(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0009】
図1は、本発明商品供給システムの一実施例の図であって、管理システム1、需要者側システム2、供給者側システム3、ストッカ5、配送車6を含んで構成するシステムである。場合によっては、供給者側システム3は供給者ホームページ4を含む。また、管理システム1と需要者側システム2の間には通信ライン11、通信ライン12、管理システム1と供給者側システム3の間には通信ライン13、通信ライン14、管理システム1とストッカ5の間には通信ライン15、通信ライン16、を設ける。そして、配送車6は、商品21乃至26(
図3も参照のこと)を配送し、需要者はそれらの受け取り17を行う。
【0010】
受取手段及び情報記憶手段は管理システム1に設けられる。需要者情報及び供給者選択情報は需要者側システム2において作成され通信ライン11により送られる。供給者情報は主に供給者側システム3において作成され通信ライン13により送られるが、管理システム1において作成される場合もある。配送情報は通信ライン12、14、16により需要者側システム2、供給者側システム3、ストッカ5に送られる。
【0011】
購入希望商品の消費予定とは、
図2の消費スケジュールのようにいつ消費を行う予定かを示すものである。これには、「消費未定」という情報も当然に含まれる。予算情報とは、需要者がどの程度の予算で購入を希望するかを示すものである。これには、「予算未定」という情報も当然に含まれる。受取予定情報とは、受取場所(自宅、ストッカ、又はその他の指定された場所)や受取日時の情報を含むものである。供給者選択情報とは需要者が購入を希望する供給者を決定する情報である。これには、「どの供給者でもよい」という情報も当然に含まれる。供給商品の大きさはストッカ占有情報やストッカスペース情報との関係で必要になる情報である。供給商品の消費期限は、消費スケジュールとの関係で必要になる情報である。これには、
図3の商品26のように「消費期限なし」のものも含まれる。配送情報とは、受取予定情報、供給者側の配送システム及びストッカの稼働状況から決定される情報であって、需要者側システム2、供給者側システム3、ストッカ5に送られる。
【0012】
図2は、消費スケジュール201、消費メニュー202、消費者情報203、204、及び、商品及び数量の例205乃至208の関係を示す図である。これらは、主に需要者側システム2に用いられ、必要な情報は適宜通信ライン11によって管理システム1に送られる。
図2に示すように管理システム1は需要者がいつ消費を行う予定か、その内訳(メニュー)は何か、需要者の構成、例えば、大人、子供、性別、体質、病歴はどうなっているのか、という情報を需要者側から受け取って、商品、数量の決定を行うことができる。ここで言う決定とは、追加、変更、削除を含む概念である。
図2の例において、管理システム1は消費者情報203について、大人2人、子供2人を大人3人分と判断し数量の決定を行っている。また、管理システム1は商品について内訳(メニュー)から導出している。
【0013】
図3は、商品、数量、ストッカ、ストッカ占有情報、及び、ストッカスペース情報の関係を示す図である。
図3では、この関係を示すためストッカ納品庫301乃至303により説明する。
図3の上段では、ストッカ301乃至303には商品が納品されており、ストッカ占有情報は「納品」を示す。そして、
図3の中段において需要者が受け取りを行うとストッカ占有情報が「空き」を示す。また、ストッカスペース情報はストッカ納品庫301乃至303のストッカ占有情報が「空き」を示すことにより、「横並び3つ連続納品庫空き」を示す。このような情報から、管理システム1は「3つ連続納品庫空き」が必要な商品26を配送可能と判断し、配送情報を作成する。本実施例においてはスペースにより配送可否を判断したが、ストッカやストッカ納品庫の耐荷重情報によって、又は、それらを加味して配送可否を判断してもよい。
【0014】
配送車6から配送者はストッカへ配送情報により納品を行う。ストッカは、配送者の納品完了によりストッカ納品庫にロックがかかる機能を持つようにしてもよい。ストッカは、納品完了により管理システム1を通じて需要者に通知がされる機能を持つようにしてもよい。ストッカは、需要者は受け取り17の際にID、パスワードによってストッカ納品庫を開閉することができる機能を持つようにしてもよい。ストッカは、これについて、取り忘れを考慮した場合に一定期間開閉を可能とする機能を有する場合がある。ストッカは、ストッカ納品庫の閉じる動作により伝票を発行することができる機能を持つようにしてもよい。ストッカは、この伝票発行と同時に管理システム1へ需要者による受領を通知する機能を持つようにしてもよい。また、管理システム1はストッカ1の開閉履歴を管理することができる。
【0015】
本実施例において配送車6としたが、鉄道、船、飛行機による配送でもよい。また、ストッカスペース情報は管理システム1が判断してもよい。さらに、管理システム1と需要者側システム2の間において、ポイントや通貨を流通させてもよい。そして、
図2の消費メニューにおいて管理システム1から送られる有償レシピが含まれるようにしてもよい。
【0016】
図3に示すストッカは、温度管理機構を設けてもよい。また、温度管理機構の持つ情報からどの商品をどのストッカ納品庫に納品するかを決定し、省電力なブロック温度管理をできるようにしてもよい。また、ストッカに例えばプラズマによる清掃機能や、臭いを検知する気体センサなどを設けてもよい。さらに、ストッカ占有情報やストッカスペース情報を作成するために、重量センサ、光学センサ、接触センサ、撮像装置などを設けてもよい。そして、ストッカはストッカ納品庫の利用頻度情報を管理するようにしてもよい。
【実施例2】
【0017】
図4、
図5により実施例2を説明する。
図4はストッカの温度管理を示したものである。ストッカには図示しない温度管理機構が少なくとも一つ以上のストッカ納品庫に備えられている。
図4ではストッカ納品庫402、413、415について温度管理が必要なことを示している。また、供給商品温度管理情報は供給者情報に含まれる。そして、情報記憶手段より前記ストッカ通信手段により前記ストッカ部記憶手段にその情報は送信される。さらに、その情報によって消費電力管理システムが温度管理を行う。
図5は、ストッカの消費電力を少なくするためにほぼ同一の温度管理が必要なストッカ納品庫を近づけるような配置にするものである。こうすることにより、例えば、ストッカ納品庫514を冷蔵状態にする場合にストッカ納品庫513及びストッカ納品庫515による保冷効果を受けることができる。さらに、同様に考えると、最も左の列501、502、503は55℃、504、505、506は常温(温度管理必要なし)、507、508、509は20℃、510、511、512は冷蔵(10℃)、最も右の列513、514、515は冷凍(−18℃)というように段階的に温度管理を行うことも消費電力を少なくすることに繋がる。
【0018】
また、
図4のストッカ納品庫402、413、415以外のストッカ納品庫がストッカ占有情報において「納品」を示す場合には、通常の配送情報によって
図5のような状態にすることはできない。このような場合、商品供給システムから配送情報を変更することにより
図5の状態にすることもできる。
図4から
図5への置き換えはロボットによって自動で行われてもよいし、配送員による置き換えが行われてもよい。特に、長期間受け取りができない需要者がいる場合には、置き換えを行うことで消費電力をより少なくすることができる。
【0019】
ここで、商品供給システムは、長期間受け取りができない需要者がいる場合には、納品されていることや納品が完了してからどのくらい時間が経過しているかを通知することも可能である。
【実施例3】
【0020】
図6により実施例3を説明する。
図6はストッカ納品庫603内の画像処理システム601とその汚れ602を示すものである。ストッカ納品庫にはさまざまな商品の納品が予定されている。つまり、取り扱う商品によってはストッカ納品庫内を汚すことがある。このようなときに、次の商品を納品するとその汚れが次の商品に付着することがある。これは需要者にとって望ましいことではない。このような事態を避けるために、ストッカ納品庫603に画像処理システム601を設けて、庫内の汚れを管理し所定のしきい値を超えたら異常とする管理を行う。異常情報管理システムにより異常と判断されたら、その異常がなくなるまでストッカ納品庫に対して配送は行われない。また、商品配送システムは、ロボットによる自動清掃か、配送員など人による清掃が必要かを判断し指示を行う。清掃はプラズマ装置を用いてもよい。
【0021】
同様にストッカ納品庫603に異常検知装置付きのロックを設け、不当にロックが解除されていないかなどの異常情報を管理することもできる。また、臭いを検知する気体センサを設けて、所定のしきい値を超えたら異常と判断するような管理をすることもできる。さらに、画像処理システム601により、ストッカ納品庫の破損のような異常を管理することもできる。そして、停電のような異常を電力管理システムにより管理することもできる。これらは、ストッカ納品庫毎に行ってもよいし、ブロック単位で行ってもよいし、ストッカ全体で行うこともできる。それぞれの機能は一つずつだけではなく、複数設けることも可能である。異常情報はストッカの管理者、需要者又は供給者に送信される。
【0022】
同様に画像処理システム601や重量センサにより、納品、受け取りの商品管理を行うことも可能である。これは、複数の商品の受け取りの一部をとり忘れたなどの異常情報を管理することもできる。納品、受け取りが完了した場合、一定時間経過後にロックを行うようにしてもよい。
【実施例4】
【0023】
図7、
図8により実施例4を説明する。
図7は供給者ホームページ4に表示される画面を示したものである。通常は
図7に示される表やツリー構造により画面が表示される。このような方法は一見、整然として見やすいと考えられるが取り扱う商品が多くなってくると構造が複雑になり需要者にとって把握しづらいものになる。ところで、需要者の多くは自宅に近いところにある商店やスーパー等(供給者)によく通うものである。このような場合、足繁く通ううちにその商店やスーパー等の商品の配置を覚え、それがまた便利さを増しさらによく通う要因となる。そこで、
図8のように供給者からの情報により供給者配置情報を得て、需要者の選択した供給者の店舗の陳列を画面に再現するようにする。このようなシステムにより、それぞれの需要者が好む商品の配列を画面に表示することができる。ひいては、商品供給システムの利便性を高めることができる。また、需要者の自宅に近いところにある商店やスーパー等(供給者)が商品供給システムに参画していない場合は、画面上の「鮮魚」、「肉」、「野菜」といった情報を需要者が自由に配置換えを行い所望の配置にすることもできる。
【実施例5】
【0024】
図9により実施例5を説明する。
図9はクッキングヒーターを使った調理の一例である。商品供給システムは、需要者情報に含まれる消費メニュー情報から、メニューに適合した強火5分、中火3分、弱火20分というクッキングヒーターの加熱情報を需要者に提供する。この情報はクッキングヒーターの持つ記憶手段に通信手段により送られるようにしてもよい。クッキングヒーターはこれらの情報から加熱の調整を行い、需要者が加熱の微調整を行わずとも調理を行うことができる。また、商品や商品の管理期間に応じて強火5分、中火3分、弱火20分という情報を強火4分、中火2分、弱火20分というように調整して情報を配信するようにしてもよい。商品の産地や商品が収穫されてからどのくらいの時間が経過しているかは、適切な調理情報に密接に関わってくるためである。
【0025】
なお、クッキングヒーターだけでなく、電子レンジや電子オーブンなど様々な調理器具に応用することが可能である。
【実施例6】
【0026】
実施例1において、ストッカへの配送情報を作成するときに需要者情報に含まれる需要者受取人情報を参照するようにしてもよい。特に高齢者、腰痛を持つ需要者、又は、年少者にとってはストッカ納品庫の設置面からの高さが重要な要素になる。これらの需要者に商品を受け渡すときにはストッカ納品庫の高さ情報を管理し、受け渡し可能な高さより低い位置に納品を行うべきである。
【実施例7】
【0027】
図10により実施例7を説明する。
図10は所定期間の献立を需要者が選択したものを示している。これらを選択することにより、購入希望商品、購入希望商品の数量、及び、購入希望商品の消費予定、が決まる。したがって、商品供給システムはこれらについて情報記憶手段に記憶し、供給者から需要者への配送内容を決定し配送情報を作成することができる。
【0028】
所定期間の献立により、購入希望商品は決まるが需要者によっては代替が必要な場合がある。例えば、卵アレルギーという体質である需要者はたんぱく質などの栄養分を他のものから摂取しなくてはならないし、疾病によって食料制限がなされる場合もある。また、子供には飲食させられないものもある。さらに、高級食材や手に入れにくい食材が希望された場合、予算や供給状況によっては配送することができないということも起こり得る。このような情報から、代替情報により購入希望商品などを入れ替える。これは需要者に前もって通知するようにしてもよい。購入希望商品などが代替されると、購入希望商品による占有体積が変わってくるため、ストッカ占有情報やストッカスペース情報から配送情報を決定しなければならない。また、現在のストッカの状況から配送が可能かどうか判断しなければならない。
図10によって説明すると、商品供給システムは、ストッカの状況によっては、第1日目、第2日目の分を配送情報として決定し、第3日目、第4日目は、ストッカが空くのを待ってから配送するということもできる。
【0029】
図10において所定期間の献立のうち、第1日目の夕食、第3日目の夕食、第4日目の夕食のように需要者が同じ消費メニュー(カレーライス)を選択する場合がある。このような場合、商品供給システムは同じ消費メニューが選択されたことを記憶する。例えば、需要者の設定によって、次回以降の購入希望商品、購入希望商品の数量、及び、前記購入希望商品の消費予定の情報とリンクして同じ消費メニューが選択されていることを需要者に報知してもよい。また、所定期間の献立中、同じ消費メニューが選択されていることを需要者に報知してもよい。これらの機能により、消費メニューの選択コントロール、所定期間の繰り返しを回避することも可能となる。
【0030】
前段落に記載した内容は、同じ消費メニューの選択について用いられるだけでなく、購入希望商品、購入希望商品の数量、及び、購入希望商品の消費予定についての履歴を残し需要者在庫情報を作成することにも役に立つ。例えば、所定期間の献立を注文した後に、その期間が過ぎる前に需要者がさらに追加注文をした場合に、需要者在庫情報により注文を調整することができる。このような機能によれば、需要者側は追加注文の際に余分な注文をしたりする必要がなくなるし、前回の注文と比較しながら、追加注文をすることができる。さらに、需要者在庫情報や注文内容から消費メニューが選択されるようにしてもよい。
【0031】
所定期間の献立は需要者側から評価することが可能であり、その評価を供給者ホームページ4に表示するようにしてもよい。また、所定期間の献立を選択する際に参考になるように、他の需要者の選択状況を表示する等によりトレンドを把握できるようにしてもよい。また、所定期間の献立が長期間に渡る場合などには、個々の商品についてまとめ買いをした方が需要者にとって利益となる場合もあり、その推奨をするようにしてもよい。
【実施例8】
【0032】
消費メニューは需要者が作成することもできる。このような、消費メニューは需要者からの投稿により商品供給システムに管理され、その消費メニューが他の需要者の間で多く選択されるような場合に、作成した需要者へその貢献を還元する。例えば、ポイントを付与すること等が考えられる。このポイントは商品供給システムの中で金銭に代わるものとして流通する。また、消費メニューはシチュエーションによって分類、検索が可能である。そして、作成した需要者への還元は、ポイントによるものだけではなく、年間、月間、週間ランキング表示などにより行うこともできる。さらに、
図2、
図10の消費メニューにおいて管理システム1から送られる有償レシピが含まれるようにしてもよい。このポイントは商品供給システム内だけではなく、商品供給システムを運営するものが開催する有名シェフの試食会などの各種催しの優先入場権としても利用することができる。
【実施例9】
【0033】
消費メニューはあくまで完成されたものであって、それを調理するのは需要者である場合も多い。また、購入希望商品、購入希望商品の数量、及び、購入希望商品の消費予定により、適切な調理方法を提供することも需要者の役に立つ。そこで、商品供給システムはクッキングガイド情報として調理方法を提供することができる。これらのクッキングガイド情報は実施例5の調理器具とも連携することができる。また、クッキングガイド情報は動画や音声にて提供される場合があり、調理の進捗に合わせ、声で停止や再生などの操作をすることができると便利である。
【実施例10】
【0034】
配送員はストッカへ、ストッカ納品庫を単位として配送をしなければならない。これは、供給者が配送する商品を仕分けするときにストッカ納品庫単位のかごなどにより行われると、後の配送が簡便になる。また、商品に付随するバーコードとかごに付されたRFIDなどにより入れ間違いを防止する機能を設けてもよい。そうすれば、タブレットにより供給者、配送員が簡便に商品の仕分け、配送を行うことができる。そして、かごについてはそこに袋をセットするようにすることも可能である。