素水となすことができる。混合流体生成装置Aによれば、例えば、1tの処理水WのDO値(溶存酸素量)を60分以内に1mg/L以下となすことができる(
図6参照)。
【0018】
また、上・下流側三方弁V3,V4を操作して逆洗流路Bwを形成することで、流体混合装置Mの下流側から上流側に洗浄水を逆流させて流体混合装置M内を洗浄(逆洗)処理することができる。逆洗処理後は、中途部三方弁V5を介して排水収容部Hに洗浄排水を排出することができる。その後は、各三方弁V3,V4,V5を復元操作することで簡単に流体混合処理を再開することができる。このように、適宜逆洗処理をすることで、流体混合装置Mの流体混合機能を良好に確保することができる。
【0019】
[流体混合装置の説明]
流体混合装置Mについて、
図2〜
図5を参照しながら説明する。流体混合装置Mは、
図2〜
図5に示すように、混合処理対象である複数の異なる流体(本実施形態では処理水Wと気体)Rを加圧状態にて導入する導入口11を設けた混合ケース10内に、導入口11から導入された流体Rを混合する複数の混合ユニット20を配設し、混合ケース10には混合ユニット20により混合された混合流体Rm(本実施形態では処理水Wと気体の気液混合流体)を導出する導出口12を設けて構成している。
【0020】
混合ケース10内には、導入口11側から導出口12側に向けて複数の混合ユニット20を相互に間隔をあけて直列的に配設して、混合ユニット20間に中継溜り空間Shを形成するとともに、導入口11と最上流側に配置した混合ユニット20との間に導入口側溜り空間Suを形成する一方、最下流側に配置した混合ユニット20と導出口12との間に導出口側溜り空間Sdを形成して、各溜り空間Su,Sh,Sdの間に混合ユニット20を連通させて配置している。
【0021】
混合ユニット20は、板状の第1エレメント30と第2エレメント40の面同士を対向状に配置して、両エレメント30,40の始端縁部間を流入口50となす一方、両エレメント30,40の終端縁部間を流出口51となし、両エレメント30,40の各対向面31,41には同一の深さと大きさを有する複数の凹部群32,42を流入口50側から流出口51側に向けて間隔をあけて区分して形成するとともに、対向する凹部34,44同士は相互に連通するように位置を違えて配置して、各凹部群32,42の対向する凹部34,44間には流体Rが蛇行しながら合流と分流を繰り返しながら流入口50側から流出口51側に向けて流動するように構成している。
【0022】
そして、本実施形態の流体混合装置Mは、複数(本実施形態では10個)の混合ユニット20を積層状に重合配置して混合ユニット積層体60を形成して、混合ケース10内の導入口11と導出口12との間において、導入口側溜り空間Suと中継溜り空間Shとの間、中継溜り空間Shと中継溜り空間Shとの間、及び、中継溜り空間Shと導出口側溜り空間Sdとの間に、それぞれ混合ユニット積層体60を配設している。つまり、本実施形態では、混合ケース10内に複数(本実施形態では4個)の混合ユニット積層体60を上流側から下流側に向けて一定の間隔をあけて直列的に配設している。各混合ユニット20の流入口50は導入口11側に向けて開口配置する一方、各混合ユニット20の流出口51は導出口12側に向けて開口配置している。
【0023】
このように構成した流体混合装置では、以下のような作用効果が生起される。すなわち、混合ケース10内の導入口11と導出口12との間において、導入口側溜り空間Suと中継溜り空間Shとの間、中継溜り空間Shと中継溜り空間Shとの間、及び、中継溜り空間Shと導出口側溜り空間Sdとの間にそれぞれ混合ユニット20を連通させて配置しているため、混合ケース10内を流動する流体Rは、流動抵抗のない各溜り空間Su,Sh,Sdと、流動抵抗となる各混合ユニット20を交互に直列的に通過することで堅実に脈流となる。
【0024】
すなわち、流動抵抗が殆どない各溜り空間Su,Sh,Sd内を流動する流体Rの流速は比較的大きいものの、混合機能を有する各混合ユニット20中を流動する流体Rは流動抵抗を受けてその流速が比較的低減される。そのため、混合ケース10内を流動する流体Rの流速は大→小→大→小→大と変化(激変)されて、流体Rの流れが堅実な脈流となる。その結果、各混合ユニット20中を流動際はもとより、混合ケース10内において脈流となって流動する際にもせん断効果が生起されて、相乗的なせん断効果が得られる。
【0025】
また、各混合ユニット20の上流側と下流側にはそれぞれ各溜り空間Su,Sh,Sdを配置して、各混合ユニット20の流入口50は導入口11側に向けて開口配置する一方、各混合ユニット20の流出口51は導出口12側に向けて開口配置しているため、混合ケース10内における圧力損失を低減させることができる。そのため、流体混合装置Mに流体を加圧して供給する吸込ポンプPaと吐出ポンプPbの電力消費量の低減を図ることができるとともに、混合処理済み流体である混合流体Rmの流出量(導出量)の増大化(効率化)を図ることができる。
【0026】
また、本実施形態では、吸込ポンプPaと吐出ポンプPbにより導入口11を通して混合ケース10に流体Rを加圧状態にて導入し、混合ケース10内に配設した混合ユニット20により流体Rを混合して、混合された混合流体Rmを導出口12から混合ケース10外に導出することができる。
【0027】
そして、混合ユニット20では、面同士を対向状に配置した板状の第1エレメント30と第2エレメント40の始端縁部間である流入口50から流体Rを流入させて、両エレメント30,40の終端縁部間である流出口51から流出させるまでの間に、流入した流体Rを各凹部群32,42の対向する凹部34,44間にて合流と分流を繰り返しながら蛇行させて流動させることにより、堅実に混合流体Rmを生成することができる。
【0028】
この際、連続相と分散相からなる流体Rが流入口側(上流側)の凹部群32,42間を蛇行しながら流動する際に受けるせん断力により分散相としての流体(本実施形態では気体)が微細化された混合流体Rmが生成される。
【0029】
このように、各凹部群32,42の対向する凹部34,44間に流体Rが蛇行しながら合流と分流を繰り返しながら流入口50から流出口51に至る連続的な流路において、分散相としての流体が異なるせん断力を受けながら複数回にわたって微細化されるため、マイクロレベルないしはナノレベルへの微細化生成も堅実にかつ効率良く行うことができる。
【0030】
本実施形態の流体混合装置Mでは、混合ケース10内に、混合ユニット20を積層状に重合配置して形成した複数の混合ユニット積層体60を配設しているため、これらの混合ユニット積層体60により多量の混合流体Rmを生成することができる。したがって、混合流体Rmの生成効率を高めることができる。その結果、流体混合装置Mには、流体Rを一度通過(1パス)させるだけでも混合精度(例えば、微細化性と均一化性)の高い混合流体Rmの生成することができ、所定回数通過させることで短時間に所望の混合流体Rmを得ることができる。
【0031】
次に、前記した流体混合装置Mの構成をより具体的に説明する。すなわち、混合ケース10は、一方向(本実施形態では左右方向)に伸延する四角形箱型に形成しており、左右方向に伸延する四角形板状の天井部13及び底部14と、天井部13及び底部14の前後左右側縁部間に介設した四角形板状の前・後・左・右側壁部15,16,17,18とにより形成している。右側壁部18の中央部には円形の導入口11を設けて、導入口11に循環パイプJの中途部の上流側端部を連通連結し、循環パイプJを通して導入口11から流体Rを加圧状態にて導入するようにしている。左側壁部17の中央部には導入口11よりも小径で円形の導出口12を設けて、導出口12に循環パイプJの中途部の下流側端部を連通連結し、混合ユニット20により混合された混合流体Rmを導出口12から循環パイプJを通して導出するようにしている。
【0032】
混合ユニット20の凹部群32は、開口形状が(底面視)正六角形で有底筒状の凹部34を幅方向(本実施形態では前後方向)にわたって隙間のない状態で伸延方向(本実施形態では左右方向)に複数列(本実施形態では4列)隣接させて垂設し、凹部34を下方に向けて開口させている。いわゆるハニカム状に多数の凹部34が形成されている。
【0033】
また、混合ユニット20の凹部群42は、第2エレメント40の対向面41の流入口50側に底面視正六角形で有底筒状の凹部44を幅方向(本実施形態では前後方向)にわたって隙間のない状態で伸延方向(本実施形態では左右方向)に複数列(本実施形態では4列)隣接させて突設し、凹部44を上方に向けて開口させている。いわゆるハニカム状に多数の凹部44が形成されている。
【0034】
凹部群32を形成する凹部34と凹部群42を形成する凹部44同士は、対向させて配置するとともに相互に連通するように位置を違えて配置している。つまり、凹部34(44)の中心位置に、凹部44(34)の角部46(36)が位置する状態で当接している。したがって、例えば、第1エレメント30の凹部34側から第2エレメント40の凹部44側に流体Rが流れる場合を考えると、流体Rは、2つの流路に分流(分散)されることになる。すなわち、第1エレメント30の凹部34の中央位置に位置された第2エレメント40の角部46は、流体Rを分流する分流部として機能する。逆に、第2エレメント40側から第1エレメント30側に流体Rが流れる場合を考えると、2方から流れてきた流体Rが1つの凹部34に流れ込むことで合流することになる。この場合、第2エレメント40の凹部44の中央位置に位置された第1エレメント30の角部36は、合流部として機能する。
【0035】
混合ユニット20は、アクリル樹脂等の合成樹脂により各パーツ(構成部材)を形成して、これらを接着剤により一体的に接着することで一体的に構成することも、また、ステンレス鋼等の合金により各パーツを形成して、これらをビス止めにより一体的に組み付けることで一体的に構成するもできる。
【0036】
本実施形態では、流体Rの流動幅である混合ユニット20の左右幅W2(導入口から導出口へ向けて流動する流体Rの流動方向の幅)よりも、流体Rの流入・流出幅である混合ユニット20の前後幅W5(流体Rの流動方向と略直交する方向の幅であって、前・後壁部15,16の間隔と同一幅)を広幅となした帯状に形成している。導入口側溜り空間Suの左右幅W1は混合ユニット20の左右幅W2と略同一幅となし、中継溜り空間Shの左右幅W3は混合ユニット20の左右幅W2の略二分の一幅となし、導出口側溜り空間Sdの左右幅W4は混合ユニット20の左右幅W2と略同一幅となしている。各溜り空間Su,Sh,Sdの前後幅と上下幅は混合ケース10の内面の前後幅と上下幅と同一である。そして、導入口側溜り空間Suの下流側面と最上流側に配置した第1の混合ユニット積層体60の各流入口50とが面接触して連通し、第1の混合ユニット積層体60の各流出口51と最上流側に形成した第1の中継溜り空間Shの上流側面とが面接触して連通し、第1の中継溜り空間Shの下流側面と第2の混合ユニット積層体60の各流入口50とが面接触して連通し、第2の混合ユニット積層体60の各流出口51と第2の中継溜り空間Shの上流側面とが面接触して連通し、第2の中継溜り空間Shの下流側面と第3の混合ユニット積層体60の各流入口50とが面接触して連通し、第3の混合ユニット積層体60の各流出口51と第3の中継溜り空間Shの上流側面とが面接触して連通し、第3の中継溜り空間Shの下流側面と第4の混合ユニット積層体60の各流入口50とが面接触して連通し、第4の混合ユニット積層体60の各流出口51と導出口側溜り空間Sdの上流側面とが面接触して連通している。
【0037】
このようにして、導入口11から導入されて導入口側溜り空間Suに充満した流体Rは、第1の混合ユニット積層体60の各流入口50から各混合ユニット20内に並列状態に流入して、各混合ユニット20内で蛇行しながら合流と分流(分散)を繰り返しながら流動することで、せん断力を受けて分散相である気体が微細化されるとともに均一に混合された混合流体Rmとなる。
【0038】
続いて、混合流体Rmは、第1の混合ユニット積層体60の各混合ユニット20の各流出口51から流出されて、第1の中継溜り空間Shに充満される。第1の中継溜り空間Shに充満された混合流体Rmは、第2の混合ユニット積層体60の各流入口50から各混合ユニット20内に並列状態に流入して、各混合ユニット20内で第1の混合ユニット積層体60と同様に混合処理される。その結果、分散相である気体がさらに微細化されるとともに均一に混合された混合流体Rmとなる。
【0039】
続いて、混合流体Rmは、第2の混合ユニット積層体60の各混合ユニット20の各流出口51から流出されて、第2の中継溜り空間Shに充満される。第2の中継溜り空間Shに充満された混合流体Rmは、第3の混合ユニット積層体60の各流入口50から各混合ユニット20内に並列状態に流入して、各混合ユニット20内で第2の混合ユニット積層体60と同様に混合処理される。その結果、分散相である気体がさらに微細化されるとともに均一に混合された混合流体Rmとなる。
【0040】
続いて、混合流体Rmは、第3の混合ユニット積層体60の各混合ユニット20の各流出口51から流出されて、第3の中継溜り空間Shに充満される。第3の中継溜り空間Shに充満された混合流体Rmは、第4の混合ユニット積層体60の各流入口50から各混合ユニット20内に並列状態に流入して、各混合ユニット20内で第3の混合ユニット積層体60と同様に混合処理される。その結果、分散相である気体がさらに微細化されるとともに均一に混合された混合流体Rmとなる。
【0041】
続いて、混合流体Rmは、第4の混合ユニット積層体60の各混合ユニット20の各流出口51から流出されて、導出口側溜り空間Sdに充満される。導出口側溜り空間Sdに充満された混合流体Rmは、導出口12から導出される。
【0042】
各混合ユニット20においては、流体Rの流動幅である各混合ユニット20の左右幅よりも流体Rの流入・流出幅である各混合ユニット20の前後幅W5を広幅に形成しているため、大量の流体Rが短時間に各混合ユニット20を流動して通過する。
【0043】
このように、混合ケース10内では、流体Rないしは混合流体Rmが導入口11→導入口側溜り空間Su→第1の混合ユニット積層体60→第1の中継溜り空間Sh→第2の混合ユニット積層体60→第2の中継溜り空間Sh→第3の混合ユニット積層体60→第3の中継溜り空間Sh→第4の混合ユニット積層体60→導出口側溜り空間Sd→導出口12と流動する。
【0044】
この際、混合ケース10内では、比較的流路抵抗が小さい各溜り空間Su,Sh,Sdと比較的流路抵抗が大きい第1〜第4混合ユニット積層体60とが交互に配置されているため、混合ケース10内を流動する流体Rないしは混合流体Rmの流速が間欠的に激変する脈流となすことができる。そのため、流体Rは、各混合ユニット20中を流動する際にせん断力を受けることはもとより、混合ケース10内においても脈流となって流動される際にせん断力を受ける。その結果、流体Rに作用させるせん断効果を増大させて、分散相をナノレベル(1μm以下)に微細化することができるとともに、大量に混合流体Rmを生成することができる。
【0045】
また、本実施形態では、混合ケース10内に所要枚数(10枚)の混合ユニット20を積層状に重合させて配設することで混合ユニット積層体60をコンパクトに形成することができるとともに、複数(4個)の混合ユニット積層体60を上流側から下流側に間隔をあけて配設することで、各混合ユニット20による流体混合処理を同時に平行して効率良く行うことができる。したがって、混合ケース10内にコンパクトに配設された適当な個数の混合ユニット20により適量の混合流体Rmを効率良く生成するとともに、混合ケース10から導出させることができる。
【0046】
前記のように構成した流体混合装置Mは、水中ポンプの吐出部に導入口11を接続して、水中ポンプの吸入部から吸入した異なる複数の流体を、吐出部から流体混合装置M内に吐出して流体混合装置M内を流動させることで、流体混合処理を行うこともできる。
【実施例】
【0047】
前記した流体混合装置Mを具備する混合流体生成装置Aにより気液混合流体を生成する実験を行った。すなわち、連続相としての流体として海水を採用し、分散相としての流体として窒素ガスを採用した。タンクT内に塩分濃度3.4%の海水を収容し、循環パイプJを通して海水を循環させるとともに、気体供給部K2から窒素を3.0L/min供給した。この際、(株)鶴見製作所製の陸上ポンプ(出力:2.2kW)である吐出ポンプPbからの吐出量は260.0Lであった。なお、本実験では吸込ポンプPaは使用しなかった。
【0048】
生成された気液混合流体(窒素海水)の溶存酸素量であるDO値(Dissolved Oxygen)を測定した。その結果は、
図6(DO値の経時的測定結果を示す表)に示す通りであり、実験開始時のDO値が7.24mg/Lであったのに対し、1時間混合処理後には0.17mg/Lに激減していた。
【0049】
そして、ナノサイト社製のナノ粒子解析装置「NanoSight NS500」により1μm以下(ナノレベル)の窒素等の気泡総数を測定した。その結果は、原海水のナノバブル密度が0.92億個/mlであったのに対し、1時間混合処理後のナノバブル密度は2.30億個/mlであり、2.5倍に倍増していた。
【0050】
上記した本実験では、流体混合装置Mを具備する混合流体生成装置Aにより気液混合流体を生成することで、DO値を能率良く低減化できるとともに、ナノバブル密度を倍増化できることが確認できた。その結果、流体混合装置Mは、流体のせん断効率・微細化効率が良いことが分かった。